JP3028097B2 - スメクティック液晶材料および液晶光学素子 - Google Patents

スメクティック液晶材料および液晶光学素子

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JP3028097B2 JP10079473A JP7947398A JP3028097B2 JP 3028097 B2 JP3028097 B2 JP 3028097B2 JP 10079473 A JP10079473 A JP 10079473A JP 7947398 A JP7947398 A JP 7947398A JP 3028097 B2 JP3028097 B2 JP 3028097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字、図形等を表
示する表示装置、入射光の透過量が変化する調光装置、
光シャッター等に利用される液晶光学素子に関する。詳
しくはスメクティック液晶材料を用いた液晶光学素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】広視野角、高速応答が期待できる液晶デ
ィスプレイとして、 N.A.Clark, S.T.Lagerwall により
強誘電性液晶材料の光スイッチング現象を用いた表示素
子が提案されている(App. Phys. Lett., Vol.36, P.89
9(1980) 。以下、引例1と呼ぶ)。表面安定化強誘電性
液晶(SSFLC)光学素子は、光学応答が高速(1ミ
リ秒以下)かつ視野角が広いという特徴を有している。
ただし、SSFLCは双安定性であり、SSFLC光学
素子の電気光学応答は明状態と暗状態の2つの状態のス
イッチングに限定される。したがって、電圧を制御する
ことにより中間調の表示を行うことが困難という課題が
ある。また、液晶層がシェプロン構造を形成しやすく、
このためコントラストが低くなること、機械的衝撃で層
構造が乱れやすく一度乱れた配向の回復が困難であると
いう問題も有している。
【0003】別の光学素子として、Chandaniらにより反
強誘電性相を有する液晶材料(反強誘電性液晶材料)が
報告され(Jpn. J. Appl. Phys., 28(1989), L1265。以
下、引例2と呼ぶ)、さらに反強誘電性液晶材料を利用
した表示素子が提案されている(Jpn. J. Appl. Phys.,
29(1990), 1757 。以下、引例3と呼ぶ)。反強誘電性
液晶材料は反強誘電相と強誘電相との相転移に基づく三
安定性を有し、これらをバイアス電圧印加下にてスイッ
チングさせることにより、電圧制御で中間調表示が可能
な表示素子を作製することができる。しかしながら、中
間調表示にバイアス電圧が必要であることや、高精細か
つ走査線の多い表示素子では、駆動波形が複雑となる等
の問題を有している。
【0004】一方、乾ら、及び、田中らにより印加電圧
に対する光透過率の関係を示す曲線がV字型である(V
字型特性)というスメクティック液晶材料(以下、無し
きいスメクティック液晶材料と呼ぶ)が報告されている
(第21回液晶討論会講演予稿集2C04、p.222
(1995)、及びp.250(1995)。以下、引
例4)。この材料を用いた無しきいスメクティック液晶
光学素子は、相転移に明確なしきい値を持たずヒステリ
シス特性が小さいということが記載されている。
【0005】さらに、T. Saishu らにより、この無しき
いスメクティック液晶光学素子を薄層トランジスタ(T
FT)と組み合わせた対角5インチの液晶光学素子が報
告されている(SID'96 Digest, 703(1996)。以下、引例
5)。この報告では、まず、テストセルとして、セルギ
ャップが2μmで電極面積が1cm2のセルに三井石油
化学製の無しきいスメクティック液晶材料TLAF−1
を注入したセルを使用している。このセルで補助容量
(蓄積容量)と温度を増大させると、液晶の電圧保持特
性が改善されることを示している。しかし、実際に作製
した薄膜トランジスタと組み合わせた対角5インチの液
晶光学素子では、テストセルで得られた補助容量の増大
等の工夫は行っていない。このため、正及び負の両方の
極性で書き込むAC型駆動ではコントラスト比が10よ
り小さく、十分に確保できないので、一方の極性で書き
込むDC型駆動が行われている。この方法により、走査
線数234本の対角5インチの液晶光学素子をNTSC
駆動(ゲートの書き込み時間が63.5μs)してコン
トラスト比10以上を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、TF
T等の能動素子で無しきいスメクティック液晶光学素子
を駆動させることが可能である。ただし、前記の無しき
いスメクティック液晶材料は自発分極の値が100(n
C/cm2)以上と大きな値を有し、このような大きな
自発分極を有する無しきいスメクティック液晶材料を駆
動するためには、自発分極に比例した電荷の注入が必要
となる。しかし、TFTから供給できる電荷量には制限
があるため、駆動できる液晶光学素子の走査線数が少な
くなるという課題がある。実際、引例5では走査線本数
が234本と通常のVGA型の半分以下となっている。
また、引例5に示されるように、十分なコントラスト比
を確保できるようにするには十分な書き込み電荷量が必
要であり、電荷量の確保のために両極性の電圧(AC
型)でなく片極性の電圧で書き込むDC型駆動とする結
