JP2870657B2 - 多段階包括/負荷方法による親油性薬物を含有するリポソームの調製方法 - Google Patents
多段階包括/負荷方法による親油性薬物を含有するリポソームの調製方法Info
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Description
物、そのような組成物の調製方法、およびヒトを含む哺
乳動物の体内でカプセル化した薬物を送達する化学療法
剤としてのそのような組成物の使用方法に関する。
可能な任意のカチオン性、親油性薬物、ことにヒトを含
む哺乳動物の腫瘍、即ち悪性状態を処置するために使用
するアントラサイクリン抗悪性腫瘍剤を、単層膜または
多層膜脂質小胞体として作成されたリポソームミセル粒
子内に組み込むための新規多段階包括/負荷方法に関す
るものである。この新規包括/負荷方法は脂質膜からリ
ポソーム内の内部水性空間への薬物の通過を促進し、そ
れによってトラッピング効率、即ち、体内で送達可能な
薬物量、例えば腫瘍組織へ送達可能な抗悪性腫瘍剤の量
を増大する。また抗悪性腫瘍剤の場合、リポソームに包
括されたアントラサイクリン抗悪性腫瘍剤治療に伴なっ
て生じるそれ以外の効果として、薬物送達システムの生
体内安定性の増大、腫瘍組織部位への薬物送達の特異性
の増大、心毒性の減少、およびこれらの薬物の送達シス
テムを大規模に製造し、投与する効果を提供することが
挙げられる。
せ、送達されたアントラサイクリン薬の効率を増大し、
その心毒性を減少させる用途を含む、各種薬物の生物分
解性送達システムとしてのリポソームの使用は最近20年
間に科学文献に報告され、次第にその数を増加したき
た。例えば米国特許第3993754号、1976年11月23日発
行、ラーマン(Rahman)ら;同第4217344号、1980年8
月12日発行、バンラーバーク(Vanlerberghe)ら;同第
4235871号、1980年11月25日発行、パパハジョプーロス
(Papahadjopoulos)ら;同第4241046号、1980年12月23
日発行、パパハジョプーロスら;同第4263428号、1981
年4月21日発行、アップル(Apple)ら;同第4310505
号、1982年1月12日発行、バルデシュヴィーラー(Bald
eschwieler)ら;同4330534号、1982年5月18日発行、
サクライ(Sakurai)ら;同第4331654号、1982年5月25
日発行、モーリス(Morris);同第4356167号、1982年1
0月26日発行、ケリー(Kelly);同第4411894号、1983
年10月25日発行、シュランク(Schrank)ら;同第44193
48号、1983年12月6日発行、ラーマンら;同第4427649
号1984年1月24日発行、ディングル(Dingle)ら;同第
4438052号、1984年3月20日発行、ウイーダー(Weder)
ら;および同第4515736号、1985年5月7日発行、ディ
ーマー(Deamer)参照。また国際特許出願PCT/US84/014
31号、1985年3月4日公開(国際特許出願公開番号WO85
/00968号)、発明者メヒュー(Mayhew)ら;国際特許出
願PCT/US84/00855号、1985年11月21日公開(国際特許出
願公開番号WO85/05030号)、発明者ジャノフ(Janof)
ら;ヨーロッパ特許出願第0004467号、1979年10月3日
公開、発明者アップルら;ヨーロッパ特許出願第003667
6号、1981年9月30日公開、発明者ハント(Hunt)ら;
ヨーロッパ特許出願第0161445号、1985年11月21日公
開、発明者フクシマ(Fukushima)ら;ヨーロッパ特許
出願第0198765号、1986年10月22日公開、発明者ラーマ
ン;および英国特許出願番号GB2146525A号、1985年4月
24日公開、発明者マーガリット(Margalit)を参照。ま
たライマン(Ryman)ら、「ポシブル・ユーズ・オブ・
リポソームズ・イン・ドラッグ・デリバリー(Possible
Use of Liposomes in Drug Delivery)」[「オプティ
マイゼーション・オブ・ドラッグ・デリバリー(Optimi
zation of Drug Delivery)、アルフレッド・ベンゾン
・シンポジウム(Alfred Benzon Symposium)17」、H.
