JP3146599B2 - 印刷用ブランケットの表面改質方法及び印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケットの表面改質方法及び印刷用ブランケット

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JP3146599B2 JP06480092A JP6480092A JP3146599B2 JP 3146599 B2 JP3146599 B2 JP 3146599B2 JP 06480092 A JP06480092 A JP 06480092A JP 6480092 A JP6480092 A JP 6480092A JP 3146599 B2 JP3146599 B2 JP 3146599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷用ブランケット
(以下、印材と称する)の表面改質方法および印材、更
に詳細には印材表面層の特性を維持したまま、インキ転
移性および紙離れ性を改良する印材の表面改質法および
印材に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機は、原稿となる版を捲
回した版胴1とこの版胴1に連動して回転する印材胴2
および前記印材胴2と共に、印刷用紙3を押圧下狭持す
る圧胴4より基本的に構成されるものである。そして前
記印材胴2には印材5が捲回されている。前記版銅1に
捲回された版胴にインキを付着させ、前記インキによっ
て構成された像を、一旦印材胴2の印材5に転写し、こ
の転写像を当接する印刷用紙3に印刷するものである。
【0003】このような印刷機に使用される印材5は、
第2図に示すように、一般に基布51上に必要に応じ弾
性体の圧縮層52を形成すると共に、前記圧縮層52に
更に表面層53を形成してなるものであり、印刷用紙3
は前記表面層53に当接するようになっている。
【0004】前述の印材5を使用する場合の一つの問題
点は、表面層53のゴムが油性の印刷インキに浸される
ことである。このため、例えば従来前記表面層として、
印刷性(インキ転移性など)に優れているが耐油性に劣
る低ニトリルのアクリロニトリルブタジエンラバーを使
用せずに、耐油性の良好な中高ニトリルのアクリロニト
リルブタジエンラバーを使用している。しかしながら、
上述のような中高ニトリルのアクリロニトリルブタジエ
ンラバーは、耐油性は良好であるもののインキ転移性お
よび紙離れ性に問題があるという欠点があった。
【0005】上記耐油性を向上させるため、たとえば四
フッ化エチレン−プロピレン共重合体を硬化させ被覆し
た印材が知られている(実公昭55−38682号)。
このような考案にあっては、基本的に表面層を耐油性の
膜によって覆うものであるが、基本的に被覆であるため
に、膜の剥離などという現象は避けられず、加えてイン
キ転移性および紙離れ性を考慮していないという欠点が
ある。
【0006】さらに、インキの表面層への接着力を低下
させ、インキ転移性を改良せんとする試みもあり、表面
層の臨界表面張力を18〜25dyne/cmに制御し
た被覆膜を有する印材も知られている(特公昭56−3
6077号)。しかしながら、インキの印材の受理性お
よび紙への転移性は、単に臨海表面張力に依存するもの
ではないことが知られてきた。
【0007】また、パーフロロアルキル基を有し、臨海
表面張力が10〜16dyne/cmの表面改質剤を溶
媒で希釈した表面改質用組成物を印刷用ブランケットの
表面に塗布することが知られている(特開平4−128
95号)。しかしながら、単に印刷用ブランケットの表
面に塗布するだけでは初期の印刷性(インキ転移性、紙
離れ性など)は良好ではあるが、長時間使用を前提とし
た場合にはそれらの耐久性(耐摩耗性、耐擦傷性など)
が不十分であるという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特開
平4−12895号公報に記載されている印材の上記し
た様な問題点を解決し、印材表面層の特性を維持したま
ま、インキ転移性および紙離れ性を改良するだけでな
く、これらの性能を長期間持続することが可能である耐
久性を有する印材の表面改質方法及び印材を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記実状に鑑みて鋭意検討したところ、印刷用ブランケッ
ト用ラバー表面にフッ素化アルキル基を有する合成樹脂
(I)塗布被覆した印材表面層として用いるのではな
く、特定フッ素化アルキル基を有する合成樹脂(I)と
印刷ブランケット用ラバーとの混合物を表面層に用いた
ところ、極めて耐久性に優れた印材が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は特定フッ素化アルキル基を