果、焼き付きが生じるという課題があった。さらには、
DC駆動としても、1回のフレームでの書き込み時間で
は書き込み電荷量が不十分であり、十分な電荷を確保す
るためには数フレームにわたる電荷注入が必要となり、
液晶光学素子の応答時間が長くなるという課題があっ
た。
【0007】これらの課題を解決する手段の一つとし
て、引例5に示されるようにTFTに大きな補助容量を
付加させるという方法があるが、補助容量を大きくする
と、液晶光学素子の開口率が低下し、表示が暗くなると
いう問題が発生する。さらには、発明者らの検討によれ
ば、補助容量の増大につれてRC時定数が増大し所定の
書き込み時間内に十分な書き込みを行うためには、TF
Tのオン抵抗Rを低下させ、TFT特性を向上させる必
要があることが判明した。すなわち、容量値が大きくな
るため、TFTのオン電流が十分に確保できないと、書
き込み時間内に書き込みが終らなくなってしまうのであ
る。したがって、TFT特性が決まり、液晶材料の自発
分極値及びパネル構造が決まると、最適な補助容量の限
界値が存在し、その値以上の補助容量はRC時定数を増
大させ、書き込み時間内の注入電荷量を減少させ、結果
的に液晶への書き込み電荷量を減少させてしまう。
【0008】大きな自発分極の液晶材料を駆動できるよ
うにするには、TFT特性として十分な特性を有するT
FTを用いるか、もしくは、高い電圧での書き込みを行
なうことにより可能である。しかし、この場合、以下の
ような課題がある。まず、十分な特性を有するTFTを
新たに開発する必要がある。次に、高い駆動電圧を印加
できる駆動回路を開発する必要がある。これらの2点を
実現しても、高い自発分極の液晶材料を駆動するには大
きな電荷を流す必要があり、消費電力が極めて大きくな
ってしまう。
【0009】一方、無しきいスメクティック液晶材料の
自発分極を低下させれば、前述の課題が解決されること
が容易に類推される。しかしながら、印加電圧に対する
光透過率の関係を示す曲線がV字型であるという電気光
学特性を有し、かつ自発分極が低いスメクティック液晶
材料は報告されてはいない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために鋭意研究した結果、V字型特性を示
し、かつ自発分極が低いスメクティック液晶材料が、反
強誘電性液晶材料とスメクティックC相を有する液晶材
料とを混合させることにより製造可能であることを見出
した。
【0011】すなわち、本発明は、 1.反強誘電性液晶材料と下記の一般式Iで表わされる
光学活性フェニルピリミジン化合物からなるスメクティ
ックC相を有する液晶材料から構成されることを特徴と
するスメクティック液晶材料。
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、nは2〜1
5の整数、及び*を付されたCは不斉炭素を示す。) 2.フェリ誘電相を有する液晶材料と上記1に記載のス
メクティックC相を有する液晶材料から構成されること
を特徴とするスメクティック液晶材料。 3.スメクティックC相を有する液晶材料の濃度が30
重量パーセント以上であることを特徴とする上記1また
は2に記載のスメクティック液晶材料。 4.スメクティックC相を有する液晶材料の相系列がク
リスタル相−スメクティック相C−ネマティック相−ア
イソトロピック相であることを特徴とする上記1、2ま
たは3に記載のスメクティック液晶材料。 5.スメクチックA相を有する液晶材料をさらに加えて
なり、相系列にスメクチックA相を有することを特徴と
する前記1ないし4に記載の液晶組成物。 6.自発分極が0.06(nC/cm2)以上96(n
C/cm2)以下であることを特徴とする上記1ないし
5に記載のスメクティック液晶材料。 7.自発分極が1.9(nC/cm2)以上21(nC
/cm2)以下であることを特徴とする上記6に記載の
スメクティック液晶材料。 8.電極層が付いた少なくとも一方が透明な二枚の基板
間に請求項1ない7に記載の液晶材料からなる液晶層を
挟持することを特徴とする液晶光学素子。 9.液晶層の光学軸が印加電圧に対して連続的に変化す
ることを特徴とする上記8に記載の液晶光学素子。 10.基板上に能動素子を有することを特徴とする上記
8または9に記載の液晶光学素子。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の反強誘電性液晶材料とし
ては、反強誘電相を相系列の何れかに有している液晶材
料であれば良い。例えば、以下の式(1)〜(5)で示
される化合物が挙げられるがこれに限定されるものでは
ない。また、反強誘電性液晶材料は、単成分でも構わな
いし、2種以上の化合物の混合材料であっても構わな
い。
【0014】
【化3】 本発明の反強誘電性液晶材料と混合するスメクティック
C相を有する液晶材料としては、スメクティックC相を
相系列の何れかに有している液晶材料であれば構わな
い。例えば、前記一般式Iで示される化合物が挙げられ
る。式中Rは炭素数1〜18のアルキル基、nは2〜1
5の整数、*を付されたCは不斉炭素原子を表わすが、
好ましくは、Rは炭素数4〜11のアルキル基、nは2
〜8の整数である。
【0015】また、スメクティックC相を有する液晶材
料は、以下の式(6)〜(9)で示される化合物が挙げ
られるがこれに限定されるものではない。これらのスメ
クティックC相を有する材料は単成分でも構わないし、
2種以上の化合物の混合材料であっても構わない。
