JP2810764B2 - 写真ハロゲン化銀組成物 - Google Patents

写真ハロゲン化銀組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、二求核剤とブロックされた写真に有用な
化合物との反応によって、その化合物の写真に有用な基
をより迅速に放出することができる前記化合物を含んで
なる写真ハロゲン化銀組成物に関する。
〔従来の技術〕
カプラーや色素のような各種化合物であって、ブロッ
キング基を含みそしてその化合物を含有する写真感光材
料の処理によって放出または脱ブロック化されうる化合
物類は、写真技術分野で知られている。このような化合
物と各種ブロッキング基は、例えば、米国特許第4,690,
885号、同4,358,525号および同4,554,243号明細書で記
載されている。これらの化合物は、ブロックされていず
そして処理によって化合物から写真に有用な基の放出を
行う化合物に比し保存安定性を増大させうるが、これら
の化合物を含有する写真感光材料の露光および処理前の
保存期間を通じて、これらの化合物は、しばしば十分に
満足できなかったり、またその化合物の放出または脱ブ
ロック化速度が目的を下回るものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
写真感光材料の保存安定性を増大することが可能なブ
ロッキング基を含有するブロックされた写真に有用な化
合物であって、このような化合物を含有する写真感光材
料に悪影響を及ぼすことなくその写真感光材料の処理に
よってブロッキング基の放出または脱ブロック速度を増
大することが可能な化合物を含んでなる写真ハロゲン化
銀組成物についての欲求は存在してきた。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、これらの課題を、写真に有用な基(PU
G)と、新規な、写真要素の写真処理によって前記写真
に有用な基を放出しうるブロッキング基とを含むブロッ
クされた写真に有用な化合物を含有する写真ハロゲン化
銀組成物であって、前記ブロッキング基が、(a)2つ
の求電子基を含み、その際、それらの求電子基のうち最
小の求電子性を有するものは写真に有用な基に直接また
はタイミング基を介して結合しており、(b)二求核剤
と反応性であり、そして(c)前記2つの求電子基が、
二求核剤の存在下で写真ハロゲン化銀組成物の写真処理
によって前記写真に有用な基の放出を伴う求核置換反応
を起こすことを可能ならしめる結合あるいは未置換もし
くは置換の原子で相互に分離されていることを特徴とす
る写真ハロゲン化銀組成物を提供することによって解決
する。
前記のような好ましいブロックされた写真に有用な化
合物は次式によって示される。
[E1Y1 wE2−(T1−(T2−PUG 上式中、E1およびE2は、独立して求電子基であって、
かつE1はE2より一層求電子性であり、 T1およびT2は、独立して放出可能なタイミング基であ
り、 Y1は、二求核剤の存在下でブロックされた写真に有用
な化合物を含有する写真要素を処理することによってPU
Gの放出を伴う求核置換反応を起こし得るような距離をE
1とE2との間に提供する未置換または置換原子、好まし
くは炭素または窒素原子であり、 PUGは、写真に有用な化合物の処理によって放出する
ことが可能な写真に有用な基であり、 w,xおよびyは、独立して0または1であり、そして nは1または2である。
前記式の範囲内のより具体的なブロックされた写真に
有用な化合物は、次式によって示される。
上式中、R3は未置換もしくは置換アルキル、未置換も
しくは置換アリール、またはZおよびY2と一緒になって
環、特に脂環式環もしくは複素環式環を完成するのに必
要な原子であり、 ZはR3およびY2と一緒になって環を完成するのに必要
な原子を表し、 Y2は二求核剤の存在下でブロックされた写真に有用な
化合物を含有する写真要素を処理することによって求核
置換反応を生じうるようにカルボニル基間へ距離を提供
する置換もしくは未置換炭素原子または窒素原子であ
り、 qおよびzは、独立して0または1であり、 T3は放出可能なタイミング基であり、そして PUGは写真に有用な基である。
特に好ましいブロックされた写真に有用な化合物は、
次式によって示される。
および 上式中、R4a,R4bおよびR4cは、独立して未置換もしく
は置換アルキルまたは未置換もしくは置換アリールであ
り、PUGは写真に有用な基であり、T4およびT5は、独立
して放出可能なタイミング基であり、そしてrおよびs
は、独立して0または1である。R4a,R4bおよびR4cはメ
チルが好ましい。
記載したようなブロッキング基はバラスト基を含むこ
とができる。写真技術分野で既知のバラスト基はこの目
的で使用することができる。
以下、この発明をより具体的に説明する。
前記ブロックされた写真に有用な化合物は、改良され
た保存安定性とこのような化合物を含有する写真要素の
処理によるより迅速な放出とを可能にする。これらの性
質の両方とも一部に最低新規なブロッキング基の特殊な
構造を有する前述のようなブロックされた写真に有用な
化合物によって達成される。従来、ブロックされた写真
に有用な化合物について、このような化合物を含有する
写真要素の保存安定性を低下させるようなメチルアミ
ン、水酸化物または水などの1個の求核基を含有する求
核化合物と反応せしめることが可能であった。これらの
ブロックされた写真に有用な化合物は、単に1個の求核
基を含有する求核化合物との反応によってその化合物の
写真に有用な基を放出しない。さらに、放出は、ヒドロ
キシルアミン、過酸水素、ヒドラジン、ジアミンおよび
置換ヒドラジンのような二求核剤として本明細書に記載
される2個の求核基を含有する求核化合物との反応によ
ってのみ生ずる。カルボニル基は、記載されたような新
規ブロッキング基における好ましい求電子基である。
新規ブロッキング基構造は、単に1個の求核基を含有
する求核化合物との反応に抵抗する。例えば、カルボニ
ル基のケースでE1に1個の求核基を含有するにすぎない
求核化合物の反応は、生ずるヒドロキシル基がE2と分子
内反応して形成が非常に困難である単に3もしくは4員
環までの付加体をもたらすであろう。殆どの場合、写真
ハロゲン化銀要素の保存中に1個の求核基を含有する水
のような化合物と遭遇するにすぎない。このような化合
物は記載したような新規ブロッキング基を放出しない。
記載したような化合物の良好な保存特性およびより迅
速な放出特性を必要とする化学系では、ブロッキング基
の放出をそのブロッキング基と適当な二求核剤との反応
によって開始することができる。適当な二求核剤の選択
は、5員環または6員環化合物の形成を可能にするもの
が好ましい。具体的な写真に有用な基、具体的なブロッ
キング基およびその化合物の最終用途に応じ、所期の放
出速度を可能にする濃度および条件下で特定の二求核剤
を反応せしめることによって脱ブロック化を開始するこ
とができる。
本明細書における二求核剤は、次式で示される化合物
を意味する。
HNu1−X1−Nu2H 上式中、Nu1およびNu2は、独立して求核性のN,O,S,P,
