JP3094184B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用等の内燃機関にお
ける冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、燃焼性向上のため
シリンダブロックおよびシリンダヘッドを全体としては
ある程度高温に保ちつつ、局所的に冷却効率を高めてノ
ッキングを防止し、あるいは充填効率の向上を図る必要
がある。そこで、従来から、例えば実開昭62−156
126号公報に記載されているように、シリンダヘッド
内の冷却水通路に吸気ポート側に設けた冷却水入口から
冷却水が導入されプラグ周りを通って排気ポート側へ流
れ、排気ポート側で二つの流れに分岐して、一方は排気
ポートの周りを経てヘッド側冷却水出口から外部へ流出
し、他方は連通路を介しシリンダブロック内冷却水通路
に流入し、該シリンダブロック内冷却水通路を気筒配列
方向に直交する方向へ吸気ポート側へ向けて流れるよう
構成したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
高出力化のための一つの方向として、シリンダボア径に
対してストロークを長くするとともに、過給をかけて空
気充填量を増大させるようにしたものがあるが、このよ
うにして高出力化を図った内燃機関の場合には、空気充
填量が大きいことによってノッキングが一層発生しやす
いという問題がある。そこで、ノッキングを防止するた
めにヒートポイントが発生しやすい吸気ポート側、特に
シリンダヘッドの吸気ポート側燃焼室壁を積極的に冷却
することが必要となるが、例えば上記公報に記載された
装置では、シリンダヘッド内冷却水通路全体に低温の冷
却水を流すため、吸気ポート側の冷却効率を高めようと
すると全体の温度が低下して燃焼性が悪化する。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、燃焼性を確保しつつ吸気ポート側を積極的に
冷却して耐ノック性を向上させることのできる内燃機関
の冷却装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内燃機関の
冷却装置は、シリンダブロックのボア周囲に冷却水通路
を設け、該冷却水通路の吸気ポート側の部分に、冷却水
がシリンダブロックのトップデッキ部に向けて導入され
るよう指向されたブロック側冷却水導入部を、また、排
気ポート側の部分にブロック側冷却水導出部をそれぞれ
設けて、ブロック側冷却水導出部をシリンダヘッド内の
冷却水通路に連通させるとともに、シリンダヘッド内の
冷却水通路の吸気ポート側の部分にヘッド側冷却水導出
部を設けて、これらブロック側冷却水導入部,ボア周囲
の冷却水通路,ブロック側冷却水導出部,シリンダヘッ
ド内の冷却水通路およびヘッド側冷却水導出部によって
第1冷却経路を形成し、また、シリンダヘッド内に吸気
ポート側燃焼室壁に向けて局所的に冷却水を導入する第
2冷却経路を設けたことを特徴とする。
【0006】また、シリンダヘッドの吸気ポート側燃焼
室壁部分をより効率よく冷却するため、上記構成におい
て、第2冷却経路に導入される冷却水の流速を第1冷却
経路に導入される冷却水の流速より大きくする手段を設
けることができ、また、第2冷却経路に導入される冷却
水の設定温度を第1冷却経路に導入される冷却水の設定
温度より低くする手段を設けることができる。その際、
第2冷却経路に導入される冷却水の流速を大きくする手
段は、第1冷却経路に設置する第1ウォータポンプと第
2冷却経路に設置する第2ウォータポンプとの直列配置
によるものとすることができ、また、第1冷却経路に導
入される冷却水の設定温度を低くする手段としては、車
室内温調システムのヒータ部が利用できる。
【0007】 また、各気筒を偏りなく効率的に冷却する
には、ボア周囲の冷却水通路を気筒毎に独立したものと
するのがよい。
【0008】 また、シリンダブロックのボアの熱分布を
均一にして熱変形を防ぐため、また、吸気ポート側をよ
り効率よく冷却するためには、ボア周囲の冷却水通路を
シリンダヘッドに近い部分の容量が他より大きくなるよ
うにするとよい。
【0009】 また、複数の吸気ポートを有するものにお
