JP3141475B2 - 含フッ素ポリカーボネート - Google Patents

含フッ素ポリカーボネート

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JP3141475B2 JP03354306A JP35430691A JP3141475B2 JP 3141475 B2 JP3141475 B2 JP 3141475B2 JP 03354306 A JP03354306 A JP 03354306A JP 35430691 A JP35430691 A JP 35430691A JP 3141475 B2 JP3141475 B2 JP 3141475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロヘキサン環を有す
る新規な含フッ素ポリカーボネートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは工業的に広く使用さ
れている合成樹脂であって、通常2,2‐ビス(4′‐
ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)に代表される二価フェノールのようなジオール成分
とホスゲンのような炭酸誘導体との反応により製造され
ている。ビスフェノールAから製造されるポリカーボネ
ートは、対衝撃性、対クリープ性、寸法安定性および高
周波絶縁特性に優れ、しかも吸湿性が小さく熱に安定で
あるなどの優れた特性を有しているが、近年、樹脂の用
途開発が活発になるにともない、従来なかった構造を有
し、新たな特性を有するポリカーボネートの開発への期
待が高まっている。例えば、従来のポリカーボネート
は、異方性の大きい芳香族環をその主鎖に有するため、
光学記録基板の性質として重要な性質である複屈折を低
減することが困難であった。この問題を解決するため、
特開平1−172424では、1,4‐シクロヘキサン
ジオール、または4‐4′‐ビシクロヘキサンジオール
からなるポリカーボネートが開示されているが、融点な
どは明確でない。また、このポリマーはシス、トランス
体の混合物であるため、得られた樹脂の物性が一定しな
いという欠点があった。
【0003】そこで本出願人らは特開平3−27571
7および特開平3−259920において、樹脂の物性
を一定させるため、2,2,‐ビス(4′ヒドロキシフ
ェニル)‐1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプ
ロパン(以下、ビスフェノール‐AFと略記する。)ト
ランス,トランス‐4‐4′‐ビシクロヘキサンジオー
ルおよび、トランス‐1,4‐シクロヘキサンジオール
からなる含フッ素ポリカーボネートを開示したが、いず
れも280℃前後で分解してしまうため耐熱性に問題が
あった。また、この樹脂は液晶性を有しているが、一般
に液晶性を示すものは複屈折が大きいため光学樹脂材料
には適さなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、構造
単位にシクロヘキサン環を有する新規な含フッ素ポリカ
ーボネートを提供することである。複屈折の低減された
さらに他の公知の樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルメタクリレート、ABS、ポリアミ
ド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリ
エチレンテレフタレートのようなポリエステル類または
ポリフェニレンオキシド類などと混合することにより新
しい性質を付加できる樹脂を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため種々検討を重ねた結果、ジオール成分
として、ビスフェノール‐AFおよびトランス‐1,4
‐シクロヘキサンジメタノールを用いることにより新規
なポリカーボネートを得ることを見いだし、本発明の含
フッ素ポリカーボネートを完成した。
【0006】本発明の含フッ素ポリカーボネートは、式
〔1〕
【化3】 で示される構造単位と、式〔2〕
【化4】 で示される構造単位とが線状に不規則に配列してなる。
【0007】その態様として、還元粘度0.2〜2.0
dl/g(25℃、0.5g/dl クロロホルム)のポリカ
ーボネートである。式〔1〕で示される構造単位と式
〔2〕で示される構造単位との含有比率は特に限定する
ものでない。
【0008】本発明の含フッ素ポリカーボネートは、還
元粘度0.2〜2.0dl/g(25℃、0.5g/dl ク
ロロホルム)である。また、融点を110〜200℃、
および分解温度を320〜370℃に持つ耐熱性に優れ
た樹脂である。また、熱成形および製膜可能で、なおか
つ液晶相を示さないので複屈折が低いポリカーボネート
である。
【0009】本発明のポリカーボネートの製造法は、式
〔3〕
【化5】 で示されるビスフェノール‐AFと、式〔4〕
【化6】 で示されるトランス‐1,4‐シクロヘキサンジメタノ
ールとを混合しピリジンなどの酸受容体の存在下、式
〔5〕
【化7】 で示されるクロロギ酸トリクロロメチルと反応させるこ
とである。
