JP2658092B2 - ゴム磁石の製造法 - Google Patents

ゴム磁石の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴム磁石の製造法に関する。更に詳しく
は、磁気特性および加工性などにすぐれたゴム磁石の製
造法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、焼結磁石の加工性および可撓性を改良する
ために、ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe2O3)や
バリウムフェライト(BaO・6Fe2O3)によって代表され
るフェライト系磁性粉末を、NBR、エチレン・プロピレ
ン共重合ゴム、クロロプレンなどの合成ゴムまたは天然
ゴムに混合して用いたゴム磁石あるいはポリアミド、ポ
リ塩化ビニルなどの樹脂に混合して用いたプラスチック
磁石などが知らている(特開昭61−36342号公報、同61
−67203〜4号公報、同60−53002号公報、同59−170130
号公報、同59−82355号公報、同50−37846号公報な
ど)。
しかしながら、これらのゴム磁石あるいはプラスチッ
ク磁石は、成形加工時の加工性および可撓性の点ではす
ぐれているものの、焼結磁石と比較して磁石が弱く、そ
のため高磁力が要求される用途には使用できなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで、本発明者は、成形加工時の加工性や可撓性を
損うことなく、ゴム磁石の磁力を高める方法として、フ
ェライト系磁性粉末に代えて希土類磁性粉末を用いるこ
とを検討した。
希土類の焼結磁石または磁性粉末は、フェライト系磁
性粉末より高磁力を有するので、それをポリアミド、ポ
リ塩化ビニルなどの樹脂に混合して用いたプラスチック
磁石は既に知られているが、この場合はやはり加工性や
可撓性に問題がみられ、ゴム弾性を求めてバインダーと
してゴムを用いた場合には、磁性体の配向の問題から製
造が行われていないという事実がみられる。
本発明者は、加工性、可撓性、ゴム弾性にすぐれ、し
かもフェライト焼結磁石以上の磁力を有するゴム磁石を
得るために、特定の希土類磁性粉末をそれのバインダー
としての液状シリコーンゴムとの混合物として用い、そ
の混合物の硬化物に磁場を印加することにより、かかる
課題が効果的に解決されることを見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
従って、本発明はゴム磁石の製造法に係り、このゴム
磁石の製造は、液状シリコーンゴム100重量部および1
−5型または2−17型希土類磁性粉末約200〜1800重量
部を含有する混合物の硬化物に磁場を印加することによ
って行われる。
希土類磁性粉末としての1−5型または2−17型と
は、合金中の金属原子の数の比を示しており、かかる型
の磁性体粉末としては、一般に粒径が約0.5〜40μm程
度のSmCo5、LaCo5、PrCo5、YCo5、Sm2Co17、Sm2Zr17、S
m2Hf17などが例示され、好ましくはSmCo5およびSm2Co17
が用いられる。
これらの磁性体粉末は、希土類酸化物をランタン金属
片やカルシウム金属片などの還元剤で還元して希土類金
属とし、これにコバルト、鉄、銅などの金属を添加し溶
融したものを、再度約1000〜1200℃の温度で加熱溶体化
し、次いで約400〜900℃で時効処理して合金を作製した
後、機械的に粉砕して粉体の粒度を調整することにより
得られる。
このようにして得られた希土類磁性粉末は、そのまま
用いることもできるが、液状シリコーンゴムバインダー
との界面接着性を増加させるために、その粉体表面をシ
ランカップリング剤で処理して用いることもできる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニトルエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリエトキシシランなどが用いられる。
これらのシランカップリング剤による磁性体粉末の表
面処理は、磁性体粉末に対して約0.1〜10重量%のシラ
ンカップリング剤をそのままあるいは水、メタノール、
エタノールなどの約5〜40%溶液として、ヘンシェルミ
キサー、リボンミキサーなどの混合分散機を用いて約3
〜30分間分散させた後、室温乃至約80℃で約1〜24時間
加熱処理することにより行われる。
シランカップリング剤で処理されたあるいは処理され
ない希土類磁性粉末のバインダーとしての液状シリコー
