JP2578873B2 - 微細繊維含有熱可塑性樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

微細繊維含有熱可塑性樹脂成形物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は微細補強繊維を、有機樹脂マトリックス中に
分散させた繊維を加工して、強度、剛性、導電性、熱伝
導性などの優れた複合成形物を得る製造方法に関するも
のである。
[従来の技術] 近年さかんに開発、上市されている微細繊維として気
相成長炭素繊維(以下VGCFという)、チタン酸カリウム
ウィスカー(大塚化学(株)製:商品名ティスモ)など
を挙げることができる。ところで最近、気相成長法で炭
素繊維を効率よく安価に製造する方法が開発され、この
気相成長法による炭素繊維は強度,弾性率などの機械的
特性が優れているとともに、導電性が良く、更にこれを
黒鉛化すれば比電気抵抗ρが00μΩcm以下となるが、短
時間で作ろうとすると直径1μm異常の長い繊維は得ら
れない。しいて繊維径の太い、かつ長いものを作ろうと
すると長時間を要し、高価なものになってしまう。
またチタン酸カリウムウィスカーもVGCF同様、比較的
低コストで得られ、上市されているものは短繊維であ
り、平均繊維長は10〜20μmといわれている(カタログ
値)。
このように現在まで直径1μm以下の微細繊維であり
かつ比較的長い繊維はその材質を問わず低コストでは得
られてはいない。
このため、これら微細繊維をフィラーとして用いる場
合、各種の優れた特性を最大限に発揮させるためにはア
スペクト比を保つと同様にその配向を制御し用途に応じ
た複合特性を得ることが重要なポイントになる。
用途例としては導電性を向上させようとする場合、有
機物(合成樹脂)に金属粉、カーボンブラックなどの導
電性粉を混合すると、導電性が向上することが知られて
いるが、機械的特性が劣化する。また機械的特性および
導電性を向上させる手段として長繊維の炭素繊維を用い
たプリプレグからの加工を挙げることができるが高価な
ため広く各種製品に用いられるには至ってはいない。
またマトリックスとしては金属、セラミックス、合成
樹脂など、あらゆる材料がそのマトリックスとして対象
となり得るといっても過言ではないが熱可塑性樹脂をマ
トリックスとする繊維複合材料も近年注目を集めてい
る。特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を始め各
種の高性能エンジニアリングプラスチックとの複合化研
究は多数報告されている。
また、長繊維の炭素繊維に比較し、低コストで得られ
るVGCFや特有の特性がフィラーとして期待されているチ
タン酸カリウムウィスカーを熱可塑性樹脂と複合化する
場合、その形状が微細なため、通常の短繊維の複合化に
用いられる混練−押出し、或いはインジェクション等の
手法では必ずしも期待される効果が得られない場合があ
った。
[発明が解決しようとする課題] 熱硬化性樹脂を補強繊維に含浸する場合と比較して、
一般に熱可塑性樹脂はその複合化において粘度がはるか
に高いため繊維表面にマトリックスがいきわたりにく
く、かつ均一な分散および十分なねれが得られにくい。
またこれらを改善するために混練度を高めることは一
つの手段ではあるが、繊維の切断および損傷により補強
繊維本来の性能を低下させる可能性があり、必ずしも複
合化性能を向上させないばかりではなく、逆に低下させ
る場合もある。特に微細繊維の場合、この傾向は顕著に
現われる。
また短繊維の複合化時の成形法として最も一般的に用
いられる射出成形法では製品中の繊維の配向の精密なコ
ントロールは不可能であり、微細繊維を繊維としての機
能を十分に発揮させるため、配向の制御がより優れた方
法の開発が望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者は上記の目的を達成するために鋭意研究を行
った結果、微細繊維を熱可塑性樹脂の連続相に分散させ
た複合有機繊維を製造し、しかる後に当該複合有機繊維
を成形・加熱して熱可塑性樹脂を溶融すれば、微細繊維
のもつ優れた特性を有効に発揮させた成形物となること
を発見して本件発明を完成させるに至った。
すなわち、本件発明の要旨は微細繊維が熱可塑性樹脂
連続相に分散している複合有機繊維又は当該繊維を用い
た織物或いは不織布を、単独又は併用して、所定の形状
に成形したのち加熱、又は加熱後或いは加熱しつつ賦形
することにより熱可塑性樹脂を溶融することを特徴とす
る微細繊維含有熱可塑性樹脂成形物の製造方法にある。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられる微細繊維は炭素繊維、ガラス繊
維、アラミド繊維、炭化ケイ素やチタン酸カリウム等の
ウィスカー類が使用できるが好ましくはVGCF、チタン酸
カリウムウィスカーを挙げることができる。その理由は
PAN系、ピッチ系の炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊
維などはその直径が最小でも5μm程度であり、通常短
繊維で補強に用いられるものは7〜20μmであり複合化
繊維の径が数10μm以上となり、かつ剛直なものである
ため加工用素材として取扱性が低くなるためである。
微細繊維としてVGCFを使用する場合には、径が0.1〜
1.0μm、長さが3〜500μmのVGCF、又はこれを黒鉛化
したVGCFが好ましい。この理由は使用するVGCFの径が0.
