JP3145517B2 - 疲労強度特に面疲労強度に優れた機械構造用部品およびその製造方法 - Google Patents

疲労強度特に面疲労強度に優れた機械構造用部品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用等速ジョイン
トのアウターレースの様に、疲労強度特に面疲労強度の
要求される機械構造用部品、およびその様な部品を製造
する為の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械構造用部品、特にシャフトや等速ジ
ョイント等の産業機械用動力伝達部品は、疲労強度に優
れていることが要求される。この様な部品に、耐面疲労
性を付与する手段として、従来から浸炭、窒化処理、或
はS48C,S55C等の中炭素鋼を用いた高周波焼入
れ等の表面硬化処理が広く行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、産業機械とりわ
け自動車等の燃料消費効率の向上を目的として、各種鋼
部品の高強度化による軽量化が指向されている。例え
ば、自動車用等速ジョイントのアウターレースは、その
小型化若しくは薄肉化を図った場合、ボール溝部におい
て接触面圧が増加することによってピッチングやフレー
キングが早期に発生するので、面疲労強度の大幅な向上
が不可欠となる。この様な面疲労強度の向上には、表面
硬さを上げる等して表面層を強化することが最も有効で
あることが知られている。
【0004】しかしながら、上記の様な駆動力伝達部品
においては、従来の中炭素鋼と常法の組合せによる技術
では、硬度や靭性において限界があり、大幅に疲労強度
特に面疲労強度を向上させることは困難である。
【0005】本発明は、こうした技術的課題を解決する
為になされたものであって、その目的は、疲労強度特に
面疲労強度を大幅に向上させた機械構造用部品、および
その様な機械構造用部品を製造する為の方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、C:0.4〜0.7重量%,Si:0.3重
量%以下(0重量%を含まない),Mn:0.2〜1重
量%,Cr:0.2〜3重量%,Mo:0.1〜1重量
%,V:0.1〜1重量%,Al:0.01〜0.05
重量%,N:0.003〜0.02重量%,S:0.0
7重量%以下(0重量%を含まない),Ti:0.00
2重量%以下(0重量%を含まない)を夫々含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなり、該不純物中のPお
よびOを夫々0.02重量%以下、0.002重量%以
下に抑えてなる鋼を素材とし、該素材を所定の部品形状
に成形した後、窒化処理または軟窒化処理を行い、引き
続き高周波焼入れ処理を行うことによって、表面から窒
素を拡散させ、最表面から0.2mmの深さ位置におい
て窒素濃度を0.05重量%以上含有させた表面硬化層
を形成する点に要旨を有する疲労強度特に面疲労強度に
優れた機械構造用部品の製造方法である。
【0007】また本発明の機械構造用部品とは、上記方
法によって製造されたものであり、C:0.4〜0.7
重量%,Si:0.3重量%以下(0重量%を含まな
い),Mn:0.2〜1重量%,Cr:0.2〜3重量
%,Mo:0.1〜1重量%,V:0.1〜1重量%,
Al:0.01〜0.05重量%,N:0.003〜
0.02重量%,S:0.07重量%以下(0重量%を
含まない),Ti:0.002重量%以下(0重量%を
含まない)を夫々含有し、残部Feおよび不可避不純物
からなり、該不純物中のPおよびOを夫々0.02重量
%以下、0.002重量%以下に抑えてなる鋼を素材と
し、最表面から0.2mmの深さ位置において窒素濃度
を0.05重量%以上含有し、最表面から0.2mmの
深さ位置におけるオーステナイト結晶粒度がNo.12
以上の微細な組織を有すると共に、0.2mm深さまで
の表層部における残留オーステナイト量が10〜25体
積%である点に要旨を有するものである。
【0008】
【作用】本発明者らは、上記目的を達成する為に、鋼材
成分組成と表面硬化処理の両面から検討した。その結
果、疲労強度特に面疲労強度を向上させる為には、下記
の2点が重要であるとの知見が得られた。 (1)部品表層部の常温および高温硬度を高くする必要
のあること。 (2)高温硬度を更に高める為(即ち軟化抵抗を高める
為)には、窒素をより多量により深くまで侵入・拡散さ
