JP2577532Y2 - 可変焦点式レンズの鏡胴 - Google Patents

可変焦点式レンズの鏡胴

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JP2577532Y2
JP2577532Y2 JP1990029069U JP2906990U JP2577532Y2 JP 2577532 Y2 JP2577532 Y2 JP 2577532Y2 JP 1990029069 U JP1990029069 U JP 1990029069U JP 2906990 U JP2906990 U JP 2906990U JP 2577532 Y2 JP2577532 Y2 JP 2577532Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばカメラ等に使用される可変焦点式レ
ンズの鏡胴に関し、少なくとも、2群以上のレンズ群を
有する可変焦点式レンズの鏡胴に関するものである。
〔従来の技術〕
カメラの分野では、遠距離に位置する被写体や近距離
に位置する被写体を、所望の大きさおよび構図で撮影し
得るようにするため種々の可変焦点式レンズが用いられ
る。
その中に、例えば実公昭63-47865号公報に示されてい
るような、いわゆる2焦点レンズと一般に呼称されてい
る可変焦点式レンズがある。
この可変焦点式レンズは、第8図および第9図に示す
ように、主レンズ群101、この主レンズ群101を保持する
主筒102、この主筒102を可動的に支持する主筒バー10
3、副レンズ群104、この副レンズ群104を保持するエク
ステンダー105、無限調整ビス107、回転リング108、ば
ね109、鏡筒ユニット110、シャッタ装置111、支持バー1
12、保持枠板113、案内バー114、カメラ本体115、遮光
板116、蛇腹117、スプロケット118、カメラ外装ケース1
19、前記エクステンダー105を可動的に支持するエクス
テンダーバー120、ばね121および調整ビス122から構成
され、特に副レンズ群104は、主レンズ群101の後方撮影
光路に対して挿脱可能に構成されている。
そして、短焦点距離での撮影(例えば、標準撮影また
は広角撮影)のときには、第8図に示すように、主レン
ズ群101のみを撮影光路上に位置させてその焦点距離を
実現し、長焦点距離での撮影(望遠撮影)の際には、第
9図に示すように、主レンズ群101の後方撮影光路上に
副レンズ群104を挿入し、主レンズ群101と副レンズ群10
4との協働作用によってその焦点距離を実現するように
構成されている。
ところで、主レンズ群101と副レンズ群104とが互いに
独立して支持され、しかも、それぞれのレンズ群101,10
4の間に相対的運動が行われる可変焦点式レンズの場合
には、主レンズ群101に対する副レンズ群104の偏心が結
像性能に大きな影響を及ぼす。
この偏心は、それぞれのレンズ群101,104の撮影光軸
に対する倒れないし傾き、または、それぞれのレンズ群
101,104の撮影光軸に対する平行シフトという現象で発
生する。
これらの現象は、各々レンズ群101,104を固定的に保
持するレンズ枠部材である主筒102およびエクステンダ
ー105と、これらの部材102,105を可動的に支持する鏡筒
ユニット側の支持部材である主筒バー103およびエクス
テンダーバー120との間に存在する、各々の嵌合隙間
(一般にガタとも云う)によってもたらされる。
そして、この嵌合隙間の存在によって生じる偏心は、
それが倒れ現象の場合には、第10図に示すように、両レ
ンズ群101,104が互に逆の方向に倒れるケースと、第11
図に示すように、両レンズ群101,104がともに同一方向
に倒れるケースとに分かれて平行シフトが生じ、この、
平行シフトの現象の場合には、それぞれのレンズ群101,
104の一方が撮影光軸に対して平行シフトしたとき、各
レンズ群101,104の平行シフト量が異なるときに、結果
的に、同一方向への倒れ現象として表れることになる。
従って、偏心を防止ないし抑止しようとする場合に
は、これらのガタの存在に起因するそれぞれのレンズ群
101,104の倒れ現象を如何にして除去または抑止するか
が問題となる。
〔考案が解決しようとする課題〕
さて、第8図および第9図に示す可変焦点式レンズで
は、互いに嵌合している主筒102と主筒バー103との間、
およびエクステンダー105とエクステンダーバー120との
間にそれぞればね109および121を設けて、あたかも、前
述した各レンズ群101,104の倒れ現象を阻止ないし抑止
しているかのように構成してある。
しかしながら、図示されたばね掛け方法は、撮影光路
に沿う方向のガタ寄せ(ガタ取り)には有効であって
も、主レンズ群101および副レンズ群104の倒れ現象につ
いての防止ないし抑止には、何等の寄与もしていないば
ね掛け方法ということができる。
すなわち、それぞれが片持ち式に支持された主筒102
およびエクステンダー105では、それぞれのばね109およ
び121が主筒102およびエクステンダー105に片当り的に
作用し、これらの付勢力により、主筒102およびエクス
テンダー105が互いに逆方向に倒されるという問題を惹
き起すおそれが生じる。
また、1本のばねを主筒102とエクステンダー105との
間に掛けて、両者102,105のガタを同時に除去しようと
することも不可能ではないが、このように構成した場合
には、通常、主筒102とエクステンダー105とが互に逆方
向に倒れる結果となり易い。
ところで、各レンズ群101,104の間の偏心による結像
性能の劣化の度合は、各レンズ群101,104が互に逆方向
に倒れるケースと同一方向に倒れるケースとでは異な
る。
すなわち、各レンズ群101,104が互に逆方向に倒ける
ケースでは、そのフィルム面F上での像影響量δは、
第10図に示すように、 δ=l1tanθ+l2tanθ となり、一方、各レンズ群101,104がともに同一方向に
倒れるケースでは、そのフィルム面F上での像影響量δ
は、第11図に示すように、 δ=|l1tanθ−l2tanθ| となって、逆方向に倒れるケースの方が劣化度が大きく
なる。
従って、付勢手段を使用して各レンズ群101,104の倒
れ現象を防止ないし抑止しようとする場合には、各レン
ズ群101,104がともに同一方向に倒れるように付勢する
方が有利となる。
しかし、一般的な付勢方法に基いて、各レンズ群101,
104の倒れ方向を同一方向にしようとすると、一般的に
云って付勢手段に用いるばねの設置数が最低2本必要に
なる。
これは、スペース的に余裕の少ない可変焦点式レンズ
の場合には、構造的な複雑さを招く原因となり、しか
も、コスト的に不利となるため、適切な解決策とはいえ
