JP2958091B2 - 車両の車体前部構造 - Google Patents

車両の車体前部構造

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、フロンドバンパがフロントフレームより
も上方にオフセットして取り付けられた車両の車体前部
構造に関する。
[従来の技術] 従来、車両の車体前部構造として、フロントバンパ
を、車体前後方向に延びるフレーム部材(フロントフレ
ーム)よりも上方にオフセットして取り付けたものは、
一般に良く知られている。すなわち、例えばトラック系
の車両などにおいては、エンジンルーム内でのレイアウ
ト上の制約等により、該エンジンルーム内の左右両側に
おいて車体前後方向に延びる左右のフロントフレーム
が、フロントバンパの所定の取付位置よりも下方に配設
され、このため、該フロントバンパをフロントフレーム
に取り付ける場合、バンパがフロントフレームよりも上
方にオフセットした状態で取り付けざるを得ない場合が
ある。
このような場合、上記フロントバンパは、一般に、バ
ンパステー等の取付部材を介して、フロントフレームの
前端部よりも前上方に位置させて取り付けられることに
なる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる構造では、例えば第8図に示す
ように、車両が正面衝突した際、上記フロントフレーム
51は、前上方に位置するフロントバンパ55が衝突対象物
W′に対して先に衝突する関係上、軸方向に衝突荷重が
入力される前に、バンパ55側から、前端側を下方に押さ
える方向の曲げモーメントを受けることになる。そし
て、フロントフレーム51は、その前部、特にバンパステ
ー54のフレーム51への取付部分(つまり上記第8図にお
いてはステーブラケット56の取付部分)の近傍で比較的
容易に下方に折り曲げられて上下方向の変形が生じるの
で耐力が低くなり、衝撃エネルギを十分に吸収しないう
ちに全変形量が消費されてしまうことが考えられる。
このため、衝突時の車両の初期Gの低下が著しく、衝
突の初期段階でシートベルトを効かして乗員を効果的に
拘束する上でより性能を向上させることが好ましい。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、フ
ロントバンパがフロントフレームよりも上方にオフセッ
トして取り付けられた車両において、車両衝突初期にお
けるフロントフレームの曲げ変形を抑制し、初期Gの低
下を防止することができる車両の前部車体構造を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] このため、本願の第1の発明は、車体前後方向に延び
るフレーム部材よりも上方にオフセットして取り付けら
れたフロントバンパを備えて成る車両の車体前部構造に
おいて、上記フレーム部材の前側に、車体前方に向かっ
て延びる延長部材が配設され、該延長部材の前端面は上
記フロントバンパの前端面よりも所定量だけ後方に位置
するように設定されており、上記フレーム部材の下面に
は車体前方に向かって延びる車両牽引用部材が下方にオ
フセットして取り付けられ、該車両牽引用部材の前端部
はフレーム部材の前端面よりも車体前方に位置するよう
に設定されているようにしたものである。
また、本願の第2の発明は、上記第1の発明におい
て、上記フレーム部材の前方にはエンジンルーム前壁を
支持するシュラウドメンバが配置され、上記延長部材
は、上記シュラウドメンバの前側に固着された前側延長
部材と、上記シュラウドメンバの後側または上記フレー
ム部材の前端部に固着された後側延長部材とで構成され
ているようにしたものである。
更に、本願の第3の発明は、上記第1の発明におい
て、上記延長部材には車体前後方向の衝撃を吸収し得る
溝部が設けられているようにしたものである。
[発明の効果] 本願の第1の発明によれば、上記フレーム部材の前側
に、車体前方に向かって延びる延長部材を配設するとと
もに、該延長部材を、その前端面が上記フロントバンパ
の前端面よりも所定量だけ後方に位置するように設定し
たので、車両正面衝突時、フロントバンパに衝突荷重が
入力された直後に上記延長部材が衝突することにより、
該延長部材を介して、早期にフレーム部材に対して軸方
向荷重が入力される。また、上記フレーム部材の下面に
は車体前方に向かって延びる車両牽引用部材が下方にオ
フセットして取り付けられ、該車両牽引用部材の前端部
はフレーム部材の前端面よりも車体前方に位置するよう
に設定されているので、車両正面衝突時には上記車両牽
引用部材もフレーム部材よりも先に衝突荷重を受け、し
かも、フレーム部材に対してフロントバンパを介しての
入力荷重とは逆方向から荷重を伝達できるため、フレー
ム部材の上方への折れ曲がりを有効に抑制することがで
きる。
すなわち、車両衝突初期におけるフロントフレームの
