JP2877346B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP2877346B2 JP10633489A JP10633489A JP2877346B2 JP 2877346 B2 JP2877346 B2 JP 2877346B2 JP 10633489 A JP10633489 A JP 10633489A JP 10633489 A JP10633489 A JP 10633489A JP 2877346 B2 JP2877346 B2 JP 2877346B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の後輪操舵装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、車両の4輪操舵装置として、車速と前輪舵角と
に応じて後輪を操舵するものが知られている。低速時に
は、後輪は前輪舵角に応じて逆相に、高速時には前輪舵
角に応じて同相に制御されるものである。
ところが、このような制御の場合、旋回初期におい
て、ゆっくりとハンドルを操舵しながらコーナーをまわ
るような場合は、前輪と後輪の舵角量が異なるので、必
要なヨーレートが発生し問題を生じないが、急激にハン
ドルを切るようにした場合には、高速で後輪は同相にあ
るので、車両は斜めに進み、ヨーレートは抑制され、車
両の向きと進行方向とのなすスリップ角βが0となら
ず、運転者の向きを変えたいと言う要求が満たされな
い。
すなわち、初期操舵のときには、まず、向きを変え、
その後に同相となって安定することが望ましく、それに
よって常にスリップ角β=0が達成される。
そこで、上記要求を満たすように、 TGθR=−KF・θF+KR・V・ TGθR:後輪の目標舵角 θF:前輪の舵角 V:車速 :ヨーレート KF,KR:例えばホイールベース、車両の重量、重心バラ
ンスなどの車両の特性によって定まる定数 に基づいて、後輪を転舵することが提案されている。な
お、ここで、KF、KRは、例えば次の式により決定され
る。
KF=C1/C2 KR=WV/g−(C212−C111)/V≒W/C2g C1,C2:コーナリングパワー W:重量 11:車両の重心と前輪車軸との距離 12:車両の重心と後輪車軸との距離 すなわち、前輪の舵角は逆相に、車速V及びヨーレー
トは同相に後輪を操舵する成分として働く。したがっ
て、後輪は、低速時には、Vが小さくて第2項の影響が
小さいので、逆相となるが、高速になると、車速V、ヨ
ーレートが共に大きくなり、第2項の影響が大きくな
って同相となる。しかしながら、旋回初期では、ヨーレ
ートが未だ小さいので、第2項の影響がそれほど大きく
なく、逆相である。
ところで、例えば特開昭57−44568号公報に記載され
るように、横風などの外乱による影響を補正するため
に、ヨーレートセンサの出力に応じて後輪を転舵するも
のは知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、前記式によるものでは、KF、KRを定数と
しているが、定数である、実際に車両に適用するのが困
難となる。例えば低速時に、前輪の舵角は35度程度であ
るので、後輪が同程度操舵されると、すごく小回りが効
き、車両に尻振り現象が生じ、また、後輪が操舵されな
い2輪操舵(2WS)に対する慣れから、違和感を感じ、
乗りにくい。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、低速時に
おける回頭性と高速時における安定性との両立を図り得
る車両の後輪操舵装置を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、 数式 TGθR=−KF・θF+KR・V・ TGθR:後輪の目標舵角 θF:前輪の舵角 V:車速 :ヨーレート KF,KR:車両の特性によって定まる係数 に基づいて後輪を転舵する転舵制御手段を有する車両の
後輪操舵装置を前提とし、車両の車速を検出する車速検
出手段と、該車速検出手段の出力を受け、前記係数KF
を、低速域は1よりも小さい所定値とし、中速域ではほ
ぼ1とし、高速域では1より小さい値に減少するように
変更し、前記係数KRを中速域において車両のスリップ
角がほぼ0となるように設定する変更手段とを有するこ
とを特徴とする。
(作用) これにより、本発明では、係数KFを、車速Vの増加
とともに増加するように変更するので、車速Vの小さい
低速域には、後輪舵角が小さくなり、2輪操舵に近くな
