JP3146030B2 - 潮解性無機塩含有複合体の製法 - Google Patents

潮解性無機塩含有複合体の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潮解性無機塩含有複合
体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化カルシウム、シリカゲル等の潮解性
無機塩は、吸湿性を有するため、従来、吸湿剤としてし
ばしば利用されている。中でも塩化カルシウムは安価で
吸湿能力が大きいために広く使用されている。しかしな
がら、塩化カルシウムは吸湿により液状化するため、こ
ぼれたり他のものを汚損したりして不都合なことが多か
った。
【0003】一方ではいわゆる吸水性樹脂に代表される
有機系の吸湿剤も提案されているが、このものはなる程
吸水性は高いものの低湿度雰囲気における吸湿性は満足
ゆくものではなく、例えば乾燥剤としては利用できなか
った。
【0004】更に最近では粉末状の吸水性樹脂や水溶性
樹脂と塩化カルシウム粉末を混合した複合体も提案され
ているが、前者は吸湿速度が遅く、後者は液ダレが起こ
るといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、潮解性無機塩を、液ダレがな
く、しかも、吸湿特性に優れ、加工特性にも優れた形で
使用することを可能とさせる、潮解性無機塩含有複合体
の製法を提供することを課題とする
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶性不飽和単
量体、架橋剤および潮解性無機塩を含んでなる水性液を
繊維状基材に施した後、該単量体の重合を行えば、潮解
性無機塩の特性を生かしながら、液ダレを確実に防ぐこ
とができることを見出し本発明に到達した。
【0007】即ち本発明にかかる潮解性無機塩含有複
合体の製法は、水溶性不飽和単量体、架橋剤および潮解
性無機塩を含んでなる水性液を繊維状基材に施した後重
合することを特徴とする。 本発明にかかる潮解性無機塩
含有複合体は、水溶性不飽和単量体および架橋剤を繊維
状基材に施した後重合して得られた複合体であって、潮
解性無機塩を含有し、該複合体がシート状であり、且つ
乾燥してなる複合体である。
【0008】本発明で用いられる水溶性不飽和単量体と
しては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等のカル
ボキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸ナトリ
ウム塩、(メタ)アクリル酸カリウム塩、(メタ)アク
リル酸アンモニウム塩、マレイン酸ナトリウム塩等の塩
の形のカルボキシル基を有する単量体;ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプ
ロピル等のスルホン酸基を有する単量体;ビニルスルホ
ン酸ナトリウム塩、ビニルスルホン酸メチルアミン塩、
(メタ)アクリル酸スルホプロピルナトリウム塩等のス
ルホン酸塩を有する単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等
の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸エチレン
グリコ−ルモノメチルエ−テル、(メタ)アクリル酸ト
リオキシエチレングリコ−ル等のエ−テル基を有する単
量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基を有
する単量体;N,N’−ジメチルアクリルアミド、(メ
タ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−メチ
ロ−ル化アクリルアミド等のアミド基を有する単量体;
N,N’,N”−トリメチル−N−(メタ)アクリロイ
ロキシエチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニ
ウム塩基を有する単量体等を挙げることができる。好ま
しくは(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等のカルボ
キシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸ナトリウ
ム塩、(メタ)アクリル酸カリウム塩、(メタ)アクリ
ル酸アンモニウム塩、マレイン酸ナトリウム塩等の塩の
形のカルボキシル基を有する単量体;N・N’−ジメチ
ルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン、N−メチロ−ル化アクリルアミド等のア
ミド基を有する単量体;スルホン酸(塩)基を有する単
量体である。
【0009】架橋剤としては、エチレングリコ−ル、ト