ないという問題が生じる。
そのため、これらの問題に対する適切な改善策の出現
が強く望まれていた。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、1本の
付勢部材による付勢手段を利用して、主レンズ群と副レ
ンズ群との倒れ方向を同一方向になし、構造的に簡単で
且つ低コスト化を実現し得る新規な可変焦点式レンズの
鏡胴を提供することを目的とする。
〔考案の構成〕
(課題を解決するための手段) この目的を達成するための本考案は、光軸に沿って平
行に配設された共通ポールと、 この共通ポールに摺動可能に嵌合保持され、前群レン
ズを保持する前群枠と、 この前群枠の後方位置において前記共通ポールに摺動
可能に嵌合保持され、後群レンズを保持する後群枠と、 この後群枠の前記共通ポール嵌合部から離れた部位に
当接する当接部材と、 前記前群枠の前記共通ポール嵌合部から離れた部位に
一端が係止され、前記後群枠の前記当接部材が当接する
部位より前記共通ポール嵌合部寄りの部位に他端が係止
された1つの付勢部材と、 からなり、 前記付勢部材の付勢力により、前記前群枠と前記後群
枠をそれぞれ光軸に対して同一方向へ倒し得るように構
成したことを特徴とするものである。
さらに、本考案は、請求項1に記載した可変焦点式レ
ンズの鏡胴において、特に、後群枠が当接部材に当接し
た状態において前記付勢部材の付勢力により、前記前群
枠と前記後群枠をそれぞれ光軸方向へ倒して前記前群枠
と前記後群枠の可動部のガタを吸収するように構成した
ことを特徴とするものである。
〔作用〕
上記のように構成された可変焦点式レンズの鏡胴は、
任意の2群のレンズ群をそれぞれ独立的に保持する2つ
の枠部材の間に介装する1つの付勢部材(例えば、連結
スプリング)の両係止端部の位置に特徴を持たせ、前記
2つの枠部材の可動的に嵌合隙間のある場合には、前記
付勢部材の付勢力を利用して、2つの枠部材をともに同
一方向に回転させて、任意の2群のレンズ群が同一方向
に倒れるようになし、上記嵌合隙間を吸収し、像影響量
を可及的に少なくしている。
〔実施例〕
以下、図示の実施例に基いて本考案の可変焦点式レン
ズの鏡胴を詳細に説明する。
第1図は、本考案の可変焦点式レンズの鏡胴に係る一
実施例の分解斜視構成図で、TELE撮影時の状態に在ると
きを示し、第2図は、第1図の状態に在る可変焦点式レ
ンズの鏡胴を上方から見た場合の構成図を示す。
図中、全体を1で表すのは本考案の一実施例に係る可
変焦点式レンズの鏡胴で、その撮影光学系は、例えば主
レンズ群LMと副レンズLSとから構成され、副レンズ群LS
は、撮影光路O上の作用位置と撮影光路Oから外れた退
避姿勢の位置(退避位置)との間を、往復的に変位し得
るように挿脱可能に構成されている。
すなわち、この可変焦点式レンズの鏡胴1において
は、主レンズ群LMのみが常に撮影光路O内に配置されて
いて、この主レンズ群LMだけで、例えば、WIDE(または
標準)撮影時の焦点距離を実現する。
そして、TELE撮影時の焦点距離を実現する場合には、
第1図に示すように、主レンズ群LMを撮影光路Oに沿っ
て被写体側に変位させつつ、副レンズ群LSを主レンズ群
LMの後方撮影光路(露光開口側の光路)内に挿入するこ
とによって実現するように構成されている。
2はこの可変焦点式レンズの鏡胴1のレンズ鏡枠で、
このレンズ鏡枠2には、撮影光路O上に位置する露光開
口3と、露光開口3の周囲部分にあって、いずれも撮影
光路Oに沿って被写体側に突出的に延びる共通ポール
4、回転阻止用ポール5および駆動リードねじ6とが設
けられている。
さらに、共通ポール4の右端部(図上)近傍のレンズ
鏡枠2の部分には、共通ポール4と平行にカム板部材7
が突設されており、このカム板部材7には、共通ポール
4の軸方向に対して傾斜した押下げ作用面7aと、共通ポ
ール4の軸方向と平行な保持作用面7bとが形成されてい
る。
なお、レンズ鏡枠2とカム板部材7とは、必要に応じ
てカメラ固定部(図示せず)と一体的に形成することも
可能である。
さて、前述の主レンズ群LMは、共通ポール4に対して
摺動可能に設けられた前群枠10に、また、副レンズ群LS
は、共通ポール4に対して摺動且つ回転可能に設けられ
た後群枠20に、それぞれ保持されるように構成されてい
る。
この場合、前群枠10は、枠本体11と補助枠部12とこの
両者を上下で連結するダブルステー13a,13bとから構成
され、枠本体11の下部と補助枠部12には、共通ポール4
と摺動的に精密嵌合するT−Nナット14が接着固定され
ている。
さらに、枠本体11の上方隅部には、回転阻止用ポール
5と精密に係合する切欠き部11aが形成されていて、前
群枠10が共通ポール4を中心として回転するのを阻止し
ている。
また、枠本体11の下部には、一方のT−Nナット14と
並んで駆動リードナット15が取付けられているが、この
駆動リードナット15は、共通ポール4および回転阻止用
ポール5で姿勢を固定化された前群枠10と駆動リードね
じ6とが位置的に干渉を生じることのないように、枠本
体11に対して調節可能に取付けられている。
なお、前群枠10の構成材料は、コスト上から合成樹脂
材であることが好ましく、また、T−Nナット14および
駆動リードナット15は、精度と耐久性とが得られるなら
ば、いずれも前群枠10と一体的に構成してもよい。
16は摺動脚部が二股に分岐している電気的な摺動ブラ
シで、前群枠10の枠本体11に適宜の絶縁材を介して取付
けられている。
この二股状の摺動ブラシ16は、その一方の摺動脚部
が、後述するポジションスイッチ基板41のWIDEパターン
42とTELEパターン43とに間欠的に圧接して摺動し、他方
の摺動脚部がグランドパターン44と常時圧接して摺動す
るように構成されている。
一方、後群枠20は、副レンズ群LSを保持する先端部21
と、二股に分岐された状態に形成された基部22と、両者
を連結するステー23とから構成され、基部22が前群枠10
の枠本体11と補助枠部12との間に位置するように、共通
ポール4に対して設けられている。
そして、先端部21の一部には、前述の回転阻止用ポー
ル5の外周面に係接し得る位置決め突起21aが形成され
ており、位置決め突起21aが回転阻止用ポール5と係接
したときに、TELE撮影時における後群枠20の姿勢を正確
に設定し得るように構成されている。すなわち、TELE撮
影時には、副レンズ群LSが撮影光路O上の作用位置に正
確に設定されるように構成されている。
また、後群枠20の基部22には、前述のカム板部材7と
係接し得る係脱ピン24が植設されているが、この係脱ピ
ン24とカム板部材7との相対関係は、WIDE撮影時に後群
枠20が露光開口3側に変位したときに、カム板部材7の