バンドガード(Bundgaard)ら編(コペンハーゲン(Cop
enhagen)、ムンクスガード(Munksgaard)、1982
年];フォーセン(Forssen)ら[プロシーディングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シズ・オブ・ジ・USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)78
巻、3号、1873〜1877(1981年)];ギャビゾン(Gabi
zon)ら[キャンサー・リサーチ(Cancer Reseach)、4
2巻、4734〜4739(1982年)];およびフォーセンら
[キャンサー・リサーチ、43巻、548〜550(1983年)]
をも参照。
に関する一つの共通した障害は、そのような方法により
達成可能なリポソーム薬物包括程度(トラッピング効
率)が低いことである。国際特許出願番号PCT/US85/015
01号およびPCT/US85/01502号(1986年2月27日公開(WO
86/01102号およびWO86/01103号)、発明者バリー(Ball
y)ら)には、包括をほぼ100%に近づけ、同時にリポソ
ーム運搬体へ薬物が負荷される率を増大する、トラッピ
ング効率の増大が得られる方法が開示されている。これ
らの方法はリポソーム膜壁を通して1またはそれ以上の
荷電した種(Na+/K+、Ca++およびH+が開示されている)
に対するイオン勾配を生み出す膜内外電位差を生じるこ
とからなる。その名前が意味する様に、濃度勾配は、小
胞体の内側(「内相」)および外側(「外相」)で異な
った濃度の荷電種を有するリポソームを作成することか
ら生じる。オストロ(Ostro)編、「リポソームズ、フ
ロム・バイオフィジックス・セラピューティックス(Li
posomes,from Biophysics to Therapeutics)」(ニュ
ーヨーク(New York)、マーセル・デッカー社(Marcel
Dekker,Inc.)、1987年)、60〜65頁参照。
するように設計されたプロセスを実施する間、pH調節の
ため、酸、塩基またはその双方を添加する方法が米国特
許第4619794号(1986年10月28日発行、ハウザー(Hause
r))に開示されている。しかしこのハウザーの特許は
前もって作成した小胞体へ薬物を負荷する方法を開示し
ていない。
個のイオン化可能な官能基を有し、水に極めてよく溶解
し得る十分な極性を有し、小胞体膜の全体にわたって低
い透過性を示す(即ち、リポソームからの漏出率が低
い)有機酸の存在下でリポソームを形成することからな
る方法によって、脂質2重層へ分配することができるカ
チオン性、親油性薬物を標準的なリポソーム薬物送達シ
ステム内に速やかに高濃度で包括し、負荷できることを
見い出した。
せるか、あるいはリポソームの形成に引き続いてリポソ
ームを含有している酸性水性媒質(外相)へ添加するこ
とができ、そのいずれの場合も、加工中のこの時期に2
重層内に内包されることはあってもこれを透過すること
はない。
ンへ変換させる塩基を添加する。この塩基はそのカチオ
ンがリポソーム小胞体の脂質2重層を通過できないもの
であるべきであり、また個々の塩基の選択は包括される
個々の薬物によって左右される。ある種の塩基はある種
の薬物、特にアントラサイクリン抗悪性腫瘍剤を包括す
るのに作用しないか、もしくは他の塩基ほど十分に作用
しないことが判明した。
る。しかし塩基カチオンは脂質2重層を通過することが
できないから、小胞体内の内水相に含有されている酸ア
ニオンはカチオン性薬物と結合することによってのみ電
荷が中和される。従って、薬物は膜2重層を通過して内
水相へ誘導されるようになる。
アントラサイクリン抗悪性腫瘍剤組成物のような、新規
カチオン性リポソーム包括親油性薬物組成物を提供する
ことにある。
リン抗悪性腫瘍剤組成物のような、リポソーム包括カチ
オン性親油性薬物組成物を調製する新規多段階包括/負
荷方法を提供することにあり、この組成物は脂質膜から
リポソームの内部水性空間への薬物通過を促進し、それ
によってエントラップ効率を増大し、体内の適切な部位
へ送達可能な薬物量を増大させる。
発明のこれらの目的およびそれ以外の目的ならびに本発
