JP3127026B2 - 分子設計支援システム - Google Patents

分子設計支援システム

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JP3127026B2 JP03338878A JP33887891A JP3127026B2 JP 3127026 B2 JP3127026 B2 JP 3127026B2 JP 03338878 A JP03338878 A JP 03338878A JP 33887891 A JP33887891 A JP 33887891A JP 3127026 B2 JP3127026 B2 JP 3127026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラフィック表示機能等
を利用して分子構造の生成あるいは変更操作を行なう分
子設計支援システムに係わり、特に分子内の各原子に関
する情報を、原子データと結合データを統合した1つの
部品情報で表現すると共に、これら部品情報の集合体に
より分子構造を定義して新たな分子構造の生成、あるい
は分子構造の変更操作を行なう分子設計支援システムに
関する。
【0002】コンピュ−タの高性能化と分子軌道法(M
O)、分子力場法(MM)、分子動力学(MD)等の理
論化学計算手法の発達に伴い、化学・製薬化学・材料工
学などの先端研究分野では分子設計支援システムの実用
的利用についてのニ−ズが高まっている。理論化学計算
を実行するためには、計算対象物質(化合物)の三次元
構造情報を入力データとして作成する必要があり、この
入力データの善し悪しが、得られる計算結果の信頼性、
汎用性を大きく左右する。
【0003】
【従来の技術】従来の分子設計支援システムにおいて
は、分子の構造情報は一般に、(1) 分子を構成する各原
子の元素種、原子座標、電荷等の原子データ群と、(2)
結合を形成する原子ペアの番号、結合次数等の結合デー
タ群の2種の独立した情報によって管理されている。
【0004】図9は従来の分子構造を定義する分子構造
情報の説明図であり、図9(a)は分子式CH3COOH
で表現される酢酸の化学構造式、図9(b)は該酢酸の分
子構造を定義する分子構造情報である。この分子構造情
報は、MDL社のmolファイル形式で表現した例で、
分子内の原子データと結合データが区別されて記述され
ている。すなわち、1は分子(酢酸)の名称、2は分子
中の原子の数(=8)と結合数(=7)であり、3は分
子を構成する各原子の三次元座標及び各原子の元素記号
を含む原子データ、4は結合を構成する2つの原子の番
号(図9の元素記号に添えたサフィックス番号参照)と
その結合次数を含む結合データである。これらのデータ
は分子に属する個々の原子の絶対的又は相対的位置関係
を指定するもので、理論化学計算を行なう上で不可欠な
ものである。
【0005】ところで、ユ−ザにとって、これらのデー
タは直接的には馴染みがたいものである。このため、2
つの分子構造部分を結合して新規分子構造を組立てる際
に必要となる、結合距離、結合角、ねじれ角に代表され
る部品構造間の相対的位置関係の特定作業、換言すれ
ば、新規分子構造のデータ作成作業が面倒となる問題が
生じる。特に、上記従来の分子構造情報は、新規結合後
の分子構造情報を簡単に作成するデータ構成となってい
ないため、新規分子構造の組立作業に多大の労力を必要
とし、理論化学計算結果の解析、理論の展開といった本
来の目的のみに集中することができない。又、データの
作成には習熟が必要であり、その作成過程で人為的なミ
スが発生する危険性もある。
【0006】そこで、この新規分子構造情報作成作業の
効率化とデータ精度の向上を目的として、計算機のグラ
フィック機能等を活用した各種の分子設計支援システム
が提案され、実用化されている。第1の方法は、原子の
結合関係において、完全な情報を持つ官能基等の基本化
合物(基本分子構造)を単純に組み合わせることにより
目的とする分子構造を得るものである。又、第2の方法
は、原子価の満たされていない原子に新たに他原子団と
の結合を付加する際、その原子の周りの結合環境を参照
し、経験則に基づいてシステム側で決定した位置に配置
するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これら、従来の方法
は、各種官能基等、特定の安定な部分構造に属する原子
団の局所的な三次元構造データの作成には有用である。
しかし、第1の従来方法では、予め基本と成る化合物の
データを作成して用意する必要があり、しかも置換の際
