JP3044878B2 - エポキシ化合物の製造法 - Google Patents

エポキシ化合物の製造法

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  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬等の中間
体、樹脂改質剤等として重要なヒドロキシル基を有する
炭素数4以上のエポキシ化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシル基を有する炭素数4の不飽
和化合物である2−ブテン−1−オールをエポキシ化し
て対応する2、3−エポキシブタン−1−オールを合成
する方法として、例えば、Y.Ishiiら(J.Or
g.Chem.52、1868−70(1987))
は、過酸化水素を酸化剤とし、触媒としてヘテロポリ酸
を用いる方法を報告している。また、B.M.Chou
daryら(J.Chem.Soc.Chem.Com
mun.、1186−7(1990))は、チタンで修
飾した粘土層間化合物であるモンモリロナイトを触媒と
し、ヒドロパーオキシドを酸化剤として2−ブテン−1
−オールをエポキシ化して2、3−エポキシブタン−1
−オールが合成できることを報告している。
【0003】さらに、触媒として結晶性チタノシリケー
トを用い、過酸化水素を酸化剤として炭素数3以下の官
能基を有するオレフィンをエポキシ化し、対応するエポ
キシ化合物を得る方法も知られている。たとえば、特開
昭62−185081号公報には、過酸化水素を酸化剤
として用い、結晶性チタノシリケート触媒によりアリル
クロライドをエポキシ化してエピクロルヒドリンが得ら
れることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘテロ
ポリ酸を触媒とする方法は、反応が液相均一系であり、
生成物の分離が難しいといった問題がある。また、モン
モリロナイトを触媒とする方法は、活性が低く、かつ、
ヒドロパーオキシドを酸化剤とするため反応によりヒド
ロパーオキシドから等量のアルコールを副生するといっ
た問題がある。
【0005】さらに、結晶性チタノシリケートを触媒と
し、炭素数4以上のヒドロキシル基を有する化合物をエ
ポキシ化し、対応するエポキシ化合物が得られるかどう
か検討した例は全く見あたらない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、結晶性チタノシリケートを触媒とするエ
ポキシ化反応について鋭意検討した。その結果、過酸化
水素を酸化剤とし、触媒として結晶性チタノシリケート
を用いると、炭素数4以上の不飽和アルコールのエポキ
シ化が進行し、対応する炭素数4以上のヒドロキシル基
を有するエポキシ化合物が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、炭素数4以上の不飽和ア
ルコールを、過酸化水素を用いてエポキシ化するにあた
り、触媒として結晶性チタノシリケートを用いることを
特徴とする炭素数4以上のヒドロキシル基を有するエポ
キシ化合物の新規な製造法を提供するものである。
【0008】以下に本発明の方法について具体的に説明
する。
【0009】本発明のヒドロキシル基を有する炭素数4
以上のエポキシ化合物の製造法においては、結晶性チタ
ノシリケートが触媒として使用される。ここでいう結晶
性チタノシリケートとは、E.M.Flanigenら
により開示された(Nature,271,512(1
978))「シリカライト」(ゼオライト構造をもつ結
晶性のSiO2)の結晶格子を形成するケイ素の一部を
主としてチタンで置換することにより得られた化合物で
ある。この結晶性チタノシリケートは公知の方法によっ
て合成されたものであればよく、例えば、その合成例と
しては特開昭56−96720号公報に開示された方法
等が挙げられる。即ち、チタニウムのアルコキシドとシ
リコンのアルコキシドを混合し、これにテトラプロピル
アンモニウム塩を添加し、そのあと加水分解を行なう。
得られた混合物からエタノールを留去し、蒸留水を加え
た後、オートクレーブに移し、加熱・熟成して沈澱物を
得る。この沈澱物を洗浄、乾燥、焼成して所望の結晶性
チタノシリケートを得ることができる。
【0010】結晶性チタノシリケートに含まれるチタン
量は、シリカ/チタニア比(モル比)として表すことが
できる。本発明で用いる結晶性チタノシリケートのシリ
カ/チタニア比は5〜200が良く、好ましくは5〜1
00である。また、結晶性チタノシリケートに含まれる
成分はチタンに限定されるものではなく、チタン以外に
必要に応じてホウ素、アルミニウム、リン、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、ガリウム、ジルコニウム等
から選択される元素を一種以上含んでいてもよい。
【0011】このようにして調製した本発明の触媒であ
る結晶性チタノシリケートは、そのまま触媒として反応
に使用できるが、所望なら成型して使用してもよい。成
型する場合には、必要に応じてバインダーを用いて良
い。この場合、バインダーの種類に特に制限はなく、例
えばシリカ、アルミナおよびこれらの混合物等が用いら
れる。
【0012】反応に使用する触媒の量は、反応液中の結
晶性チタノシリケート触媒の濃度として規定できるが、
エポキシ化の反応性が結晶性チタノシリケート中のチタ
ンの量に影響されるため一概にその範囲を規定すること
は難しい。敢えてその濃度を規定するならば、反応液中
の結晶性チタノシリケート濃度は0.01重量%〜30
