JP2979164B2 - 光応答性マイクロカプセル含有物およびその物質拡散光制御方法 - Google Patents
光応答性マイクロカプセル含有物およびその物質拡散光制御方法Info
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- JP2979164B2 JP2979164B2 JP29039592A JP29039592A JP2979164B2 JP 2979164 B2 JP2979164 B2 JP 2979164B2 JP 29039592 A JP29039592 A JP 29039592A JP 29039592 A JP29039592 A JP 29039592A JP 2979164 B2 JP2979164 B2 JP 2979164B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光刺激によって物質分
子の拡散透過性を制御する膜透過制御マイクロカプセル
系に関する。
子の拡散透過性を制御する膜透過制御マイクロカプセル
系に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、物質の分子レベルでの分離や選択
透過機能を有する合成高分子膜が注目されてきており、
更に進んで、高分子膜の物質透過性を外部刺激によって
コントロールできるものが提案されている。このような
機能を高分子膜に付与する方法としては、合成高分子膜
を化学修飾するなど、複合化を図る方法が試みられてお
り、機能をコントロールする手段としては、温度変化、
光照射、超音波照射、電場、酸化還元、pH変化等が用
いられている。具体的には、ポリマー側鎖部に官能基や
異性化基を導入する、高分子膜に2分子膜を固定化す
る、表面処理としてグラフトポリマーを利用する、また
は高分子ゲルを利用するなどの方法が挙げられる。
透過機能を有する合成高分子膜が注目されてきており、
更に進んで、高分子膜の物質透過性を外部刺激によって
コントロールできるものが提案されている。このような
機能を高分子膜に付与する方法としては、合成高分子膜
を化学修飾するなど、複合化を図る方法が試みられてお
り、機能をコントロールする手段としては、温度変化、
光照射、超音波照射、電場、酸化還元、pH変化等が用
いられている。具体的には、ポリマー側鎖部に官能基や
異性化基を導入する、高分子膜に2分子膜を固定化す
る、表面処理としてグラフトポリマーを利用する、また
は高分子ゲルを利用するなどの方法が挙げられる。
【0003】一方、マイクロカプセルに上記のような物
質透過機能を付与することが試みられている。マイクロ
カプセルは、直径が数μmから数百μmの間の微小な容
器であり、インクや薬剤の包袋材として実用化されてい
る。このマイクロカプセルの内部に封じ込まれた物質
は、容器を構成するマイクロカプセル膜によって外部の
環境から保護されている。このようなマイクロカプセル
膜を高分子膜で形成し、前述した機能性高分子膜の場合
と同様に、マイクロカプセル膜を化学修飾する方法で物
質透過機能を付与する試みがなされている。例えば、二
分子膜のラメラ層を多孔質な高分子マイクロカプセル膜
の中に形成したり、直鎖型ポリマーを高分子壁膜の表面
にグラフト重合させることにより、マイクロカプセル内
相物質をマイクロカプセル外へ透過させる例がある。こ
のマイクロカプセル内相物質の透過速度をコントロール
する手段としては、上記高分子膜の場合と同様に、温度
変化、光照射、超音波照射、電場、酸化還元、pH変化
等が挙げられる。これらを調整することによって、上述
した二分子膜やグラフト・ポリマーは、一種の分子バル
ブとして働くことが知られている。
質透過機能を付与することが試みられている。マイクロ
カプセルは、直径が数μmから数百μmの間の微小な容
器であり、インクや薬剤の包袋材として実用化されてい
る。このマイクロカプセルの内部に封じ込まれた物質
は、容器を構成するマイクロカプセル膜によって外部の
環境から保護されている。このようなマイクロカプセル
膜を高分子膜で形成し、前述した機能性高分子膜の場合
と同様に、マイクロカプセル膜を化学修飾する方法で物
質透過機能を付与する試みがなされている。例えば、二
分子膜のラメラ層を多孔質な高分子マイクロカプセル膜
の中に形成したり、直鎖型ポリマーを高分子壁膜の表面
にグラフト重合させることにより、マイクロカプセル内
相物質をマイクロカプセル外へ透過させる例がある。こ
のマイクロカプセル内相物質の透過速度をコントロール
する手段としては、上記高分子膜の場合と同様に、温度
変化、光照射、超音波照射、電場、酸化還元、pH変化
等が挙げられる。これらを調整することによって、上述
した二分子膜やグラフト・ポリマーは、一種の分子バル
ブとして働くことが知られている。
【0004】図12に、光照射によって物質透過性をコ
ントロールするマイクロカプセルの一例を模式的に示
す。マイクロカプセル40のマイクロカプセル膜43
は、多孔質分子材料から成るマイクロカプセル壁部41
と、このマイクロカプセル壁部内の細孔部42とを含
む。この細孔部42には、ラメラ層をなす二分子膜44
が埋め込まれている。細孔部42の部分拡大図13に示
すように、二分子膜44は、両親媒性化合物からなり、
その中にアゾベンゼン基を含む脂質を光異性化物質45
として混在させてある。マイクロカプセル40の内側
(マイクロカプセル内相)と外側(マイクロカプセル外
相)には、夫々、液状物質46及び47が配されてい
る。
ントロールするマイクロカプセルの一例を模式的に示
す。マイクロカプセル40のマイクロカプセル膜43
は、多孔質分子材料から成るマイクロカプセル壁部41
と、このマイクロカプセル壁部内の細孔部42とを含
む。この細孔部42には、ラメラ層をなす二分子膜44
が埋め込まれている。細孔部42の部分拡大図13に示
すように、二分子膜44は、両親媒性化合物からなり、
その中にアゾベンゼン基を含む脂質を光異性化物質45
として混在させてある。マイクロカプセル40の内側
(マイクロカプセル内相)と外側(マイクロカプセル外
相)には、夫々、液状物質46及び47が配されてい
る。
【0005】上述のような構成のマイクロカプセル含有
物に、紫外線を照射した場合、マイクロカプセル膜43
の物質透過性は増大し、紫外線を含まない可視光線を照
射した場合には、元の物質透過性に戻ることが知られて
いる。これは、紫外線照射によって、二分子膜44に分
散会合させた光異性化物質45中のアゾベンゼン基が直
線的なトランス状態から屈曲したシス状態に変化し、分
子が整然と並んだ秩序的な二分子膜44の膜構造を乱す
為と考えられる。可視光線の照射によって、シス状態の
アゾベンゼン基は元のトランス状態に戻り、二分子膜4
4は秩序的な膜構造を取り戻す。
物に、紫外線を照射した場合、マイクロカプセル膜43
の物質透過性は増大し、紫外線を含まない可視光線を照
射した場合には、元の物質透過性に戻ることが知られて
いる。これは、紫外線照射によって、二分子膜44に分
散会合させた光異性化物質45中のアゾベンゼン基が直
線的なトランス状態から屈曲したシス状態に変化し、分
子が整然と並んだ秩序的な二分子膜44の膜構造を乱す
為と考えられる。可視光線の照射によって、シス状態の
アゾベンゼン基は元のトランス状態に戻り、二分子膜4
4は秩序的な膜構造を取り戻す。
【0006】なお、アゾベンゼン基を、二分子膜44部
分ではなく、マイクロカプセル膜の壁部41に共有結合
により組み込んだ場合は、上述と同様に紫外線と可視光
線を照射しても、物質透過性は殆ど変化しない。このこ
とから、光異性化分子45は、流動性のある二分子膜4
4部分に存在することが必要とされている。
分ではなく、マイクロカプセル膜の壁部41に共有結合
により組み込んだ場合は、上述と同様に紫外線と可視光
線を照射しても、物質透過性は殆ど変化しない。このこ
とから、光異性化分子45は、流動性のある二分子膜4
4部分に存在することが必要とされている。
【0007】このようなマイクロカプセルは、界面重合
法、in−situ重合法、コア・セルベーション法な
どの公知の技術により製造されたマイクロカプセル壁の
細孔部分に、二分子累積膜を吸着させる処理を行なって
得られる。
法、in−situ重合法、コア・セルベーション法な
どの公知の技術により製造されたマイクロカプセル壁の
細孔部分に、二分子累積膜を吸着させる処理を行なって
得られる。
【0008】しかし、上述のようなマイクロカプセル
は、細孔部にしか光異性化物質が存在しないので、光の
入射量に対する光異性化量が小さいことから、光応答の
感度が低く、物質透過性を制御しにくいという問題があ
った。
は、細孔部にしか光異性化物質が存在しないので、光の
入射量に対する光異性化量が小さいことから、光応答の
感度が低く、物質透過性を制御しにくいという問題があ
った。
【0009】ところで、前述の二分子膜などのイオン性
界面や、イオン性両親媒性物質のミセルにおいては、数
百オングストロームにおよぶ電気二重層が形成され、大
きな電位勾配を有した静電場となっている。このような
界面に光励起されやすいドナー分子とアクセプター分子
とを吸着させた系においては、通常の溶液系とは異なっ
てアクセプター/ドナー間の逆電子移動が抑制されるこ
とが知られており、この逆電子移動が抑制される結果と
して、いくつかの興味深い現象が報告されている。
界面や、イオン性両親媒性物質のミセルにおいては、数
百オングストロームにおよぶ電気二重層が形成され、大
きな電位勾配を有した静電場となっている。このような
界面に光励起されやすいドナー分子とアクセプター分子
とを吸着させた系においては、通常の溶液系とは異なっ
てアクセプター/ドナー間の逆電子移動が抑制されるこ
とが知られており、この逆電子移動が抑制される結果と
して、いくつかの興味深い現象が報告されている。
【0010】そのひとつとして、アニオン性界面に形成
された一群のアクセプター間での電子リレー共鳴による
連鎖的シス−トランス異性化反応があげられ、図14に
この一例を示す。
された一群のアクセプター間での電子リレー共鳴による
連鎖的シス−トランス異性化反応があげられ、図14に
この一例を示す。
【0011】図14(a)に示すように、アニオン性両
親媒性分子S- 界面に、ドナー分子D+ と、シス−トラ
ンス異性を起こすアクセプター分子A+ とが吸着してい
る。このとき、アクセプター分子A+ は、シス状態であ
る。このドナー分子に可視光を照射することによって、
一光子吸収したドナー分子D+ が励起して励起種D* が
生成する。
親媒性分子S- 界面に、ドナー分子D+ と、シス−トラ
ンス異性を起こすアクセプター分子A+ とが吸着してい
る。このとき、アクセプター分子A+ は、シス状態であ
る。このドナー分子に可視光を照射することによって、
一光子吸収したドナー分子D+ が励起して励起種D* が
生成する。
【0012】続いて、図14(b)に示すように、励起
種D* からアクセプター分子A+ へ一電子移動が行なわ
れた後、一群のシス状態のアクセプターの間で電子の受
け渡しが順次リレー的に行なわれる。すなわち、シス状
態のアクセプター分子A+ は、一旦電子を受けとって中
間過程 ・Aとなり、次に隣接するシス状態のアクセプタ
ー分子に電子を渡す(酸化)過程において、トランス状
態に立体異性を起こす。
種D* からアクセプター分子A+ へ一電子移動が行なわ
れた後、一群のシス状態のアクセプターの間で電子の受
け渡しが順次リレー的に行なわれる。すなわち、シス状
態のアクセプター分子A+ は、一旦電子を受けとって中
間過程 ・Aとなり、次に隣接するシス状態のアクセプタ
ー分子に電子を渡す(酸化)過程において、トランス状
態に立体異性を起こす。
【0013】最終的には、図14(c)に示すように、
全てのアクセプター分子はトランス状態となる。つま
り、一光子の吸収がトリガーとなって、多数のアクセプ
