JP3201988B2 - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JP3201988B2
JP3201988B2 JP34122297A JP34122297A JP3201988B2 JP 3201988 B2 JP3201988 B2 JP 3201988B2 JP 34122297 A JP34122297 A JP 34122297A JP 34122297 A JP34122297 A JP 34122297A JP 3201988 B2 JP3201988 B2 JP 3201988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として車輛に
搭載するのに適した動力伝達機構に関し、特に、四輪バ
ギー車等、不整地走行用ATV(all terrain wehicle)
に搭載するのに適し、エンジンからVベルト式自動変速
機を介して歯車式変速機に動力を伝達するようにした動
力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種動力伝達機構において、歯
車式変速機のシフト操作を円滑に行わせる手段として、
エンジンがアイドリング時であってもVベルト式自動変
速機を完全には遮断せず、車両が動き出さない範囲でわ
ずかに連れ回りを生じさせようにしており、これによ
り、シフトスリーブのドグクラッチ用係合爪(ドグ歯)
と変速段用ギヤの係合爪とを係合しやすい状態に保って
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)上記のような構
造において、アイドリング時、シフト操作直前まではV
ベルト式自動変速機の被駆動調車及びこれに連結する歯
車式変速機の入力用変速軸はゆったりと回転している
が、シフト操作を行ってシフトスリーブと変速段用ギヤ
の係合爪同士が係合する段階では、入力用変速軸の回転
は車輪側の負荷により急激に停止させられるため、係合
爪同士の係合部において噛合衝撃音(金属音)が発生す
る。
【0004】(2)アイドリング時にVベルト式自動変
速機は完全には遮断しないように構成されているので、
シフト操作のたびにドグクラッチの係合爪同士が衝突
し、係合爪が摩耗し、極端な場合はギヤ抜けの原因とも
なる。
【0005】(3)ドグクラッチの係合爪は、円滑にシ
フトできるように係合爪同士の周方向のがた(遊び)を
大きくとっているが、そのため、走行中に加速減速を繰
り返す毎に、そのがた部分から衝撃音(がた音)が発生
する。また、このことは、上記係合爪の摩耗を速める原
因にもなる。
【0006】ちなみに、Vベルト式自動変速機は、ベル
ト自体が緩衝機能を有することにより上記各問題が生じ
難いようにも思われるが、そうではなく、Vベルト式自
動変速機に用いられるVベルトは調車径を変化させなが
ら変速機能を発揮させるために、転送方向には極めて剛
性が高く製造されており、Vベルト自体の緩衝効果を期
待することはできない。なお、先行技術文献としては、
特開昭63−137087号等がある。
【0007】
【発明の目的】本願発明は、歯車式変速機のシフト操作
の円滑性を保ちながらも、シフト操作時における係合爪
同士の衝突音を減少し、かつ、係合爪の摩耗を少なくす
ることを目的としている。また、Vベルト式自動変速機
の被駆動調車の組付性がよく、かつ、従動軸のたわみ量
を押さえることができる動力伝達機構を提供することも
本願発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本願請求項1記載の発明は、エンジンからVベルト
式自動変速機Tを介して歯車式変速機Sに動力を伝達
し、Vベルト式自動変速機Tはアイドリング回転時には
動力が略遮断されているが車輌が動き出さない範囲でわ
ずかに被駆動調車11に連れ回りが生じるように構成さ
れ、歯車式変速機Sは歯車切換用のドグクラッチを内蔵
すると共にシフトレバー操作により複数段に変速可能と
