JP2832603B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金材料 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金材料

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は、例えば建築、機械、自動車及び電気等とい
った各種の分野で用いられるアルミニウム又はアルミニ
ウム合金材料に関するものである。 【従来技術とその問題点】 例えば、自動車用のアルミニウム又はアルミニウム合
金(以下、単にアルミニウム合金)製のホイールは、そ
のホイール構造によって、1ピース、2ピース、又は3
ピースの3タイプに類別される。 1ピースタイプのホイールは、ホイールリム及びディ
スク等を一体構造として鋳造あるいは鍛造で作られ、材
質的には通常Al−Si系合金からなる。 しかし、このタイプのホイールは、低コストであるも
のの、鋳造又は鍛造技術上の制約があり、薄肉軽量化に
は限界があり、かつ、表面処理によって素材マトリック
ス中に存在する晶出Si粒子の為に、陽極酸化処理後には
鮮明なる色彩もしくは光輝性を得ることが難しいもので
ある。 一方、2ピース又は3ピースタイプのホイールは、ホ
イールリムとディスクとが夫々別々に製造され、ホイー
ルリムは、アルミニウム展伸材をロール成形又はヘラ絞
り成形(スピニング成形)、バフ研摩することによって
作られ、材質的には、一般的にJIS−A 5052、JIS−A 51
54といったAl−Mg系合金からなり、又、ディスクは鋳
造、鍛造等で作られる。 そして、これらホイールリムとディスクとは、ボルト
又は熔接によって結合され、ホイールとして一体化され
るのである。 そして、上記のアルミニウム合金製ホイール及びそき
部材は所定形状に成形加工した後、通常、陽極酸化、塗
装、電解着色もしくは染色して、例えばホワイト、シル
バー、ブラック、ゴールド又はワイン色のような色調に
されているのである。 しかしながら、長年にわたってトリム、バンパー、モ
ールといった鋼製の自動車用部材にクロムメッキされた
ものが使用されてきており、光輝性を有し、メタリック
な鏡面を示す外観が自動車愛好家に好まれ、かつ、要求
される傾向にあり、耐食性、耐候性、光輝性、耐熱性を
有する表面処理皮膜が嘱望されている。 この要求をホイール及びその部材に対して満たす為、
表面に光輝性のクロムメッキを試みている例もあるが、
即ちホイールをジンケート処理し、その後通常Cu,Ni等
を10〜50μmの厚みに下地メッキし、その後0.2〜0.3μ
m厚のCrメッキをして鏡面を得ているわけであるが、こ
の場合には次のような問題がある。 すなわち、10〜50μm程度の厚膜の割には、耐食
性、耐候性が良好でなく、実使用後に表面に白くもりが
生じる、陽極酸化及び塗装と比べて価格が高い、1
ピースホイールに適用する場合は、ジンケート処理が不
完全になり易い為、ホイール素地とメッキ皮膜との密着
性が悪くなり、メッキ皮膜が剥離する、2ピース又は
3ピースホイールに適用する場合は、リム及びディスク
を熔接する時の熱によって皮膜が剥離するといった問題
点がある。 又、ホイール表面の光輝性及び耐食性を向上させる為
に、ホイール表面をバフ研摩及び/又は化学研摩した
後、クリヤーな有機樹脂塗装が行なわれているが、皮膜
が軟かい為、表面に疵が発生し易く、熔接時に300℃以
上に加熱されたり、大気中で紫外線等に曝されると、黄