ター分子が連鎖的にシス状態からトランス状態への異性
化を行なうことになる。
全てのアクセプター分子はトランス状態となる。つま
り、一光子の吸収がトリガーとなって、多数のアクセプ
ター分子が連鎖的にシス状態からトランス状態への異性
化を行なうことになる。
【0014】実際のアニオン性界面として、ミセル系・
エマエルジョン系・二分子膜系・コロイド・シリカ系・
高分子電解質膜系において、これらの事実が確認されて
おり、現状では100〜250程度の量子効率が得られ
ている。
エマエルジョン系・二分子膜系・コロイド・シリカ系・
高分子電解質膜系において、これらの事実が確認されて
おり、現状では100〜250程度の量子効率が得られ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連鎖的電子
リレーによる光異性化物質のトランス異性化を利用し
て、感度が高く、内外相物質の相互拡散を簡単かつ精密
に制御できるマイクロカプセル含有物およびその物質拡
散制御方法を提供することを課題とするものである。
リレーによる光異性化物質のトランス異性化を利用し
て、感度が高く、内外相物質の相互拡散を簡単かつ精密
に制御できるマイクロカプセル含有物およびその物質拡
散制御方法を提供することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明では、(1)高分子電解質化合物
によってマイクロカプセルを形成し、(2)高分子電解
質化合物としてアニオン性の化合物を用い、
決するために、本発明では、(1)高分子電解質化合物
によってマイクロカプセルを形成し、(2)高分子電解
質化合物としてアニオン性の化合物を用い、
【0017】(3)高分子電解質膜のアニオン性界面
に、特定波長の光を吸収して電子を放出する電子供与性
物質(ドナー)と、シス−トランス光異性化する電子受
容性物質(アクセプター)とを吸着させ、(4)マイク
ロカプセルの内外相に、相互拡散あるいは互いに化学反
応可能なターゲット物質を隔離して配するという基本構
成をとっている。
に、特定波長の光を吸収して電子を放出する電子供与性
物質(ドナー)と、シス−トランス光異性化する電子受
容性物質(アクセプター)とを吸着させ、(4)マイク
ロカプセルの内外相に、相互拡散あるいは互いに化学反
応可能なターゲット物質を隔離して配するという基本構
成をとっている。
【0018】すなわち、本発明によれば、本発明の光応
答性マイクロカプセル含有物は、アニオン性高分子電解
質膜で形成されたマイクロカプセル本体と、前記高分子
電解質膜のアニオン性界面にこれを実質的に覆うように
吸着されたシス−トランス異性化する電子受容性物質か
らなる光応答性バルブ膜と、該光応答性バルブ膜内に共
存して前記アニオン性界面に吸着され、特定波長の励起
光の照射によって電子を放出する電子供与性物質とを包
含するマイクロカプセルを含有し、その内相と外相に互
いに反応し得るターゲット物質が配されている。
答性マイクロカプセル含有物は、アニオン性高分子電解
質膜で形成されたマイクロカプセル本体と、前記高分子
電解質膜のアニオン性界面にこれを実質的に覆うように
吸着されたシス−トランス異性化する電子受容性物質か
らなる光応答性バルブ膜と、該光応答性バルブ膜内に共
存して前記アニオン性界面に吸着され、特定波長の励起
光の照射によって電子を放出する電子供与性物質とを包
含するマイクロカプセルを含有し、その内相と外相に互
いに反応し得るターゲット物質が配されている。
【0019】前記電子受容性物質は、前記励起光の波長
とは異なる波長の光照射によりトランス体からシス体へ
異性化する。この異性化により、光応答性バルブ膜は緻
密な分子集合状態にある閉状態から乱れた分子集合状態
にある開状態へ切り換わる。また、前記電子受容性物質
は、少なくとも前記励起光の照射による前記電子供与性
物質と前記電子受容性物質間での連鎖的な電子リレーに
よってシス体からトランス体へ異性化し、これにより光
応答性バルブ膜が開状態から閉状態へ切り換わる。
とは異なる波長の光照射によりトランス体からシス体へ
異性化する。この異性化により、光応答性バルブ膜は緻
密な分子集合状態にある閉状態から乱れた分子集合状態
にある開状態へ切り換わる。また、前記電子受容性物質
は、少なくとも前記励起光の照射による前記電子供与性
物質と前記電子受容性物質間での連鎖的な電子リレーに
よってシス体からトランス体へ異性化し、これにより光
応答性バルブ膜が開状態から閉状態へ切り換わる。
【0020】前記電子受容性物質のこのようなシス−ト
ランス異性化に基づく前記光応答性バルブ膜の前記開閉
状態の切り替えにより前記高分子電解質膜を通るターゲ
ット物質の透過が増減し、内外相の各前記ターゲット物
質の相互拡散による化学反応が制御される。
ランス異性化に基づく前記光応答性バルブ膜の前記開閉
状態の切り替えにより前記高分子電解質膜を通るターゲ
ット物質の透過が増減し、内外相の各前記ターゲット物
質の相互拡散による化学反応が制御される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しながら、実施例
に基づき具体的に説明する。全図中、同一符号は同一物
を示す。 <第1の実施例>
に基づき具体的に説明する。全図中、同一符号は同一物
を示す。 <第1の実施例>
【0022】図1には、第1の実施例による光応答性マ
イクロカプセル含有物が模式的に示されている。図1に
示されるように、第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物は、マイクロカプセル11と、このマイ
クロカプセル11を分散させている分散媒21とを含
み、マイクロカプセル11の内相には、第1のターゲッ
ト物質12が溶媒18中に存在し、マイクロカプセル外
相を構成する分散媒21には、マイクロカプセル11の
内相の第1のターゲット物質12と化学反応し得る第2
のターゲット物質19が存在する。
イクロカプセル含有物が模式的に示されている。図1に
示されるように、第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物は、マイクロカプセル11と、このマイ
クロカプセル11を分散させている分散媒21とを含
み、マイクロカプセル11の内相には、第1のターゲッ
ト物質12が溶媒18中に存在し、マイクロカプセル外
相を構成する分散媒21には、マイクロカプセル11の
内相の第1のターゲット物質12と化学反応し得る第2
のターゲット物質19が存在する。
【0023】マイクロカプセル11は、高分子電解質膜
からなるマイクロカプセル本体13を包含する。アニオ
ン性高分子電解質膜13は、マイクロカプセルの壁材で
あって、その膜厚は、通常数十μmから数百nmの範囲
である。このマイクロカプセル壁の材料としては、高分
子カルボン酸、高分子スルホン酸などの高分子アニオン
化合物を用いることができる。このような高分子アニオ
ン化合物を重合により形成するモノマーの一例を下記化
1〜化4に示すが、これらに限定されるものではない。
からなるマイクロカプセル本体13を包含する。アニオ
ン性高分子電解質膜13は、マイクロカプセルの壁材で
あって、その膜厚は、通常数十μmから数百nmの範囲
である。このマイクロカプセル壁の材料としては、高分
子カルボン酸、高分子スルホン酸などの高分子アニオン
化合物を用いることができる。このような高分子アニオ
ン化合物を重合により形成するモノマーの一例を下記化
1〜化4に示すが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】なお、高分子アニオンは、溶媒中でイオン
解離して界面には厚さ数百オングストロームにおよぶ電
気二重層が形成されており、大きな電位勾配を有した静
電場を有している。
解離して界面には厚さ数百オングストロームにおよぶ電
気二重層が形成されており、大きな電位勾配を有した静
電場を有している。
【0029】マイクロカプセル本体(高分子電解質膜)
13の外表面(アニオン性界面)には、シス−トランス
光異性化物質14が吸着されている。シス−トランス光
異性化物質14は、特定の波長の光を吸収して分子内の
結合様式あるいは電子状態に変化を生じ、最終的に分子
の立体構造が変化する物質である。この分子立体構造の
変化を、スチルベンを例にあげて、図15に示す。図1
5(a)は、スチルベンのトランス状態を表わし、この
ときはσ結合とπ結合による二重結合を有している。こ
の分子は、紫外線を吸収して図15(b)に示すように
ππ* 遷移し、反結合状態に転じた2つの電子の反発に
より分子平面が図15(c)に示すようにねじれ、エネ
ルギーの高いシス状態になる。また、可視光照射又は暗
所にて加熱することによって、このシス状態からエネル
ギーの低いトランス状態に戻る。
13の外表面(アニオン性界面)には、シス−トランス
光異性化物質14が吸着されている。シス−トランス光
異性化物質14は、特定の波長の光を吸収して分子内の
結合様式あるいは電子状態に変化を生じ、最終的に分子
の立体構造が変化する物質である。この分子立体構造の
変化を、スチルベンを例にあげて、図15に示す。図1
5(a)は、スチルベンのトランス状態を表わし、この
ときはσ結合とπ結合による二重結合を有している。こ
の分子は、紫外線を吸収して図15(b)に示すように
ππ* 遷移し、反結合状態に転じた2つの電子の反発に
より分子平面が図15(c)に示すようにねじれ、エネ
ルギーの高いシス状態になる。また、可視光照射又は暗
所にて加熱することによって、このシス状態からエネル
ギーの低いトランス状態に戻る。
【0030】このようなシス−トランス光異性化物質と
して、アゾベンゼンやスチルベンの各種誘導体が知られ
ているが、本発明においては、シス−トランス光異性化
物質14はアニオン性高分子膜界面で電子リレーを行な
うアクセプター及びメディエーターとしても機能するも
のであるから、カチオン性のものを用いることが有用で
あり、特にピリジニウムイオン部位を含むもの、例え
ば、N−メチル−4−(β−スチリル)ピリジニウムイ
オンなどが好ましい。そのようなシス−トランス光異性
化物質14の具体例を下記化5〜化7に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
して、アゾベンゼンやスチルベンの各種誘導体が知られ
ているが、本発明においては、シス−トランス光異性化
物質14はアニオン性高分子膜界面で電子リレーを行な
うアクセプター及びメディエーターとしても機能するも
のであるから、カチオン性のものを用いることが有用で
あり、特にピリジニウムイオン部位を含むもの、例え
ば、N−メチル−4−(β−スチリル)ピリジニウムイ
オンなどが好ましい。そのようなシス−トランス光異性
化物質14の具体例を下記化5〜化7に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】カチオン性のシス−トランス光異性化物質
14は、マイクロカプセル本体13を構成する高分子電
解質膜のナトリウムなどのカチオンイオンと1対1で交
換され、マイクロカプセル本体13の界面にこれを全面
的に覆って吸着される。
14は、マイクロカプセル本体13を構成する高分子電
解質膜のナトリウムなどのカチオンイオンと1対1で交
換され、マイクロカプセル本体13の界面にこれを全面
的に覆って吸着される。
【0035】マイクロカプセル本体13の界面には、さ
らに、ドナー分子15が吸着されている。ドナー分子1
5は、特定波長の吸収によって電子放出する物質であ
り、可視光照射によって励起され、電子供与性になる色
素を好ましく用いることができる。例えば、ルテニウム
トリスビピリジル錯体や、ポルフィリン誘導体、亜鉛な
どの各種の金属ポルフィリン錯体などがあげられる。そ