有する合成樹脂(I)とラバーの混合物を表面層に有す
ることを特徴とする印材、具体的には一分子中にフッ素
化アルキル基を2個以上有するエチレン性不飽和単量体
(A)および/またはα,β−エチレン性不飽和単量体
(B)を含有するラバーを表面層に有することを特徴と
する印材に関すると同時に、基布および必要に応じ基布
上に弾性体の圧縮層を設けた層と表面層を接着せしめて
印材を製造する方法において、表面層として前記特定
ッ素化アルキル基を有する合成樹脂(I)とラバーの混
合物を用いることを特徴とする印材の製造方法、更には
表面層として前記特定フッ素化アルキル基を有する合成
樹脂(I)をラバーに添加混練した後、加硫塩素化を行
った混合物を用いることを特徴とする印材の製造方法
具体的には一分子中にフッ素化アルキル基を2個以上有
するエチレン性不飽和単量体(A)および/またはα,
β−エチレン性不飽和単量体(B)を含有するラバーを
表面層に有することを特徴とする印材の製造方法に関す
る。
【0011】本発明による印材の表面改質剤たるフッ素
化アルキル基を有する合成樹脂(I)は、撥水撥油性を
有するフッ素化アルキル基を主成分として有するため、
表面張力が小さくとも良好なインキ受理性、耐油性を有
し、かつインキ転移性、紙離れ性を改良することができ
るという利点がある。また、従来のように表面層に被覆
層を形成させたり、単に既存の印材表面を表面改質剤に
より拭くのではなく、フッ素化アルキル基を有する合成
樹脂(I)を添加混練して得られたラバーを表面層とし
て用いることで、これまで改良することのできなかった
長時間使用に対する印刷性能の耐久性(耐摩耗性、耐擦
傷性など)を向上させるという利点とともに、印材の使
用限界能力を従来に比して延長することができ、経済性
の点でも大きな利点がある。
【0012】更に、この表面改質剤が印材表面に滞留す
ることによって印刷インキの着色粒子が印材ゴム表面か
ら内部に侵入するのを防ぐため前版残りを解消する効果
も生じる。加えて、多色印刷時に、前に印刷した色が次
の色を紙に印刷するときに、次の色を印刷する印材表面
に逆転写されて印刷の色を汚す現象、いわゆる逆トラッ
ピング現象を防止する効果もある。
【0013】この表面改質剤は、機能基としてフッ素化
アルキル基を有した物質である。このようなフッ素化ア
ルキル基を有する物質は表面張力が小さく、撥水撥油性
を有しており、印刷に使用される水、IPAおよび石油
系の溶剤に対しても溶解しにくいという特徴がある。し
かもインキ受理性も良好であり、表面張力が小さいにも
かかわらず印刷に支障をきたさない。
【0014】本発明において、フッ素化アルキル基を有
する合成樹脂(I)を構成する必須成分として、一分子
中にフッ素化アルキル基を2個以上有するエチレン不飽
和単量体(A)を含有することが、印材表面層の特性を
維持したまま、インキ転移性および紙離れ性を改良する
だけでなく、これらの性能を長期間持続する上で重要な
耐摩耗性、耐擦傷性などの耐久性の向上や、更に経済的
観点から適度なフッ素含有量で充分な印刷特性を発揮す
る上で、極めて重要である。
【0015】一分子中にフッ素化アルキル基を2個以上
有するエチレン不飽和単量体(A)としては、以下のも
のが挙げられる。一般式
【0016】
【化1】
【0017】[ここで、Rfは炭素数1〜20のフッ素
化アルキル基であり、X及びYは1又は2である。]
【0018】
【化2】
【0019】[ここで、Rfは前記と同じであり、R
f'は炭素数1〜20のフッ素化アルキル基であり、Z
及びZ’は−(CH2X−、−CH2CH(OH)(C
2X−、−(CH2XN(R1)SO2−、−(C
2XN(R1)CO−(ここでXは前記と同じであ
り、R1はH又は炭素数1〜6のアルキル基である)、
−CH(CH3)−、−CH(C25)−、−C(C
32−、−CH(CF3)−又は−(CF32−の如
き2価の連結基であり、R及びR’はH又はFであ
る。]
【0020】
【化3】
【0021】[ここで、Rf、Rf’、Z、Z’は前記
と同じであり、R2はH、Cl、CH3、F、又は−(C
2XRf(ただし、X、Rfは前記とおなじであ
る。)である。]一分子中にフッ素化アルキル基を2個
以上有するエチレン不飽和単量体(A)としては更に、
フッ素化アルキル基を含有する1価基を2つ有し、その
全てが同一の炭素原子に結合した骨格を有し、しかもフ
ッ素化アルキル基を含有する1価基の一つが、炭素原子
とフッ素化アルキル基との間に極性原子団を有している
ものも挙げられ、この構造を模式的に示すと、
【0022】
【化4】
【0023】が挙げられ、これらの中でフッ素化アルキ
ル基を含有する1価基を少なくとも2つ有し、その全て
が同一の炭素原子又は窒素原子に結合した骨格とは
(1)で示される骨格である。(1)に示される骨格の
炭素原子に結合する3つの1価基(上図においては