いては、最もヒートポイントが発生しやすい吸気ポート
間の燃焼室壁を効率よく冷却するため、第2冷却経路は
複数の吸気ポートの間を燃焼室壁に沿って冷却水を流す
よう形成するとよい。
【0010】
【作用】本発明の構成によれば、第1冷却経路を流れる
冷却水はシリンダブロックの吸気ポート側の部分に設け
られたブロック側冷却水導入部からボア周囲の冷却水通
路に入り、ボア周囲を冷却しながら排気ポート側へ流れ
て排気ポート側のブロック側冷却水導出部からシリンダ
ヘッド内の冷却水通路に流入する。そして、冷却水はシ
リンダヘッド内の冷却水通路を燃焼室壁を冷却しながら
排気ポート側から吸気ポート側へ流れ、吸気ポート側に
設けられたヘッド側冷却水導出部から排出される。ま
た、これとは別に、シリンダヘッドに設けられた第2冷
却経路からは吸気ポート側燃焼室壁に向けて局所的に冷
却水が導入され、この第2冷却経路の冷却水によって吸
気ポート側燃焼室壁部分が積極的に冷却される。また、
ボア周囲の冷却水通路に開口するブロック側冷却水導入
部が、冷却水がシリンダブロックのトップデッキ部に向
けて導入されるよう指向されたことにより、シリンダブ
ロックの吸気ポート側が効率よく冷却される。
【0011】 そして、第1冷却経路に設置する第1ウォ
ータポンプと第2冷却経路に設置する第2ウォータポン
プとの直列配置等によって上記第2冷却経路に導入され
る冷却水の流速が第1冷却経路に導入される冷却水の流
速より大きくされることにより、また、車室内温調シス
テムのヒータ部等を利用した手段によって第2冷却経路
に導入される冷却水の設定温度が第1冷却経路に導入さ
れる冷却水の設定温度より低くされることにより、シリ
ンダヘッドの吸気ポート側燃焼室壁部分がより効率よく
冷却される。
【0012】 また、ボア周囲の冷却水通路が気筒毎に独
立していることによって、各気筒が偏りなく効率的に冷
却され、また、ボア周囲の冷却水通路がシリンダヘッド
に近い部分で容量が大きくされていることによって、シ
リンダブロックの長手方向の熱分布が均一化され、熱変
形が防止される。
【0013】 また、複数の吸気ポートを有する内燃機関
においては、第2冷却経路が複数の吸気ポートの間を燃
焼室壁に沿って冷却水を流すよう形成されることによ
り、最もヒートポイントが発生しやすい吸気ポート間の
燃焼室壁が効率よく冷却される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】 図1は本発明の一実施例を示す内燃機関の
部分断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は同内燃
機関をシリンダヘッド上方から見た部分平面図である。
この実施例において内燃機関1は直列3気筒であって、
シリンダブロック2には各気筒のボア部2a内周に乾式
ライナ3が嵌合され、シリンダブロック2の上部にはシ
リンダヘッド4が装着されている。そして、シリンダブ
ロック2内の上記ライナ3に沿ってピストン(図示せ
ず)が摺動する。また、シリンダヘッド4には各気筒の
燃焼室5が形成され、また、各燃焼室5に開口するよう
吸気ポート6と排気ポート7がそれぞれ二つずつ設けら
れている。
【0016】 上記シリンダブロック2には、各ボア部2
aの周囲にそれぞれ独立したブロック内冷却水通路8が
設けられている。このブロック内冷却水通路8はボア部
2aの上半部を囲むよう環状に形成され、かつ、その上
半分は下半分に対して断面が拡大した容量の大きな通路
とされている。そして、そのブロック内冷却水通路8の
吸気ポート6側には、該ブロック内冷却水通路8の上下
方向のほぼ中間においてシリンダブロック2のトップデ
ッキ部2bに向けて指向するブロック側冷却水導入部9
が設けられ、また、ブロック内冷却水通路8の排気ポー
ト7側にはヘッド合わせ面10に開口するよう気筒毎に
ブロック側冷却水導出部11が設けられている。
【0017】 また、上記シリンダヘッド4には、各気筒
の燃焼室5の壁面に沿ってヘッド内冷却水通路12が形
成されている。そして、そのヘッド内冷却水通路12の
排気ポート7側には各ブロック側冷却水導出部11に連
通する位置にヘッド側冷却水導入部13が設けられ、吸
気ポート6側にはブロック合わせ面14に開口する位置
にヘッド側冷却水導出部15が設けられている。そし