なっている動力伝達機構において、入力用変速軸20に
設けられた従動軸9に、Vベルト式自動変速機Tの被駆
動調車11を嵌合し、該被駆動調車11と従動軸9との
間を、回転振動を減衰するダパー装置42を介して連結
している。
【0009】請求項2記載の発明は、Vベルト式自動変
速機の従動軸を軸受により片持ち支持し、該従動軸の自
由端部にダンパー装置を配置していることを特徴とする
請求項1記載の動力伝達機構である。
【0010】請求項3記載の発明は、被駆動調車の固定
シーブを従動軸の自由端側に配置し、軸方向に移動可能
な可動シーブを軸受側に配置したことを特徴とする請求
項2記載の動力伝達機構である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本願発明を適用した自動二
輪車用エンジンの動力伝達系をスケルトン様式で示す機
構説明図であり、エンジンは、シリンダ1、ピストン
2、クランクケース3及びクランク軸4等を備えてお
り、クランクケース3の後部には変速機ケース6が一体
に形成され、右側方にはベルコンケース5及びベルコン
カバー7が順次取り付けられ、クランク軸4は軸受13
を介してクランクケース3に両持ち支持されている。
【0012】ベルコンケース5及びベルコンカバー7内
には、駆動軸8、従動軸9、駆動調車10、被駆動調車
11及び両調車10,11間に巻き掛けられたVベルト
12等からなるVベルト式自動変速機Tが配置されてお
り、変速機ケース6内には入力用変速軸20、中間変速
軸21及び出力軸22等を備えた前進2段後進1段切換
の歯車式変速機Sが配置されている。
【0013】図2によりVベルト式自動変速機Tの構造
を詳しく説明する。図2の状態は、駆動調車10につい
てはVベルト12がクランプされておらず、動力が遮断
された状態、すなわちアイドリング状態を示し、被駆動
調車11については、従動軸芯O2より前側(駆動軸
側)に示す状態は、実効巻回径が最大となっている状
態、すなわち上記駆動調車10の状態と対応して、減速
比が最大位置で保たれたアイドリング状態を示してお
り、反対に従動軸芯O2より後側に示す状態は、被駆動
調車11の実効巻回径が最小となっている状態、すなわ
ち減速比が最小で高速走行時の状態を示している。
【0014】駆動軸8はクランク軸4の右端部にテーパ
ー嵌合すると共に締結ボルト17により一体的に結合さ
れており、軸受18によって片持ち支持されている。駆
動調車10は、左側の固定シーブ14と、該固定シーブ
14に軸方向に対向する右側の可動シーブ15からなっ
ており、固定シーブ14は、駆動軸8に回転方向及び軸
方向に固定されており、一方可動シーブ15は駆動軸8
に対して軸方向移動可能であるが、駆動軸8と一体的に
回転するように嵌合している。固定シーブ14の左端面
には冷却ファン31が形成されている。
【0015】可動シーブ15の背面側(右側)には、ス
パイダー23、複数のガバナウエイト24及び調圧ばね
25等からなる駆動調車推力発生機構19が設けられて
いる。複数のガバナウエイト24は、可動シーブ15の
背面に設けられた複数のピン27にそれぞれ回動自在に
支持されており、駆動軸8の回転数の増加に伴い、遠心
力により右方へと拡開するようになっている。また、可
動シーブ15の背面にはスパイダー23を通過して右方
へと延びる連結アーム35が形成されており、該連結ア
ーム35の右端縁には駆動軸8に軸方向移動自在に嵌合
するカバー26が一体的に結合され、これにより可動シ
ーブ15とカバー26とは一体的に回転すると同時に駆
動軸8に対して一体的に軸方向に移動自在となってい
る。
【0016】スパイダー23は、可動シーブ15の右側
に配置されると共に駆動軸8にねじ嵌合することにより
駆動軸8に一体的に固着され、上記各ガバナウエイト2
4が当接する受圧ローラ28を備えている。調圧ばね2
5は、スパイダー23とカバー26の間に縮設され、こ
の調圧ばね25によりカバー26及び同カバー26と一
体化された可動シーブ15は右方に付勢されてガバナウ