【0016】
【化4】 スメクティックC相を有する液晶材料の相系列は、低温
側よりクリスタル相−スメクティックC相−ネマティッ
ク相−アイソトロピック相であることが望ましい。例え
ば、前記一般式Iで表わされる化合物および以下の式
(10)〜(12)で示される化合物が挙げられるがこ
れに限定されるものではない。また、単成分では前記の
相系列とは異なる相系列を示す化合物であっても、2種
以上の化合物の混合材料とした際に前記の相系列を示す
ものであれば構わない。
【0017】
【化5】 反強誘電性液晶材料と上記の式を有するスメクチック液
晶材料の混合すると、以下のことが判明した。スメクチ
ック液晶材料を濃度30%以上混合させると、反強誘電
相が消失する。なおかつ、この濃度以上で光学軸が印加
電圧に対して連続的に回転する現象が見られた。すなわ
ち、濃度に対して電気光学特性は図1および図2に示す
ように変化した。スメクチック液晶材料濃度が30%未
満の領域では周知の二重ヒステリシスが観測される。こ
のため、この濃度域では反強誘電性状態と考えられる。
しかし、スメクチック液晶材料濃度が30%以上になる
とV字特性が観測された。同様に、印加電圧に対する分
極値を測定したところ、図3のような変化が観測され
た。すなわち、概ねスメクチック液晶濃度30%を境
に、二重ヒステリシスからほとんどヒステリシスの無い
状態へ転移する。これからも、30%を境に反強誘電性
状態から転移していることが分かる。図3の結果に基
き、反転分極値を求めると図4のような結果となった。
これより、反強誘電性液晶材料の濃度にほぼ比例して、
分極値を制御できることが確認された。また、各濃度域
での誘電率を測定したところ、図5の結果となった。こ
れより、概ねスメクチック液晶濃度30%を境に誘電率
が急の上昇する。すなわち、30%未満では反強誘電性
状態のため誘電率は低いが、30%以上では印加電圧に
敏感な状態へ転移していることが分かる。以上のよう
に、スメクチック液晶濃度30%以上で、階調表示可能
なV字特性を示す相へ転移することが分かった。また、
さらにスメクチック液晶濃度を増やすことによって、分
極値が制御できることも分かった。
【0018】前記第5の発明では、光学活性フェニルピ
リミジン化合物を有している。しかし、前述したよう
に、この種の物質は相系列にスメクチックA相を持たな
い。一方、反強誘電性相を示す物質にはスメクチックA
相を有するものが多い。このため、光学活性フェニルピ
リミジン化合の濃度が30%以上でなおかつ高分極を持
つ濃度域では、スメクチックA相が存在する。一方、低
分極値を持つ光学活性フェニルピリミジン化合物が高濃
度な領域では、相系列にスメクチックA相を持たない。
このため、低分極組成比では配向状態が悪くなるという
課題があった。しかし、反強誘電性液晶と光学活性フェ
ニルピリミジン化合物に、スメクチックA相を有する第
3のスメクチック液晶材料を混合することにより、相系
列中にスメクチックA相を出現させることができる。こ
れにより、配向状態を著しく改善することが可能であ
る。
【0019】さらに、本発明においては反強誘電性液晶
材料の代わりにフェリ誘電相を有する液晶材料を用いて
も実現することができる。フェリ誘電相を有する化合物
として前記式(1)(反強誘電相より高温側でフェリ誘
電相を示す)及び以下の式(13)で示される化合物が
あげられるがこれに限定されるものではない。
【0020】
【化6】 また、単成分ではフェリ誘電相を示さなくても2種以上
の化合物の混合材料でフェリ誘電相を示してもよい。こ
のような混合材料によるフェリ誘電相に関しては、At
suo FukudaらのJ.Mater.Che
m.,994,4(7),997−1016の“Ant
iferroelectric Chiral Sme
ctic Liquid Crystals”のp.1
006−p.1012等に詳しく書かれている。
【0021】本発明において液晶層の光学軸とは、個々
の液晶分子の光学軸ではなく液晶層全体の示す屈折率が
最大になる方向であり、液晶では光学軸方向とほぼ垂直
な二つの方向に光学軸方向の屈折率より小さな屈折率を
有する。したがって、液晶層全体は複屈折性を有し、こ
の光学軸の方向が電界の印加によって変化することによ
り、電気光学的効果を得る。
【0022】本発明の液晶材料の自発分極は、使用する
TFTの走査線本数、目的とする液晶材料の応答時間に
よるが、0.06(nC/cm2)以上96(nC/c
2)以下であることが必要である。自発分極が0.0
6(nC/cm2)未満であると、応答速度が非常に遅
くなるという問題が発生する。また、96(nC/cm
2)を越えると、駆動できる走査線数が少なくなり、高
精細パネルには適用できない。特に、走査線数が多く、
低電圧駆動、広い温度範囲、および高速応答が要求され
る高性能ディスプレイの場合には、1.9(nC/cm
2)以上21(nC/cm2)以下が好ましい。
【0023】上記の自発分極の値は、以下のようにして
求められる。下限に関しては、応答速度の点から決定さ
れる。AC駆動時の1フィールド、すなわち、1フレー
ムの半分の時間内に応答することが必要条件となる。通
常、フレーム周波数は30(Hz)なので、(1/3
0)×103/2≒16.7(ms)以下の応答が必要
である。応答速度は、簡単には、SSFLCと同様に次
式で与えられる。
【0024】
【数1】 液晶材料の粘性ηが100(mPa・s)で、電圧が2
