JP3140868B2 - レゾール型フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

レゾール型フェノール樹脂成形材料

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JP3140868B2 JP04303404A JP30340492A JP3140868B2 JP 3140868 B2 JP3140868 B2 JP 3140868B2 JP 04303404 A JP04303404 A JP 04303404A JP 30340492 A JP30340492 A JP 30340492A JP 3140868 B2 JP3140868 B2 JP 3140868B2
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政則 南浜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形等の成形材料
として用いられるレゾール型フェノール樹脂成形材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形等の成形材料としてフェノール
樹脂組成物を用いる場合、ノボラック型のフェノール樹
脂を使用することが多いが、ノボラック型フェノール樹
脂はヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を用いて硬化
させる必要がある。しかしヘキサメチレンテトラミンは
反応の際にアンモニアに分解するために、アンモニア臭
によって作業環境を悪化させたり、金型が腐食されて曇
ったりするおそれがあり、特にコイルボビンや電源ケー
ス、マイクロスイッチ等の電気・電子部品を成形する場
合には、成形品中にアンモニウムイオン等が不純イオン
として含有されることになるために、電気的特性に悪影
響を及ぼすおそれがある。
【0003】そこで、コイルボビンや電源ケース、マイ
クロスイッチ等の電気・電子部品を成形する場合には、
ノンアンモニアのフェノール樹脂としてレゾール型フェ
ノール樹脂を用いた成形材料を使用することがおこなわ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらコイルボビンや
電源ケース、マイクロスイッチ等の電気・電子部品は最
近の軽薄短小、部品の複合化によって、薄肉で形状が複
雑になっており、また生産性を高めるために多数個取り
の成形をおこなうことが要求されている。しかし、薄肉
で複雑形状の成形品を多数個取りで成形する場合、成形
性に各種の問題が発生するものであった。すなわち、成
形材料の流動性を調整して成形の連続安定性や成形性を
高めるように検討がなされているが、成形材料を低フロ
ーにすると(後述のモノホールフローが100秒以上程
度に大きく、スパイラルフローが45cm以下程度に小
さい)、流動性が悪くなってスプルーに近い側のキャビ
ティには充填するが遠い側のキャビティへの充填性が悪
くなり、またスプルーの回りにおいてパーティングライ
ン(PL)にバリが大きく発生して成形品の寸法安定性
が欠ける等の問題が発生し、逆に成形材料を高フローに
して(後述のモノホールフローが小さく、スパイラルフ
ローが大きい)、流動性を良くすると、スプルーから遠
いキャビティまで流れるが細部への充填性が悪くなり、
また硬化が遅くなって成形品の熱剛性が低下する等の問
題が発生するものである。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、薄肉、複雑形状、多数個取りの成形品の成形に適
したレゾール型フェノール樹脂成形材料を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレゾール型
フェノール樹脂成形材料は、レゾール型フェノール樹脂
組成物100重量部に、メラミン樹脂硬化物を充填剤と
して10〜100重量部配合して成り、メラミン樹脂硬
化物はDSC硬化度が60〜100%のものであり、平
均粒子径が20〜130μmであることを特徴とするも
のである
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。メラミン
樹脂硬化物としてはメラミン樹脂成形品を粉砕したもの
を用いることができるものであり、成形工程で出る不良
品やバリ等の廃棄されるものを用いるのが廃プラスチッ
クの再生利用の上で好ましい。またこのメラミン樹脂硬
化物はDSC硬化度が60〜100%のものを用いる。
DSC(Differential Scanning
Calorimetry:走査示差熱量計)は試料と
