JP2859910B2 - X線装置のための湿度制御装置 - Google Patents

X線装置のための湿度制御装置

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JP2859910B2
JP2859910B2 JP2012738A JP1273890A JP2859910B2 JP 2859910 B2 JP2859910 B2 JP 2859910B2 JP 2012738 A JP2012738 A JP 2012738A JP 1273890 A JP1273890 A JP 1273890A JP 2859910 B2 JP2859910 B2 JP 2859910B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、X線装置に装着される試料のまわりの湿度
を調節するための湿度制御装置に関する。
[従来の技術] 地球上に存在する鉱物のうちには、そのまわりの湿度
が変化することによって、その内部の結晶構造に変化が
生じるものがある。このような結晶構造の変化の態様
は、その鉱物を構成している元素などの種類に応じて種
々に異なり、従って、湿度をパラメータとして変化させ
ながら、結晶構造の状態を測定してゆけば、その鉱物を
構成している元素などについての情報を得ることが可能
となる。
例えば、スメクタイトと呼ばれる粘土鉱物は、雰囲気
の相対湿度に伴って層状構造の底面間隔が変化する。こ
の場合、粘土鉱物は層状珪酸塩であり、上記の底面間隔
の変化は、層間に入る陽イオンの種類や、珪酸塩層それ
自体の結晶化学的性質の相違に起因するものである。従
って、相対湿度を変化させながらスメクタイトの底面間
隔の変化を測定すれば、そのスメクタイトを構成してい
る層間陽イオンや珪酸塩層の電荷に関する情報を得るこ
とができる。
ところで、スメクタイトの底面間隔などといった結晶
構造は、X線回折によって得られるX線回折図形から読
み取ることができる。したがって、上記のような鉱物試
験を行うに際して、X線回折装置を用いることができ
る。しかしながら、そのようなX線回折実験において
は、X線回折装置に装着された試料のまわりの相対湿度
を、予め設定した条件に従って変化させる必要が生じて
くる。この場合には、相対湿度を作り出す何等かの手段
が必要である。
従来、相対湿度を作り出すための手段として、硫酸溶
液を用いた簡便法が知られている。この方法は、硫酸溶
液が有している吸湿性を利用したものであり、硫酸溶液
の濃度を適宜に変えることによって湿度を調節しようと
するものである。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような硫酸溶液を用いた湿度制御方法において
は、硫酸溶液の吸湿性が激しいため、実験上種々の困難
を伴った。特に、0〜20%と80〜100%の相対湿度にお
いてかなりの誤差を伴っていた。
本発明は、従来の湿度制御方法における上記の問題点
に鑑みてなされたものであって、相対湿度をパラメータ
としたX線回折測定を正確に行うことを可能とするX線
装置のための湿度制御装置を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、請求項1の湿度制御装置
は、試料のまわりを密閉する試料ケースと、その試料ケ
ース内へ送り込むための湿度を持った空気を発生する湿
度発生手段とを有しており、その湿度発生手段は、分流
式湿度発生装置によって構成されている。この分流式湿
度発生装置とは、乾燥空気と湿度飽和空気とを互いに混
合させることによって湿度を発生するものであって、そ
れら両空気の混合割合を変えることによって、発生する
湿度の大きさを調節できるようになっている装置であ
る。
請求項2の湿度制御装置は、試料ケースと湿度発生手
段との連結状態を限定したものである。湿度発生手段
は、試料ケースに直接取り付けることもできるが、請求
項2の装置では、可撓性を備えた長い管を介して両者を
互いに接続している。
請求項3の湿度制御装置は、試料ケースに限定を加え
たものである。試料ケースは、本質的には、X線装置に
装着した試料を密閉できるものであれば、その構成は特
別なものに限定されることはないが、請求項3の装置で
は、その試料ケースを特に2重構造のケースによって構
成してある。
請求項4の湿度制御装置は、試料ケースについて改変
を加えたものである。具体的には、試料ケースを上下の
2つの部分に分けて、その上部を取付けおよび取り外し
