JP2637814B2 - 植物育成用ポリオレフィン不織布シート - Google Patents

植物育成用ポリオレフィン不織布シート

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JP2637814B2
JP2637814B2 JP1023276A JP2327689A JP2637814B2 JP 2637814 B2 JP2637814 B2 JP 2637814B2 JP 1023276 A JP1023276 A JP 1023276A JP 2327689 A JP2327689 A JP 2327689A JP 2637814 B2 JP2637814 B2 JP 2637814B2
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達也 大江
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は植物育成用ポリオレフィン不織布シートに関
する。
〔従来の技術〕
従来より、不織布シートの下敷の上に土盛りをして苗
床を形成し、この苗床で稲や花木の苗を育成し、ある程
度成長したら不織布シートを除去して苗を土ごと移植す
る植物の栽培法が行われているが、このような栽培法に
使用される不織布シートには次のような性能が要求され
る。
透水性、通気性のよいこと、土壌病害から苗を守
るために根を下の土壌まで通さないこと、根張りのよ
い苗を育成できること、移植の際の根切り作業が容易
に行えること等である。
ところで、このような不織布シートとしては、特公昭
59−20325号公報に記載されたものが知られている。こ
の不織布シートは「非腐食性の不織シート状物からなる
薄膜であって、該薄膜にはその表面より裏面に実質的に
連続して貫通している無数の屈曲せる微細孔が形成され
ており、該微細孔はその径路の少なくとも一部の断面に
おける平均直径が30ミクロン以下となっている」もので
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、特公昭59−20325号公報に記載された不織布
シートは、前記各性能を満たすものであるが、さらに性
能の良い不織布シートとすることが要求されていること
には変わりはない。
本発明はこのような背景の下になされたもので、植物
育成用として最適で、しかも、抄造も容易な不織布シー
トを提供することを課題とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前記課題を解決するため、次のような手段を
とった。
すなわち、本発明は、ポリプロピレンとポリエチレン
とからなるPP−PE複合繊維と、ポリオレフィン短繊維を
混抄して得た不織布シートであり、前記ポリオレフィン
短繊維を、全重量に対し10〜80重量%として植物育成用
ポリオレフィン不織布シートとした。
〔作用〕
本発明で使用されるポリプロピレンとポリエチレンの
PP−PE複合繊維としては、次のようなものを例示でき
る。
PP−PE複合繊維としては、実質的に結晶性ポリプロピ
レンからなる成分(以下、PP成分という)と、ポリエチ
レンからなる成分(以下、PE成分という)とを複合した
もので、その形状は例えばPP成分の芯に、PE成分の鞘を
有する、芯−鞘構造、PP成分とPE成分とを貼合わせた2
層構造、さらにはPP成分をPE成分で挟んだ2層構造等を
挙げることができる。また、いずれの構造も各層が連続
している必要はない。
PP−PE複合繊維を構成する結晶性ポリプロピレンは、
プロピレンの単独重合体もしくはプロピレンと10モル%
以下、好ましくは5モル%以下の他のα−オレフィン、
例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オク
テン、1−デセン等の1種、2種以上のα−オレフィン
との共重合体である。かかる結晶性ポリプロピレンは、
通常、MFR(L)(ASTM D1238、L)が0.1〜50g/10mi
n、好ましくは、0.5〜30g/10min、融点(ASTM D3418)
が135℃以上、好ましくは145℃以上である。
一方、PP−PE複合成分を構成するポリエチレンは、エ
チレンの単独重合体もしくはエチレンと、20モル%以
下、好ましくは、15モル%以下の他のα−オレフィン、
例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等の1
種もしくは2種以上のα−オレフィン、との共重合体で
ある。かかるポリエチレンは通常、MFR(E)(ASTM D
1238、E)が0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜60g/10
min、融点が90℃以上、好ましくは100℃以上である。
PP−PE複合繊維の具体的構成、製造方法の一例として
は、例えば、特公昭52−37097号公報、特公昭55−17807
号公報、特公昭55−483号公報を参照することができる
が、本発明では、むろんこのような例以外のPP−PE複合
繊維をも好適に使用できる。
これらPP−PE複合繊維に概ね共通して言えることは、
熱接着性がよく、熱収縮が少ないこと、よって、寸法安
定性もよいこと、崇高で多孔性であることなどである。
これら性質は、植物育成用不織布シートの要求する性能
に大きく寄与するものである。本発明にあっては、この
ようなPP−PE複合繊維にポリオレフィン短繊維を混合す
ることでさらに植物育成用不織布シートの要求する性能
を向上させることができる。
ここで、本発明に使用されるポリオレフィン短繊維に
ついて説明する。
ポリオレフィン短繊維には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1
−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテ
ン共重合体等のα−オレフィンの1種または2種以上か
らなるポリオレフィン樹脂を例示でき、中でもポリエチ
レン繊維が好ましい。かかるポリエチレン繊維を構成す
るポリエチレンは、エチレンの単独重合体、もしくはエ