【0024】
【化5】
【0025】本発明に係る単量体(A)の内、上記一般
式(A−4)によって表される単量体においては、アク
リロニトリルブタジエンラバーとの相溶性を保つために
極性原子団を有する基が存在していなければならない
が、前記耐油性、インキ受理性、インキ転移性、紙離れ
性、耐摩耗性、耐擦傷性、経済性の観点から、例えば
(1)の骨格中に極性原子団を2〜6個有していること
が好ましく、中でも(1)の骨格中に極性原子団を2〜
6個有し、かつ、フッ素価アルキル基を含有する1価基
中に1〜2個極性原子団を有していることが好ましい。
【0026】
【化6】
【0027】極性原子団は直接フッ素化アルキル基に結
合していてもよいし、他の2価の連結基を介して間接的
に結合していてもよい。極性原子団の種類は特に限定さ
れないが、例えばエステル結合(−C0O−) やウレタン
(-NHC00−)等が挙げられる。特に高度なアクリロニトリ
ルブタジエンラバーとの相溶性、インキ転移性、紙離れ
性等を発現させる場合は、極性原子団としてウレタン結
合を選択することが好ましい。
【0028】上図における(1)の骨格を除いた部分が
重合性α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する基で
ある。この基は、重合性を有していれば、その他の構造
は特に限定されるものではないが、(1)の骨格が全く
同じである場合には、α,β−エチレン性不飽和2重結
合を有する基の中にウレタン結合ないしはエステル結合
を有しているもののほうが、得られる重合体のアクリロ
ニトリルブタジエンラバーとの相溶性、インキ転移性、
紙離れ性等はより向上する傾向がある。
【0029】本発明に係る単量体(A−4)としては、
例えば一般式
【0030】
【化7】
【0031】[式中、Rf、Z、R2は前記と同じであ
り、AはR3C(CH2−)3(但し、R3はH、メチル
基、エチル基、又はニトロ基である。)、又はN(CH
2CH23−、N(CH2CH(CH3))3−にて表され
る3価の連結基であり、Bは−OCONHY1NHCO
O−(ただし、Y1は炭素数が15以下で、D中に占め
る重量割合が35〜65%の間である2価の連結基であ
る。)にて表される2価の連結基であり、Z1は−(C
2m−(但し、mは2〜6の整数である。)又は−C
2CH(CH3)−である。]にて表される化合物であ
る。
【0032】尚、一般式(A−5)中、2個含まれてい
るZは、前記2価の連結基の群から選ばれた相異なる種
の連結基であっても良い。2価の連結基B中のY1基の
代表的なものとしては、
【0033】
【化8】
【0034】等が挙げられる。また一般式
【0035】
【化9】
【0036】[式中、Rf、Rf’、Z、Z’、Z1
Rは前記と同じであり、X1、X2、そして X3は−O
COCH2CH(R4)COO−(ただし、R4はH、又
は炭素数1〜36のアルキル基もしくはアルケニル基で
ある。)又は
【0037】
【化10】
【0038】からなる群から選ばれる2価の連結基であ
り、A1はR5C(CH2OCH2CH(OH)CH2
3−、R5C(CH2OCH2CH2OCH2CH(OH)C
23−(但し、R5はH、ヒドロキシメチル基、メチ
ル基、エチル基、又はニトロ基である。)、N(CH2
CH2OCH2CH(OH)CH23−、又はN(CH2
CH(CH3)OCH2CH(OH)CH23−にて表さ
れる3価の連結基である。)にて表される化合物、一般
【0039】
【化11】
【0040】[式中、Rf、Rf、Z、Z’、そしてR
は前記と同じであり、X4とX5は−C00−、−OCO
CH2CH(R4)COO−(但し、R4は前記と同じで
ある。)、
【0041】
【化12】
【0042】又は−OCONHY1NHCOO−(但
し、Y1は前記と同じである。)にて表される2価の連
結基である。)から選ばれる2価の連結基である。]に
て表される化合物、一般式
【0043】
【化13】
【0044】[式中、Rf、Rf’、Z、Z1、そして
Rは前記と同じであり、Rf’’はRfもしくはRf’
と同意義であって、これらは等しくても又異なっていて
も良く、Z’’はZもしはZ’と同意義であって、これ
らも等しくても又異なっていても良く、X6、X7、X8
は同一でも異なっていても良くて−O−又は−OCON
HY1NHCOO−(但し、Y1は前記と同じである。)
にて表される2価の連結基であり、X9は−OCONH
1NHCOO−(但し、Y1は前記と同じである。)又
は−OCONH(CH2a−(但し、aは0〜2の整数
である。)にて表される2価の連結基であり、Z1は前
記と同じである。]にて表される化合物である。
【0045】単量体(A)の具体例として例えば以下の
如きものが挙げられるが、これらの具体例によって本発
明が何ら限定されるものでないことは勿論である。