可能にしたものである。
請求項5の湿度制御装置は、試料ケースとして上記の
2重構造のケースを用いた場合における、湿度保有空気
の流し方を特定したものである。この装置では、湿度発
生手段から送られた空気は、まず、内側ケースへ入り、
その後、外側ケースを経由して外部へ排出される。
請求項6の湿度制御装置は、空気輸送管を用いている
請求項2の装置に、さらに改変を加えたものである。こ
の装置では、その空気供給管のまわりにヒータを設け、
試料ケースの中に湿度検出手段を設け、そして湿度検出
手段によって検出された湿度に基づいてヒータの発熱量
を制御するようにしている。
[作用] 請求項1の湿度制御装置において、湿度発生手段(1
7)で発生した、所望の湿度を持った空気(湿度保有空
気)は、試料ケース(7)内に送り込まれる。これによ
って、試料ケース内の試料(5)が所望の湿度下に置か
れる。この状態で、X線装置、例えばX線回折装置によ
る測定が行われる。
湿度発生手段は、分流式湿度発生構造を有しているの
で、湿度の設定の変更を精密に行うことができ、しかも
設定された湿度を正確に一定に保持することができる。
請求項2の装置において、湿度発生手段(17)で発生
した湿度保有空気は、空気輸送管(25)を通って試料ケ
ース(7)へ送り込まれる。この空気輸送管を設けたこ
とにより、湿度発生手段を試料ケースから離れた別の場
所に設置することができる。
請求項3の装置において、試料(5)は、内側ケース
(8)によって囲まれた試料室の中に納められる。この
試料室は、さらに外側ケース(9)によって包囲される
ので、試料室の保温性が良くなる。
請求項4の装置において、試料の取り付けおよび取り
外し、あるいはその他の保守作業等において、試料ケー
スの上部が開放される。
請求項5の装置において、湿度保有空気は、2重ケー
スの内部をまんべんなく流れた後に外部へ放出される。
請求項6の装置において、試料ケースへ送り込まれる
空気がヒータ(19)によって温度調節され、これによ
り、試料ケースの内部の湿度が一定に保持される。
[実施例] 第1図は、本発明に係る湿度制御装置が装着されたX
線装置の一例であるX線回折装置を示している。このX
線回折装置は、ゴニオメータ1およびその左側に設けら
れたX線発生装置2を有している。ゴニオメータ1の上
には、試料ホルダ3および検出器ホルダ4が設けられて
いる。試料ホルダ3の上には試料5が取り付けられ、そ
して検出器ホルダ4の右端にはX線強度検出器6が取り
付けられている。試料ホルダ3は、軸線ωのまわりをθ
回転し、そのとき同時に検出器ホルダ4は、同じく軸線
ωのまわりを2θ(θの2倍)回転する。
X線発生装置2から放出されたX線は試料5で回折
し、その回折X線がX線検出器6によって受け取られて
その強度が測定される。この測定中、試料5は試料ホル
ダ3と共にθ回転し、X線検出器6は検出器ホルダ4と
共に2θ回転する。これにより、縦軸にX線強度をと
り、横軸に試料回転角度(通常は2θ)をとった、周知
のX線回折図形が得られる。
本実施例では、上記のようなX線回折を行うにあたっ
て、試料5の雰囲気湿度を適宜に変更できるようになっ
ている。以下、そのための構成について説明する。
第1図において、試料ホルダ3および試料5は試料ケ
ース7に取り囲まれている。第2図に示すように、試料
ケース7は、試料5を取り囲む内側ケース8と、その内
側ケース8を取り囲む外側ケース9とを有している。両
ケース8および9は、ケース底部において一体になって
おり、ケース底部はOリング10を介して試料ホルダ3に
はめ込まれれている。Oリング10により、内側ケース8
の内部、すなわち試料5のまわりの試料室が密閉されて
いる。
内側ケース8および外側ケース9には、第3図に示す
ように、X線入射用窓11および12並びにX線出射用窓13
および14が設けられている。これらの各窓は、例えばポ
リエステルフィルムによって形成されている。
第2図に示すように、内側ケース8には吸気ノズル15
が取り付けられており、外側ケース9には排気ノズル16
が取り付けられている。
第4図は、相対湿度を発生すると共に、その湿度値を
制御するための装置の一例を示している。この装置は、
湿度発生手段17と、制御装置18と、そしてヒータ19とを
有している。
湿度発生手段17は、いわゆる分流式の湿度発生構造を
有している。すなわち、供給された乾燥空気(湿度0
%)は、2本の管路20aおよび20bに分流される。一方の
管路20aには、流量計21および飽和槽22が配置されてお