せ、微細な炭・窒化物の析出による表面硬化層を形成す
ることが有効であること。また、必要によって、部品表
層部に残留オーステナイトを適正量生成させると、加工
誘起変態による硬度上昇とクッション効果による見かけ
の面圧を低下させることも分かった。
【0009】そして上記特性を得る為に、まず窒化また
は軟窒化処理を必要とするが、その際材料面からは窒素
濃度の上昇に主にMoとVの添加が有効であること、ま
た工法面からは窒素の拡散、固溶更には微細炭・窒化物
の析出の促進、およびそれに基づくマルテンサイトの強
靱化の為に、窒化処理若しくは軟窒化処理と高周波焼入
れと組合わせることが極めて有効であることが分かっ
た。
【0010】尚軟窒化処理後高周波焼入れを行なう方法
については、例えば特開平2−232353号公報に、
SCM鋼、工具鋼への軟窒化処理にした後さらに高周波
焼入れを行なう方法が記載されているが、本発明が適用
鋼の最適合金成分範囲を言及していること、および本発
明の目的がピッチングやフレーキング発生寿命を大幅に
向上達成できる様な面疲労強度向上を意図している点に
おいて上記方法とは異なるものである。
【0011】また特開昭60−169544号公報に
は、機械構造用部品特に歯車の製造に適した鋼材の成分
を規定すると共に、疲労強度の向上手段として高周波焼
入れを施す技術が提案されているが、本発明は窒化処理
または軟窒化処理後に高周波焼入れ処理を行なうことに
よって大幅な疲労強度の向上を達成可能とするものであ
り、その点において上記方法と異なるものである。更
に、特開平4−66646号公報には、窒化処理を施す
ことによって疲労強度を大幅に改善できる鋼材に関する
技術が報告されているが、この技術は焼入れ焼戻し処理
と窒化処理の組み合せによって疲労強度が改善できる鋼
材が主眼になっており、本発明とは基本的に異なるもの
である。まず本発明における化学成分限定理由は下記の
通りである。
【0012】C:0.4〜0.7重量% Cは常温および高温硬さを得るのに必要な元素であり、
含有量が0.4重量%未満では使用時の高い面圧に耐え
ることができない。しかしながら、C含有量が多過ぎる
と、特に部品鍛造時の変形抵抗の上昇による鍛造工具寿
命の低下、或はその後の切削加工時の工具寿命の低下を
引き起こすので、0.7重量%以下とすべきである。尚
C含有量の好ましい範囲は、0.5〜0.6重量%程度
である。
【0013】Si:0.3重量%以下(0重量%を含ま
ない) Siは鋼の内部品質を向上させるのに必要な元素である
が、あまり多過ぎると鋼素材の硬さ上昇によって鍛造加
工性や切削加工性に悪影響を及ぼすので、0.3重量%
以下とすべきである。尚Si含有量の好ましい範囲は、
0.15〜0.3重量%程度である。
【0014】Mn:0.2〜1重量% Mnは鋼の内部品質を向上させると共に高周波焼入れ性
も向上させ、且つ表面硬さを得るのに必要な元素であ
り、Mn含有量が0.2重量%未満ではこの様な効果が
得られない。しかしながら、Mn含有量が多過ぎると、
特に部品鍛造時の変形抵抗の上昇による鍛造工具寿命の
低下、或はその後の切削加工時の工具寿命の低下を引き
起こすので、1重量%以下とすべきである。尚Mnのよ
り好ましい範囲は、0.5〜0.6重量%程度である。
【0015】Cr:0.2〜3重量% Crは高周波焼入れ性を向上させ、しかも炭窒化物の形
成による硬度上昇に必要な元素であり、含有量が0.2
重量%未満では使用時の高い面圧に耐えることができな
い。しかしながら、Cr含有量が多過ぎると、過剰な炭
窒化物の形成による過度の表面硬度上昇を招き、疲労限
を低下させる。また部品鍛造時の変形抵抗の上昇による
鍛造工具寿命の低下、或はその後の切削加工時の工具寿
命の低下を引き起こすので、3重量%以下とすべきであ
る。尚Crのより好ましい範囲は、0.45〜0.6重
量%程度である。
【0016】Mo:0.1〜1重量% Moは高周波焼入れ性を向上させると共に、Mo炭窒化
物の形成によって窒素をより深く且つより多量に侵入・
拡散させて軟化抵抗を向上させるのに必要な元素であ
り、Mo含有量が0.1重量%未満ではこれらの効果が
得られず、使用時の高い面圧に耐えることができない。
しかしながら、Mo含有量が多過ぎると、過剰な炭窒化
物の形成による過度の表面硬度上昇を招き、疲労限を低
下させる。また温間鍛造時の変形抵抗の上昇による鍛造
工具寿命の低下を引き起こすので、1重量%以下とすべ
きである。尚Moのより好ましい範囲は、0.3〜0.