1μm未満では強度が低くなり、逆に1.0μmを超える場
合は経済的にコスト高となり、かつ複合繊維とした場合
の径が太くなるためである。また長さが3μm未満では
繊維の引張強度が低くなり、500μmを超えるとVGCF製
造コストが高くなるので3〜500μmの長さが好まし
い。
また微細補強繊維として強度・摺動特性を期待する場
合には、チタン酸カリウムウィスカーを使用することが
でき、更にVGCFおよびチタン酸カリウムウィスカーを併
用することもできる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としてはナイロン
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン61
2などのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポ
リビスフェノールA、カーボネートなどのポリカーボネ
ート類、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイ
ド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリオ
レフィン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等
が好ましく使用できる。
上記合成樹脂およびVGCF等を用いて繊維をつくるには
合成樹脂にVGCF等を全体として2〜70重量%になるよう
に混合するとともに、樹脂の種類によって、通常行われ
る湿式紡糸法、乾式紡糸法、溶融紡糸法を用いて繊維化
する。その際、必要に応じて表面処理を行ってもよい。
更に紡糸のあと、或いは紡糸と併行して繊維を軸方向に
延伸し、配向させることによって強度が高まり、導電性
が促進され、径3〜500μの繊維とすることができる。
上記VGCF等の微細繊維の含有量が2重量%未満では複
合繊維としての特徴が足りず、70重量%を超えると紡糸
が難しくなる。
微細繊維複合有機繊維は加工用素材として、このまま
でも用いることができるが、当該繊維を長繊維として用
い平織,二重織,綾織,朱子鎖など製織した織物となす
ことができる。また比較的短かい繊維を用いて不織布と
することもできる。
上記繊維および織物は単独或いは併用して所望の形状
に成形した後、加熱して熱可塑性樹脂を溶融することに
より成形物にすることができる。又はスタンパブルシー
トの成形のように加熱とプレスによる賦形をともに実施
することにより成形物を得ることができる。更には加熱
と真空吸引することによって賦形して成形物を得ること
もできる。
本法による繊維中では1次元的な配向が進んでいるの
で繊維或いは織物の積層、配列を適宜選択することによ
り配向を制御された成形物となすことができる。
以下実施例を示して本発明を更に詳しく説明する。
[実施例] 昭和電工(株)製ポリプロピレン粉末MA510が70重量
部(以下、部という)に対してVGCF(2300℃熱処理、径
0.3〜0.4μm、平均長30μm)15部、チタン酸カリウム
ウィスカー15部をヘンシェルミキサー(内容量20、攪
拌翼の周速40m/sec)にてゲレーション処理した後、こ
れを溶融紡糸した。紡糸条件は口金径100μm、口金形
状L/D=2.5、吐出速度3g/min、紡糸速度4000m/min、溶
融温度230℃、押出圧力25kg/cm2とした。その結果、直
径28μmの長繊維を得た。この繊維の比抵抗ρは100Ωc
m、引張強度Tsは1500kg/cm2であった。チタン酸カリウ
ムウィスカーの添加により強度が更に向上することがわ
かる。
得られた複合繊維を100mmに切断し、金型(100mm×10
0mm×3mm)に一方向にそろえて充填後、230℃でプレス
して微細繊維含有ポリプロピレン成形物を得た。得られ
た成形物の評価試験結果を第1表の実施例の欄に示す。
[比較例] 実施例と同一ロットでゲレーション処理した原料を射
出成形機で成形し、微細繊維含有ポリプロピレン成形物
を得た。得られた成形物の評価試験結果を第1表の比較
例の欄に示す。
[発明の効果] 以上述べたように、従来の方向では均一な分散および
配向の制御が困難とされていた微細繊維含有熱可塑性樹
脂の加工に際して、その微細性を逆に利用して通常の紡
糸方法によって複合繊維を得て、これを加工中間体とす
ることによって微細繊維固有の優れた特性を効果的に発
揮する微細繊維含有熱可塑性樹脂成形物を得ることがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相法炭素繊維とチタン酸カリウムウィス
    カーの微細繊維が熱可塑性樹脂連続相に分散している複
    合有機繊維又は当該繊維を用いた織物或いは不織布を、
    単独又は併用して、所定の形状に成形したのち加熱、又
    は加熱後或いは加熱しつつ賦形することにより熱可塑性
    樹脂を溶融することを特徴とする微細繊維含有熱可塑性
    樹脂成形物の製造方法。
JP63010319A 1988-01-19 1988-01-19 微細繊維含有熱可塑性樹脂成形物の製造方法 Expired - Lifetime JP2578873B2 (ja)

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