JP2583086B2 - 硫化亜鉛蛍光体及び製造方法 - Google Patents
硫化亜鉛蛍光体及び製造方法Info
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Description
本発明は、陰極線管に使用されて電子線で励起されて
青色に発光する蛍光体に係り、特に、高電流刺激領域に
おける輝度飽和の少ない硫化亜鉛蛍光体及び硫化亜鉛カ
ドミウム蛍光体(本明細書に於て、硫化亜鉛蛍光体と
は、硫化亜鉛カドミウム蛍光体および硫化カドミウム蛍
光体を含む広い意味に使用する)に関する。 更に詳しくは、特定量の多量Agを付活剤とし、Al、
B、Brを共付活剤として含み、かつ、立方晶系の結晶構
造を有する蛍光体で、励起エネルギーに対する輝度特
性、輝度劣化力が極めて良好な硫化亜鉛蛍光体に関す
る。
青色に発光する蛍光体に係り、特に、高電流刺激領域に
おける輝度飽和の少ない硫化亜鉛蛍光体及び硫化亜鉛カ
ドミウム蛍光体(本明細書に於て、硫化亜鉛蛍光体と
は、硫化亜鉛カドミウム蛍光体および硫化カドミウム蛍
光体を含む広い意味に使用する)に関する。 更に詳しくは、特定量の多量Agを付活剤とし、Al、
B、Brを共付活剤として含み、かつ、立方晶系の結晶構
造を有する蛍光体で、励起エネルギーに対する輝度特
性、輝度劣化力が極めて良好な硫化亜鉛蛍光体に関す
る。
一般に、カラー受像管の画面は、電子線の刺激で青
色、緑色及び赤色に発光する青色、緑色及び赤色発光蛍
光体を、ドットもしくはストライプ状にフェースプレー
トに付着した蛍光面からなっている。この蛍光面上に電
子銃からの電子線を走査することによって蛍光体を発光
させ、これより画像を表示している。 ところで、近年、コンピューター、パソコン等の発達
と文字多重放送等の実施により、カラー受像管に文字を
表示する用途が多くなり、益々カラー受像管には、輝度
の高い画像が要求されてきている。これを実現させるた
め、蛍光面においても蛍光体のドット径を小さくし、全
画面におけるドット数を増加させることにより、解像度
を上げることが行われている。 ところが、ドット径を小さくし、ドット数を増加させ
ていくと、蛍光面における各ドットの発光面積が減少
し、画面が暗くなる欠点がある。この為、従来の明るさ
を維持する為には、電子線の電圧を上げて、より高い電
流密度の電子線を蛍光面に放射させる必要がある。 また、投写管は、極めて大きな画面に映像を表示する
ので、表示面を明るくする為に、蛍光体の刺激エネルギ
ーを大きくして、即ち、高い電流密度で刺激するので、
この領域で電流密度と発光輝度とがリニアーな関係にあ
る輝度特性が要求され、また、高電流密度で使用され
て、輝度劣化の少ない蛍光体が必要である。 電流密度特性を向上する蛍光体として、立方晶系銀お
よびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体と、六方晶系蛍光
体とを混合した硫化亜鉛蛍光体が開発されている(特開
昭62−95378号公報)。 ところが、この公報に開示される蛍光体は、高電流密
度特性に優れた立方晶系のものに、発光輝度が高い六方
晶系のものを0.5〜12%混合して、発光輝度が高くて電
流特性の優れた蛍光体を実現している。しかしながら、
蛍光体の大部分を立方晶系が占めるので、全体として発
光輝度が低く、実際には使用できない欠点がある。 出願人は、ホウ素を添加することによって、発光輝度
を殆ど低下させることなく、バーニング特性を向上した
硫化亜鉛蛍光体を開発している(特開昭62−201990号公
報)。 ところが、この硫化亜鉛蛍光体は、優れたバーニング
特性を示すが、電流特性が充分でなく、高電流密度領域
で使用される硫化亜鉛蛍光体として好ましい特性を実現
できない。即ち、低い電流密度領域に於ては、電流密度
に比例して発光輝度が高くなるが、電流密度が高くなる
と、電流密度を高めてもこれに比例して発光効率が高く
ならない、いわゆる刺激電流密度による輝度飽和が生起
する問題がある。
色、緑色及び赤色に発光する青色、緑色及び赤色発光蛍
光体を、ドットもしくはストライプ状にフェースプレー
トに付着した蛍光面からなっている。この蛍光面上に電
子銃からの電子線を走査することによって蛍光体を発光
させ、これより画像を表示している。 ところで、近年、コンピューター、パソコン等の発達
と文字多重放送等の実施により、カラー受像管に文字を