明の本質、範囲および利用を容易に理解し得よう。
使用に好適であるカチオン性、親油性薬物には下表に示
すものが含まれる。
る)、ドキソルビシン(アドリアマイシンとしても知ら
れている)、アクラシノマイシンA、ビンブラスチン、
ビンクリスチン、マイトマイシンC等、がん組織または
がん細胞に対して抗悪性腫瘍活性を有するカチオン性ア
ントラサイクリン化合物は、本発明の新規多段階包括/
負荷方法を用いてリポソームミセル粒子内に組み込むの
に特に好ましい。構造的にこれらのアントラサイクリン
化合物はグリコシド結合によってアミノ糖へ結合された
疎水性テトラサイクリン環系を含んでいる。
または小胞体を作成できる生物学的脂質は、自然に集合
して小型の球体、楕円体または長い円筒を形成するか、
または両親媒性分子からなる2層またはそれ以上の並列
的な層を有する2重層を形成することができる両親媒性
(疎水性および親水性部分を含んだ)分子である。水性
(極性)媒質中では、両親媒性分子の極性頭部は外方へ
向かって周囲の媒質へ広がる1層を作るが、これらの分
子の非極性尾部は互いに会合しているようである。これ
によって小胞体の壁に極性表面と非極性コアが提供され
る。そのような2重層ミセルは、通常、内部水性区間を
もった単層膜(1枚の2重層を有する)または多層膜
(実質上、同心円状の複数の2重層を有する)の球形小
胞体の形をとる。
2重層膜粒子は、本発明の方法によりカチオン性、親油
性薬物の包括/負荷を最大とし、特異性および組織/細
胞標的指向性を生じ、それによって得られたリポソーム
薬物送達システムの取り込みが最大となるように設計さ
れた、小型(例えば光散乱粒径測定器を使用して測定し
た直径が約30〜約150nm、好ましくは約45〜約60nm)で
中性(非荷電または平衡な電荷をもった、即ち双性イオ
ン)の単層膜または多層膜のリン脂質小胞体、即ちリポ
ソームである。
リセリン、ソルビット、マンニット等(グリセリンが好
ましい)のような脂肪族3価アルコールまたは高級多価
アルコール、またはスフィンゴシンまたは長鎖式不飽和
炭化水素鎖を含んだその他のアミノアルコール(例えば
スフィンゴミエリン等のようなジアルキル両親媒性化合
物)のカルボン酸ジエステル類から作成され、ここでそ
のエステル部分は、パルミチン酸、ステアリン酸、10−
メチルステアリン酸、リグノセリン酸、パルミトレイン
酸、オレイン酸、リノール酸、フィタン酸およびアラキ
ドン酸等のような少なくとも14〜約30個の炭素原子、好
ましくは約18〜約24個の炭素原子を有する飽和またはエ
チレン型不飽和(1連鎖当たり1〜4個、好ましくは1
〜2個の不飽和部位を有する)の脂肪族モノカルボン酸
(長鎖脂肪族)から誘導されたものであり、また多価ア
ルコールのヒドロキシ基の1またはそれ以上(好ましく
は1つ)は、2官能性または多官能性化合物、一般にヒ
ドロキシル基またはアミノ基(置換アミノ基、例えば低
級アルキル置換アミノ基を含む)またはその双方を有す
る、例えばエタノールアミン、コリン、セリンおよびイ
ノシット等のような低級脂肪族化合物でそれ自身置換さ
れ得るリン酸エステル基で置換されている。
ルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジ
ルコリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミ
ン、ジステアロイルホスファチジルセリン、ジリノレオ
イルホスファチジルイノシット、ジステアロイルホスフ
ァチジルグリセリン等またはそれらの混合物から作られ
たものである。リポソーム2重層膜粒子はジステアロイ
ルホスファチジルコリンのような中性リン脂質、好まし
くはコレステロールまたはそれと同様な作用を有する物
質でさらに安定化した中性リン脂質から完全に作られ
る。例えばジステアロイルホスファチジルコリン:コレ
ステロールのモル比をそれぞれ約2:1にしてアントラサ
イクリン抗悪性腫瘍剤の送達に使用すると、標的指向効
率の点で特に好適であることが判明した。
波処理法[アナリティカル・バイオケミストリー(Ana
l.Bioc.)、94巻、302〜307(1979年)]のような周知
の技術または同時係属出願米国特許出願番号第696727号
(1985年1月31日出願、米国特許第4753788号出願人R.