Se、置換窒素原子または置換炭素原子であり、X1はj個
の原子であってjは0,1または2である。有用な二求核
剤の具体例には次のものが挙げられる。
好ましい二求核剤は、ヒドロキシルアミン、過酸化水
素および一置換ヒドロキシルアミンである。本発明にお
ける二求核剤はまた、前記の剤を形成する酸塩のような
塩、例えば硫酸塩または亜硫酸水素塩をも包含する。
本明細書で使用する「写真に有用な基(PUG)」の語
は、写真感光材料中で使用できて記載したようなブロッ
キング基から放出されうる全ての基をいう。それは、ブ
ロッキング基以外のブロックされた写真に有用な化合物
の部分をいう。このPUGは、例えば、写真色素または写
真試薬であることができる。この写真試薬とは、放出さ
れてさらに写真要素の成分と反応する部分である。この
ような利用可能な写真に有用な基としては、例えば、カ
プラー(例えば、画像色素生成カプラー、現像抑制剤放
出性カプラー、競争カプラー、ポリマーのカプラーおよ
びカプラーの他の製品)、現像抑制剤、漂白促進剤、漂
白抑制剤、現像剤放出抑制剤、色素前駆体、現像主薬
(例えば、競争現像主薬、色素生成現像主薬、現像主薬
前駆体およびハロゲン化銀現像主薬)、銀イオン定着
剤、ハロゲン化銀溶媒、ハロゲン化銀錯体形成剤、画像
トナー、予備処理および後処理画像安定剤、硬膜剤、タ
ンニング剤、カブらせ剤、カブリ防止剤、紫外線吸収
剤、核生成剤、化学増感剤、分光増感剤、化学減感剤、
分光減感剤、界面活性剤、それらの前駆体および写真感
光材料において有用であることが既知の他の添加剤が挙
げられる。
PUGは、予備形成種または前駆体として写真に有用な
化合物中に存在することができる。例えば、予備形成さ
れた現像抑制剤がブロッキング基に結合されていてもよ
いか、あるいは特定時期に写真感光材料における特定の
位置で放出されるタイミング基に結合されていてもよ
い。このPUGは、例えば、ブロッキング基から放出され
た後に色素を生成する予備形成色素または化合物である
ことができる。
写真に有用な化合物は、場合によって、記載したよう
なPUGとブロッキング基との間の放出可能なタイミング
基(T)少なくとも1個を含んでいてよい。写真に有用
な化合物と二求核剤との反応は、連続的にタイミング基
からブロッキング基を放出し、次いでタイミング基をPU
Gから放出することができる。本明細書で「タイミング
基」の語は、また、放出作用中にほとんどまたは全く観
察しうる時間をもたない連結基をも包含する。これは、
例えば、現像液が二求核剤、例えばヒドロキシルアミン
を含む場合には露光された写真要素の現像段階で起って
もよい。写真技術分野で知られているいずれかのタイミ
ング基が、PUGとブロッキング基との間のタイミング基
として使用可能である。有用なタイミング基の具体例
は、例えば、米国特許第4,248,962号および同4,409,323
号明細書ならびにヨーロッパ特許出願第255,085号公報
に記載されている。
使用される特定のタイミング基は、それらがPUGとブ
ロッキング基に結合されている結合を含み、タイミング
基上の置換基の性質はブロッキング基とPUGの結合開裂
の速度および時期ならびにPUGと置換基の拡散性のよう
な因子の制御に役立つように変化することができる。
PUGがタイミング基のみを介してブロッキング基に結
合している場合には、タイミング基とブロッキング基と
の間の結合が開裂した後、一の構造単位としてタイミン
グ基とPUGが放出する。このケースでは、PUGがタイミン
グ基から放出される前に、特定のタイミング基が写真感
光材料における拡散速度および拡散距離を制御すること
ができる。タイミング基は、ブロッキング基と二求核剤
との反応を抑制する構造を含んではいけない。
記載したような式において、タイミング基T1およびT2
は、独立して、処理によりPUG放出の所期の速度および
時間を提供するように選ばれる。タイミング基T1および
T2は、同一または相違していてもよい。T1およびT2につ
いて好ましいタイミング基の例としては次のものが挙げ
られる。
上記各式中、E2およびPUGは前述のとおりであり、そ
してR4d,R4eおよびR4fは水素または置換基、例えばアル
キル、アリール、ニトロ、クロロおよびスルホナミドで
ある。
有用なタイミング基のその他の例は、例えば、米国特
許第4,248,962号および同4,772,537号明細書に記載され
ている。
記載したようなブロッキング基における2つの求電子
基E1およびE2は、このブロッキング基と二求核剤との反
応によって求核置換反応を生じうるいずれかの求電子基
であることができる。カルボニル基が特に好ましいが、
有用な求電子基の他の例としては次のものが挙げられ
る。
Z,Y2およびR3を含有する記載したブロッキング基にお
いて特に好ましい基は、次のような基が挙げられる。
(上式中、Rqは、メチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピルおよびブチルのようなアルキル、またはフェニ
ル、ベンジルもしくは置換フェニルのようなアリール、
またはアルコキシ、クロロおよびアミドのような他の置
換基である)、ならびに (上式中、R4は前述のとおりであり、R4aおよびR4bは、
独立してメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、ブチル、フェニル、ベンジルおよび置換フェニルま
たはアルコキシ、クロロおよびアミノのような他の置換
のごとき、前述したものと同じである) 記載したようなブロッキング基でブロックされていて
もよい有用なPUGの具体例としては次のものが挙げられ
る。
I.カプラー A.画像色素形成カプラー: 具体的なカプラーとしては、写真技術分野で知られて
いるシアン、マゼンタおよびイエロー画像色素生成カプ
ラーが挙げられる。記載したような、ブロッキング基を
含みうるシアン色素生成カプラーは、例えば、米国特許
第2,772,162号、同2,895,826号、同3,002,836号、同3,0
34,892号、同2,474,293号、同2,423,730号、同2,367,53
1号、同4,333,999号および同3,041,236号明細書に記載
されているものが挙げられる。記載したようなブロッキ
ング基を含みうる具体的なマゼンタ色素生成カプラー
は、例えば、米国特許第2,600,788号、同2,369,489号、
同2,343,703号、同2,311,082号、同3,152,896号、同3,5
19,429号、同3,062,653号および同2,908,573号明細書に
記載されているものが挙げられる。記載したような、ブ
ロッキング基を含みうる具体的なイエロー色素生成カプ
ラーは、例えば、米国特許第2,875,057号、同2,407,210
号、同3,265,506号、同2,298,443号、同3,048,194号お
よび同3,447,928号明細書に記載されているものが挙げ
られる。
B.酸化された発色現像主薬との反応によって無色の生成
物を形成し、記載したようなブロッキング基を含む具体
的なカプラーは、例えば、米国特許第3,632,345号、同