り、他方の管路20bには流量計23だけが配置されてい
る。飽和槽22は、送られてきた空気を湿度飽和状態(湿
度100%)にして次工程へ送り出す働きをする。
管路20aによって送られる湿度飽和空気と、管路20bに
よって送られる乾燥空気は、共に空気混合部24へ送り込
まれ、該部において互いに混合される。これにより、混
合割合に応じた湿度を持った空気が発生する。発生され
る湿度の大きさ、すなわち乾燥空気(0%)と湿度飽和
空気(100%)との混合割合は、各管路20a,20b内を流れ
る空気の量を流量計21,23によって調節することによ
り、希望する値に設定することができる。
空気混合部24を経由して希望する湿度を有するに至っ
た空気(湿度保有空気)は、湿度発生手段17と試料ケー
ス7の吸気ノズル15とを連結する空気輸送管25によっ
て、吸気ノズル15へ供給される。
吸気ノズル15に達した空気は、第2図において、内側
ケース8の内部、すなわち試料5のまわりへ送り込まれ
る。内側ケース8内へ送り込まれた空気は、その後、内
側ケース8の上部に予め設けられている穴26を介して、
外側ケース9と内側ケース8との間の空間へ送り出さ
れ、さらに排気ノズル16を介して外部へ排出される。こ
うして、X線回折測定中、試料5のまわりを所望の湿度
下に置くことができる。
測定中、内側ケース8の内部は、常に一定の湿度に保
持される必要がある。そのため本実施例では、内側ケー
ス8の内部に湿度センサ27が配置されている。この湿度
センサ27は、内側ケース8内の湿度を検知してその検知
結果を湿度信号として第4図の制御装置18へ送る。制御
装置18はその湿度信号に基づいて、空気輸送管25の近く
に配置されたヒータ19をオン・オフ制御あるいはそのヒ
ータへの給電量制御をする。このように試料ケース7へ
供給される空気の温度を調節することにより、内側ケー
ス8内の湿度を一定に保持している。
本実施例では、上記のように湿度を一定値に保持する
という湿度制御以外に、内側ケース8内の相対湿度値そ
れ自体を、0%、20%、……80%のように段階的に設定
変更できるようになっている。このような湿度変更を行
うときには、第4図において、測定者がキーボードなど
の操作部28を介して制御装置18へ希望の相対湿度値を指
示する。制御装置18は、それに応じて流量計21あるいは
流量計23を制御して、そこを流れる空気量を調節する。
これにより、空気混合部24における乾燥空気と湿度飽和
空気との混合割合が変わって、発生される湿度の大きさ
を所望の値に変更することができる。
以上のように、本実施例によれば、試料5のまわりの
相対湿度を希望する値に変化させ、しかもその変化させ
た相対湿度を一定に保持した状態でX線回折測定を行う
ことができる。その結果、第5図に示すように、試料5
のまわりの相対湿度を0%、20%、……80%のように変
化させた場合のX線回折図形を得ることができる。これ
らの回折図形において、曲線aは曲線bを拡大して示し
たものである。
今、試料5としてスメクタイトと呼ばれる粘土鉱物を
適用した場合を考える。この場合には、第5図に示した
各相対湿度におけるX線回折図形に基づいて、粘土鉱物
をそれらの各相対湿度に置いたときのその粘土鉱物の底
面間隔が算出できる。この算出方法自体は、既によく知
られている技術であるので、詳しい説明は省略する。こ
のように、異なる相対湿度下における粘土鉱物の底面間
隔が求められると、それに基づいて、その粘土鉱物を構
成している元素に関する種々の情報を推測することが可
能となる。例えば、粘土鉱物を構成している層間イオン
が何であるかとか、その層間イオンの違いによって水分
子層の形成の仕方がどのように異なるかなどが判定でき
る。
なお、第2図において、内側ケース8および外側ケー
ス9の上部8aおよび9aは、それぞれ、ねじによって取り
付けおよび取り外しができるようになっている。これ
は、試料5の装着、保守などを容易にするためである。
以上、一つの実施例をあげて本発明を説明したが、本
発明はその実施例に限定されない。
例えば、上記実施例では、試料ケース7として内側ケ
ース8と外側ケース9とからなる2重構造のケースを用
いたが、試料5のまわりが密閉できる構造のものであれ
ば、単なる1重のケースあるいはそれ以外の任意の構造
のケースを用いることができる。但し、2重構造のケー
スを用いることにしておけば、試料室内、すなわち内側
ケース8の内部の保温性を高めることができる。
本実施例では、湿度発生手段17と試料ケース7とを空