エイト24のストッパー部24aと可動シーブ15のス
トッパー部15aとが圧接することにより係止されてい
る。
【0017】すなわち、可動シーブ15は、エンジン停
止時及びアイドリング時には、図2に示すように調圧ば
ね25により上記カバー26と一体的に右方へと付勢さ
れ、固定シーブ14から最大限離れた状態となってお
り、そして、エンジンが回転してガバナウエイト24が
右方に拡開し始めると、調圧ばね25に抗してカバー2
6と一体的に左方へと移動し、固定シーブ14との隙間
を狭めてゆくようになっている。
【0018】図3は被駆動調車11の拡大断面図を示し
ており、従動軸9も左端の軸受77により片持ち支持さ
れている。被駆動調車11は、右側の固定シーブ33と
左側の可動シーブ34からなり、筒形のカム軸38、ロ
ーラ支持用のスリーブ46、ローラ50及び調圧ばね4
9等からなる調圧機構を介して従動軸9に支持されると
共に、従動軸9の右端部に配置されたトーショナルダン
パー42を介してベルト12の動力を従動軸9に伝達す
るようになっている。
【0019】トーショナルダンパー42は周知の2段特
性形のディスク式ダンパーであり、ハブ55を一体的に
有するフランジ56と、該フランジ56の軸方向両側に
配置された1対のサイドプレート60と、フランジ56
及びサイドプレート60の各窓孔62,63に配置され
たトーションばね58等から構成されている。ハブ55
は従動軸9にスプライン嵌合すると共にボルト61及び
ワッシャにより脱落不能に固定されており、両サイドプ
レート60は筒形スペーサー57を介して互いに結合さ
れると共に、固定シーブ33の背面(右面)に形成され
たボス部65にボルト66により結合されている。フラ
ンジ56とサイドプレート60とは、トーションばね5
8等に抗して相対的に従動軸芯O2回りにねじれ可能と
なっている。
【0020】図6は図3のトーショナルダンパー42の
VI矢視図であり、ばね荷重の弱い第1段特性用のトーシ
ョンばね58の他にばね荷重の強い第2段特性用のトー
ションばね59も備えており、サイドプレート60がフ
ランジ56に対してねじれ角0のときにおいて、サイド
プレート60の窓孔63の周方向端縁に対しては両ばね
58,59は当接しているが、フランジ56の窓孔62
の周方向端縁に対しては、第1段特性用トーションばね
58は当接し、一方、第2段特性用トーションばね59
は一定の遊びMを有している。67はフランジ56に形
成された最大ねじり範囲規制用の長孔であり、前記サイ
ドプレート結合用ボルト66が挿通している。
【0021】すなわち、フランジ56とサイドプレート
60との相対的なねじり過程において、ねじり角度0か
らのねじり始めは第1段特性用のトーションばね58の
みが圧縮され、一定角度ねじれてフランジ56の窓孔6
2の周方向の端縁が第2段特性用トーションばね59に
当接した後は、第1段特性用のトーションばね58と共
に第2段特性用トーションばね59も圧縮し、前記最大
ねじり範囲規制用長孔67とボルト66とが周方向に係
合するまでねじれる。
【0022】図7はねじり特性線図であり、ねじり角度
0からθ1の間は第1段特性用のトーションばね58の
みが圧縮する区間であり、ねじり角度θ1から最大ねじ
り角度θmaxまでは両トーションばね58,59が圧縮
する区間である。
【0023】図3〜図5により、被駆動調車11の調圧
機構及び潤滑機構について詳しく説明する。図3におい
て、カム軸38は左右1対の軸受メタル36を介して従
動軸9の外周に軸方向移動不能かつ回動可能に嵌合して
おり、従動軸9の外周面とカム軸38の内周面の間に
は、左右のオイルシール39,40間で密封された環状
のグリス溜り37が形成されている。固定シーブ33
は、カム軸38の右端部外周にねじ嵌合(螺着)すると
共にサイドプレート60にボルト66によって結合され
ることにより、カム軸38と一体的に回転するようにな
っており、該固定シーブ33に対して可動シーブ34が
螺旋状にねじれ可能になるように調圧機構を構成してい
