JP3095647B2 - 小麦粉製品の品質改良剤およびそれを含有するテクスチャーの改良された小麦粉製品 - Google Patents

小麦粉製品の品質改良剤およびそれを含有するテクスチャーの改良された小麦粉製品

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JP3095647B2 JP06318352A JP31835294A JP3095647B2 JP 3095647 B2 JP3095647 B2 JP 3095647B2 JP 06318352 A JP06318352 A JP 06318352A JP 31835294 A JP31835294 A JP 31835294A JP 3095647 B2 JP3095647 B2 JP 3095647B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンドウ蛋白質および
カードランを含有することを特徴とする小麦粉製品の品
質改良剤と、エンドウ蛋白質およびカードランを含有す
ることを特徴とするテクスチャーの改良された小麦粉製
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、うどん等の麺類や餃子等の皮類の
小麦粉製品の製造において、コシ等の品質改良を目的と
して、植物性蛋白質(大豆蛋白、グルテン)や乳蛋白、
卵白などの動物性蛋白質等の品質改良剤を加えていた。
【0003】しかしながら、これらの品質改良剤を加え
ると製品の歯ごたえ、弾力性は向上するが、それは単に
かたさだけが勝っているだけでしなやかさに欠け、テク
スチャーが劣るという欠点があった。
【0004】また、従来の植物性蛋白質や乳蛋白には、
蛋白質そのものに特有の味や臭いがあるため、これらの
蛋白質を小麦粉製品に添加すると、小麦粉製品にこれら
の蛋白質特有の味や臭いが付与されてしまう欠点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消するためになされたものであり、本発明
の課題は、しなやかさとコシ等のテクスチャー、風味、
味の改良された餃子、ワンタン等の皮類、麺類、スパゲ
ッティ等のパスタ類等の小麦粉製品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意努力を重ねた結果、エンドウ蛋白質と
特定の増粘多糖類を併用することにより、小麦粉製品の
品質を改良できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、エンドウ蛋白質およ
びカードランを含有することを特徴とする、餃子および
ワンタン等の皮類、麺類、スパゲッティ等のパスタ類の
小麦粉製品の品質改良剤と、エンドウ蛋白質およびカー
ドランを含有することを特徴とするテクスチャーの改良
された小麦粉製品に関するものである。
【0008】本発明の小麦粉製品品質改良剤とテクスチ
ャーの改良された小麦粉製品における必須成分のひとつ
であるエンドウ蛋白質とは、エンドウの子実中に20%
程度含まれるている蛋白質を意味する。なお、エンドウ
(Pisum sativum L.)とは、マメ科の
1〜2年草で、広く食用に供されている植物であり、そ
の種類は問わないが、黄色エンドウ(Yellow P
ea)の蛋白質が色調、風味において食品加工用素材と
して最も適しており、且つ工業的にも入手し易い点で好
ましい。
【0009】なお、黄色エンドウとは、子実が完熟して
堅くなり黄色味を示すエンドウの1種であり、種実用と
して広く一般に栽培されている。
【0010】黄色エンドウの蛋白質は、黄色エンドウを
原料とし常法により製造したものを用いることができ
る。すなわち、一般的には、原料となる完熟した黄色エ
ンドウの子実を洗浄、乾燥し、外殻を取り除いた後、主
に水を使用して蛋白質成分を抽出することにより得られ
る。本発明に用いる黄色エンドウの蛋白質としては、さ
らに濃縮後、噴霧乾燥し粉末状としたものが好ましい。
ただし、黄色エンドウに含有される蛋白質を分離、精製
したものであれば、その製造方法は特に限定されない。
【0011】本発明におけるもうひとつの必須成分であ
るカードランとは、β−1,3−グルコシド結合を有す
る多糖類であり、アルカリゲネス属またはアグロバクテ
リウム属の微生物によって産生されるものである。
【0012】本発明の小麦粉製品品質改良剤は、エンド
ウ蛋白質およびカードランを必須成分として併用するも
のであり、両者の重量配合比は、95:5〜75:2
5、好ましくは、90:10〜80:20である。カー
ドランの重量配合比が、5未満あるいは25を超えた場
合には、エンドウ蛋白質との相乗効果が十分に発揮され
ず、充分なテクスチャー改良効果が得られないので好ま
しくない。
【0013】本発明の小麦粉製品品質改良剤を配合し
て、テクスチャーの優れた小麦粉製品とするためには、
小麦粉100重量部当り、エンドウ蛋白およびカードラ
ンの両者を0.15〜1.3重量部、好ましくは、0.
3〜1.0重量部配合すればよい。両者の配合率が0.