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
【化18】
【0051】
【化19】
【0052】
【化20】
【0053】
【化21】
【0054】
【化22】
【0055】
【化23】
【0056】
【化24】
【0057】
【化25】
【0058】
【化26】
【0059】
【化27】
【0060】本発明に係る重合体(I)は、前記単量体
(A)の単独重合体でもよいし、更に優れた耐油性、イ
ンキ転移性、紙離れ性および前述の耐久性を得る上か
ら、および表面層を構成するゴムとの相溶性を更に強固
にするために、その他の従来公知のフッ素系単量体、例
えばフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレ−ト化合
物(A’)および/又は非フッ素系α,β−エチレン性
不飽和単量体(B)との共重合体でもよい。フッ素化ア
ルキル基含有(メタ)アクリレート化合物(A’)とし
ては以下の如きものが例示される。 A’−1 CH2=CHCOOCH2CF3 A’−2 CH2=CHCOOCH2CF2CF3 A’−3 CH2=CHCOOCH2CFHCF3 A’−4 CH2=C(CH3)COOCH2CFHCF3 A’−5 CH2=CHCOOCH2CH2CF3 A’−6 CH2=CHCOOCH2CF2CFHCF3 A’−7 CH2=CHCOOCH2CF(CF3)CF3 A’−8 CH2=CHCOOCH(CF3)2 A’−9 CH2=C(F)COOCH(CF3)2 A’−10 CH2=C(CH3)COOCH(CF3)2 A’−11 CH2=CHCOOCH2(CF2CF2)2H A’−12 CH2=C(F)COOCH2(CF2CF2)2H A’−13 CH2=C(CH3)COOCH2(CF2CF2)2H A’−14 CH2=CHCOOCH2CF2CF2CFHCF3 A’−15 CH2=CHCOOCH2CF2CF2H A’−16 CH2=C(CH3)C00CH2CF2CF2H A’−17 CH2=C(F)C00CH2CF2CF2H A’−18 CH2=CHCOOCH2CH2C8F17 A’−19 CH2=C(CH3)COOCH2CH2C8F17 A’−20 CH2=CHCOOCH2CH2C12F25 A’−21 CH2=C(CH3)COOCH2CH2C12F25 A’−22 CH2=CHCOOCH2CH2C10F21 A’−23 CH2=C(CH3)COOCH2CH2C10F21 A’−24 CH2=CHCOOCH2CH2C6F13 A’−25 CH2=C(CH3)COOCH2CH2C6F13 A’−26 CH2=CHCOOCH2CH2C4F9 A’−27 CH2=C(F)COOCH2CH2C6F13 A’−28 CH2=CHCOOCH2(CH2)6CF(CF3)2 A’−29 CH2=CHCOOCH2(CF2)6H A’−30 CH2=CHCOOCH2(CF2)8H A’−31 CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)8H A’−32 CH2=CHCOOCH2(CF2)10H A’−33 CH2=CHCOOCH2(CF2)12H A’−34 CH2=CHCOOCH2C(OH)HCH2C8F17 A’−35 CH2=CHCOOCH2CH2N(C3H7)SO2C8F17 A’−36 CH2=CHCOOCH2CH2N(C2H5)COC7F15 A’−37 CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)8CF(CF3)2 尚、本発明がこれらの例示化合物によって何等限定され
るものではないことは勿論である。
【0061】一方、α,β−エチレン性不飽和単量体
(B)としては、例えばスチレン、核置換スチレン、ア
クリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニル
ピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、
酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル、またα,β−エチレン性
不飽和カルボン酸、即ちアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価ないし二価
のカルボン酸、またα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸の誘導体として、アルキル基の炭素数が1〜18の、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以後この表現は
アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエ
ステルの両方を総称するものとする。)、即ち(メタ)
アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オク
チル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ステア
リルエステル等、また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜
18のヒドロキシアルキルエステル、即ち2−ヒドロキ
シエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒド
ロキシブチルエステル等、また(メタ)アクリル酸の炭
素数1〜18のアミノアルキルエステル、即ちジメチル
アミノエチルエステル、ジエチルアミノエチルエステ
ル、ジエチルアミノプロピルエステル等、また(メタ)
アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸素含有ア
ルキルエステル、例えばメトキシエチルエステル、エト
キシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチ
ルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチル
カルビルエステル等、またアルキル炭素数が1〜18の
アルキルビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル
等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、即ちグ
リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等、
またサートマー社製スチレンマクロモノマー4500、新中
村化学工業(株)製NKエステルM−230G等のマク
ロモノマー等が挙げられる。
【0062】尚、本発明において(メタ)アクリル酸と
は、メタクリル酸化合物とアクリル酸化合物の両方を総
称し、又(メタ)アクリレ−トとは、メタクリレ−ト化
合物とアクリレ−ト化合物の両方を総称するものとす
る。
【0063】本発明に係る単量体(A)と必要に応じて
単量体(B)とを重合して成るフッ素系重合体(I)の
製造方法には、何ら制限はなく、公知の方法、即ちラジ
カル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合
機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジ
ョン重合法等によって製造できるが、特にラジカル重合
法が簡便であり、工業的に好ましい。この場合重合開始
剤としては、当業界公知のものを使用することができ、
例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフ
ェニルメタン等のアゾ化合物、Mn(acac)3 等の金属キレ
ート化合物等が挙げられ、必要に応じてラウリルメルカ
プタン、2−メルカプトエタノ−ル、エチルチオグリコ
−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸等の連鎖移動剤や、
更にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のカ
ップリング基含有チオ−ル化合物を連鎖移動剤を併用す
ることが可能である。また光増感剤や光開始剤の存在下
での光重合、あるいは放射線や熱をエネルギー源とする
重合によっても本発明に係るフッ素系のランダムもしく
はブロック共重合体を得ることができる。
【0064】重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいず
れでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合
の方が好ましい。溶剤としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性
溶剤、クロロホルム、ジクロルエタン、 1,1,1−トリク
ロルエタン、パークロロエチレン、四塩化炭素等の塩素
系溶剤類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭
化水素類、更にパ−フロロオクタン、パ−フロロトリ−
n−ブチルアミン等のフッ素化イナ−トリキッド類のい
ずれも使用できる。
【0065】印材の表面層の、アクリロニトリルブタジ
エンラバーとの相溶性、耐油性、インキ受理性、インキ
転移性、紙離れ性、耐久性等の印刷性は、印刷速度、要
求される鮮明度等により異なることから製造する印材の
目的に応じて、各種単量体の共重合比を任意に決定する
ことができるが、特に重合体(I)の単量体(A)と単
量体(A’)および/又は(B)との共重合組成比は、