に結合する2つの原子種間の結合長を決定する処理を必
要とし、そのためにデータテ−ブルを何回も参照しなけ
ればならず、処理が面倒となる問題がある。
【0008】又、第2の従来方法では、分子構造生成時
の信頼性はシステムの処理方法に依存することになり、
特に、立体的な任意性のある部分(例えば、エネルギ−
障壁が小さく自由回転可能な単結合や、ある程度拘束さ
れている環構造における複数の可能性のある配座等)の
構造もシステム側から自動指定されるため、ユ−ザの意
図しない構造が生成される可能性がある。すなわち、、
経験的に相対的位置関係を特定できない例外があり、か
かる場合には、ユ−ザの意図しない分子構造が生成され
る問題がある。
【0009】以上は新規分子構造の生成の場合である
が、分子構造の変更を行なう場合、従来のデータ構造で
は、独立した原子データ群と結合データ群の2種のデー
タに対して比較・参照を繰り返しながら内部データの変
更処理を行なう必要があり、内部処理の複雑化によりシ
ステムの操作性や応答時間が低下する問題がある。
【0010】以上から本発明の目的は、簡単な操作で、
かつ効率良く新規分子構造を生成したり、変更できる分
子設計支援システムを提供することである。本発明の別
の目的は、高精度で分子構造を定義できる分子設計支援
システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。11は分子設計支援システムの処理部、12
は新規分子構造の生成又は変更時に必要な分子構造等を
表示するグラフィックディスプレイ装置、13はマウ
ス、16はハ−ドデイスク等で構成されたデータベ−ス
で、基本分子構造あるいは作成済みの分子構造の分子情
報を記憶している。又、グラフィックディスプレイ装置
において、12aはメインウインドウ、12bはサブウ
インドウである。すなわち、本発明の分子設計支援シス
テムは、(1) グラフィカルに分子の構造を表示する表示
手段(グラフィックディスプレイ装置11)、(2) 分子
を構成する第一の原子の種類を識別する識別子と該第一
の原子の中心座標と該第一の原子の混成軌道数と該第一
の原子に含まれるそれぞれの混成軌道の結合末端の位置
を表す座標からなる原子データと、該第一の原子部品と
結合される第二の原子の種類を識別する識別子と該第二
の原子の結合対象となる混成軌道を識別する識別子と該
第一の原子と該第二の原子を形成するそれぞれの原子の
間に確立される結合の結合次数を示す識別子からなる結
合データを含む原子部品情報を保持する手段(データベ
ース16)、(3) 前記表示手段に表示された第一の位置
にある前記第一の原子を選択し、選択した該第一の原子
を第二の位置に移動する入力手段(マウス13)、(4)
前記第一の原子と前記第二の原子とを結合して新たな分
子構造を生成する場合において、該第一の原子と該第二
の原子の互いに結合すべき混成軌道が指定されたとき、
前記第一の原子の中心座標と、前記第二の原子の結合対
象となる混成軌道の結合末端の座標と、前記第二の原子
の中心座標とが一直線上に並ぶように第一の分子構造と
第二の分子構造を結合し、新たな分子構造を構成する各
原子の部品情報を作成する処理手段(処理部11)を備
えている。
【0012】
【作用】分子内の各原子に関する情報を、原子データA
TMと結合データACNを統合した1つの部品情報AR
Tで表現すると共に、原子データATMに原子の混成軌
道数a4、中心原子座標a3、各混成軌道の結合末端の座
標a5を含ませ、結合データACNに混成軌道毎に、結
合相手先の原子番号b1と、混成軌道の番号b2と、結合
次数b3を含ませ、これら各原子毎の部品情報ARTの
集合体により分子構造を定義する。このように、分子情
報を構成したから、例えば第1分子構造の第1原子と、
第2分子構造の第2原子とを結合して新たな分子構造を
生成するには、第1、第2の分子構造21,22bをそ
れぞれディスプレイ装置12のメインウインド12aと
サブウインド12bに表示し、該第1、第2の原子の互
いに結合すべき混成軌道(結合軸)21a,22b-1の末
端位置をマウスカ−ソルMCSで指定すれば、自動的に
新たな分子構造の分子情報が作成されて新規分子構造が
定義される。すなわち、処理部11は第1の原子の中心
座標と、第1の原子の結合混成軌道末端の座標と、第2
の原子の結合混成軌道末端の座標と、第2の原子の中心
座標とが一直線上に並ぶように第1の分子構造に第2の
分子構造を結合し、自動的に新たな分子構造の分子情報
を作成して新規分子構造を定義する。そして、この分子