【0010】上記製造法にクロロギ酸トリクロロメチル
の代りにホスゲンを使用してもよい。反応温度は20〜
100℃、反応時間は特に限定しないが、1〜5時間で
ある。ビスフェノール‐AFとトランス‐1,4‐シク
ロヘキサンジメタノールとのジオール成分の混合比は特
に限定するものでなく、所望の比で混合したものを用い
てよい。クロロギ酸トリクロロメチル、ホスゲンの使用
量は、ジオール成分の合計と等モルまたは、やや過剰で
ある。また、金属酸化物などのエステル交換触媒の存在
下に、上記のジオールと炭酸ジアリールエステルとを2
00〜300℃で4〜10時間反応させる方法でも製造
できる。これらの方法において分子量調整剤をジオール
に対し1〜10モル%必要により添加することができ
る。
【0011】分子量調整剤としては一価のフェノール、
例えばフェノール、p‐ターシャリーブチルフェノー
ル、p‐クミルフェノールなどをあげることができる。
また、溶媒としてジクロロメタン、クロロベンゼンのよ
うなハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素の他にエーテル系のテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等がある。また、ピリジン以外の酸受容
体として、具体的にはトリエチルアミン、1,8‐ジア
ザビシクロ[5,4,0]‐7‐ウンデセンなどの3級
アミン、水酸化ナトリウムのような無機塩基、ホスゲン
などの炭酸誘導体としてはホスゲンダイマー、炭酸ジア
リールエステルとしては、炭酸ジフェニルなどをあげる
ことができる。
【0012】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定さ
れるものではない。
【0013】次に、実施例で得られたポリカーボネート
の物性は以下の方法で測定した。 還元粘度(dl/g): クロロホルムを溶媒として25℃、
0.5g/dlの濃度で測定した。 融点(Tm): 偏光顕微鏡にホットステージ(メトラ
ー社製FP−82)を装着して毎分3℃の昇温温度で測
定した。 分解温度(Td): セイコー電子工業社製TG/DT
A−220型を用い毎分10℃の昇温温度で測定し、重
量減少5%の温度を測定した。 ガラス転移温度(Tg): セイコー電子工業社製DS
C−200型を用い毎分5℃の昇温温度で測定した。 複屈折: 偏光顕微鏡を利用して、546nmにてセナル
モンコンベンセーター法にてリターデーションを測定し
た。
【0014】
【実施例】
実施例1 式〔1〕で示される構造単位、および式〔2〕で示され
る構造単位からなるポリカーボネートの製造:100ml
の三つ口フラスコにビスフェノール‐AFの0.91g
(2.70mmol)、トランス‐1,4‐シクロヘキサン
ジメタノールの0.04g(0.30mmol)、ピリジン
1mlおよび1,2‐ジクロロエタン(以下、DCEと称
する)5mlを入れて攪拌し、次いで、この液をマントル
ヒーターで90℃に保ち、還流下にクロロギ酸トリクロ
ロメチル0.33g(1.7mmol)をDCE2mlに溶か
した溶液を20分間で滴下し、そのまま3時間反応を行
った。得られた反応液を放冷した後メタノール300ml
に注ぎ、析出した沈澱物をろ過した。このろ過物を熱メ
タノール中で洗浄し、次いで乾燥して0.85g(収率
82.7%)のポリカーボネートが得られた。このポリ
マーの構造はIRスペクトルで確認した。このポリカー
ボネートは、還元粘度0.20dl/g、融点174.1〜
198.0℃、ガラス転移温度は170.0℃、分解温
度372.3℃であった。また、このポリマーのクロロ
ホルム溶液をガラス板上にキャストし乾燥したところ透
明なポリカーボネートフィルムが得られた。また、ガラ
スプレートにポリマーをのせ、200℃に熱し、溶融し
た後に冷却しても良好なフィルムが得られた。
【0015】実施例2〜5 ビスフェノール‐AF、およびトランス‐1,4‐シク
ロヘキサンジメタノールの成分比を変える以外は、実施
例1に準拠して行った。その成分比と得られたポリカー
ボネートの物性値を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の含フッ素ポリカーボネートは、
分解温度が高いために高温での使用が可能である。ま
た、透明性に優れた膜を作ることもできる。また、本発
明の含フッ素ポリカーボネートは、そのポリマー鎖に含
むシクロヘキサン環の効果によって優れた透明性を示
し、特に光記録基板などの光学樹脂材料として有用であ
る。さらに他の公知の樹脂と混合し、これら樹脂の性質
の改良を図るとともに新しい性質を付加することも可能
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 で示される構造単位と、式〔2〕 【化2】 で示される構造単位とが線状に不規則に配列してなる含
    フッ素ポリカーボネート。
  2. 【請求項2】 還元粘度0.2〜2.0dl/g(25℃、
    0.5g/dl クロロホルム)の請求項1記載の含フッ
    素ポリカーボネート。
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