基準物質(アルミナ等)の温度を一定速度で変化させな
がら両者に対するエネルギー入力の差ΔQを温度Tの関
数として測定するようにした装置であり、熱分析手法の
一つとしてDTAに比べて精度良く物質の吸・発熱量を
DSC曲線にとって定量することができる。そして樹脂
の硬化度が高まるに従ってDSC曲線の発熱ピークは小
さくなり、完全硬化すると発熱ピークはなくなってしま
うので、硬化物の発熱ピークの発熱量を未硬化樹脂の発
熱ピークの発熱量で割った数値を1から減じた数値の百
分率としてDSC硬化度を求めることができる。メラミ
ン樹脂硬化のDSC硬化度が60%未満であると、メ
ラミンが充填剤として作用する以上にフェノール樹脂と
反応して流動性を低下させるおそれがある。さらに、メ
ラミン樹脂硬化物は平均粒子径が20〜130μmの範
囲の粒子である。メラミン樹脂硬化物の平均粒子径が2
0μmより小さくなると粉体に近くなって自動計量が困
難になるなど取扱い難くなり、また平均粒子径が130
μmより大きくなると、粒子が大きくなり過ぎて金型の
ゲートを詰まらせてキャビティに成形材料を送ることが
できなくなるおそれがある。
【0008】レゾール型フェノール樹脂組成物はレゾー
ル型フェノール樹脂にアルミナ、シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウ
ム等の無機充填剤、水酸化カルシウムや水酸化マグネシ
ウム等の硬化助剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウム、カルナバワックス等の離型剤、その他顔
料、難燃剤、改質剤等を配合することによって調製され
るものであり、このレゾール型フェノール樹脂組成物に
上記メラミン樹脂硬化物を充填剤として配合することに
よって、レゾール型フェノール樹脂成形材料を調製する
ことができるものである。メラミン樹脂硬化物の配合量
は、レゾール型フェノール樹脂組成物100重量部に対
して10〜100重量部の範囲に設定される。メラミン
樹脂硬化物の配合量が10重量部未満ではメラミン樹脂
硬化物を充填剤として配合して成形性を高める効果を十
分に得ることができない。またメラミン樹脂硬化物の配
合量が100重量部を超えると、充填剤の量が過多にな
って流動性が低下し、却って成形性が悪くなる。
【0009】上記のように調製されるレゾール型フェノ
ール樹脂成形材料は、射出成形等に用いられるものであ
り、ノボラック型フェノール樹脂の場合のようにヘキサ
メチレンテトラミン等の硬化剤を必要としないために、
ノンアンモニア成形をおこなうことができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1)レゾール型フェノール樹脂45重量部に無
機充填剤としてタルクを10重量部、硬化助剤として水
酸化カルシウム3重量部、離型剤としてステアリン酸亜
鉛を2重量部、その他顔料や難燃剤や改質剤を5重量部
配合してレゾール型フェノール樹脂組成物を調製した。
そしてこのレゾール型フェノール樹脂組成物100重量
部に対して、DSC硬化度が60%、平均粒子径が20
μmのメラミン樹脂硬化物の粉粒体を10重量部配合し
て、混合・混練することによってレゾール型フェノール
樹脂成形材料を調製した。
【0011】(実施例2,3)メラミン樹脂硬化物とし
て表2に示すDSC硬化度と平均粒子径を有するものを
用い、表1に示す配合量でレゾール型フェノール樹脂組
成物に配合して、レゾール型フェノール樹脂成形材料を
調製した。 (比較例1)メラミン樹脂硬化物を配合しないでレゾー
ル型フェノール樹脂成形材料を調製した。
【0012】(比較例2)メラミン樹脂硬化物として表
1に示すDSC硬化度と平均粒子径を有するものを用
い、120重量部の配合量でレゾール型フェノール樹脂
組成物に配合して、レゾール型フェノール樹脂成形材料
を調製した。 (比較例3〜5)メラミン樹脂硬化物の替わりに、表2
に示すDSC硬化度と平均粒子径を有するフェノール樹
脂硬化物を充填剤として配合して、レゾール型フェノー
ル樹脂成形材料を調製した。ここで、比較例3〜5にお
いては樹脂成形材料を調製する際の混練条件を変えるこ
とによって、モノホールフローやスパイラルフローの特
性を変えるようにした。
【0013】上記実施例1〜3及び比較例1〜5におい
て調製したレゾール型フェノール樹脂成形材料のモノホ
ールフロー及びスパイラルフローを測定した。モノホー
ルフローの測定は、押出試験機を用いて、モノホールを
設けた金型に40gの試料を入れ、120±2℃の温度
に加熱しつつ62kg/cm2 の成形圧力で50mmφ
のプランジャーによって試料をモノホールから押し出
