JP2808752B2 - 長期常温保存可能なレトルト麻婆豆腐の製造法 - Google Patents

長期常温保存可能なレトルト麻婆豆腐の製造法

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JP2808752B2 JP1306833A JP30683389A JP2808752B2 JP 2808752 B2 JP2808752 B2 JP 2808752B2 JP 1306833 A JP1306833 A JP 1306833A JP 30683389 A JP30683389 A JP 30683389A JP 2808752 B2 JP2808752 B2 JP 2808752B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、豆乳液に80℃以下にて凝固剤と共にトラン
スグルタミナーゼとを作用させて豆腐を調製し、このよ
うにして得た豆腐を必要に応じて適当な細片とした後こ
れを挽肉及び調味料などと共に耐熱性容器に充填しレト
ルト殺菌することを特徴とする長期常温保存可能なレト
ルト麻婆豆腐を製造する方法に関する。
(従来技術、発明が解決しようとする問題点) 麻婆豆腐の長期保存方法としては、無菌充填及びレト
ルト殺菌が考えられる。しかし、無菌充填は、特殊な製
造環境を必要とし、かつ保存性もチルド保存が普通であ
り日持ちはなお充分ではない。また、レトルト殺菌にお
いても従来はレトルト処理後の豆腐のかたくずれや、離
水による豆腐の食感の硬化等の問題を有している。
本発明は、より簡便に流通することのできる長期保存
性レトルト麻婆豆腐の製造法を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段と効果) 本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究の結
果、豆乳液に凝固剤を作用させて豆腐を調製するとき
に、凝固剤と共にペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−
カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒するトラン
スグルタミナーゼ(以下、TGaseと略記することがあ
る。)を作用させると豆腐に耐レトルト性を付与するこ
とができ、レトルト処理後に起る型くずれや離水を防止
できることを見出した。従って、このようにして調製し
た豆腐を挽肉及び唐辛子、味噌などの調味料とともに耐
熱性容器に充填してレトルト処理に付することによりレ
トルト麻婆豆腐とすることができることを見出し、本発
明を完成した。
本発明によれば、レトルト耐性を有し、常温で6ケ月
以上にも及び長期流通可能なレトルト麻婆豆腐が提供さ
れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できるTGaseは、その起源を問わず、微
生物由来のもの(特開昭64−27471)、哺乳動物由来の
もの(特開昭64−27471)、魚類由来のもの(関伸夫
ら、「昭和63年度日本水産学会秋季大会講演要旨集」16
7頁)、バイオテクノロジーを利用したジーンクローニ
ングによるもの(特願昭63−132000)などを挙げること
ができる。
本発明に従い、長期常温保存可能な麻婆豆腐を製造す
るには、まず、豆乳液に凝固剤とTGaseとを作用させて
耐熱性容器に充填すべき豆腐を調製する。この調製は凝
固剤にTGaseを併用すること、及びこの併用に伴う若干
の制約の他は、すべて公知の豆腐の調製法に従ってよ
い。
従って、豆乳液としては、従来豆腐の調製に用いられ
ている次のような豆乳液を例として挙げることができ
る。その1は、丸大豆から得られる豆乳液であって、こ
れは、丸大豆を水浸漬し(望ましくは水温5〜30℃で8
〜24時間)、磨砕し、加水し(浸漬時の吸水量を含めて
原料大豆の4〜8倍が望ましい)、消泡剤を加え(食用
のもの各種、例えば、脂肪酸モノグリセリド、シリコン
樹脂製)、加熱、蒸煮し(豆乳中にうまく蛋白質、脂肪