重量比で、通常100:0〜1:1000であり、2:
1〜1:100の範囲が好ましく、49:51〜1:1
00が本発明に示す印材表面層の諸特性、耐油性、イン
キ転移性、紙離れ性を発揮する上で好ましく、更には重
合体(I)中のフッ素含有量に関係する経済性を発揮す
る上で特に好ましい。
【0066】本発明に係るフッ素系重合体(I)の分子
量としては、Mn=2,000 〜1000,000が好ましく、中で
もMn=3,000 〜100,000 が特に好ましい。本発明によ
る印材の表面改質方法において、対象となる印材の表面
層とは、従来印材の表面層として使用されるものであれ
ば、基本的にいかなるものでもよいが通常はラバーであ
る。
【0067】本発明で用いられるラバーとしては、例え
ば、天然ゴム、ネオプレンラバー、エチレンプロピレン
ラバー、低中高スチレンブタジエンラバー、メチルメタ
クリレートブタジエンラバー、メチルスチレレンブタジ
エンラバー、ブタジエンラバー、イソプレンラバー、低
ニトリルのアクリロニトリルブタジエンラバー、中高ニ
トリルのアクリロニトリルブタジエンラバー等を有効に
用いることができる。
【0068】ラバーの中でも、中高ニトリルのアクリロ
ニトリルブタジエンラバーを用いた場合に特に、インキ
転移性および紙離れ性を格段に良好とすることができ
る。即ち、良好な耐油性を有するが、インキ転移性、紙
離れ性の悪い中高ニトリルのアクリロニトリルブタジエ
ンラバーを使用することにより、耐油性、インキ受理性
が良好で、インキ転移性および紙離れ性も良好な印材と
することができる。
【0069】本発明に係る印材の製造方法において、ラ
バーへの合成樹脂(I)の添加量は、特に制限されない
が、ラバー100重量部に対して1〜100重量部が良
好な耐油性、インキ転移性、紙離れ性を発現させる上で
好ましい。
【0070】本発明に係る印材の製造方法において、基
布と必要に応じて形成される圧縮層、及び表面層間の接
着方法は熱融着や接着剤の使用等、公知慣用の接着方法
を用いることができる。
【0071】
【実施例】次に本発明をより詳細に説明するために参考
例、実施例及び比較例を掲げるが、これらの説明によっ
て本発明が何等限定されるものでないことは勿論であ
る。文中の「部」は、断わりのない限り重量基準であ
る。 参考例1(フッ素系共重合体の合成) 攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラス
コにフッ素系単量体A−5−22 30重量部、メチル
メタクリレート(以下、MMAと略す)70重量部、そ
してメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)
233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下に、重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、A
IBNと略す)1重量部と、分子量調整剤としてラウリ
ルメルカプタン)0.2重量部を添加した後、7時間還
流し重合を完結させた。得られた重合体溶液よりロータ
リーエバポレーターによりMIBKを完全に除去し、淡
黄色の粉末を得た。
【0072】この重合体のゲルパーミエーションクロマ
トグラフ(以後GPCと略す)によるポリスチレン換算
分子量はMn=9,800 であった。(この共重合体を重合
体1とする。)この重合体1を鋼板に塗布し乾燥させた
のちに、臨海表面張力を測定したところ18.5dyn
e/cmであった。 参考例2〜 各種フッ素系単量体(A)及び(A’)と非フッ素系単
量体(B)を第1表に示す割合で用いた以外は参考例1
と同様にしてフッ素系共重合体溶液を得た。それら重合
体の分子量測定結果及び参考例1と同様に測定した臨海
表面張力の結果を第1表に記した。
【0073】
【表1】
【0074】但し、表中の略号は以下の化合物を示す。 MMA: メチルメタクリレート IBMA:イソブチルメタクリレート SMA:ステアリルメタクリレ−ト βーHEMA:β−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト 実施例1 基布上に圧縮層を設けた後、下記組成に示すようにベー
ス状未加硫アクリロニトリルブタジエンラバーと上記重
合体1の混合物を650g/m2塗布し、加硫して表面
ゴム層を形成した。
【0075】組成 中高ニトリルNBR 100 ステアリン酸 1 亜鉛華 5 フィラー 30 硫黄 2 加硫促進剤 3 重合体1 3 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 合計 144(重量部) 実施例2〜 中高ニトリルNBRと重合体1に代わって共重合体2〜
をそれぞれ混合したほかは実施例1と同様にして表面