気輸送管25を介して互いに接続しているが、この空気輸
送管25を使わずに、両者を直接に接続することも可能で
ある。
[発明の効果] 本発明によれば、分流式の湿度発生手段を用いて試料
の雰囲気湿度を変化させるようにしたので、湿度値の変
更を精度良く行うことが可能となり、しかも変更後の湿
度値を正確に一定値に保持することが可能となった。そ
の結果、相対湿度をパラメータとするX線回折測定を極
めて正確に行うことができるようになった。
請求項2の発明によれば、X線装置に関わりなく湿度
発生手段の形状、構造などを自由に設定できる。
請求項3の発明によれば、外側ケースと内側ケースと
の間に空間が形成され、これにより、内側ケースの内
部、すなわち試料のまわりを一定温度に保持する能力、
いわゆる保温性を高めることができた。
請求項4の発明によれば、試料ケース内の試料の取付
けおよび取外し、あるいはその他の保守作業が楽に行え
るようになった。
請求項5の発明によれば、2重構造の試料ケースを用
いた場合における内側ケース内の保温性、すなわち試料
室内の保温性をより一層高めることができた。
請求項6の発明によれば、試料ケース内の湿度を極め
て正確に一定値に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る湿度制御装置を用いたX線回折装
置の一例を示す側面図、第2図は第1図のII−II線に従
った断面図、第3図は第2図のIII−III線に従った平面
断面図、第4図は第1図の装置に用いられる湿度制御の
ための手段の一例を示す図式図、第5図は第1図の装置
を用いて行った測定の結果を示すX線回折図形を示すグ
ラフである。 5……試料 7……試料ケース 8……内側ケース 9……外側ケース 17……湿度発生手段 25……空気輸送管 8a,9a……ケース上部 19……ヒータ 27……湿度センサ 18……制御装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線装置に装着された試料のまわりの湿度
    を調節するための湿度制御装置であって、 試料のまわりを密閉する試料ケースと、その試料ケース
    内へ送り込むための湿度保有空気を発生する湿度発生手
    段とを有しており、 その湿度発生手段は、乾燥空気と湿度飽和空気とを混合
    することにより、上記湿度保有空気の湿度の大きさを調
    節する分流式湿度発生装置であることを特徴とする湿度
    制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の湿度制御装置であって、 上記試料ケースと上記湿度発生手段とは、可撓性を備え
    た空気輸送管によって連通されていることを特徴とする
    湿度制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の湿度制御装置であって、 上記試料ケースは、試料を密閉する内側ケースと、その
    内側ケースを密閉する外側ケースとを有する2重ケース
    であることを特徴とする湿度制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1または3記載の湿度制御装置であ
    って、試料ケースの上部が着脱可能になっていることを
    特徴とする湿度制御装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の湿度制御装置であって、 上記湿度発生手段から送り込まれた湿度保有空気は、ま
    ず内側ケース内へ入り、その後、外側ケースと内側ケー
    スとの間の空間を経由して外部へ排出されることを特徴
    とする湿度制御装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載の湿度制御装置であって、 上記空気輸送管のまわりに設けられたヒータと、 上記試料ケース内に配置された湿度検出手段と、 湿度検出手段によって検出された湿度に基づいて上記ヒ
    ータの発熱量を制御する制御手段とを有することを特徴
    とする湿度制御装置。
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JP3666862B2 (ja) * 2002-06-19 2005-06-29 株式会社リガク イオン交換膜の評価方法及び有機物の評価方法
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