表示する用途が多くなり、益々カラー受像管には、輝度
の高い画像が要求されてきている。これを実現させるた
め、蛍光面においても蛍光体のドット径を小さくし、全
画面におけるドット数を増加させることにより、解像度
を上げることが行われている。 ところが、ドット径を小さくし、ドット数を増加させ
ていくと、蛍光面における各ドットの発光面積が減少
し、画面が暗くなる欠点がある。この為、従来の明るさ
を維持する為には、電子線の電圧を上げて、より高い電
流密度の電子線を蛍光面に放射させる必要がある。 また、投写管は、極めて大きな画面に映像を表示する
ので、表示面を明るくする為に、蛍光体の刺激エネルギ
ーを大きくして、即ち、高い電流密度で刺激するので、
この領域で電流密度と発光輝度とがリニアーな関係にあ
る輝度特性が要求され、また、高電流密度で使用され
て、輝度劣化の少ない蛍光体が必要である。 電流密度特性を向上する蛍光体として、立方晶系銀お
よびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体と、六方晶系蛍光
体とを混合した硫化亜鉛蛍光体が開発されている(特開
昭62−95378号公報)。 ところが、この公報に開示される蛍光体は、高電流密
度特性に優れた立方晶系のものに、発光輝度が高い六方
晶系のものを0.5〜12%混合して、発光輝度が高くて電
流特性の優れた蛍光体を実現している。しかしながら、
蛍光体の大部分を立方晶系が占めるので、全体として発
光輝度が低く、実際には使用できない欠点がある。 出願人は、ホウ素を添加することによって、発光輝度
を殆ど低下させることなく、バーニング特性を向上した
硫化亜鉛蛍光体を開発している(特開昭62−201990号公
報)。 ところが、この硫化亜鉛蛍光体は、優れたバーニング
特性を示すが、電流特性が充分でなく、高電流密度領域
で使用される硫化亜鉛蛍光体として好ましい特性を実現
できない。即ち、低い電流密度領域に於ては、電流密度
に比例して発光輝度が高くなるが、電流密度が高くなる
と、電流密度を高めてもこれに比例して発光効率が高く
ならない、いわゆる刺激電流密度による輝度飽和が生起
する問題がある。
【本発明が解決しようとする問題点】 本発明者は、更に実験を重ねた結果、銀の付活量を特
定の範囲に制御すると共に、結晶構造を立方晶系とし、
更に、共付活剤として、ホウ素に加えて臭素とアルミニ
ウムとを一緒に含有させるという、多くの条件を同時に
満足させることによって、従来の硫化亜鉛蛍光体の欠点
を著しく改善することに成功した。従って、この発明の
重要な目的は、高電流密度領域における発光喜怒のリニ
アリティーが向上し、更に、高電圧で使用されて輝度劣
化が少なく、寿命が長くて明るい硫化亜鉛蛍光体を提供
することにある。
定の範囲に制御すると共に、結晶構造を立方晶系とし、
更に、共付活剤として、ホウ素に加えて臭素とアルミニ
ウムとを一緒に含有させるという、多くの条件を同時に
満足させることによって、従来の硫化亜鉛蛍光体の欠点
を著しく改善することに成功した。従って、この発明の
重要な目的は、高電流密度領域における発光喜怒のリニ
アリティーが向上し、更に、高電圧で使用されて輝度劣
化が少なく、寿命が長くて明るい硫化亜鉛蛍光体を提供
することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するために、硫化亜鉛
蛍光体の付活剤をAgとし、共付活剤をAl、B、Brとし
て、Agの付活量を特定の範囲に調整し、更に、結晶製造
を立方晶系とすることにより、高電流密度領域に於ける
発光効率が良く、かつ、輝度劣化が少ない硫化亜鉛蛍光
体を完成した。 即ち、本発明は、Ag付活、Al、B、Br共付活硫化亜鉛
蛍光体に係るものであって、硫化亜鉛蛍光体は、Ag、A
l、B、Brを含み、Agの付活量が0.03重量%〜0.20重量
%の範囲に特定され、更に、蛍光体を構成する結晶構造
を立方晶系に特定している。 この発明の立方晶系硫化亜鉛蛍光体は、Agの付活量が
0.20重量%より多くなると、高電流密度領域での発光輝
度の直線性は好ましい特性を示すが、低電流密度領域で
の発光輝度が低下する。反対に、Agの付活量が0.03重量
%よりも少なくなると、低電流密度領域での発光輝度は
高くなるが、高電流密度領域での発光輝度の直線性が悪
くなり、また、高電圧で加速された電子線で刺激される
と輝度劣化が甚だしく、寿命が短くなる。 従って、この発明の硫化亜鉛蛍光体は、電流密度と発