0(V)、セルギャップが2(μm)の条件では電界E
は107(V/m)となり、自発分極Psが0.06
(nC/cm2)以下となると、応答速度τは16.7
(ms)より長くなってしまう。また、特に高速応答が
必要とされるときは、1フィールドの半分の時間内に応
答しないと、表示のちらつきが感じられる。要求される
温度範囲が広く粘性が先ほどの条件より400(mPa
・s)まで高くなったとし、低電圧駆動で電圧が5
(V)、セルギャップが2(μm)の条件では、自発分
極が1.9(nC/cm2)以下となると、応答速度は
8.35(ms)より長くなり、表示のちらつきが感じ
られる。
【0025】一方、上限に関しては、書き込み電荷の配
分の点から決定される。TFTからの書き込み電荷とし
ては、自発分極を持たない静電容量としてのセル容量に
蓄えられる電荷Q1と、書き込み時間内に自発分極が若
干応答することによる分極電荷Q2の2種類の電荷が書
き込み時間内に書き込まれる。静電容量への書き込み電
荷Q1は、セル容量をCsとし、書き込み電圧をVd、
TFTのオン抵抗をRon、書き込み時間をτg とする
と、
【0026】
【数2】 となる。通常、99%以上の書き込みがなされるので、
【0027】
【数3】 とみなせる。書き込み時間内に自発分極Psが応答する
ことで流れる電荷Q2は、ここでは、セルの面積をSと
した時、自発分極による電荷全体(Ps・S)のk分の
1であるとする。液晶の応答が終了した状態では、自発
分極は完全に応答し、この自発分極による反電場の影響
を受けてセル両端の電圧は低下する。この時の状態のセ
ル内の電荷は、自発分極による電荷Q3と、静電容量に
残った電荷Q4の2種類となる。最終的なセル両端の電
圧をVsとすると、Q4=Cs・Vsであり、また一
方、Q3=Ps・Sである。これらより、電荷の保存が
成り立ち、
【0028】
【数4】 となる。ここで、セルの容量Csは、真空の誘電率をε
0、液晶の比誘電率をεl c、液晶層の厚みをdlc、配向
膜の比誘電率をεol、配向膜の厚みをdolとすると、配
向膜が両方の基板に存在する場合、
【0029】
【数5】 となる。これらの関係から、自発分極を表わす式を求め
ると、
【0030】
【数6】 となる。以下では、k=4、すなわち、書き込み時間内
に全自発分極の4分の1が応答するとし、dlc=2(μ
m)、dol=50(nm)、εlc=10、εol=3、V
s=1(V)とする。電圧が十分に印加でき、Vd=2
0(V)とすると、Ps=96.1(nC/cm2)と
なる。一方、電圧がVd=5(V)とすると、Ps=2
0.2(nC/cm2)となる。これらの結果より、上
記のような上限値を決定している。
【0031】さらには、大きな補助容量を付加すると、
Csの値を増加することができ、式(F)で表わされる
書き込み可能な自発分極値を増大させることができると
考えられる。しかし、前述のように、一定値以上の補助
容量の増大は、式(B)で表わされるTFTからの書き
込み時定数(RC時定数)を増大させる。その結果、書
き込みが不十分となり、式(C)の仮定が成り立たなく
なる。この状況では、TFTからの書き込み電荷Q1が
あまり増大せず、式(D)の電荷保存の式から分かるよ
うに、(F)の式の形も変り、自発分極値があまり増大
しないことが分かる。
【0032】本発明の液晶光学素子は、液晶層を電極を
有する2枚の透明な基板間に挟持した構造である光透過
型のみならず、一方の基板が不透明な光反射型にも適用
できる。これらは例えば液晶層を電極を有する透明な基
板と電極を有する光反射板間に挟持した素子構造、電極
を有する透明な基板と電極を有する光吸収板間に挟持し
た素子構造がある。
【0033】素子の構成としては、従来の技術が適用で
きる。電極としてはインジウム−スズ−オキサイド(I
TO)等の材質のものが利用できるが、ポリピロール等
の有機導電性薄膜も利用できる。また、使用する基板自
身が導電性を有している場合は、基板を電極としても利
用することもできる。電極は調光層と密着した状態で設
置する。これらの電極付き基板は液晶が配向するように
処理されていることが望ましい。この際、2枚の基板と
もホモジニアス配向であることが望ましいが、用途に応
じて、他の配向状態であっても構わない。この配向処理
には、TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド
等の通常の配向膜が利用できるが特に低いプレティルト
角を有するものが望ましい。
【0034】ポリイミド等の配向膜は、ポリイミド等が
溶剤に溶け込んでいる可溶性タイプでもよいし、焼成し
てポリイミド化する焼成タイプであっても構わない。ま
たラビング等の配向処理を行うことが望ましい。
【0035】本発明に用いられる基板の材質は、ガラ
ス、プラスチック、金属等である。またカラーフィルタ
ーを有する基板を用いたり、顔料や色素等を基板中に分
散させることによって、カラー化することができる。基
板は電極が調光層側になるように設置する。
【0036】基板の間隔設定には、通常の液晶デバイス
に用いられるガラスまたは高分子樹脂から成るロッド
状、球状のスペーサーを使用することができ、その間隔
は1μm〜4μm程度が望ましい。
【0037】光反射板は光を反射する材料で構成されて
いれば無機材料でも有機材料でも構わない。また反射強
度または反射波長は目的とする素子特性により任意に変
更できる。その構造は光反射材料が光反射板全体を形成
しているものであってもよいし、光反射材料がガラス等