情報には、従来の分子構造の付加において必要であった
結合角の情報は含まれており、又、結合長は第1、第2
分子構造の対応する軌道の結合先端の長さの単純な和に
帰結される。
【0013】分子構造を変更するには、回転中心軸とな
る結合軸を指定して回転操作すれば、処理部11は結合
軸で結ばれる2つの分子構造部分の一方を回転し、回転
角度相当分だけ分子情報を自動的に変更する。この結
果、簡単な操作で、効率良く新規分子構造を生成した
り、変更することができる。特に、結合角やねじれ角が
ユ−ザが希望する角度でない場合には、変更操作により
簡単に所望の結合角やねじれ角に変更できるため、ユ−
ザの意図する分子構造を高精度で定義できる。
【0014】更に、部品情報の原子データに価数を含ま
せておけば、結合原子の価数、結合原子における角混成
軌道の結合次数等を考慮して自動的に結合混成軌道の結
合次数を演算でき、ますます簡単な操作で新規分子構造
を生成することができる。
【0015】
【実施例】本発明の概略 原子は単独で存在する場合と、他の原子と結合して分子
を形成する場合で異なった性質を示し、安定な分子にお
いて、それを構成する原子の構造は、一般にその化学結
合の形態によって元素種毎に決まった特定の規則を有す
る。そこで、原子価結合論的立場に立ち、分子内の原子
の情報を原子データと結合データを複合した1つの部品
情報として表現し、これらの部品情報の集合体として分
子を定義する。
【0016】例えば、鎖状飽和炭化水素において、sp
3混成軌道を形成する炭素は、互いに約109.50
角度をなす単結合4本を持ち、隣接する原子と共に4面
体型(tetrahedral)構造を形成する。そこで、このsp
3型炭素を元素種及び混成タイプから決定した原子タイ
プ、中心原子座標、中心原子から延びる4つの混成軌道
の結合先端の座標、各軌道毎に定義された他の原子の軌
道との結合情報等のデータを有する1つの部品情報とし
て表現する。このように記述することによって、原子情
報は立体構造上の単なる点座標ではなく、潜在的な化学
結合の形態を含んだデータとして定義できる。更に、こ
の独立した部品情報の集合により分子を表現することに
よって分子設計支援システムにおける分子構造操作時の
内部処理の効率化と、精度の向上を図ることができる。
【0017】かかる分子構造の定義方法に基づいたデー
タを利用すると、分子構造の組立において従来システム
で必要であった、結合情報テ−ブルの検索など他のデー
タの参照や特別な判断処理の付加が不要となり、単純な
処理によって構造情報を生成することができる。例え
ば、従来の分子構造の付加において必要であった結合角
の情報は既にこの部品情報の中に含まれており、又結合
長は2つの部品の対応する軌道の結合先端の長さの単純
な和に帰結される。
【0018】更に、潜在的な化学結合の形態を含んだデ
ータとして軌道の先端の座標が定義されているため、こ
れらを画面上に表示することによってユ−ザが直接的に
分子操作対象部位を指定することができる。この機能の
実現により分子組立時の座標の任意性を排除し、立体異
性が問題となる構造組立等も容易に可能となる。又、原
子相互の結合関係が個々の部品情報の中に内在されるた
め、結合次数等の結合情報の局所的な取扱が可能とな
る。
【0019】全体の構成 図2は本発明の分子設計支援システムの実施例構成図で
あり、図1と同一部分には同一符号を付している。11
は分子設計支援システムの処理部であり、プロセッサ
(CPU)11a、各種プログラムを記憶するプログラ
ムメモリ(ROM)11b、処理結果等を記憶するデー
タメモリ(RAM)11cを有している。12はグラフ
ィックディスプレイ装置であり、そのディスプレイ画面
には、新規作成あるいは変更の対象となっている分子構
造21を表示する作業用のメインウインドウ12aと、
参照分子構造22a,22b,22c・・・を表示する
サブウインドウ12bと、各種メニュ−コマンド等を表
示するメニュ−ウインドウ12cが設けられている。
【0020】13は各種操作を行うマウス、14はマウ
ス入力制御部である。マウス13には各種スイッチ13
a,13b,13c、トラックボール(図示せず)が設
けられ、トラックボールを回転することによりスクリ−
ン上のマウスカ−ソルMCSを移動したり、第1スイッ
チ13aをオンすることによりカ−ソル指示ポイントの
座標値やメニュ−コマンドを入力したり、第2スイッチ
13bをオンしたままカ−ソルを移動させることにより
分子構造図形を移動(ドラッギング)するようになって
いる。マウス入力制御部14は、マウス13のトラック