ンゴムは、次のような一般式で示され、粘土が約1〜50
0ポイズ(25℃)のものが一般に使用される。
かかる液状シリコーンゴムは、一般に常温硬化型であ
り常温で硬化し得るが、その際液状シリコーンゴムに対
して約0.5〜20重量%、好ましくは約1〜10重量%の硬
化剤が用いられる。
硬化剤としては、一般に次のようなシラン化合物が用
いられる(ただし、R1〜R3は低級アルキル基である)。
R1Si(OCOR2 CH2=CHSi(OCOR1 R1Si(O−N=CR2R3 CH2=SHSi(O−N=CR2R3 R1Si(OR2 CH2=CHSi(OR1 R1R1Si(NR3−CO−R2 CH2=SHSiR1(NR3−CO−R2 R1Si(O−CR2=CH2 CH2=CHSi(O−CR2=OH2 具体的には、トリアセチルシラン、トリメトキシメチ
ルシラン、トリ(メチルエチルオキシム)メチルシラ
ン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシメチルシ
ラン、トリエトキシビニルシラン、ジ(N−エチルアセ
チル)ジメチルシラン、トリス(2−エチルビニロキ
シ)メチルシランなどが挙げられる。
これらの硬化剤以外に、塩化白金酸などの硬化触媒、
シリカ、炭酸カルシウムなどのゴム用充填剤、顔料など
が適宜添加されて用いられる。
以上の各成分は、ニーダーなどを用いて混練し、混合
物を形成されるが、その際希土類磁性粉末は液状シリコ
ーンゴム100重量部当り約200〜1800重量部、好ましくは
約400〜1000重量部の割合で用いられる。希土類磁性粉
末の使用割合がこれ以下では、ゴム磁石に所望の磁気特
性が得られず、一方これより多い割合で用いると、硬化
物がボロボロとなり所望の成形品を形成し得ないように
なる。
混合物は、射出成形機中で硬化、成形されるが、その
際モールドの厚さ方向など成形品形状に応じた方向に約
5〜30KOeの磁場を印加し、磁気によりゴム中の磁性体
をその厚さ方向などに配向させる着磁を行ない、必要が
あればモールドから取り出されたゴム磁石について再度
の着磁が行われる。
このように、成形の段階で着磁が行われるのは、次の
ような理由によっている。即ち、フェライト系磁性粉末
の場合には、その特性上ロール、押出機などにより磁化
軸を機械的に配向させることは可能であるが、希土類磁
性粉末の場合には、その性質上機械配向させることがで
きない。従って、着磁前に磁場配向という方法をとる必
要がある。しかるに、NBRや天然ゴムのようなゴムで
は、その粘土が大きく、磁場配向させることができな
い。そこで、ゴムの粘土を最高約500ポイズ(25℃)程
度と小さくし、射出成形時に磁力をかけて磁場配向を可
能としている。また、希土類磁性粉末は、酸化劣化して
磁力が損われるため、常温付近でも短時間に硬化可能な
液状シリコーンゴムが用いられているのである。
〔発明の効果〕
本発明に係るゴム磁石は、最大エネルギー積(BH)ma
xとして約2〜6MGOe程度の値を示しており、即ち希土類
焼結磁石とフェライト焼結磁石との中間領域をカバーす
る磁気特性を有している。しかも、ゴム弾性、可撓性、
加工性などの点においても、従来のフェライト系ゴム磁
石と同等以上のゴム特性を有している。
従って、このような特性を有する本発明のゴム磁石
は、小型PM型ステッピングモーター、ブラッシレスモー
ター、コアレスモーター、エンコーダーなどの回転機器
類、マイクロホーン、ヘッドホーン、薄形スピーカー、
カセットレコーダーなどの音響機器、その他センサー、
リレー装置、メーター類、装飾具などへの利用あるいは
磁性流体シール、ダストシール、オイルシールなどのシ
ール製品への応用をも可能としている。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 液状シリコーンゴム(信越化学製品KE108、粘度7ポ
イズ)100部(重量、以下同じ)、トリメトキシメチル
シラン10部、塩化白金酸2部およびSmCo5(平均粒径5
μm)480部を3ニーダーで混練し、それを射出成形
機のモールド中に射出し、80℃で20分間加熱硬化させ
た。
この際、モールドの厚さ方向に20KOeの磁場を加え、
磁気によりゴム中の磁性体をその厚さ方向に配向させる
着磁を行ない、150×150×2mmのゴム磁石シートを得
た。
得られたゴム磁石シートについて、B−Hカーブトレ
ーサー(日本電磁測器製)を用いてその磁気特性を最大
エネルギー積(BH)maxとして測定すると共に、JIS K−
6301によるゴム特性(硬さ、引張り強さおよび伸び)の
測定と90゜曲げ試験による亀裂発生の有無を観察した。
比較例1 実施例1において、SmCo5の使用量が80部に変更され
