JP3051667B2 - 半導体装置製造用シリカガラス治具 - Google Patents

半導体装置製造用シリカガラス治具

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置製造用
のシリカガラス治具、さらに詳しくは半導体素子の製造
における、気相化学反応による成膜工程で使用するウエ
ハ保持用シリカガラス治具に関する。
【0002】
【従来技術】従来、半導体素子の製造において、1種以
上の化合物ガスを気相で化学反応させ生成した珪素、窒
化珪素、シリカ等を薄膜状にウエハ上に形成する、いわ
ゆる気相化学反応法(Chemical Vapor
Deposition Method、以下CVD法と
いう)が採用されてきた。前記成膜法では高純度が要求
されるところからシリカガラス治具を使用することが多
い。CVD法で形成した成膜物質はウエハ表面にとどま
らず前記シリカガラス治具の表面にも堆積する。成膜物
質のうち珪素、窒化珪素は成膜温度である数百度では安
定してシリカガラス表面に付着しているが、室温まで冷
却されると、成膜物質の熱膨張係数がシリカガラスより
大きいことから治具表面に堆積した膜に引張り応力が生
じ、固くて脆いこれらの膜にクラックが発生する。ま
た、成膜物質がシリカの場合は、構成成分が生地のシリ
カガラスと同じところから熱膨張係数の差に基づくクラ
ックの発生は原理的に生じない筈である。しかし、例え
ばTEOS(正珪酸四エチルエステル)からCVD法で
シリカ膜を成膜する場合には、堆積した時化学量論的組
成ではないので、その後の熱処理で化学量論比に近付け
るのが普通である。その時に起こる収縮が原因で膜にク
ラックが発生する。前記珪素、窒化珪素、シリカはシリ
カガラスとの接合が良いところから膜に発生した前記ク
ラックはシリカガラス生地にまで進行し10μmに満た
ない厚さの成膜物質の付着で厚さ3mm以上のシリカガ
ラス管や直径6mm以上のシリカガラス棒が破断するこ
とが珍しくない。こうした治具の破損を防止するため従
来では治具に付着する成膜物質の引張り応力が大きくな
る前に該成膜物質をフッ化水素酸の溶液で洗浄除去して
いたが、前記溶液による洗浄回数が増すにつれ、シリカ
ガラス治具自体が腐食され痩せてきて寸法精度が悪くな
り所望の均一性を持った被膜をウエハ上に形成すること
ができなくなる等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記欠点を解
決するためシリカガラス治具の表面をフッ化水素酸溶液
による腐食に抵抗性をもつ物質で被覆することが特開昭
62−134936号公報で提案された。前記被膜形成
物質は窒化珪素、多結晶珪素、無定形珪素、珪素−硼素
であり、これらの物質を均一に被覆することでシリカガ
ラス治具のフッ化水素酸溶液洗浄による腐食を防ぐもの
である。前記耐腐食性の被覆でシリカガラス治具の腐食
は少なくなり治具寿命は長くなったが、シリコンウエハ
を収納する際直接接触する部分、例えばウエハスロット
表面ではウエハの出し入れ時に耐腐食性被膜が破壊さ
れ、パーティクルが発生し、ウエハを汚染するという新
たな問題が発生した。
【0004】そこで、本発明者等は、上記問題を解決す
るため鋭意研究を重ねた結果、シリカガラス治具表面に
耐腐食性のアンダーコート層を形成し、さらにガラス状
カーボンのトップコート層を設けることでフッ化水素酸
溶液に対して耐腐食性が良好な上に、パーティクルの発
生のないウエハ載置用シリカガラス治具が得られること
を見出し、本発明を完成したものである。すなわち、
【0005】本発明は、フッ化水素酸溶液に対する耐腐
食性をもち、かつパーティクルの発生のない半導体装置
製造用シリカガラス治具を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、CVD成膜用シリカガラ
スボートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、シリカガラス治具表面に耐腐食性のアンダーコー
ト層及びガラス状カーボンのトップコート層を設けたこ
とを特徴とする半導体装置製造用シリカガラス治具に係
る。
【0008】上記のように本発明の半導体装置製造用シ
リカガラス治具では、治具基材の表面にフッ化水素酸溶
液に対し耐腐食性を有するアンダーコート層を設け、さ
らにガラス状カーボンのトップコート層を設けた積層シ
リカガラス治具であるが、前記アンダーコート層を形成
する材料としては、窒化珪素、多結晶珪素、無定形珪
素、珪素−硼素等が挙げられる。前記材料を用いての被
膜の形成は、原料であるシラン、ジシラン、ジボラン又
はそれらの混合物等の原料ガスを0.1〜1.0トール
の減圧下、500〜900℃に加熱された領域に供給
し、前記原料ガスの反応により形成された窒化珪素、多
結晶珪素、無定形珪素、珪素−硼素等をシリカガラス治
具表面に堆積させることで行える。該堆積の前に治具基
材の表面を粗にしておくと被膜の接着力が向上し好適で
ある。前記被膜層の厚さは、0.5〜3μmの範囲がよ
い。層の厚さが0.5μm未満では治具の耐腐食性に劣
り、また厚さが3μmを超えると、治具基材と被膜との
熱膨張係数の差が大きいことから発生した応力で被膜が
破断され、そこから腐食液が浸入しシリカガラス治具基
材を腐食し治具の寿命を短いものにする。
【0009】本発明のシリカガラス治具に設けられるガ
ラス状カーボントップコート層は、原料のフラン、フェ
ノール又はそれらの混合物を触媒の存在下で縮合して得
られた樹脂液をアンダーコート層の設けられたシリカガ
ラス治具に塗布し、乾燥固化したのち不活性ガス雰囲気
中、好ましくはアルゴン雰囲気中でシリカガラスの変形