押下げ作用面7aがこの係脱ピン24を押下げて後群枠20を
時計方向へ回転させ、その後は、保持作用面7bの働きで
後群枠20をその退避姿勢の位置に保持し得るように設定
されている。
そのため、TELE撮影時に第1図に示す作用位置(挿入
位置)にある副レンズ群LSは、係脱ピン24が押下げ作用
面7aで押下げられた時点から撮影光路O外への退避を開
始し、係脱ピン24が保持作用面7bに当接した後はそのま
まの退避姿勢を保持することになる。
また、後群枠20の基部22にはT−Nナット22a,22cが
固定的に設けられ、このT−Nナット22a,22cを介し
て、共通ポール4に摺動且つ回転可能に嵌合している
が、被写体側に位置するT−Nナット22aを、例えば、
第3図に示すように、長く突出させるように構成した場
合には、後述する押動突起26を省略することが可能とな
る。
なお、後群枠20の構成材料は、合成樹脂材であること
が好ましく、T−Nナット22a,22cは、精度と耐久性と
が得られるならば、後群枠20と一体的に構成してもよ
い。
25は共通ポール4に巻回された捻ればねで、その旋回
付勢力を利用して後群枠20に反時計方向への回動力を付
与する。この捻ればね25は、その一端が前群枠10のダブ
ルステーの下側ステー13bに、他端が後群枠20の基部22
に植設した押動突起26にそれぞれ係止されている。
27は引張り作用を有する付勢部材としての、例えばコ
イル状をした連結スプリングであり、前群枠10の枠本体
11に形成された突起11bと、後群枠20の基部22に形成さ
れた突起22bとの間に介装されている。
この場合、共通ポール4と後述の調整ねじ28に対する
連結スプリング27の関係係止位置は、第2図に示すよう
に、連結スプリング27の前群枠10側の係止端部が共通ポ
ール4から見てその外側水平面個所に位置するように、
また、連結スプリング27の後群枠20側の係止端部が、共
通ポール4と調整ねじ28とのほぼ中間の水平面個所に位
置するように設定されている。
連結スプリング27の両係止端部位置を、このような関
係に設定すると、前群枠10の被写体側への変位に伴って
連結スプリング27に引張り的な付勢力が生じると、その
付勢力は、片持ち式に支持されている前群枠10および後
群枠20に対して、次のように作用する。
すなわち、連結スプリング27の付勢力は、前群枠10
を、共通ポール4を支点として第2図上で反時計方向
(矢印方向)へ回転させるように作用し、同時に、後群
枠20を、調整ねじ28の先端部を支点として同様に反時計
方向(矢印方向)へ回転させるように作用する。
そのため、共通ポール4と前群枠10および後群枠20と
の間に、幾らかでも嵌合間隙が存在していれば、両方の
枠10,20はともに反時計方向に回転し、主レンズ群LM
副レンズ群LSとが同一方向に倒れることになる。
従って、この倒れ現象によるフィルム面F上での撮影
響量δは、第11図に示すように、 δ=|l1tanθ−l2tanθ| となり、主レンズ群LMと副レンズ群LSとが互いに逆方向
に倒れる場合の像影響量δよりも、著しく小さくな
り、その分、撮影光学系の結像性能が良好に維持される
ことになる。
なお、前述の水平面個所は、あくまで一例であって、
連結スプリング27の両係止端部位置を他の面内に設定す
ることも可能である。
ところで、前群枠10が被写体側へ変位するときには、
前述の連結スプリング27の付勢力の働きで、後群枠20が
同方向へ一体的に変位しようとする。しかしながら、後
群枠20の被写体側への変位量は、TELE撮影時における後
群枠20の光軸方向の位置を定める調整ねじ28の先端部
(図上の右端部)により、規制されるように構成されて
いる。
すなわち、調整ねじ28は、後述するポジション台40の
左端部近傍、または、レンズ鏡枠2の適宜個所に起立的
に形成された支持板45に螺合的に設けられ、その螺合回
転量によって、後群枠20に接触する先端部の位置(以
下、「規制位置」という)を調整し得るように構成され
ている。
そのため、たとえ前群枠10が大きく被写体側へ変位し
た場合でも、後群枠20はその規制位置に止められること
になる。この場合、後群枠20には前述の連結スプリング
27の付勢力が働くから、後群枠20が規制位置に止められ
ることは、後群枠20の光軸方向の位置を安定化させるこ
とにも役立つことになる。
一方、前群枠10が露光開口3側へ変位するときには、
後群枠20の基部22に設けられた押動突起26(または、T
−Nナット22a)を介して、後群枠20を同方向へ一体的
に押動変位させ得るように構成されている。
29は前群枠10をWIDE撮影時の位置に安定保持するため
の圧縮ばねで、前群枠10の補助枠部12とレンズ鏡枠2と
の間の共通ポール4に巻回的に設けられている。
さて、前述の駆動リードねじ6は、例えば2条ねじと
して構成され、その左端部には、従動ギア31とロータリ
ー・エンコーダ(以下、「エンコーダ」とも略称する)
32とが固定的に取付けられており、この内、従動ギア31
は、適宜の減速ギア機構(図示せず)を介して、駆動リ
ードねじ6を可逆方向へ駆動し得るDCモータ33の駆動ギ
ア34と連結されている。
この場合、DCモータ33は、コアを有するモータとして
構成され、エンコーダ32は、フォトインタラプタ35と組
合わされて、駆動リードねじ6の回転角および回転数を
パルス信号として検出するためのパルス信号発生手段36
を構成するように設けられている。
ところで、高速回転しているモータを停止させる場合
には、自由回転によるものと、ブレーキを掛けるものと
の2通りの方法が考えられるが、いずれの方法であって
も、停止信号が発せられてからモータが停止するまでの
間には、たとえ精度の高いDCモータを使用した場合で
も、数回転分の残留回転(自走回転)が発生する。
この自走回転の回転数は、たとえコギング(コアを有
するDCモータに特有の周期的なトルク変動)がない場合
でも大きくバラつき、モータの最終的な停止位置の確率
に大きな影響を与える。
すなわち、第12図および第13図に示すように、コギン
グによる自走回転トルクの変化のうちで、1周期内に同
期するポイントがない状態(ランダム状態)で発生する
パルスの場合には、モータに対して任意のパルス数で停
止信号を出すと、自走回転トルクの大小と負荷との関係
から最終の停止位置がバラつく。
このような停止位置のバラつきは、モータの本来的な
性能に悪影響を与えてモータ駆動制御の精度を著しく低
下させることになるから、モータの回転角ないし回転数
を利用して、撮影レンズの焦点距離の変更や焦点合せを
行わせる場合には、その精度を著しく低下させることに
なる。
そのため、このようなモータの停止位置のバラつき現