分を溶け出させると共に殺菌とトリプシンインヒビター
の失活とを行うため各種機器で、例えば5分かけて100
℃まで挙げ、そのままの温度で3〜5分保つ。その後、
絞ってオカラを分離除去することによって得ることがで
きる。あるいは、水浸漬した丸大豆を磨砕、加水した後
オカラを分離除去し、その後100℃で3〜5分間加熱後
放冷して得ても良い。その2は、全脂豆乳粉末から得ら
れる豆乳液であって、これは、豆乳粉末に加水し(7〜
15倍量、好ましくは9〜11倍量)、加熱、攪拌し(2〜
10分かけて100℃近辺とし、そのまま2〜10分保つ)、
放冷することによって得ることができる。その3は、分
離大豆タンパクから得られる豆乳液であって、これは、
タンパク含量例えば50%以上の脱脂タンパク粉末に水、
例えば植物油等の油脂、必要に応じてデンプン、及び各
種乳化剤をくわえて加熱乳化することによって得ること
ができる。
さて、従来の豆腐の調製では、このような豆乳液に、
硫酸カルシウムの各種水和物、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、天然にがり、クルコノデルタラクトン(GD
L)等の凝固剤を濃度0.1〜5%となるように加えて攪
拌、放置し、豆乳液を凝固させ、適宜脱水して所望の硬
さの豆乳を調製するが、本発明では、この凝固処理の際
に、凝固剤とともにTGaseを作用させるのである。
TGase併用の目的は、そのタンパク架橋高分子化能を
活用し、耐レトルト性を有する豆腐を調製することにあ
るが、そのためには次のような凝固処理条件を採用すれ
ばよい。: 豆乳液タンパク質濃度:3〜10%好ましくは4〜7
%、 凝固剤:一般に豆腐調製に用いられるものすべて、
例えばCaSO4、CaCl2、MgCl2、GDLを挙げることができる
が、好ましくはGDL、 TGase濃度:0.1〜100u/gタンパク、好ましくは1〜1
0u/gタンパク、 凝固温度:80℃以下、好ましくは50〜70℃、 凝固反応の時間:10分〜一夜、好ましくは30〜120分 上記の凝固処理条件の根拠について説明すれば、豆乳
タンパク質濃度が薄すぎると凝固が不完全であり、濃す
ぎると食感が硬くなりすぎるためであり、凝固剤として
GDLが好ましいのは操作性が良くかつ豆腐の食感がよい
ためであり、TGase濃度が薄すぎるとTGaseの作用があら
われず、濃すぎると豆腐の弾力性が強くなり過ぎるため
であり、凝固濃度は低すぎると凝固が不完全であり、高
すぎるとTGaseが失活するためであり、凝固反応時間は
短すぎると組織が不均一となり、長すぎると反応が進み
豆腐の弾力が強くなり過ぎるためであるからである。
なお、凝固処理時に本発明の効果を阻害しない範囲で
従来豆腐の調製に使用されている乳化剤等の各種添加物
を加えてもよいことは勿論である。
また、凝固処理後、凝固液は濾過脱水して所望の硬さ
の豆腐とし、あるいは放置、冷却またはTGaseを適当に
作用させるためのインキュベーションを行って豆腐を調
製する。いずれにしろ、凝固処理によって得られる凝固
液の処理も、従来のそれでよい。なお、インキュベーシ
ョンは、5〜60℃で1〜24時間行うとよく、この操作を
行うと、さらに保形性と保水性が向上する。
次に、このようにして調製した豆腐を、適度な大きさ
に切断し、挽肉、調味料等と共にレトルトパウチ等の耐
熱性容器に充填するが、豆腐の切断、包材への充填方法
は特に問わず、通常の方法で行えばよい。挽肉は豚、鶏
などの通常の挽肉で充填前の処理に特に制限はないが、
予め油で炒める方が風味、食感の点で好ましい。調味料
も通常の麻婆豆腐に用いる調味料で、味噌、豆板醤、豆
鼓、砂糖、塩、酢、醤油、胡麻油、MSG(L−グルタミ
ン酸モノソーダ塩)、唐辛子、こしょう、しょうが、に
んにくのほか酸味料、澱粉等の増粘剤、カラメル等から
なる。挽肉、調味料、豆腐は予め混合調理してから充填
しても良いし、別々に充填してもよい。
充填する包材は、耐レトルト性を有する包材であれ
ば、その材質、形状を問わない。
充填された麻婆豆腐はレトルト処理(この処理におい
てTGaseは完全に失活する。)して最終製品とするが、