曲げ変形を抑制し、初期Gの低下を有効に防止すること
ができる。その結果、衝突の初期段階でシートベルトを
効かせて効果的に乗員を拘束することができ、安全性の
向上を図ることができる。
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第
1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上
記シュラウドメンバを間にして前後に延長部材が配設さ
れており、車両が正面衝突した際には、フロントバンパ
が衝突対象物に衝突した直後に上記前側延長部材が衝突
して後方に移動し、この前側延長部材が上記後側延長部
材に当接し、これら両延長部材を介してフレーム部材に
対して軸方向荷重が入力される。すなわち、該フレーム
部材は、バンパ側からの荷重の作用による曲げモーメン
トにより上下方向に大きく曲折変形される前に軸方向荷
重を受けるので、衝突初期における曲げ変形が抑制さ
れ、衝撃エネルギを有効に吸収しつつ変形することがで
きる。
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には上記第
1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、特
に、延長部材には上記溝部が設けられているので、車両
正面衝突時、フレーム部材に入力される車体前後方向の
衝撃荷重をより効果的に吸収することができる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を、添付図面に基づいて説明
する。
第1図及び第2図は、本実施例に係る車両(トラッ
ク)の車体前部のフレーム構造の概略を表す平面説明図
及び側面説明図であるが、これらの図に示すように、上
記車両の車体前部には、エンジンルームER内の左右両側
において車体前後方向に延びる一対のフロントフレーム
1と、該フロントフレーム1,1の前端部に連結されると
ともに車幅方向に延びる前端クロスメンバ2と、該クロ
スメンバ2の前側に配置されるとともにシュラウドパネ
ル(不図示)の下端部を支持するシュラウドメンバ3
と、上記前端クロスメンバ2の左右両端の近傍にその後
端部が固定された一対のバンパステー4が設けられ、フ
ロントバンパ5は、その左右の背面が上記バンパステー
4の上部に固着されていることにより、該バンパステー
4,4に固定されている。
尚、上下左右のフロントフレーム1間にはエンジンEn
(第2図において仮想線で図示)が配置され、また、左
側のフロントフレーム1には、ステアリングシャフトSt
の前端部が連結されるギヤボックスBgが取り付けられて
いる。
上記車両では、上記ギヤボックスBgの取付位置やエン
ジンEnのレイアウトの都合等により、第2図からよく分
かるように、フロントフレーム1,1の前部は途中からや
や下方に曲折して形成されており、フロントバンパ5
は、この左右のフロントフレーム1よりも上方にオフセ
ットして配設されている。すなわち、上記バンパステー
4,4は、フロントフレーム1の前端上部に固定されたボ
ックス状のステーブラケット6の上面側にその後端部が
締結固定されている。
本実施例では、上記フロントバンパ5をフロントフレ
ーム1,1よりも上方にオフセットして取り付けたことに
より、車両が正面衝突した際、その初期において、フロ
ントフレーム1,1が十分に衝撃を吸収しないうちに、そ
の全変形量を消費して曲折変形してしまうことを防止す
るために、左右のフロントフレーム1の前側に、該フロ
ントフレーム1の前端及び上記シュラウドメンバ3の前
面から、それぞれ車体前方に向かって延びる前後一対の
延長部材10,11が設けられている。
すなわち、上記延長部材10,11のうち前側の延長部材1
1(シュラウド延長部材)は、第3図及び第4図に示す
ように、例えばプレス鋼板を用いてボックス状に形成さ
れ、その後部が、上記シュラウドメンバ3の前側に固着
されている。また、後側の延長部材10(フレーム延長部
材)は、同様にプレス鋼板でボックス状に形成され、例
えばフロントフレーム1の前端部に固着されている。
尚、上記フレーム延長部材10の下方には、フックブラケ
ット12に固定された牽引フック13が配置されている。
以上の構成において、車両が正面衝突した際には、例
えば第5図に示すように、フロントバンパ5が衝突対象
物Wに衝突すると、その直後にシュラウド延長部材11が
衝突して後方に移動する。そして、このシュラウド延長
部材11が上記フレーム延長部材10に当接し、これら両延
長部材11及び10を介してフロントフレーム1に対して軸
方向荷重が入力される。すなわち、該フロントフレーム
1は、バンパ側からの荷重の作用による曲げモーメント
により上下方向に大きく曲折変形される前に軸方向荷重
を受けたことになる。すなわち、上記フロントフレーム
1,1は、衝突初期における曲げ変形が抑制され、衝撃エ