象を防止して、バラつき現象に起因する悪影響を防止す
る必要が生じる。図示実施例では、この必要性から、DC
モータ33のコギング周期Tmと、パルス信号発生手段36の
パルス信号発生周期Tpとを、 1/2Tp=n・Tm(但し、nは自然数) なる関係式で同期させるように構成し、如何なる位置に
おいても、コギングに起因するモータの停止位置のバラ
ツキをなくして、モータを最終的なストップ位置に確実
に停止させ得るように構成してある。
例えば、DCモータ33のコギングが1回転につき6回あ
るとすれば、エンコーダ32のスリットは、DCモータ33の
1回転につきパルス信号が6の倍数回(12回)だけ発生
し得るように設計されている。
なお、DCモータ33の自走回転トルク位置については、
コギングトルクのピーク位置である必要はない。
40は例えば合成樹脂材のような適宜の絶縁材で作られ
たポジション台で、その内側面が撮影光路O(共通ポー
ル4)と平行する状態で、レンズ鏡枠2に起立的に設け
られている。
そして、このポジション台40の内側面には、WIDE撮影
時およびTELE撮影時における、主レンズ群LMおよび副レ
ンズ群LSの各関係位置を設定するためのポジションスイ
ッチ基板41が固定されている。
このポジションスイッチ基板41には、第4図および第
5図に示すように、WIDEパターン42、TELEパターン43、
グランドパターン44の3本の導電性が形成されている。
この場合、WIDEパターン42およびTELEパターン43は、
光軸方向には所定の絶縁間隔を隔てて同一線上に、しか
も、グランドパターン44に対して、ともに平行するよう
な状態に配設されている。
そして、前述の摺動ブラシ16の一方の摺動脚部が、WI
DEパターン42とTELEパターン43とに間欠的に接触し、他
方の摺動脚部がグランドパターン44と常時接触するよう
な状態に構成され、この摺動パターン16が、WIDEパター
ン42とグランドパターン44との間、およびTELEパターン
43とグランドパターン44との間を、それぞれ短絡し得る
ように構成されている。
その結果、グランドパターン44とWIDEパターン42と
は、摺動ブラシ16を介してWIDEポジションスイッチSWW
を構成し、また、グランドパターン44とTELEパターン43
とは、摺動ブラシ16を介してTELEポジションスイッチSW
Tを構成することになる。
そして、焦点合せの際のWIDE基準位置(WIDE時スター
ト位置)W0とTELE基準位置(TELE時スタート位置)T0
また、WIDE撮影時の最至近撮影位置W1と無限遠撮影位置
W2、さらに、TELE撮影時の最至近撮影位置T1と無限遠撮
影位置T2は、いずれも次のような関係に設定されてい
る。
すなわち、先ず、ポジションスイッチ基板41上に形成
されたWIDEパターン42とTELEパターン43との間の間欠部
には、その露光開口3に近い側にWIDE基準位置(WIDE時
スタート位置)W0が、また、被写体に近い側にTELE基準
位置(TELE時スタート位置)T0がそれぞれ設定される。
そして、WIDEパターン42上には、WIDE基準位置W0から露
光開口3に向う方向に、焦点合せの際のWIDE最至近撮影
位置W1とWIDE無限遠撮影位置W2とが順次に設定される。
同様に、TELEパターン43上には、TELE基準位置T0から
被写体側に向う方向に、焦点合せの際のTELE無限遠撮影
位置T2とTELE最至近撮影位置T1とが順次に設定される。
その結果、WIDE基準位置W0とTELE基準位置T0との間隔
およびWIDE最至近撮影位置W1とTELE無限遠撮影位置T2
の間隔は、いずれも短い間隔に設定されることになる。
なお、モータ駆動IC54から停止信号が発せられてから
実際にDCモータ33が停止するまでには、後述するように
若干の時間差が存在するため、WIDE基準位置W0とWIDEパ
ターン42の左端部との間、およびTELE基準位置T0とTELE
パターン43の右端部との間には、それぞれ若干の間隔が
形成されることになる。
この間隔は、DCモータ33の機械的作動に伴う自然発生
的な現象に起因するものであり、特別な必要性に基いて
形成されるものではない。
しかし、この間隔内の助走では駆動系のガタ取りが終
了しないような場合には、両パターン42,43の端部とWID
E基準位置W0およびTELE基準位置T0との間に、必要な助
走距離に対応した間隔を形成するようにする。
第6図において、全体を50で示すのは可変焦点式レン
ズの鏡胴1の制御部である。
この制御部50は、T−W切換え操作釦51、シャッタレ
リーズ釦52、AF(自動焦点調節装置)用IC53、モータ駆
動IC54、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」とい
う)55および測光スイッチ56等の制御手段と、WIDEポジ
ションスイッチSWWおよびTELEポジションスイッチSWT
から構成され、各々の制御手段からの制御信号および各
ポジションスイッチのオン、オフ信号に基いて、マイコ
ン55がDCモータ33をいずれかの方向に回転させ、且つ停
止させるように制御する。
この場合、マイコン55には、前回の撮影が終了したと
きの可変焦点式レンズの鏡胴1の撮影モードの状態、す
なわち、可変焦点式レンズの鏡胴1がWIDE撮影時のモー
ドにあるのか、TELE撮影時のモードにあるのかという情
報が記憶される。
さらに、可変焦点式レンズの鏡胴1または図示なきカ
メラの電源スイッチがオンされた時には、前群枠10の位
置(摺動ブラシ16の位置でもある)によって、DCモータ
33を以下のように駆動制御し得るように予め構成されて
いる。
すなわち、可変焦点式レンズの鏡胴1の初期設定位置
を、WIDE基準位置W0に置く場合には、 a)摺動ブラシ16がWIDE基準位置W0に対応した位置に在
るときには、マイコン55が、DCモータ33を回転駆動させ
ないようにモータ駆動IC54を制御する。
b)摺動ブラシ16がTELE基準位置T0およびTELEパターン
43上に在るときには、マイコン55が、DCモータ33をWIDE
方向に回転駆動するようにモータ駆動IC54を制御する。
c)摺動ブラシ16がWIDEパターン42上に在るときには、
マイコン55が、DCモータ33をTELE方向に回転駆動するよ
うにモータ駆動IC54を制御する。
ように構成する。
なお、可変焦点式レンズの鏡胴1等の電源スイッチが
オンされたとき以外、例えばシャッタおよびフィルムの
巻上げ終了信号が発せられたときにも、前述のb)項お
よびc)項の制御が自動的に実行され得るように、マイ
コン55を設定して置くことも可能である。
一方、可変焦点式レンズの鏡胴1の初期設定位置をTE
LE基準位置T0に設定するケースでは、可変焦点式レンズ