の別の材質の基板上にコーティングされていてもよい。
光反射材料をコーティングした場合、光反射材料が液晶
層側にある必要はない。また光反射材料をコーティング
する基板は光反射材料が調光層側に位置していない場合
は必ずしも透明である必要はない。
【0038】光吸収板は光を吸収する材料で構成されて
いれば無機材料でも有機材料でも構わない。吸収強度ま
たは吸収波長は目的とする素子特性により任意に変更で
きる。その構造は光吸収材料が光吸収板全体を形成して
いるものであってもよいし、光吸収材料がガラス等の別
の材質の基板上にコーティングされていてもよい。光吸
収材料をコーティングした場合、光吸収材料が液晶層側
にある必要はない。また光吸収材料をコーティングする
基板は光吸収材料が液晶層側に位置していない場合は必
ずしも透明である必要はない。光反射材料または光吸収
材料が導電性を有している場合はこれらを電極としても
利用することもできる。
【0039】本発明の液晶光学素子に用いられる能動素
子としては、薄層トランジスタ(TFT)素子、メタル
−インシュレーター−メタル(MIM)素子などがあげ
られるが、アクティブマトリックス駆動だけではなく、
用途に応じて単純マトリックスで駆動させることができ
る。
【0040】本発明の液晶光学素子の用途としては、窓
や間仕切り等の建築材料や文字や図形を表示する表示装
置がある。
【0041】本発明の液晶光学素子は、光学軸が印加電
圧に対して連続的に変化する。このため、階調表示が可
能である。また、薄層トランジスタ(TFT)素子、メ
タル−インシュレーター−メタル(MIM)素子などと
組み合わせて、液晶表示装置が実現できる。
【0042】次に本発明の液晶光学素子を用いた例を図
面を用いて説明する。
【0043】図6は、本発明の液晶材料を用いた電気光
学素子の構成を示す断面図である。図6を参照すると、
一対の透明基板1上に透明電極2を形成し、透明電極2
上に配向膜3を形成し(本図では両側の基板上に形成し
ているが片側の基板のみでも素子の構成は可能であ
る)、透明電極2が対向するように配置して液晶セルが
構成される。この液晶セルの内部に本発明のスメクティ
ック液晶材料が狭持される。また、液晶セルの外側の透
明基板上に一対の偏光板5が貼り合わされ、電気光学素
子が構成される。
【0044】図8は、本発明の電気光学素子をTFTア
レイ基板と組み合わせた構造のTFTアレイを示す図で
ある。この構造は、TFT基板と対向基板から構成さ
れ、TFT基板は図に示すようにゲートバスライン、ド
レインバスライン、TFTアレイを有し、各画素に少な
くとも一つの画素電極を有する。この液晶パネルの内部
では、スメクティック液晶材料の層構造の層法線方向が
一定方向にほぼ揃っており、且つ、液晶分子の基板表面
への投影成分がある一定方向にほぼ揃っている状態で単
安定化されている。この実施形態の動作は次のようであ
る。各ドレインバスラインには、所定周波数(通常は3
0Hz、フリッカを考慮する時は60Hz等に変えるこ
ともあり、又、液晶の応答が遅い場合はもっと低い周波
数とすることもある)での駆動をゲートライン数で分割
した波形が各ゲートラインに対応して印加される。一
方、各ゲートバスラインには、そのラインが選択される
時にTFTのスイッチをオンするような波形が印加さ
れ、これにより、ドレインラインの波形が表示電極によ
り液晶に印加される。再度ゲートラインが選択されるま
で液晶部に電圧が保持される。これにより液晶がメモリ
性を持たなくても、表示の保持動作が可能である。ま
た、ここで使用している液晶材料は印加電圧に対して透
過率がV字形の特性を示しアナログ階調表示が可能であ
るため、データバスラインに各階調に対応する波形を印
加することにより階調表示が実現される。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。なお本発明の実施例に記述さ
れている液晶材料の相転移温度は、DSCを用い、毎分
2℃の割合で昇温及び降温させた場合から求めた。さら
には、毎分2℃の割合で昇温・降温して容量を測定した
場合からも相転移温度を求めた。液晶相の同定は、液晶
光学素子に電圧印加した際の電場応答を偏光顕微鏡にて
観察して求めた。
【0046】実施例に記載の液晶光学素子の駆動電圧、
コントラスト、応答速度は以下のように定義する。
【0047】駆動電圧:印加電圧−光透過率曲線におい
て最も低い光透過率を0%(最小透過率)、電圧印加に
より飽和した光透過率を100%(最大透過率)とした
時、素子の光透過率が90%となる電圧とする。
【0048】コントラスト:電圧印加により飽和した光
透過率(最大透過率)を最小透過率で割った値とする。
【0049】応答速度:電圧無印加状態から光透過率が
飽和する電圧を印加した際、光透過率が0%から90%
に変化するまでに要する時間と、光透過率が90%から
0%に変化するまでに要する時間の和とする。
【0050】実施例1 以下に示す液晶材料(I)、(II)を(I):(II)=
34:66重量%の割合で混合し、スメクティックC相
を有する液晶材料(III)を得た。得られた液晶材料(I
II)80重量部に、チッソ石油化学製の反強誘電製液晶
材料CS−4001を20重量部添加し、目的のスメク
ティック液晶材料を得た(以下、液晶材料(A)と記
す。)
【0051】
【化7】 各液晶材料の相系列を以下に示す。
