JP3192247B2 - ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテレフタレートシートの処理方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテレフタレートシートの処理方法

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JP3192247B2
JP3192247B2 JP28546392A JP28546392A JP3192247B2 JP 3192247 B2 JP3192247 B2 JP 3192247B2 JP 28546392 A JP28546392 A JP 28546392A JP 28546392 A JP28546392 A JP 28546392A JP 3192247 B2 JP3192247 B2 JP 3192247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエチレンテレフタレ
ートフィルム又はポリエチレンテレフタレートシートの
処理方法に関する。磁気記録媒体、包装材料、電気・電
子関連材料、製版材料、印刷材料、写真フィルム材料、
熱転写記録媒体、感熱孔版原紙等に用いられるポリエチ
レンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテレフタ
レートシートは、平滑性、撥水撥油性、離型性、耐汚染
性等の表面特性を具備するものであることが要請され
る。本発明は、かかる要請に応える、特に熱転写記録媒
体や感熱孔版原紙に用いられるポリエチレンテレフタレ
ートフィルムに対して上記表面特性をより良く付与でき
る、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチ
レンテレフタレートシートの処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム又はポリエチレンテレフタレートシートに上記のよ
うな表面特性を付与する方法として、1)重合性単量体
含有組成物を塗布し、これに放射線、プラズマ等を照射
する方法、2)オリゴマー、シラン等のカップリング剤
を塗布する方法、3)有機溶剤型塗料にシリコーン系グ
ラフト共重合体を添加した組成物を塗布する方法(特開
昭58−154766、特開昭58−164656)、
4)エマルジョン型塗料にフッ素系グラフト共重合体、
シリコーン系グラフト共重合体を添加した組成物を塗布
する方法(特開昭60−243167)、等がある。
【0003】ところが、1)の従来法には、a)特別な
装置が必要であり、非経済的である、2)の従来法に
は、b)付与した表面特性に劣る、3)の従来法には、
c)毒性が強く、また付与した表面特性に劣る、4)の
従来法には、d)塗布する組成物が不均質のため、付与
した表面特性に劣る、という欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、1)〜4)の従来法におけるa)〜d)の
欠点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、ポリオルガ
ノシロキサンにビニル単量体をグラフト化又はグラフト
重合した特定構造のグラフト共重合体の水性エマルジョ
ンであって、該水性エマルジョンに含まれる該グラフト
共重合体の粒子の平均粒子径が所定範囲にある水性エマ
ルジョンを延伸配向前又は延伸配向後のポリエチレンテ
レフタレートフィルム又はポリエチレンテレフタレート
シートに塗布することが正しく好適であることを見出し
た。
【0006】すなわち本発明は、下記の式1で示される
グラフト共重合体の水性エマルジョンであって、該グラ
フト共重合体の粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μ
mである水性エマルジョンをポリエチレンテレフタレー
トフィルム又はポリエチレンテレフタレートシートに塗
布することを特徴とするポリエチレンテレフタレートフ
ィルム又はポリエチレンテレフタレートシートの処理方
法に係る。
【0007】
【式1】
【0008】[但し、R1〜R3:ケイ素原子に直接結合
した炭素原子を有する、同時に同一又は異なる、非置換
又は置換の、ラジカル重合性を有しない炭化水素基。 A:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有し、且つB
と連結した2価の有機基。 B:ビニル単量体ブロック又はビニル重合体ブロック。 T1,T2:下記の式2又は式3で示されるシリル末端
基。
【式2】
【式3】 (R4〜R8:R1〜R3の場合と同じ。Y:A−B、H又
はOH。) a:50〜4000の整数。 b:1≦b≦a/20を満足する整数。 aでくくられたシロキサン単位とbでくくられたシロキ
サン単位とはブロック状又はランダム状に結合。]
【0009】式1において、R1〜R3(R4〜R8も同
じ)はケイ素原子に直接結合した炭素原子を有する、非
置換又は置換の、ラジカル重合性をもたない炭化水素基