レトルト処理における加熱条件は、100〜140℃で5〜12
0分、好ましくは110〜125℃で10〜30分とすればよい。
レトルト処理における加熱条件が温度が低すぎると殺菌
が不充分であり、高すぎると豆腐に「す」が生じるため
であり、処理時間が短かすぎると殺菌が不充分であり、
長すぎるとレトルト臭が生じるからである。なお、他に
は最終製品化には特別の制限はない。ただし、実際のレ
トルト処理はF0値でコントロールされ、このF0値が0.2
〜10の範囲、好ましくは4〜6の条件下で処理される。
なおF0値とは、一定温度において所定数の微生物を死滅
させるのに要する最小加熱時間(分、秒)であって、通
常250゜F(121.1℃)での最小加熱致死時間(F0)をさ
す。この値は食品の加熱殺菌効果を表示する指標として
用いられている。
このようなレトルト処理条件を採用する理由は、常温
で6ケ月以上の保存を品質及び衛生上可能とするためで
ある。
従って、このようにして製造される豆腐入りレトルト
調理食品は、食感が良好で、離水、型くずれがなく、常
温で6ケ月以上にも及び長期流通が可能である。
実施例1 丸大豆10Kgを水に一晩浸漬した後、20の水を加えな
がら磨砕機ですって「ご」を得た。これに消泡剤(脂肪
酸モノグリセリド)を200g加えて、全体が40となるよ
うに加水した後、煮釜中で加熱した。加熱は5分かけて
大豆タンパク質に適度な加熱変性を与える目的で100℃
となるようにし、その後生煮えの部分をなくし均一に加
熱する目的で3分間そのままの温度で保った。加熱終了
後濾過して豆乳約30を得た(タンパク質濃度7%)。
豆乳は室温放置により65℃まで冷却し、そこへグルコ
ノデルタラクトンを豆乳1あたり3g、トランスグルタ
ミナーゼ(特開昭64−27471の実施例1の方法で得られ
たBTG−1:比活性2.0u/mg)を豆乳1あたり350mg(10u
/gタンパク)添加した後、成形器(14cm×16cm×4cm)
に充填して酵素反応を充分に進行させるため50℃で1時
間放置した(本発明のレトルト麻婆豆腐用の豆腐)。
比較対照とする系には、予め加熱失活してあるトラン
スグルタミナーゼを用いた(比較豆腐1) 本発明に係る及び比較用の豆腐を各々品温が90℃とな
るように加熱し、そのまま10分間保って酵素を失活させ
た。加熱終了後、成形器ごと水中にとり冷却し、成形器
より豆腐を取り出し、流水中に3時間さらしてから一辺
の長さが1.5cmの立方体状にカットし、麻婆豆腐用豆腐
を調製した。
表1の配合で調製した麻婆豆腐用ソース90gと前記2
種類の豆腐をそれぞれ110gずつ別々のレトルト用パウチ
に充填した。
以上のようにして調製した2種類の試料を、日阪製作
所(株)製高温高圧調理殺菌装置を用いて110℃でF0値
が4.0となるまで処理した(試料1(本発明)、試料2
(比較1))。
また、市販絹ごし豆腐に対しても、上記と同様にカッ
ト、充填、レトルト処理を加えたものを調製した(試料
3(比較2))。
表1 麻婆豆腐用ソースの配合 長ねぎ 2.7kg 豚挽肉 3.5 サラダ油 0.4 中華合わせ調味料 (味の素(株)製Cook−Do 、 ストレート麻婆豆腐) 4.9 食 塩 0.1 醤 油 0.2 澱 粉 0.8 水 7.4 合 計 20.0 以上各々のレトルト処理済み麻婆豆腐豆腐に対して前
述の市販絹ごし豆腐(レトルト非処理)を用いて調製し
た麻婆豆腐をコントロール(評点0、綜合評価は5点)
として官能評価(パネル10名)を行い表2に示す結果を
得た。
表2の結果より、TGaseを作用させて調製した豆腐を
使用して製造したレトルト処理麻婆豆腐(試料1)の豆
腐はコントロールと同等の外観の好ましさ、なめらか
さ、やわらかさ、好ましさを有しているが、加熱失活TG
aseを使用し従ってTGaseを作用させずに調製した豆腐を
使用して製造したレトルト処理麻婆豆腐(試料2)の豆
腐、及び市販豆腐をそのまま使用して製造したレトルト
麻婆豆腐(試料3)の豆腐は、豆腐のくずれた小片が多
くて外観が悪く、硬くぼそぼそとした食感になってい
る。
さらに表3に示す様に、レトルト後の離水をレトルト