り、2輪操舵に対する慣れからくる違和感がなくなり、
尻振り現象が抑制される。常用域である中速域では、K
Fがほぼ1とされ、前輪舵角の変化に対して反応性よく
操舵され、スリップ角β=0がほぼ達成されて操縦性が
良くなり、さらに高速域ではKFが1より減少して舵角
の変化による影響が小さくなり、安定性が増す。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に説明す
る。
車両の後輪操舵装置の全体構成を示す第1図におい
て、1L、1Rはそれぞれ左右の前輪、2L,2Rは左右の後輪
であり、左右の前輪1L,1Rは前輪転舵機構Aにより連係
され、また左右の後輪2L,2Rは後輪転舵機構Bにより連
係されている。
前輪転舵機構Aは、それぞれ、左右の一対のナックル
アーム3L,3Rおよびタイロッド4L,4Rと、該左右の一対の
タイロッド4L,4R同士を連結するリレーロッド5とから
構成されている。この前輪転舵機構Aにはステアリング
機構Cが連係されており、ステアリング機構Cは、ラッ
クアンドピニオン式とされ、その構成要素であるピニオ
ン6は、シャフト7を介してハンドル8に連結されてい
る。
これにより、ハンドル8を右に切るように操作をした
ときには、リレーロッド5が第1図の左方向に変位し、
ナックルアーム3L,3Rがハンドル8の操作変位量すなわ
ちハンドル舵角に応じた分だけ同図の時計方向に右へ転
舵される。同様に、ハンドル8を左に切る操作をしたと
きには、この操作変位量に応じて、左右の前輪1L,1Rが
左へ転舵されることとなる。
後輪転舵機構Aも、前輪転舵機構Bと同様に、左右の
一対のナックルアーム10L,10Rおよびタイロッド11L,11R
と、該左右の一対のタイロッド11L,11R同士を連結する
リレーロッド12とを有し、このリレーロッド12には中立
保持手段13が付設されている。
中立保持手段13は、第2図に詳細を示すように、車体
14に固定されたケーシング15を有し、ケーシング15内に
は一対のばね受け16a,16bが遊嵌されて、これらばね受
け16a,16bの間に圧縮ばね17が配設されている。上記リ
レーロッド12はケーシング15を貫通して延び、このリレ
ーロッド12には一対のフランジ部12a,12bが間隔をおい
て形成され、該フランジ部12a,12bにより上記ばね受け1
6a,16bを受け止めする構成とされ、リレーロッド12は圧
縮ばね17によって常時中立位置に付勢されている。圧縮
ばね17はコーナリング時のサイドフォースに打ち勝つだ
けのばね力を備えるものとされている。
上記後輪転舵機構Bは、後輪2L,2Rを転舵させる駆動
源としてのサーボモータ20に連係されている。リレーロ
ッド12とサーボモータ20との連係機構中にはクラッチ22
が介在されている。このクラッチ22によって適宜サーボ
モータ20と後輪転舵機構Bとの連係を機械的に切断しう
る構成とされている。
以上の構成により、クラッチ22が接続状態にあるとき
には、サーボモータ20の正転あるいは逆転により、リレ
ーロッド12が第1図中左方あるいは右方へ変位して、ナ
ックルアーム10L,10Rがその回動中心を中心にして上記
サーボモータ20の回転量に応じた分だけ同図時計方向あ
るいは反時計方向に転舵されることとなる。
他方、上記クラッチ22が切断された状態にあるときに
は、上記中立保持手段13によって後輪2L,2Rは強制的に
中立位置に復帰され、この中立位置で保持されることと
なる。つまり、クラッチ22が断たれたときには、前輪1
L,1Rのみが転舵される、いわゆる2WSの車両ということ
になる。
後輪操舵の制御は、次式に基づいて行われることにな
る。
数式 TGθR=−KF・θF+KR・V・ TGθR:後輪の目標舵角 θF:前輪の舵角 V:車速 :ヨーレート なお、係数KF,KRは車速に基づいて変更される変数
で、車両の特性によって定まるが、具体的な一例を示す
と、KFは、例えば第3図に示すように、低速側の実用
性のために10km/h付近までは略0.35であるが、10km/hを
越えると車速Vの増加と共に徐々に大きくなって40km/h
付近で略1となり、スリップ角β=0をほぼ達成して操
縦性を確保するようになっている。それから、80km/hを
越えると、高速側での直線安定性を確保するために、車
速の増加と共に徐々に減少させ、前輪舵角の変化に対す
る反応を鈍くしている。また、後退走行時には、小回り
が要求される5km/h以下では略0.35程度とされるが、5km
/hを越えると、安定性を確保するために、車速の増加と