3,928,041号、同3,958,993号、同3,961,959号および英
国特許第861,138号明細書に記載されているものが挙げ
られる。
C.酸化された発色現像主薬との反応でブラック色素を生
成し、記載したようなブロッキング基を含ませうる具体
的なカプラーは、例えば、米国特許第1,939,231号、同
2,181,944号、同2,333,106号および同4,126,461号明細
書、ならびに西ドイツ国特許公開第2,644,194号および
同2,650,764号公報に記載されているものが挙げられ
る。
D.現像抑制剤放出性カプラー(DIRカプラー)であって
記載したようなブロッキング基を含ませうる具体的なカ
プラーは、例えば、米国特許第4,248,962号、同3,227,5
54号、同3,384,657号、同3,615,506号、同3,617,291
号、同3,733,201号明細書ならびに英国特許第1,450,479
号公報に記載されているものが挙げられる。PUGとして
好ましい現像抑制剤は、複素環式化合物、例えば、メル
カプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール、メルカ
プトオキサジアゾール、セレノテトラゾール、メルカプ
トベンゾチアゾール、セレノベンゾチアゾール、メルカ
プトベンゾオキサゾール、セレノベンゾオキサゾール、
メルカプトベンズイミダゾール、セレノベンズイミダゾ
ール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジアゾールおよび1,
2,4−トリアゾール、テトラゾールおよびイミダゾール
が挙げられる。
E.放出することで色素となるかまたは色素を生成するPU
G: 有用な色素および色素前駆体としては、アゾ、アゾメ
チン、アゾピラゾロン、インドアニリン、インドフェノ
ール、アンスラキノン、トリアリールメタン、アリザリ
ン、ニトロ、キノリン、インジゴイド、オキサノールお
よびフタロシアニン色素ならびにこれらの色素の前駆
体、例えばロイコ染料、テトラゾリウム塩またはシフト
化色素が挙げられる。これらの色素は金属の錯体または
金属の錯体形成性であることができる。このような色素
が記載されている代表的な特許は、米国特許第3,880,56
8号、同3,931,144号、同3,932,380号、同3,932,381号お
よび同3,942,987号である。記載したようにブロックさ
れうる具体的な色素の構造は次の各式で示される。
F.現像主薬を生成するPUG: 放出する現像主薬は、発色現像主薬、黒白現像主薬お
よびクロス酸化性現像主薬であることができる。これら
には、アミノフェノール類、フェニレンジアミン類、ハ
イドロキノン類およびピラゾリドン類が包含される。こ
のような現像主薬を記載している代表的な特許として
は、米国特許第2,193,015号、同2,108,243号,同2,592,
364号、同3,656,950号、同3,658,525号、同2,751,297
号、同2,289,367号、同2,772,282号、同2,743,279号、
同2,753,256号および同2,304,953号が挙げられる。
好ましい現像主薬の構造は、それぞれ次の式で示され
る。
〔上式中、R5aは水素または炭素原子1〜4個のアルキ
ルであり、R5は水素または1個以上のハロゲン(例、ク
ロロ、ブロモ)または炭素原子1〜4個のアルキル
(例、メチル、エチル、ブチル)基およびアルコキシで
ある〕。
(上式中、R5は前記定義と同じである)。
〔上記各式中、R6は水素または1個以上の炭素原子1〜
4個のアルキル、アルコキシもしくはアルケンジオキシ
基であり、そしてR7,R8,R9,R10およびR11は、独立して
水素、炭素原子1〜4個のアルキル(例、メチル、エチ
ル)炭素原子1〜4個の低級ヒドロキシアルキル(例、
ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル)または低級スル
ホンアルキルである〕。
G.漂白抑制剤であるPUG: 記載したようなブロックされうる代表的な漂白抑制剤
は、例えば、米国特許第3,705,801号および同3,715,208
号明細書ならびに西ドイツ国特許公開第2,405,279号公
報に記載されているような具体的な漂白抑制剤が挙げら
れる。具体的な漂白抑制剤の構造は次の式で示される。
上記各式中、R12は炭素原子6〜20個のアルキル基で
ある。
H.漂白促進剤であるPUG: 記載したようなブロックされうる代表的な漂白促進剤
は、次の各式で示される具体的な漂白促進剤が挙げられ
る。
上記各式中、W1は、例えば炭素原子1〜6個を含有
し、そして未置換であるかもしくは置換されていてもよ
い、エチルおよびブチルのようなアルキル、エトキシお
よびブトキシのようなアルコキシ、またはエチルチオお
よびブチルチオのようなアルキルチオであり、W2は水
素、アルキルまたはフェニルのようなアリールであり、
W3およびW4は、独立して炭素原子1〜6個を含有するア
ルキルのようなアルキル(例、エチルおよびブチル)で
あるか、あるいは一緒になってモルホリノのような環を
形成することができ、zは1〜6である。
写真技術分野で公表されているような他のPUGもまた
記載したようなブロッキング基でブロックすることがで
きる。
記載したようなブロックされた写真的に有用な化合物
は、写真感光材料中およびブロックされた写真化合物が
写真技術分野で使用されてきたような方法で使用するこ
とができる。
例えば、ブロックされた写真カプラーは、二求核剤の
存在下で現像することによって、露光された写真要素お
よびカプラーが酸化された発色現像主薬と組み合わさっ
て反応しうるように、写真要素および/または写真処理
組成物中に組み入れることができる。写真要素中に組み
入れられた場合、カプラー化合物は原則として非拡散
性、すなわち、それらが塗布されている層から著しく拡
散またはさ迷い出ないような分子サイズおよび配置であ
らねばならない。
記載したような写真組成物は、カラー生成カプラーお
よび発色現像主薬が別々に処理液もしくは組成物または
写真要素に組み入れられる常法によって処理することが
できる。場合によって、ブロックされた発色現像主薬
は、写真要素および要素を処理するために使用される単
純化した処理液に組み入れることができる。
写真要素は、単一色要素または多色要素であることが
できる。多色要素は、3種の主要領域の可視スペクトル
の各々に感光する色素画像形成単位を含む。各単位は、
単一乳剤層または与えられた領域のスペクトルに感光す
る複数乳剤層からなることができる。要素の各層(画像
形成単位層を含む)は、写真技術分野で知られるような
種々の順序で配列することができる。別の様式では、3
種の主要領域のスペクトルのそれぞれに感光する乳剤
が、米国特許第4,362,806号明細書に記載されるような
微小容器の使用に従うように単一に区分けされた層とし
て配置されうる。
典型的な多色写真要素は、少なくとも一つのシアン色
素形成性カプラーが組み合わさった赤感性ハロゲン化銀
乳剤層を少なくとも一つ含んでなるシアン色素画像形成