ボールの回転に応じてマウスカ−ソルMCSを各軸方向
に移動させる移動信号を発生すると共に、各スイッチの
オン・オフ状態を出力する。15はキ−ボ−ド、16は
ハ−ドデイスク等で構成されたデータベ−スであり、基
本分子構造や作成済みの分子構造の分子情報をファイル
として記憶する。
【0021】分子情報 分子構造を定義する分子情報MLDは、分子名MLN
M、分子を構成する原子の数ATNO.、分子内の各原
子に関する部品情報ARTの集合体であり、各部品情報
ARTは原子データATMと結合データACNを含んで
いる。
【0022】原子データATMには、(1) 原子の識別デ
ータa1、(2) 原子の価数a2、(3)中心原子座標値a3
(4) 原子の混成軌道数a4、(5) 各混成軌道の結合末端
の座標値a5が含まれている。又、結合データACNに
は、各混成軌道毎に、結合相手先の(1)原子番号b1と、
(2)混成軌道の番号b2と、(3)結合次数b3が含まれてい
る。
【0023】図3は酢酸CH3COOH(図9(a)参照)
の分子情報MLDである。又、図4は該酢酸の分子情報
をハ−フベクタ形式で表現した分子構造図であり、元素
記号(C,O,H)のサフィックス番号は原子番号を示
し、各原子の混成軌道(ハ−フベクタ)に付した番号は
混成軌道の番号示す。
【0024】酢酸骨格は、メチル基を構成するsp3形
炭素C1と、カルボキシル基を構成するsp2形炭素C2
と、カルボニルsp2形酸素O3と、アルコ−ル(エ−
テル)sp3形酸素O4と、4つの水素H5〜H8の総計
8個の原子部品の集合体である。従って、酢酸の原子数
ATNO.は8であり、各原子に対して部品情報ATM
1〜ATM8が作成されて、酢酸の分子情報MLDが定義
されている。
【0025】ATM1はメチル基を構成するsp3形炭
素C1の部品情報であり、原子の識別データ(C−sp
2)a1、原子の価数(=4)a2、中心原子座標値(0.0
00000,0.00000, 0.000000)a3、原子の混成軌道数(=
3)a4、3つの各混成軌道の結合末端の座標値a5より
なる原子データと、第1〜第3の各混成軌道が結合する
相手先の原子番号b1と、混成軌道の番号b2と、結合次
数b3よりなる結合データを含んでいる。
【0026】結合について説明すると、sp2型炭素C
1の1番目の混成軌道は原子番号2の原子(sp3型炭
素C2)の1番目の混成軌道と結合次数1で結合し、2
番目の混成軌道は原子番号3の原子(カルボニルsp2
形酸素O3)の1番目の混成軌道と結合次数2で結合
し、3番目の混成軌道は原子番号4の原子(アルコ−ル
sp3形酸素O4)の1番目の混成軌道と結合次数1で
結合していることが示されている。もちろん、データは
1対1に対応しており、相手側からたどっても同様の結
果が得られる。
【0027】尚、カルボキシル基を構成するsp2形炭
素C2の部品情報ATM2、カルボニルsp2形酸素O3
の部品情報ATM3、アルコ−ルsp3形酸素O4の部品
情報ATM、4つの水素H5〜H8の部品情報ATM5
ATM8も同様のデータを有している。
【0028】新規分子構造の生成処理 図5は本発明に係わる分子設計支援システムによる新規
分子構造の生成処理の流れ図であり、ホルムアルデヒド
の分子情報を定義する場合について説明する。ホルムア
ルデヒドの分子構造図は図6(a) に示すようになってお
り、図6(b)に示すsp2型炭素C1と、sp2型カルボ
ニル酸素O2と、2個の水素H3〜H4の全4個の原子に
よって組立られている。
【0029】図7(a)に示すように、sp2型炭素C1
分子構造21をハ−フベクタ形式でメインウインドウ1
2aに表示した状態で、付加分子構造(sp2型カルボ
ニル酸素O2,水素H3〜H4)22a〜22cをデータ
ベ−ス16から呼び出してハ−フベクタ形式でサブウイ
ンドウ12bに表示する(ステップ101)。尚、サブ
ウインドウ12bには頁めくり操作により所望の付加分
子構造を表示することができる。
【0030】かかる状態で、sp2型炭素C1の分子構
造21に付加すべきsp2型カルボニル酸素O2の分子
構造(サブウインドウに表示されている)の混成軌道22
b-1の末端をマウスカ−ソルMCSでヒットすると共
に、マウス13の第2スイッチ13bを押圧(オン)す
る(ステップ102)。
【0031】ついで、第2スイッチをオンしたまま、マ
ウスカ−ソルMCSを移動させてsp2型カルボニル酸
素O2の分子構造図を移動させると共に(ドラッギン
グ)、マウスカ−ソルMCSをメインウインドウ12a
に表示されているsp2型炭素C1の結合したい混成軌