前後の豆腐の重量減少で評価したところTGaseを作用さ
せた豆腐(試料1)は、TGaseを作用せずに調製した豆
腐(試料2)及び市販の豆腐(試料3)にくらべ、レト
ルト後の離水が著しく減少することが明らかとなった。
実施例2 豆乳粉末(日本タンパク工業(株)製「ハイプロト
ン」)65gに対して水600mlを加えて(タンパク質濃度6
%)、攪拌しながらガスレンジで加熱し、沸騰後火を一
定の強さに弱めて3分間保った後、火からおろした。攪
拌を続けながら70℃まで冷却し、そこへグルコノデルタ
ラクトン2g、TGase(BTG−1:比活性2.0u/mg)200mgを水
50mlに溶解させて添加した(10u/gタンパク質)。
なお、対照とする系には予め95℃に加熱失活してある
TGaseを用いた。
上記の豆乳液を直ちに実施例1記載の成形容器に充填
し、品温が55℃になるように加熱し、そのまま30分間保
った後、酵素を失活させるために90℃まで加熱し10分間
保った。これを流水中にとり冷却した後、一辺1.5cmの
立方体状にカットした豆腐165gをそれぞれ表4のソース
135gとともにレトルト用パウチに充填した。これを、日
阪製作所(株)製高温高圧調理殺菌装置を用いて110℃
でF0値4.0までレトルト処理した。
表4 麻婆豆腐用ソースの配合 長ねぎ 140g 豚挽肉 130 鶏挽肉 50 大豆油 22 中華合わせ調味料 (味の素(株)製Cook−Do 、 ストレート麻婆豆腐) 240 食 塩 3 醤 油 12 澱 粉 25 水 378 計 1000 以上2種の麻婆豆腐それぞれについて、市販絹ごし豆
腐(レトルト非処理)を用いて調製した麻婆豆腐をコン
トロール(0点、総合評価は5点)として、官能検査
(パネル10人)による評価を行って表5に示す結果を得
た。
表5に示すように、TGase処理を施したものは、色
調、風味、口あたり、総合評価ともコントロールと同等
であるが、失活したTGaseを用いたものは、コントロー
ルにくらべ、硬く、弾力がなく、風味、食感も好まれな
かった。
実施例4(長期保存テスト) 実施例1で調製した、トランスグルタミナーゼBTG−
1を作用させたレトルト処理済麻婆豆腐をパウチに入っ
たまま25℃、相対湿度60%の恒温器に保蔵し、1ケ月
後、3ケ月後、6ケ月後に取り出して、実施例1と同じ
官能評価を行った。その結果を表6に示した。
上記と同様のことを市販の絹ごし豆腐を用いて調製し
たレトルト麻婆豆腐に対して行ったところ、1ケ月以内
に麻婆豆腐の食感の著しい硬さの増加を生じ、ほそぼそ
として豆腐として好ましくない食感となった。
この結果より、本発明の方法を用いると、調製直後か
ら6ケ月後までは安定した品質を保持することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−130454(JP,A) 特開 昭58−47457(JP,A) 特開 平4−121155(JP,A) 特開 昭61−146162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/20 A23L 1/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】豆乳液に80℃以下にて凝固剤とペプチド鎖
    内のグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル
    転移反応を触媒するトランスグルタミナーゼとを作用さ
    せて豆腐を調製し、このようにして調製した豆腐を必要
    に応じて適当な大きさの細片となした後これを挽肉及び
    調味料と共に耐熱性容器に充填してレトルト殺菌するこ
    とを特徴とする長期常温保存可能なレトルト麻婆豆腐の
    製造法。
JP1306833A 1989-11-27 1989-11-27 長期常温保存可能なレトルト麻婆豆腐の製造法 Expired - Lifetime JP2808752B2 (ja)

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