JP3096183B2 - 光導波路基板の製造方法 - Google Patents
光導波路基板の製造方法Info
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- JP3096183B2 JP3096183B2 JP05024233A JP2423393A JP3096183B2 JP 3096183 B2 JP3096183 B2 JP 3096183B2 JP 05024233 A JP05024233 A JP 05024233A JP 2423393 A JP2423393 A JP 2423393A JP 3096183 B2 JP3096183 B2 JP 3096183B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニオブ酸リチウム等の
電気光学結晶からなる基板に、いわゆるプロトン交換法
によって光導波路を形成するための方法に関するもので
ある。
電気光学結晶からなる基板に、いわゆるプロトン交換法
によって光導波路を形成するための方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウム(LiNbO3) 単結晶が、
オプトエレクトロニクス材料として期待されている。ニ
オブ酸リチウム単結晶からなる基板材料に光導波路を形
成する方法としては、現在、チタン拡散法とプロトン交
換法とが実用的である。
オプトエレクトロニクス材料として期待されている。ニ
オブ酸リチウム単結晶からなる基板材料に光導波路を形
成する方法としては、現在、チタン拡散法とプロトン交
換法とが実用的である。
【0003】こうしたプロトン交換法の代表例では、安
息香酸(C6H5COOH) の溶融液に上記基板材料を入れるこ
とで、H+ とLi + とのイオン交換を起こさせ、この基
板表面にHx Li1-xNb O3 からなる高屈折率層を形成
する。次いで、この基板を高温でアニールし、プロトン
の結晶内への拡散を促進する。こうして得た光導波路基
板は、各種の光部品への応用が期待されている。
息香酸(C6H5COOH) の溶融液に上記基板材料を入れるこ
とで、H+ とLi + とのイオン交換を起こさせ、この基
板表面にHx Li1-xNb O3 からなる高屈折率層を形成
する。次いで、この基板を高温でアニールし、プロトン
の結晶内への拡散を促進する。こうして得た光導波路基
板は、各種の光部品への応用が期待されている。
【0004】ここで安息香酸の融点は 121℃であり、沸
点は大気圧で 250℃である。そして、具体的には、安息
香酸をガラス容器中で溶融させ、ニオブ酸リチウムから
なる基板材料を溶融液中に浸漬し、例えば 195℃程度で
プロトン交換する。この段階では、ステップ状の屈折率
分布を有する光導波路が形成される。次いで、基板をア
ニールし、プロトンの結晶内拡散を促進する。
点は大気圧で 250℃である。そして、具体的には、安息
香酸をガラス容器中で溶融させ、ニオブ酸リチウムから
なる基板材料を溶融液中に浸漬し、例えば 195℃程度で
プロトン交換する。この段階では、ステップ状の屈折率
分布を有する光導波路が形成される。次いで、基板をア
ニールし、プロトンの結晶内拡散を促進する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプロト
ン交換法の欠点として、プロトン交換源である安息香酸
の蒸発量が多く、光導波路を形成する際に工程の制御が
非常に難しい。特に重大な問題として、溶融液から基板
を引き上げたときに基板にクラックが発生していること
が多く、基板の歩留が低い。しかも、三次元光導波路を
形成した場合、光の挿入損失に相当バラツキがあり、一
定した品質の光導波路を安定して製造することができな
かった。
ン交換法の欠点として、プロトン交換源である安息香酸
の蒸発量が多く、光導波路を形成する際に工程の制御が
非常に難しい。特に重大な問題として、溶融液から基板
を引き上げたときに基板にクラックが発生していること
が多く、基板の歩留が低い。しかも、三次元光導波路を