道21aの末端に位置決めする。これにより、sp2型
カルボニル酸素O2の混成軌道22b-1の末端がsp2型炭
素C1の混成軌道21aの末端に重なる(ステップ10
3)。
【0032】マウスカ−ソルを位置決め後、マウス13
の第2スイッチ13bの押圧を解除すると(ステップ1
04)、処理部11はsp2型炭素C1の中心座標と、
混成軌道21aの末端の座標と、混成軌道22b-1の末端
の座標と、sp2型カルボニル酸素O2の中心座標とが
一直線上に並ぶように結合し、すなわち、指定された2
つの末端同士が向き合って混成軌道21aと混成軌道22
b-1とが一直線となるように(anti型結合)2つの分子構
造を結合し、しかる後、付加されたsp2型カルボニル
酸素O2の中心原子座標、各混成軌道末端の座標を計算
し、結合状態を図7(b)に示すようにメインウインドウ
12aに表示する(ステップ105、106)。
【0033】ついで、ユ−ザは付加した分子構造(sp
2型カルボニル酸素O2)を結合混成軌道(結合軸)22b
-1を回転中心軸として回転する必要があるか判断し(ス
テップ107)、回転する必要があれば、回転操作を行
なって付加分子構造を回転し(ステップ108)、回転
角(ねじれ角)θに基づいて付加分子構造の原子中心座
標、混成軌道末端の座標を修正する(ステップ10
9)。尚、設例の場合は、回転しても分子構造の性質は
変化しないため、ステップ107において「NO」とな
る。そして、得られた位置データを用いて、新規分子構
造を形成する各原子C1,O2の原子データを作成する
(ステップ110)。
【0034】原子データの作成が終了すれば、結合した
2つの原子C1,O2の価数、及該原子C1,O2の結合混
成軌道21a,22b-1以外の他の混成軌道の結合次数を
考慮して、結合混成軌道の結合次数を決定する(ステッ
プ111)。この場合、O2の混成軌道数は1で価数は
2であるから、結合次数は2となる。
【0035】結合次数が求まれば、結合混成軌道21
a,22b-1の結合データを作成し(ステップ112)、
sp2型炭素C1の分子構造21にsp2型カルボニル
酸素O2の分子構造を付加する処理は終了する。
【0036】図8は分子情報の変化状態の説明図であ
り、図8(a)はsp2型炭素C1の分子情報、図8(b)は
sp2型カルボニル酸素O2が付加された後の分子情報
で、結合データb1〜b3において「000」は該当混成
軌道に他の原子が結合していない状態を意味する。
【0037】以後、前記作成された新たな分子構造に、
同様の処理により2つの水素を順次付加すれば(図6
(c)参照)、最終的にホルムアルデヒドの分子情報が作
成され(図8(c)参照)、この分子情報によりホルムア
ルデヒドの分子構造が定義される。
【0038】以上要約すれば、第1分子構造の第1原子
と、第2分子構造の第2原子とを結合して新たな分子構
造を生成するには、(1) 第1、第2の分子構造をそれぞ
れディスプレイ装置12のメインウインド12aとサブ
ウインド12bに表示し、(2)該第1、第2の原子の互
いに結合すべき混成軌道(結合軸)の末端をマウスカ−
ソルMCSでドラッギング操作で重ねあわせれば、(3)
各結合軸が一直線となるように自動的に新たな分子構造
の分子情報が作成されて新規分子構造が定義される。
又、(4) 回転操作により、付加された第2分子構造を結
合軸を中心に回転して所望の分子構造を定義する分子情
報を作成することができる。
【0039】分子構造の変更 分子構造を変更するには、メインウインドウ12aに表
示されている分子構造において、回転中心軸となる混成
軌道(結合軸)をマウスカ−ソルで指定すると共に、結
合軸で結ばれる2つの分子構造部分の一方を指定し、し
かる後、マウスを用いて回転操作することにより、指定
した分子構造部分を指定結合軸の周りに回転する。そし
て、回転角度相当分だけ回転した分子構造部分内の各原
子の位置情報及び軌道末端の位置座標を修正して、分子
構造を変更する。以上、本発明を実施例により説明した
が、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い
種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するも
のではない。
【0040】
【発明の効果】以上本発明の分子設計支援システムによ
れば、(1) 分子を構成する第一の原子の種類を識別する
識別子と該第一の原子の中心座標と該第一の原子の混成
軌道数と該第一の原子に含まれるそれぞれの混成軌道の