15重量部未満では、充分なテクスチャーの改良効果が
得られないので好ましくなく、1.3重量部を超えて配
合しても、テクスチャーの改良効果は増大せず、コスト
増となる点で好ましくない。
【0014】本発明の小麦粉製品に用いられる小麦粉
は、目的とする製品に適したものであれば、薄力粉、中
力粉、強力粉、デュラムセモリナ粉を問わず用いること
ができる。また、本発明の対象となる小麦粉製品とは、
例えば、餃子、ワンタン等の皮類、うどん、そうめん、
ひやむぎ、中華麺、焼きそば等に用いられる麺類、スパ
ゲッティ、マカロニ等のパスタ類である。
【0015】本発明の小麦粉製品を製造するには、常法
に従って製造すればよく、例えば原料の小麦粉に所定量
のエンドウ蛋白質、カードランと食塩等の添加物をそれ
ぞれ水と共に加え、十分混捏し、皮や麺に成形すればよ
い。また、エンドウ蛋白質とカードランを所定の比率で
あらかじめ配合して、品質改良剤を調製し、この品質改
良剤を、小麦粉に他の添加剤と共に加えて、混捏し、皮
や麺類を成形してもよい。
【0016】さらに、本発明の小麦粉製品には、通常用
いられている、保湿剤、着色剤、防腐剤、増量剤等の添
加剤をテクスチャーが損なわれない程度に添加してもよ
い。以下に、実施例により本発明をより詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
【実施例】
実施例1、比較例1〜3(うどんの場合) 中力粉1000gに食塩30g、水320gを加えると
共に、さらに黄色エンドウ蛋白質、カードランを表1に
示すように所定量加え、これらを混合機で15分間混練
し、麺生地を得た。次いで麺生地を圧延ロールで圧延し
て、麺厚2.3m/mの麺帯とした後、No.12の切
り歯で切り出して麺線とし、うどんを調製した。
【0018】次いで沸騰水中で、水分量が74〜75%
になるまで茹で上げを行なった。茹で上げたうどんのテ
クスチャーを測定するため、引張り試験における破断強
度と伸びにより物理的にコシの強さを測定し、さらに官
能評価におけるテクスチャーを比較した。その結果を表
1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】(引張り試験)茹で上げた麺線1本をサン
科学(株)製レオメータ(CR−200D)を用いて試
験を行なった。テーブル下降速度は6cm/minであ
る。
【0021】また、1検体あたり8回測定し、最大値と
最小値を除き、残りの測定値を用いて分散分析を行なっ
た。
【0022】熟練パネラー6名により、市販の生うどん
を同様に茹で上げ、これを基準として下記のような評価
配点により麺のコシの強さおよびテクスチャーを評価し
た(表中の数字はパネラー6名の平均値を表す)。
【0023】 −2:市販品より非常に劣るもの −1:市販品より少し劣るもの 0:市販品と同等 +1:市販品より少し良いもの +2:市販品より非常によいもの 表1の結果から明らかなように、本発明のエンドウ蛋白
質およびカードランを併用添加したうどんは、比較例の
これらを加えないかあるいはそれぞれ単独で添加して製
造したうどんと比べて、破断強度、伸びの物理的特性に
優れ、さらに官能評価におけるテクスチャーも優れてい
た。
【0024】実施例2〜5、比較例4(中華麺の場合) 準強力小麦粉1000gに食塩10g、水320g、か
んすいH(商品名、オルガノ(株)製かんすい)5gを
加えると共にさらに、黄色エンドウ蛋白質、カードラン
を表2に示すように所定量を加え、これを混合機で15
分間混練し、麺生地を得た。次いで麺生地を圧延ロール
で圧延して、麺厚1.3m/mの麺帯とした後、No.