ゴム層を形成した印材を得た。 実施例7 重合体1(30重量部)をMIBK(70重量部)へ溶
解せしめて得られた溶液をトルエン溶液中の中高ニトリ
ルNBRに対して10phr添加した混合物を塗布した
ほかは実施例1と同様にして表面ゴム層を形成した印材
を得た。 比較例1 アクリロニトリルブタジエンラバーに重合体1を混合し
なかったほかは実施例1と同様にして表面ゴム層を形成
した印材を得た。 比較例2 比較例1と同様に表面ゴム層を形成した後、表面に重合
体5を塗布したほかは実施例1と同様にして表面ゴム層
を形成した印材を得た。
【0076】これら実施例1〜及び比較例1及び2で
得た印材を使用し、印刷機として三菱枚葉機を使用し、
インキとして商用輪転用インキを用いてアート紙に印刷
速度90枚/分で印刷を行った時の90枚目及び540
0枚目のインキ転移性、紙離れ性、網点再現性のそれぞ
れを評価した。その結果を第2表に示した。
【0077】評価基準 インキ転移性及び紙離れ性 ◎:優秀。 ○:良好 △:やや良好 ×:不良 網点再現性 ◎:ドットゲインが非常に小さい。
【0078】 ○: 〃 小さい △: 〃 大きい ×: 〃 非常に大きい
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明の印材の表面改質方法及び印材に
よれば、フッ素化アルキル基を有する合成樹脂をラバー
に塗布被覆した印材表面層を用いるのでなく、特定フッ
素化アルキル基を有する合成樹脂とラバーとの混合物を
印材表面層に用いるので、前記した印材に比べて、イン
キ転移性、紙離れ性をより高度なものに改良することが
できるという利点がある。しかもこの様な印材は従来の
良好なインキ受理性、耐油性をも保有している。
【0081】即ち、従来のように表面層に被覆層を形成
させたり、単に既存の印材表面を表面改質剤により拭く
のではなく、特定フッ素化アルキル基を有する合成樹脂
を添加混練して得られたラバーを表面層として用いるこ
とで、これまで改良することのできなかった長時間使用
に対する印刷性能の耐久性(耐摩耗性、耐擦傷性など)
を向上させるという利点とともに、印材の使用限界能力
を従来に比して延長することができ、経済性の点でも大
きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷機の概略図である。
【図2】印材の構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 原稿となる版を捲回した版胴 2 ブランケット胴 3 印刷用紙 4 圧胴 5 一分子中にフッ素化アルキル基を2個有するエチレ
ン不飽和単量体を必須成分として重合せしめた合成樹脂
と中高ニトリルNBRを加硫混練せしめた混合物を表面
層に有するブランケット 51 基布 52 圧縮層 53 一分子中にフッ素化アルキル基を2個有するエチ
レン不飽和単量体を必須成分として重合せしめた合成樹
脂と中高ニトリルNBRを加硫混練せしめた混合物から
なるブランケット表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 10/00 - 10/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中にフッ素化アルキル基を2個以上
    有するエチレン性不飽和単量体(A)を必須成分として
    重合せしめた重合体からなるフッ素化アルキル基を有す
    る合成樹脂(I)とラバーの混合物を表面層に有するこ
    とを特徴とする印刷用ブランケット
  2. 【請求項2】合成樹脂(I)が、一分子中にフッ素化ア
    ルキル基を2個以上有するエチレン性不飽和単量体
    (A)と、α,β−エチレン性不飽和単量体(B)とを
    必須成分として重合せしめた共重合体である請求項1記
    載の印刷用ブランケット
  3. 【請求項3】基布および必要に応じ基布上に弾性体の圧
    縮層を設けた層と表面層を接着せしめて印材を製造する
    方法において、表面層として一分子中にフッ素化アルキ
    ル基を2個以上有するエチレン性不飽和単量体(A)を
    必須成分として重合せしめた重合体からなるフッ素化ア
    ルキル基を有する合成樹脂(I)とラバーの混合物を用
    いることを特徴とする印刷用ブランケットの製造方法。
  4. 【請求項4】表面層として一分子中にフッ素化アルキル
    基を2個以上有するエチレン性不飽和単量体(A)を必
    須成分として重合せしめた重合体からなるフッ素化アル
    キル基を有する合成樹脂(I)をアクリロニトリルブタ
    ジエンラバーに添加混練した後、加硫塩素化を行った混
    合物を用いる請求項記載の印刷用ブランケットの製造
    方法。
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