ギャンブル(Gamble)および本出願の譲渡人)に報告さ
れた方法を用いた微粒子乳化法によって調製される。音
波処理装置を使用する均質化の場合は、一般に懸濁液1
ミリリットル当たり約30秒〜1分間実施する。均質化し
たのち、懸濁液を約1000×g〜約20000×g、好ましく
は約5000×gで約5〜20分間、好ましくは約10分間、環
境温度(通常約22℃)で遠心し、ついで細孔滅菌フィル
ター、例えば直径0.2〜0.45ミクロンの細孔フィルター
で加圧濾過する。これら2つの操作段階(遠心および濾
過)により懸濁していない脂質、大型の小胞体およびそ
の他混入の可能性がある粒子のような大型粒子物質が除
去される。
述のように少なくとも1個のイオン化可能な官能基、好
ましくは少なくとも1個のカルボキシル基を有するもの
であり、水に極めて可溶性(少なくとも約0.01モル、好
ましくは約0.10モル以上の溶解度)である十分な極性を
有し、かつその存在によって形成されたリポソームから
の低い透過性または漏出率を示すものである。
透析、限外濾過等のような方法を用いて漏出した任意の
物質から小胞体を分離し、既知の方法で任意の漏出物質
について検定することにより測定することができる。透
過性は約24時間またはそれ以上の間、包括したもとの物
質に対して約1〜約10%、好ましくは約24時間またはそ
れ以上の間、包括したもとの物質に対して約1%を越え
ない範囲であれば本発明の実施に際し許容し得る。
体形成の際に脂質を加水分解しないものであって、有機
酸、例えばグルクロン酸、グロン酸、グルコン酸、ガラ
クツロン酸、グルコヘプトン酸、ラクトビオン酸等のよ
うな単官能性ピラノシジル酸、クエン酸、イソクエン
酸、ヒアルロン酸、カルボキシポリメチレン類等のよう
なα−ヒドロキシポリカルボン酸、グルタミン酸、アス
パラギン酸、カルボキシアスパラギン酸、カルボキシグ
ルタミン酸等のようなアミノ酸、コハク酸、グルタル
酸、ケトグルタル酸、酒石酸、ガラクタル酸、マレイン
酸、フマル酸、グルカル酸、マロン酸等のような飽和お
よび不飽和の非置換および置換脂肪族ジカルボン酸、フ
ィチン酸、グルコースリン酸、リボースリン酸等のよう
なリン含有有機酸およびスルホン酸、硫酸、リン酸、ポ
リリン酸等のような無機酸等である。
イクリン抗悪性腫瘍剤を負荷するのに最も有効であるこ
とが分かり、またこの方法で包括することがダウノルビ
シンより一層困難であることが分かっているドキソルビ
シンでも、ラクトビオン酸およびガラクツロン酸によっ
て容易に包括されたが、酢酸では包括されなかった。ま
たクエン酸もドキソルビシンを包括することが判明した
が、意外にも得られた負荷小胞体は遊離薬物よりも一層
毒性が強かった。文献に報告されている小胞体に包括さ
れたドキソルビシンの殆どすべての例では、負荷された
小胞体は遊離薬物より毒性が低い。
換する塩基は、上述のようにそのカチオンが小胞体の脂
質2重層を通過出来ないものであるべきである。そのよ
うな塩基としては例えばナトリウム、カリウム、リチウ
ム、カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物および炭
酸塩のようなアルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化
物および炭酸塩等の化合物、およびN−メチルグルカミ
ン、エチレンジアミンおよびトリス塩基[アストロメタ
ミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロ
パンジオール、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタンとしても知られている]のようなアミンが含ま