形成した場合、光の挿入損失に相当バラツキがあり、一
定した品質の光導波路を安定して製造することができな
かった。
【0006】本発明の課題は、プロトン交換工程におい
て基板材料にクラックが発生するのを防止して基板の歩
留を向上させ、かつ一定した品質の光導波路を安定して
製造できるようにすることである。
て基板材料にクラックが発生するのを防止して基板の歩
留を向上させ、かつ一定した品質の光導波路を安定して
製造できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンデンサー
を備えた密閉容器内で酸を加熱して液状とし、密閉容器
内に酸の加熱蒸気を還流させ、電気光学結晶からなる基
板材料を含む被処理材を保持具によって保持した状態で
密閉容器内に収容し、被処理材を酸に接触させないで保
持することによって加熱蒸気に被処理材をさらし、次い
で被処理材を液状の酸中に浸漬することによって基板材
料に光導波路を形成し、保持具が、液状の酸を流下させ
るための貫通孔が設けられた、被処理材を支持するため
の受け皿と、この受け皿を支持する枠とを備えているこ
とを特徴とする。
を備えた密閉容器内で酸を加熱して液状とし、密閉容器
内に酸の加熱蒸気を還流させ、電気光学結晶からなる基
板材料を含む被処理材を保持具によって保持した状態で
密閉容器内に収容し、被処理材を酸に接触させないで保
持することによって加熱蒸気に被処理材をさらし、次い
で被処理材を液状の酸中に浸漬することによって基板材
料に光導波路を形成し、保持具が、液状の酸を流下させ
るための貫通孔が設けられた、被処理材を支持するため
の受け皿と、この受け皿を支持する枠とを備えているこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明者は、上記したような基板材料のクラッ
クと、挿入損失のバラツキや増大の原因について、製造
工程の全般に亘って詳しく検討した。この結果、基板材
料を安息香酸溶融液中に浸漬する段階で、これを溶融液
中に投入する方法に問題があると考えた。そして、基板
材料を溶融液中に浸漬するに先立って、溶融液の上に基
板材料を所定時間固定し、安息香酸の蒸気の中にこれを
曝してみた。すると、基板材料にクラックが発生しにく
くなり、かつ最終的に光導波路の挿入損失もほぼ一定し
てくることが判明した。
クと、挿入損失のバラツキや増大の原因について、製造
工程の全般に亘って詳しく検討した。この結果、基板材
料を安息香酸溶融液中に浸漬する段階で、これを溶融液
中に投入する方法に問題があると考えた。そして、基板
材料を溶融液中に浸漬するに先立って、溶融液の上に基
板材料を所定時間固定し、安息香酸の蒸気の中にこれを
曝してみた。すると、基板材料にクラックが発生しにく
くなり、かつ最終的に光導波路の挿入損失もほぼ一定し
てくることが判明した。
【0009】こうした効果の得られる原因としては、お
そらく、安息香酸の蒸気中に基板材料を曝すことで基板
材料が加熱され、溶融液中に投入する際の熱衝撃が緩和
されるからであり、これによってクラックが防止され
る。しかも、熱衝撃によって基板材料の表面付近に格子
歪み等が生じ、この部分でプロトン交換が周囲にくらべ
て阻害されていたものと考えられる。
そらく、安息香酸の蒸気中に基板材料を曝すことで基板
材料が加熱され、溶融液中に投入する際の熱衝撃が緩和
されるからであり、これによってクラックが防止され
る。しかも、熱衝撃によって基板材料の表面付近に格子
歪み等が生じ、この部分でプロトン交換が周囲にくらべ
て阻害されていたものと考えられる。
【0010】また、基板材料の表面が安息香酸の蒸気で
濡れることによって、表面の水滴などの悪影響がなくな
り、プロトン交換が表面で均一に生ずるものと考えられ
る。更に、基板表面に凝縮した安息香酸によって、徐々
にプロトン交換が進行し、これにより溶融液中へ投入し
たときに、急激な反応が防止されるものと考えられる。
濡れることによって、表面の水滴などの悪影響がなくな
り、プロトン交換が表面で均一に生ずるものと考えられ
る。更に、基板表面に凝縮した安息香酸によって、徐々
にプロトン交換が進行し、これにより溶融液中へ投入し
