JP3147540B2 - タービン翼 - Google Patents

タービン翼

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JP3147540B2
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孝 真家
栄道 山脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンエンジン
等に使用されるタービン翼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジン等に使用されるタ
ービン翼には、動翼および静翼がある。 動翼は、円盤
状のディスクの外周面に周方向に間隔をおいて複数植え
込まれ、該ディスクの外周面に放射状に配設される。そ
して、その翼部を筒状のケーシング内に形成される筒状
のガス通路に配して、該ガス通路に流通する高速ガスを
翼部に挿通させることによってケーシングの周方向に、
その先端が500m/s程度の周速度で高速回転させら
れるようになっている。静翼は、ガス通路内に配置さ
れ、その周囲に流通させられる高速ガス流を偏向させる
役割を有している。
【0003】一方、ガス通路に流通させられる高速ガス
は、燃焼室から噴出された、例えば、1000℃程度の
高温ガスである。したがって、該ガス通路内に配される
前記タービン翼は、その周囲に高温ガスを流通させるこ
とにより、例えば、図4に示すような温度分布となるよ
うに加熱されることになる。該図4に示す例は、図5に
示すように高温ガスの温度を変化させたときの各時刻に
おける温度分布を示している。
【0004】図5によると、高温ガスの温度は、アイド
リング運転時(時刻0秒まで)において約538℃(1
000°F)の状態から、2秒間に約1200℃(22
00°F)まで直線的に上昇させられ、その後は、この
約1200℃の状態に維持される。図4は、高温ガス
の、この温度変化に対して、アイドリング運転時、1秒
後、2秒後、3秒後、および定常運転時(10秒後)の
タービン翼の温度分布を示している。該図4において、
縦軸は温度、横軸は前縁部の先端(前縁)を原点とした
タービン翼の表面に沿う距離(表面距離)を腹側を正符
号、背側を負符号で示している。
【0005】該図4によると、各時刻におけるタービン
翼の温度分布に一定の規則性があることがわかる。すな
わち、どの時刻におけるタービン翼の温度分布にあって
も、該タービン翼の前縁部および後縁部において温度が
高く、該タービン翼の流線に沿う前縁部と後縁部との間
に配される中間部において温度が低くなるという現象を
呈している。これは、高温ガス流の乱れの少ない中間部
において、熱伝達が行われにくく、その結果温度上昇が
抑制されることに基づいている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな温度分布にあって、その温度差が300℃程度にも
なることがあり、また、定常時には、200℃程度とな
るため、局部的に過大な熱膨張が発生して、タービン翼
の健全性が低下させられるという問題点があった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、局部的な熱膨張を低減して、タービン
翼の健全性を向上することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の2つの手段を提案している。第1の
手段は、高温ガス流内に配置されその周囲に高温ガスを
流通させられるタービン翼であって、前記高温ガスの流
通方向に沿って熱膨張係数の異なる金属材料を隣接状態
に配し拡散接合により一体的に成形してなるタービン翼
を提案しており、第2の手段は、高温ガスの流通方向前
縁部および後縁部に、その間に配される金属材料より熱
膨張係数の低い金属材料を配したタービン翼を提案して
いる。
【0009】
【作用】第1の手段に係るタービン翼によれば、高温ガ
スの流通方向に沿って、熱膨張係数の異なる金属を拡散
接合することにより、該高温ガスの流通方向に沿う温度
分布に即して、均一な熱膨張を発生するようなタービン
翼が構成されることになる。第2の手段に係るタービン
翼によれば、高温ガス流内に配されることにより比較的
高温状態となる流通方向前縁部および後縁部に比較し
て、その間に配される比較的低温状態の部分に熱膨張係
数の高い金属材料を配したので、前縁部および後縁部の
熱膨張を抑制し、タービン翼に発生する熱応力を低減す
ることが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係るタービン翼の一実施例に
ついて、図1ないし図3を参照して説明する。本実施例
のタービン翼1は、図1に示すように、ディスク(図示
略)に固定されるプラットフォーム2と、ガス通路内に
配される翼部3とを一体的に形成して構成されている。
【0011】翼部3は、その流線方向に沿って前縁部3
a、中間部3b、後縁部3cの3部分より構成されてい