のような色素の具体例の一例を下記化8〜化10に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
らに、ドナー分子15が吸着されている。ドナー分子1
5は、特定波長の吸収によって電子放出する物質であ
り、可視光照射によって励起され、電子供与性になる色
素を好ましく用いることができる。例えば、ルテニウム
トリスビピリジル錯体や、ポルフィリン誘導体、亜鉛な
どの各種の金属ポルフィリン錯体などがあげられる。そ
のような色素の具体例の一例を下記化8〜化10に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】マイクロカプセル本体13の界面に吸着さ
れているドナー分子15は、可能な限り少ないほうが望
ましく、マイクロカプセル1個当り1分子吸着していれ
ば十分である。
れているドナー分子15は、可能な限り少ないほうが望
ましく、マイクロカプセル1個当り1分子吸着していれ
ば十分である。
【0040】マイクロカプセル本体13、シス−トラン
ス光異性化物質14及びドナー分子15とで、マイクロ
カプセル膜16が構成され、このマイクロカプセル膜自
身の色は、乳白色に見える。
ス光異性化物質14及びドナー分子15とで、マイクロ
カプセル膜16が構成され、このマイクロカプセル膜自
身の色は、乳白色に見える。
【0041】さて、以上のように構成されたマイクロカ
プセル11の内相には、第1のターゲット物質12が溶
媒18とともに封入されている。本例では、第1のター
ゲット物質12として、染料前駆体が用いられている。
この染料前駆体12は、通常無色であるが、後に詳述す
る第2のターゲット物質19である顕色剤(酸性物質)
と反応して発色する色素であり、例えばロイコ染料が好
適に使用できる。ロイコ染料としては、フタリド系、フ
ルオラン系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン
系、スピロピラン系の各染料を例示することができる。
より具体的には、一般的な感圧紙や感熱紙等に広く用い
られているクリスタルバイオレットラクトン、カルバゾ
ールブルー、インドリルレッド、ピリジンブルー、ロー
ダミンBラクタム、マラカイトグリーン、3−ジアルキ
ルアミノ−7−ジアルキルアミノフルオラン、ベンゾイ
ルロイコメチレンブルーを挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。溶媒18としては、通
常、水が用いられる。
プセル11の内相には、第1のターゲット物質12が溶
媒18とともに封入されている。本例では、第1のター
ゲット物質12として、染料前駆体が用いられている。
この染料前駆体12は、通常無色であるが、後に詳述す
る第2のターゲット物質19である顕色剤(酸性物質)
と反応して発色する色素であり、例えばロイコ染料が好
適に使用できる。ロイコ染料としては、フタリド系、フ
ルオラン系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン
系、スピロピラン系の各染料を例示することができる。
より具体的には、一般的な感圧紙や感熱紙等に広く用い
られているクリスタルバイオレットラクトン、カルバゾ
ールブルー、インドリルレッド、ピリジンブルー、ロー
ダミンBラクタム、マラカイトグリーン、3−ジアルキ
ルアミノ−7−ジアルキルアミノフルオラン、ベンゾイ
ルロイコメチレンブルーを挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。溶媒18としては、通
常、水が用いられる。
【0042】また、マイクロカプセル内相には、補助的
物質17が含まれていても良い。この補助的物質17
は、染料前駆体12の物性を調整するための各種の物質
であって、例えばマイクロカプセル内相の溶液に適切な
粘性を与えるものであり、温度の上昇によって急激に粘
性が低下する物質であることが好ましい。補助的物質1
7としては、市販の各種ワックスや樹脂のポリマーなど
を使用することができる。この物質は、マイクロカプセ
ル壁の細孔部を透過できない程度に大きな分子量のもの
とすることがよい。
物質17が含まれていても良い。この補助的物質17
は、染料前駆体12の物性を調整するための各種の物質
であって、例えばマイクロカプセル内相の溶液に適切な
粘性を与えるものであり、温度の上昇によって急激に粘
性が低下する物質であることが好ましい。補助的物質1
7としては、市販の各種ワックスや樹脂のポリマーなど
を使用することができる。この物質は、マイクロカプセ
ル壁の細孔部を透過できない程度に大きな分子量のもの
とすることがよい。
【0043】マイクロカプセル11を分散させている分
散媒21(第2のターゲット物質19の溶媒であっても
よい)には、第2のターゲット物質19が配されてい
る。本例では、この第2のターゲット物質19として、
顕色剤が用いられている。この顕色剤19は、染料前駆
体12と化学反応してこれを発色させる物質であり、α
−ナフトール、β−ナフトール、ビスフェノールA等の
フェノール類、サリチル酸亜鉛誘導体、芳香族カルボン
酸金属塩、酢酸等の酸性物質を用いることができる。マ
イクロカプセル外相21を構成する分散媒は、第2のタ
ーゲット物質(顕色剤)19の溶媒でもあり得、通常、
水が用いられる。
散媒21(第2のターゲット物質19の溶媒であっても
よい)には、第2のターゲット物質19が配されてい
る。本例では、この第2のターゲット物質19として、
顕色剤が用いられている。この顕色剤19は、染料前駆
体12と化学反応してこれを発色させる物質であり、α
−ナフトール、β−ナフトール、ビスフェノールA等の
フェノール類、サリチル酸亜鉛誘導体、芳香族カルボン
酸金属塩、酢酸等の酸性物質を用いることができる。マ
イクロカプセル外相21を構成する分散媒は、第2のタ
ーゲット物質(顕色剤)19の溶媒でもあり得、通常、
水が用いられる。
【0044】マイクロカプセル外相中にも、前述の内相
中の補助的物質17と同様に、顕色剤19を含む外相の
物性を調整するための各種の物質であって、カプセルの
外相の溶液に適切な粘性を与えるための補助的物質(図
示せず)が含まれていても良い。かくして、第1および
第2のターゲット物質12、19は、マイクロカプセル
本体13の高分子電解質膜によって隔離されている。
中の補助的物質17と同様に、顕色剤19を含む外相の
物性を調整するための各種の物質であって、カプセルの
外相の溶液に適切な粘性を与えるための補助的物質(図
示せず)が含まれていても良い。かくして、第1および
第2のターゲット物質12、19は、マイクロカプセル
本体13の高分子電解質膜によって隔離されている。
【0045】なお、ここに説明したマイクロカプセル含
有物は、マイクロカプセル内相及び外相に、それぞれ染
料前駆体12、及び顕色剤19を配置したものである
が、マイクロカプセル内相に顕色剤、外相に染料前駆体
を配置しても、同様の効果を得ることができる。
有物は、マイクロカプセル内相及び外相に、それぞれ染
料前駆体12、及び顕色剤19を配置したものである
が、マイクロカプセル内相に顕色剤、外相に染料前駆体
を配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0046】図2には、このようなマイクロカプセルを
複数個(図では、3個)含有するマイクロカプセル含有
物が容器10に収容された状態で示されている。容器1
0の外部には、マイクロカプセル11の高分子電解質膜
を介する物質透過性を制御するための光源装置が配設さ
れている。この光源装置は、光異性化物質14をトラン
ス体からシス体へ異性化させる光を発する第1の光源
(例えば、紫外線光源)22とドナー15の励起光を発
する第2の光源(例えば、可視光源)23とからなる。
以下、本実施例のマイクロカプセル含有物の製造方法の
一例を説明する。
複数個(図では、3個)含有するマイクロカプセル含有
物が容器10に収容された状態で示されている。容器1
0の外部には、マイクロカプセル11の高分子電解質膜
を介する物質透過性を制御するための光源装置が配設さ
れている。この光源装置は、光異性化物質14をトラン
ス体からシス体へ異性化させる光を発する第1の光源
(例えば、紫外線光源)22とドナー15の励起光を発
する第2の光源(例えば、可視光源)23とからなる。
以下、本実施例のマイクロカプセル含有物の製造方法の
一例を説明する。
【0047】まず、所定の溶媒にターゲット物質12と
補助的物質17とを溶かして溶液を調製する。次に、こ
の溶液を前記所定の溶媒と非混和性の第2の溶媒に混合
して、攪拌などによって乳化させることにより、芯物質
溶液を得る。これとは別に、マイクロカプセル壁を形成
するモノマーを溶媒に溶かし、重合させることにより、
ポリマー溶液を得る。
補助的物質17とを溶かして溶液を調製する。次に、こ
の溶液を前記所定の溶媒と非混和性の第2の溶媒に混合
して、攪拌などによって乳化させることにより、芯物質
溶液を得る。これとは別に、マイクロカプセル壁を形成
するモノマーを溶媒に溶かし、重合させることにより、
ポリマー溶液を得る。
【0048】次に、芯物質溶液とポリマー溶液とを混合
・攪拌し、ポリマーの貧溶媒を加えることによって、ポ
リマーが芯物質を包み、マイクロカプセル本体13が形
成される。
・攪拌し、ポリマーの貧溶媒を加えることによって、ポ
リマーが芯物質を包み、マイクロカプセル本体13が形
成される。
【0049】得られたマイクロカプセル本体13を洗浄
して製造時の溶媒や未反応モノマーなどをよく取り除い
た後、このマイクロカプセル本体13を含む溶液中にカ
チオン性の光異性化物質14とドナー15とを溶かした
溶液を添加し、しばらく放置する。これにより光異性化
物質14とドナー15とがマイクロカプセル本体13の
膜表面に吸着し、本実施例のマイクロカプセル11を形
成する。
して製造時の溶媒や未反応モノマーなどをよく取り除い
た後、このマイクロカプセル本体13を含む溶液中にカ
チオン性の光異性化物質14とドナー15とを溶かした
溶液を添加し、しばらく放置する。これにより光異性化
物質14とドナー15とがマイクロカプセル本体13の
膜表面に吸着し、本実施例のマイクロカプセル11を形
成する。
【0050】溶媒交換を行なった後に、マイクロカプセ
ル11の外相部分に配すべき拡散ターゲット物質19を
溶かした溶液を、このマイクロカプセルを含む溶液中に
添加する。以上により、本実施例のマイクロカプセル含
有物が完成する。次に、本実施例のマイクロカプセル含
有物の作製例を記載する。
ル11の外相部分に配すべき拡散ターゲット物質19を
溶かした溶液を、このマイクロカプセルを含む溶液中に
添加する。以上により、本実施例のマイクロカプセル含
有物が完成する。次に、本実施例のマイクロカプセル含
有物の作製例を記載する。
【0051】まず、第1のターゲットである染料前駆体
としてのクリスタルバイオレットラクトンをエタノール
/水/ジホルムアミドの混合溶媒に溶かし、0.3Mの
溶液10ccを調製する。この溶液にナイロン又はポリ
プロピレンを補助的物質として少量加え、粘度を調整す
る。これをベンゼン30cc中に投入し、攪拌又は超音
波照射などの方法で乳化した後、自然冷却して、芯物質
溶液が得られる。
としてのクリスタルバイオレットラクトンをエタノール
/水/ジホルムアミドの混合溶媒に溶かし、0.3Mの
溶液10ccを調製する。この溶液にナイロン又はポリ
プロピレンを補助的物質として少量加え、粘度を調整す
る。これをベンゼン30cc中に投入し、攪拌又は超音
波照射などの方法で乳化した後、自然冷却して、芯物質
溶液が得られる。
【0052】次いで、マイクロカプセル壁モノマーとし
て、アクリル酸5gを使用し、このモノマーをベンゼン
30cc中に溶かす。さらに、重合開始剤としてアゾビ
ス(イソブチロニトリル)を加え、60℃に加熱して5