変するといった問題点がある。 一方、現行の光輝性を向上させた表面処理としてバフ
研摩及び/又は化学研摩、陽極酸化皮膜処理がなされた
ものがあるが、この場合は、熔接時の熱影響によって、
皮膜にひび割れが発生し、外観的に問題があり、又、陽
極酸化後の皮膜欠陥をなくして、表面の平滑性を向上し
て光輝性を付与する為に、アルミニウム合金中に含有さ
れるFe,Siといった不純物元素の含有量を少なくした技
術が提案(特開昭62−23973号公報)されているが、こ
れでは地金純度の高いものを使用せざるを得ず、コスト
高となる。 又、特公昭57−43634号公報等で提案されているケイ
酸塩コーティング処理では、耐熱性及び耐候性は比較的
良好であるものの、ケイ酸塩化合物を塗布後の焼付け温
度を240℃以上と高くする必要があり、アルミニウム合
金の機械的性質が低下したり、皮膜が白濁し易いといっ
た問題点がある。 加えて上記のケイ酸塩コーティングのその他の問題点
として、第2図の電子顕微鏡写真に示される如く、多数
の細孔が形成されている為皮膜がもろく、耐食性が劣化
したり、素地との密着性が劣化するといった難点があ
り、屋外使用時の耐食性もしくは変形応力がかかる部分
では塗膜密着性の悪いことが判った。 【発明の開示】 本発明者は、前記の問題点に対する研究を鋭意押し進
めた結果、皮膜量が約5〜300mg/dm2であって、その主
成分として金属元素を含有しておらず、Si及びOから構
成される例えば皮膜粒系が0.005〜0.05μmのSiO2硬化
皮膜をアルミニウム合金材表面に形成させた表面処理ア
ルミニウム合金は、クロムメッキと同等な平滑性が付
与される為に、光輝性が得られ、熔接等の熱又は紫外
線等によって、皮膜が変色及び変質せず、良好な耐熱
性、耐候性が得られ、耐食性は、通常の約10μm厚の
陽極酸化皮膜と同等以上であり、アルミニウム合金材
の地金純度の低純度化が可能で、低コストになり、例
えば、ホイールリム等のように、繰り返し応力のかかる
構造材に適用され、繰り返し曲げ等の応力を受けた場合
でも、該硬化皮膜が割れたり、剥離することはなく、密
着性が良好であることを見出した。 尚、本発明の表面処理アルミニウム合金に形成される
主成分としてアルカリ金属元素等を含有せず、単にSi及
びO元素から構成され、例えば皮膜粒径が約0.005μm
〜0.05μmであるSiO2硬化皮膜は種々の方法にて形成さ
れるが、その一例を挙げれば次き通りである。 例えば、アルミニウム合金材表面に、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコールといった有機溶剤に分散も
しくは溶解させた有機シリカ化合物を塗布後、これをア
ルミニウム合金材の機械的性質の低下が加熱前の10%以
下となるような焼付条件(例えば200℃,10分)で焼付す
れば良い。尚、焼付条件は、アルミニウム合金の組成
(Al−Fe−Si系、Al−Mg系、Al−Si系、Al−Mn系、Al−
Mg−Si系stc)、調質状態等によって一義的には定めら
れないが、焼付温度が約220℃以上ではアルミニウム合
金基材の機械的性質低下が10%より大きくなるので好ま
しくない。 そして、有機シリカ化合物に含有される有機物質
(C、H、O)は加熱によって無機質系のSiO2硬化皮膜
となり、これは特公昭57−43634号公報等で用いられて
いるようなアルカリ金属ケイ酸塩化合物(例えば、水ガ
ラス)から形成されるSiO2系皮膜とは異なり、第1図の
電子顕微鏡写真に示される通り、緻密な例えば粒径約0.