温度以下、すなわち約1100℃以下の温度で加熱処理
することで形成される。前記トップコート層を形成する
材料としては特にフルフラールとフェノールとの共縮合
樹脂が好ましい。前記トップコート層の厚みは0.7〜
2.5μmの範囲で選ばれる。層厚が0.7μm以上で
あればウエハの出し入れによる膜の破損がなく、発塵が
抑えることができるが、層厚を2.5μmを超える厚さ
にするためにはガラス状カーボン原料の塗布、炭化工程
を多数繰り返す必要があることからコスト高となり好ま
しくはない。前記方法で形成されたガラス状カーボント
ップコート層にはピンホールの発生は避けられないが、
該ピンホールが存在しても本発明のシリカガラス治具に
は耐腐食性のアンダーコート層が存在することから、フ
ッ化水素酸溶液によるシリカガラス基材の腐食が起こら
ず、治具寿命は長いものとなる。しかも本発明のシリカ
ガラス治具はガラス状カーボンのトップコート層でアン
ダーコート層からのパーティクルの発生を防止でき、シ
リコンエウハの熱処理において該パーティクルによるシ
リコンウエハの汚染がない。特に珪素アンダーコート層
とガラス状カーボン層との組合せは、パーティクルの発
生がなく好適である。
【0010】上記アンダーコート層を形成するに当って
はシリカガラス基材の表面を粗にしておくのがよい。前
記基材表面を粗にする方法としてはサンドブラスト法等
の機械的手段や化学的処理法等を挙げることができる。
化学的処理法では処理液としてはフッ化アンモニウム、
酢酸、さらに必要によりフッ化水素及び水を含有する処
理液が使用されるが、ウエハを汚染する物質の発生がな
い上にシリカガラス基材にクラックを発生させることな
く粗にできるので好適である。前シリカガラス基材の表
面の粗さは中心線平均粗さ(Ra)で0.5〜2.0μ
mの範囲がよい。前記範囲の粗さは化学的処理法では化
学的処理液にシリカガラス基材を2〜5時間浸漬するこ
とで容易に達成できる。
【0011】本発明の半導体装置製造用シリカガラス治
具は、前記アンダーコート層とガラス状カーボン層との
間に任意の中間膜をその目的に応じて設けることができ
る。本発明のシリカガラス治具表面に有する各層の厚み
は、治具の洗浄目的から堆積物をも含めた一定の厚さに
とどめる必要があるので、できるだけ薄い層に形成する
のがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】次に実施例に基づいて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何
ら限定されるものではない。
【0013】実施例1 図1にシリコンウエハ珪素低圧CVD装置を示す。1は
半導体ウエハ、2はシリカガラス製チャンバー、3はシ
リカガラス製ウエハボート、5はガス排気口、6はガス
導入口、7はRF電源である。前記装置に使用するウエ
ハボート3を通常のシリカガラス細工で製造しそれを温
度630℃、圧力0.2トールの処理装置内に導入し、
シランガスに100分間曝した。ウエハボート3の表面
には層厚2.8μmの珪素膜が形成された。前記珪素被
覆ウエハボート3をフルフラール2モルとフェノール1
モルからなる溶液に浸漬し、乾燥、固化したのちアルゴ
ン雰囲気中で最高1100℃まで加熱して厚さ1μmの
ガラス状カーボンのトップコート層4を形成した。
【0014】上記ウエハボート3に半導体ウエハ1を載
置しウエハの珪素低圧CVD処理を行ったが、パーティ
クルの発生がなく、しかもガラス状カーボン層の剥がれ
もなかった。前記ウエハボートをフッ酸で数回洗浄した
がウエハボートに設けられた溝や孔に拡大がなく、寸法
の安定した治具であった。
【0015】
【発明の効果】本発明のシリカガラス治具は、耐腐食性
のアンダーコート層とガラス状カーボンのトップコート
層とを有し、フッ化水素酸溶液による処理で腐食される
こともまたパーティクルの発生によるウエハの汚染がな
く、寿命の長い治具である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウエハ支持部を珪素膜をアンダーコー
トとしガラス状カーボン被膜したシリコンウエハ珪素低
圧CVD装置の概略図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ 2 シリカガラス製チャンバー 3 シリカガラス製ウエハボート 4 珪素膜をアンダーコートとするガラス状カーボン
被膜 5 ガス排気口 6 ガス導入口 7 RF電源
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00 H01L 21/205 H01L 21/3065 H01L 21/304

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカガラス治具表面に耐腐食性のアンダ
    ーコート層及びガラス状カーボンのトップコート層を設
    けたことを特徴とする半導体装置製造用シリカガラス治
    具。
  2. 【請求項2】アンダーコート層が珪素、窒化珪素、珪素
    −硼素又はそれらの組合せのいずれか1の層からなり、
    その層厚が0.5〜3μmであることを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置製造用シリカガラス治具。
  3. 【請求項3】ガラス状カーボントップコート層の厚さが
    0.7〜2.5μmであることを特徴とする請求項1記
    載の半導体装置製造用シリカガラス治具。
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