た。
以上の実施例および比較例における測定結果は、次の
表1に示される。
表1 項 目 実施例1 比較例1 (BH)max (MGOe) 4.2 0.6 硬さ[JIS A](ポイント) 62 48 引張り強さ (Kgf/cm2) 30 40 伸び (%) 40 90 曲げ試験での亀裂発生 なし なし この結果から、実施例1のものは(BH)maxが大きく
しかもゴム特性も良好であるが、比較例1のものは(B
H)maxの値が従来のフェライト系ゴム磁石以下であるこ
とが分る。
比較例2 実施例1において、塩化白金酸の使用量が1部に、ま
たSmCo5の使用量が2000部にそれぞれ変更された。加熱
硬化物はボロボロで、シート状に成形できなかった。
実施例2 液状シリコーンゴム(同社製品KE16、粘度200ポイ
ズ)100部、トリメトキシビニルシラン8部、塩化白金
酸0.9部およびSm2Co17(平均粒径16μm、粉体表面がビ
ニルトリエトキシシラン処理されたもの)850部を3
ニーダーで混練し、それを射出成形機のモールド中に射
出し、60℃で60分間加熱硬化させた。
この際、モールドの厚さ方向に15KOeの磁場を加え、
磁気配向させた。その後、モールドからゴム磁石シート
(150×150×2mm)を取り出し、再びその厚さ方向に22K
Oeの磁場をかけ、着磁を行った。
このゴム磁石シートについて、実施例1と同様の測定
が行われた。
比較例3 実施例2において、Sm2Co17の使用量が160部に変更さ
れた。
以上の実施例2および比較例3における測定結果は、
次の表2に示される。
表2 項 目 実施例2 比較例3 (BH)max (MGOe) 5.9 1.3 硬さ[JIS A](ポイント) 86 63 引張り強さ (Kgf/cm2) 35 42 伸び (%) 30 85 曲げ試験での亀裂発生 なし なし この結果から、実施例2のものは(BH)maxが大きく
しかもゴム物性も良好であるが、比較例3のものは(B
H)maxの値が従来のフェライト系ゴム磁石並みであるこ
とが分る。
比較例4 実施例2において、Sm2Co17の使用量が2000部に変更
された。
加熱硬化物はボロボロで、シート状に成形できなかっ
た。
実施例3 液状シリコーンゴム(同社製品KE1091、粘度170ポイ
ズ)100部、トリエトキシビニルシラン7部、塩化白金
酸0.5部およびSm2Co17(平均粒径12μm、粉体表面がγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理された
もの)720部を3ニーダーで混練し、それを射出成形
機のモールド中に射出し、60℃で2時間加熱硬化させ
た。
この際、モールドの厚さ方向に10KOeの磁場を加え、
磁気配向させた。その後、モールドからゴム磁石シート
(150×150×2mm)を取り出し、再びその厚さ方向に20K
Oeの磁場をかけ、着磁を行った。
このゴム磁石シートについて、実施例1と同様の測定
が行われた。
比較例5〜6 実施例3において、Sm2Co17の代りに、いずれも平均
粒径が5μmで、粉体表面がγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン処理されたSrO・6Fe2O3(比較例
5)またはBaO・6Fe2O3(比較例6)の同量が用いられ
た。
以上の実施例3および比較例5〜6における測定結果
は、次の表3に示される。
この結果から、実施例3のものは(BH)maxが大きく
しかもゴム特性も良好であるが、比較例5〜6のものは
(BH)maxの値が小さいばかりではなく、フェライト系
磁性粉末のゴムへの分散性が悪いため伸びが小さく、曲
げにより微小クラックよりなる亀裂を発生させることが
分る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状シリコーンゴム100重量部および1−
    5型または2−17型希土類磁性粉末200〜1800重量部を
    含有する混合物の硬化物に磁場を印加することを特徴と
    するゴム磁石の製造法。
  2. 【請求項2】希土類磁性粉末がSmCo5またはSm2Co17であ
    る特許請求の範囲第1項記載のゴム磁石の製造法。
  3. 【請求項3】シランカップリング剤で表面処理された希
    土類磁性粉末が用いられる特許請求の範囲第1項または
    第2項記載のゴム磁石の製造法。
  4. 【請求項4】5〜30KOeの磁場が印加される特許請求の
    範囲第1項記載のゴム磁石の製造法。
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