し、金型内の試料が流出しきる時間を計測することによ
っておこなった。またスパイラルフローの測定は、EM
MI1−60規格に準拠して、試料6gを金型温度15
0℃、成形圧力90kg/cm2 、90秒の条件でトラ
ンスファー成形をおこなったときの、スパイラルフロー
金型に流れた成形品の長さを計測することによっておこ
なった。結果を表1及び表2に示す。
【0014】またこれらのレゾール型フェノール樹脂成
形材料を用い、プレス圧150トン、シリンダー温度前
部80℃、後部60℃、金型温度固定側180〜190
℃、可動側175〜185℃、射出圧力ゲージ130k
g/cm2 、スクリュー回転数45rpm、射出時間5
秒、硬化時間20秒、ゲート方式サイドゲートの条件で
コイルボビンを射出成形した。この成形の際の成形性を
評価し、結果を表1及び表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表1及び表2において、成形性の「連続
性」は、成形が連続して可能かどうかを測定したもので
あり、連続成形1時間でシリンダー硬化により成形がス
トップしたものを「×」、1時間以上8時間未満で成形
がストップしたものを「△」、8時間以上連続して成形
できたものを「○」として評価した。成形性の「充填
性」は、コイルボビンのピン圧入部の充填性を見ること
によって評価した。各実施例のものはいずれも良好であ
ったが、比較例1,3,4のものは、総てのキャビティ
に一応充填するが細部の充填性が悪く欠肉が発生し、比
較例5のものは、スプルーより近いキャビティには細部
迄充填するが遠いキャビティには流れきらずキャビティ
に充填しなかった。また、熱硬化性樹脂の成形には金型
に必ずエアーベントを設けてキャビティ内のエアーや硬
化反応ガスを抜く必要があるが、連続ショット内でエア
ーベントのバリが毎回離型されないとエアーベントから
のガス抜き効果がなくなり、成形品中にガスが残って欠
肉となる。成形性の「バリ離型性」はこのエアーベント
からバリが離型されるか否かを測定したものであり、バ
リが毎回離型されるものを「○」、時々離型されないも
のを「△」、離型されないものを「×」として評価し
た。「バリの均一性」は、各キャビティに均等にバリが
張るものを「○」、「各キャビティ」に生じるバリにバ
ラツキがあるものを「×」として評価した。また、「熱
剛性」は、成形直後に剛性があってスプルーを自動取り
出しチャックで挟んで成形品を取り出すことができたも
のを「○」、自動取り出しチャックでスプルーを挟んで
も成形品を取り出すことができなかったものを「×」と
して評価した。
【0018】各実施例の表1及び各比較例の表2にみら
れるように、メラミン樹脂硬化物を充填剤として10〜
100重量部の範囲で配合した各実施例のものは、成形
性が向上していることが確認される。
【0019】
【発明の効果】上記のように本発明は、レゾール型フェ
ノール樹脂組成物100重量部に、メラミン樹脂硬化物
を充填剤として10〜100重量部を配合したので、レ
ゾール型フェノール樹脂によってノンアンモニアで成形
をおこなうことができると共に、メラミン樹脂硬化物の
配合で成形性が高まって、薄肉、複雑形状、多数個取り
の成形品を成形性良く成形することができるものであ
る。また、メラミン樹脂硬化物はDSC硬化度が60〜
100%のものであり、平均粒子径が20〜130μm
であるので、DSC硬化度が60%以上のメラミン樹脂
硬化物を用いることによってメラミンが充填剤として作
用する以上にフェノール樹脂と反応させないようにする
ことができ、流動性を低下させないようにすることがで
きるものであり、さらに、平均粒子径が20μm以上の
メラミン樹脂硬化物を用いることによって、メラミン樹
脂硬化物が粉体に近くならないようにすることができ、
自動計量が困難になるなどの取扱い性の低下を防止する
ことができるものであり、加えて、平均粒子径が130
μm以下のメラミン樹脂硬化物を用いることによって、
メラミン樹脂硬化物が金型のゲートに詰まらないように
することができ、キャビティに成形材料が送れないなど
の成形不良の発生を防止することができるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂組成物100
    重量部に、メラミン樹脂硬化物を充填剤として10〜1
    00重量部配合して成り、メラミン樹脂硬化物はDSC
    硬化度が60〜100%のものであり、平均粒子径が2
    0〜130μmであることを特徴とするレゾール型フェ
    ノール樹脂成形材料。
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