れ、これらはすべて水に対して高い溶解度を示し(0.01
モル以上)、エタノール、クロロホルム、ジエチルエー
テル、酢酸エチルのような有機溶媒に対しては溶解度が
低く(0.01mM以下)または不溶性である。
いカチオンを有するこの基準に合致したある種の塩基
は、本発明の方法によってアントラサイクリン抗悪性腫
瘍剤を負荷するのに他のものより有効であることが判明
した。炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム等のような炭酸塩は包括困難なドキソルビシンの場
合を含め、すべての場合によく作用することが分かっ
た。水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カ
ルシウムのような塩基性水酸化物、およびエチレンジア
ミン、トリスおよびN−メチルグルカミンを含むアミン
類はすべて本発明の方法によるドキソルビシンの小胞体
への負荷に有効ではなかった。
の形で貯蔵した場合はその形で)を、まず水性媒質中、
約40℃〜約80℃、好ましくは約50℃〜約70℃の温度で、
約5mg/ml〜約100mg/ml、好ましくは約20mg/ml〜約40mg/
mlの小胞体濃度で分散させる。必ずしも必要ではないが
好ましくは脱イオン化した水を単独で(塩化物のような
小型アニオンは2重層膜を容易に通過でき、包括/負荷
操作を妨害し得る)使用するか、あるいは同時係属出願
米国特許出願番号第787535号(1985年10月15日出願、米
国特許第4769250号出願人エリック・フォーセン(Eric
Forssen)、本出願と共通の譲渡人)に開示された糖水
溶液のようなその他の低イオン性媒質も使用し得る。
質(例えばその他のステロール、双性イオン性脂質また
は荷電した脂質等)を所望により水性小胞体分散へ添加
して、その結果形成される薬物負荷した小胞体の安定性
をさらに改善することができる。そのような物質は普通
2重層膜の構成成分合計量に対して約0.1〜約50モル
%、好ましくは約5〜約33モル%の範囲の量で添加す
る。
用する酸は水和およびホモジナイズ(例えば音波処理)
の間および負荷する薬物の添加前に存在し、約10ミリモ
ル〜約300ミリモル、好ましくは約50ミリモル〜約200ミ
リモルの範囲の濃度で使用し、この段階中、懸濁液を約
30℃〜約70℃、好ましくは約50℃〜約60℃の温度に保
つ。
は、100%包括にできるだけ確実に近付けるため、乾燥
粉末の形または好ましくは濃厚水溶液の形のいずれかで
酸性水性小胞体含有媒質へ約1mg/100mg(脂質)〜約10m
g/100mg(脂質)、好ましくは約1mg/20mg(脂質)〜約1
mg/30mg(脂質)の範囲の量で添加する。薬物の小胞体
への拡散を促進するため、薬物添加の温度は一般に小胞
体の相転移温度以上、例えば約40℃〜約80℃、好ましく
は約50℃〜約65℃の温度とし、薬物を含有する懸濁液は
その後、塩基を添加する間、この温度を維持するのが好
ましい。
pHに基づいて約1/6モル当量〜約1モル当量の範囲の量
を、薬物を含有する酸性小胞体懸濁液へ添加する。アン
トラサイクリン抗悪性腫瘍剤を含有する懸濁液の場合、
通常約4.5〜約6.5の範囲のpHが使用される。塩基添加
は、通常混合物の加温を続けながら例えば約40℃の温度
で、好ましくは急速かつ完全な混合を生じるように、混
合物をかき混ぜながら約1分間〜約10分間で実施する。
塩基を添加したのち、加温を通常さらに5分間〜20分
間、好ましくは約10分間続ける。
体を通じて実施する時間の長さは必ずしも厳密なもので
はない。非経口投与のための薬物送達システム、例えば
