JP2998367B2 - ディスクブレーキキャリパのリトラクト機構 - Google Patents

ディスクブレーキキャリパのリトラクト機構

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JP2998367B2
JP2998367B2 JP3320466A JP32046691A JP2998367B2 JP 2998367 B2 JP2998367 B2 JP 2998367B2 JP 3320466 A JP3320466 A JP 3320466A JP 32046691 A JP32046691 A JP 32046691A JP 2998367 B2 JP2998367 B2 JP 2998367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浮動型ディスクブレー
キのキャリパを復帰させる構造の簡単なリトラクト機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】浮動型ディスクブレーキの一般的なもの
は、図5に示すように、ブレーキピストン2の外周に嵌
めたピストンシール3をピストン前進時に一定量変形さ
せ、そのシールの弾性復元力で除圧時にピストンを一定
量引き戻すようにしてある。このようにして非制動時に
パッドをディスクから引き離さないとディスクによるパ
ッド4、5の引きずりが起こるからであるが、このピス
トンリトラクト方式では、除圧後もキャリパが制動位置
に残るため、キャリパのアウタ爪で押圧するアウタ側パ
ッド5の引きずり防止が不充分になる。
【0003】そこで、その対策として特公平1−352
18号公報に示されるようなキャリパリトラクト機構が
提案されている。この機構は、図6、図7に示すよう
に、スライドガイド部6に第2スリーブ8を設け、その
スリーブがスライドピン7に対して相対的にスライドす
る図6の構造ではスライドピン7と第2スリーブ8との
間に、一方、スリーブ8がスライドピン7と一体動する
図7の構造ではピン孔を加工した部材と第2スリーブ8
との間に各々スプリング10を介在し、制動時に圧縮さ
れるそのスプリングの反発力でキャリパを復帰させるよ
うにしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のキャリ
パリトラクト機構は、スプリングとスリーブを設けるの
でスペースを取り、また、構造が複雑で高価であり、さ
らに、パッドの摩耗に伴ってキャリパ復帰量が大きくな
るため、ブレーキ性能も安定しないと云う欠点がある。
【0005】本発明の課題は、かかる欠点を無くすこと
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、キャリパ、固定部材のいずれか一方に固定されるス
ライドピンを他方に設けられるピン孔に挿入してキャリ
パをディスク軸方向スライド自在に支持した浮動型ディ
スクブレーキにおいて、上記ピン孔の入口部に形成され
るスライドピン液封シールの保持溝内にリングを設け、
このリングをスライドピンの外周に一定力以上の力で滑
るように嵌め、当該リングで制動時に上記液封シールを
キャリパの移動方向に圧縮してこの液封シールの復元力
で除圧時にキャリパを復帰させる構成となす。なお、前
記リングの液封シールが接する側の内周エッジは、面取
り加工して除去しておくのが望ましい。
【0007】
【作用】ピン孔の入口部にある液封シールを制動時に圧
縮するとそのシールの復元力でキャリパが復帰する。従
って、シールの保持溝を少し深くしてその中にスライド
ピンに嵌めるシール圧縮用の小さなリングを設ければよ
く、スペースの増加、構造の複雑化を招かない。
【0008】また、パッドが摩耗してリングに一定力以
上の力が加わるとリングとスライドピンが相対的にスラ
イドするため、キャリパ復帰量も常時ほぼ一定に保たれ
る。なお、液封シールが接する側の内周エッジを面取り
すると、図3(a)に示すように、面取りによってリン
グ15と液封シール14との間に空間が生じ、図3
(b)に示すように、その空間に弾性変形した液封シー
ル14が入り込むため、面取り加工をしない場合に比べ
てキャリパリトラクト量を大きく確保できる。
【0009】
【実施例】図1は、浮動型ディスクブレーキの一例を示
している。キャリパ1のスライドガイド部6は、図のよ
うに、ディスクDの回入側と回出側の2個所に設けられ
る。ここに示すスライドガイド部は、スライドピン7の
一端をキャリパ1にねじ結合し、このピンの他端側をト
ルクメンバ11に加工してあるピン孔9(図2参照)に
スライド自在に挿入したものであって、スライドピン7
がキャリパ1と共に動く。
【0010】図2は、図1のスライドガイド部の詳細で
ある。スライドピン7は、露出部をゴムのピンブーツ1
2で覆い、さらに、ピン孔9の入口部をピンブーツ端の
液封シール14で封止して保護されている。液封シール
14は図のように、ピン孔の入口部に保持溝13を設け
てそこに組込むことが多い。そこで、本発明では、その
液封シール14をキャリパ復帰源として利用する。その
ために、上記保持溝13を従来より多少深くして液封シ
ール14との間に空間を生じさせ、その空間内に必要に
応じて内周のエッジを面取りしたリング15を設けてい
る。そして、樹脂等で形成したそのリング15をトルク
メンバ11との間に隙間を生じさせてスライドピン7の
外周に一定力の摺動抵抗が得られるように嵌め、このリ
ング15と液封シール14が図2の位置関係にある状態
でアウタパッドをディスクから若干離反させている。
【0011】このようにしておくと、制動時に、アウタ
パッドがディスクに当たり、さらに、その後若干圧縮さ
れてその圧縮が止まるところまでキャリパ1が図中右側
へ動き、このとき同時にリング15も図3(a)の位置
からスライドピン7と共に右方へ動く。このため、液封
シール14がリング15に圧縮されて図3(b)のよう
に変形し、この変形が元に戻る力で除圧時にリング15
が押し戻されてキャリパが復帰する。このときのキャリ
パ復帰量は、制動中にパッドが摩耗すると、液封シール
14によるリング15の移動阻止力がスライドピンとの
間の摺動抵抗に打ち勝って摩耗量相当分リング15がス
ライドピン上でスリップするので制動時のキャリパ移動
量とほぼ一致する。従って、除圧後にアウタパッドとデ
ィスクとの間に確保される隙間も常時ほぼ一定し、ペダ
ルストロークの変化を招かずにアウタ側の引きずりを無
くすことができる。
【0012】図4は、スライドピン7をトルクメンバ1
1に固定してキャリパ1に設けたピン孔9に挿入するタ
イプのブレーキである。この場合も、一方のピンブーツ
12端の液封シール14と保持溝13との間にリング1
5を設けておくと、キャリパ1とリング15の制動時の
相対移動で封止シール14が圧縮されて除圧時にキャリ
パが復帰する。
【0013】このように構成した本発明のリトラクト機
構は、ディスク回入側と回出側の双方のガイド部に設け
るのが望ましいが、ディスク回出側のガイド部にのみ設
けてもアウタパッドの引きずり防止に効果を奏する。
【0014】なお、リング15は、液封シール14の抜
け止めのために保持溝13の出口部穴径よりも大径にし
なければならないので、図2に示すようなリセス加工の
保持溝13に挿入するリング15は、C字リングやコイ
リングしたリングを用い、これを縮径して溝13に挿入
した後、スライドピン7を組付ける。図4のように、液
封シール14を、一体のリテーナ等を設けて圧入して取
り付ける場合には保持溝13をストレートに加工するの
で、リング15は通常のリングであっても差し支えな
い。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のリトラクト
機構は、元々必要な液封シールを利用してキャリパを復
帰させるので、構造の簡素化低コスト化、小型化が計れ
る。
【0016】また、パッドの摩耗によるキャリパ復帰量
の変化が、リングとスライドピンの相対移動によって防
止されるので、応答性、ペダルストローク、ペダルフィ
ーリング等の悪化が起こらない。なお、リングの液封シ
ールが接する側のエッジを面取りしたものは、制動時の
液封シール変形量が面取り加工をしない場合よりも大き
くなるので、引きずりの防止効果を高めるうえで重要な
除圧時のキャリパリトラクト量を大きく確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浮動型ディスクブレーキの一例を示す平面図
【図2】図1のブレーキに用いたキャリパリトラクト機
構の一例を示す断面図
【図3】(a)は図2の機構の要部の非制動状態の拡大
図、(b)は同じく制動状態の拡大図
【図4】スライドピンをトルクメンバに固定したブレー
キへの応用の一例を示す図
【図5】浮動型ディスクブレーキのピストンリトラクト
機構を示す断面図
【図6】従来のキャリパリトラクト機構の一例を示す断
面図
【図7】従来のキャリパリトラクト機構の他の例を示す
断面図
【符号の説明】
1 キャリパ 2 ブレーキピストン 3 ピストンシール 4 インナパッド 5 アウタパッド 6 スライドガイド部 7 スライドピン 8 第2スリーブ 9 ピン孔 10 スプリング 11 トルクメンバ 12 ピンブーツ 13 シール保持溝 14 液封シール 15 リング D ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 65/02 F16D 55/224 111 F16D 65/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパ、固定部材のいずれか一方に固
    定されるスライドピンを他方に設けられるピン孔に挿入
    してキャリパをディスク軸方向スライド自在に支持した
    浮動型ディスクブレーキにおいて、上記ピン孔の入口部
    に形成されるスライドピン液封シールの保持溝内にリン
    グを設け、このリングをスライドピンの外周に一定力以
    上の力で滑るように嵌め、当該リングで制動時に上記液
    封シールをキャリパの移動方向に圧縮してこの液封シー
    ルの復元力で除圧時にキャリパを復帰させるようにした
    ことを特徴とするディスクブレーキキャリパのリトラク
    ト機構。
  2. 【請求項2】 前記リングの液封シールが接する側の内
    周エッジを面取り加工して除去した請求項1記載のディ
    スクブレーキキャリパのリトラクト機構。
JP3320466A 1991-12-04 1991-12-04 ディスクブレーキキャリパのリトラクト機構 Expired - Fee Related JP2998367B2 (ja)

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