光輝度との直線性と、寿命特性とを考慮してAgの含有量
を、通常、0.03重量%〜0.20重量%、好ましくは、0.06
重量%〜0.12重量%の範囲に調整している。 さらに、硫化亜鉛蛍光体は、蛍光体原料にLi、Na及び
Kのうち少なくとも一種の元素を含むアルカリ金属塩を
添加した後、二硫化炭素、硫化水素及び硫黄蒸気のうち
少なくとも一種を含む気体中で焼成して製造される。
蛍光体の付活剤をAgとし、共付活剤をAl、B、Brとし
て、Agの付活量を特定の範囲に調整し、更に、結晶製造
を立方晶系とすることにより、高電流密度領域に於ける
発光効率が良く、かつ、輝度劣化が少ない硫化亜鉛蛍光
体を完成した。 即ち、本発明は、Ag付活、Al、B、Br共付活硫化亜鉛
蛍光体に係るものであって、硫化亜鉛蛍光体は、Ag、A
l、B、Brを含み、Agの付活量が0.03重量%〜0.20重量
%の範囲に特定され、更に、蛍光体を構成する結晶構造
を立方晶系に特定している。 この発明の立方晶系硫化亜鉛蛍光体は、Agの付活量が
0.20重量%より多くなると、高電流密度領域での発光輝
度の直線性は好ましい特性を示すが、低電流密度領域で
の発光輝度が低下する。反対に、Agの付活量が0.03重量
%よりも少なくなると、低電流密度領域での発光輝度は
高くなるが、高電流密度領域での発光輝度の直線性が悪
くなり、また、高電圧で加速された電子線で刺激される
と輝度劣化が甚だしく、寿命が短くなる。 従って、この発明の硫化亜鉛蛍光体は、電流密度と発
光輝度との直線性と、寿命特性とを考慮してAgの含有量
を、通常、0.03重量%〜0.20重量%、好ましくは、0.06
重量%〜0.12重量%の範囲に調整している。 さらに、硫化亜鉛蛍光体は、蛍光体原料にLi、Na及び
Kのうち少なくとも一種の元素を含むアルカリ金属塩を
添加した後、二硫化炭素、硫化水素及び硫黄蒸気のうち
少なくとも一種を含む気体中で焼成して製造される。
以下、本発明の具体例を更に詳細に説明する。 本発明のAg付活、Al、B、Br共付活硫化亜鉛蛍光体
は、以下の方法で製造し得る。 まず、ZnS生粉に、付活剤であるAgの原料、共付活剤
であるAl、B、Brの原料とを加えて混合し、乾燥する。 Agの原料としては、硫酸塩等のAg化合物、Alの原料と
しては、硝酸塩等のAl化合物が使用できる。Bの原料と
しては、Bの水素化合物が、Brの原料としては、アンモ
ニウム塩が使用できる。 Ag原料の混合量は、焼成された蛍光体のAg含有量が、
0.03重量%〜0.20重量%となる量に調整される。 更に、これ等の蛍光体原料に加えて、アルカリ金属、
または、アルカリ土類金属の塩化物を添加し、更にま
た、酸化防止の為に少量のSを加え、これ等全ての原料
を充分混合した後、乾燥して蛍光体原料を得る。 次に、得られた蛍光体原料混合物を、石英ルツボ等の
耐熱性容器に充填して焼成を行う。焼成は、二硫化炭
素、硫化水素及び硫黄蒸気のうち少なくとも一種を含む
気体中での強還元性雰囲気で行う。 焼成温度は、結晶構造が立方晶系となるように、600
℃〜1000℃の範囲に調整する。焼成時間は、蛍光体原料
混合物の充填量、採用する焼成温度等によっても異なる
が、一般的には、1〜5時間が適当である。 本発明の立方晶系のZnS/Ag、Al、B、Brは、好ましく
は、アルミニウムの付活量が0.015重量%〜0.20重量%
に、BおよびBrの付活量が0.001重量%〜0.10重量%の
範囲に調整される。 得られた焼成物を水洗、乾燥して、ZnS/Ag、Al、B、
Br蛍光体を得る。この工程で製造された硫化亜鉛蛍光体
のX線回折結果を第2図に示す。この図から明らかなよ
うに、得られた硫化亜鉛蛍光体は、ZnS/Ag、Al、B、Br
蛍光体粒子集合体の結晶構造が、立方晶系である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。 (実施例1) 下記の蛍光体原料を混合する。 硫化亜鉛 ZnS 100g 硫酸銀 Ag2SO4 0.145g 硫酸アルミニウム Al2(SO4)3 0.095g 硫酸カリウムアルミニウム K2Al2(SO4)4 0.143g 臭化アンモニウム NH4Br 0.2g 純水 300ml 混練された原料を、乾燥させた後、イオウ(S)を5
g、NaBH4を0.2g乾式混合する。 得られた蛍光体原料を石英ルツボに充填した後、電気
炉に入れて、強還元二硫化炭素雰囲気中で980℃の温度