る。
【0024】図4はカム軸38及びスリーブ46の分解
斜視図であり、スリーブ46には、径方向に貫通する3
個のローラ支持孔53が周方向に等間隔をおいて3箇所
に形成されると共に、該ローラ支持孔53の軸方向両側
に1対のOリング嵌着溝68が形成され、さらに右端部
には取付フランジ部46bが一体に形成されている。ロ
ーラ50も3個備えられており、各ローラ50には段部
50bを介して支持用小径部52が一体に形成されてお
り、ローラ支持孔53に径方向の内方側から差し込ま
れ、支持孔中心回り回動自在に支持されている。カム軸
38には、軸方向にスパイラル状に延びる円筒カム溝5
1が3本形成されており、該円筒カム溝51に各ローラ
50が軸方向摺動自在に係合し、ローラ50とカム溝5
1のカム作用によりカム軸38に対してスリーブ46が
螺旋状に移動するようになっている。
【0025】図5において、各ローラ50は、その環状
段部50bとローラ支持孔53の座ぐり面53bとの当
接により、遠心力等による径方向外方への抜けが阻止さ
れ、また、従動軸9の外周面がローラ50の径方向内方
(従動軸芯O2側)の端縁に対向していることにより、
エンジン停止時等における径方向内方へと抜けが阻止さ
れる。
【0026】図3において、可動シーブ34の内周ボス
部34bはスリーブ46の外周面にOリング69を介し
て嵌合すると共に前記取付フランジ部46bにボルト4
7により固着され、スリーブ46と一体的にカム軸38
に対して螺旋運動するようになっている。スリーブ46
はカム軸38の外周面に左右1対の軸受メタル48を介
して回動可能かつ軸方向移動可能に嵌合しており、スリ
ーブ46の左右両端部の内周面には環状シール70が嵌
着され、また、スリーブ内周面であって、前記ローラ支
持孔53に対応する部分には、底浅の環状グリス溜り7
1が形成されている。該環状グリス溜り71は前記1対
のOリング69間に挟まれている。前記カム軸38と従
動軸9の間の環状グリズ溜り37には適量のグリスが塗
布されると共に、ローラ支持孔53にもグリスが塗布さ
れており、回転中、遠心力により径方向の外方に押圧さ
れるグリスの一部は、たとえば支持孔53の嵌合部分を
通って環状グリス溜り71に保持される。
【0027】調圧ばね49は、可動シーブ34の内周ボ
ス部34bの左端面に配置されたばね受けリング74
と、カム軸38の左端部にスナップリング75により係
止されたばね受けリング73との間に縮設されており、
上記調圧ばね49により可動シーブ34をスリーブ46
と共に一定のばね力で右方に付勢している。負荷が増す
につれVベルト12の張り側張力が増加して可動シーブ
34が回転方向側にねじれると、カム溝51とローラ5
0とのカム作用により可動シーブ34は螺旋状に右方へ
と閉じる方向に推力を生じ、これに加えて調圧ばね49
のばね荷重と共に伝達動力に応じた調車推力を与えるこ
とになる。
【0028】歯車式変速機を詳しく説明する。図9にお
いて、前記従動軸9と一体に形成された入力用変速軸2
0と中間変速軸21とは、互いに平行に配置されると共
に、変速機ケース6の左右側壁部に嵌着された各軸受7
6,77及び軸受78,79にそれぞれ両持ち支持さ
れ、中間変速軸21の右端部はさらに別の出力ギヤ室8
3内に延出している。出力軸22は、上記変速軸20,
21と平行に配置されると共に、変速機ケース6の右側
壁に嵌着されたニードル軸受80と、出力ギヤ室壁84
に嵌着された軸受81により両持ち支持されている。プ
ロペラ軸16は変速機ケース6の後壁に嵌着された軸受
82に回転自在に支持されると共に前後方向に延び、ベ
ベルギヤ85,86を介して出力軸22に常時連動連結
している。プロペラ軸16の後端部は、図示しないが最
終減速機構を介して後車軸に連結し、前端部は、適当な
自在継手あるいはクラッチを介して前輪用プロペラ軸に
連結している。
【0029】入力用変速軸20上には、右側軸受77に
近接した位置に前進用の入力側ローギヤ90が配置され
ると共に該ローギヤ90に隣接して前進用入力側ハイギ