重量%とすることができる。
【0013】本発明のヒドロキシル基を有する炭素数4
以上のエポキシ化合物の製造方法においては、反応原料
として4以上の炭素数を有する不飽和アルコールが用い
られる。この不飽和アルコールのヒドロキシル基の位置
に特に制限はなく、どの位置にあっても差し支えない。
本発明に使用できる不飽和アルコールとしては、例え
ば、3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1−オー
ル、2−ペンテン−1−オール等の一級の不飽和アルコ
ール、また、3−ブテン−2−オール、4−ペンテン−
2−オール、4−ペンテン−3−オール等の二級の不飽
和アルコール等を挙げることができる。
【0014】本発明の方法では、過酸化水素を酸化剤と
して用いるが、この濃度に特に制限はなく、低濃度ある
いは高濃度の過酸化水素水を適宜使用することができ
る。しかし、あまり低濃度では効率が悪く、必要とする
溶媒量が増し、また、あまり高濃度では取扱いが難しく
なる。そのため、通常では5〜90%、より好ましくは
5〜80%の過酸化水素水を用いる。
【0015】反応原料である不飽和アルコールと過酸化
水素の比率に特に制限はなく、所望のエポキシ化生成物
が得られる量の過酸化水素を用いれば良い。もし、副生
成物が許容される範囲であれば反応原料に対して過酸化
水素を過剰に用いてもあるいは目的によっては逆に少な
く用いても構わない。
【0016】本発明の方法では、液相で反応を行うのが
好ましい。この場合、反応原料の不飽和アルコールそれ
自身を溶媒としても良いし、必要に応じて溶媒を使用し
ても差し支えない。この場合、溶媒としては、原料の不
飽和アルコールおよび過酸化水素と反応しないものが望
ましく、また、エポキシ化反応に悪影響を及ぼさず、か
つ、反応生成物であるヒドロキシル基を有するエポキシ
化合物と反応しない溶媒が選択される。この様な溶媒と
して、例えば、水、エタノール、ターシャリーブタノー
ル等の炭素数6以下のアルコール類、アセトン等のケト
ン類、エチレングリコールなどのグリコール類、酢酸、
プロピオン酸などのカルボン酸類等を例示できる。
【0017】本発明によれば、エポキシ化反応の手順や
方法に特に制限はない。例えば、反応原料の不飽和アル
コールと溶媒に結晶性チタノシリケートを加え、撹拌し
ながら加温し、ここに過酸化水素を適当な速度で滴下し
て反応を行っても良い。あるいは、あらかじめ溶媒、触
媒を含むすべてを混合しておいたのち、所定の反応温度
として反応させても構わない。さらには、反応に用いる
原料をまとめてあるいは個別に連続的に供給し、反応さ
せてもいっこうに差し支えない。
【0018】反応温度は0〜150℃がよく、10〜1
00℃が好ましい。反応温度が、反応原料の沸点や、溶
媒の沸点を越える場合には、加圧して反応を行ってもよ
い。反応圧力に特に制限はないが、常圧〜50気圧の範
囲でよい。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細
に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すも
ので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 特開昭56−96720号公報の方法に従って結晶性チ
タノシリケート触媒を調製した。すなわち、窒素雰囲気
下でオルトケイ酸テトラエチルにチタン酸テトラエチル
を加え、これに水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶
液を徐々に滴下した。室温で一時間反応させ、さらに8
0〜90℃で5時間反応させた後、生成したエタノール
を系外に分離した。得られた混合物に蒸留水を添加した
後、オートクレーブに移し、175℃で55時間熟成し
白色結晶を得た。得られた白色結晶を温水で充分洗浄し
た後、120℃で一晩乾燥し、550℃で6時間焼成処
理して結晶性チタノシリケート触媒を得た。得られた結
晶性チタノシリケート中のシリカ/チタニア比は52
(原子吸光分析により決定)であった。
【0021】50mlの反応器に3−ブテン−1−オー
ル10ml、触媒0.05gを入れ、50℃まで昇温し
た。ここに30重量%の過酸化水素水を加え、3時間反
応させた。生成物をガスクロマトグラフで分析したとこ
ろ2,3−エポキシブタン−1−オールが14mol/
mol−Tiの収率で得られた。
【0022】実施例2〜10 反応原料を変えた以外は実施例1と全く同様にして反応
を行った。結果を表1に示す。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、引例のようにヒドロパ
ーオキシドを酸化剤として用いた場合のようにアルコー
ルのような量論的に生成する副生成物もなく、かつ、不
均一系の触媒であるため触媒の分離も容易であり、目的
とする炭素数4以上のエポキシ化合物を得ることがで
き、工業的見地から有意義である。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/12 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過酸化水素の存在下に炭素数4以上の不飽
    和アルコールをエポキシ化するにあたり、触媒として結
    晶性チタノシリケートを用いることを特徴とするヒドロ
    キシエポキシ化合物の製造法。
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