時間程度保つことにより、ポリアクリル酸を含む溶液が
得られる。
て、アクリル酸5gを使用し、このモノマーをベンゼン
30cc中に溶かす。さらに、重合開始剤としてアゾビ
ス(イソブチロニトリル)を加え、60℃に加熱して5
時間程度保つことにより、ポリアクリル酸を含む溶液が
得られる。
【0053】芯物質溶液にポリアクリル酸溶液を加えて
攪拌し、次にポリアクリル酸の貧溶媒であるヘキサン5
0ccをゆっくり加える。その結果、コアセルベーショ
ンによってポリアクリル酸が芯物質を包み、その表面に
沈殿して、ポリアクリル酸からなるマイクロカプセル壁
が形成される。生成したマイクロカプセルをエタノール
でよく洗浄した後、水に溶媒置換する。
攪拌し、次にポリアクリル酸の貧溶媒であるヘキサン5
0ccをゆっくり加える。その結果、コアセルベーショ
ンによってポリアクリル酸が芯物質を包み、その表面に
沈殿して、ポリアクリル酸からなるマイクロカプセル壁
が形成される。生成したマイクロカプセルをエタノール
でよく洗浄した後、水に溶媒置換する。
【0054】カチオン性光異性化物質としてN−メチル
−4−(β−スチリル)ピリジニウム クロライド 1
5μmolと、ドナー分子としてトリス(2,2−ビピ
リジン)ルテニウム ジクロライド 0.1μmolを
溶媒に溶かし、これをマイクロカプセル溶液中に投入す
る。これにより、カチオン性光異性化物質とドナー分子
とが、マイクロカプセル膜の表面に吸着され、本実施例
のマイクロカプセルが得られる。
−4−(β−スチリル)ピリジニウム クロライド 1
5μmolと、ドナー分子としてトリス(2,2−ビピ
リジン)ルテニウム ジクロライド 0.1μmolを
溶媒に溶かし、これをマイクロカプセル溶液中に投入す
る。これにより、カチオン性光異性化物質とドナー分子
とが、マイクロカプセル膜の表面に吸着され、本実施例
のマイクロカプセルが得られる。
【0055】最後に、得られた溶液系を再び溶媒置換し
て、マイクロカプセル外相に配すべき第2のターゲット
である顕色剤としての酢酸をこの溶液中に添加する。こ
うして、本発明の第1の実施例によるマイクロカプセル
含有物が得られる。
て、マイクロカプセル外相に配すべき第2のターゲット
である顕色剤としての酢酸をこの溶液中に添加する。こ
うして、本発明の第1の実施例によるマイクロカプセル
含有物が得られる。
【0056】さて、次に、以上のように構成された本発
明のマイクロカプセル含有物の物質拡散光制御方法を図
面を参照して説明するが、まず初めに、マイクロカプセ
ル単体の動作について述べる。 (I)本発明のマイクロカプセル単体の動作について
(図3ないし図7): (a)初期状態(図3)
明のマイクロカプセル含有物の物質拡散光制御方法を図
面を参照して説明するが、まず初めに、マイクロカプセ
ル単体の動作について述べる。 (I)本発明のマイクロカプセル単体の動作について
(図3ないし図7): (a)初期状態(図3)
【0057】熱的に安定な初期状態では、スチルベン誘
導体等の光異性化物質14は、平面的分子形態のトラン
ス状態で安定しており、密に分子凝集しているため、光
異性化物質14は緻密な集合状態となっている。それ
故、この光異性化物質14からなる単分子膜の物質透過
性は低い。すなわち、光異性化物質14の単分子膜は、
マイクロカプセルの物質透過に関していわば閉状態にあ
る。
導体等の光異性化物質14は、平面的分子形態のトラン
ス状態で安定しており、密に分子凝集しているため、光
異性化物質14は緻密な集合状態となっている。それ
故、この光異性化物質14からなる単分子膜の物質透過
性は低い。すなわち、光異性化物質14の単分子膜は、
マイクロカプセルの物質透過に関していわば閉状態にあ
る。
【0058】カプセル内には、染料前駆体12が、適切
な粘性を付与する補助的物質17と共に溶媒18に分散
しており、常温においては、芯物質の粘性が高いため
に、物質の拡散性も低い。
な粘性を付与する補助的物質17と共に溶媒18に分散
しており、常温においては、芯物質の粘性が高いため
に、物質の拡散性も低い。
【0059】従って、初期状態では、マイクロカプセル
内相物質(染料前駆体)12とマイクロカプセル外相物
質(顕色剤)19とは、マイクロカプセル膜16によっ
て充分に隔離される。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図
4)
内相物質(染料前駆体)12とマイクロカプセル外相物
質(顕色剤)19とは、マイクロカプセル膜16によっ
て充分に隔離される。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図
4)
【0060】図2に示す第1の光源22から、波長ν1
のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセル
11に照射する。これにより、光異性化物質14が波長
ν1 の成分光を1分子吸収すると、励起されて分子の立
体構造が変化する、すなわちシス状態に異性化する。な
お、例えばスチルベン誘導体の場合、波長ν1 に相当す
る光は、紫外領域にある。このシス状態では、スチルベ
ンは、既に説明したように、トランス状態で2つのベン
ゼン環が存在していた平面に対して2つのベンゼン環部
分が、立ち上がった構造をとる。この相互の立体障害の
ためにスチルベン誘導体の分子凝集は、ゆるくなり、乱
れた膜構造となり物質がその乱れた膜構造部分を通過し
易くなるので、スチルベン誘導体の膜の物質透過性が高
くなる。すなわち、光異性化物質14の単分子膜は物質
透過に関し開状態に切り替わる。しかしながら、この状
態でも、芯物質の粘性が高いために、マイクロカプセル
全体としては物質の透過性が低い。なお、この過程にお
いて、ドナー分子15は関与しない。
のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセル
11に照射する。これにより、光異性化物質14が波長
ν1 の成分光を1分子吸収すると、励起されて分子の立
体構造が変化する、すなわちシス状態に異性化する。な
お、例えばスチルベン誘導体の場合、波長ν1 に相当す
る光は、紫外領域にある。このシス状態では、スチルベ
ンは、既に説明したように、トランス状態で2つのベン
ゼン環が存在していた平面に対して2つのベンゼン環部
分が、立ち上がった構造をとる。この相互の立体障害の
ためにスチルベン誘導体の分子凝集は、ゆるくなり、乱
れた膜構造となり物質がその乱れた膜構造部分を通過し
易くなるので、スチルベン誘導体の膜の物質透過性が高
くなる。すなわち、光異性化物質14の単分子膜は物質
透過に関し開状態に切り替わる。しかしながら、この状
態でも、芯物質の粘性が高いために、マイクロカプセル
全体としては物質の透過性が低い。なお、この過程にお
いて、ドナー分子15は関与しない。
【0061】さらにここで、シス状態の光異性化物質の
量をコントロールするために、第2の光源23から光照
射して、一部のマイクロカプセル膜上の光異性化物質1
4をトランス化することもできる。 (c)物質拡散の開始・進行(加熱)(図5)
量をコントロールするために、第2の光源23から光照
射して、一部のマイクロカプセル膜上の光異性化物質1
4をトランス化することもできる。 (c)物質拡散の開始・進行(加熱)(図5)
【0062】次に、マイクロカプセル系を芯物質の粘性
転移温度Tc以上の温度に加熱する。この場合、Tcは
光異性化物質14が元の立体構造に戻る臨界温度よりも
十分に低い必要があり、この点を考慮してマイクロカプ
セル壁13を選定する。
転移温度Tc以上の温度に加熱する。この場合、Tcは
光異性化物質14が元の立体構造に戻る臨界温度よりも
十分に低い必要があり、この点を考慮してマイクロカプ
セル壁13を選定する。
【0063】こうして、加熱によりマイクロカプセル内
相物質の粘性が下がって分子拡散性が高くなり、また既
に光異性化物質14の物質透過性も上記照射により既に
高く(すなわち、開状態)になっている。このため、マ
イクロカプセル内相物質(染料前駆体)12とマイクロ
カプセル外相物質(顕色剤)19とが、マイクロカプセ
ル本体13を形成する高分子の微細な細孔部を通して互
いに拡散し始める。
相物質の粘性が下がって分子拡散性が高くなり、また既
に光異性化物質14の物質透過性も上記照射により既に
高く(すなわち、開状態)になっている。このため、マ
イクロカプセル内相物質(染料前駆体)12とマイクロ
カプセル外相物質(顕色剤)19とが、マイクロカプセ
ル本体13を形成する高分子の微細な細孔部を通して互
いに拡散し始める。
【0064】時間の経過とともに、マイクロカプセル外
相物質である顕色剤19は、マイクロカプセル内相中へ
拡散してゆく。また、マイクロカプセル内相物質である
染料前駆体12も、マイクロカプセル外相中へ拡散して
ゆく。その結果、顕色剤19と染料前駆体12とが化学
反応して色素24を形成し、発色する。なお、マイクロ
カプセル内相物質12とマイクロカプセル外相物質19
それぞれの拡散量、従って発色量は、それぞれの分子の
サイズやマイクロカプセル内外相の浸透圧差等によって
異なるが、両物質の総拡散量(発色濃度)は、拡散時間
tにより制御できる。 (d)物質拡散の停止(冷却)(図6)
相物質である顕色剤19は、マイクロカプセル内相中へ
拡散してゆく。また、マイクロカプセル内相物質である
染料前駆体12も、マイクロカプセル外相中へ拡散して
ゆく。その結果、顕色剤19と染料前駆体12とが化学
反応して色素24を形成し、発色する。なお、マイクロ
カプセル内相物質12とマイクロカプセル外相物質19
それぞれの拡散量、従って発色量は、それぞれの分子の
サイズやマイクロカプセル内外相の浸透圧差等によって
異なるが、両物質の総拡散量(発色濃度)は、拡散時間
tにより制御できる。 (d)物質拡散の停止(冷却)(図6)
【0065】次いで、カプセル系全体を芯物質の粘性転
移温度Tc以下に冷却する。冷却によって、芯物質の粘
性が高くなり、マイクロカプセル内相物質(染料前駆
体)12とマイクロカプセル外相物質(顕著剤)19と
の拡散は停止する。 (e)第2の光(hν2 )の照射(電子リレーによるト
ランス異性化:物質拡散の停止)(図7)
移温度Tc以下に冷却する。冷却によって、芯物質の粘
性が高くなり、マイクロカプセル内相物質(染料前駆
体)12とマイクロカプセル外相物質(顕著剤)19と
の拡散は停止する。 (e)第2の光(hν2 )の照射(電子リレーによるト
ランス異性化:物質拡散の停止)(図7)
【0066】本発明において、上記物質透過情報を消去
するためには、図2に示す第2の光源23から、波長ν
2 のスペクトル成分光を含む第2の光hν2 を照射す
る。
するためには、図2に示す第2の光源23から、波長ν
2 のスペクトル成分光を含む第2の光hν2 を照射す
る。
【0067】一般に、光異性化物質を元の立体分子構造
に戻すためには、上記波長ν1 とは異なる波長の光を吸
収させるか、あるいは特定の温度以上に加熱する必要が
ある。本発明においては、ドナー分子15を励起する波
長の光(hν2 )を照射するものである。上記作製例で
用いたルテニウム錯体の場合、hν2 に相当する光は可
視光領域にある。
に戻すためには、上記波長ν1 とは異なる波長の光を吸
収させるか、あるいは特定の温度以上に加熱する必要が
ある。本発明においては、ドナー分子15を励起する波
長の光(hν2 )を照射するものである。上記作製例で
用いたルテニウム錯体の場合、hν2 に相当する光は可
視光領域にある。
【0068】この第2の光の照射によってドナー分子1
5が一光子吸収して励起状態となると、このドナー分子
15から、アクセプターであるシス−トランス光異性化
物質14へ一電子移動が行なわれる。そして、さらに、
アニオン性静電場の効果によりアクセプター14からド
ナー15への逆電子移動が抑制される結果、一群のシス