【0052】 相転移温度(℃) 液晶材料(I) Cryst. (55.8) SC (95.1) SA (98.0) I 液晶材料(II) Cryst. (60.3) SC (95.6) SA (98.7) I 液晶材料(III) SC (72.5) N (78.4) I 液晶材料CS-4001 SCA*(67.1) SCr*(68.0) SC*(36.1) SA(86.6) I 液晶材料(A) SX1* (0.2) SX2* (72.5) I 上記相系列において、Cryst.は結晶相、SCはス
メクティックC相、SX1及びSX2は未同定のスメク
ティック相、SAはスメクティッくA相、SCAは反強
誘電性のスメクティックC相、SCrはフェリ誘電相、
Nはネマティック相、Iは等方相をそれぞれ示す。ま
た、表中の*は、該当する相のカイラリティの存在を示
す。
【0053】液晶材料(A)を100℃で加熱攪拌し、
十分に混合した後、あらかじめ100℃に加熱しておい
た二枚のホモジニアス配向処理済みの電極層付きガラス
基板からなる間隔2mmの液晶セルに注入し、毎分1℃
の速度で室温まで徐冷した。電圧無印加状態における液
晶材料の光学軸の方向と片方の偏光板の偏光軸とを一致
させるように配置した一組の直交した偏光板で液晶セル
を狭み込み、目的の液晶光学素子を得た。
【0054】得られた液晶光学素子の電気光学特性は、
周波数1.0Hzの三角波を印加して測定した。図7に
印加電圧に対する光透過率の変化を示すようにV字形の
特性が得られた。25℃での電気光学特性は以下の通り
である。なお、自発分極値の測定では、周波数0.1H
zの三角波を印加して測定した。
【0055】 駆動電圧(V) :9 コントラスト :23 応答速度(ms) :1.8 自発分極(nC/cm2) :17 ここで使用した反強誘電性を示す液晶材料CS−400
1の自発分極値は比較的小さく、79.7(nC/cm
2)であるが、本実施例では、21(nc/cm2)より
小さな自発分極値が得られた。
【0056】さらに、反強誘電性を示す液晶材料CS−
4001の混合濃度を変化させた時の自発分極値の変化
を測定した結果を図9に示す。図から分かるように、こ
の組成物は自発分極値が混合比にほぼ比例して変化して
いる。また、スメクティックC相を液晶材料(III)の
濃度に対する電気光学特性は次のような結果が得られ
た。濃度が35%の時はV字形特性が得られたが、濃度
が26.4%の時は三安定の特性であった。一方、濃度
が83.5%でも95%でもV字形特性が得られるが、
100%となると自発分極が存在しないため応答が得ら
れなかった。
【0057】実施例2 実施例1で用いた液晶材料(III)80重量部に、以下
に示す反強誘電性液晶材料(IV)を20重量部添加し、
目的のスメクティック液晶材料を得た(以下、液晶材料
(B)と記す。)
【0058】
【化8】 各液晶材料の相系列を以下に示す。
【0059】 相転移温度(℃) 液晶材料(III) SC (72.5) N (78.4) I 液晶材料(IV) SCA* (36.1) SA (47.2) I 液晶材料(B) SX6* (6.5) SX3* (67.0) SX4* (75.5) I 上記相系列における記号は実施例1の場合と同様であ
る。
【0060】液晶材料(B)を100℃で加熱攪拌し、
十分に混合した後、あらかじめ100℃に加熱しておい
た二枚のホモジニアス配向処理済みの電極層付きガラス
基板からなる間隔2mmの液晶セルに注入し、毎分1℃
の速度で室温まで徐冷した。電圧無印加状態における液
晶材料の光学軸の方向と片方の偏光板の偏光軸とを一致
させるように配置した一組の直交した偏光板で液晶セル
を狭み込み、目的の液晶光学素子を得た。
【0061】得られた液晶光学素子の電気光学特性は、
周波数1.0Hzの三角波を印加して測定した。図10
に印加電圧に対する光透過率の変化を示すようにV字形
の特性が得られた。25℃での電気光学特性は以下の通
りである。なお、自発分極の測定では、周波数0.1H
zの三角波を印加して測定した。
【0062】 駆動電圧(V) :4.5 コントラスト :58 応答速度(ms) :2.3 自発分極(nC/cm2) :20.4 さらに、反強誘電性を示す液晶材料(IV)の混合濃度に
変化させた時の自発分極値の変化を測定した結果を図1
1に示す。図から分かるようにこの組成物は自発分極値
が混合比に比例しないで急激に変化している。また、ス
メクティクC相を示す液晶材料(III)の混合濃度を変
化させた相の変化の様子を図12に示す。混合濃度が5
0%弱程度ならSmX3*相が出現しており、このSm
X3*相がV字形特性を示す。
【0063】実施例3 実施例1で用いた液晶材料(III)80重量部に、以下
に示す反強誘電性液晶材料(V)を20重量部添加し、
目的のスメクティック液晶材料を得た(以下、液晶材料
(C)と記す。)
【0064】
【化9】 各液晶材料の相系列を以下に示す。
【0065】 相転移温度(℃) 液晶材料(III) SC (72.5) N (78.4) I 液晶材料(IV) SCA* (73.0) SC* (79.1) SA (83.1) I 液晶材料(C) Cryst. (-10.2) SX3* (55.5) SX4* (81.3) I 上記相系列における記号は実施例1の場合と同様であ
る。
【0066】液晶材料(C)を100℃で加熱攪拌し、
十分に混合した後、あらかじめ100℃に加熱しておい
た二枚のホモジニアス配向処理済みの電極層付きガラス
基板からなる間隔2mmの液晶セルに注入し、毎分1℃
の速度で室温まで徐冷した。電圧無印加状態における液