チレンと、20モル%以下、好ましくは15モル%以下の他
のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−
1−ペンテン等の1種もしくは2種以上のα−オレフィ
ン、との共重合体でエチレンを主体とした重合体であ
る。
ポリオレフィン短繊維としては、このようなポリオレ
フィン樹脂を種々の方法で溶融紡糸した後、カットして
得られる短繊維や、ポリオレフィン樹脂フィルムを開繊
して得られるスプリットヤーンやフラッシュ紡糸法で得
られるパルプ状物(合成パルプと呼ぶ)が例示される。
これらの中では合成パルプの形状が前記PP−PE複合繊
維との均一混合性の点で優れている。合成パルプの製法
については例えば特公昭52−47049号公報に記載されて
いるが、本発明では特に合成パルプとして製造時にポリ
ビニルアルコールを用い、その表面にポリビニルアルコ
ールの付着した合成パルプが好適に用いられる。
合成パルプの製造の際、ポリビニルアルコールを用い
ることにより、フラッシュ紡糸法における紡糸性が向上
するだけでなく、得られた繊維に親水性が付与される。
親水性をさらに良好にするため、非イオン性界面活性
剤でポリオレフィン短繊維を処理しておくことが肝要で
ある。フラッシュ紡糸法による場合、界面活性剤による
処理は、製造の段階でパルプ状短繊維が水スラリー状と
なるので、水スラリーに界面活性剤を添加して行うとよ
い。すなわち、界面活性剤による処理は、ポリオレフィ
ン短繊維を前記非イオン性界面活性剤を含む水のスラリ
ー混合物とした後に脱水することにより行う。
この時使用する非イオン性界面活性剤は、(イ)HLB
の値が2〜20の範囲内にあり、(ロ)融点(JIS K 0
064)が前記スラリー混合物の脱水時の温度以上である
ことが必要である。
HLBがこの範囲外であると十分な親水性を付与できな
い。また、融点が前記スラリー混合物の脱水時の温度よ
り低いと、水スラリー中で液体の状態にあるため熱可塑
性短繊維への付着性が悪くなる。水スラリーの脱水時の
温度は通常、約10〜50℃であるから、界面活性剤の融点
は約20〜80℃の範囲のものが用いられる。
以上のような条件を満たす非イオン性界面活性剤とし
ては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル
(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノバルミテ
ート、ソルビタンセスキオレエート等)、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、グルセリン脂肪酸エ
ステル(グリセリンモノステアレート等)を例示でき
る。
これらの内、HLBが2〜6、融点が40〜90℃のグルセ
リン脂肪酸エステル、HLBが2〜8、融点が20〜80℃の
ソルビタン脂肪酸エステル、HLBが8〜20、融点が10〜5
0℃のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが
特に望ましい。
また、以上とは別に、合成パルプの他の例として、約
8000未満の分子量をもつ非イオン性又は陰イオン性の潤
滑剤を約0.05〜3重量%含む(下記のポリオレフィンの
重量を基準にして)噴出された(spuerted)ポリオレフ
ィンパルプを例示できる。
噴出ポリオレフィンパルプとは、ポリオレフィンから
から作られる非常に微細で高度に枝別れした不連続小繊
維で、面積が大きく(3〜5cm2/g)、低密度(約0.2g/c
c)であって、平均長約1mm、平均直径約5〜40μであ
る。
噴出ポリオレフィンパルプの原料ポリオレフィンとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピ
レンコポリマー、プロピレンと1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン等のような他の1−オレ
フィンとのコポリマーが例示でき、これらポリマーのい
ずれかに無水マレイン酸またはスチレン系化合物がグラ
フトしたものも使用できる。この中で好ましいものはポ
リエチレンによるものである。
用いられる湿潤剤は、1種又は2種以上の陰イオン性
あるいは非イオン性のもので、例えば、ポリオキシエチ
レンモノステアレート、ビス(ヒドロキシエチル)タロ
ーアミン、ナトリウムジオクチルスルホサクシナート、
ポリオキシエチレンジオレエートエステル、ナトリウム
ラウリルスルファート、エトキシ化ソルビタンラウレー
ト、ナトリウムアルキルスルホナートを例示できる。こ
の内、エトキシ化ソルビタンラウレート、ナトリウムア
ルキルスルホナートが好適である。湿潤剤による処理
は、公知の浸漬法、スプレー法、あるいは、先と同様に
パルプスラリー中に湿潤剤を入れることにより行われ
る。
本発明の不織布シートを抄造するには、PP−PE複合繊
維とポリオレフィン短繊維は適当な長さにカットされ、
あるいは叩解される。
カットされ、あるいは叩解されたPP−PE複合繊維、ポ
リオレフィン短繊維は全体の重量に対しポリオレフィン
短繊維が全重量に対し10〜80重量%となるよう、好適に
は30〜60重量%となるように混合して原料繊維とし、分
散剤を添加して撹拌し、水に分散して、約1.5%位の繊
維濃度の原料液を得る。
使用する分散剤としては、トロロアオイ粘液、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキサイド、ポリ燐
酸などが使用される。
次に、原料液にさらに加水して、繊維濃度を約0.6%
程度にし、必要に応じてバインダを添加した後にスクリ
ーンで不純物や分散不十分な繊維を除去し抄紙機で抄造
する。
ここで、バインダとしては、ビニロン製造の際の中間
体である、熱処理およびアセタール化されていない易容
性PVA繊維等を使用できる。
また、抄紙機としては、公知の円網式、長網式、短網
式のものを使用できる。抄造した不織布シートはドライ
ヤで乾燥され、カレンダでヒートセットして製品として
巻き取られる。
得られる不織布シートの秤量は30〜150g/m2、好まし
くは50〜100g/m2が良い。また、見かけ比重は0.2〜0.