状態の光異性化物質14の間での電子の受渡しが順次リ
レー的に行なわれる。このとき、シス状態の光異性化物
質14は電子を一旦受け取るが、次に、隣接するシス状
態の光異性化物質14に電子を渡す(酸化)過程におい
てトランス状態に立体異性を起こす。これは、シス体よ
りもトランス体の方がエネルギー的に安定なためであ
る。最終的に、マイクロカプセル本体13の界面に吸着
された全てのシス状態の光異性化物質14がトランス状
態へ異性化する。
5が一光子吸収して励起状態となると、このドナー分子
15から、アクセプターであるシス−トランス光異性化
物質14へ一電子移動が行なわれる。そして、さらに、
アニオン性静電場の効果によりアクセプター14からド
ナー15への逆電子移動が抑制される結果、一群のシス
状態の光異性化物質14の間での電子の受渡しが順次リ
レー的に行なわれる。このとき、シス状態の光異性化物
質14は電子を一旦受け取るが、次に、隣接するシス状
態の光異性化物質14に電子を渡す(酸化)過程におい
てトランス状態に立体異性を起こす。これは、シス体よ
りもトランス体の方がエネルギー的に安定なためであ
る。最終的に、マイクロカプセル本体13の界面に吸着
された全てのシス状態の光異性化物質14がトランス状
態へ異性化する。
【0069】スチルベン誘導体等の光異性化物質14
は、トランス状態で密に分子凝集するので、光異性化物
質14の分子膜は、緻密な膜構造に戻り、閉状態に切り
替わる。このため、物質透過性は低くなり、染料前駆体
12及び顕色剤19は、マイクロカプセル膜を透過しに
くくなり、物質拡散は完全に停止する。
は、トランス状態で密に分子凝集するので、光異性化物
質14の分子膜は、緻密な膜構造に戻り、閉状態に切り
替わる。このため、物質透過性は低くなり、染料前駆体
12及び顕色剤19は、マイクロカプセル膜を透過しに
くくなり、物質拡散は完全に停止する。
【0070】すなわち、1光子のみの吸収において、マ
イクロカプセル界面に吸着された多数のシス状態の光異
性化物質14が連鎖的にトランス状態へ異性化し、マイ
クロカプセル膜の物質透過性が減少して物質拡散が停止
することになる。従って、きわめて高感度の光応答性が
得られるものである。この場合のシス−トランス光異性
化の量子収率は、マイクロカプセル上の光異性化物質1
4の吸着数で与えられるから、マイクロカプセル本体1
3を構成する高分子電解質のアニオンサイト数と比例関
係があり、大きな重合度の高分子電解質を用いれば、高
い量子収率を得ることができる。このように、光異性化
物質14の分子膜は、光照射された光に応答して開閉状
態が切り替わり、物質透過に対するバルブの役割をな
す。
イクロカプセル界面に吸着された多数のシス状態の光異
性化物質14が連鎖的にトランス状態へ異性化し、マイ
クロカプセル膜の物質透過性が減少して物質拡散が停止
することになる。従って、きわめて高感度の光応答性が
得られるものである。この場合のシス−トランス光異性
化の量子収率は、マイクロカプセル上の光異性化物質1
4の吸着数で与えられるから、マイクロカプセル本体1
3を構成する高分子電解質のアニオンサイト数と比例関
係があり、大きな重合度の高分子電解質を用いれば、高
い量子収率を得ることができる。このように、光異性化
物質14の分子膜は、光照射された光に応答して開閉状
態が切り替わり、物質透過に対するバルブの役割をな
す。
【0071】なお、本発明において、シス−トランス異
性化は、ドナー色素分子によって分光増感されているの
で、励起波長が異なるドナー色素分子を用いることによ
り、光応答波長を容易に変えることができるという利点
もある。 (II)マイクロカプセル含有溶液系全体の物質拡散光
制御方法について(図8): (a)初期状態(図8のST1)
性化は、ドナー色素分子によって分光増感されているの
で、励起波長が異なるドナー色素分子を用いることによ
り、光応答波長を容易に変えることができるという利点
もある。 (II)マイクロカプセル含有溶液系全体の物質拡散光
制御方法について(図8): (a)初期状態(図8のST1)
【0072】上記(I)(a)に述べたように、熱的に
安定な初期状態では、マイクロカプセル11の物質透過
性は低い。従って、マイクロカプセル内相物質(染料前
駆体)12はマイクロカプセル外相へ拡散せず、また、
マイクロカプセル外相物質(顕色剤)19もマイクロカ
プセル内相へ拡散しない。従って、溶液系の色変化は生
じない。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図8
のST2)
安定な初期状態では、マイクロカプセル11の物質透過
性は低い。従って、マイクロカプセル内相物質(染料前
駆体)12はマイクロカプセル外相へ拡散せず、また、
マイクロカプセル外相物質(顕色剤)19もマイクロカ
プセル内相へ拡散しない。従って、溶液系の色変化は生
じない。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図8
のST2)
【0073】図2に示す第1の光源22から、波長ν1
のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセル
11に照射することにより、全ての光異性化物質を励起
してシス状態に異性化させ、光異性化物質の分子膜を開
状態に切り換える。しかしながら、上記(I)(b)に
述べたように、マイクロカプセル11全体としては、物
質透過性は低いので、マイクロカプセル内相物質(染料
前駆体)12はマイクロカプセル外相へ拡散せず、ま
た、マイクロカプセル外相物質(顕色剤)19もマイク
ロカプセル内相へ拡散しない。従って、この状態でも溶
液系の色変化は生じない。 (c)第2の光(hν2 )の照射(電子リレーによるト
ランス異性化)(図8のST3)
のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセル
11に照射することにより、全ての光異性化物質を励起
してシス状態に異性化させ、光異性化物質の分子膜を開
状態に切り換える。しかしながら、上記(I)(b)に
述べたように、マイクロカプセル11全体としては、物
質透過性は低いので、マイクロカプセル内相物質(染料
前駆体)12はマイクロカプセル外相へ拡散せず、ま
た、マイクロカプセル外相物質(顕色剤)19もマイク
ロカプセル内相へ拡散しない。従って、この状態でも溶
液系の色変化は生じない。 (c)第2の光(hν2 )の照射(電子リレーによるト
ランス異性化)(図8のST3)
【0074】図2に示す第2の光源23から、波長ν2
のスペクトル成分光を含む第2の光hν2 をその強度を
制御しながらマイクロカプセル11に照射する。図8に
は、照射強度の異なる2つの例を示してある(図中、系
統a(上段)は光の照射強度の高い場合を、系統b(下
段)は光の照射強度の低い場合を示す)。
のスペクトル成分光を含む第2の光hν2 をその強度を
制御しながらマイクロカプセル11に照射する。図8に
は、照射強度の異なる2つの例を示してある(図中、系
統a(上段)は光の照射強度の高い場合を、系統b(下
段)は光の照射強度の低い場合を示す)。
【0075】ドナー分子は、その固有の吸光率で光を吸
収し、光励起されるので、充分に短い光照射時間では全
てのマイクロカプセル11におけるドナー分子が励起状
態になるものではない。ドナー分子が励起されたマイク
ロカプセル11では、シス状態の光異性化物質全てが電
子リレー反応によってトランス異性化し、光異性化物質
の分子膜は閉状態に切り替わる。ドナー分子が励起され
なかったマイクロカプセル11では、光異性化物質は、
シス状態のままであり、光異性化物質の分子膜は開状態
のままである。トランス異性化したマイクロカプセル1
1の量は、照射強度の高い(系統a)方が、照射強度の
低い場合(系統b)よりも多い。このように、光の照射
強度を制御することにより溶液中のトランス異性化する
マイクロカプセルの量を制御できる。なお、この過程
は、電子リレー反応に基づくものであるので、きわめて
高感度の光応答性が得られる。 (d)物質拡散の開始・進行(図8のST4)
収し、光励起されるので、充分に短い光照射時間では全
てのマイクロカプセル11におけるドナー分子が励起状
態になるものではない。ドナー分子が励起されたマイク
ロカプセル11では、シス状態の光異性化物質全てが電
子リレー反応によってトランス異性化し、光異性化物質
の分子膜は閉状態に切り替わる。ドナー分子が励起され
なかったマイクロカプセル11では、光異性化物質は、
シス状態のままであり、光異性化物質の分子膜は開状態
のままである。トランス異性化したマイクロカプセル1
1の量は、照射強度の高い(系統a)方が、照射強度の
低い場合(系統b)よりも多い。このように、光の照射
強度を制御することにより溶液中のトランス異性化する
マイクロカプセルの量を制御できる。なお、この過程
は、電子リレー反応に基づくものであるので、きわめて
高感度の光応答性が得られる。 (d)物質拡散の開始・進行(図8のST4)
【0076】次に、上記I(c)に述べたように、マイ
クロカプセル系を芯物質の粘性転移温度Tc以上の温度
に加熱して、マイクロカプセル内相物質の粘度を低下さ
せる。
クロカプセル系を芯物質の粘性転移温度Tc以上の温度
に加熱して、マイクロカプセル内相物質の粘度を低下さ
せる。
【0077】このとき、光異性化物質がトランス状態に
異性化しているマイクロカプセルにあっては、マイクロ
カプセル全体としては物質の透過性が低い状態にあるの
で、物質の膜透過拡散を生じさせず、従って、溶液系の
色変化には関与しない。他方、光異性化物質がシス状態
のままにあるマイクロカプセルでは、マイクロカプセル
膜の物質透過性が高くなるので、染料前駆体12と顕色
剤19とがマイクロカプセル膜を透過して相互に拡散し
始める。その結果、染料前駆体12と顕色剤19とが化
学反応して色素24を生成し、発色する。
異性化しているマイクロカプセルにあっては、マイクロ
カプセル全体としては物質の透過性が低い状態にあるの
で、物質の膜透過拡散を生じさせず、従って、溶液系の
色変化には関与しない。他方、光異性化物質がシス状態
のままにあるマイクロカプセルでは、マイクロカプセル
膜の物質透過性が高くなるので、染料前駆体12と顕色
剤19とがマイクロカプセル膜を透過して相互に拡散し
始める。その結果、染料前駆体12と顕色剤19とが化
学反応して色素24を生成し、発色する。
【0078】かくして、II(c)の段階でトランス異
性化しなかったマイクロカプセル11の量に従って色素
の生成量が定まることとなる。また、色素24の生成量
は、時間の経過とともに増加し、発色濃度も高まるの
で、溶液系の発色濃度は、拡散時間tによっても制御す
ることができる。 (e)物質拡散の停止(図8のST5) 加熱を停止し、マイクロカプセル系の温度が芯物質の粘
性転移温度Tc未満になると、マイクロカプセル内相物
質の粘性がもとの高さに戻る。その結果、マイクロカプ
セルの物質透過性が低下し、溶液系の色変化は停止す
る。 (f)潜在的膜透過情報の消去(図8のST6) 図2に示す第2の光源23から、波長ν2 のスペクトル
成分光を含む第2の光hν2 を充分な強度で、または充
分な時間照射する。
性化しなかったマイクロカプセル11の量に従って色素
の生成量が定まることとなる。また、色素24の生成量
は、時間の経過とともに増加し、発色濃度も高まるの
で、溶液系の発色濃度は、拡散時間tによっても制御す
ることができる。 (e)物質拡散の停止(図8のST5) 加熱を停止し、マイクロカプセル系の温度が芯物質の粘
性転移温度Tc未満になると、マイクロカプセル内相物
質の粘性がもとの高さに戻る。その結果、マイクロカプ
セルの物質透過性が低下し、溶液系の色変化は停止す
る。 (f)潜在的膜透過情報の消去(図8のST6) 図2に示す第2の光源23から、波長ν2 のスペクトル