性単位、少なくとも一つのマゼンタ色素形成性カプラー
が組み合わさった緑感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も一つ含んでなるマゼンタ画像形成性単位および少なく
とも一つのイエロー色素形成性カプラーが組み合わさっ
た青感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一つ含んでな
るイエロー色素形成性単位を、担持する支持体を含んで
なる。本発明の要素は、フィルター層、中間層、オーバ
ーコート層および下塗り層などの追加の層を含んでよ
い。
記載したようなブロックされた写真に有用な化合物
は、写真要素の1以上の層および/または1以上の層と
組み合わさって存在することができる。これらの化合物
は乳剤層および/または隣接層で存在することができ
る。
記載したような乳剤や要素で使用するのに適する材料
の以下の検討は、リサーチ・ディスクロージャー(Rese
arch Disclosure),1978年12月、Item 17643(Industri
al Opportunities Ltd.発行、the Old Harbourmaster'
s,8 North Street,Emsworth,Hants P010 7DD,U.K.)を
引用して行うだろう。この刊行物は、以下「Research D
isclosure」と略記する。
これらの要素で使用されるハロゲン化銀乳剤は、臭化
銀、塩化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、臭ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀またはこれらの混合物であることが
できる。これらの乳剤は粗ハロゲン化銀粒子、中位ハロ
ゲン化銀粒子または微小ハロゲン化銀粒子を含むことが
できる。高い横縦比の平板状粒子乳剤が、特に意図され
ており、これらは、例えば、Wilgusの米国特許第4,434,
226号、Daubendiekらの同4,414,310号、Weyの同4,399,2
15号、Solbergらの同4,433,048号、Mignotの同4,386,15
6号、Evansらの同4,504,570号、Maskaskyの同4,400,463
号、Weyらの同4,414,306号、Maskaskyの同4,435,501号
および同4,643,966号ならびにDaubendiekらの同4,672,0
27号および同4,693,964号明細書に記載されている。ま
た、特に意図されているものは、粒子の周囲におけるよ
りも粒子のコアーにおいてより高いモル比のヨウ素を有
する臭ヨウ化銀粒子であり、例えばこれらは、英国特許
第1,027,146号、特開昭54−48,521号、米国特許第4,37
9,837号、同4,444,877号、同4,665,012号、同4,686,178
号、同4,565,778号、同4,728,602号、同4,668,614号、
同4,636,461号およびヨーロッパ特許第264,954号公報ま
たは明細書に記載されている。これらのハロゲン化銀乳
剤は、単分散または多分散のいずれかとして沈殿されう
る。乳剤の粒子サイズ分布は、ハロゲン化銀粒子分離法
または各種粒子サイズのハロゲン化銀乳剤を配合するこ
とによって調整することができる。
銅、タリウム、鉛、ビスマス、カドミウムおよび第VI
II族貴金属化合物のような増感性化合物をハロゲン化銀
乳剤の沈殿期間中に存在させることができる。
乳剤は、表面感光性乳剤、すなわち、ハロゲン化銀粒
子の表面で主として潜像を形成する乳剤であるか、ある
いは内部潜像形成性乳剤、すなわち、ハロゲン化銀粒子
の内部で主として潜像を形成する乳剤であることができ
る。これらの乳剤は、表面感光性乳剤もしくはカブらせ
ていない内部潜像形成性乳剤のようなネガティブ作動性
乳剤であるか、あるいはカブらせていない内部潜像形成
性型の直接ポジティブ乳剤であって、これらは均等光の
露光または核生成剤の存在下で現像が行われた場合にポ
ジティブに作動するものである。
これらの乳剤は表面増感可能である。個々にまたは組
み合わせて使用される貴金属(例、金)、中間カルコゲ
ン(例、イオウ、セレンまたはテル)および還元増感剤
が特に意図されている。典型的な化学増感剤は、前述し
Research Disclosure,Item 17643、第III節に列挙さ
れている。
これらのハロゲン化銀乳剤は、ポリメチン色素類を含
む各種のクラスに由来する色素を用いて分光増感するこ
とができ、これらの色素としてはシアニン、メロシアニ
ン、複合シアニンおよびメロシアニン(すなわち、3核
型、4核型および多核型シアニンおよびメロシアニ
ン)、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリリル、
メロスチリリルならびにストレプトシアニンが挙げられ
る。具体的な分光増感色素は、前述のResearch Disclo
sure,Item 17643、第IV節に記載されている。
記載したような要素の乳剤層およびその他の層につい
て適するベヒクルは、Research Disclosure,Item 1764
3、第IX節およびそこで引用されている刊行物に記載さ
れている。
本明細書で記載したカプラーに加え、これらの要素は
Research Disclosure、第VII節、パラグラフD,E,Fおよ
びGならびにそこで引用される文献に記載されるような
追加のカプラーを含むことができる。これらの追加のカ
プラーは、Research Disclosure、第VII節、パラグラ
フCならびにそこで引用される文献に記載されるように
組み入れることができる。
この発明の写真要素は、蛍光増白剤(Research Disc
losure、第V節)、カブリ防止剤および安定剤(Resear
ch Disclosure、第VI節)、汚染防止剤および画像色素
安定剤(Research Disclosure、第VII節、パラグラフ
IおよびJ)、光吸収剤および散乱材料(Research Di
sclosure、第VIII節)、硬膜剤(Research Disclosur
e、第X節)、塗布助剤(Research Disclosure、第XI
節)、可塑剤および滑剤(Research Disclosure、第XI
I節)、帯電防止剤(Research Disclosure、第XIII
節)、マット剤(Research Disclosure、第XVI節)な
らびに現像改質剤(Research Disclosure、第XXI節)
を含むことができる。
これらの写真要素はResearch Disclosure、第XVII節
およびそこで引用される文献に記載されるような各種支
持体上に塗布することができる。
これらの写真要素は、典型的には可視領域のスペクト
ルの化学輻射線に露光でき、Research Disclosure、第
XVIII節に記載されているような潜像を形成し、次いで
処理してResearch Disclosure、第XIX節に記載されて
いるような可視可能な色素画像を形成することができ