ヒトの静脈注射を提供し、あるいは使用時まで貯蔵する
ためのその後の処理操作を含み、全体の方法に要する時
間は通常約30分間〜約120分間である。
その他のアニオンのリポソーム外側の水性環境からの除
去およびその置換、例えば糖水溶液、例えば生物学的に
許容し得、薬物を充填する小胞体と適合するラクトー
ス、デキストロース、スクロース、トレハロース、ラフ
ィノース、マルトース糖のような単糖、2糖または3糖
類を約5〜約20(重量)%含有する溶液、またはグリセ
リン、イノシット、ソルビット、マンニット等のような
非糖多価アルコールを含有する溶液であって、それに緩
衝液として作用するグリシン、トロメタミン、n−メチ
ルグルカミン等のような賦形剤を約0.1〜約2(重量)
%含有する溶液と置換することを挙げることができる。
酸またはその他のアニオンを外部水性媒質から除去する
この操作はゲル浸透クロマトグラフィー、限外濾過、減
圧透析、タンジェンシャルフロー濾過、ホローファイバ
ー濾過またはそれに類する方法を用いて達成でき、特に
生成物容量が100mlまたはそれ以下の場合はゲル浸透ク
ロマトグラフィーが好ましく、容量が100mlを超える場
合はタンジェンシャルフロー濾過が好ましい。
ェンシャルフロー濾過または水および水性媒質を除去
し、一方、脂質小胞体およびその内容物を保持するよう
デザインされたその他の方法を用いて遠心および濃縮を
行なう。
の実施例をあげて説明する。これらの実施例は単に説明
のためのものであってこれによって発明の範囲を限定し
ようとするものではない。実施例中、特に断らない限り
割合および百分率は重量単位によるものである。
リウムを使用したジステアロイルホスファチジルコリン
−コレステロール小胞体への包括 均質に分散したコレステロールのジステアロイルホス
ファチジルコリン分散(モル比1:2)を含有する乾燥粉
末を作成する。ついでこの分散を4 1/2%ラクトース(1
25ミリモル当量)および50mMクエン酸を含有する水溶液
でpH約2.0〜2.5(未補正)で水和させる。得られた懸濁
液中の脂質濃度は1ml当たり20mgである。この混合物を6
5℃に加温し、目的とするグウノルビシンの約1.0mg/ml
濃度が得られる十分濃厚な水溶液となるようなダウノル
ビシン量をこれに添加する。つぎに混合物を引き続き加
温しながらクエン酸1モル当たり2 1/2モル当量に等し
い量の水酸化ナトリウムを約3分間で混合物へ添加す
る。ついで急速に完全な混合液を作成するため懸濁液を
激しくかき混ぜる。
度で約10分間インキュベートする。操作のこの段階でダ
ウノルビシンは2重層膜を小胞体の内側へ横断し、対イ
オンとしてクエン酸と塩を形成する。インキュベーショ
ンのあと、混合物を環境温度に冷却し、先に説明したよ
うに遠心する。つぎにゲル浸透クロマトグラフィーによ
ってクエン酸およびナトリウムイオンを含有する外水相
を、包括されなかったダウノルビシンが存在すればこれ
と一緒に50mMグリシン含有9%ラクトース水溶液と交換
する。
ー濾過を行なう。これは水および水性溶質を除去する
が、脂質小胞体およびその内容物は保持する。濃縮した
この生成物をついで直径0.45ミクロンの細孔フィルター
で濾過することによって滅菌する。でき上がった包括し
たダウノルビジン含有脂質小胞体懸濁液はすぐ使用する
か、または4週間またはそれ以上凍結または4℃で貯蔵
し得る。
だし −水酸化ナトリウムを当量の重炭酸ナトリウムと置き換
え、 −クエン酸の代わりに当量の酒石酸を使用し、 −9%ラクトース/50mMグリシン水溶液の代わりに11%
ラクトース水溶液で交換操作を実施する。
小胞体懸濁液が得られる。