る。前縁部3aおよび後縁部3cは、例えば、Mar−
M200+Hf等のニッケル合金からなり、中間部3b
は、例えば、Mar−M247LC等のニッケル合金に
より構成されている。そして、これら前縁部3aと中間
部3b、中間部3bと後縁部3cを拡散接合することに
よって一体的に翼形状断面を有するように形成されてい
る。
【0012】これらのニッケル合金の熱膨張係数の温度
変化に伴う変化の様子を図2に示す。これによると、M
ar−M200+Hfは、温度変化に対する熱膨張係数
の変化が小さい。これに対して、Mar−M247LC
は、温度変化とともに熱膨張係数が急激に変化し、例え
ば、タービン翼の使用領域である高温域において、前記
Mar−M200+Hfよりも大きな熱膨張係数を示し
ている。
【0013】このように構成されたタービン翼1をガス
通路(図示略)内に配置し、その周囲に高温ガスを流通
させた場合であると、該タービン翼1の前縁部3aおよ
び後縁部3cの温度が大きく上昇させられる一方で、そ
の中間位置に配される中間部3bの温度は、前記前縁部
3aおよび後縁部3cよりも低く抑制される。しかし、
本実施例のタービン翼1にあっては、前縁部3aおよび
後縁部3cの熱膨張係数が、中間部3bの熱膨張係数と
比較して小さく設定されているので、前縁部3aおよび
後縁部3cと中間部3bとの熱膨張差が低減され、ター
ビン翼1内に発生する熱応力が抑制されることになる。
【0014】図3は、タービン翼1の流線に沿う位置に
おいて発生する熱応力値の計算値を示している。該図3
において、破線は、単一の材料よりなるタービン翼1の
熱応力値の計算結果であり、実線は、本実施例のタービ
ン翼1を使用した場合の計算結果を示している。これに
より、タービン翼1内に発生する熱応力値が低減され、
その結果、高温ガス流G内に配されるタービン翼1が健
全な状態に維持されることになる。
【0015】なお、本発明に係るタービン翼1にあって
は、次の技術を採用することができる。 タービン翼1の翼部3を流線に沿って3分割するこ
ととしたが、それ以上の複数の部分に分割し、細かい温
度分布の変化に対応させた熱膨張係数の金属材料を使用
すること。 Mar−M200+HfおよびMar−M247L
Cなるニッケル合金を使用することとしたが、これに代
えて、他の任意の熱膨張係数の異なる金属材料を採用す
ること。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1の手
段に係るタービン翼は、高温ガス流内に配置されその周
囲に高温ガスを流通させられるタービン翼であって、前
記高温ガスの流通方向に沿って熱膨張係数の異なる金属
材料を隣接状態に配し拡散接合により一体的に成形して
なる構成であるので、高温ガスの流通方向に沿う温度分
布に合わせて熱膨張係数の異なる金属材料を拡散接合す
ることにより、タービン翼全体において均一な熱膨張を
実現して、タービン翼を健全な状態に維持することがで
きる。第2の手段に係るタービン翼は、高温ガスの流通
方向前縁部および後縁部に、その間に配される金属材料
より熱膨張係数の低い金属材料を配したので、高温ガス
流の乱れにより比較的高温状態となりやすい前縁部およ
び後縁部の熱膨張を、その間に配される部分の熱膨張と
同程度に抑制して、両者の間に発生する熱応力を低減
し、タービン翼の健全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン翼の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】図1のタービン翼に使用される金属材料の熱膨
張係数の温度変化を示すグラフである。
【図3】図1のタービン翼において発生する熱応力の計
算結果を示すグラフである。
【図4】タービン翼の流線に沿う位置における温度分布
を示すグラフである。
【図5】図4の温度分布を発生させる高温ガスの変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 タービン翼 2 プラットフォーム 3 翼部 3a 前縁部 3b 中間部 3c 後縁部 G 高温ガス流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 5/28 F01D 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温ガス流内に配置されその周囲に高温
    ガスを流通させられるタービン翼であって、前記高温ガ
    スの流通方向に沿って熱膨張係数の異なる金属材料を隣
    接状態に配し拡散接合により一体的に成形してなること
    を特徴とするタービン翼。
  2. 【請求項2】 高温ガスの流通方向前縁部および後縁部
    に、その間に配される金属材料より熱膨張係数の低い金
    属材料を配したことを特徴とする請求項1記載のタービ
    ン翼。
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