6重量%程度である。
【0017】V:0.1〜1重量% VはMoと同様に炭窒化物の形成によって窒素をより深
く且つ多量に侵入・拡散させて軟化抵抗を向上させるの
に必要な元素であり、V含有量が0.1重量%未満では
この様な効果が得られず、使用時の高い面圧に耐えるこ
とができない。しかしながら、V含有量が多過ぎると、
過剰な炭窒化物が焼入れ加熱時に固溶しきれずに、その
効果が飽和するので、1重量%以下とすべきである。尚
Vのより好ましい範囲は、0.3〜0.6重量%程度で
ある。
【0018】Al:0.01〜0.05重量% Alは脱酸に有効な元素であり、Al含有量が0.01
重量%未満ではこの効果が達成されず、また0.05重
量%を超えて含有させても窒化層硬さを増加させ過ぎて
疲労限を低下させる。
【0019】N:0.003〜0.02重量% NはAlと結合してAlNとなり、結晶粒度を微細化す
る効果を発揮する。N含有量が0.003重量%未満で
は、その効果は不十分となる。しかしながら、N含有量
が多過ぎると、圧延時に割れが発生し易くなるので、
0.02重量%以下とすべきである。
【0020】S:0.07重量%以下(0重量%を含ま
ない) Sは部品切削加工時の被削性向上に有効な元素である
が、0.07重量%を超えて含有されると、疲労強度に
悪影響を与える。
【0021】Ti:0.002重量%以下(0重量%を
含まない) Tiは窒化物を形成して結晶粒度を微細化し、疲労強度
向上に有効な元素であるが、過剰に含有すると却って疲
労強度の低下を招くので、0.002重量%以下とすべ
きである。
【0022】本発明の部品は、以上の元素を基本成分と
し残部Feおよび不可避不純物からなるものであるが、
不可避不純物のうち特にP,Oはその含有量を極力抑え
る必要がある。また本発明の部品には、必要によりP
b,Zr,Te等を添加してもよい。これらの元素の化
学成分限定理由は下記の通りである。
【0023】P:0.02重量%以下 Pは結晶粒界を脆化する有害な不純物元素であり、疲労
強度に悪影響を与えるので、その含有量は0.02重量
%以下に抑えるべきである。
【0024】O:0.002重量%以下 Oは酸化物を形成し、特に疲労強度に有害な不純物元素
であり、その含有量は極力低くする必要があり、0.0
02重量%以下に抑えるべきである。
【0025】Pb:0.02〜0.13重量%,Zr:
1重量%およびTe:1重量% 以下よりなる群から選ばれる1種以上 Pb,ZrおよびTeは、いずれも被削性を向上させる
のに有効な元素である。Pbは部分切削加工時の被削性
を向上させる効果があり、Pb含有量が0.02重量%
未満ではその効果が得られず、0.13重量%を超えて
含有されても疲労強度に悪影響を与える。尚Pbのより
好ましい範囲は、0.05〜0.1重量%程度である。
一方、ZrおよびTeは被削性向上効果の他、Sととも
に添加されることによって、硫化物系介在物の形状を丸
くして靭性を向上させる効果がある。しかしながら、Z
rおよびFeの含有量が1重量%を超えるとその効果が
飽和する。
【0026】本発明の部品は、上記の様な化学成分組成
の鋼を素材とし、該素材を所定の形状に成形した後、窒
化処理または軟窒化処理を行い、引き続き高周波焼入れ
処理を行うことによって、表面から窒素を拡散させ、最
表面から0.2mmの深さ位置における窒素濃度を0.