たときに、急激な反応が防止されるものと考えられる。
【0011】密閉容器内で酸の加熱蒸気を還流(リフラ
ックス)させ、密閉容器内で加熱蒸気が常に循環するよ
うにしておくことが有効であり、かつ貫通孔が設けられ
た受け皿と枠とを備える保持具で被処理材を保持するこ
とで、液状の酸を効率的に流下させることが有効であ
る。以上、安息香酸の溶融液をプロトン交換源として用
いる場合について説明したが、他のプロトン交換源にお
いてもほぼ同様の作用効果が得られた。
ックス)させ、密閉容器内で加熱蒸気が常に循環するよ
うにしておくことが有効であり、かつ貫通孔が設けられ
た受け皿と枠とを備える保持具で被処理材を保持するこ
とで、液状の酸を効率的に流下させることが有効であ
る。以上、安息香酸の溶融液をプロトン交換源として用
いる場合について説明したが、他のプロトン交換源にお
いてもほぼ同様の作用効果が得られた。
【0012】
【実施例】まず、本発明の態様について更に述べる。加
熱された液状の酸には、室温で固体の酸の溶融液と、室
温で液体の酸の加熱物とが含まれる。室温で固体の酸と
しては、安息香酸を例示できる。室温で液体の酸として
は、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ノナン酸を例示で
きる。
熱された液状の酸には、室温で固体の酸の溶融液と、室
温で液体の酸の加熱物とが含まれる。室温で固体の酸と
しては、安息香酸を例示できる。室温で液体の酸として
は、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ノナン酸を例示で
きる。
【0013】本発明においては、プロトン交換処理を行
う被処理材は、電気光学結晶からなる基板材料を含む。
この際、スラブ光導波路を形成する場合には、被処理材
として基板材料を酸中に浸漬する。三次元光導波路を形
成する場合には、基板材料の表面に、光導波路パターン
に沿った開口を有するマスキング層を設け、これを被処
理材とする。
う被処理材は、電気光学結晶からなる基板材料を含む。
この際、スラブ光導波路を形成する場合には、被処理材
として基板材料を酸中に浸漬する。三次元光導波路を形
成する場合には、基板材料の表面に、光導波路パターン
に沿った開口を有するマスキング層を設け、これを被処
理材とする。
【0014】酸の加熱蒸気中に被処理材を固定する時間
は、被処理材の熱容量や酸の加熱温度によって異なる。
は、被処理材の熱容量や酸の加熱温度によって異なる。
【0015】被処理材の形態は種々変更できる。一つの
方法としては、平面的にみて略長方形状のチップ状の基
板材料を、本発明に従って処理できる。また、ウエハー
形状の基板材料を、本発明に従って処理することができ
る。いずれも、スラブ光導波路を形成する場合には、各
基板材料を酸中に浸漬する。
方法としては、平面的にみて略長方形状のチップ状の基
板材料を、本発明に従って処理できる。また、ウエハー
形状の基板材料を、本発明に従って処理することができ
る。いずれも、スラブ光導波路を形成する場合には、各
基板材料を酸中に浸漬する。
【0016】上記したウエハー形状の基板材料に三次元
光導波路を形成する場合には、次のようにする。まず、
基板材料の表面にマスキング層を設け、マスキング層の
表面にフォトレジスト層を設け、光導波路に対応する平
面的パターンの開口をフォトレジスト層に設ける。この
際には、例えばマッハツエンダー型や直線状のパターン
を多数形成する。
光導波路を形成する場合には、次のようにする。まず、
基板材料の表面にマスキング層を設け、マスキング層の
表面にフォトレジスト層を設け、光導波路に対応する平
面的パターンの開口をフォトレジスト層に設ける。この
際には、例えばマッハツエンダー型や直線状のパターン
を多数形成する。
【0017】次いで、マスキング層をエッチングし、フ
ォトレジスト層を除去して、被処理材を得る。次いで、
基板材料の露出部分を酸に接触させることで、基板材料
に三次元光導波路を形成する。こうして得たウエハーか
ら、多数のチップ状の光導波路基板を切り出す。