る。可視可能な色素画像を形成する工程には、要素を発
色現像主薬と接触させ、現像可能なハロゲン化銀を還元
し、発色現像主薬を酸化する工程が含まれる。酸化され
た発色現像主薬は、カプラーと次々に反応して色素を生
じる。
好ましい発色現像主薬としては、p−フェニレンジア
ミン類が挙げられる。特に好ましいものは、4−アミノ
−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−ア
ミノ−3−メチル−N−エチル−N−β−(メタンスル
ホンアミド)エチルアニリン硫酸塩水和物、4−アミノ
−3−メチル−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−β−(メタンスルホ
ンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩およ
び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチ
ル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸塩
が挙げられる。
ネガティブ作動性ハロゲン化銀乳剤は、この処理工程
によりネガ画像をもたらす。記載した要素は、例えばBr
itish Journal of hPotograph Annual,1988,196〜198ペ
ージに記載されるような既知のC−41発色処理によって
好ましくは処理される。ポジ(または反転)画像をうる
には、この発色現像工程非カラー現像主薬でまず現像処
理して露光されたハロゲン銀を現像(色素は生じない)
し、次いでその要素を均一にカブらせて現像可能な未露
光ハロゲン化銀を残すことができる。あるいはまた、直
接陽画乳剤は、ポジ画像を得るのに使用することができ
る。
現像は、引き続き、通常の漂白、定着または漂白定着
工程が施されて銀およびハロゲン化銀が除去され、洗浄
そして乾燥される。
処理に際しては、必要な時期にブロックされた写真に
有用な化合物を放出または脱ブロックするために使用さ
れるヒドロキシルアミンのような前述した二求核剤を処
理液中に存在させることが必要である。処理液中のこの
二求核剤濃度は、特定の処理液成分、特定の二求核剤、
処理時間、処理温度、処理せしめる特定の写真要素およ
び目的とする画像などの要因に応じて変動しうる。発色
現像液に二求核剤が存在する場合、二求核剤濃度は、典
型的には溶液1当たり10-5モル〜1モルの範囲内にあ
る。
記載したようなブロックされた写真に有用な化合物
は、有機化合物合成技術分野で既知の方法および工程で
製造することができる。
ブロックされた写真に有用な化合物の典型的な製造方
法は次の通りである。
合成I A.中間体2,2−ジメチル−3−オキソブチリルクロライ
ド(G1)の製造 ここに例示する中間体G1は、写真に有用な基(PUG)
との反応によって、記載したようなブロックされた写真
に有用な化合物を提供することができる。
エチルアセトアセテート(65g、0.5モル)、t−ブタ
ノール(200ml)およびテトラヒドロフラン(200ml)を
含有する2の三つ口丸底フラスコに、温度計、機械撹
拌器、窒素入口および氷水凝縮器で先端をとめた滴下漏
斗を固定した。その混合物を0℃に冷却し、カリウムt
−ブトキシド(56g、0.5モル)を徐々に添加しながらゆ
るやかな窒素流下で激しく撹拌した(温度、20℃以
下)。約5分後に均質な溶液が得られた。ヨウ化メチル
(32ml、0.5モル)を滴下漏斗から加えたところ温度が
約10℃まで上昇した。氷浴を温度(20℃)の水浴で置き
換えた後、さらに30分間混合物を撹拌したところヨウ化
カリウムが沈殿した。この混合物を再び0℃に冷却した
後、さらにヨウ化メチル(40ml)、次いでカリウムt−
ブトキシド(56g、0.5モル)を添加した(温度、30℃以
下)。この混合物を室温で約48時間撹拌し、次いで水約
1と飽和NaCl溶液0.5で希釈した後、エーテルで混
合物を抽出した。エーテル溶液を0.1N NaOH、次いで1N
HClで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、油状
物になるまで濃縮した。この粗ジメチル化エチルアセト
アセテート(64g、収率81%)は予測された化合物に整
合するnmrスペクトルを示した。
前記粗ジメチル化エステル(64g、約0.4モル)、NaOH
(48g、1.2モル)、水(320ml)および痕跡の指示色素
〔メタニルイエロー(Metanil Yellow)〕を均質溶液が
得られるまで18時間撹拌した。残存するアルカリ不溶性
物質を少量のエーテルで洗浄した除去した。次に、アル
カリ溶液を氷水で冷却した後、指示色素が紫色に変るま
で濃度HCl(約100ml)で注意深く中和した。この冷溶液
に飽和NaClを加えた後、塩化メチレンで数回抽出した。
抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、次いで30
℃にて濃縮することにより油状物として粗製の酸を得た
(50g)(この酸は氷温で固化する)。nmrスペクトル
は、この粗製の酸中に少量のエタノールが存在すること
を示した。過度の脱カルボキシル化を避るために、すぐ
さまこの酸を24時間室温でのオキサリルクロライド(75
ml、0.86モル)と痕跡のトリエチルアミンとの反応で使
用した。反応混合物を水流アスピレーター減圧下、ロー
タリーエバポレーターを使用して30℃で濃縮した。過剰
のオキサリルクロライドを塩化メチレンとの共蒸留によ
って除去し、粗2,2−ジメチル−3−オキソブチリルク
ロライド(49g,82%)を得た。この粗生成物の一部(45
g)を、水流アスピレーター減圧下で6インチ(15.2c
m)のビグローカラムを介して蒸留(bp50〜50℃)し、
純粋の無色生成物を得た(30g,67%)。エトキシ基を含
有する少量の不純物は生成物の遅い画分として蒸留され
た。この不純物は酸塩化物を生成する前にエタノール除
去を行うことによって避ることができた。
他の例示中間体も同様の方法で製造できる。例示化合
物にはG2およびG3が含まれ、次の式で示される。
下記は、化合物G2を用いる反応に関連するブロックさ
れたフィルター色素の具体的な合成例である。
合成例A 化合物(I)の製造 本明細書において、DMAPは4−ジメチルアミノピリジ
ンである。同様にDBUは、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデク−7−エンである。エーテルはエチルエー
テルを意味する。同様に、EtiPr2Nはエチルジイソプロ
ピルアミンを意味する。同様に、MeはCH3−を意味し、E
tはC2H5−を意味する。同様に、温度は別に特記しない
限り℃である。
(A)の製造 臭化エチル(500g、4.6モル)、o−アニシジン(370
g、3.0モル)およびイソプロパノール(1)を16時間
還流させた。この熱溶液を容器に入れ、氷で冷却した。
結晶臭化水素塩を濾過し、冷イソプロパノールおよびエ
ーテルで洗浄した。0℃で一夜冷却して、最小量の熱イ
ソプロパノールから再結晶して(A)402g(58%)を得