である。これらのうちで非置換炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アラルキル基等が挙げられるが、なかでもメ
チル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基又はフェニル基が有利に選択される。また置換炭化
水素基としては、置換基としてハロゲン、エポキシ基、
シアノ基、ウレイド基等を有する置換炭化水素基が挙げ
られるが、なかでもγ−グリシドキシプロピル基、β−
(3,4−エポキシ)シクロヘキシルエチル基、γ−ク
ロロプロピル基、トリフルオロプロピル基等が有利に選
択される。これらの非置換炭化水素基と置換炭化水素基
とは任意の比率にすることができる。
【0010】式1において、Aはケイ素原子に直接結合
した炭素原子を有し、且つBと連結した2価の有機基で
ある。Aはポリオルガノシロキサンにビニル単量体ブロ
ック又はビニル重合体ブロックを連結する基として重要
である。かかるAとしては、エチレン基、プロピレン
基、3−オキソ−4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル
基、2−メチル−3−オキソ−4−オキサ−1,7−ヘ
プタンジイル基、トリメチレンチオキシ基等が挙げられ
る。
【0011】式1において、Bはビニル単量体をグラフ
ト化して得られるビニル単量体ブロック又はビニル単量
体をグラフト重合若しくはグラフト共重合して得られる
ビニル重合体ブロックである。かかるBには、フッ素置
換基を有しないビニル単量体をグラフト化して得られる
ビニル単量体ブロック又はフッ素置換基を有しないビニ
ル単量体をグラフト重合若しくはグラフト共重合して得
られるビニル重合体ブロックの他に、フッ素置換基を有
するビニル単量体をグラフト化して得られるビニル単量
体ブロック又はフッ素置換基を有するビニル単量体を含
有するビニル単量体をグラフト重合若しくはグラフト共
重合して得られるビニル重合体ブロックが包含される。
そしてここに、フッ素置換基を有するビニル単量体を含
有するビニル単量体をグラフト重合若しくはグラフト共
重合して得られるビニル重合体ブロックには、フッ素置
換基を有するビニル単量体をグラフト重合若しくはグラ
フト共重合して得られるビニル重合体ブロックの他に、
フッ素置換基を有するビニル単量体とフッ素置換基を有
しないビニル単量体とをグラフト共重合して得られるビ
ニル重合体ブロックが包含される(以下、これらを単に
ビニル単量体ブロック又はビニル重合体ブロックとい
う)。
【0012】上記のフッ素置換基を有しないビニル単量
体としては、1)メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、
2)メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート等のアルキルアクリレート類、3)スチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、4)
ビニルベンゾエート、酢酸ビニル等のビニルエステル
類、5)スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホ
ン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、メタク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、アクリル酸、メタクリル酸等のイオン性基を有する
ビニル単量体、6)アクリルアミド、ポリエチレングリ
コールメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト等の水溶性ビニル単量体、7)グリシジルメタクリレ
ート、無水マレイン酸等の反応性基を有するビニル単量
体、等が挙げられるが、なかでも芳香族ビニル単量体、
アルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルから
選ばれる1種又は2種以上を90重量%以上含有するも
の、特にスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0013】また上記のフッ素置換基を有するビニル単
量体としては、1)1H,1H,11H−エイコサフル
オロウンデシルアクリレート、1H,1H−ヘプタフル
オロブチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル
アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペン
チルアクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオ
クチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルアクリレート等のフルオロアルキルアクリレート類、
2)1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシル
メタクリレート、1H,1H−ヘプタフルオロブチルメ
タクリレート、ヘキサフロオロイソプロピルメタクリレ