成分光を含む第2の光hν2 を充分な強度で、または充
分な時間照射する。
【0079】すると、全てのドナー分子が励起して、全
てのマイクロカプセルの全ての光異性化物質が電子リレ
ー反応によりトランス異性化し、光異性化物質の分子膜
は閉状態に切り替わる。その後は、再びマイクロカプセ
ル系をTc以上の温度に加熱してもマイクロカプセル内
相物質の粘度が高いため、拡散による発色反応は生じな
い。すなわち、各々のマイクロカプセルに潜在的に記録
された発色に関する情報が消去されることとなる。
てのマイクロカプセルの全ての光異性化物質が電子リレ
ー反応によりトランス異性化し、光異性化物質の分子膜
は閉状態に切り替わる。その後は、再びマイクロカプセ
ル系をTc以上の温度に加熱してもマイクロカプセル内
相物質の粘度が高いため、拡散による発色反応は生じな
い。すなわち、各々のマイクロカプセルに潜在的に記録
された発色に関する情報が消去されることとなる。
【0080】以上述べたように、第1の実施例によれ
ば、光異性化物質14は、マイクロカプセル本体13の
界面を分子膜状に実質的に覆って存在し、しかもトラン
ス異性化に電子リレーを利用しているのでマイクロカプ
セルの感度も非常に高い。 <第2の実施例>
ば、光異性化物質14は、マイクロカプセル本体13の
界面を分子膜状に実質的に覆って存在し、しかもトラン
ス異性化に電子リレーを利用しているのでマイクロカプ
セルの感度も非常に高い。 <第2の実施例>
【0081】図9に、本発明の第2の実施例による光応
答性マイクロカプセル含有物を模式的に示す。この第2
の実施例による光応答性マイクロカプセルは、高分子電
解質膜からなるマイクロカプセル本体13の内周面に、
光異性化物質14およびドナー15を吸着させた以外
は、実施例1による光応答性マイクロカプセルと同様で
ある。この第2の実施例によるマイクロカプセル含有物
は、第1の実施例におけるマイクロカプセル含有物を製
造する際の芯物質溶液に、予め光異性化物質14とドナ
ー分子15とを加えて乳化する以外は、第1の実施例と
同様にして製造することができる。以下に、本実施例の
マイクロカプセル含有物の作成例を記載する。
答性マイクロカプセル含有物を模式的に示す。この第2
の実施例による光応答性マイクロカプセルは、高分子電
解質膜からなるマイクロカプセル本体13の内周面に、
光異性化物質14およびドナー15を吸着させた以外
は、実施例1による光応答性マイクロカプセルと同様で
ある。この第2の実施例によるマイクロカプセル含有物
は、第1の実施例におけるマイクロカプセル含有物を製
造する際の芯物質溶液に、予め光異性化物質14とドナ
ー分子15とを加えて乳化する以外は、第1の実施例と
同様にして製造することができる。以下に、本実施例の
マイクロカプセル含有物の作成例を記載する。
【0082】まず、第1のターゲットである染料前駆体
としてのクリスタルバイオレットラクトンをエタノール
/水/ジホルムアミドの混合溶媒に溶かし、0.3Mの
溶液10ccを調製する。この溶液に、ナイロン又はポ
リプロピレンを補助的物質として少量加え、粘度を調整
し、さらに、カチオン性光異性化物質としてのN−メチ
ル−4−(β−スチリル)ピリジニウム クロライド
15μmolと、ドナー分子としてトリス(2,2−ビ
ピリジン)ルテニウム ジクロライド 0.1μmol
とを溶かす。この溶液をベンゼン30cc中に投入し、
攪拌又は超音波照射などの方法で乳化した後、自然冷却
して、光異性化物質とドナー分子とを含む芯物質溶液が
得られる。
としてのクリスタルバイオレットラクトンをエタノール
/水/ジホルムアミドの混合溶媒に溶かし、0.3Mの
溶液10ccを調製する。この溶液に、ナイロン又はポ
リプロピレンを補助的物質として少量加え、粘度を調整
し、さらに、カチオン性光異性化物質としてのN−メチ
ル−4−(β−スチリル)ピリジニウム クロライド
15μmolと、ドナー分子としてトリス(2,2−ビ
ピリジン)ルテニウム ジクロライド 0.1μmol
とを溶かす。この溶液をベンゼン30cc中に投入し、
攪拌又は超音波照射などの方法で乳化した後、自然冷却
して、光異性化物質とドナー分子とを含む芯物質溶液が
得られる。
【0083】次いで、マイクロカプセル壁モノマーとし
て、アクリル酸5gを使用し、このモノマーをベンセン
30cc中に溶かす。さらに、重合開始剤としてアゾビ
ス(イソブチロニトリル)を加え、60℃に加熱して5
時間程度保つことにより、ポリアクリル酸を含む溶液が
得られる。
て、アクリル酸5gを使用し、このモノマーをベンセン
30cc中に溶かす。さらに、重合開始剤としてアゾビ
ス(イソブチロニトリル)を加え、60℃に加熱して5
時間程度保つことにより、ポリアクリル酸を含む溶液が
得られる。
【0084】芯物質溶液にポリアクリル酸溶液を加えて
攪拌し、次にポリアクリル酸の貧溶媒であるヘキサン5
0ccをゆっくり加える。その結果、コアセルベーショ
ンによってポリアクリル酸が芯物質を包み、その表面に
沈殿してポリアクリル酸からなるマイクロカプセル壁が
形成される。生成したマイクロカプセル膜の内周面に
は、カチオン性光異性化物質とドナー分子とが吸着され
る。生成したマイクロカプセルをエタノールでよく洗浄
した後、水に溶媒置換する。
攪拌し、次にポリアクリル酸の貧溶媒であるヘキサン5
0ccをゆっくり加える。その結果、コアセルベーショ
ンによってポリアクリル酸が芯物質を包み、その表面に
沈殿してポリアクリル酸からなるマイクロカプセル壁が
形成される。生成したマイクロカプセル膜の内周面に
は、カチオン性光異性化物質とドナー分子とが吸着され
る。生成したマイクロカプセルをエタノールでよく洗浄
した後、水に溶媒置換する。
【0085】最後に、マイクロカプセル外相に配すべき
第2のターゲットである顕色剤としての酢酸をこの溶液
中に添加する。こうして、本発明の第2の実施例による
マイクロカプセル含有物が得られる。本実施例のマイク
ロカプセル単体およびマイクロカプセル含有物の動作
は、実施例1の場合と同様である。 <第3の実施例>
第2のターゲットである顕色剤としての酢酸をこの溶液
中に添加する。こうして、本発明の第2の実施例による
マイクロカプセル含有物が得られる。本実施例のマイク
ロカプセル単体およびマイクロカプセル含有物の動作
は、実施例1の場合と同様である。 <第3の実施例>
【0086】この実施例は、光に応答する波長がそれぞ
れ異なる複数種の電子リレーマイクロカプセルを用いた
応用例である。マイクロカプセルのタイプとしては、第
1または第2の実施例で示したマイクロカプセルのいず
れをも使用できる。図10は、第3の実施例によるマイ
クロカプセル含有物をその物質拡散制御光学系とともに
示す模式図である。
れ異なる複数種の電子リレーマイクロカプセルを用いた
応用例である。マイクロカプセルのタイプとしては、第
1または第2の実施例で示したマイクロカプセルのいず
れをも使用できる。図10は、第3の実施例によるマイ
クロカプセル含有物をその物質拡散制御光学系とともに
示す模式図である。
【0087】図10に示すように、このマイクロカプセ
ル含有物は、応答波長が異なる複数種の光応答性電子リ
レーマイクロカプセルを含有する。図10では、3種類
のマイクロカプセル31a、31b、31cを示してあ
り、簡便のため、各種1個ずつを示している。
ル含有物は、応答波長が異なる複数種の光応答性電子リ
レーマイクロカプセルを含有する。図10では、3種類
のマイクロカプセル31a、31b、31cを示してあ
り、簡便のため、各種1個ずつを示している。
【0088】このような応答波長の異なる電子リレーマ
イクロカプセルは、それぞれ励起波長が異なるドナー分
子を用いることによって作製できる。各電子リレーマイ
クロカプセルの内相には、それぞれ異なるターゲット物
質、例えばそれぞれ異なる発色能を有する染料前駆体3
2a、32bおよび32cが、粘度を調整する補助的物
質(図示せず)とともに、溶媒38に溶解されている。
マイクロカプセル外相のターゲット物質33は、1種類
の顕色剤であり、溶媒34に溶解されている。
イクロカプセルは、それぞれ励起波長が異なるドナー分
子を用いることによって作製できる。各電子リレーマイ
クロカプセルの内相には、それぞれ異なるターゲット物
質、例えばそれぞれ異なる発色能を有する染料前駆体3
2a、32bおよび32cが、粘度を調整する補助的物
質(図示せず)とともに、溶媒38に溶解されている。
マイクロカプセル外相のターゲット物質33は、1種類
の顕色剤であり、溶媒34に溶解されている。
【0089】このような光応答性マイクロカプセル含有
物のマイクロカプセル膜の物質透過性を制御するための
光源装置が、マイクロカプセル含有物の外部に配設され
ている。この光源装置は、第1の光源(紫外光源)35
と、電子リレーマイクロカプセル31a、31bおよび
31cのドナーのそれぞれの励起波長に対応した波長の
光を有する単色光源36a、36bおよび36cからな
る第3の光源(可視光源)36とを含む。電子リレーマ
イクロカプセル31a〜31cの各ドナーの励起波長を
それぞれν2a、ν2bおよびν2cで示す。さて、次に、以
上の構成のマイクロカプセル含有物の物質拡散光制御方
法を図11を参照して説明する。 (a)初期状態(図11のST1)
物のマイクロカプセル膜の物質透過性を制御するための
光源装置が、マイクロカプセル含有物の外部に配設され
ている。この光源装置は、第1の光源(紫外光源)35
と、電子リレーマイクロカプセル31a、31bおよび
31cのドナーのそれぞれの励起波長に対応した波長の
光を有する単色光源36a、36bおよび36cからな
る第3の光源(可視光源)36とを含む。電子リレーマ
イクロカプセル31a〜31cの各ドナーの励起波長を
それぞれν2a、ν2bおよびν2cで示す。さて、次に、以
上の構成のマイクロカプセル含有物の物質拡散光制御方
法を図11を参照して説明する。 (a)初期状態(図11のST1)
【0090】熱的に安定な初期状態では、マイクロカプ
セル膜の物質透過性は低く、マイクロカプセル内相の染
料前駆体32a〜32cとマイクロカプセル外相の顕色
剤33とは、各マイクロカプセル膜31a、31bおよ
び31cにより隔離されているので、溶液系の色変化は
生じない。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図1
1のST2)
セル膜の物質透過性は低く、マイクロカプセル内相の染
料前駆体32a〜32cとマイクロカプセル外相の顕色
剤33とは、各マイクロカプセル膜31a、31bおよ
び31cにより隔離されているので、溶液系の色変化は
生じない。 (b)第1の光(hν1 )の照射(シス異性化)(図1
1のST2)
【0091】図10に示す第1の光源35から、波長ν
1 のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセ
ル31a〜31c全体に照射して、全てのマイクロカプ
セル31a〜31cの全ての光異性化物質を励起しシス
状態に異性化させる(すなわち、光異性化物質からなる
光応答性バルブ膜をすべて開状態に切り換える)。しか
しながら、マイクロカプセル31a〜31c全体として
は、なお物質透過性は低いので、マイクロカプセル内相
物質(染料前駆体)32a〜32cはマイクロカプセル
外相へ拡散せず、またマイクロカプセル外相物質(顕色
剤)33もマイクロカプセル内相へ拡散しない。従っ
て、溶液系の色変化は依然生じない。なお、この過程に
おいては、ドナー分子は関与しない。 (c)第2の光(hν2a、hν2b、hν2c)の照射(電
子リレーによるトランス異性化)(図11のST3)
1 のスペクトル成分光を含む光hν1 をマイクロカプセ
ル31a〜31c全体に照射して、全てのマイクロカプ
セル31a〜31cの全ての光異性化物質を励起しシス