た。
(B)の製造 水(400ml)、濃HCl(80ml)およびp−アミノ安息香
酸(31.4g、0.21モル)を混合した。混合物を0℃まで
冷却した後、氷(100g)および亜硝酸ナトリウム(14.3
g、0.21モル)を加えた。2〜3分してすべての亜硝酸
塩が溶解したとき、温度を0℃付近に持続しながら水性
HCl(濃塩酸40ml、H2O 200ml)中の(A)(48.0g、0.2
1モル)溶液を徐々に加えた。酢酸ナトリウム(140g)
をゆっくり加えてカプリングを進めた。約30分撹拌した
後、混合物を濾過して色素とトリアゼンの混合物を得
た。このトリアゼンは、粗生成物を室温(20℃)2日間
酢酸(約200ml)と撹拌(または50℃で約2時間加熱)
することによって色素に転移した。酢酸から沈殿する色
素を濾取し、メタノールで洗浄して(B)41.7g(67
%)を得た。
(C)の製造 酸色素(B)(47.1g、0.14モル)を3時間100℃でヨ
ウ化ドデシル(45.6g、0.15モル)、エチルジイソプロ
ピルアミン(19.4g、0.15モル)およびDMF(200ml)と
共に加熱することによってエステル化した。この粗混合
物をエーテルで希釈し、0.05N HClおよび水で洗浄し、
次いでMgSO4上で乾燥した後に油状物まで濃縮し、そし
てメタノールから結晶化してバラスト化色素(C)44.5
g(68%)を得た。
(D)の製造 ジクロロメタン(200ml)にバラスト化色素(D)(1
2.3g、0.0264モル)と2,6−ルチジン(3.2g、0.03モ
ル)を溶解し、約15℃に冷却した。ホスゲン(トルエン
中1M溶液30ml、0.03モル)を徐々に加えた後、20分間こ
の混合物を撹拌した。混合物を冷水性0.05N HClおよび
氷水で洗浄した後、MgSO4上で乾燥した。減圧濃縮によ
って粗カルバミルクロライド(D)を得た。このもの
は、さらに精製することなく(I)を生成する反応で直
接使用した。
(E)の製造 市販の3−ニトロ−4−ヒドロキシベンジルアルコー
ル(16.9g、0.1モル)を、触媒として5%Pd炭素1gを使
用してジオキサン(300ml)中280キロパスカル(40ps
i)(3気圧)で水素添加した。触媒を濾去した後、溶
液を濃縮することにより結晶性固体として(E)を生成
した(10g,72%)。
(F)の製造 アミノフェノール(E)(2.78g、0.02モル)および
2,6−ルチジン(2.36g、0.022モル)をp−ジオキサン
(40ml)と混合した。次に、メタンスルホン酸無水物
(3.48g、0.02モル)を加えた。30分後、この混合物を
酢酸エチルで希釈し、塩水(飽和NaCl 100ml+1N HCl 1
5ml)で2度洗浄した。MgSO4上で乾燥した後、酢酸エチ
ル抽出物を固体残渣まで濃縮した。酢酸エチル/ヘプタ
ンから結晶化して生成物(F)3.2g(75%)を得た。
(H)の製造 テトラヒドロフラン(100ml)中トリエチルアミン(1
1.2ml、0.08モル)およびフェノール系化合物(F)(1
0.9g、0.05モル)の均質溶液を窒素雰囲気下−20℃まで
冷却した。次に、塩化メチレン(50ml)中酸塩化物(G
2)(8.75g、0.05モル)溶液を加えた。この混合物を2
〜3分間室温まで加温し、さらに溶媒で希釈し、次いで
0.1N HClで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
し、油状物(19g)になるまで濃縮した。このものは、
少量の溶媒を含んでいたが、次の段階で使用するのには
十分な純度であった。
(I)の製造 塩化メチレン(30ml)中色素カルバミルクロライド
(D)(8.0g、0.015モル)、ヒドロキシ化合物(H)
(5.3g、0.015モル)、DMAP(3.7g、0.03モル)およびD
BU(6.8g、0.45モル)溶液を30分間室温で撹拌した。反
応を水性0.5N HClで洗浄することによって止め、有機層
を硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで粗油状物まで濃
縮した。溶離液として酢酸エチル/ヘプタン(1/3)を
使用するシリカゲル750gによってその粗生成物をクロマ
ト処理した。精製されたシフト化フィルター色素(I)
(7g,55%)は、ガラス状固体として得られた。
ブロックされた写真に有用な化合物の他の合成例は次
のとおりである。
合成II 撹拌しながらトリエチルアミン50mlとピリジン450ml
溶液に化合物(J)27.5gを溶解した。化合物(K)を
5分間かけて滴下した。得られた混合物を室温で一夜撹
拌し、減圧濃縮し、次いで残渣をエチルエーテル500ml
と撹拌した。混合物を濾過した。濾過物を水各500mlで
5度洗浄し、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し
た。得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。
この溶液を濾過し、濃縮して淡い黄金色の油状物30gを
得た。静置することによって淡い黄金色の油状物は固化
した。この固化を石油エーテル(bp30〜60℃)で撹拌し
て破砕し、次いで濾取して融点74〜75℃の白色固体22.5
gを得た。目的化合物はNMRによって同定された。
H NMR(CDCl3)7.2−7.3(トリプレット,2H);6.9−7.0
(ダブレット,2H);6.8−6.9(トリプレット,1H);3.6
(シングレット,2H);2.5−2.6(マルチプレット,3H);
2.0−2.1(マルチプレット,1H);1.5−1.9(マルチプレ
ット,4H);1.4−1.5(シングレット,3H);および1.2−
1.3ppm(シングレット,6H).13 C NMR(CDCl3)206.6,170.0,158.5,146.5,128.6,119.
2,112.8,63.8,57.1,44.4,39.9,37.4,27.0,23.3,21.8、
および20.7ppm. ブロックされた試薬を必要とする化学系では、二求核
剤との反応によってその試薬が放出されうる。この試薬
は、特殊な化学系と適合する二求核剤によって放出され
うる。最適の二求核剤および特定のブロックされた試薬
の選択は、特定の化学系、そのブロックされた試薬の目
的とする用途、放出するために使用される特定の条件に
よって左右されうる。このようなブロックされた試薬中
のブロッキング基は記載したようなものであることがで
きる。
〔実施例〕
以下の例でこの発明をさらに具体的に説明する。
例 1 モデル試験をエステルE−1〜E−5について行い、
この発明のブロッキング基がフェノール部分からの脱離
を促進する目的で一求核剤よりむしろ二求核剤を使用す
ることによって達成されうる速度の上昇を測定した。そ
れぞれアセトニトリル50容量%を含有する水性溶液A,B
およびCは、次のように調製した(各エステルについて
それぞれの溶液A)。
溶液A:2.5×10-4Mのエステル(または2.5×10-5M E
−1);0.2N KCl 溶液B:25容量%のカーボネート緩衝液(イオン強度0.
75);0.05N KCl 溶液C:溶液Bは0.05Mのヒドロキシルアミンが添加さ
れている。
同量のAおよびB(またはAおよびC)を25℃で撹拌
してpH10.0の溶液を与え、次いで反応をこのときに生成
されるフェノール(272nm)またはp−ニトロフェノー
ル(402nm)の分光光度の測定を行った。各ケースにお
ける反応の半減期(t1/2)は、式t1/2=1n(2)/kの
式から算出される。ここで1n(2)は、2の自然対数で
あり、kは反応について計算される一次速度定数であ
る。従って、より小さい半減期はより迅速な反応を示唆
する。A+Bの組み合わせは、主な反応体がヒドロキシ
ドイオン(一求核剤)のアルカリ溶液を提供するが、A
+Cの組み合わせでは活性反応体がヒドロキシルアミン
(二求核剤)である。A+Bの半減期対A+Cの半減期
の比は、脱ブロック化反応でヒドロキシルアミンの関与
による速度上昇の目安を提供する。結果を第I表に示
す。
第I表から理解できるように、記載したようなブロッ
キング基を使用するエステルE−1,E−2およびE−3
の加水分解に加えた二求核剤(ヒドロキシルアミン)に
起因する前記比の増大は、エステルE−4およびE−5
のブロッキング基に比較して2千倍から6万倍になっ
た。この発明のブロッキング基を表す前記エステルは、
塩基加水分解に対しては良好な抵抗性を持続するにもか
かわらず、pH10の写真処理では2〜3秒を要する迅速脱
ブロッキングを示す。この結果は、保存中ではいまだ一
求核剤が存在するにすぎないので、記載したようなブロ
ックされたPUGは処理前の保存条件下では非常に安定で
あり、処理中の所望の時期に迅速なPUG放出が可能であ
ることを予期できるであろう。
例 2 この例では、処理液が二求核性ヒドロキシアミンスル
フェート(HAS)を含む場合には写真感光性要素に組み
入れられたブロックされた電子移動剤(ETA)は、容易
に脱ブロックされうることを示す。緑色増感臭ヨウ化銀
ゼラチン乳剤(0.7ミクロン粒子サイズ)を、半分の重
量のジ−n−ブチルフタレートに分散させたシアンカプ
ラーC−1および2倍重量のN,N−ジエチルラウルアミ
ドに分散させた記載したようなブロックされたETA化合
物を含んでなるカプラー分散体と混合した。得られた混
合物を下記様式に従って写真フィルム支持体上に塗布し
た(各成分量は銀としてカウトしたハロゲン化銀と共に
mg/m2で示す)。
オーバーコート層:ゼラチン(5382);ビス(ビニルス
ルホニルメチル)エーテル硬膜剤(総ゼラチン重量の2
%) 乳剤層:ゼラチン(3229);緑色増感AgBrI乳剤(87
7);シアンカプラーC−1(969);およびブロックさ
れたETA化合物(第II表に示したレベル) フィルム支持体: 各写真要素は、市販のセンシトメーター中で段階的濃
度試験片を介して光に像様露光して現像可能な潜像を提
供した〔3000゜K光源、0〜4段階光学ウェッジ、ラッ
テン(Wratt)99+0.5NDフィルター.Wrattenは商品名で
ある〕。次に、得られた写真フィルムを最終的な安定剤
段階を伴うことなく市販のEastman Kodak Company,U.S.
A.製のC−41処理剤で現像処理した。この処理について
の処理および処理組成物は、例えば、British Journal
of Photograph Annual 1988,191〜199ページに記載され
ている。この現像処理は、発色現像液中にヒドロキシル
アミンスルフェート(HAS)を加えたものおよび加えな
いもので行った。
赤色光で行ったデンシトメトリーの測定値は、第II表
に示すが表中のカッコ内の値はHASを加えていない現像
液に対するものである。Dminは平均カブリレベルであ
る。ガンマは、ブロックされたETA化合物を含まない対
照試料のガンマからの差違としてとらえた別個の0.4log
Eを有する2つの濃度点間の最大コントラストである。
写真感度は、対照試料(100に設定)と比較してとら
え、0.15の濃度を越えるカブリで測定した。
第II表のデータは、この発明の化合物がヒドロキシル
アミンスルフェートの存在下で迅速に脱ブロック化し、
低い添加レベルでさえも著しい写真感度の向上をもたら
しうるETA化合物の放出を示す。
例 3 シフトマスキングカプラーの使用を例示する目的で、
化合物3および対応するブロックされていない構造の比
較化合物3Uを使用して写真要素を調製した。
各化合物は、同じ重量の2,5−ジ−t−ペンチルフェ
ノールに分散させ、下記様式でポリ(エチレンテレフタ
レート)フィルム支持体上に塗布した(別に特記しない
限り、成分量は銀としてカウントしたハロゲン化銀と伴
にmg/m2で示した)。
オーバーコート層:ゼラチン(2691);ビス(ビニルス
ルホニルメチル)エーテル硬膜剤(総ゼラチン重量の1.
75%) 乳剤層:ゼラチン(3767);未増感AgBr乳剤(906);
第III表に示すマスキングカプラー(1.08mmole/m2) フィルム支持体: この塗布要素の未露光ストリップを定着に1分間浸漬
してハロゲン化銀を除去し、洗浄し、次いでKODAK C−4
1処理(KODAKはEastman Kodak Co.,U.S.A.の商標であ
る)における処理で常用されている温度にて下記処理液
の一つに浸漬した。
P−1:pH10の炭酸塩緩衝液 P−2:pH10の0.024Mのヒドロキシルアミンスルフェー
トを有する炭酸塩緩衝液 P−3:ヒドロキシルアミンスルフェートを除去したC
−41発色現像液 P−4:ヒドロキシルアミンスルフェートを含有するC
−41発色現像液 結果を第III表に示す: 第III表のデータでは、ブロックされたマスキングカ
プラー化合物3はカーボネートイオンおよびヒドロキシ
ドイオンを含有するアルカリ液(P−1)または二求核
剤を含まない現像液(P−3)による長期にわたる処理
によって脱ブロック化されないことを示す。しかしなが
ら、P−2およびP−4のようなこれらのいずれかの溶
液に二求核剤ヒドロキシルアミンが添加された場合に
は、ブロックされたマスキングカプラー化合物3からそ
のブロッキング基が容易に除去されて対応するブロック
されていない化合物3Uを生成する。化合物3が処理を通
じて二求核剤によって脱ブロックされるまで、ブロック
された化合物3の極大吸収はそれが殆ど緑色光を吸収し
ないような約375nmにシフトしている。
例 4 例3で前述したのと同様に塗布した写真要素のストリ
ップを、ハロゲン化銀を除去するために定着するか、あ
るいは白色光に対して段階的に露光し、次いで例2と同
様にC−41処理をした。低露光および高露光段階での赤
色光、緑色光および青色光に対する濃度を測定し、第IV
表に示した。
高レベルのマスキングカプラー(および通常存在する
画像カプラーでない)に対する第IV表のデータは、青色
光および緑色光に対してポジティブなマスキング画像
を、さらに赤色光に対してネガティブな画像を生ずるこ
とを示す。しかしながら、ブロックされたマスキングカ
プラー化合物3を含有する未露光試料は、発色団がブロ
ックされていない対応する化合物3Uに比し、緑色光に対
して著しく低い濃度を有するさらなる利点を有す。ブロ
ックされたマスキングカプラーの処理前には、よい低部
の写真層についてさらに緑色光を通過させることが可能
であり、さらに処理後は画像色素の好ましくないスペク
トル吸収性について望ましい補償を提供する。
例 5 この例は、モノクロ層における主要な画像カプラーの
存在下でブロックされたマスキングカプラーの使用を例
示する。分散体は、半分の重量のジ−n−ブチルフタレ
ートに分散されたシアンカプラーC−1を添加する以外
は例3と同様に調製した。次に、これらを下記様式で塗
布した(特記しない限り、銀としてカウントするハロゲ
ン化銀と共に成分量はmg/m2で示す。) オーバーコート層:ゼラチン(2691);ビス(ビニルス
ルホニルメチル)エーテル硬膜剤(総ゼラチン重量の1.
75%) 乳剤層:ゼラチン(3767);未増感AgBrI乳剤(161
5);シアン画像カプラーC−1(754);第V表に示す
マスキングカプラー(0.108mmole/m2) フィルム支持体:ハレーション防止裏引き付 前記塗布物のフィルムストリップは、Wratten12(マ
イナスブルー)を介して段階的に露光し、例2と同様に
処理(C−41)し、次いで第V表に示すような写真パラ
メーターを測定した(緑色光に対する濃度を、未露光定
着ストリップならびに処理ストリップの低および高領域
について測定した。赤色画像の写真感度は100とする対
照と比較した)。
第V表のデータは、マスキングカプラーの両方とも低
露光領域における緑色光に対して好ましい濃度を提供す
るが、ブロックされた発色団を含有する化合物3は、そ
のフィルムが処理されるまで非常に少ない緑色光を吸収
する点で比較化合物3U(ブロックされていない)を陵駕
する利点を有することが示される。多層カラーフィルム
におけるシフト化マスキングカプラーの使用は、露光中
の良好な光の利用を可能にし、そしてより下層で必要な
光の上層での吸収が非常に少ないので好ましい写真感度
を提供する。
例 6 ブロックされたフィルター色素を含有する無感光性写
真層の利用を例示する目的で、このような3種の化合物
をそれぞれ半分の重量のジ−n−ブチルフタレートに分
散させ、次いで下記様式でフィルム支持体に塗布した
(成分量はmg/m2)。
フィルター色素層:ゼラチン(4844);第VI表に示され
るブロックされたフィルター色素(377);ビス(ビニ
ルスルホニルメチル)エーテル硬膜剤(85) フィルム支持体: 各塗布物のストリップを、C−41現像液または同一の
C−41現像液からヒドロキシルアミンスルフェート(HA
S)を省略した組成物中、38℃にて浸漬した。各フィル
ター色素の脱ブロック化速度は、選定した一定時間をお
いてブロックされていない色素の極大吸収における濃度
を測定することによって追跡した。結果を第VI表に示
す。
第VI表に示される各処理時間での濃度から、この発明
のブロックされたフィルター色素は、ヒドロキシルアミ
ンの不存在下で放出が非常に遅すぎてpH10の写真処理で
は使用できないことが理解できる。これらのブロックさ
れたフィルター色素は、未処理塗布物中のpH5.5〜6に
おける長期間保存について相当な安定性を有する。虐待
保存試験では、ブロックされたフィルター色素の少なく
とも95%が未変化のまま回収された。しかしながら、ヒ
ドロキシルアミン二求核剤を含有させた、市販のC−41
現像液では、有用なフィルター色素濃度へ瞬時に達す
る。
例7〜33 下記のブロックされた写真に有用な化合物は、記載し
た方法によって製造することができる。これらのブロッ
クされた化合物は記載したように(例えば、要素中およ
び例1の処理のごとく)写真要素に組み入れそして処理
することができる。(例の数は、それぞれの化合物につ
いて与える) 〔発明の効果〕 記載したようなブロッキング基を含有する新規なブロ
ックされた写真に有用な化合物を含んでなる記載したよ
うな写真ハロゲン化銀組成物は、写真感光材料における
保存安定性を高め、かつ二求核剤の存在下における写真
感光材料の処理中の放出速度を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャレッド ベン ムーベリー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14622, ロチェスター,ハンティントン ヒルズ サウス 175 (72)発明者 ゲーリー スティーブン プロエル アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,サガモア ドライブ 260 (72)発明者 スティーブン ポール シンガー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14559, スペンサーポート,ウォルナット ヒル ドライブ 22 (72)発明者 ウィリアム エヌ.ワッシュバーン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14475, イオニア,メンドン‐イオニア ロード 1820 (56)参考文献 特開 昭59−197037(JP,A) 特開 昭59−218439(JP,A) 特開 昭62−147457(JP,A) 特開 昭62−144163(JP,A) 特開 昭62−65039(JP,A) 特開 昭59−210440(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/43 G03C 7/392 G03C 7/305

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真に有用な基と、写真要素の写真処理に
    よって前記写真に有用な基を放出しうるブロッキング基
    とを含むブロックされた写真に有用な化合物を含有する
    写真ハロゲン化銀組成物であって、前記ブロッキング基
    が、(a)2つの求電子基を含み、その際、それらの求
    電子基のうち最小の求電子性を有するものは写真に有用
    な基に直接またはタイミング基を介して結合しており、
    (b)二求核剤と反応性であり、そして(c)前記2つ
    の求電子基が、二求核剤の存在下で写真ハロゲン化銀組
    成物の写真処理によって前記写真に有用な基の放出を伴
    う求核置換反応を起こすことを可能ならしめる結合ある
    いは未置換もしくは置換の原子で相互に分離されている
    ことを特徴とする写真ハロゲン化銀組成物。
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