22の切り歯で切り出して麺線とし、中華麺を調製し
た。
【0025】なお、茹で上げは沸騰水中で、水分量が7
4〜75%になるまで行なった。得られた中華麺の引張
り試験と官能評価を実施例1に準じて行なった。その結
果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果から明らかなように、実施例2
〜5の本発明のエンドウ蛋白質およびカードランを併用
添加した中華麺は、比較例4のこれらを加えない中華麺
と比べて、破断強度、伸びの物理的特性に優れ、さらに
官能評価におけるテクスチャーも優れていた。特に実施
例2の中華麺は、物理的特性および官能評価とも比較例
4に比べて、極めて優れていた。
【0028】実施例6、比較例5,6(中華揚げ麺の場
合) 準強力小麦粉1000gに食塩10g、水320g、か
んすいH(商品名、オルガノ(株)製かんすい)3gを
加えると共にさらに、黄色エンドウ蛋白質、カードラ
ン、大豆蛋白質を表3に示すように所定量を加え、これ
を混合機で15分間混合し、麺生地を得た。次いで麺生
地を圧延ロールで圧延して、麺厚1.3m/mの麺帯と
した後、No.22の切り歯で切り出して麺線とし、中
華麺を調製した。
【0029】さらに、この生中華麺を蒸した後、140
℃の食用油の中で1.5分間揚げることにより中華揚げ
麺を調製した。これを沸騰水中で2.5分茹で揚げるこ
とによって得られた中華揚げ麺の引っ張り試験と官能評
価を実施例1に準じて行った。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3の結果から明らかなように、実施例6
の本発明のエンドウ蛋白質およびカードランを併用添加
した中華揚げ麺は、比較例5のこれらを加えない中華揚
げ麺、および比較例6の大豆蛋白質を添加した中華揚げ
麺と比べて、破断強度、伸びの物理的特性に優れ、さら
に官能評価におけるテクスチャーも優れていた。
【0032】実施例7、比較例7,8(餃子の皮の品質
向上) 強力粉1000gに食塩10g、水450gを加えると
ともにさらに黄色エンドウ蛋白質、カードラン、グルテ
ンを表4に示すように所定量を加え、これらのドウを混
合機で20分間混練し、打粉をふり、圧延することによ
って餃子の皮を製造した。
【0033】得られた餃子の皮の各々を使用し、常法に
よって餃子を製造したところ比較例の餃子の皮と比較し
て、本発明の餃子の皮は、皮としてしっかりしており、
伸び強さも大きく、皮を製造している間も引きちぎれる
ことがなく、作業性も向上した。
【0034】得られた餃子の皮帯の各々について、その
引張試験における破断強度と歪みを比較した。その結果
を表4に示す。
【0035】なお、破断強度と歪みは、幅5mm×厚み
1mmの皮帯の引張り試験により求めた。
【0036】
【表4】
【0037】表4の結果から明らかなように、本発明の
エンドウ蛋白質およびカードランを併用添加した実施例
7の餃子の皮は、比較例7のこれらを加えないか、ある
いはグルテンを加えた比較例8の餃子の皮と比べて、破
断強度、歪みにおいて著しく向上した。
【0038】実施例8,9、比較例9,10 デュラムセモリナ粉1000gに水260gを加えると
ともに、さらに黄色エンドウ蛋白質、カードラン、卵白
を表5に示すように所定量加え、ミキサーにて15分間
混捏し、次いでパスタマシン(ダイス穴φ1.5mm)
で押し出して麺線とした。
【0039】なお、茹で上げは、沸騰水中で10分間行
った。
【0040】得られたスパゲッティの各々について、引
張試験における破断強度、伸び、ならびに官能評価にお
けるスパゲッティの腰の強さ、嗜好性を実施例1に準じ
て比較した。その結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】表5の結果から明らかなように、本発明の
エンドウ蛋白質およびカードランを併用添加した実施例
8,9のスパゲッティは、これらを配合しないか、ある
いは卵白を配合した比較例9,10のスパゲッティと比
較して、破断強度、伸びの物理的特性に優れ、さらに官
能評価におけるテクスチャーにも優れていた。
【0043】
【発明の効果】以上述べた実施例から明らかなように、
エンドウ蛋白質およびカードランを含有する品質改良剤
を、小麦粉製品に用いることにより、風味、テクスチャ
ーともに良好な小麦粉製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−97361(JP,A) 特開 平4−330256(JP,A) 特開 平4−210570(JP,A) 特開 平7−31394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドウ蛋白質およびカードランを含有
    することを特徴とする、餃子およびワンタン等の皮類、
    麺類、スパゲッティ等のパスタ類の小麦粉製品の品質改
    良剤。
  2. 【請求項2】 エンドウ蛋白質が、黄色エンドウから得
    られる蛋白質であることを特徴とする請求項1記載の小
    麦粉製品の品質改良剤。
  3. 【請求項3】 エンドウ蛋白質とカードランの重量配合
    比が、95:5〜75:25であることを特徴とする請
    求項1記載の小麦粉製品の品質改良剤。
  4. 【請求項4】 餃子およびワンタン等の皮類、麺類、ス
    パゲッティ等のパスタ類の小麦粉製品において、エンド
    ウ蛋白質およびカードランを含有することを特徴とする
    テクスチャーの改良された小麦粉製品。
  5. 【請求項5】 エンドウ蛋白質が、黄色エンドウから得
    られる蛋白質であることを特徴とする請求項4記載のテ
    クスチャーの改良された小麦粉製品。
  6. 【請求項6】 エンドウ蛋白質とカードランの重量配合
    比が、95:5〜75:25であり、小麦粉100重量
    部に対するエンドウ蛋白質およびカードランの両者の含
    有率が0.15〜1.3重量部である請求項4記載の小
    麦粉製品。
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