リメチロ−ルプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル、ポリオキシプロピレングリコ−ル等のポ
リオ−ル類のジまたはトリ−(メタ)アクリル酸エステ
ル類;前記ポリオ−ル類とマレイン酸等の不飽和酸類と
を反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N’
−メチレン−ビスアクリルアミド等のビスアクリルアミ
ド類;テトラアリロキシエタン、トリアリルアミン、ア
リル化セルロ−ス等のアリル化合物類;ポリエポキシド
と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ−また
はトリ−(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる
が、場合によってはメチロ−ル化(メタ)アクリルアミ
ド、グリオキザ−ル、エチレングリコ−ル、エチレング
リコ−ルジグリシジルエ−テル等の二官能性化合物や水
酸化カルシウム等も使用できる。好ましくは前記水溶性
不飽和単量体と共重合可能な少なくとも2個の重合性二
重結合を有する架橋剤である。
【0010】本発明において使用される潮解性無機塩と
は、その飽和水溶液の水蒸気圧が大気の水蒸気分圧より
も小さい無機の塩をさし、具体的にはカルシウム、マグ
ネシウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、スズなどの
塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物を挙げるこ
とができる。中でも、価格、吸湿能力の点から塩化マグ
ネシウムおよび塩化カルシウムから選ばれた少なくとも
1種が好適に使用できる。
【0011】本発明における水溶性不飽和単量体、架橋
剤、潮解性無機塩の組成は特に限定されるものではない
が、水溶性不飽和単量体と架橋剤と潮解性無機塩の重量
割合は、水溶性不飽和単量体100に対して架橋剤は
0.0001〜10、潮解性無機塩は10〜1000の
範囲が好ましい。
【0012】本発明において使用される繊維状基材とし
ては、具体的には繊維を成形してなるもの、例えば、パ
ット、カ−ディングもしくはエアレイディングしたウエ
ブ、紙、紐、木綿ガ−ゼの様な織布、メリヤス地または
不織布である。使用される素材としては、木材パルプ等
の天然繊維、ポリエステルやポリオレフィン等の合成繊
維、無機繊維などいずれもが使用可能である。
【0013】本発明の潮解性無機塩含有複合体は、前記
水溶性不飽和単量体、架橋剤および潮解性無機塩を含ん
でなる水性液を該繊維状基材に施した後重合を行うこと
により得ることができる。単量体を含む水性液を繊維状
基材に施す方法としては、単量体が繊維状基材中に均一
に分散保持され、そして重合しうる限り合目的的な任意
の手段ないし態様によることができる。そのための典型
的な方法の一つは、水性液を繊維状基材に含浸させるか
あるいは噴霧する方法である。尚水性液に使用される溶
媒としては水以外に親水性有機溶媒が少量溶在したもの
であってもよい。水性液と繊維状基材の比率については
特に制限ないが、通常繊維状基材100部にたいし水性
液10〜1000部の範囲である。
【0014】繊維状基材に施された水溶性不飽和単量
体、架橋剤および潮解性無機塩を含む水性液の重合方法
は、前記水溶性不飽和単量体の重合に関し従来から知ら
れているいかなる方法でもよく、例えば放射線、電子
線、紫外線等を照射する方法;過酸化水素、過硫酸アン
モニウム等のラジカル重合開始剤を用いて重合させる方
法等が挙げられる。放射線、電子線、紫外線等を照射し
重合させる方法は通常の方法でよい。またラジカル重合
開始剤を用いて重合させる方法も特に限定されず、例え
ば温度は、用いる開始剤の種類によって異なるが、通常
10〜150℃、好ましくは20〜100℃でよい。開
始剤量も通常でよく、レドックス系の重合開始剤も使用
できる。開始剤はあらかじめ水性液中に含有させておい
てもよく、重合時に後添加することも可能である。
【0015】この様にして得られた潮解性無機塩含有
合体は、熱風、マイクロ波、赤外線等の手段により乾燥
されるのが普通である。得られた潮解性無機塩含有複合
体に更に、消臭剤、防腐・防カビ剤、芳香剤、着色剤等
を重合時に或いは重合後に添加して本発明の潮解性無機
塩含有複合体とすることもできる。
【0016】場合によっては得られた潮解性無機塩含有
複合体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂シ−ト層、粘着
剤層、不織布層、紙等を種々の方法で貼り合わせておく
こともできる。
【0017】本発明の潮解性無機塩含有複合体は、居
室、押入れ、ゲタ箱、靴の中、ロッカーの中等、除湿し
たい場所で有効に使用できる。又、繊維状基材に高吸湿
性を有する潮解性無機塩含有樹脂が重合により一体化さ
れているので、取扱い・加工性に優れる。著しく吸湿速