て、シリンダブロック2のヘッド合わせ面10には各ヘ
ッド側冷却水導出部15に連通する位置に冷却水排出部
16が設けられている。
【0018】 また、上記シリンダヘッド4の各ヘッド内
冷却水通路12には、各気筒の二つの吸気ポート6の間
をブロック合わせ面から立ち上がって上記ヘッド側冷却
水導出部15側への通路部分17から燃焼室5の壁面に
沿う通路部分18を仕切る仕切り壁19が設けられ、こ
の仕切り壁19内側の通路部分18は下端がブロック合
わせ面14に開口されている。そして、シリンダヘッド
4には吸気ポート6側からブロック合わせ面14に近い
位置で水平方向に冷却水パイプ20が挿入され、この冷
却水パイプ20は上記仕切り壁19を貫通してその先端
が該仕切り壁19の内側に開口されている。また、シリ
ンダブロック2には、ヘッド合わせ面10に開口して上
記仕切り壁19内側の上記通路部分18の下端開口部に
連通する連通路21が設けられている。
【0019】 上記ブロック側冷却水導入部9には、第1
ウォータポンプ32から冷却水導入通路22を介して冷
却水が供給される。また、上記冷却水パイプ20には、
上記第1ウォータポンプ32に対し直列に配置された第
2ウォータポンプ33から冷却水が供給される。この第
2ウォータポンプ33に流れる冷却水は、途中、車室内
温調システムのヒータ部34を通る。なお、図1で35
はラジエータ、36ははサーモセンサである。
【0020】 そして、上記ブロック側冷却水導入部9に
供給された冷却水は、このブロック側冷却水導入部9か
らブロック内冷却水通路8に入り、ボア部2a周囲を冷
却しながら排気ポート7側へ流れてブロック側冷却水導
出部11からヘッド内冷却水通路12に流入する。そし
て、冷却水はヘッド内冷却水通路12を燃焼室壁を冷却
しながら吸気ポート6側へ流れ、吸気ポート6側に設け
られたヘッド側冷却水導出部15から冷却水排出部16
に排出される。また、冷却水パイプ20に供給された冷
却水は仕切り壁内側の上記通路部分18に噴出される。
そして、この冷却水パイプから噴出される冷却水により
吸気ポート6側の燃焼室壁が局所的に冷却される。この
冷却水パイプ20に導入される冷却水は、直列配置の二
つのウォータポンプ32,33によって加圧されること
によって流速が大きくなり、しかも、ヒータ部34で熱
交換されることによって低温となるため、これによって
吸気ポート6側の効率のよい冷却が達成される。また、
ブロック側冷却水導入部9から導入される冷却水は、ボ
ア部2a周囲を吸気ポート6側から排気ポート7側へ流
れるため吸気ポート6側がより冷却され、また、特にそ
の導入方向がトップデッキ部2b側に指向されているこ
とによって、ボア部2aの高温側が効率よく冷却され熱
分布が均一化される。
【0021】 つぎに、上記実施例に関連して、燃焼室頭
壁を局部的に冷却するための他の構造例を図4乃至図9
によって説明する。
【0022】 図4および図5(図4のB−B断面を示
す)はその一例であって、この場合、内部が水平に並ぶ
多数の開口23に区画され先端が斜めにカットされた偏
平な局部冷却用パイプ24が、シリンダヘッド4に対し
吸気ポート6側からブロック合わせ面14に近い位置で
水平に挿入されて、下方に局所冷却ジャケット25を形
成するようその上部先端が固定されている。
【0023】 また、図6および図7(図6のC−C断面
を示す)は他の例であって、この場合、シリンダヘッド
4内部の吸気ポート6側からガスエンドゾーン26にか
けての部分に局所冷却ジャケット27が形成され、この
局所冷却ジャケット27のガスエンドゾーン26側の部
分に開口するよう、内部が水平に並ぶ多数の開口28に
区画された偏平な局部冷却用パイプ29が挿入されてい
る。
【0024】 また、図8および図9(図8のD−D断面
を示す)は他の例であって、この場合は、シリンダヘッ
ド4に、内面側に露出してガスエンドゾーン26を囲む
ようCu等の局所冷却リング30を配置し、かつ、この
局所冷却リング30を含むガスエンドゾーン26側の壁
面にメッキあるいは溶射によってAgの被覆層31を設
けている。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、燃焼性を確保しつつ吸気ポート側を積極的に冷却し