結合末端の位置を表す座標からなる原子データと、該第
一の原子部品と結合される第二の原子の種類を識別する
識別子と該第二の原子の結合対象となる混成軌道を識別
する識別子と該第一の原子と該第二の原子を形成するそ
れぞれの原子の間に確立される結合の結合次数を示す識
別子からなる結合データを含む原子部品情報をデータベ
ースに保持し、(2) 前記第一の原子と前記第二の原子と
を結合して新たな分子構造を生成する場合において、該
第一の原子と該第二の原子の互いに結合すべき混成軌道
が指定されたとき、前記第一の原子の中心座標と、前記
第二の原子の結合対象となる混成軌道の結合末端の座標
と、前記第二の原子の中心座標とが一直線上に並ぶよう
に第一の分子構造と第二の分子構造を結合し、新たな分
子構造を構成する各原子の部品情報を作成するようにし
たから、簡単な操作で、かつ効率良く、新規分子構造を
定義するための分子情報を作成することができる。
【0041】又、本発明によれば、回転中心軸となる結
合軸を指定して回転操作することにより、結合軸で結ば
れる2つの分子構造部分の一方を回転し、回転角度相当
分だけ分子情報を自動的に変更でき、簡単な操作で分子
構造を変更することができ、ユ−ザの意図する分子構造
を高精度で定義できる。
【0042】更に、本発明によれば、部品情報の原子デ
ータに価数を含ませておけば、結合原子の価数や該原子
の混成軌道の結合次数等を考慮して自動的に結合混成軌
道の結合次数を演算でき、ますます簡単な操作で新規分
子構造を生成することができる。又、本発明によれば、
分子構造データの変換処理を効率化し、更には使い易い
分子設計支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の実施例構成図である。
【図3】本発明に係わる酢酸の分子情報である。
【図4】ハ−フベクタ形式で表現した酢酸の分子構造図
である。
【図5】新規分子構造の生成処理の流れ図である。
【図6】新規分子構造の生成処理説明図である。
【図7】新規分子構造生成時における表示画像説明図で
ある。
【図8】新規分子構造生成時における分子情報変化説明
図である。
【図9】従来の分子情報の説明図である。
【符号の説明】
11・・分子設計支援システムの処理部 12・・グラフィックディスプレイ装置 12a・・メインウインドウ 12b・・サブウインドウ 13・・マウス 16・・データベ−ス ART・・部品情報 ATM・・原子データ ACN・・結合データ a3・・中心原子座標 a4・・原子の混成軌道数 a5・・混成軌道の結合末端の座標 b1・・結合相手先の原子番号 b2・・混成軌道の番号 b3・・結合次数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 G06F 17/30 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造の生成、変更を行う分子設計支
    援システムにおいて、 グラフィカルに分子の構造を表示する表示手段と、 分子を構成する第一の原子の種類を識別する識別子と該
    第一の原子の中心座標と該第一の原子の混成軌道数と該
    第一の原子に含まれるそれぞれの混成軌道の結合末端の
    位置を表す座標からなる原子データと、該第一の原子と
    結合される第二の原子の種類を識別する識別子と該第二
    の原子の結合対象となる混成軌道を識別する識別子と該
    第一の原子と該第二の原子との間に確立される結合の結
    合次数を示す識別子からなる結合データを含む一つまた
    は複数の原子部品情報から構成される分子情報を保持す
    る手段と、 前記表示手段に表示された第一の位置にある前記第一の
    原子を選択し、選択した該第一の原子を第二の位置に移
    動する入力手段と、 前記第一の原子と前記第二の原子とを結合して新たな分
    子構造を生成する場合において、該第一の原子と該第二
    の原子の互いに結合すべき混成軌道が指定されたとき、
    第一の原子の中心座標と、該第一の原子の結合対象と
    なる混成軌道の結合末端の座標と、該第二の原子の結合
    対象となる混成軌道の結合末端の座標と、第二の原子
    の中心座標とが一直線上に並ぶように第一の分子構造と
    第二の分子構造を結合し、新たな分子構造を構成する各
    原子の部品情報を作成する処理手段とを備えたことを特
    徴とする分子設計支援システム。
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