晶材料の光学軸の方向と片方の偏光板の偏光軸とを一致
させるように配置した一組の直交した偏光板で液晶セル
を狭み込み、目的の液晶光学素子を得た。
【0067】得られた液晶光学素子の電気光学特性は、
周波数1.0Hzの三角波を印加して測定した。図13
に印加電圧に対する光透過率の変化を示すようにV字形
の特性が得られた。25℃での電気光学特性は以下の通
りである。なお、自発分極の測定では、周波数0.1H
zの三角波を印加して測定した。
【0068】 駆動電圧(V) :2.9 コントラスト :45 応答速度(ms) :2.5 自発分極(nC/cm2) :21.0 さらに、反強誘電性を示す液晶材料(V)の混合濃度に
変化させた時の自発分極値の変化を測定した結果を図1
4に示す。図から分かるように、この組成物は、自発分
極値が混合比に比例しないで急激に変化していた。この
実施例では液晶材料(V)が40%以下でV字形特性を
示した。
【0069】比較例1 以下に示すスメクティック液晶材料(VI)に、実施例2
で用いた反強誘電性液晶材料(III)と、実施例1で用
いた反強誘電性液晶材料(IV)とを(VI):(III):
(IV)=40:40:20重量%の割合で混合し、スメ
クティック液晶材料を得た(以下、液晶材料(D)と記
す。)
【0070】
【化10】 各液晶材料の相系列を以下に示す。
【0071】 相転移温度(℃) 液晶材料(VI) Cry (27.5) SC* (81.7) SA (84.2) I 液晶材料(D) SX (45.2) SC* (63.4) SA (68.2) I 上記相系列における記号は実施例1の場合と同様であ
る。
【0072】液晶材料(D)を100℃で加熱攪拌し、
十分に混合した後、あらかじめ100℃に加熱しておい
た二枚のホモジニアス配向処理済みの電極層付きガラス
基板からなる間隔2μmの液晶セルに注入し、毎分1℃
の速度で室温まで徐冷した。電圧無印加状態における液
晶材料の光学軸の方向と片方の偏光板の偏光軸とを一致
させるように配置した一組の直交した偏光板で液晶セル
を狭み込み、液晶光学素子を得た。
【0073】得られた液晶光学素子の電気光学特性は、
周波数1.0Hzの三角波を印加して測定した。25℃
での電気光学特性は以下の通りである。
【0074】 駆動電圧(V) :3.4 コントラスト :27 応答速度(ms) :0.85 自発分極(nC/cm2) :117 この液晶材料では、本発明の液晶材料と比べ自発分極の
値が大きく、約6倍であることがわかった。
【0075】実施例4 第4の実施例を以下に示す。480本のゲートバスライ
ン及び640本のドレインバスラインはスパッタ法で形
成されたクロミウム(Cr)を用い、線幅を10μmと
し、ゲート絶縁膜には窒化シリコン(SiNx)を用い
た。一単位画素の大きさは縦330μm、横110μm
とし、アモルファスシリコンを用いTFT(薄膜トラン
ジスタ)を形成し、画素電極は透明電極である酸化イン
ジウム錫(ITO)を用い、スパッタ法で形成した。こ
のようにTFTをアレイ状に形成したガラス基板を第1
の基板とした。この第1の基板と対向する第2の基板に
は、クロミウムを用いた遮光膜を形成した後、ITOを
用いた透明電極(共通電極)を形成し、さらにカラーフ
ィルタを染色法によりマトリクス状に形成しその上面に
シリカを用いた保護層を設けた。その後、スピンコート
法によりポリアミック酸を塗布し200℃でベーキング
しイミド化しポリイミド膜を形成した。このポリイミド
膜をナイロンを使用したバフ布を直径50mmのローラ
ーに巻き付け、ローラーの回転数600rpm、ステー
ジ移動速度40mm/秒、押し込み量0.7mm、ラビ
ング回数2回で10°クロスラビングとなるような方向
にラビングした。接触段差計で測定した配向膜の厚さは
約500Åであり、クリスタルローテーション法で測定
したプレチルト角は1.5度であった。このような一対
のガラス基板の一方に約2μm径の球状スペーサである
ミクロパール(商品名)を散布し、また他方に約2μm
径の円柱状のガラス製ロッドスペーサを分散させた熱硬
化性のシール材を塗布した。これらの基板をラビング処
理方向が互いに10°クロスラビングとなるように両基
板を対向させて配置し熱処理によりシール材を硬化させ
てギャップ2μmのパネルを組み立てた。このパネルに
実施例2のスメクティック液晶材料を、真空中において
80℃の等方相(Iso)の状態で注入した。得られた
液晶パネルの表示は、十分なコントラストが確保されて
おり(コントラスト比80以上)、広い視野角を有して
おり、かつ、焼き付きや残像の無い良好な表示であっ
た。走査線数が480本のため、TFTの書き込み時間
は、30(μs)と、これまで報告されている他のV字
形特性を有する液晶光学素子より短い。しかし、自発分
極値がこれまでよりはるかに小さいため、書き込み時間
内に十分な電荷を供給することができたと考えられる。
【0076】比較例2 実施例4と同様に作成した液晶パネルに、比較例1の液
晶材料を注入したパネルを作製した。表示は、ほとんど
認識できなかった。測定した結果では、コントラスト比
は、1.5以下であった。自発分極値が大きいため、短
い書き込み時間の間に電荷が供給できなかったためと考
えられる。
【0077】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明の反強
誘電性液晶材料と、スメクティックC相を有する液晶材
料から構成されるスメクティック液晶材料を用いること