チジルコリン、コレステロール、ラクトビオン酸および
炭酸カルシウムを使用する包括 均質に分散したコレステロールのジステアロイルホス
ファチジルコリン分散(モル比1:2)を含有する乾燥粉
末を作成する。ついでこの分散を200mMラクトビオン酸
の水溶液(1リットル当たり71.66gm)でpH2.0〜2.5
(未補正)で水和させる。得られた懸濁液中の脂質濃度
は1ml当たり約20mgである。ついでこの混合物を70℃に
加温する。この調製品を前記実施例Iの記載と同様にホ
モジナイズして遠心し、濾過する。
胞体懸濁液を作成したのち、これを65℃に加温し、目的
とするドキソルビシンの約1.0mg/ml濃度が得られる濃厚
水溶液となるようなドキソルビシン量を添加する。つぎ
に混合物を引き続き加温しながら、炭酸カルシウムを1
リットル当たり約20gとなる量だけ乾燥粉末として添加
する。加温をさらに10分間続け、その間、調製品を激し
くかき混ぜる。つぎに混合物を遠心して過剰の炭酸カル
シウムおよびその他の沈澱物を除去する。その他の操作
段階は実施例Iの記載と同様に行なう。
液が得られる。
し −ラクトビオン酸の代わりにガラクツロン酸を使用し、 −炭酸カルシウムを炭酸ナトリウムと置き換える。
小胞体懸濁液が得られる。
を除いて反復する。小胞体2重層にジステアロイルホス
ファチジルグリセリン、コレステロールおよびジステア
ロイル15ホスファチジルコリンをそれぞれ約1.5:5:10の
モル比で含有させる。
小胞体懸濁液が得られる。
体を凍結貯蔵、4℃で冷蔵、または室温(22℃)で貯蔵
した。2週間目および4週間目に、試料を(1)薬物お
よび脂質成分の化学的安定性、(2)小胞体内の薬物保
持率、(3)抗腫瘍活性によって測定した生物学的活性
(2週間のみ)について検定した。4週間まででは、薬
物または小胞体脂質に何ら有意な分解または喪失を検出
できなかった。凍結および融解させた小胞体から恐らく
約5%の薬物漏出を認めた以外、何ら有意な漏出を認め
なかった。生物学的活性は新たに調製した遊離ダウノル
ビシンよりも優れており、新たに調製した小胞体(4
℃)よりは僅かに劣っていた。
体をP−1798リンパ肉腫およびMa16c乳腺がん(いずれ
もマウスの充実性腫瘍)で試験した。Ma16c腫瘍の研究
は現在なお進行中であり、P−1798腫瘍の研究は既に完
了した。10mg/kg〜50mg/kgの範囲のすべての投与量の処
置では、前記のようにして製剤化したダウノルビシン小
胞体は生存期間の増大および腫瘍サイズの縮小による測
定で、もとの薬物と比べて一層強い抗腫瘍活性を示し、
毒性は一層低いことが判明した。
ビシン小胞体の毒性および抗腫瘍活性を試験した。これ
らの研究はなお続行中であるが、若干の成績および結論
は現在明白である。
シン)の1回静脈内投与の最大耐容量(MTD、非致死
量)は約25mg/kgである。これは実施例IIIの記載のよう
に作成したドキソルビシン小胞体のMTD約40mg/kg(塩酸
塩を標準として)に匹敵する。これに反して実施例III
の記載のように、ただしラクトビオン酸をクエン酸に置
き換えて作成したドキソルビシン小胞体のMTDは遊離薬
物のMTDより劣り、僅か約10mg/kgであった。
した毒性でラクトビオン酸で作成したドキソルビシン小
胞体を遊離薬物と比較し、毒性が少ないことが判明し
た。
D2F1マウスで白血球数(wbc)計数を実施した。遊離薬
物を投与したマウスではWbc数の重篤な減少を示し、治
療後4日目で治療前値の僅か8.5%であった。これに対
して本発明の方法(実施例III)によって作成したドキ
ソルビシン小胞体で処置したマウスではこれと同じドキ
ソルビシン投与量で僅かに中等度のWbc数の抑制を示