の鏡胴1等の電源スイッチがオンされたときや、例えば
シャッタおよびフィルムの巻上げ終了信号が発せられた
ときには、摺動ブラシ16をTELE基準位置T0に対応した位
置に自動的に復帰させ得るように構成する。
以下、このように構成された可変焦点式レンズの鏡胴
1の初期設定、およびWIDE-TELE切換えに関する基本動
作について、第7図を参照しながら説明する。
前述したように、マイコン55には前回の撮影が終了し
たときの可変焦点式レンズの鏡胴1の撮影モードが記憶
されているから、前群枠10および後群枠20は、前回撮影
が終了した時点の位置に置かれている。
従って、前回の撮影が終了したときの摺動ブラシ16の
位置は、前述のb)項およびc)項に記したいずれかの
位置、または、a)項の位置に置かれることになる。こ
の状態において、可変焦点式レンズの鏡胴1等の電源ス
イッチをオンにすると、次のような初期設定が行われる
ことになる。
先ず、摺動ブラシ16がWIDE基準位置に対応した位置に
在る場合であるが、このときには、可変焦点式レンズの
鏡胴1等の電源スイッチをオンしても、マイコン55がDC
モータ33を回転駆動しないように制御する。従って、前
群枠10は、WIDE基準位置に停止したままとなる。
また、摺動ブラシ16がTELE基準T0およびTELEパターン
43に在る場合であるが、このときには、マイコン55がDC
モータ33をWIDE方向に回転駆動するように制御する。
そのため、可変焦点式レンズの鏡胴1等の電源スイッ
チをオンにすると、モータ駆動IC54がDCモータ33をWIDE
方向に回転させるが、この回転駆動力は、駆動リードね
じ6および駆動リードナット15を介して前群枠10に伝達
され、前群枠10をWIDE方向に変位させる。
そして、前群枠10がWIDE方向に移動して、摺動ブラシ
16がWIDEパターン42の左端部と接触すると、この時点
で、WIDEポジションスイッチSWWがオン(LOW)信号をマ
イコン55に出力し、DCモータ33を逆回転させて前群枠10
をTELE方向に反転的に変位させる。
さて、前群枠10がTELE方向に移動して、摺動ブラシ16
がWIDEパターン42の左端部から外れる位置までくると、
WIDEポジションスイッチSWWがオフ(Hi)信号をマイコ
ン55に出力するから、マイコン55は、この時点で、DCモ
ータ33への給電を断つようにモータ駆動IC54を制御す
る。
一方、摺動ブラシ16がWIDEパターン42上に在る場合で
あるが、このときには、マイコン55がDCモータ33をTELE
方向に回転駆動するように制御する。
そのため、可変焦点式レンズの鏡胴1等の電源スイッ
チをオンにすると、モータ駆動IC54がDCモータ33をTELE
方向に回転させ、駆動リードねじ6および駆動リードナ
ット15を介して前群枠10をTELE方向に変位させる。
そして、前群枠10がTELE方向に移動して、摺動ブラシ
16がWIDEパターン42の左端部から外れる位置までくる
と、WIDEポジションスイッチSWWがオフ(Hi)信号をマ
イコン55に出力し、この時点で、DCモータ33への給電を
断つようにモータ駆動IC54を制御する。
さて、いずれの場合でも、DCモータ33への給電が断た
れると、給電を断たれたDCモータ33はそのまま自走回転
を続ける。
そして、自走回転を続けるDCモータ33は、そのコギン
グ周期Tmとパルス信号発生手段36のパルス信号発生周期
Tpとの同期関係が、 1/2Tp=n・Tm(但し、nは自然数) の関係式を満足する時点で、第12図(c)および第12図
(d)に示すような自走回転トルク位置に停止すること
になる。
これは、パルスの半周期Tp/2をコギング周期Tmに同調
させると、DCモータ33の実質的な停止信号が常に同じ自
走回転トルク位置で発せられるからである。
このDCモータ33の停止位置は、WIDEパターン42の左端
部から若干外れた位置になるから、予め、WIDE基準位置
W0をこの停止位置に設定して置けば、可変焦点式レンズ
の鏡胴の鏡胴1等の電源スイッチをオンしたときには、
DCモータ33は、前群枠10を必らずこのWIDE基準位置W0
停止させることになる。
従って、前回撮影が終了したときの前群枠10の位置が
いずれの位置にあっても、可変焦点式レンズの鏡胴1等
の電源スイッチのオン動作によって、前群枠10をWIDE基
準位置W0に停止させることが可能となる。
ところで、前群枠10がWIDE基準位置W0に在るときに
は、前群枠10が第1図示の位置から露光開口3に近い位
置に変位している関係で、後群枠20は撮影光路Oから外
れた退避姿勢の位置に保持される。
すなわち、前群枠10が第1図の位置から右方向に移動
すると、その枠本体11が押動突起26またはT−Nナット
22aを介して後群枠20の基部22に接触し、圧縮ばね29の
付勢力に抗しつつ後群枠20を右方向に押動するから、後
群枠20に植設された係脱ピン24が、カム板部材7の押下
げ作用面7aに当接して押下げられる。
そのため、後群枠20は、捻ればね25の旋回付勢力に抗
して時計方向に回動し、前述の退避姿勢に移行すること
になる。
従って、前群枠10と後群枠20とは、主レンズ群LMのみ
が露光開口3に近い撮影光路O上に置かれるという、WI
DE撮影時の焦点距離を実現する関係位置にセットされる
ことになり、しかも、セットされた前群枠10は、圧縮ば
ね29の付勢力によってその位置に安定保持される。
すなわち、可変焦点レンズの鏡胴1の起動時の初期設
定が終了することになる。
さて、このような可変焦点式レンズの鏡胴1の初期設
定が終了した後に、すなわち、前群枠10がWIDE基準位置
W0に在る状態下で、T−W切換え操作釦51を操作して、
可変焦点式レンズの鏡胴1の状態をTELE撮影時のモード
に切換えると、前群枠10および後群枠20は、次のような
動作を行って、可変焦点式レンズの鏡胴1の状態をTELE
撮影時の状態に移行させる。
すなわち、T−W切換え操作釦51をTELE撮影時のモー
ドに切換えると、マイコン55が、モータ駆動IC54を介し
てDCモータ33をTELE方向に回転するように制御する。従
って、前群枠10は、駆動リードねじ6および駆動リード
ナット15の働きで、露光開口3に近い位置からTELE方向
に移動させられる。
そして、摺動ブラシ16がTELEパターン43の右端部に接
触した時点で、TELEポジションスイッチSWTがオン(Lo
w)信号を出力してDCモータ33を逆回転させ、前群枠10
をWIDE方向に反転的に変位させる。
そのため、摺動ブラシ16は、TELEパターン43の右端部
から外れる位置にまで変位するが、この時点で、TELEポ
ジションスイッチSWTがオフ(Hi)信号を出力してDCモ
ータ33への給電を断つから、給電を断たれたDCモータ33