により、走査線数が多く、低電圧駆動、広い温度範囲お
よび高速応答の要求に答えられる高性能液晶ディスプレ
イの製造が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶材料の組成と電気光学特性との関
係を示す図である。
【図2】本発明の液晶材料の組成と電気光学特性との関
係を示す図である。
【図3】本発明の液晶材料の組成と電圧−分極特性との
関係を示す図である。
【図4】本発明の液晶材料の組成と分極値との関係を示
す図である。
【図5】本液晶材料の組成と誘電率との関係を示す図で
ある。
【図6】本発明の液晶光学素子の構成を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の実施例2に係わる液晶光学素子の印加
電圧に対する光透過率の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例4に係わる薄膜トランジスタア
レイの説明図である。
【図9】本発明の実施例1に係わる液晶材料の組成と自
発分極値との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係わる液晶材料の印加電
圧に対する光透過率の変化を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例2に係わる液晶材料の組成と
自発分極値との関係を示す図である。
【図12】本発明の実施例2に係わる液晶材料の混合濃
度と相変化の様子を示す図である。
【図13】本発明の実施例3に係わる液晶材料の印加電
圧に対する光透過率の変化を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例3に係わる液晶材料の組成と
自発分極値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極 3 配向膜 4 スメクティック液晶材料 5 偏光板 6 画素電極 7 ドレインバスライン 8 ゲートバスライン 9 TFT(薄膜トランジスタ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松嶋 仁 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−176168(JP,A) 特開 平10−88139(JP,A) 特開 平7−11253(JP,A) 特開 平6−25153(JP,A) 特開 平5−271658(JP,A) 特開 平3−223390(JP,A) 特開 平10−96965(JP,A) 特開 平8−325237(JP,A) 特開 平8−113785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/02 C09K 19/34 C09K 19/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反強誘電性液晶材料と下記の一般式Iで
    表わされる光学活性フェニルピリミジン化合物からなる
    スメクティックC相を有する液晶材料から構成されるこ
    とを特徴とするスメクティック液晶材料。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、nは2〜1
    5の整数、及び*を付されたCは不斉炭素を示す。)
  2. 【請求項2】 フェリ誘電相を有する液晶材料と請求項
    1に記載のスメクティックC相を有する液晶材料から構
    成されることを特徴とするスメクティック液晶材料。
  3. 【請求項3】 スメクティックC相を有する液晶材料の
    濃度が30重量パーセント以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のスメクティック液晶材料。
  4. 【請求項4】 スメクティックC相を有する液晶材料の
    相系列がクリスタル相−スメクティック相C−ネマティ
    ック相−アイソトロピック相であることを特徴とする請
    求項1、2または3に記載のスメクティック液晶材料。
  5. 【請求項5】 スメクチックA相を有する液晶材料をさ
    らに加えてなり、相系列にスメクチックA相を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし4に記載の液晶材料。
  6. 【請求項6】 自発分極が0.06(nC/cm2)以
    上96(nC/cm2)以下であることを特徴とする請
    求項1ないし5に記載のスメクティック液晶材料。
  7. 【請求項7】 自発分極が1.9(nC/cm2)以上
    21(nC/cm2)以下であることを特徴とする請求
    項6に記載のスメクティック液晶材料。
  8. 【請求項8】 電極層が付いた少なくとも一方が透明な
    二枚の基板間に請求項1ないし7に記載の液晶材料から
    なる液晶層を挟持することを特徴とする液晶光学素子。
  9. 【請求項9】 液晶層の光学軸が印加電圧に対して連続
    的に変化することを特徴とする請求項8に記載の液晶光
    学素子。
  10. 【請求項10】 基板上に能動素子を有することを特徴
    とする請求項8または9に記載の液晶光学素子。
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