て耐ノック性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す内燃機関の部分断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】本発明の一実施例の内燃機関をシリンダヘッド
上方から見た部分平面図
【図4】上記実施例に関連して、燃焼室頭壁を局部的に
冷却するための構造例を示す構造図
【図5】図4のB−B断面図
【図6】上記実施例に関連して、燃焼室頭壁を局部的に
冷却するための他の構造例を示す構造図
【図7】図6のC−C断面図
【図8】上記実施例に関連して、燃焼室頭壁を局部的に
冷却するためのさらに他の構造例を示す構造図
【図9】図8のD−D断面図
【符号の説明】
1 内燃機関 2 シリンダブロック 4 シリンダヘッド 5 燃焼室 6 吸気ポート 7 排気ポート 8 ブロック内冷却水通路 9 ブロック側冷却水導入部 11 ブロック側冷却水導出部 12 ヘッド内冷却水通路 13 ヘッド側冷却水導入部 15 ヘッド側冷却水導出部 19 仕切り壁 20 冷却水パイプ 32 第1ウォータポンプ 33 第2ウォータポンプ 34 ヒータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02F 1/36 F02F 1/36 C 1/40 1/40 B (56)参考文献 特開 平2−256820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 3/02 F02F 1/10 F02F 1/36 F02F 1/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックのボア周囲に冷却水通
    路を設け、該冷却水通路の吸気ポート側の部分に、冷却
    水が前記シリンダブロックのトップデッキ部に向けて導
    入されるよう指向されたブロック側冷却水導入部を、ま
    た、排気ポート側の部分にブロック側冷却水導出部をそ
    れぞれ設けて、前記ブロック側冷却水導出部をシリンダ
    ヘッド内の冷却水通路に連通させるとともに、前記シリ
    ンダヘッド内の冷却水通路の吸気ポート側の部分にヘッ
    ド側冷却水導出部を設けて、これらブロック側冷却水導
    入部,ボア周囲の冷却水通路,ブロック側冷却水導出
    部,シリンダヘッド内の冷却水通路およびヘッド側冷却
    水導出部によって第1冷却経路を形成し、また、前記シ
    リンダヘッド内に吸気ポート側燃焼室壁に向けて局所的
    に冷却水を導入する第2冷却経路を設けたことを特徴と
    する内燃機関の冷却装置。
  2. 【請求項2】 第2冷却経路に導入される冷却水の流速
    を第1冷却経路に導入される冷却水の流速より大きくす
    る手段を設けた請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記手段が、第1冷却経路に設置する第
    1ウォータポンプと第2冷却経路に設置する第2ウォー
    タポンプとの直列配置によるものである請求項2記載の
    内燃機関の冷却装置。
  4. 【請求項4】 第2冷却経路に導入される冷却水の設定
    温度を第1冷却経路に導入される冷却水の設定温度より
    低くする手段を設けた請求項1記載の内燃機関の冷却装
    置。
  5. 【請求項5】 前記手段が車室内温調システムのヒータ
    部である請求項4記載の内燃機関の冷却装置。
  6. 【請求項6】 ボア周囲の冷却水通路は気筒毎に独立し
    たものとされた請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  7. 【請求項7】 ボア周囲の冷却水通路はシリンダヘッド
    に近い部分の容量が他より大きくされた請求項1または
    6記載の内燃機関の冷却装置。
  8. 【請求項8】 第2冷却経路は複数の吸気ポートの間を
    燃焼室壁に沿って冷却水を流すよう形成された請求項2
    または4記載の内燃機関の冷却装置。
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