ート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタ
クリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル
メタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート等のフルオロアルキルメタクリ
レート類、3)2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ル−2−(トリフルオロメチル)プロペノエート、2,
2,2−トリフルオロエチル−2−(トリフルオロメチ
ル)プロペノエート等のα−フルオロアルキルアクリル
酸エステル類、4)1−(トリフルオロメチル)ビニル
アセテート等のα−フルオロアルキルビニルカルボン酸
エステル類、5)ビニルトリフルオロアセテート等のフ
ルオロカルボン酸ビニルエステル類、6)3−フルオロ
スチレン、4−フルオロスチレン等のフルオロ置換スチ
レン類、7)α−トリフルオロメチルスチレン等のα−
フルオロアルキルスチレン類、等が挙げられるが、なか
でもビニル基の近傍にフッ素置換基やフルオロアルキル
基を有しないものが好ましい。フッ素の電子吸収性やフ
ルオロアルキル基による立体効果の影響が少なく、グラ
フト重合性若しくはグラフト共重合性に優れているから
である。ビニル単量体としてフッ素置換基を有しないビ
ニル単量体とフッ素置換基を有するビニル単量体とを用
いる場合には、それぞれフッ素置換基を有する、芳香族
ビニル単量体、カルボン酸ビニル、アルキル(メタ)ア
クリレートから選ばれる1種又は2種以上を2重量%以
上含有するものが好ましい。
【0014】式1において、T1、T2、a、bは前記式
1の但し書きで説明した通りのシリル末端基又は所定範
囲の整数である。
【0015】次に本発明で用いるグラフト共重合体の水
性エマルジョンの製造方法について説明する。先ず加水
分解によってシラノール基を形成し得る化合物(以下、
シラノール基形成性化合物という)を水系媒体中で酸又
はアルカリ等の加水分解触媒存在下に加水分解してシラ
ノール化合物を生成させる。次いでシラノール化合物を
無機酸又は有機酸等の縮重合触媒の存在下に縮重合して
ポリオルガノシロキサンの水性エマルジョンを生成させ
る。該水性エマルジョンの平均粒子径をより小さくして
より安定な水性エマルジョンを生成させるために、シラ
ノール基形成性化合物の加水分解反応系やシラノール化
合物の縮重合反応系に適宜界面活性剤を用いることがで
きる。最後にポリオルガノシロキサンの水性エマルジョ
ンにビニル単量体及びラジカル重合触媒を加えてグラフ
ト化又はグラフト重合若しくはグラフト共重合を行な
い、ポリオルガノシロキサンにビニル単量体ブロック又
はビニル重合体ブロックを導入する。かくして所望する
グラフト共重合体の水性エマルジョンを得る。
【0016】上記の製造方法において、シラノール基形
成性化合物としては、各種のアルコキシシラン、クロル
シラン、ハイドロジェンシラン、アシロキシシラン、シ
クロシロキサン化合物等が挙げられる。本発明において
は、加水分解によって2個のシラノール基が形成される
ようなシラノール基形成性化合物を主に用いるが、2個
のシラノール基が形成されたシラノール化合物の縮重合
度を調整する目的で、加水分解によって1個のシラノー
ル基が形成されるようなシラノール基形成性化合物を全
シラノール基形成性化合物に対して4モル%以下の範囲
で用いることができる。また本発明においては、前述し
たようにポリオルガノシロキサンにビニル単量体ブロッ
ク又はビニル重合体ブロックを導入するために、シラノ
ール基形成性化合物として、分子中にラジカル重合性基
又はチオール基等の官能基を有するシラノール基形成性
化合物を用いる。かかる官能基を有するシラノール基形
成性化合物の比率は全シラノール基形成性化合物に対し
て7.5モル%以下とする。
【0017】2個のシラノール基が形成されるシラノー
ル基形成性化合物としては、1)ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジハイドロジ
ェンシラン、ジメチルクロルシラノール等のシラン化合
物、2)オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシク
ロシロキサン化合物が挙げられる。また1個のシラノー
ル基が形成されるシラノール基形成性化合物としては、
1)トリメチルメトキシシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルハイドロジェンシラン等のシラン化合
物、2)ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン化合
物が挙げられる。更に官能基を有するシラノール基形成
性化合物としては、1)メタクリロイルオキシプロピル
・メチル・ジメトキシシラン、ビニル・メチル・ジメト
キシシラン、アリール・メチル・ジメトキシシラン、メ
ルカプトプロピル・メチル・ジメトキシシラン等の2個
のシラノール基が形成されるシラン化合物、2)メタク
リロイルオキシプロピル・ジメチル・メトキシシラン、