状態に異性化させる(すなわち、光異性化物質からなる
光応答性バルブ膜をすべて開状態に切り換える)。しか
しながら、マイクロカプセル31a〜31c全体として
は、なお物質透過性は低いので、マイクロカプセル内相
物質(染料前駆体)32a〜32cはマイクロカプセル
外相へ拡散せず、またマイクロカプセル外相物質(顕色
剤)33もマイクロカプセル内相へ拡散しない。従っ
て、溶液系の色変化は依然生じない。なお、この過程に
おいては、ドナー分子は関与しない。 (c)第2の光(hν2a、hν2b、hν2c)の照射(電
子リレーによるトランス異性化)(図11のST3)
【0092】図10に示す第2の光源36a〜36cか
ら、波長ν2a〜ν2cの光hν2a〜hν2cをその強度を制
御しながらそれぞれ独立にマイクロカプセル31a〜3
1cに照射する。各ドナー分子は、その固有の波長依存
性のある吸光率で光を吸収し、光励起されるので、溶液
中のトランス異性化するマイクロカプセルの種類と量を
照射する励起光の強度により制御することができる。
ら、波長ν2a〜ν2cの光hν2a〜hν2cをその強度を制
御しながらそれぞれ独立にマイクロカプセル31a〜3
1cに照射する。各ドナー分子は、その固有の波長依存
性のある吸光率で光を吸収し、光励起されるので、溶液
中のトランス異性化するマイクロカプセルの種類と量を
照射する励起光の強度により制御することができる。
【0093】簡便のため、光hν2aのみを照射する場合
を例にとって説明すると、充分に短い光照射時間では全
てのマイクロカプセル31aのドナー分子が励起状態に
なるものではない。すなわち、固有の吸光率に支配さ
れ、ドナー分子が光hν2aを吸収して励起されたマイク
ロカプセル31aでは、シス状態の光異性化物質の分子
全てが電子リレーによってトランス異性化する(すなわ
ち、光応答性バルブ膜が閉状態に切り替わる)が、ドナ
ー分子が励起されなかったマイクロカプセル31aで
は、光異性化物質はシス状態(光応答性バルブ膜が開状
態)のままである。いうまでもなく、励起波長の異なる
ドナーを有するマイクロカプセル31bおよび31cで
は、光異性化物質はシス状態(光応答性バルブ膜が開状
態)のままである。このように、照射する励起光の波長
の選択と光の照射強度の制御により溶液中のトランス異
性化するマイクロカプセルの種類と量を制御できる。こ
のことは、波長ν2bの光hν2bのみ、および波長ν2cの
光hν2cのみを照射した場合でも同じである。
を例にとって説明すると、充分に短い光照射時間では全
てのマイクロカプセル31aのドナー分子が励起状態に
なるものではない。すなわち、固有の吸光率に支配さ
れ、ドナー分子が光hν2aを吸収して励起されたマイク
ロカプセル31aでは、シス状態の光異性化物質の分子
全てが電子リレーによってトランス異性化する(すなわ
ち、光応答性バルブ膜が閉状態に切り替わる)が、ドナ
ー分子が励起されなかったマイクロカプセル31aで
は、光異性化物質はシス状態(光応答性バルブ膜が開状
態)のままである。いうまでもなく、励起波長の異なる
ドナーを有するマイクロカプセル31bおよび31cで
は、光異性化物質はシス状態(光応答性バルブ膜が開状
態)のままである。このように、照射する励起光の波長
の選択と光の照射強度の制御により溶液中のトランス異
性化するマイクロカプセルの種類と量を制御できる。こ
のことは、波長ν2bの光hν2bのみ、および波長ν2cの
光hν2cのみを照射した場合でも同じである。
【0094】すなわち、波長ν2a〜ν2cの光の選択と照
射強度により、溶液中のトランス異性化するマイクロカ
プセルの種類と量をそれぞれ独立に制御することができ
るのである。なお、この過程は、電子リレー反応に基づ
くものであるので、きわめて高感度の光応答性が得られ
る。 (d)物質拡散の開始・進行(図11のST4) 次に、マイクロカプセル系を芯物質の粘性転移温度Tc
以上の温度に加熱して、マイクロカプセル内相物質の粘
度を低下させる。
射強度により、溶液中のトランス異性化するマイクロカ
プセルの種類と量をそれぞれ独立に制御することができ
るのである。なお、この過程は、電子リレー反応に基づ
くものであるので、きわめて高感度の光応答性が得られ
る。 (d)物質拡散の開始・進行(図11のST4) 次に、マイクロカプセル系を芯物質の粘性転移温度Tc
以上の温度に加熱して、マイクロカプセル内相物質の粘
度を低下させる。
【0095】このとき、光異性化物質がトランス異性化
しているマイクロカプセル31a〜31cにあっては、
マイクロカプセル膜全体としては物質の透過性が低い状
態にあるので、溶液系の色変化には関与しない。他方、
光異性化物質がシス状態のままにあるマイクロカプセル
31a〜31cでは、マイクロカプセル膜の物質透過性
が高くなるので、顕色剤33と染料前駆体32a〜32
cがマイクロカプセル膜を透過して相互に拡散し始め、
両者が反応して色素37a〜37cを生成し、発色す
る。
しているマイクロカプセル31a〜31cにあっては、
マイクロカプセル膜全体としては物質の透過性が低い状
態にあるので、溶液系の色変化には関与しない。他方、
光異性化物質がシス状態のままにあるマイクロカプセル
31a〜31cでは、マイクロカプセル膜の物質透過性
が高くなるので、顕色剤33と染料前駆体32a〜32
cがマイクロカプセル膜を透過して相互に拡散し始め、
両者が反応して色素37a〜37cを生成し、発色す
る。
【0096】従って、上記第2の光照射の段階で定まっ
たトランス異性化したマイクロカプセルの種類と量に支
配されて、染料前駆体32a〜32cと顕色剤33との
反応が進行し、それぞれに固有の色を有する色素37a
〜37cを生成することとなる。
たトランス異性化したマイクロカプセルの種類と量に支
配されて、染料前駆体32a〜32cと顕色剤33との
反応が進行し、それぞれに固有の色を有する色素37a
〜37cを生成することとなる。
【0097】すなわち、上記第2の光照射の段階でトラ
ンス異性化しなかったマイクロカプセル31a〜31c
の種類と量に支配されて、染料前駆体による色素の生成
量が決まることとなるのである。また、色素37a〜3
7cの生成量は、時間の経過とともに増加し、発色濃度
も高まるので、溶液系の発色濃度は、拡散時間によって
も制御することができる。 (e)物質拡散の停止(図11のST5) 加熱を停止し、マイクロカプセル系の温度が芯物質の粘
性転移温度Tc未満になると、マイクロカプセル内相の
粘度が高くなる。その結果、マイクロカプセル膜の物質
透過性が低下し、溶液系の色変化は停止する。 (f)第2の光(ν2a、ν2b、ν2c)の充分な照射(潜
在的膜透過情報の消去)(図11のST6)
ンス異性化しなかったマイクロカプセル31a〜31c
の種類と量に支配されて、染料前駆体による色素の生成
量が決まることとなるのである。また、色素37a〜3
7cの生成量は、時間の経過とともに増加し、発色濃度
も高まるので、溶液系の発色濃度は、拡散時間によって
も制御することができる。 (e)物質拡散の停止(図11のST5) 加熱を停止し、マイクロカプセル系の温度が芯物質の粘
性転移温度Tc未満になると、マイクロカプセル内相の
粘度が高くなる。その結果、マイクロカプセル膜の物質
透過性が低下し、溶液系の色変化は停止する。 (f)第2の光(ν2a、ν2b、ν2c)の充分な照射(潜
在的膜透過情報の消去)(図11のST6)
【0098】図10に示す第2の光源36から、波長ν
2a、ν2b、ν2cの光を充分な強度でまたは充分な時間照
射することによって全てのマイクロカプセル31a〜3
1cのドナー分子を励起し、それにより全てのマイクロ
カプセル31a〜31cの全ての光異性化物質を電子リ
レー反応によりトランス異性化させる(すなわち、光応
答性バルブ膜が閉状態に切り替わる)。この後は、再び
マイクロカプセル溶液をTc以上の温度に加熱してもマ
イクロカプセル膜の物質透過性が低くなっているため、
拡散による発色反応は生じない。すなわち、各々のマイ
クロカプセル31a〜31cに潜在的に記録された発色
に関する情報が消去されることとなる。
2a、ν2b、ν2cの光を充分な強度でまたは充分な時間照
射することによって全てのマイクロカプセル31a〜3
1cのドナー分子を励起し、それにより全てのマイクロ
カプセル31a〜31cの全ての光異性化物質を電子リ
レー反応によりトランス異性化させる(すなわち、光応
答性バルブ膜が閉状態に切り替わる)。この後は、再び
マイクロカプセル溶液をTc以上の温度に加熱してもマ
イクロカプセル膜の物質透過性が低くなっているため、
拡散による発色反応は生じない。すなわち、各々のマイ
クロカプセル31a〜31cに潜在的に記録された発色
に関する情報が消去されることとなる。
【0099】以上述べた第3の実施例の構成によれば、
波長ν2a、ν2b、ν2cの光により電子リレーマイクロカ
プセルによる発色反応のスイッチングをそれぞれ独立に
制御できる。従って、波長ν2a、ν2b、ν2cの光を同時
に照射してもよい。以上のようにして、例えば上述の3
種の染料前駆体を3原色としてそれぞれ拡散制御するこ
とにより、各種の色変化を制御することができる。
波長ν2a、ν2b、ν2cの光により電子リレーマイクロカ
プセルによる発色反応のスイッチングをそれぞれ独立に
制御できる。従って、波長ν2a、ν2b、ν2cの光を同時
に照射してもよい。以上のようにして、例えば上述の3
種の染料前駆体を3原色としてそれぞれ拡散制御するこ
とにより、各種の色変化を制御することができる。
【0100】以上本発明を具体的な実施例に関して説明
したが、本発明はそれらに限定されるものではない。例
えば、第3の実施例では、マイクロカプセル内相に染料
前駆体を、マイクロカプセル外相に顕色剤を配したが、
マイクロカプセル外相に染料前駆体を、マイクロカプセ
ル内相に顕色剤を配した構成でも同様の効果を得ること
ができる。また、上記各実施例では、マイクロカプセル
内外相に配するターゲット物質として相互に化学反応し
て発色する物質を用いているが、マイクロカプセル内外
相に配する物質としては、これに限らず、相互に拡散
し、反応する種々の物質を用いることができる。
したが、本発明はそれらに限定されるものではない。例
えば、第3の実施例では、マイクロカプセル内相に染料
前駆体を、マイクロカプセル外相に顕色剤を配したが、
マイクロカプセル外相に染料前駆体を、マイクロカプセ
ル内相に顕色剤を配した構成でも同様の効果を得ること
ができる。また、上記各実施例では、マイクロカプセル
内外相に配するターゲット物質として相互に化学反応し
て発色する物質を用いているが、マイクロカプセル内外
相に配する物質としては、これに限らず、相互に拡散
し、反応する種々の物質を用いることができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、高分子膜のイオン性界
面の静電場においてドナー分子からの一電子移動がトリ
ガーとなって隣接する一群のアクセプター分子の間で電
子リレーによる連鎖的トランス異性化が生じることを利
用し、特定波長の光照射によって、マイクロカプセル界
面に吸着された光異性化物質の分子薄膜の膜透過性の変
化(開閉状態の切り換え)を生起させてマイクロカプセ
ル内相物質と外相物質の相互拡散を制御するようにした
ので、マイクロカプセル膜を透過するターゲット物質の
拡散量を特定波長の光照射により精密に制御できるとい
う高感度の系(光応答性マイクロカプセル含有物)が得
られる。なお、このような本発明の光応答性マイクロカ
プセル含有物は、例えば、記録装置、表示装置、センサ
ー等に適用できる。
面の静電場においてドナー分子からの一電子移動がトリ
ガーとなって隣接する一群のアクセプター分子の間で電
子リレーによる連鎖的トランス異性化が生じることを利
用し、特定波長の光照射によって、マイクロカプセル界
面に吸着された光異性化物質の分子薄膜の膜透過性の変