9、好適には0.4〜0.7が良い。
以上のような製造工程において、本発明ではPP−PE複
合繊維にポリオレフィン短繊維を混合してあり、このポ
リオレフィン短繊維は親水性処理を施してあるため、水
に分散しやすいので、抄造が容易にできる。また、湿潤
時のシート強度が高くなり、ベルトでの移送、ベルトか
らの剥離性が良くなり、この点からも製造を容易にする
といってよい。
また、本発明において、ヒートセットは、PP−PE複合
繊維を混合しているのでポリエチレン繊維単体に比べて
かなり幅の広い温度範囲で行うことができるという利点
がある。すなわち、原料繊維が単一のポリオレフィン繊
維の場合、そのポリオレフィン繊維の融点以上の温度で
ヒートセットすると、繊維が溶融して不織布がフィルム
状になってしまうが、本発明ではPP−PE複合繊維を使用
しているため、PE成分が溶融してもPP成分は溶融せず、
不織布全体としてはフィルム状になることはない。ま
た、本発明の不織布シートはヒートセット性等を改良す
るために、植物性繊維素材を10重量%以下の量で添加混
合しておいてもよい。
ヒートセットの温度は130〜160℃、好ましくは140〜1
50℃がよい。
そして、本発明では、崇高で多孔性のPP−PE複合繊維
とポリオレフィン短繊維とを混合し、ポリオレフィン短
繊維を全重量に対し10〜80重量%としたことにより、微
細孔を多く有する不織布シートとすることができ、透水
性、通気性、保水性の点で優れ、また、表面平滑度が高
く根の遮断能力に優れたものとなっている。
また、得られた不織布シートの表面の摩擦係数を第2
表に示す。植物性天然繊維を混合すると摩擦係数が大き
く、このためカッティング加工がしやすくなった。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
PP−PE複合繊維として、ポリプロピレンを芯、ポリ
エチレンを鞘とした芯−鞘構造からなる繊度3dの複合繊
維(商品名 ES繊維、チッソ(株)製)を繊維長10〜20
mmにカットしたものを用い、 ポリオレフィン繊維として、平均繊維長0.9mm、平
均繊維径10μmφのポリエチレンパルプ〔商品名SWP
(登録商標)UL410、三井石油化学工業(株)製〕を用
い、 植物性天然繊維として、繊維長3〜6mm、繊度4〜5
dのクラフトパルプを用いて、円網式抄紙機により、各
繊維の重量比等を変え、実験No1(重量比が/=50/
50)、実験No2(重量比が//=50/40/10)の2
種抄造してその性質等、及び摩擦係数を測定した。ここ
で、引張試験は、乾時は室温20℃、湿度60%RHの条件下
で測定し、湿時は20℃の水中に30分間浸漬後測定した。
また、孔径はバルブポイント法により、無水メチルアル
コール(試薬1級)中で測定した。結果は第1表、第2
表に示す。
また、ヒートセット温度を変化させたところ、前記
をブレンドした不織布のヒートセットは140〜150℃の
範囲で可能であった。
さらに、抄造した不織布に商品名等を印刷したとこ
ろ、インキの乗りもよかった。
また、実際に植物の栽培に用いたところ、根張りのよ
い苗を育成でき、また、根を通さず、移植の際の根切り
作業も容易に行えた。
〔発明の効果〕
本発明の植物育成用不織布シートは、透水性、通気
性、保水性に優れ、苗の根を通さず、苗の根張りが良
い。また、抄造もしやすく、ヒートセットも容易であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレンとポリエチレンとからなる
    PP−PE複合繊維と、ポリオレフィン短繊維を混抄して得
    た不織布シートであり、前記ポリオレフィン短繊維を、
    全重量に対し10〜80重量%としたことを特徴とする植物
    育成用ポリオレフィン不織布シート。
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