度が速いという特徴も有している。優れた吸湿能力を有
しているのみならず、吸湿後にも液状化する心配がない
ので例えば、のり、せんべい等吸湿を嫌って密閉容器に
販売されている商品、発錆を嫌う機器類の梱包等、従来
シリカゲルを使用していた食品や工業用品類に使用し
て、より強力な効果を発揮するものである。更に本発明
潮解性無機塩含有複合体は、吸湿後も乾燥することに
より初期の吸湿能力を失うことなく繰り返し使用可能で
ある。本発明の潮解性無機塩含有複合体の形状として
は、シート状を挙げることができる。
【0018】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例および比較例中の部および%は重量による。
【0019】実施例1 7%アクリル酸ナトリウム水溶液80部、アクリル酸
8部、メチレンビスアクリルアミド0.007部、30
%塩化マグネシウム水溶液125部および過硫酸ナトリ
ウム0.5部からなる単量体水性液を、坪量23g/m
2のポリプロピレン不織布に固形分量が34g/m2とな
るように付着せしめて120℃で重合を行い、坪量が5
7g/m2である本発明の潮解性無機塩含有複合体
(1)を得た。潮解性無機塩含有複合体(1)1.0g
を500mlのガラス容器に入れ、25℃、相対湿度9
0%の恒温恒湿槽に放置して重量増加量を経時的に測定
して吸 湿量を調べた。この結果および10時間後の吸湿
状態を表1に示す。なおブランクとして、塩化マグネシ
ウムのみの場合の結果も表1に併記した。
【0020】実施例2 7%アクリル酸ナトリウム水溶液40部、アクリル酸
4部、エチレングリコ−ルジアクリレ−ト0.64部、
30%塩化マグネシウム水溶液100部、ヒドロキシエ
チルセルロ−ス0.6部および過硫酸ナトリウム0.5
部からなる単量体水性液を、坪量76g/m2の難燃紙
に固形分量が34g/m2となるように付着せしめて1
20℃で重合を行い、坪量が110g/m2である本発
明の潮解性無機塩含有複合体(2)を得た。
【0021】潮解性無機塩含有複合体(2)について、
実施例1と同様にして、評価した。結果を表1に示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかな様に本発明の方法で得ら
れた潮解性無機塩含有複合体は吸湿速度・吸湿量に優
れ、また吸湿後の液ダレがない。 (実施例3) 30cm×30cmに裁断した実施例1で得られた本発
明の潮解性無機塩含有複合体(1)の片面に粘着剤層を
設け、マンション北側の壁の結露区域に貼付したとこ
ろ、その部分の結露が防止できた。
【0024】
【発明の効果】発明の方法により、潮解性無機塩を、
液ダレがなく、しかも、吸湿速度・吸湿量に優れ、加工
特性にも優れた形で使用することを可能とさせる、潮解
性無機塩含有複合体を得させることが可能となった。水
溶性不飽和単量体、架橋剤および潮解性無機塩を含んで
なる水性液を繊維状基材に施した後重合することによ
り、吸湿特性に優れた潮解性無機塩含有樹脂を繊維状基
材中に分散固定させることができ、得られた潮解性無機
塩含有複合体は、吸放湿速度が著しく速く、吸湿後も液
だれがなく、周囲を濡らすことがない。また、潮解性無
機塩含有複合体がシート状に成形されている場合は、取
扱いやすく、貼付したり包材としても使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性不飽和単量体、架橋剤および潮解性
    無機塩を含んでなる水性液を繊維状基材に施した後重合
    することを特徴とする潮解性無機塩含有複合体の製法。
  2. 【請求項2】 潮解性無機塩含有複合体がシート状であ
    る、請求項1に記載の潮解性無機塩含有複合体の製法。
  3. 【請求項3】 水溶性不飽和単量体100重量部に対して
    潮解性無機塩が10〜1000重量部である、請求項1
    または2に記載の潮解性無機塩含有複合体の製法。
  4. 【請求項4】 水溶性不飽和単量体100重量部に対して
    架橋剤が0.0001〜10重量部である、請求項1か
    ら3までのいずれかに記載の潮解性無機塩含有複合体の
    製法。
  5. 【請求項5】 潮解性無機塩が、塩化マグネシウムおよび
    塩化カルシウムから選ばれた少なくとも1種である、請
    求項1から4までのいずれかに記載の潮解性無機塩含有
    複合体の製法。
  6. 【請求項6】 重合後さらに乾燥する、請求項1から5ま
    でのいずれかに記載の潮解性無機塩含有複合体の製法。
  7. 【請求項7】 水溶性不飽和単量体および架橋剤を繊維状
    基材に施した後重合して得られた複合体であって、潮解
    性無機塩を含有し、該複合体がシート状であり、且つ乾
    燥してなる、潮解性無機塩含有複合体。
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