は、前述したような経緯により、TELEパターン43の右端
部から若干離れたモータの自走回転トルク位置で停止す
る。
従って、TELE基準位置T0を予めこの停止位置に設定し
て置けば、T−W切換え操作釦51をTELE撮影時のモード
に切換えたときには、DCモータ33は前群枠10を必ずTELE
基準位置T0で停止させることになる。
さて、前群枠10が露光開口3に近い位置からTELE基準
位置T0(第1図の位置)に移動すると、その移動の過程
において、退避姿勢の位置に保持されていた後群枠20が
連結スプリング27に引張られて左方向(被写体方向)に
変位しながら、捻ればね25の旋回付勢力によって反時計
方向にも回転しようとする。
そのため、後群枠20は、係脱ピン24がカム板部材7の
押下げ作用面7aから離れた時点で反時計方向に回転し、
後群枠20の先端部21に形成された位置決め突起21aが、
回転阻止用ポール5の外周面に当接した姿勢、すなわ
ち、副レンズ群LSが撮影光路O上に正確に位置する姿勢
で停止する。
一方、前群枠10および後群枠20の被写体方向への変位
は、後群枠20の姿勢変化に関係なくその後も続けられ、
後群枠20の基部22が調整ねじ28の先端部に当接した時点
で、後群枠20だけがその位置に停止し、前群枠10はその
後も被写体方向に移動を続けてTELE基準位置T0に至るこ
とになる。
その結果、主レンズ群LMと副レンズ群LSとは、TELE撮
影時の焦点距離を実現する関係位置にセットされること
になるが、このとき、前群枠10と後群枠20との間に連結
スプリング27の比較的大きな付勢力が働く。
この連結スプリング27の付勢力は、一方において、駆
動リードねじ6と駆動リードナット15との間の螺合ガタ
を吸収し、他方では、後群枠20を調整ねじ28の先端部に
強く圧接させるように働くから、前群枠10と後群枠20と
は、ともにTELE撮影時の関係位置に確実に止め置かれ、
主レンズ群LMと副レンズ群LSとは、TELE撮影時の焦点距
離を実現する所定の位置にセットされることになる。
さらに、前群枠10および後群枠20と共通ポール4との
間にガタがある場合には、両レンズ群LM,LSは、連結ス
プリング27の相互引張り作用によって同一方向に倒れる
ことになる。
なお、前群枠10がTELE基準位置T0に在る状態でT−W
切換え操作釦51を操作し、WIDE撮影を実現する状態に切
換えると、先に述べた手順に従って、前群枠10がWIDE基
準位置W0に設定されることになる。
これらのことは、T−W切換え操作釦51を両方の撮影
モードに切換えれば、可変焦点式レンズの鏡胴1を、WI
DE撮影時のモードとTELE撮影時のモードとに交互に設定
することができることを意味する。
次に、第7図の動作フロー図を参照しながら、それぞ
れの撮影モードにおける焦点合せ動作について説明す
る。
先ず、可変焦点式レンズの鏡胴1が、WIDE撮影時のモ
ードにセットされているときを例にとって説明するが、
このモードのときには、前群枠10がWIDE基準位置W0に設
定され、後群枠20が退避姿勢の位置に置かれている(ス
テップS1)。
この状態で、例えば、シャッタレリーズ釦52の第1段
レリーズに連動した測光スイッチ56をオンすると、図示
しない測光手段により被写体の輝度を測光すると共に、
WIDE撮影時におけるAF距離情報が、AF用IC58からマイコ
ン55に対して出力され、マイコン55内において、この距
離情報に基いた主レンズ群LMの焦点合せ量(前群枠10の
変位量)が演算される。
そして、その演算結果によってフォトインタラプタ35
のパルスカウント数が設定される(ステップS2)。
このパルスカウント数は、例えば、前群枠10がWIDE基
準位置W0からWIDE撮影領域に入り込んだ時点、すなわ
ち、摺動ブラシ16がWIDEパターン42の左端部に接触し
て、WIDEポジションスイッチSWWがオン信号を出力した
位置を基準として設定され、そのカウント開始は、前群
枠10がWIDE基準位置W0に設定されたという信号が、マイ
コン55に入力された後に行われるように構成されてい
る。
すなわち、このパルスカウント数によって、WIDEポジ
ションスイッチSWWがオン信号を出力した位置からの前
群枠10の変位量が決まる。
なお、パルスカウント数は、WIDE基準位置W0を基準と
して設定するようにしてもよい。
このようにして、焦点合せ量に対応したパルスカウン
ト数の設定が行われた後、モータ駆動IC54が作動を開始
して、設定されたパルスカウント数だけDCモータ33をWI
DE方向に回転させ、駆動リードねじ6および駆動リード
ナット15を介して、前群枠10をその最至近撮影位置から
露光開口3の方向(無限遠撮影位置)へと変位させる
(ステップS3)。
この際、前群枠10の移動に伴って変化するパルスカウ
ント数を、ロータリー・エンコーダ32とフォトインタラ
プタ35とから成るパルス信号発生手段36が読み取って、
駆動リードねじ6の回転数および回転角を制御し、カウ
ント計数後の時点でDCモータ33への給電を停止させる。
そのため、DCモータ33は、前述した通り、モータの自
走回転トルク位置に精度良く停止する。
従って、前群枠10は、WIDE最至近撮影位置W1とWIDE無
限遠撮影位置W2との範囲内に在る焦点合せ位置に確実に
停止し、後群枠20は、前群枠10と一緒に移動するが退避
姿勢の位置を保持しながら変位する。すなわち、主レン
ズ群LMと副レンズ群LSは、AF距離情報に対応した関係位
置にセットされることになる。
なお、前群枠10と共通ポール4との間に嵌合隙間があ
ったときには、前述したように、前群枠10が連結スプリ
ング27の付勢力作用によって反時計方向に傾くが、WIDE
撮影時の場合には主レンズ群LMのみが撮影光路O上に位
置している関係で、撮影光学系の結像性能には特に影響
することはない。
さて、所定の焦点合せが終了した後にシャッタレリー
ズ釦52の第2段レリーズを行うと、シャッタがレリーズ
されるが、露光が終了すると公知の手段によりシャッタ
およびフィルムの巻上げが行われ(ステップS4)、これ
らの巻上げ動作が終了すると巻上げ終了信号が発せられ
て、前述の焦点合せに係る撮影が終了することになる。
この場合、マイコン55が前述のb)項およびc)項の
制御を行うように設定されていれば、前群枠10は、摺動
ブラシ16がTELE基準位置T0およびTELEパターン43上に在
るときの位置に対応した位置か、または、摺動ブラシ16
がWIDEパターン42上に在るときの位置に対応した位置に
止め置かれた状態で撮影終了を抑えることになる。
しかし、シャッタおよびフィルムの巻上げ終了信号が
発せられたときにも、前述のb)項およびc)項の制御
が自動的に実行されるようにマイコン55が設定されてい