共に、減少させる。
一方、KRは、第4図に示すように、10km/hを越える
と徐々に大きくなり、30km/h付近で0.005まで増加する
ように変更される。
上記制御をなすべく、コントロールユニットUは、上
記数式に基づいて後輪を転舵する転舵制御手段101と、
車速センサ31(36)の出力を受け、前記係数KFを、低
速域は1よりも小さい所定値とし、中速域ではほぼ1と
し、高速域では1より小さい値に減少するように変更
し、前記係数KRを車両スリップ角がほぼ0となるよう
に設定する変更手段102とを有する(第6図参照)。す
なわち、上記数式における係数KF、KRは、変更手段10
2により、車速に基づいて、前述した例えば第3図およ
び第4図に示すように変更せしめられる。
具体的には、第1図に示すように、ハンドル舵角セン
サ30、車速センサ31、サーボモータ20の回転位置を検出
するエンコーダ32、フロント横Gセンサ33及びリヤ横G
センサ34からの信号が入力され、コントロールユニット
Uでは、係数KF、KRを車速に応じて変化させつつ、ハ
ンドル舵角θF(前輪の舵角)、車速V及びヨーレート
に基づいて上記数式により目標後輪舵角TGθRを演算
し、必要とする後輪操舵量に対応する制御信号がサーボ
モータ20に出力される。しかして、サーボモータ20の作
動が適正になされているか否かをエンコーダ32によって
常時監視しつつ、つまりフィードバック制御の下で後輪
2L,2Rの転舵がなされる。
上記制御は、フェイルセーフのために、その制御系が
二重構成とされている。
つまり、第5図に示すように、ハンドル舵角センサ30
に対して前輪舵角センサ35が付加され、車速センサ31に
対し車速センサ36が付加され、エンコーダ32に対してク
ラッチ22よりもリレーロッド12側の部材の機械的変位を
検出する後輪舵角センサ37が付加されて、これらセンサ
30,31,32,35,36,37において、対応するセンサの両者が
同一の値を検出したときにのみ後輪操舵を行うようにさ
れている。すなわち、上記センサ30〜32,35〜37におい
て、例えば車速センサ31で検出した車速と別の車速セン
サ36で検出した車速とが異なるときには、故障発生とい
うことでフェイルモード時の制御によって後輪2L,2Rを
中立位置に保持するようになっている。
上記両横Gセンサ33,34は、それぞれ車体の中心軸線
上に重心を挟んで前後に配設されて横Gの大きさを検出
し、ヨーレートの検出に用いるもので、両横Gセンサ
33,34の出力により次式で現在のヨーレートnが算出
される。
n=n-1+(GF−GR)t/l n-1:前回のヨーレート GF:フロント横Gセンサ33の出力 GR:リヤ横Gセンサ34の出力 t:測定間隔 l:両横Gセンサの間隔 なお、横Gセンサの代わりに、ヨーレートを直接検
出するヨーレートセンサを付加するようにすることもで
きる。
また、各種制御のために、コントロールユニットUに
は、車高センサ39,雨滴センサ40、ブレーキスイッチ4
1、リバーススイッチ42およびアクセルスイッチ43から
の信号が入力され、また、図示していないが、オルタネ
ータのL端子からは発電の有無を表す信号が入力され
る。
上記車高センサ39は車高を検出するもので、それによ
り積載重量を間接的に検出するものである。雨滴センサ
40は雨滴を検出するもので、それにより路面の摩擦係数
μを間接的に検出するものである。ブレーキスイッチ41
はブレーキペダルを踏み込んだときにオン信号を出力す
るもので、リバーススイッチ42はシフトレバーがリバー
ス位置になったときにオン信号を出力するものであり、
アクセルスイッチ43はアクセル変化率が所定値以上にな
ったときにオン信号を出力するものである。
制御は、相互に連係されたメインコントローラ50Aお
よびサブコントローラ50Bの2つによってなされ、各コ
ントローラ50A,50Bには各種センサ30,37,39,40およびオ
ルタネータのL端子からの信号がアナログバッファ51お
よびA/Dコンバータ52を介してそれぞれに入力され、ま
たセンサ31,35,36およびスイッチ41,42,43からの信号が
デジタルバッファ53を介してそれぞれに入力され、ま
た、両横Gセンサ33,34からの信号が別のアナログバッ
ファ54およびA/Dコンバータ55を介してメインコントロ
ーラ50Aに入力されるようになっている。
他方、メインコントローラ50Aにおいて生成された信
号は、サーボアンプ61およびサーボドライバ62を介して
サーボモータ20に出力され、目標後輪舵角とする。サー