ォトレジスト層を除去して、被処理材を得る。次いで、
基板材料の露出部分を酸に接触させることで、基板材料
に三次元光導波路を形成する。こうして得たウエハーか
ら、多数のチップ状の光導波路基板を切り出す。
【0018】上記したチップ状の基板材料に三次元光導
波路を形成する場合も、まず基板材料の表面にマスキン
グ層を設け、マスキング層の表面にフォトレジスト層を
設け、例えば略Y字状、略I字状などのパターンの開口
をフォトレジスト層に設ける。この後は、ほぼ上記のよ
うに処理する。
波路を形成する場合も、まず基板材料の表面にマスキン
グ層を設け、マスキング層の表面にフォトレジスト層を
設け、例えば略Y字状、略I字状などのパターンの開口
をフォトレジスト層に設ける。この後は、ほぼ上記のよ
うに処理する。
【0019】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験1)X面カットした厚さ1mmの、ニオブ酸リチウ
ム単結晶からなるウエハー状の基板材料に、抵抗加熱及
び真空蒸着によってアルミニウム膜を形成した。アルミ
ニウム膜の表面にフォトレジスト層を設け、露光によっ
てフォトレジスト層に開口を設け、アルミニウム膜をエ
ッチングし、フォトレジスト層を除去した。この状態
で、基板材料の表面には、多数の直線状導波路のパター
ンがアルミニウム膜によって形成されている。
る。 (実験1)X面カットした厚さ1mmの、ニオブ酸リチウ
ム単結晶からなるウエハー状の基板材料に、抵抗加熱及
び真空蒸着によってアルミニウム膜を形成した。アルミ
ニウム膜の表面にフォトレジスト層を設け、露光によっ
てフォトレジスト層に開口を設け、アルミニウム膜をエ
ッチングし、フォトレジスト層を除去した。この状態
で、基板材料の表面には、多数の直線状導波路のパター
ンがアルミニウム膜によって形成されている。
【0020】こうして得た被処理材を用い、図1に模式
的に示す装置を用いてプロトン交換を行った。丸底のガ
ラス製容器10を反応容器として用いた。本例では、ガ
ラス製容器10の寸法を、直径120mm、高さ130mm
の丸底形状とした。ガラス製容器10の上にガラス製の
蓋8をかぶせ、容器10の内側を密閉した。蓋8には、
筒状の突起8a、8b、8cが設けられる。突起8bに
はコンデンサー9が取り付けられ、突起8cの開口は、
シリコン栓で密封されている。
的に示す装置を用いてプロトン交換を行った。丸底のガ
ラス製容器10を反応容器として用いた。本例では、ガ
ラス製容器10の寸法を、直径120mm、高さ130mm
の丸底形状とした。ガラス製容器10の上にガラス製の
蓋8をかぶせ、容器10の内側を密閉した。蓋8には、
筒状の突起8a、8b、8cが設けられる。突起8bに
はコンデンサー9が取り付けられ、突起8cの開口は、
シリコン栓で密封されている。
【0021】テフロン等の耐蝕性材料からなるシャフト
7が、突起8aの開口を通して容器10内に挿入され、
シャフト7の上端がモーター6の回転軸に連結されてい
る。シャフト7と突起8aの開口との間は、テフロン等
からなるシール部材によってシールされている。
7が、突起8aの開口を通して容器10内に挿入され、
シャフト7の上端がモーター6の回転軸に連結されてい
る。シャフト7と突起8aの開口との間は、テフロン等
からなるシール部材によってシールされている。
【0022】容器13中に油14が収容され、加熱装置
15の投げ込みヒーター15aが油14中に投入されて
いる。容器10の下部が油14中に浸漬されている。
15の投げ込みヒーター15aが油14中に投入されて
いる。容器10の下部が油14中に浸漬されている。
【0023】シャフト7の下端には枠24が取り付けら
れ、枠24の下端に受け皿20が取り付けられている。
図2(a)はこの受け皿20を示す平面図であり、図2
(b)は受け皿20の正面図である。
れ、枠24の下端に受け皿20が取り付けられている。
図2(a)はこの受け皿20を示す平面図であり、図2
(b)は受け皿20の正面図である。
【0024】受け皿20の平面的輪郭は略円形であり、
円形の底面20aを囲むように、円弧状の側壁20bが