05重量%以上と規定しているが、これは次の様な理由
による。即ち、この位置における窒素濃度が0.05重
量%未満であると、軟化抵抗の低下によって使用中に塑
性流動を起こし、ピッチング寿命を低下させるからであ
る。
【0027】本発明の部品では、最表面から0.2mm
位置の深さ位置におけるオーステナイトの結晶粒度がN
o.12以上の微細な組織とする必要があるが、当該位
置における結晶粒度がNo.12未満であると、結晶粒
が大き過ぎて靱性低下を招き、ピッチング寿命を低下さ
せる。また本発明の部品では、0.2mm深さまでの表
層部における残留オーステナイト量を10〜25体積%
とする必要があるが、残留オーステナイト量が上記範囲
を外れて、10体積%未満若しくは25体積%を超える
とピッチング寿命の低下を招く。
【0028】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0029】
【実施例】表1(本発明鋼)および表2(比較鋼)に示
す化学成分の鋼を小型真空炉(150kg/ch)を用
いて溶製し、鍛造によって直径:30mmの棒鋼に鍛伸
後、焼きならし処理を行なった。引き続き、機械加工に
よって、中央部に直径25mm,長さ:30mmの円筒
部を有する全長125mm(直径:20mm)のローラ
ーピッチング試験片を作製し、表面硬化処理として、ガ
ス軟窒化処理および高周波焼入れ処理を行なった。その
ときの処理条件を表3に示す。そして、それらの試験片
についてローラーピッチング試験(面圧3666N/m
2 )を行なった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表面硬化処理した試験片を用いて、最表面
から0.2 mmの深さ位置における常温硬さ、高温硬さ(4
00℃)、窒素濃度およびオーステナイト結晶粒度N
o.並びに表層部での残留オーステナイト量についても
調査した。それらの調査結果をローラーピッチング試験
の結果(ピッチング発生寿命)と共に、表4(実施例)
および表5(比較例)に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表4および表5の結果より、窒素濃度と4
00℃高温硬さの関係を示したのが図1であるが、窒素
濃度が高くなるにつれて高温硬さが上昇していることが
分かる。特に窒素濃度が0.05重量%未満では、高い
高温硬さが得られなくなっており、ピッチング発生寿命
の低下が著しくなる。
【0037】図2は残留オーステナイト量とピッチング
発生寿命の関係を示したものであるが、残留オーステナ
イト量が10〜25体積%の範囲内では、優れたピッチ
ング発生寿命を示していることが分かる。尚表5に示す
比較例のうち、高温硬度および窒素濃度が高く、しかも
オーステナイト結晶粒度が細粒(No.12以上)にもか
かわらず、ピッチング発生寿命が低いものが認められる
が(No.16,18,20,22,25)、これは残留
オーステナイト量が25体積%を超えているからであ
る。つまり、最表面から0.2mmの深さ位置における
オーステナイト結晶粒度がNo.12以上の微細な組織
を有すると共に、0.2mm深さまでの表層部における
残留オーステナイト量が10〜25体積%であることが
重要である。
【0038】これらの結果から、次の様に考察できる。
まずNo.1〜3,15,16のものはC量の影響につい
て示したものであり、本発明鋼(No.1〜No.3)はC
量の下限,中央,上限の特性を示すが、比較鋼のNo.1
6に比べ細粒で高温硬度,窒素濃度,残留オーステナイ
ト量が高く、高いピッチング発生寿命示している。また
比較鋼のNo.16の場合、細粒で高温硬度,窒素濃度と
もに高いが、残留オーステナイト量が適正領域を越えて
高くなりすぎ、ピッチング発生寿命が低下している。ま
た硬度が過度に高いと鍛造成形時の変形抵抗が高くなり
過ぎ、工具寿命が低下するので好ましくない。
【0039】No.4,5,8,9はMn量の影響につい
て示したものであり、本発明鋼No.4,5はMn量の下
限,上限の特性を示すが、比較鋼のNo.17に比べ細粒
で高温硬度,窒素濃度,残留オーステナイト量が高く、
高いピッチング発生寿命を示している。また比較鋼のN
o.18の場合、やはり残留オーステナイト量が適正領域
を越えて高くなりすぎ、ピッチング発生寿命が低下して
いる。
【0040】No.6,7,19,20はCr量の影響に
ついて示したものであり、本発明鋼No.6,7はCr量
の下限,上限の特性を示すが、比較鋼のNo.19に比べ
細粒で高温硬度,窒素濃度および残留オーステナイト量
が高く、高いピッチング発生寿命示している。また比較
鋼のNo.20の場合、高温硬度,窒素濃度ともに高いに
もかかわらず、残留オーステナイト量が適正領域を越え
て高くなりすぎ、ピッチング発生寿命が低下している。
【0041】No.8,9,21,22はMo量の影響に
ついて示したものであり、本発明鋼No.8,9はMo量
の下限,上限の特性を示すが、比較鋼のNo.21に比べ
細粒で高温硬度,窒素濃度および残留オーステナイト量
が高く、高いピッチング発生寿命示している。また比較
鋼のNo.22の場合、比較鋼No.23の場合と同様に、
残留オーステナイト量が高くなり過ぎ、ピッチング発生
寿命が低下している。
【0042】No.10,11,23,24はV量の影響
について示したものであり、本発明鋼No.10,11は
V量の下限,上限の特性を示すが、比較鋼のNo.23,
24に比べ細粒で高温硬度,窒素濃度,残留オーステナ