ボモータ20の回転量はエンコーダ32によって検出され、
エンコーダ32からの信号がサーボアンプ61を介してメイ
ンコントローラ50Aに入力され、サーボモータ20をフィ
ードバック制御するようになっている。
また、両コントローラ50A,50Bからの信号がアンド回
路71,72に於いて比較され一致したときのみ、クラッチ7
3,74を連結して後輪の操舵が可能となるようにしてい
る。また、オア回路75においても比較され、両信号が不
一致のときには、ウォーニングランプ76が点灯するよう
になっている。
なお、この後輪操舵の制御は、オルタネータのL端子
からの信号がハイ(Hi)となったことを条件に開始され
るようになっている。
なお、同図中、77は5Vレギュレータを有すると共に異
常時のメインコントローラ50Aのリセットを行う電圧制
御回路、78はバッテリ、79はイグニッションスイッチ、
80はヒューズである したがって、上記の構成によれば、低速域では、実用
性の点から舵角を制限するために、10km/h以下ではKF
を1よりもずっと小さく0.35として、ハンドル舵角θF
の変化に対する後輪舵角θRの変化を小さくし、2輪操
舵に対する慣れからの違和感を解消している。
また、10km/hを越えると、徐々に1に近ずくように
し、常用域である中速域(40km/h〜80km/h)では、KF
が略1とされて、スリップ角β=0が略達成され、操縦
性を確保するようにしている。
さらに、80km/hを越える高速域では、高速直進安定性
を重視するために、車速が増加するにつれてKFが徐々
に減少するようになっており、ハンドル舵角θFの変化
による後輪舵角θRの逆相方向の変化が小さくなり、ハ
ンドル舵角θFの変化による影響が小さくなるようにし
ている。
さらに、後退走行時には、小回りが特に要求される例
えば5km/h以下ではKFが0.35程度となっているが、5km/
hを越えると、走行安定性を確保するために、徐々に小
さくなるようになっている。
(発明の効果) 本発明は、上述のように、係数KFを、低速域は1よ
りも小さい所定値とし、中速域では略1とし、高速域で
は1より小さい値に減少するように変更し、係数KRを
中速域において車両のスリップ角がほぼ0となるように
設定しているので、低速域での回頭性及び高速域での走
行安定性の両立が図れ、さらに、常用域である中速域で
の操縦性も確保される。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は車両の後輪操舵
装置の全体構成図、第2図は中立保持手段の拡大断面
図、第3図および第4図はKFおよびKRの変化の説明
図、第5図は制御系のブロック図、第6図はコントロー
ルユニットのブロック図である。 U……コントロールユニット 30……ハンドル舵角センサ 31,36……車速センサ 33,34……横Gセンサ 35……前輪舵角センサ 101……転舵角制御手段 102……変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 佐藤 久雄 外3名「ヨーレイト・フ ィードバックによる後輪操舵の前後輪操 舵車の運動特性について」昭和54年度交 通安全公害研究所発表会講演概要,運輸 省 交通安全公害研究所,昭和54年12月 18日,p16〜p32 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数式 TGθR=−KF・θF+KR・V・ TGθR:後輪の目標舵角 θF:前輪の舵角 V:車速 :ヨーレート KF,KR:車両の特性によって定まる係数 に基づいて後輪を転舵する転舵制御手段を有する車両の
    後輪操舵装置において、 車両の車速を検出する車速検出手段と、 該車速検出手段の出力を受け、前記係数KFを、低速域
    は1よりも小さい所定値とし、中速域ではほぼ1とし、
    高速域では1より小さい値に減少するように変更し、前
    記係数KRを中速域において車両のスリップ角がほぼ0
    となるように設定する変更手段とを有することを特徴と
    する車両の後輪操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
佐藤 久雄 外3名「ヨーレイト・フィードバックによる後輪操舵の前後輪操舵車の運動特性について」昭和54年度交通安全公害研究所発表会講演概要,運輸省 交通安全公害研究所,昭和54年12月18日,p16〜p32

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