設けられている。本例では、4箇所に切り欠き22が形
成されており、切り欠き22は底面20aよりも深くな
っている。底面20aに所定個数の円形貫通孔23が設
けられている。本例では、底面20aの寸法を、例えば
直径100mmとし、円形貫通孔23の直径を4mmとし、
底面20aに被処理材21を載せた。ただし、図2
(a)においては、被処理材21を図示省略した。
円形の底面20aを囲むように、円弧状の側壁20bが
設けられている。本例では、4箇所に切り欠き22が形
成されており、切り欠き22は底面20aよりも深くな
っている。底面20aに所定個数の円形貫通孔23が設
けられている。本例では、底面20aの寸法を、例えば
直径100mmとし、円形貫通孔23の直径を4mmとし、
底面20aに被処理材21を載せた。ただし、図2
(a)においては、被処理材21を図示省略した。
【0025】図3の断面図に示すように、シャフト7の
下端には、枠24の平板状の基部24aが固定され、基
部24aの両端に、平板状の腕部24bがそれぞれ設け
られている。相対向する一対の腕部24bに、受け皿2
0が挟まれ、ボルト等によって固定されている。
下端には、枠24の平板状の基部24aが固定され、基
部24aの両端に、平板状の腕部24bがそれぞれ設け
られている。相対向する一対の腕部24bに、受け皿2
0が挟まれ、ボルト等によって固定されている。
【0026】プロトン交換を行う際には、本実施例で
は、安息香酸750gを容器10内に投入し、油14の
温度を195℃まで上昇させ、安息香酸を完全に溶融さ
せる。この溶融液18内で受け皿20、枠24を回転さ
せながら約2時間放置し、溶融液18の温度を均一化す
る。この間、容器10の全体を保温し、コンデンサー9
内で矢印Bのように冷却水を循環させ、安息香酸が定常
的に還流(リフラックス)するようにする。こうした装
置であれば、安息香酸の蒸発による液量の減少はほとん
どなく、常圧で長時間、プロトン交換工程を実施するこ
とができる。
は、安息香酸750gを容器10内に投入し、油14の
温度を195℃まで上昇させ、安息香酸を完全に溶融さ
せる。この溶融液18内で受け皿20、枠24を回転さ
せながら約2時間放置し、溶融液18の温度を均一化す
る。この間、容器10の全体を保温し、コンデンサー9
内で矢印Bのように冷却水を循環させ、安息香酸が定常
的に還流(リフラックス)するようにする。こうした装
置であれば、安息香酸の蒸発による液量の減少はほとん
どなく、常圧で長時間、プロトン交換工程を実施するこ
とができる。
【0027】前記したようにフォトレジスト層を除去し
た後の被処理材21を、アセトン、イソプロピルアルコ
ール、純水で超音波洗浄する。シャフト7を上昇させ、
受け皿20が蓋8の内側に位置するようにする。容器1
0と蓋8との間にテフロン製の仕切り板を挟み、容器1
0と蓋8との内側空間を分離する。蓋8を持ち上げ、受
け皿20の上に被処理材21を乗せる。このとき、容器
10には、テフロン製の仕切り板によって蓋がされてい
るので、安息香酸の蒸気は密閉されたままである。そし
て、蓋8を閉め、テフロン製の仕切り板を引き抜き、受
け皿20を安息香酸の蒸気に触れさせる。
た後の被処理材21を、アセトン、イソプロピルアルコ
ール、純水で超音波洗浄する。シャフト7を上昇させ、
受け皿20が蓋8の内側に位置するようにする。容器1
0と蓋8との間にテフロン製の仕切り板を挟み、容器1
0と蓋8との内側空間を分離する。蓋8を持ち上げ、受
け皿20の上に被処理材21を乗せる。このとき、容器
10には、テフロン製の仕切り板によって蓋がされてい
るので、安息香酸の蒸気は密閉されたままである。そし
て、蓋8を閉め、テフロン製の仕切り板を引き抜き、受
け皿20を安息香酸の蒸気に触れさせる。
【0028】このときには、図3に示すように、安息香
酸の蒸気は容器10内で矢印Cのように還流している。そ
して、被処理材21を受け皿20に載せた直後には、安息香
酸蒸気が被処理材21の表面で冷えて固化し、アルミニウ
ム膜の表面が白くなった。しかし、やがて安息香酸蒸気
で被処理材21が徐々に加熱され、表面で固化した安息香