るときには、撮影終了後にDCモータ33が逆回転して前群
枠10を自動的にWIDE基準位置W0に復帰させ、この状態で
撮影終了を抑えることになる。
さて、前述の焦点合せに係る撮影が終了した後は、そ
のまま撮影行為を止めることができるが、再びWIDE撮影
モードで撮影する場合には、このままの状態で再びシャ
ッタレリーズ釦52を操作すれば、このときのAF距離情報
に基づいて前述した手順が繰り返されて、再度のWIDE撮
影が実行されることになる(ステップS6)。
一方、TELE撮影時のモードで撮影したいときには、T
−W切換え操作釦51を操作して、可変焦点式レンズの鏡
胴1の撮影時モードを、WIDE撮影時のモードからTELE撮
影時のモードの状態に切換える。
TELE撮影時のモードに切換えられると、前述した通り
の切換え動作手順を従って、前群枠10はTELE基準位置T0
に自動的に変位され、後群枠20はその後方光路内の位置
に挿入される(ステップS7)。
この状態で、例えばシャッタレリーズ釦52の第1段レ
リーズを行うと、TELE撮影時におけるAF距離情報がAF用
IC53からマイコン55に対して出力され、この距離情報に
基いた主レンズ群LMの焦点合せ量(前群枠10の変位量)
がマイコン55により演算され、この演算結果は、WIDE撮
影時の場合と同様に、マイコン55内においてフォトイン
タラプタ35のパルスカウント数として設定される(ステ
ップS8)。
この場合、パルスカウント数は、例えば、前群枠10が
TELE基準位置T0からTELE撮影領域に入り込んだ時点、す
なわち、摺動ブラシ16がTELEパターン43の右端部に接触
して、TELEポジションスイッチSWTがオン信号を出力し
た位置を基準として設定されたカウント数であり、その
カウント開始は、前群枠10がTELE基準位置T0に設定され
たという信号がマイコン55に入力された後に行われるよ
うに構成されている。
すなわち、このパルスカウント数によって、TELEポジ
ションスイッチSWTがオン信号を出力した位置からの前
群枠10の変位量が決まる。
また、パルスカウント数は、TELE基準位置T0を基準と
して設定するようにしてもよいことは、WIDE撮影時の場
合と同様である。
このようにして焦点合せ量に対応したパルスカウント
数の設定が行われた後、モータ駆動IC54が作動を開始し
て、設定されたパルスカウント数だけDCモータ33をTELE
方向に回転させ、駆動リードねじ6および駆動リードナ
ット15を介して、前群枠10をその無限遠撮影位置から被
写体側の方向(最至近撮影位置側)に変位させる。
これらの動作手順および制御は、前群枠10の移動方向
が逆方向になり、摺動ブラシ16がTELEパターン43上を変
位することを除けば、WIDE撮影時の場合と全く同様であ
り、また、DCモータ33の停止の仕方も、WIDE撮影時の場
合と同様、モータの自走回転トルク位置で精度良く停止
することになる(ステップS9)。
すなわち、前群枠10は、TELE無限遠撮影位置T2とTELE
最至近撮影位置T1との範囲内に在る焦点合せ位置に確実
に停止し、後群枠20は、調整ねじ28の先端部に阻止され
た位置に止まり、主レンズ群LMと副レンズ群LSとは、と
もにAF距離情報に対応した撮影光路O上の関係位置にセ
ットされる。
換言すれば、主レンズ群LMと副レンズ群LSとは、TELE
撮影時の焦点距離を実現する所定の位置にセットされる
ことになる。
この場合、前述したように、前群枠10と後群枠20との
間には、連結スプリング27の付勢力が働くから、駆動リ
ードねじ6と駆動リードナット15との間の螺合ガタは吸
収され、後群枠20は調整ねじ28の先端部に止め置かれ、
さらに、前群枠10および後群枠20と共通ポール4との間
にガタがあった場合には、両レンズ群LM,LSは、連結ス
プリング27の相互引張り作用によって同一方向に倒れる
ことになる。
その結果、前群枠10および後群枠20と共通ポール4と
の間に多少のガタがある場合でも、撮影光学系の結像性
能は良好な状態に維持されることになる。
さて、これ以後のシャッタ露光動作およびシャッタ巻
上げ動作等の手順および制御についても、WIDE撮影時の
場合と同様となるから、煩雑さを避ける意味でそれらの
詳細な説明を省略することにする。
そして、TELE撮影の終了後は、前述した通り前群枠10
がWIDE基準位置W0(初期設定の状態)に復帰することに
なる(ステップS10)。
以上説明したように、本考案の可変焦点式レンズの鏡
胴1では、前群枠10と後群枠20との間に展張する連結ス
プリング27の両係止端部の位置、すなわち、共通ポール
4および調整ねじ28に対する連結スプリング27の係止端
部の位置に特徴を持たせ、この連結スプリング27の付勢
力を利用して、前群枠10と後群枠20とをともに、同一方
向に回転させるようにし、主レンズ群LM,と副レンズ群
LSとを同一方向に倒れるように設定した。そのため、共
通ポール4と前群枠10および後群枠20との間に、嵌合隙
間が存在していても、撮影光学系の結像性能を良好な状
態に維持することが可能になった。
さらに、それだけではなく、この連結スプリング27の
付勢力により、駆動リードねじ6と駆動リードナット15
との間の螺合ガタも吸収され、後群枠20を調整ねじ28の
先端部に確実に止め置くことも可能になった。しかも、
構造的に簡単になるため、低コスト化を実現し得る効果
をも奏する。
また、主レンズ群LM10のみから成る第1の焦点距離
(図示例では、WIDE撮影時の焦点距離)の焦点合せ領域
W1〜W2と、主レンズ群LMおよび副レンズ群LSから成る第
2の焦点距離(図示例ではTELE撮影時の焦点距離)の焦
点合せ領域T2〜T1とを、主レンズ群LMの初期設定位置の
前後に直列的に設定してあるため、第1の焦点距離と第
2の焦点距離との切換え動作と、副レンズ群LSの撮影光
路Oに対する挿脱動作と、第1の状態および第2の状態
における焦点合せ動作との3つの動作を、同一の駆動手
段(具体例としてはリードねじ駆動方式)で行うことが
可能になった。
また、WIDE撮影時の焦点合せ領域の最至近撮影位置W1
と、TELE撮影時の焦点合せ領域の無限遠撮影位置T2
を、可変焦点式レンズの鏡胴1の初期設定位置を挟んで
短い間隔に設定してあるため、WIDE撮影時とTELE撮影時
とのモード切換えに要する動作時間を、0.6秒以下とい
う短時間に短縮することが可能になった。
これらの事柄は、前述のケースとは逆に、WIDE撮影時
の焦点合せ領域の無限遠撮影位置W2と、TELE撮影時の焦
点合せ領域の最近距離撮影位置T1の間隔を短く設定した
場合でも同様でなる。
さらに、図示実施例では、WIDE撮影時にはその最至近
撮影位置W1から焦点合せ動作を開始し、TELE撮影時に