化(開閉状態の切り換え)を生起させてマイクロカプセ
ル内相物質と外相物質の相互拡散を制御するようにした
ので、マイクロカプセル膜を透過するターゲット物質の
拡散量を特定波長の光照射により精密に制御できるとい
う高感度の系(光応答性マイクロカプセル含有物)が得
られる。なお、このような本発明の光応答性マイクロカ
プセル含有物は、例えば、記録装置、表示装置、センサ
ー等に適用できる。
【図1】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物を示す模式図。
カプセル含有物を示す模式図。
【図2】上記第1の実施例による光応答性マイクロカプ
セル含有物をその物質拡散制御光学系とともに示す模式
図。
セル含有物をその物質拡散制御光学系とともに示す模式
図。
【図3】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
【図4】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
【図5】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
【図6】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
【図7】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
カプセル含有物の基本動作を示す段階説明図。
【図8】本発明の第1の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物の物質拡散光制御方法を工程順に示す説
明図。
カプセル含有物の物質拡散光制御方法を工程順に示す説
明図。
【図9】本発明の第2の実施例による光応答性マイクロ
カプセル含有物を示す模式図。
カプセル含有物を示す模式図。
【図10】本発明の第3の実施例による光応答性マイク
ロカプセル含有物を示す模式図。
ロカプセル含有物を示す模式図。
【図11】本発明の第3の実施例による光応答性マイク
ロカプセル含有物の物質拡散光制御方法を工程順に示す
説明図。
ロカプセル含有物の物質拡散光制御方法を工程順に示す
説明図。
【図12】二分子累積膜を細孔部に埋め込んだマイクロ
カプセルを示す模式図。
カプセルを示す模式図。
【図13】図12に示したマイクロカプセルの細孔部を
示す部分拡大図。
示す部分拡大図。
【図14】電子リレー現象を示す模式図。
【図15】スチルベンのシス−トランス異性を示す図。
10…容器,11…マイクロカプセル,12…ターゲッ
ト物質 13…マイクロカプセル本体,14…光異性化物質,1
5…ドナー 16…マイクロカプセル膜,17…補助的物質,18…
内相溶媒 19…ターゲット物質,20…補助的物質,21…外相
溶媒 22…第1の光源,23…第2の光源,24…生成色素 31a,31b,31c…マイクロカプセル 32a,32b,32c…ターゲット物質 33…ターゲット物質,34…外相溶媒,35…第1の
光源 36a,36b,36c…第2の光源,37a,37
b,37c…生成色素 38…内相溶媒,40…マイクロカプセル,41…マイ
クロカプセル壁 42…細孔部,44…二分子膜,45…光異性化物質,
46…内相物質 47…外相物質。
ト物質 13…マイクロカプセル本体,14…光異性化物質,1
5…ドナー 16…マイクロカプセル膜,17…補助的物質,18…
内相溶媒 19…ターゲット物質,20…補助的物質,21…外相
溶媒 22…第1の光源,23…第2の光源,24…生成色素 31a,31b,31c…マイクロカプセル 32a,32b,32c…ターゲット物質 33…ターゲット物質,34…外相溶媒,35…第1の
光源 36a,36b,36c…第2の光源,37a,37
b,37c…生成色素 38…内相溶媒,40…マイクロカプセル,41…マイ
クロカプセル壁 42…細孔部,44…二分子膜,45…光異性化物質,
46…内相物質 47…外相物質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B01J 13/02 B01J 13/02 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/73 G01J 1/00 G01J 1/50 G01N 21/78 B01J 13/02
Claims (12)
- 【請求項1】 アニオン性高分子電解質膜で形成された
マイクロカプセル本体と、前記高分子電解質膜のアニオ
ン性界面にこれを実質的に覆うように吸着されたシス−
トランス異性化する電子受容性物質からなる光応答性バ
ルブ膜と、該光応答性バルブ膜内に共存して前記アニオ
ン性界面に吸着され、特定波長の励起光の照射によって
電子を放出する電子供与性物質とを包含するマイクロカ
プセルを含有し、 前記マイクロカプセルの内相および外相には、互いに反
応し得るターゲット物質が配され、 前記電子受容性物質は、前記励起光の波長とは異なる波
長の光照射によりトランス体からシス体へ異性化し、こ
れにより該光応答性バルブ膜を密な分子集合状態にある
閉状態から乱れた分子集合状態にある開状態へ切り換
え、かつ少なくとも前記励起光の照射による前記電子供
与性物質と前記電子受容性物質間での連鎖的な電子リレ
ーによってシス体からトランス体へ異性化し、これによ
り該光応答性バルブ膜を前記開状態から前記閉状態へ切
り換え、 前記電子受容性物質のシス−トランス異性化に基づく前
記光応答性バルブ膜の前記開閉状態の切り替えにより前
記高分子電解質膜を通る前記ターゲット物質の透過を増
減させ、内外相の各前記ターゲット物質の相互拡散によ
る化学反応を制御することを特徴とする光応答性マイク
ロカプセル含有物。 - 【請求項2】 前記特定の励起光の波長が互いに異なる
電子供与性物質をそれぞれ備えるとともに、各内相の前
記ターゲット物質がそれぞれ異なる複数種類のマイクロ
カプセルを、同一外相中に含有する請求項1に記載の光
応答性マイクロカプセル含有物。 - 【請求項3】 前記マイクロカプセル内外相の各ターゲ
ット物質の一方が顕色剤であり、他方が染料前駆体であ
る請求項1ないし2のいずれか1項記載の光応答性マイ
クロカプセル含有物。 - 【請求項4】 前記マイクロカプセルの内相または外相
に、温度の上昇によって粘度が急激に低下する物質が配
され、該粘度低下性物質は、その粘度低下温度において
物質透過性が増加する請求項1ないし3のいずれか1項
記載の光応答性マイクロカプセル含有物。 - 【請求項5】 前記電子供与性物質と電子受容性物質と
が吸着される前記マイクロカプセルのアニオン性界面
が、前記高分子電解質膜の外周面である請求項1ないし
4のいずれか1項記載の光応答性マイクロカプセル含有
物。 - 【請求項6】 前記電子供与性物質と電子受容性物質と
が吸着される前記マイクロカプセルのアニオン性界面
が、前記高分子電解質膜の内周面である請求項1ないし
4のいずれか1項記載の光応答性マイクロカプセル含有
物。 - 【請求項7】 アニオン性高分子電解質膜で形成された
マイクロカプセル本体と、前記高分子電解質膜のアニオ
ン性界面にこれを実質的に覆うように吸着されたシス−
トランス異性化する電子受容性物質からなる光応答性バ
ルブ膜と、該光応答性バルブ膜内に共存して前記アニオ
ン性界面に吸着され、特定波長の励起光の照射によって
電子を放出する電子供与性物質とを包含するマイクロカ
プセルを含有し、その内相と外相に互いに反応し得るタ
ーゲット物質が配された光応答性マイクロカプセル含有
物の物質拡散を光制御する方法であって、 前記マイクロカプセル含有物に前記励起光の波長とは異
なる波長の光を照射することによって、前記電子受容性
物質をトランス体からシス体へ異性化させ、これによ
り、前記光応答性バルブ膜を密な分子集合状態にある閉
状態から乱れた分子集合状態にある開状態へ切り換え、 前記マイクロカプセル含有物に少なくとも前記励起光を
照射することによって、前記電子供与性物質と前記電子
受容性物質間で連鎖的な電子リレーを生起させて前記電
子受容性物質をシス体からトランス体へ異性化させ、こ
れにより前記光応答性バルブ膜を開状態から閉状態へ切
り換え、 前記電子受容性物質のシス−トランス異性化に基づく前
記光応答性バルブ膜の開閉の切り替えにより前記高分子
電解質膜を通るターゲット物質の透過を増減させ、内外
相の各前記ターゲット物質の相互拡散による化学反応を
制御することを特徴とする光応答性マイクロカプセル含
有物の物質拡散光制御方法。 - 【請求項8】 マイクロカプセル含有物が、前記特定の
励起光の波長が互いに異なる電子供与性物質をそれぞれ
備えるとともに、各内相のターゲット物質がそれぞれ異
なる複数種類のマイクロカプセルを、同一外相中に含有
する請求項7に記載の物質拡散光制御方法。 - 【請求項9】 前記内外相の各ターゲット物質の一方が
顕色剤であり、他方が染料前駆体である請求項7または
8に記載の物質拡散光制御方法。 - 【請求項10】 前記マイクロカプセルの内相または外
相に、温度の上昇によって粘度が急激に低下する物質が
添加され、これをその粘度低下温度に加熱することによ
り物質透過性を増加させる請求項7ないし9のいずれか
1項記載の物質拡散光制御方法。 - 【請求項11】 前記電子供与性物質と電子受容性物質
とが吸着される前記マイクロカプセルのアニオン性界面
が、前記高分子電解質膜の外周面である請求項7ないし
10のいずれか1項記載の物質拡散光制御方法。 - 【請求項12】 前記電子供与性物質と電子受容性物質
とが吸着される前記マイクロカプセルのアニオン性界面
が、前記高分子電解質膜の内周面である請求項7ないし
10のいずれか1項記載の物質拡散光制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29039592A JP2979164B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 光応答性マイクロカプセル含有物およびその物質拡散光制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29039592A JP2979164B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 光応答性マイクロカプセル含有物およびその物質拡散光制御方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06138578A JPH06138578A (ja) | 1994-05-20 |
| JP2979164B2 true JP2979164B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=17755460
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29039592A Expired - Fee Related JP2979164B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 光応答性マイクロカプセル含有物およびその物質拡散光制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2979164B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-28 JP JP29039592A patent/JP2979164B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06138578A (ja) | 1994-05-20 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |