JP3012013B2 - 亜鉛導入結晶性アルミノシリケートの製造法およびそれを用いた炭化水素類の水素化分解方法 - Google Patents

亜鉛導入結晶性アルミノシリケートの製造法およびそれを用いた炭化水素類の水素化分解方法

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JP3012013B2
JP3012013B2 JP3041026A JP4102691A JP3012013B2 JP 3012013 B2 JP3012013 B2 JP 3012013B2 JP 3041026 A JP3041026 A JP 3041026A JP 4102691 A JP4102691 A JP 4102691A JP 3012013 B2 JP3012013 B2 JP 3012013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛導入結晶性アルミ
ノシリケートの製造方法およびそれを用いた炭化水素類
特に重質油の水素化分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素類、特に重質油の水素化
分解においては、アルミナなどのアモルファスの無機酸
化物に周期律表上の第VI族および第VIII族金属を担持し
た触媒もしくは、これにさらにリンやホウ素などを添加
した触媒、あるいは、結晶性アルミノシリケートを含有
する触媒(特開昭58−92680、特開昭61−12
6196、特公昭54−37164)を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アモルファス
の無機酸化物を担体とする触媒では、分解に高温を要
し、かつ、高温運転によりスラッジや不飽和分などを生
成するなどの好ましくない傾向がみられた。また、結晶
性アルミノシリケートを含有する触媒では、比較的低温
で高い分解性を示すものの、劣化が著しく寿命が短かっ
たり、重油の分解ではスラッジの発生が著しく実質的に
高分解運転が不可能となる等の問題点があった。また、
より重質な油の処理、あるいは、より高い分解を達成す
るには、これらの触媒では不十分であった。
【0004】本発明の発明者らは、前記の問題点を解決
し、より低温でより高分解活性を有する触媒を提供する
ことを目的としてゼオライト系触媒の改良について研究
を進めた結果、ゼオライトを特定の方法で処理すること
によって得られる亜鉛導入結晶性アルミノシリケートを
含有する触媒を用いることにより、その目的が達成され
ることを見出し本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、Y型
ゼオライトを脱アルカリ処理して得られる結晶性アルミ
ノシリケートを、亜鉛を含有し、かつ、ゼオライト骨格
中のアルミニウムを溶出させうる溶液と接触させること
を特徴とする亜鉛導入結晶性アルミノシリケートの製造
法および、かくして得られた亜鉛導入結晶性アルミノシ
リケートを含有する触媒を用いて、炭化水素類を水素化
分解することを特徴とする炭化水素類の水素化分解方法
である。
【0006】本発明で用いるY型ゼオライトは、ケイ素
とアルミニウムのモル比が3〜6のフォージャサイト構
造をもつ合成ゼオライトであり、製法の如何に関わら
ず、いずれも支障なく用いることができる。本発明で
は、まず、このY型ゼオライトを脱アルカリ処理し、ア
ルカリ金属含有量を微量にする必要がある。これは、Y
型ゼオライトの結晶構造の安定化を図るものである。ア
ルカリ金属含有量は1重量%以下、特に0.5重量%以
下が好ましく、1重量%以上であると、これ以後の処理
においてY型ゼオライトの結晶構造の崩壊を招く。
【0007】上記脱アルカリ処理は、例えば、次のよう
な手順によって行うことができる。Y型ゼオライトをア
ンモニア塩を含有する水溶液で処理することにより、ア
ルカリ金属をアンモニウムイオンでイオン交換し、これ
を焼成する。このような処理を数回繰り返すことによ
り、アルカリ金属含有量を0.5重量%以下に低減した
Y型ゼオライト(以下HYと称する)を調製することが
できる。なお、この脱アルカリ処理の際、Y型ゼオライ
トの結晶構造は一部破壊される。この破壊は主として焼
成時に起こる。破壊を抑制するには、なるべく低温で、
好ましくは400〜500℃で焼成するのがよい。
【0008】このように調製したHYを、亜鉛を含有
し、かつ、ゼオライト骨格中のアルミニウムを溶出させ
うる溶液と接触させることにより、亜鉛導入結晶性アル
ミノシリケートを調製することができるが、HYを上記
溶液と接触させる前に、高温水蒸気もしくは酸性水溶液
等で処理し、より水熱安定性を増大させてから用いるこ
ともできる。(以下、本発明ではこのような処理をした
Y型ゼオライトをUSYと呼ぶ。またこれに亜鉛を導入
して得られた結晶性アルミノシリケートをZn−USY
と呼び、HYに直接亜鉛を導入して得られた結晶性アル
ミノシリケートをZn−HYと呼ぶ)。上記HY型ある
いはUSY型ゼオライトは市販品を使用することもでき
る。
【0009】亜鉛導入結晶性アルミノシリケート中の亜
鉛の含有量は、アルミノシリケートの性状および溶液の
性状によって異なる。本発明においてはアルミノシリケ
ートに亜鉛を導入すると同時にゼオライト骨格中のアル
ミニウムを溶出させることが必要である。そのような処
理を行なうための、亜鉛を含有し、かつ、ゼオライト骨
格中のアルミニウムを溶出させうる溶液として、例え
ば、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛といった亜鉛化合物
塩を溶解し、かつ、塩酸、硝酸、硫酸といった鉱酸、ま
たは酢酸、蓚酸などの有機酸を加えてpHを4以下、好ま
しくは3〜−1とした酸性水溶液あるいは、EDTAの
ようにアルミニウムを選択的に結晶格子内から抜き出す
ことのできる有機試薬を含有する溶を挙げることがで
きる。
【0010】亜鉛導入結晶性アルミノシリケートは、そ
れ単味で成形し触媒としてもよいが、通常はアルミナな
どの無機酸化物マトリックスと混練などの操作により混
合し成形して担体とした後、さらに周期律表上の第VI族
および/または第VIII族金属を担持して触媒とすること
が好ましい。すなわち、上記亜鉛導入結晶性アルミノシ
リケートと無機酸化物のヒドロゲルとを十分に混合し、
所定の形状に成形し、常温ないし200℃、好ましくは
100〜130℃で0.5時間以上乾燥した後、350
〜800℃、好ましくは、450〜600℃で0.5時
間以上焼成することにより担体を得ることができる。こ
の場合、亜鉛導入結晶性アルミノシリケートを1〜90
%、より好ましくは5〜50%とすることが好ましい。
また、無機酸化物マトリックスとしては、アルミナ、シ
リカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、ジルコニア−ア
ルミナ等、多孔質で、非晶質のものが好適に用いられ
る。これらの無機酸化物マトリックスは、亜鉛導入結晶
性アルミノシリケートのバインダーとして働き、触媒の
強度を向上させると共に、周期律表上の第VI族および/
または第VIII族金属の担体として働き、亜鉛導入結晶性
アルミノシリケートの細孔の外の反応場としての役割を
持っている。このため、無機酸化物マトリックスの持つ
酸性質などの特性は非常に重要であり、表面積は30m2
/g以上とすることが好ましい。
【0011】次に、このようにして得られた担体に、周
期律表上の第VI族および/または第VIII族金属の塩を溶
解した溶液を含浸などの方法により担持し、触媒とする
ことができる。なお、担体に含浸させる上記第VI族金属
成分としては、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブ
デン酸、モリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン
酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸、無
水タングステン酸、タングストリン酸等の化合物等を例
示することができる。また、第VIII族金属成分として
は、ニッケル、あるいはコバルトの硝酸塩、硫酸塩、塩
化物、フッ化物、臭化物、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩等
の水溶液が用いられる。これらの金属の担持量は、その
合計量として、酸化物換算で、第VI族金属は5〜25重
量%とし、第VIII族金属は0.5〜10重量%とするこ
とが好ましい。
【0012】上述の方法で調製した触媒を用いて、炭化
水素類を水素化分解する場合、この反応の条件は、温度
約350〜450℃、水素分圧約50〜200kg/cm2
液空間速度約0.1〜5hr-1、水素対炭化水素類の比、
約100〜4000N1/1の範囲で選定することが好まし
い。一般に、この触媒は、炭化水素類を処理するに先立
ち、硫化水素、二硫化炭素といった硫黄化合物を含有し
た炭化水素類で予備硫化した後用いるとよい。
【0013】この水素化分解は広範な炭化水素類に適用
できるが、特には、原油、原油から得られる灯油、軽
油、減圧軽油、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、および、
原油または残渣油を溶剤脱れき処理した脱れき油、ガス
油、減圧軽油等が、本発明の効果が顕著で好適である。
【0014】
【実施例】実施例1 (a)東ソー製ナトリウム型Y型ゼオライト(SiO2
/Al23 モル比=2.9、Na2 O含有量=12.
3重量%、格子定数=2.463nm、表面積=約800
m2/g)200gを、1Mの硝酸アンモニウム水溶液20
00mlを用いて、50℃でイオン交換し、ろ過、洗浄
し、さらに130℃で3時間乾燥した後、450℃で3
時間焼成した。この操作を9回繰り返した結果、Na2
O含有量が0.5重量%に減少し、SiO2 /Al2
3 モル比が5.8、格子定数が2.455nmになった。
(以下これをHYと称する) (b)塩化亜鉛45.4gを500mlのイオン交換水に
溶解し、溶液Aを調製した。 (c)HY150gをイオン交換水1000mlに分散さ
せ、100℃で1時間煮沸したのち、約50℃まで冷却
した。これに(b)で調製した溶液Aを添加し、さら
に、塩酸(純度36%)57mlをゆっくりと添加し、最
後に全溶液量が1500mlとなるようにイオン交換水を
加えた。こののち溶液温度が50℃になるよう保温を行
い、2時間反応を行った。2時間反応中、溶液のpHは
1.3〜1.9と推移した。反応後、ろ過、洗浄を行
い、130℃で3時間乾燥を行った後、450℃で3時
間焼成し、亜鉛導入結晶性アルミノシリケート(Zn−
HY)を得た。このZn−HYは格子定数が2.434
nmであり、約700m2/gの表面積を有していた。 (d)このZn−HY150gをアルミナ粉末(コンデ
ア社製アルホールアルミナ:含水量25重量%)200
gと混合し、イオン交換水230gを添加して混練し、
直径1mm、長さ5mmの円柱状に押し出し成形し、130
℃で3時間乾燥した後、600℃で2時間焼成して担体
Aとした。 (e)この担体Aにモリブデン酸アンモニウム水溶液を
含浸し、続いて硝酸ニッケル水溶液を含浸し、乾燥、焼
成して触媒Aとした。含浸においては、最終的に触媒が
モリブデンおよびニッケルを金属重量でそれぞれ12重
量%および3重量%含有するように調製した。 (f)触媒Aについて、水素圧=80kg/cm2、LHSV
=0.5hr-1、水素/原料油比=400、反応温度40
0℃の条件下で減圧軽油の水素化分解性能を評価した。
この結果を表2に示した。なお、使用した減圧軽油の性
状は表1に示した通りである。
【0015】実施例2 (a)実施例1(a)で調製したHYを、700℃の水
蒸気と3時間接触させ、pH値約1.5に調製した50℃
の硝酸水溶液2000mlに2時間浸し、ろ過、洗浄し、
130℃で3時間乾燥した後、450℃で3時間焼成し
た。(以下これをUSYと称する)このようにして得ら
れたUSYは、格子定数が2.438nmであり、約60
0m2/gの表面積を有していた。 (b)塩化亜鉛45.4gを500mlのイオン交換水に
溶解したのち、塩酸(純度36%)57mlを添加し、溶
液Bを調製した。 (c)USY150gをイオン交換水1000mlに分散
させ、100℃で1時間煮沸したのち、約50℃まで冷
却した。これに(b)で調製した溶液Bをゆっくりと添
加し、最後にイオン交換水を加えて全溶液量を1500
mlとした。こののち溶液温度が50℃になるよう保温を
行い、2時間反応を行った。2時間の反応中、溶液のpH
は1.3〜1.9と推移した。反応後、ろ過、洗浄を行
い、130℃で3時間乾燥を行った後、450℃で3時
間焼成し、亜鉛導入結晶性アルミノシリケート(Zn−
USY)が得られた。このZn−USYは格子定数が
2.434nmであり、約700m2/gの表面積を有してい
た。 (d)このZn−USY150gをアルミナ粉末(コン
デア社製アルホールアルミナ:含水量25重量%)20
0gと混合し、イオン交換水230gを添加して混練
し、直径1mm、長さ5mmの円柱状に押し出し成形し、1
30℃で3時間乾燥した後、600℃で2時間焼成して
担体Bとした。 (e)この担体Bにモリブデン酸アンモニウム水溶液を
含浸し、続いて硝酸ニッケル水溶液を含浸し、乾燥、焼
成して触媒Bとした。含浸においては、最終的に触媒が
モリブデンおよびニッケルを金属重量でそれぞれ12重
量%および3重量%含有するように調製した。 (f)触媒Bについて、水素圧=80kg/cm2、LHSV
=0.5hr-1、水素/原料油比=400、反応温度40
0℃の条件下で減圧軽油の水素化分解性能を評価した。
この結果を表2に示した。
【0016】実施例3 (a)塩化亜鉛45.4gを500mlのイオン交換水に
溶解したのち、塩酸(純度61%)50mlを添加し、溶
液Cを調製した。 (b)東ソー製USY型ゼオライト(SiO2 /Al2
3 モル比=12、Na2 O含有量=0.20重量%、
格子定数=2.439nm、表面積=約600m2/g)(以
下これをTSYと称する)150gをイオン交換水10
00mlに分散させ、100℃で1時間煮沸したのち、約
50℃まで冷却した。これに(a)で調製した溶液Cを
ゆっくりと添加し、最後にイオン交換水を加えて全溶液
量を1500mlとした。こののち溶液温度が50℃にな
るよう保温を行い、2時間反応を行った。2時間の反応
中、溶液のpHは1.4〜2.0と推移した。反応後、ろ
過、洗浄を行い、130℃で3時間乾燥を行った後、4
50℃で3時間焼成し、亜鉛導入結晶性アルミノシリケ
ート(Zn−TSYと呼ぶ)を得た。このZn−TSY
は格子定数が2.432nmであり、約700m2/gの表面
積を有していた。 (c)このZn−TSYを実施例2(d)〜(f)と同
様の方法によりZn−TSYを含有する担体C、そして
担体Cに含浸させたモリブデンおよびニッケルを担持し
た触媒Cを調製し、減圧軽油の水素化分解性能を評価し
た。その結果を表2に示した。
【0017】実施例4 (a)実施例3の(a)〜(c)と同様の方法により、
Zn−TSYを含有する担体Pを調製し、この担体Pに
メタタングステン酸アンモニウム水溶液を含浸し、続い
て硝酸ニッケル水溶液を含浸し、乾燥焼成して触媒Pと
した。含浸に際してはタングステンおよびニッケルを金
属重量でそれぞれ15重量%および4重量%含有するよ
うに調製した。 (b)触媒Pについて、実施例3と同様の方法により、
水素化分解性能を評価した。この結果を表2に示した。
【0018】比較例1 (a)アルミナ粉末(コンデア社製アルホールアルミ
ナ:含水量25重量%)400gにイオン交換水360
gを添加して混練し、直径1mm、長さ5mmの円柱状に押
し出し成形し、130℃で3時間乾燥した後、600℃
で2時間焼成して担体Dとした。 (b)実施例2と同様の方法により、担体Dにモリブデ
ンおよびニッケルを担持した触媒Dを調製し、減圧軽油
の水素化分解性能を評価した。その結果を表2に示し
た。
【0019】比較例2 (a)TSY150gをアルミナ粉末(コンデア社製ア
ルホールアルミナ:含水量25重量%)200gと混合
し、イオン交換水230gを添加して混練し、直径1m
m、長さ5mmの円柱状に押し出し成形し、130℃で3
時間乾燥した後、600℃で2時間焼成して担体Eとし
た。 (b)実施例2と同様の方法により、担体Eにモリブデ
ンおよびニッケルを担持した触媒Dを調製し、減圧軽油
の水素化分解性能を評価した。その結果を表2に示し
た。
【0020】比較例3 (a)硝酸鉄120.2gを500mlのイオン交換水に
溶解し、溶液Fを調製した。 (b)TSY150gをイオン交換水1000mlに分散
させ、100℃で1時間煮沸したのち、約50℃まで冷
却した。これに(a)で調製した溶液Fをゆっくりと添
加し、最後に全溶液量が1500mlとなるようにイオン
交換水を加えた。こののち溶液温度が50℃になるよう
保温を行い、2時間反応を行った。2時間の反応中、溶
液のpHは1.4〜1.9と推移した。反応後、ろ過、洗
浄を行い、130℃で3時間乾燥を行った後、450℃
で3時間焼成し、鉄導入結晶性アルミノシリケートを得
た。これをFe−TSYと称する。このFe−TSYは
格子定数が2.435nmであり、約700m2/gの表面積
を有していた。 (c)実施例2と同様の方法により、Fe−TSYを含
有する担体F、そして触媒Fを調製し、減圧軽油の水素
化分解性能を評価した。その結果を表2に示した。
【0021】比較例4 (a)塩化銅51.1gを500mlのイオン交換水に溶
解し溶液Gを調製した。 (b)TSY150gをイオン交換水1000mlに分散
させ、100℃で1時間煮沸したのち、約50℃まで冷
却した。これに(a)で調製した溶液Gを添加し、塩酸
66.5gをゆっくりと添加し、最後に全溶液量を15
00mlとなるようにイオン交換水を加えた。こののち溶
液温度が50℃になるよう保温を行い、2時間反応を行
った。2時間の反応中、溶液のpHは1.4〜1.9と推
移した。反応後、ろ過、洗浄を行い、130℃で3時間
乾燥を行った後、450℃で3時間焼成し銅導入結晶性
アルミノシリケート(Cu−TSY)を得た。このCu
−TSYは格子定数が2.434nmであり、約700m2
/gの表面積を有していた。 (c)実施例2と同様の方法により、Cu−TSYを含
有する担体G、そして触媒Gを調製し、減圧軽油の水素
化分解性能を評価した。その結果を表2に示した。
【0022】比較例5 塩化銅の代わりに、硝酸コバルト・6水和物87.3g
を用い、硝酸35gをコバルト溶液添加時に加えた以外
は、比較例4と同様の方法によりコバルト導入結晶性ア
ルミノシリケート(Co−TSY)(担体H)およびこ
れに担持された触媒Hを調製し、減圧軽油の水素化分解
性能を評価した。その結果を表2に示した。
【0023】比較例6 塩化銅の代わりに、硝酸ニッケル87.2gを用いた以
外は(ニッケル溶液添加時に硝酸は添加せず)、比較例
4と同様の方法により、触媒Iを調製し、減圧軽油の水
素化分解性能を評価した。その結果を表2に示した。
【0024】比較例7 塩化銅の代わりに、塩化チタン20%水溶液185.1
gを用いた以外は(塩化チタン溶液添加時に硝酸は添加
せず)、比較例4と同様の方法により、触媒Jを調製
し、減圧軽油の水素化分解性能を評価した。その結果を
表2に示した。
【0025】比較例8 塩化銅の代わりに、硝酸ジルコニウム・2水和物80.
2gを用い、硝酸29gをジルコニウム溶液添加時に加
えた以外は比較例4と同様の方法により、触媒Kを調製
し、減圧軽油の水素化分解性能を評価した。その結果を
表2に示した。
【0026】比較例9 塩化銅の代わりに、硫酸バナジル48.9gを用い、硝
酸54gをバナジウム溶液添加時に加えた以外は比較例
4と同様の方法により、触媒Lを調製し、減圧軽油の水
素化分解性能を評価した。その結果を表2に示した。
【0027】比較例10 塩化銅の代わりに、硝酸セリウム6水和物130.3g
を用い、硝酸35gをセリウム溶液添加時に加えた以外
は比較例4と同様の方法により、触媒Mを調製し、減圧
軽油の水素化分解性能を評価した。その結果を表2に示
した。
【0028】比較例11 (a)塩化亜鉛45.4gを500mlのイオン交換水に
溶解し溶液N(pH=4)を調製した。 (b)TSY150gをイオン交換水1000mlに分散
させ、100℃で1時間煮沸したのち、イオン交換水を
添加して全溶液量を1500mlとし、約50℃まで冷却
した。これに硝酸35gをゆっくりと添加た。こののち
溶液温度が50℃になるよう保温を行い2時間反応を行
った。反応中、溶液のpHは1.4〜2.0と推移した。
反応後、ろ過、洗浄を行った。これをTSSYと称す
る。 (c)このTSSY150gを、再度イオン交換水10
00mlに分散させ、100℃で1時間煮沸したのち、約
50℃まで冷却した。これに(a)で調製した溶液Nを
添加し、さらにイオン交換水を添加して、全溶液量を1
500mlとした。溶液温度が50℃になるよう保温を行
い、2時間イオン交換反応を行った。反応後、ろ過、洗
浄を行った。130℃で3時間乾燥を行った後、450
℃で3時間焼成し、亜鉛イオン交換アルミノシリケート
を得た。 (d)この亜鉛イオン交換アルミノシリケートを用い、
実施例2と同様の方法により担体N、そして触媒Nを調
製し、減圧軽油の水素化分解性能を評価した。その結果
を表2に示した。
【0029】比較例12 (a)塩化亜鉛45.4gを500mlのイオン交換水に
溶解し溶液O(pH=4)を調製した。 (b)比較例11で調製したTSSY150gをイオン
交換水1000mlに分散させ、100℃で1時間煮沸し
たのち、約50℃まで冷却した。これに(a)で調製し
た溶液Oを添加し、さらにイオン交換水を加えて全溶液
量を1500mlとした。溶液温度が50℃になるよう保
温を行い、2時間イオン交換反応を行った。そののち、
アンモニアを添加してpH=7として30分保持した。反
応後、ろ過、洗浄を行い、130℃で3時間乾燥を行っ
た後、450℃で3時間焼成し亜鉛イオン交換アルミノ
シリケートを得た。 (d)この亜鉛イオン交換アルミノシリケートを用い、
実施例2と同様の方法により担体O、そして触媒Oを調
製し、減圧軽油の水素化分解性能を評価した。その結果
を表2に示した。
【0030】実施例5 触媒C,E(実施例3および比較例2の触媒)およびホ
ウ素を含有するアルミナ担体に実施例3と同様にモリブ
デンおよびニッケルを担持した触媒を用い、表3に示す
反応条件における減圧軽油水素化分解の寿命性能を評価
した。その結果を図1〜3に示した。反応は、生成油の
分解率が42%一定となるように反応温度を設定し、触
媒の劣化に合わせて反応温度を上昇させながら運転し
た。図1は運転時間と一定の分解率を維持するための温
度の関係を示したものである。また図2および図3はこ
の条件で運転した際の脱硫反応速度定数および脱窒素反
応速度定数の推移を示したものである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】表2、図1〜3に示す通り、亜鉛導入結
晶性アルミノシリケートを含有する本発明の触媒は、他
の金属を含有する触媒よりも炭化水素の水素化分解活性
が高く、また、亜鉛を本発明の方法で導入したことによ
り、単純に酸化亜鉛を沈着させたものや、イオン交換で
導入したものよりもはるかに高い分解活性を示した。ま
た長時間の使用によっても活性の低下が少なく、長寿命
で低温での運転が可能である。本発明の触媒を使用する
ことにより、これまでの反応装置を特別に改造すること
なく、触媒を替えるだけで、より高分解運転を行うこと
ができるようになった。また、高分解運転にあたって、
低温で高分解性を実現できるため、高温運転の際見られ
る種々の弊害が抑制されるとともに、触媒劣化が抑制さ
れるため、触媒の寿命が著しく延長された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒および他の触媒を用いて炭化水素
の水素化分解を長時間行なった際の、一定の分解率(4
2%)を維持するための反応温度の推移を表わす図であ
る。
【図2】上記炭化水素の水素化分解の際の脱硫反応速度
定数の推移を表わす図である。
【図3】上記炭化水素の水素化分解の際の脱窒素反応速
度定数の推移を表わす図である。
【符号の説明】 本発明のZn−TSY触媒 TSY触媒 ホウ素アルミナにモリブデンおよびニッケルを担持
した触媒

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Y型ゼオライトを脱アルカリ処理して得
    られる結晶性アルミノシリケートを、亜鉛を含有し、か
    つ、ゼオライト骨格中のアルミニウムを溶出させうる溶
    液と接触させることを特徴とする亜鉛導入結晶性アルミ
    ノシリケートの製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の亜鉛導入結晶性アルミノ
    シリケートを含有する触媒を用いて、炭化水素類を水素
    化分解することを特徴とする炭化水素類の水素化分解方
    法。
  3. 【請求項3】 亜鉛導入結晶性アルミノシリケート含有
    担体に、周期律表第VI族および/または第VIII族金属化
    合物を担持した触媒を用いて、炭化水素類を水素化分解
    することを特徴とする請求項2記載の炭化水素類の水素
    化分解方法。
  4. 【請求項4】第VI族金属成分が、モリブデンおよび/ま
    たはタングステンである請求項3記載の炭化水素類の水
    素化分解方法。
  5. 【請求項5】第VIII族金属成分がニッケルおよび/また
    はコバルトである請求項3または4記載の炭化水素類の
    水素化分解方法。
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