ビニル・ジメチル・メトキシシラン、アリール・ジメチ
ル・メトキシシラン、メルカプトプロピル・ジメチル・
メトキシシラン等の1個のシラノール基が形成されるシ
ラン化合物が挙げられる。
【0018】シラノール基形成性化合物としては、グリ
シジル基、ウレイド基、アミノ基等の極性基で置換され
た炭化水素基を有するシラノール基形成性化合物を任意
の割合で用いることができる。かかる置換炭化水素基を
有するシラノール基形成性化合物を全シラノール基形成
性化合物に対して5〜30モル%の範囲で用いるもの
は、得られる水性エマルジョンの平均粒子径をより小さ
くし、その安定性をより向上する上で好ましい。置換炭
化水素基を有するシラノール基形成性化合物としては、
1)γ−グリシドキシプロピル・メチル・ジメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピル・メチル・ジメトキシシラ
ン、N,N−ジメチルアミノプロピル・メチル・ジメト
キシシラン等の2個のシラノール基が形成されるシラン
化合物、2)γ−グリシドキシプロピル・ジメチル・メ
トキシシラン、γ−ウレイドプロピル・ジメチル・メト
キシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピル・ジメチ
ル・メトキシシラン等の1個のシラノール基が形成され
るシラン化合物が挙げられる。
【0019】本発明で用いるグラフト共重合体の水性エ
マルジョンを製造するには、前述したように、シラノー
ル基形成性化合物を水系媒体中で加水分解し、生成した
シラノール化合物を縮重合してポリオルガノシロキサン
の水性エマルジョンを得るが、ここで用いる水系媒体
は、水を30重量%以上、好ましくは90重量%以上含
有する均一溶媒である。水以外に併用できる溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセ
トン、テトラヒドロフラン等の水溶性溶媒が挙げられ
る。
【0020】ポリオルガノシロキサンにビニル単量体ブ
ロック又はビニル重合体ブロックを導入するグラフト化
又はグラフト重合若しくはグラフト共重合は、ポリオル
ガノシロキサンの水性エマルジョンにラジカル重合触媒
及びビニル単量体を加え、不活性ガス雰囲気下で撹拌す
ることによって行なう。この際の反応は室温〜用いたビ
ニル単量体の沸点の温度範囲で実施できる。グラフト化
又はグラフト重合若しくはグラフト共重合に際し、ポリ
オルガノシロキサン中に含まれるラジカル重合性の炭素
−炭素二重結合を介してビニル単量体が結合する場合に
は、その相対的使用量に応じて、該ビニル単量体がグラ
フト化又はグラフト重合若しくはグラフト共重合したグ
ラフト共重合体の水性エマルジョンが得られ、またポリ
オルガノシロキサン中に含まれるチオール基を介してビ
ニル単量体が結合する場合には、該ビニル単量体がグラ
フト化したグラフト共重合体の水性エマルジョンが得ら
れる。
【0021】本発明で用いる水性エマルジョンにおい
て、該水性エマルジョンに含まれるグラフト共重合体に
おけるポリオルガノシロキサン部分/グラフト化したビ
ニル単量体部分又はグラフト重合若しくはグラフト共重
合したビニル重合体部分の割合は、物性面からみて、9
9/1〜22/78(重量比)とするのが好ましい。ま
た本発明で用いる水性エマルジョンにおいて、該水性エ
マルジョンに含まれるグラフト共重合体はその粒子の平
均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあるものと
し、好ましくは0.02〜0.3μmの範囲にあるもの
とする。平均粒子径が0.01μm未満であったり、或
は逆に0.5μmを超えると、そのような平均粒子径を
有するグラフト共重合体の水性エマルジョンをポリエチ
レンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテレフタ
レートシートに塗布しても、これらに所期の表面特性を
付与することができない。
【0022】水性エマルジョンに含まれるグラフト共重
合体の濃度は限定されないが、5〜50重量%のものが
製造上及び安定性の上から有利である。かかる水性エマ
ルジョンをポリエチレンテレフタレートフィルム又はポ
リエチレンテレフタレートシートに塗布するに際して
は、該水性エマルジョンをこれに含まれるグラフト共重
合体の濃度が通常は0.1〜10重量%、好ましくは1
〜5重量%となるように水で希釈した後、ローラータッ
チ法、スプレー法等の公知の方法によって塗布する。水
性エマルジョンを塗布する工程は、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム又はポリエチレンテレフタレートシー
トの製造工程において、これらの溶融押出し直後におけ
る延伸配向前の工程、一軸延伸配向後における二軸延伸
配向前の工程、又は二軸延伸配向後の工程のいずれでも
よいが、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程
が好ましく、いずれの工程で塗布する場合でも通常は、
グラフト共重合体として製品ポリエチレンテレフタレー
トフィルム又は製品ポリエチレンテレフタレートシート