酸の膜が溶けた。この状態で、被処理材の温度は、安息
香酸の融点 (121 ℃)以上になっているものと考えられ
る。本実施例においては、このように安息香酸の膜が完
全に溶解するまで、予熱を行った。そして、シャフト7
をゆっくりと下降させ、受け皿20を溶融液18中に浸漬す
る。
酸の蒸気は容器10内で矢印Cのように還流している。そ
して、被処理材21を受け皿20に載せた直後には、安息香
酸蒸気が被処理材21の表面で冷えて固化し、アルミニウ
ム膜の表面が白くなった。しかし、やがて安息香酸蒸気
で被処理材21が徐々に加熱され、表面で固化した安息香
酸の膜が溶けた。この状態で、被処理材の温度は、安息
香酸の融点 (121 ℃)以上になっているものと考えられ
る。本実施例においては、このように安息香酸の膜が完
全に溶解するまで、予熱を行った。そして、シャフト7
をゆっくりと下降させ、受け皿20を溶融液18中に浸漬す
る。
【0029】一方、比較例では、被処理材21を受け皿20
に載せた後、すぐに受け皿20を下降させ、被処理材21を
溶融液18中に浸漬した。
に載せた後、すぐに受け皿20を下降させ、被処理材21を
溶融液18中に浸漬した。
【0030】次いで、195℃で20分間プロトン交換
を行う。このとき、シャフト7(受け皿20)は回転さ
せる。プロトン交換が終了した後、シャフト7を上昇さ
せ、受け皿20を溶融液18から取り出し、空間19に
位置させる。このとき、受け皿20に残った溶融液は、
円形貫通孔23から流れ落ちる。
を行う。このとき、シャフト7(受け皿20)は回転さ
せる。プロトン交換が終了した後、シャフト7を上昇さ
せ、受け皿20を溶融液18から取り出し、空間19に
位置させる。このとき、受け皿20に残った溶融液は、
円形貫通孔23から流れ落ちる。
【0031】そして、シャフト7を矢印Aのように回転
させ、被処理材21の表面に付着した溶融液を、遠心力
によって側壁20bの方へと飛散させ、除去した。
させ、被処理材21の表面に付着した溶融液を、遠心力
によって側壁20bの方へと飛散させ、除去した。
【0032】そして、前記したのと全く逆の手順に従
い、テフロン製の仕切り板を用いて、容器10内からウ
エハーを取り出す。このウエハーを、エタノール、アセ
トン、イソプロピルアルコール、純水で超音波洗浄す
る。次いで通常のエッチング技術によりアルミニウム膜
を除去する。
い、テフロン製の仕切り板を用いて、容器10内からウ
エハーを取り出す。このウエハーを、エタノール、アセ
トン、イソプロピルアルコール、純水で超音波洗浄す
る。次いで通常のエッチング技術によりアルミニウム膜
を除去する。
【0033】次いで、H+ の単結晶内での拡散を促進
し、低損失の安定な光導波路を得るため、このウエハー
をアニールした。具体的には、ガラス製シャーレの中央
部に白金ワイヤー製の治具を設置し、この治具の上にウ
エハーを載せ、基板がガラスに触れないようにし、ガラ
ス製の蓋をする。このシャーレを電気炉内に入れ、室温
から340℃まで10℃/分で昇温し、340℃で7時
間保持した。次いで自然放冷して100℃以下とし、ウ
エハーを取り出した。
し、低損失の安定な光導波路を得るため、このウエハー
をアニールした。具体的には、ガラス製シャーレの中央
部に白金ワイヤー製の治具を設置し、この治具の上にウ
エハーを載せ、基板がガラスに触れないようにし、ガラ
ス製の蓋をする。このシャーレを電気炉内に入れ、室温
から340℃まで10℃/分で昇温し、340℃で7時
間保持した。次いで自然放冷して100℃以下とし、ウ
エハーを取り出した。
【0034】340℃で温度を保持した間は、電気炉内
の温度分布は、シャーレを収容した空間の範囲内では均
一であることを、電気炉内の各所に取り付けた熱電対で
確認した。また、340℃で温度を保持した間の温度変
動は±0.5 ℃となるように制御した。
の温度分布は、シャーレを収容した空間の範囲内では均
一であることを、電気炉内の各所に取り付けた熱電対で
確認した。また、340℃で温度を保持した間の温度変
動は±0.5 ℃となるように制御した。
【0035】アニール後の3インチウエハーを切断し、