し、治療後4日目でwbc数は治療前値の75%であった。
る。然しマウスの静脈注射試験で遊離薬物は20mg/kgの
投与でよく忍容されたが、当量のドキソルビシンクエン
酸塩小胞体の投与では致死的な毒性を示した。
について説明した。当業者はここに説明した内容から、
以下の請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲
から逸脱することなく、実際の実施に当たってさらに変
更と修飾を容易に加えることができよう。
Claims (10)
- 【請求項1】(a)少なくとも1個のイオン化可能な官
能基を有し、水に極めてよく溶解しうる十分な極性を有
し、小胞体膜に対して低い透過性を示す酸を含有する水
性媒質中でリポソームを作成して、内リポソーム相およ
び外リポソーム相に酸が存在している酸性リポソームを
含有する水性媒質を得、ここで、該水性媒質のpHは2.0
から2.5であり、該リポソームはエステル部分が飽和又
はエチレン型不飽和の少なくとも14個の炭素原子を有す
る脂肪族モノカルボン酸から誘導された3価または高級
官能性脂肪族多価アルコールのヒドロキシアミノ(低
級)脂肪族置換ホスファチジルカルボン酸ジエステルか
ら調製されたものであり、 (b)このようにして得られた酸性リポソーム含有水性
媒質にカチオン性、親油性薬物を添加し、及び (c)そのカチオンがリポソームの脂質2重層を通過で
きない塩基を添加して外水相にある酸を電荷中和し、そ
れによってカチオン性、親油性薬物をリポソームの内水
相へ通過させることからなる、リン脂質に包括されたカ
チオン性、親油性薬物組成物の調製方法。 - 【請求項2】該酸が単官能性ピラノシジル酸又はクエン
酸である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】該単官能性ピラノシジル酸がグルクロン
酸、グルコン酸、グロン酸、ガラクツロン酸、グルコヘ
プトン酸又はラクトビオン酸である請求項2に記載の方
法。 - 【請求項4】該酸がラクトビオン酸である請求項1ない
し3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】該塩基がアルカリまたはアルカリ土類金属
の水酸化物または炭酸塩である請求項1ないし4のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項6】塩基を添加した後、酸およびその他のアニ
オンをリポソーム外部の水性環境から除外し、水性糖溶
液と置き換える請求項1ないし5のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項7】該カチオン性、親油性薬物がアントラサイ
クリン抗腫瘍剤である請求項1ないし6のいずれかに記
載の方法。 - 【請求項8】該酸がクエン酸であり、該塩基が水酸化ナ
トリウムであり、該ジエステルがジステアロイルホスフ
ァチジルコリンであり、該カチオン性、親油性薬物がダ
ウノルビシンであり、コレステロールが安定剤としてリ
ポソーム二重層に存在する請求項1に記載の方法。 - 【請求項9】該酸がラクトビオン酸であり、該塩基が水
酸化ナトリウムであり、該ジエステルがジステアロイル
ホスファチジルコリンであり、該カチオン性、親油性薬
物がドキソルビシンであり、コレステロールが安定剤と
してリポソーム二重層に存在する請求項1に記載の方
法。 - 【請求項10】請求項1ないし9のいずれかに記載の方
法によって作成したリン脂質に包括したカチオン性、親
油性薬物組成物。
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