イト量が高く、高いピッチング発生寿命示している。N
o.25はTi量が多過ぎるものであるが、Tiを0.0
02重量%以下に制限した本発明鋼(例えば、No.2)
に比較してピッチング発生寿命が低下している。
【0043】No.12〜14の本発明鋼は各々Pb,Z
r,Teを添加した場合の影響について示したものであ
るが、いずれも細粒で適正な範囲の硬度,窒素量,残留
オーステナイト量を示し、優れたピッチング発生寿命を
示している。
【0044】No.26の比較鋼は熱処理としてガス軟窒
化処理を省き、高周波焼入れ処理のみ施した場合の特性
を示すものである。この場合、硬度が若干低下するとと
もに、窒素量が極端に低下し、ほぼマトリックスの窒素
濃度となり、それに応じて残留オーステナイト量も低下
し、ピッチング発生寿命の低下を招いている。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、疲
労特性特に面疲労強度に極めて優れた機械構造用部品が
実現でき、この部品は等速ジョイントのアウターレース
として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】最表面から0.2mmの深さ位置での窒素濃度
と高温硬さ(400℃)の関係を示すグラフである。
【図2】表面層の残留オーステナイト量とピッチング発
生寿命の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 小倉 真義 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 加藤 猛彦 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 長谷川 豊文 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.4〜0.7重量%,Si:0.
    3重量%以下(0重量%を含まない),Mn:0.2〜
    1重量%,Cr:0.2〜3重量%,Mo:0.1〜1
    重量%,V:0.1〜1重量%,Al:0.01〜0.
    05重量%,N:0.003〜0.02重量%,S:
    0.07重量%以下(0重量%を含まない),Ti:
    0.002重量%以下(0重量%を含まない)を夫々含
    有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、該不純物
    中のPおよびOを夫々0.02重量%以下、0.002
    重量%以下に抑えてなる鋼を素材とし、該素材を所定の
    部品形状に成形した後、窒化処理または軟窒化処理を行
    い、引き続き高周波焼入れ処理を行うことによって、表
    面から窒素を拡散させ、最表面から0.2mmの深さ位
    置において窒素濃度を0.05重量%以上含有させた表
    面硬化層を形成することを特徴とする疲労強度特に面疲
    労強度に優れた機械構造用部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、Pb:0.02〜0.13重量
    %,Zr:1重量%以下およびTe:1重量%以下より
    なる群から選ばれる1種以上を含有する鋼を素材とする
    ものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面硬化層が、微細な炭・窒化物を析出
    させることによって形成される請求項1または2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 C:0.4〜0.7重量%,Si:0.
    3重量%以下(0重量%を含まない),Mn:0.2〜
    1重量%,Cr:0.2〜3重量%,Mo:0.1〜1
    重量%,V:0.1〜1重量%,Al:0.01〜0.
    05重量%,N:0.003〜0.02重量%,S:
    0.07重量%以下(0重量%を含まない),Ti:
    0.002重量%以下(0重量%を含まない)を夫々含
    有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、該不純物
    中のPおよびOを夫々0.02重量%以下、0.002
    重量%以下に抑えてなる鋼を素材とし、最表面から0.
    2mmの深さ位置において窒素濃度を0.05重量%以
    上含有し、最表面から0.2mmの深さ位置におけるオ
    ーステナイト結晶粒度がNo.12以上の微細な組織を
    有すると共に、0.2mm深さまでの表層部における残
    留オーステナイト量が10〜25体積%であることを
    徴とする疲労強度特に面疲労強度に優れた機械構造用部
    品。
  5. 【請求項5】 更に、Pb:0.02〜0.13重量
    %,Zr:1重量%以下およびTe:1重量%以下より
    なる群から選ばれる1種以上を含有する鋼を素材とする
    ものである請求項4に記載の機械構造用部品。
JP32965392A 1992-12-09 1992-12-09 疲労強度特に面疲労強度に優れた機械構造用部品およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3145517B2 (ja)

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