ウエハー1枚当り10個の、チップ状の光導波路基板を切
り出した。この表面には、直線状の光導波路が形成され
ている。次いで光導波路の端面を高速ラップ、メカノケ
ミカルポリッシングによって、光学研磨する。次いで、
端面を光学研磨した光導波路基板を通常の光学系にセッ
トし、挿入損失を評価した。また、ウエハーについて、
クラックの発生の有無を確認した。
ウエハー1枚当り10個の、チップ状の光導波路基板を切
り出した。この表面には、直線状の光導波路が形成され
ている。次いで光導波路の端面を高速ラップ、メカノケ
ミカルポリッシングによって、光学研磨する。次いで、
端面を光学研磨した光導波路基板を通常の光学系にセッ
トし、挿入損失を評価した。また、ウエハーについて、
クラックの発生の有無を確認した。
【0036】本発明の実施例、比較例について、それぞ
れ5枚のウエハーを製造し、上記の実験を行った。この
結果、本発明の実施例においては、5枚のウエハーすべ
てにおいて、クラックが発生していなかった。そして、
これらのウエハーから計50個の光導波路基板を切り出し
たところ、挿入損失の分布は、表1に示すようであっ
た。
れ5枚のウエハーを製造し、上記の実験を行った。この
結果、本発明の実施例においては、5枚のウエハーすべ
てにおいて、クラックが発生していなかった。そして、
これらのウエハーから計50個の光導波路基板を切り出し
たところ、挿入損失の分布は、表1に示すようであっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】これに対し、比較例のウエハーにおいて
は、いずれもクラックが発生していたため、光導波路基
板の挿入損失を測定することができなかった。
は、いずれもクラックが発生していたため、光導波路基
板の挿入損失を測定することができなかった。
【0039】(実験2)被処理材21として、10mm×35mm
の寸法の略長方形状のチップ状の基板材料を用い、この
表面に直線状のパターンを設けた。他は全く実験1と同
様にして、チップ状の光導波路基板を製造した。この
際、本発明の実施例及び比較例のそれぞれについて、6
個毎の試料を作成し、クラックの有無及び挿入損失を測
定した。本発明の実施例の結果を表2に示し、比較例の
結果を表3に示す。
の寸法の略長方形状のチップ状の基板材料を用い、この
表面に直線状のパターンを設けた。他は全く実験1と同
様にして、チップ状の光導波路基板を製造した。この
際、本発明の実施例及び比較例のそれぞれについて、6
個毎の試料を作成し、クラックの有無及び挿入損失を測
定した。本発明の実施例の結果を表2に示し、比較例の
結果を表3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】以上の結果から解るように、被処理材21を
空間19で蒸気に曝した本発明の実施例では、クラックが
発生せず、挿入損失も 4.0〜4.6 dBの範囲である。ま
た、本発明の実施例では、2mWの出射光パワーにおいて
も、光学損傷が発生しなかった。
空間19で蒸気に曝した本発明の実施例では、クラックが
発生せず、挿入損失も 4.0〜4.6 dBの範囲である。ま
た、本発明の実施例では、2mWの出射光パワーにおいて
も、光学損傷が発生しなかった。
【0043】これに対し、比較例では、3個の試料でク
ラックが発生した。また、クラックが発生しなかった試
料番号8,9,12においても、損入損失に大きなバラツ
キがあった。
ラックが発生した。また、クラックが発生しなかった試
料番号8,9,12においても、損入損失に大きなバラツ
キがあった。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
板材料をプロトン交換処理するのに際し、基板材料にク
ラックが発生しにくくなり、かつ最終的に光導波路の挿
入損失もほぼ一定となり、品質の安定した光導波路を安
定して製造できる。
板材料をプロトン交換処理するのに際し、基板材料にク
ラックが発生しにくくなり、かつ最終的に光導波路の挿
入損失もほぼ一定となり、品質の安定した光導波路を安
定して製造できる。
【図1】プロトン交換用の装置を示す模式図である。