は、その無限遠撮影位置T2から焦点合せ動作を開始する
ように構成してあるため、それぞれの焦点距離の性格に
応じた撮影を人間工学に沿った動作で行い得る。
しかも、図示例の可変焦点式レンズの鏡胴1では、モ
ータのコギングによる影響を常に安定化させることによ
り、如何なる位置においても、最終的なDCモータのスト
ップ位置をバラつきなく設定し得るように構成してある
ため、DCモータによる撮影レンズの焦点距離の切換え動
作および焦点合せ動作に際し、その回転停止精度をいず
れも良好且つ安定的に設定することが可能になった。
以上一実施例について説明したが、本考案は、これに
限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内
で、種々に変形実施することが可能である。
例えば、図示実施例では、撮影光学系が主レンズ群と
副レンズ群の2群から成る場合を示しているが、本考案
は、これに限らず、3群以上から成る撮影光学系を有す
る可変焦点式レンズの鏡胴にも適用することができる。
また、図示実施例では、1つの付勢部材をコイル状の
スプリングで構成してあるが、他形式のばねまたは弾性
部材を用いることも可能である。
〔考案の効果〕
以上述べた通り、本考案によれば、1本の付勢部材に
よる付勢手段を利用して、主レンズ群と副レンズ群との
倒れ方向を同一方向になし、任意の2群のレンズ群をそ
れぞれ保持する2つの枠部材の間に存在する嵌合隙間を
吸収し、像影響量を可及的に少なくし、構造的に簡単
で、且つ、低コスト化を実現し得る新規な可変焦点式レ
ンズの鏡胴を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の可変焦点式レンズの鏡胴に係る一実
施例の分解斜視構成図、第2図は、第1図の状態に在る
可変焦点式レンズの鏡胴の上方から見た場合の構成図、
第3図は、第1図の可変焦点式レンズの鏡胴における後
群枠の基部付近の一変形例を示す部分断面図、第4図
は、WIDEポジションスイッチおよびTELEポジションスイ
ッチを構成するWIDEパターン・TELEパターン・グランド
パターンの関係配置図、第5図は、可変焦点式レンズの
鏡胴におけるWIDE-TELE切換え制御説明図、第6図は、
第1図に示す可変焦点式レンズの鏡胴の制御部を示すブ
ロック図、第7図は、それぞれの撮影モードにおける焦
点合せ動作を示す動作フロー図である。 第8図および第9図は、副レンズ群を撮影光路に対して
挿脱することにより焦点距離を変更する形式の従来の可
変焦点式レンズの鏡胴をそれぞれ示す概略断面構成図
で、このうち、第8図は、レンズが短焦点距離の状態に
在る場合を、第9図は、長焦点距離の状態に在る場合を
それぞれ示すものであり、第10図および第11図は、撮影
光軸に対する主レンズ群と副レンズ群との倒れ状態を説
明するための説明図で、第10図は、両レンズ群が互いに
逆方向に倒れた状態に在る場合を、第11図はともに同一
方向に倒れた状態に在る場合を、それぞれ示し、第12図
(a)は、コギングによるモータの自走回転トルクの変
化図、第12図(b)は、自走回転トルクの変化に伴うモ
ータの最終停止位置を示す状態図、第12図(c)および
(d)は、自走回転トルクの変化に伴う本考案のDCモー
タの最終停止位置を示す状態図である。 1……可変焦点式レンズの鏡胴、2……レンズ鏡枠、LM
……主レンズ群、LS……副レンズ群、O……撮影光路、
3……露光開口、4……共通ポール、5……回転阻止用
ポール、6……駆動リードねじ、7……カム板部材、7a
……押下げ作用面、7b……保持作用面、10……前群枠、
11……枠本体、11a……切欠き部、11b……突起、12……
補助枠部、13a,13b……ダブルステー、14……T−Nナ
ット、15……駆動リードナット、16……摺動ブラシ、20
……後群枠、21……先端部、21a……位置決め突起、22
……基部、22a,22c……T−Nナット、23……ステー、2
4……係脱ピン、25……捻ればね、26……押動突起、27
……連結スプリング、28……調整ねじ、29……圧縮ば
ね、31……従動ギア、32……ロータリー・エンコーダ、
33……DCモータ、34……駆動ギア、35……フォートイン
タラプタ、36……パルス信号発生手段、40……ポジショ
ン台、41……ポジションスイッチ基板、42……WIDEパタ
ーン、43……TELEパターン、SWW……WIDEポジションス
イッチ、SWT……TELEポジションスイッチ、44……グラ
ンドパターン、45……支持板、50……制御部、51……T
−W切換え操作釦、52……シャッタレリーズ釦、53……
AF用IC、54……モータ駆動IC、55……マイコン、56……
測光スイッチ、W0……WIDE基準位置、T0……TELE基準位
置、W1……WIDE最至近撮影位置、W2……WIDE無限遠撮影
位置、T1……TELE最至近撮影位置、T2……TELE無限遠撮
影位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−43114(JP,A) 特開 平1−133014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 17/12 G02B 7/04

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】光軸に沿って平行に配設された共通ポール
    と、 この共通ポールに摺動可能に嵌合保持され、前群レンズ
    を保持する前群枠と、 この前群枠の後方位置において前記共通ポールに摺動可
    能に嵌合保持され、後群レンズを保持する後群枠と、 この後群枠の前記共通ポール嵌合部から離れた部位に当
    接する当接部材と、 前記前群枠の前記共通ポール嵌合部から離れた部位に一
    端が係止され、前記後群枠の前記当接部材が当接する部
    位より前記共通ポール嵌合部寄りの部位に他端が係止さ
    れた1つの付勢部材と、 からなり、 前記付勢部材の付勢力により、前記前群枠と前記後群枠
    をそれぞれ光軸に対して同一方向へ倒し得るように構成
    したことを特徴とする可変焦点式レンズの鏡胴。
  2. 【請求項2】後群枠が当接部材に当接した状態において
    前記付勢部材の付勢力により、前記前群枠と前記後群枠
    をそれぞれ光軸方向へ倒して前記前群枠と前記後群枠の
    可動部のガタを吸収するように構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の可変焦点式レンズの鏡胴。
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