1m2当り0.01〜0.2gとなるように塗布する。
【0023】
【実施例】・試験区分1 下記各例の水性エマルジョンを製造し、該水性エマルジ
ョンの平均粒子径及び分散安定性を表1にまとめて示し
た。平均粒子径及び分散安定性は次のように測定又は評
価したものである。
【0024】平均粒子径:各例で製造した水性エマルジ
ョンを、動的光散乱法により、電気泳動光散乱光度計
(ELS−800、大塚電子社製)を用いて測定した。
【0025】分散安定性:各例で製造した水性エマルジ
ョンを、密栓したガラス製容器に入れて静置し、該容器
の底部における沈降層の有無、該容器の上部における上
澄層の有無を、下記の基準で観察評価した。 ×;1日静置後に沈降層又は上澄層が認められたもの △;2日〜1週間の間に沈降層又は上澄層が認められた
もの ○;1週間後〜1ケ月の間に沈降層又は上澄層が認めら
れたもの ◎;1ケ月後も沈降層及び上澄層が認められないもの
【0026】・・製造例1 オクタメチルシクロテトラシロキサン100.6g
(0.34モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.6g
(0.01モル)、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン2.0g(8.8ミリモル)、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.1gをイオン交換水315g
に溶解し、ホモミキサーで分散した後、更にホモジナイ
ザーで均一乳化して、シラノール化合物の水性エマルジ
ョン421gを得た。次にシラノール化合物の水性エマ
ルジョンをフラスコに仕込み、80℃にて5時間、縮重
合した後、16時間徐冷して、炭酸ナトリウム0.32
g含有の飽和水溶液で中和し、濾過してポリオルガノシ
ロキサンの水性エマルジョンを得た。最後に上記で得た
ポリオルガノシロキサンの水性エマルジョンをフラスコ
に仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換水40
0gを加えて70℃に加熱した。フラスコ内を窒素置換
後、スチレン45g(0.43モル)を2時間かけて滴
下した。滴下終了後、80℃に加熱して4時間熟成し
た。40℃まで徐冷し、濾過して、グラフト共重合体の
水性エマルジョンを得た。
【0027】・・製造例2 オクタメチルシクロテトラシロキサン156.9g
(0.53モル)、ヘキサメチルジシロキサン2.7g
(16.8ミリモル)、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン3.1g(13.5ミリモル)、
ドデシルベンゼンスルホン酸1.7gをイオン交換水4
90gに溶解し、製造例1の場合と同様にして、ポリオ
ルガノシロキサンの水性エマルジョンを得た。そして上
記で得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジョン、
過硫酸カリウム0.53g、イオン交換水245g、メ
チルメタクリレート18.2g(0.18モル)を用
い、製造例1の場合と同様にして、グラフト共重合体の
水性エマルジョンを得た。
【0028】・・製造例3 オクタメチルシクロテトラシロキサン162.8g
(0.55モル)、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン3.3g(13.3ミリモル)を、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸2.8gを加えたイオン交換水2
34gに溶解し、製造例1の場合と同様にして、ポリオ
ルガノシロキサンの水性エマルジョンを得た。そして上
記で得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジョン、
過硫酸カリウム2.5g、イオン交換水967.5g、
メチルメタクリレート82.5g(0.83モル)、シ
クロヘキシルメタクリレート82.5g(0.49モ
ル)を用い、製造例1の場合と同様にして、グラフト共
重合体の水性エマルジョンを得た。
【0029】・・製造例4 オクタメチルシクロテトラシロキサン100.6g
(0.34モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.6g
(0.01モル)、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン2.0g(8.8ミリモル)、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.1gをイオン交換水315g
に溶解し、製造例1の場合と同様にして、ポリオルガノ
シロキサンの水性エマルジョンを得た。そして上記で得
たポリオルガノシロキサンの水性エマルジョン、過硫酸
カリウム1.6g、イオン交換水735g、スチレン5
2.5g(0.5モル)、アクリロニトリル52.5g
(0.99モル)を用い、製造例1の場合と同様にし
て、グラフト共重合体の水性エマルジョンを得た。
【0030】・・製造例5 オクタメチルシクロテトラシロキサン97.7g(0.