【図2】(a) は受け皿20を示す平面図であり、(b) は受
け皿20を示す正面図である。
け皿20を示す正面図である。
【図3】受け皿20内の被処理材21を安息香酸の蒸気に曝
している状態を概略的に示す断面図である。
している状態を概略的に示す断面図である。
10 容器 18 安息香酸の溶融液 20 受け皿 21 被処理材 23 円形貫通孔 A シャフトの回転方向 C 安息香酸の蒸気
Claims (1)
- 【請求項1】 コンデンサーを備えた密閉容器内で酸を
加熱して液状とし、前記密閉容器内に前記酸の加熱蒸気
を還流させ、電気光学結晶からなる基板材料を含む被処
理材を保持具によって保持した状態で前記密閉容器内に
収容し、前記被処理材を前記酸に接触させないで保持す
ることによって前記加熱蒸気に前記被処理材をさらし、
次いで前記被処理材を液状の前記酸中に浸漬することに
よって前記基板材料に光導波路を形成し、前記保持具
が、液状の前記酸を流下させるための貫通孔が設けられ
た、前記被処理材を支持するための受け皿と、この受け
皿を支持する枠とを備えていることを特徴とする、光導
波路基板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05024233A JP3096183B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 光導波路基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05024233A JP3096183B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 光導波路基板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06235836A JPH06235836A (ja) | 1994-08-23 |
| JP3096183B2 true JP3096183B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=12132544
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05024233A Expired - Fee Related JP3096183B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 光導波路基板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3096183B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6641743B1 (en) * | 2001-06-19 | 2003-11-04 | Mark L. F. Phillips | Methods for forming waveguides in optical materials |
| US6892005B2 (en) * | 2001-11-14 | 2005-05-10 | Honeywell International Inc. | Low loss integrated optic switch |
| KR100986186B1 (ko) * | 2010-06-21 | 2010-10-07 | 엘아이지넥스원 주식회사 | 고온 양자교환에 의한 광도파로 제조방법 |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP05024233A patent/JP3096183B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06235836A (ja) | 1994-08-23 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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