ネルギを有効に吸収しつつ変形する。
以上、説明したように、本実施例によれば、上記左右
のフロントフレーム1の前側に、車体前方に向かって延
びる前後一対の延長部材10,11を配設するとともに、前
側の延長部材11を、その前端面が上記フロントバンパ5
の前端面よりも所定量だけ後方に位置するように設定し
たので、車両正面衝突時、フロントバンパ5に衝突荷重
が入力された直後に上記延長部材11が衝突することによ
り、延長部材11及び10を介して、早期に、フロントフレ
ーム1,1に対して軸方向荷重が入力される。従って、車
両衝突初期におけるフロントフレーム1,1の曲げ変形を
抑制し、初期Gの低下を防止することができる。
その結果、衝突の初期段階でシートベルトを効かせて
効果的に乗員を拘束することができ、安全性の向上を図
ることができるのである。
尚、上記実施例では、後側の延長部材(フレーム延長
部材10)をフロントフレーム1の前端部に取り付けたも
のであったが、この代わりに、シュラウドメンバ3の裏
面側に後側の延長部材を取り付けてもよい。
また、上記実施例(第1実施例)は、上記補強部材1
0,11を別体に設けたものであったが、両者を一体に形成
しても良い。以下、本発明の第2実施例について説明す
る。尚、以下の説明において、第1実施例における場合
と同じものには同一の符号を付し、それ以上の説明は省
略する。
第6図及び第7図に示すように、本実施例では、左右
のフロントフレーム1の前端に、第1実施例の場合より
もやや上方に配設されたシュラウドメンバ3の下方を通
って前方に延びるフレーム延長部材20が取り付けられて
いる。尚、このフレーム延長部材20には、例えば複数の
溝部20aが設けられており、該延長部20の衝撃吸収性を
確保することができるようになっている。
上記延長部材20の後端は、フロントフレーム1の前端
部に固定される一方、前端は、フロントバンパ5の前端
面よりもやや後方に位置しており、車両正面衝突時に
は、フロントバンパ5の衝突直後に上記延長部材20の前
端部が衝突するようになっており、上記1実施例の場合
と同様の効果を奏することができる。
尚、上記フレーム延長部材20は、フロントフレーム1
の前端側を前方に向かって延長することにより、該フロ
ントフレーム1と一体的に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の第1実施例に係る車両の車
体前部のフレーム構造を示す平面説明図及び側面設明
図、第3図は上記第1実施例に係る延長部材の取付構造
を示す横断面説明図、第4図は上記延長部材の取付構造
を示す縦断面説明図、第5図は上記第1実施例に係るフ
ロントフレームの衝突初期における変形状態を示す側面
説明図、第6図及び第7図は本発明の第2実施例に係る
車両の車体前部のフレーム構造を示す平面説明図及び側
面説明図、第8図は従来例に係るフロントフレームの衝
突初期における変形状態を示す側面説明図である。 1……フロントフレーム、5……フロントバンパ、10,1
1,20……延長部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 19/24 B62D 25/08 B62D 25/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体前後方向に延びるフレーム部材よりも
    上方にオフセットして取り付けられたフロントバンパを
    備えて成る車両の車体前部構造において、 上記フレーム部材の前側に、車体前方に向かって延びる
    延長部材が配設され、該延長部材の前端面は上記フロン
    トバンパの前端面よりも所定量だけ後方に位置するよう
    に設定されており、上記フレーム部材の下面には車体前
    方に向かって延びる車両牽引用部材が下方にオフセット
    して取り付けられ、該車両牽引用部材の前端部はフレー
    ム部材の前端面よりも車体前方に位置するように設定さ
    れていることを特徴とする車両の車体前部構造。
  2. 【請求項2】上記フレーム部材の前方にはエンジンルー
    ム前壁を支持するシュラウドメンバが配置され、上記延
    長部材は、上記シュラウドメンバの前側に固着された前
    側延長部材と、上記シュラウドメンバの後側または上記
    フレーム部材の前端部に固着された後側延長部材とで構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の車両の車
    体前部構造。
  3. 【請求項3】上記延長部材には、車体前後方向の衝撃を
    吸収し得る溝部が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の車両の車体前部構造。
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