33モル)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン4.6g(19.6ミリモル)、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン2.0g(8.1ミリモ
ル)を混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸1.
0gを溶解したイオン交換水300gに加え、ホモミキ
サーで分散した後、更にホモジナイザーで均一乳化し
て、シラノール化合物の水性エマルジョンを得た。次に
フラスコにドデシルベンゼンスルホン酸31g、イオン
交換水217gを仕込み、よく溶解した後、温度を80
〜85℃に昇温し、これにシラノール化合物の水性エマ
ルジョンを2時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃
で1時間熟成した。熟成終了後、室温まで冷却し、炭酸
ナトリウムで中和して、縮重合を完結し、ポリオルガノ
シロキサンの水性エマルジョンを得た。最後に上記で得
たポリオルガノシロキサンの水性エマルジョンにイオン
交換水483g、過硫酸カリウム1.5gを溶解し、こ
れをフラスコに移して、フラスコ内に窒素を流しながら
70℃まで加温し、スチレン100g(0.96モル)
をゆっくり滴下した。滴下終了後、3時間熟成して、グ
ラフト共重合体の水性エマルジョンを得た。
【0031】・・製造例6 製造例1で得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジ
ョンをフラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イ
オン交換水400gを加えて70℃に加熱した。フラス
コ内を窒素置換後、ヘキサフルオロイソプロピルアクリ
レート45g(0.20モル)を2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、80℃に加熱して4時間熟成した。4
0℃まで徐冷し、濾過して、グラフト共重合体の水性エ
マルジョンを得た。
【0032】・・製造例7 オクタメチルシクロテトラシロキサン204.2g
(0.69モル)、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン20.0g(0.091モル)、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン4.8g
(20.8ミリモル)を混合し、これをドデシルベンゼ
ンスルホン酸2.5gを溶解したイオン交換水750g
に加え、ホモミキサーで分散した後、更にホモジナイザ
ーで均一乳化して、シラノール化合物の水性エマルジョ
ンを得た。次にフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸
77.5g、イオン交換水542.5gを仕込み、よく
溶解した後、温度を80〜85℃に昇温し、これにシラ
ノール化合物の水性エマルジョンを2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、85℃で1時間熟成した。熟成終了
後、室温まで冷却し、炭酸ナトリウムで中和して、縮重
合を完結し、ポリオルガノシロキサンの水性エマルジョ
ンを得た。最後に上記で得たポリオルガノシロキサンの
水性エマルジョンにイオン交換水725g、過硫酸カリ
ウム2.3gを溶解し、これをフラスコに移して、フラ
スコ内に窒素を流しながら70℃まで加温し、ビニルト
リフルオロアセテート224.9g(1.61モル)を
ゆっくり滴下した。滴下終了後、3時間熟成して、グラ
フト共重合体の水性エマルジョンを得た。
【0033】・・製造例8 オクタメチルシクロテトラシロキサン97.7g(0.
33モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.8g(1
1.1ミリモル)、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン3.2g(13.8ミリモル)、ドデ
シルベンゼンスルホン酸2.8gをイオン交換水234
gに溶解し、製造例1の場合と同様にして、ポリオルガ
ノシロキサンの水性エマルジョンを得た。そして上記で
得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジョン、過硫
酸カリウム2.5g、イオン交換水967.5g、メチ
ルメタクリレート50.0g(0.50モル)及び4−
フルオロスチレン25.0g(0.20モル)を用い、
製造例1の場合と同様にして、グラフト共重合体の水性
エマルジョンを得た。
【0034】・・製造例9 製造例4で得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジ
ョンをフラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イ
オン交換水735g、4−フルオロスチレン25.0g
(0.2モル)、アクリロニトリル25.0g(0.4
7モル)を用い、製造例1の場合と同様にして、グラフ
ト共重合体の水性エマルジョンを得た。
【0035】・・製造例10 製造例5で得たポリオルガノシロキサンの水性エマルジ
ョンをフラスコに仕込み、イオン交換水483gに過硫
酸カリウム1.5gを溶解したものを加え、フラスコ内
に窒素を流しながら70℃まで加熱し、トリフルオロエ
チルメタクリレート100g(0.59モル)をゆっく
り滴下した。滴下終了後、3時間熟成して、グラフト共
重合体の水性エマルジョンを得た。
【0036】・・製造例11 直鎖のポリジメチルシロキサン(平均分子量1000
0)15g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
gをイオン交換水88gに溶解し、ホモジナイザーで乳
化して、水性エマルジョンを得た。
【0037】・・製造例12 片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン(平
均分子量5000)100gをキシレン500gに溶解
し、アゾビスイソブチルニトリル0.2gと共にフラス
コに仕込み、70℃に加熱した。フラスコ内を窒素置換
した後、メチルメタクリレート100gを2時間かけて
滴下した。滴下終了後、80℃で4時間熟成した。熟成
終了後、徐冷し、過剰のメタノールで再沈して、濾過し
た。濾過した固形分を乾燥した固体100gを、ドデシ
ルスルホン酸ナトリウム50gを溶解したイオン交換水
850gに加え、ホモジナイザーで乳化して、水性エマ
ルジョンを得た。
【0038】
【表1】
【0039】・試験区分2 ・・実施例1〜10及び比較例1〜3 25℃のオルソクロロフェノール中で測定した極限粘度
が0.62の、無機質フィラーをまったく含まないポリ
エチレンテレフタレートを、エクストルーダーで口金か
ら押し出し、これを40℃に冷却したドラム上で静電印
加を行いながら厚さ152μの押し出しフィルムとし、
続いて93℃に加熱した金属ロール上で長手方向へ3.
6倍に延伸して、一軸延伸フィルムを得た。次に上記一
軸延伸フィルムがテンターに至る直前の位置で、該一軸
延伸フィルムの片面上に、試験区分1で製造した水性エ
マルジョンを3本のロールから成るコーターヘッドから
均一塗布した。この際の塗布量は上記一軸延伸フィルム
1m2当り約2.3gとした(該塗布量は、下記二軸延
伸フィルムでは1m2当り約0.0129gに相当す
る)。最後に片面塗布した一軸延伸フィルムをテンター
内に導き、101℃で横方向へ3.5倍に延伸し、更に
225℃で6.3秒間熱固定して、二軸延伸フィルムを
得た(片面塗布後のフィルムが加熱を受けた時間は合計
で11秒間である)。該二軸延伸フィルムは9.8kgの
テンションでしわが発生することなく巻き取ることがで
きた。また該二軸延伸フィルムを1/2インチ幅にマイ
クロスリットし、500mg巻きのテープ52本を製造し
たが、この間、そのマイクロスリット化は何の問題もな
く良好に行なうことができた。試験区分1で製造した水
性エマルジョンの塗布性、二軸延伸フィルムについての
外観、水滴接触角、摩擦係数及び離型性を表2にまとめ
て示した。これらは次のように測定又は評価したもので
ある。
【0040】塗布性:一軸延伸フィルムの片面上に水性
エマルジョンを塗布したときの該水性エマルジョンの濡
れ状態及び二軸延伸フィルムに形成されている塗膜の均
一性を肉眼観察し、下記の基準で評価した。 ○;斑がまったく認められない △;わずかに斑が認められる ×;著しく斑が認められる
【0041】フィルムの外観:二軸延伸フィルムの透明
性を肉眼観察し、下記の基準で評価した。 ○;全面が無処理フィルムと同等の透明性を有する △;1部に透明性の劣る部分が認められる ×;全面が不透明である
【0042】水滴接触角:二軸延伸フィルムに23℃×
65%RHの雰囲気下で水滴を落とし、ゴニオメーター
(東京大学生産技術研究所製)でその接触角を測定し
た。
【0043】摩擦係数:二軸延伸フィルムを23℃×6
5%RHの雰囲気で調湿し、同条件下で梨地表面のステ
ンレス板に対する摩擦係数(μd)を摩擦係数測定機
(東洋精機社製のTR型、荷重200g、速度300mm
/分)で測定した。
【0044】離型性:二軸延伸フィルムの塗膜面に粘着
テープを貼合わせ、20mm幅に切り出し、引張り試験機
で180゜剥離力を測定した。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリ
エチレンテレフタレートシートに、特別な装置を必要と
することなく、経済的に、また毒性も無く、高度の平滑
性、撥水撥油性、離型性、耐汚染性等の表面特性を付与
することができるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−131537(JP,A) 特開 平3−99827(JP,A) 特開 平2−269133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示されるグラフト共重合体
    の水性エマルジョンであって、該グラフト共重合体の粒
    子の平均粒子径が0.01〜0.5μmである水性エマ
    ルジョンをポリエチレンテレフタレートフィルム又は
    リエチレンテレフタレートシートに塗布することを特徴
    とするポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエ
    チレンテレフタレートシートの処理方法。 【式1】 [但し、R1〜R3:ケイ素原子に直接結合した炭素原子
    を有する、同時に同一又は異なる、非置換又は置換の、
    ラジカル重合性を有しない炭化水素基。 A:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有し、且つB
    と連結した2価の有機基。 B:ビニル単量体ブロック又はビニル重合体ブロック。 T1,T2:下記の式2又は式3で示されるシリル末端
    基。 【式2】 【式3】 (R4〜R8:R1〜R3の場合と同じ。Y:A−B、H又
    はOH。) a:50〜4000の整数。 b:1≦b≦a/20を満足する整数。 aでくくられたシロキサン単位とbでくくられたシロキ
    サン単位とはブロック状又はランダム状に結合。]
  2. 【請求項2】 式1のBが、芳香族ビニル単量体、アル
    キル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルから選ば
    れる1種又は2種以上を90重量%以上含有するビニル
    単量体をグラフト重合若しくはグラフト共重合して得ら
    れるビニル重合体ブロックである請求項1記載のポリエ
    チレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテレフ
    タレートシートの処理方法。
  3. 【請求項3】 式1のBが、フッ素置換基を有するビニ
    ル単量体をグラフト化して得られるビニル単量体ブロッ
    ク又はフッ素置換基を有するビニル単量体を含有するビ
    ニル単量体をグラフト重合若しくはグラフト共重合して
    得られるビニル重合体ブロックである請求項1記載の
    リエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンテ
    レフタレートシートの処理方法。
  4. 【請求項4】 式1のBが、フッ素置換基を有するビニ
    ル単量体として、それぞれフッ素置換基を有する、芳香
    族ビニル単量体、カルボン酸ビニル、アルキル(メタ)
    アクリレートから選ばれる1種又は2種以上を2重量%
    以上含有するビニル単量体をグラフト重合若しくはグラ
    フト共重合して得られるビニル重合体ブロックである請
    求項3記載のポリエチレンテレフタレートフィルム又は
    ポリエチレンテレフタレートシートの処理方法。
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