で3.5時間焼成する。その後、焼成品を水洗して、乾燥
する。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、Agの付活量が0.1重量
%、Alの付活量が0.05重量%、Bの付活量が0.0015重量
%、Brの付活量が0.0010重量%であった。 この硫化亜鉛蛍光体の、電流特性を、第1図に示す。
但し、第1図に於て、この発明の硫化亜鉛蛍光体の電流
特性は、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体の発光特性を100%とした相対値で表示し、電子線
の加速電圧は27kVとして測定した。 従来の硫化亜鉛蛍光体には、立方晶系と六方晶系とが
混在する、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体
(特開昭62−95378号公報に開示されている蛍光体)を
使用し、Agの付活量を0.1重量%、Alの付活量を0.05重
量%とした。 このグラフに於て、曲線b、c、dは、本発明の実施
例1、2、3で試作された硫化亜鉛蛍光体の電流特性を
示し、曲線aは、従来の銀およびアルミニウム付活硫化
亜鉛蛍光体の電流特性を示す。 このグラフは、本発明の硫化亜鉛蛍光体(曲線b、
c、d)が、如何に優れた電流特性を有するかを明確に
する。即ち、この発明の硫化亜鉛蛍光体は、優れた電流
特性の硫化亜鉛蛍光体として知られていた、銀およびア
ルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体の電流特性を更に向上す
る特性を実現している。 曲線bは、実施例1で得られた硫化亜鉛蛍光体が、従
来の銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体に比べる
と、電流密度、0.5μA/cm2に於ては5.4%、5μA/cm2に
於て11.1%、更に、50μA/cm2に於て20.2%も電流特性
が向上することを示している。 又、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に於
ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光
体に比べて、12.4%も高い発光輝度を示し、好ましい電
流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えている。 更に、試作された硫化亜鉛蛍光体のバーニング特性を
測定した結果、実施例1で得られた本発明の硫化亜鉛蛍
光体は、従来の蛍光体が強制試験後、輝度が85%に低下
したのに対し、輝度が93%にしか低下せず、優れたバー
ニング特性を示した。 但し、バーニング特性は次の状態で測定した。 パイレックスグラスに蛍光体を沈澱塗布し、これにア
クリルラッカーフィルミング及びメタルバックを施す。
そして、蛍光体輝度測定装置により、27kV、42μA/cm2
で30分間電子線を走査して強制劣化させてから、蛍光膜
の発光輝度を測定した。バーニング特性は、初期の発光
輝度を100%として強制劣化後の発光輝度を測定した。 (実施例2) 実施例1の原料に硫黄5gを添加し、焼成温度を950
℃、焼成時間を4時間とする以外、実施例1と同様にし
て、硫化亜鉛蛍光体を試作した。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、第1図の曲線cで示す優
れた電流特性を示した。即ち、この硫化亜鉛蛍光体は、
電流密度が0.5μA/cm2に於ては従来の蛍光体よりも2.3
%、5μA/cm2に於ては15.3%、50μA/cm2に於ては27.8
%も電流特性が向上した。 また、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に
於ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体に比べて、15.8%も高い発光輝度を示し、好ましい
電流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えていた。 更に、この実施例で試作された硫化亜鉛蛍光体のバー
ニング特性を測定した結果、従来の蛍光体が強制試験
後、輝度が85%に低下したのに対し、輝度が90%にしか
低下せず、優れたバーニング特性を示した。 (実施例3) 原料に、硫黄5g、水素化ホウ素酸ナトリウム(NaB
H4)0.3gを加え、焼成温度を950℃、焼成時間を4時間
とする以外実施例1と同様にして硫化亜鉛蛍光体を試作
した。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、第1図の曲線dで示す優
れた電流特性を示した。即ち、この硫化亜鉛蛍光体は、
電流密度が0.5μA/cm2に於ては従来の蛍光体よりも7.8
%、5μA/cm2に於ては18.0%、50μA/cm2に於ては25.4
%も電流特性が向上した。 また、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に
於ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体に比べて、14.6%も高い発光輝度を示し、好ましい
電流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えていた。 更に、この実施例で試作された硫化亜鉛蛍光体のバー
ニング特性を測定した結果、従来の蛍光体が強制試験
後、輝度が85%に低下したのに対し、輝度が91%にしか
低下せず、優れたバーニング特性を示した。
は、以下の方法で製造し得る。 まず、ZnS生粉に、付活剤であるAgの原料、共付活剤
であるAl、B、Brの原料とを加えて混合し、乾燥する。 Agの原料としては、硫酸塩等のAg化合物、Alの原料と
しては、硝酸塩等のAl化合物が使用できる。Bの原料と
しては、Bの水素化合物が、Brの原料としては、アンモ
ニウム塩が使用できる。 Ag原料の混合量は、焼成された蛍光体のAg含有量が、
0.03重量%〜0.20重量%となる量に調整される。 更に、これ等の蛍光体原料に加えて、アルカリ金属、
または、アルカリ土類金属の塩化物を添加し、更にま
た、酸化防止の為に少量のSを加え、これ等全ての原料
を充分混合した後、乾燥して蛍光体原料を得る。 次に、得られた蛍光体原料混合物を、石英ルツボ等の
耐熱性容器に充填して焼成を行う。焼成は、二硫化炭
素、硫化水素及び硫黄蒸気のうち少なくとも一種を含む
気体中での強還元性雰囲気で行う。 焼成温度は、結晶構造が立方晶系となるように、600
℃〜1000℃の範囲に調整する。焼成時間は、蛍光体原料
混合物の充填量、採用する焼成温度等によっても異なる
が、一般的には、1〜5時間が適当である。 本発明の立方晶系のZnS/Ag、Al、B、Brは、好ましく
は、アルミニウムの付活量が0.015重量%〜0.20重量%
に、BおよびBrの付活量が0.001重量%〜0.10重量%の
範囲に調整される。 得られた焼成物を水洗、乾燥して、ZnS/Ag、Al、B、
Br蛍光体を得る。この工程で製造された硫化亜鉛蛍光体
のX線回折結果を第2図に示す。この図から明らかなよ
うに、得られた硫化亜鉛蛍光体は、ZnS/Ag、Al、B、Br
蛍光体粒子集合体の結晶構造が、立方晶系である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。 (実施例1) 下記の蛍光体原料を混合する。 硫化亜鉛 ZnS 100g 硫酸銀 Ag2SO4 0.145g 硫酸アルミニウム Al2(SO4)3 0.095g 硫酸カリウムアルミニウム K2Al2(SO4)4 0.143g 臭化アンモニウム NH4Br 0.2g 純水 300ml 混練された原料を、乾燥させた後、イオウ(S)を5
g、NaBH4を0.2g乾式混合する。 得られた蛍光体原料を石英ルツボに充填した後、電気
炉に入れて、強還元二硫化炭素雰囲気中で980℃の温度
で3.5時間焼成する。その後、焼成品を水洗して、乾燥
する。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、Agの付活量が0.1重量
%、Alの付活量が0.05重量%、Bの付活量が0.0015重量
%、Brの付活量が0.0010重量%であった。 この硫化亜鉛蛍光体の、電流特性を、第1図に示す。
但し、第1図に於て、この発明の硫化亜鉛蛍光体の電流
特性は、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体の発光特性を100%とした相対値で表示し、電子線
の加速電圧は27kVとして測定した。 従来の硫化亜鉛蛍光体には、立方晶系と六方晶系とが
混在する、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体
(特開昭62−95378号公報に開示されている蛍光体)を
使用し、Agの付活量を0.1重量%、Alの付活量を0.05重
量%とした。 このグラフに於て、曲線b、c、dは、本発明の実施
例1、2、3で試作された硫化亜鉛蛍光体の電流特性を
示し、曲線aは、従来の銀およびアルミニウム付活硫化
亜鉛蛍光体の電流特性を示す。 このグラフは、本発明の硫化亜鉛蛍光体(曲線b、
c、d)が、如何に優れた電流特性を有するかを明確に
する。即ち、この発明の硫化亜鉛蛍光体は、優れた電流
特性の硫化亜鉛蛍光体として知られていた、銀およびア
ルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体の電流特性を更に向上す
る特性を実現している。 曲線bは、実施例1で得られた硫化亜鉛蛍光体が、従
来の銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体に比べる
と、電流密度、0.5μA/cm2に於ては5.4%、5μA/cm2に
於て11.1%、更に、50μA/cm2に於て20.2%も電流特性
が向上することを示している。 又、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に於
ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光
体に比べて、12.4%も高い発光輝度を示し、好ましい電
流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えている。 更に、試作された硫化亜鉛蛍光体のバーニング特性を
測定した結果、実施例1で得られた本発明の硫化亜鉛蛍
光体は、従来の蛍光体が強制試験後、輝度が85%に低下
したのに対し、輝度が93%にしか低下せず、優れたバー
ニング特性を示した。 但し、バーニング特性は次の状態で測定した。 パイレックスグラスに蛍光体を沈澱塗布し、これにア
クリルラッカーフィルミング及びメタルバックを施す。
そして、蛍光体輝度測定装置により、27kV、42μA/cm2
で30分間電子線を走査して強制劣化させてから、蛍光膜
の発光輝度を測定した。バーニング特性は、初期の発光
輝度を100%として強制劣化後の発光輝度を測定した。 (実施例2) 実施例1の原料に硫黄5gを添加し、焼成温度を950
℃、焼成時間を4時間とする以外、実施例1と同様にし
て、硫化亜鉛蛍光体を試作した。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、第1図の曲線cで示す優
れた電流特性を示した。即ち、この硫化亜鉛蛍光体は、
電流密度が0.5μA/cm2に於ては従来の蛍光体よりも2.3
%、5μA/cm2に於ては15.3%、50μA/cm2に於ては27.8
%も電流特性が向上した。 また、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に
於ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体に比べて、15.8%も高い発光輝度を示し、好ましい
電流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えていた。 更に、この実施例で試作された硫化亜鉛蛍光体のバー
ニング特性を測定した結果、従来の蛍光体が強制試験
後、輝度が85%に低下したのに対し、輝度が90%にしか
低下せず、優れたバーニング特性を示した。 (実施例3) 原料に、硫黄5g、水素化ホウ素酸ナトリウム(NaB
H4)0.3gを加え、焼成温度を950℃、焼成時間を4時間
とする以外実施例1と同様にして硫化亜鉛蛍光体を試作
した。 得られた硫化亜鉛蛍光体は、第1図の曲線dで示す優
れた電流特性を示した。即ち、この硫化亜鉛蛍光体は、
電流密度が0.5μA/cm2に於ては従来の蛍光体よりも7.8
%、5μA/cm2に於ては18.0%、50μA/cm2に於ては25.4
%も電流特性が向上した。 また、発光輝度は、高電流密度流域(50μA/cm2)に
於ては、従来の、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍
光体に比べて、14.6%も高い発光輝度を示し、好ましい
電流特性に加えて、優れた発光輝度特性を備えていた。 更に、この実施例で試作された硫化亜鉛蛍光体のバー
ニング特性を測定した結果、従来の蛍光体が強制試験
後、輝度が85%に低下したのに対し、輝度が91%にしか
低下せず、優れたバーニング特性を示した。
第1図は本発明のZnS/Ag、Al、B、Br蛍光体の電流密度
(μA/cm2)と電流特性(相対輝度%)の関係を示すグ
ラフ、第2図は本発明の硫化亜鉛蛍光体のX線回折グラ
フ(但しターゲットは銅、フィルターはニッケル)であ
る。
(μA/cm2)と電流特性(相対輝度%)の関係を示すグ
ラフ、第2図は本発明の硫化亜鉛蛍光体のX線回折グラ
フ(但しターゲットは銅、フィルターはニッケル)であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】母体の組成が、(ZnxCd1-x)Sで表され
(但し、0≦x≦1)、付活剤がAgを含み、かつ、共付
活剤がAlとBとBrとを含み、上記付活剤であるAgが上記
蛍光体の母体に対して0.03重量%〜0.20重量%含有され
ており、母体の結晶構造が立方晶系であることを特徴と
する硫化亜鉛蛍光体。 - 【請求項2】ZnS生粉に、付活剤であるAgの原料、共付
活剤であるAl、B、Brの原料を加えて混合してなる蛍光
体原料に、Li、Na及びKのうち少なくとも一種の元素を
含むアルカリ金属塩を添加した後、二硫化炭素、硫化水
素及び硫黄蒸気のうち少なくとも一種を含む気体中で焼
成して、 母体の組成が、(ZnxCd1-x)Sで表され(但し、0≦x
≦1)、付活剤としてAgを含み、かつ、共付活剤として
AlとBとBrとを含み、上記付活剤であるAgが上記蛍光体
の母体に対して0.03重量%〜0.20重量%含有されてお
り、母体の結晶構造が立方晶系である硫化亜鉛蛍光体の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62328728A JP2583086B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 硫化亜鉛蛍光体及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62328728A JP2583086B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 硫化亜鉛蛍光体及び製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01168788A JPH01168788A (ja) | 1989-07-04 |
| JP2583086B2 true JP2583086B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=18213511
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62328728A Expired - Lifetime JP2583086B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 硫化亜鉛蛍光体及び製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2583086B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07119413B2 (ja) * | 1990-03-27 | 1995-12-20 | 化成オプトニクス株式会社 | 硫化物系蛍光体 |
| CA2540592A1 (en) * | 2003-10-07 | 2005-04-14 | Ifire Technology Corp. | Polysulfide thermal vapour source for thin sulfide film deposition |
-
1987
- 1987-12-24 JP JP62328728A patent/JP2583086B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01168788A (ja) | 1989-07-04 |
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