005μm〜0.05μmの皮膜であり、皮膜形成後にも皮膜
中にNa,K等の元素が存在しないので、結露水等によるK,
Na等の溶出がない為、皮膜に細孔が形成されず、皮膜の
光輝性が保持され、かつ、使用雰囲気における耐食性に
格段に優れている。 尚、SiO2硬化皮膜を構成する為の有機シリカ化合物溶
液の塗布作業は1回でもよいが、2回以上行なっても良
い。但し、2回以上塗布する場合には、一旦、乾燥した
後、更に、塗布を行なうことが望ましい。 上記SiO2硬化皮膜量が5mg/dm2より少ない場合は外観
的に虹色(干渉色)がかかり、耐食性、平滑性が劣化
し、逆に、300mg/dm2より多い場合は、皮膜の密着性が
劣化したり、皮膜にひび割れが生じることから、SiO2
化皮膜は約5〜300mg/dm2であることが必要である。 又、表面処理アルミニウム合金の表面のRaが0.2μm
より大きい場合は、平滑性及び光輝性が損なわれる傾向
にあることから、Raは0.2μm以下であることが望まし
い。 尚、Raを0.2μm以下にする為には、光沢ロールによ
る圧延、バフ研摩、化学研摩等によって予めアルミニウ
ム合金表面を適当なRa(例えば0.25μm)まで鏡面仕上
げしておくことが考えられる。 そして、該SiO2硬化皮膜を5〜300mg/dm2となるよう
に塗布することによって、表面のRaを所望の粗さにでき
る。 【実施例1】 Mgが2.5重量%、Feが0.18重量%、Cuが0.07重量%、S
iが0.1重量%、Mn、Ti、Cr及びZnが各々0.02重量%以
下、残部Al及び不可避不純物からなるAl−Mg系アルミニ
ウム合金からなるホイールリム材を、所定のリムに成形
・加工した後、バフ研摩及び化学研摩を実施後、イソプ
ロピルアルコールに溶解させた有機シリカ化合物(サン
ルーク社製の商品名HS−K、固形分濃度15%重量)を塗
布し、大気中にて200℃で20分間焼付け、表面にSiO2
化皮膜を約50mg/dm2形成する。 【実施例2】 Mg0.8重量%、Fe0.2重量%、Cu0.03重量%、Si0.5重
量%、Mn、Ti、Cr及びZnが各々0.02重量%以下、残部Al
及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合
金を所定の押出材に加工した後、バフ研摩を実施後、実
施例1と同様な有機シリカ化合物の溶液を塗布し、大気
中にて150℃で20分間焼付けた後、再び、繰り返して塗
布・焼付けを実施し、表面にSiO2硬化皮膜を約100mg/dm
2形成する。 【実施例3】 Fe0.3重量%、Si0.1重量%、Mn、Ti、Cr及びZnが各々
0.02重量%以下、残部Al及び不可避不純物からなる純ア
ルミニウムを所定の板厚・形状の板に光沢ロールにて圧
延加工した後、有機溶剤で脱脂後実施例1と同様な有機
シリカ化合物の溶液を塗布し、大気中にて200℃で20分
焼付けした後、同様な塗布・焼付け工程を5回繰り返
し、表面にSiO2硬化皮膜を約290mg/dm2形成する。 【実施例4】 実施例1において、有機シリカ化合物の固形分濃度を
2重量%にしたものを塗布する他は同様にして、表面に
SiO2硬化皮膜を約6mg/dm2形成する。 【実施例5】 Mnが1重量%、Feが0.2重量%、Siが0.1重量%、Cu、
Ti、Cr及びZnが各々0.02重量%以下、残部Al及び不可避
不純物からなるAl−Mn系のアルミニウム合金を所定の板
厚・形状の板に加工した後、実施例1と同様な処理を行
ない、表面にSiO2硬化皮膜を約50mg/dm2形成する。 【比較例1】 実施例1において、有機シリカ化合物の溶液を用いて
計7回塗布・焼付けし、表面にSiO2硬化皮膜を330mg/dm
2形成する。 【比較例2】 実施例1において、有機シリカ化合物の固形分濃度を
1重量%にしたものを塗布する他は同様にして、表面に
SiO2硬化皮膜を約4mg/dm2形成する。 【比較例3】 実施例1において、有機シリカ化合物を塗布してSiO2
硬化皮膜を形成させる代わりに、表面に硫酸陽極酸化皮
膜を35mg/dm2形成する。 【比較例4】 比較例3において、硫酸陽極酸化皮膜を290mg/dm2
する他は同様にする。 【比較例5】 実施例1において、有機シリカ化合物を塗布してSiO2
硬化皮膜を形成させるかわりに、ジンケート処理をして
亜鉛置換皮膜を生成した後、順次、半光沢Niメッキ、光
沢Niメッキして各々10μmのメッキ膜を形成し、その後
光沢Niメッキ膜上にCrメッキを0.2μm相当生成させ
る。 【比較例6】 実施例1において、有機シリカ化合物を塗布してSiO2
硬化皮膜を形成させる代わりに、220℃、30秒の焼付手
段によって、30mg/dm2のアクリル−メラミン樹脂塗膜
(日本ペイント社製、UX80−119)を形成する。 【比較例7】 実施例1において、有機シリカ化合物の溶液を塗布し
てSiO2皮膜を形成させる代りに、ケイ酸ソーダの溶液を
塗布し、その後これを30℃の温度で乾燥し、続いて250
℃の温度で焼付け、その後酸処理及び水洗して被膜中の
金属イオンを除去して微細孔を形成し、そしてこの表面
に再度ケイ酸ソーダの溶液を塗布して微細孔を充填し、
その後30℃で乾燥し、引き続き焼付け、酸処理及び水洗
を行なう。 【比較例8】 実施例1に準じて行い、粒径が0.001μmのSiO2硬化
皮膜を形成した。 【比較例9】 実施例1に準じて行い、粒径が0.06μmのSiO2硬化皮
膜を形成した。 【特性】 上記各例で得た各製品について、皮膜量、中心線平均
粗さ(Ra)、SiO2硬化皮膜の粒径、耐食性、耐候性、耐
熱性、光輝性、皮膜密着性を調べたのでこれらの結果を
表に示す。 尚、耐食性はJIS H 8681に準拠してCASS試験(72hr)
後の外観変化をレイティングナンバーにて調べたもので
あり、耐候性は大気暴露試験(裾野市で3ケ月)後の外
観変化、耐熱性は熔接時の加熱を考慮して、400℃で20
分間加熱後の表面の変色状況及び被膜割れ等をチェック
したものである。 光輝性はJIS D 5705に準拠して表面反射率にて測定
し、塗膜密着性はJIS K 5400に準拠して、ゴバン目テー
プ剥離テストにて調べたものである。 これによれば、SiO2硬化皮膜が多すぎる比較例1のも
のでは外観性に劣り、かつ、皮膜の耐熱性及び密着性が
悪く、逆に、SiO2硬化皮膜が少なすぎる比較例2のもの
では外観性に劣り、かつ、皮膜の耐食性及び耐候性が悪
い。 これに対して、SiO2硬化皮膜が5〜300mg/dm2の本発
明のものでは、上記のような欠点が解決されている。 又、特公昭57−43634号公報に示される処理が行なわ
れたものでは、比較例7に示される通り、外観性に劣
り、かつ、耐食性及び耐候性に劣り、本発明のような特
長は到底得られていない。 又、皮膜が陽極酸化皮膜の場合には、比較例3,4に示
される通り、外観性に劣ったり、耐食性が悪かったり、
さらには耐候性及び耐熱性に劣っていて、これまた本発
明のような特長は到底得られていない。 又、SiO2硬化皮膜の代りに有機塗膜が設けられても、
これは耐候性、耐熱性及び密着性に劣り、本発明のよう
な特長は到底得られていない。 又、金属元素を含有していないSiO2硬化皮膜であって
も、このSiO2硬化皮膜における粒径が0.005〜0.05μm
でない場合には、実施例1と比較例8,9との対比から判
る通り、本願発明の特長が到底に得られていない。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は、アルミニウム合金材料表面の組織
を表わす電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.アルミニウム又はアルミニウム合金材の表面に5〜
    300mg/dm2の無機質系の硬化皮膜が形成されてなり、 該硬化皮膜は、金属元素を実質上含有しておらず、Si及
    びOから構成されるSiO2硬化皮膜であり、 該SiO2硬化皮膜は、その粒径が0.005〜0.05μmである ことを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金材
    料。 2.特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム又はアル
    ミニウム合金材料において、SiO2硬化皮膜の表面は中心
    線平均粗さ(Ra)が0.2μm以下であるもの。
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