ヤ91が配置され、左側軸受76に近接した位置に2連
形の後進用入力側スプロケットギヤ92が配置されてお
り、軸方向の中央部分に1本のシフトスリーブ98が配
置されている。すなわち、後進用入力側スプロケットギ
ヤ92と前進用入力側ギヤ群90,91とを、左右の軸
受76,77近傍に振り分けて配置し、中央部にシフト
スリーブ98を配置している。
【0030】中間変速軸21には、前記入力用変速軸2
0上の各ギヤ90,91,92に対応して、前進用中間
ローギヤ101と、前進用中間ハイギヤ102と、後進
用中間スプロケットギヤ103とが配置されており、前
進用ギヤ群101,102は右側の軸受79に近接し、
後進用スプロケットギヤ103は、左側の軸受78に近
接するように振り分け配置されている。各ギヤ101,
102,103は中間変速軸21にスプライン嵌合する
ことにより、常時中間変速軸21と一体的に回転するよ
うになっている。中間ローギヤ101は入力側ローギヤ
90に常時噛み合い、中間ハイギヤ102は入力側ハイ
ギヤ91に常時噛み合い、後進用中間スプロケットギヤ
103は後進用入力側スプロケットギヤ92にチェーン
104を介して同一方向に回転するように連動連結され
ている。中間変速軸21の右端部には出力ギヤ室83内
に位置する出力側第1ギヤ106が固定され、出力軸2
2の出力側第2ギヤ107と噛み合っている。
【0031】入力軸20の拡大図を示す図10におい
て、入力側ローギヤ90は左方へと筒状に延びる延長ボ
ス部109が一体に形成されると共に、左右1対のニー
ドル軸受94によって回転自在に入力用変速軸20に嵌
合支持されており、延長ボス部109の左端側には、ド
グクラッチ用の外向き係合爪115及び内周切欠き11
7を有する環状係合体116が配置され、該係合体11
6の内周切欠き117と延長ボス部109の左端面に形
成された係合突起118との係合により、係合体116
は延長ボス部109と常時一体的に回転するようになっ
ている。係合体116は抜止め板120及び係止リング
121により軸方向に係止されている。
【0032】前進用入力側ハイギヤ91は、上記延長ボ
ス部109の外周にニードル軸受119を介して回転自
在かつ軸方向移動不能に嵌合支持されると共に、左端に
は同ギヤ91と略同一外径で左方へと延びる筒形延長部
110が一体に形成されており、該延長部110の左端
部にはドグクラッチ用の内向き係合爪112が一体に形
成されている。該内向き係合爪112の内径は上記係合
体116の外径よりもわずかに大きく設定されており、
また、内向き係合爪112と係合体116との軸方向間
隔D1は、シフトスリーブ98のドグクラッチ用係合爪
123の軸方向幅D2よりも大きく設定されいるが、少
なくとも内外両係合爪112,115間(D1)でスリ
ーブの係合爪123が一旦中立状態となる余裕があれば
よく、具体的には軸方向間隔D1は軸方向幅D2の概ね
1.2倍程度となっている。
【0033】シフトスリーブ98の係合爪123の径方
向の長さ(厚さ)は、概ね径方向の外方の半分がハイ用
の内向き係合爪112に係合し、概ね径方向の内方の半
分がロー用の外向き係合爪115に係合しうるような寸
法となっている。また、シフトスリーブ98のドグクラ
ッチ用係合爪123の軸方向幅D2は、図12のように
ハイ位置において少し右方部分が内向き係合爪112に
よりもはみ出す寸法となっており、これにより、後述す
る位置決め機構の各ノッチ136-1,2,3,4の間隔を概ね
等間隔に設定し、シフトストロークを概ね均等分割する
ようになっている。
【0034】図14は図10の前進用ギヤ群のXIV矢視
図であり、ドグクラッチ用の各係合爪112,115は
周方向に等間隔でたとえばそれぞれ6個形成されてお
り、それら爪間の周方向間隔W2は、図15に示すシフ
トスリーブ98の係合爪123の周方向の幅W1よりも
一定間隔広くなっており、図16及び図17に示すよう
にスリーブ98の係合爪123と各ギヤの係合爪11
2,115とは周方向に遊びNをもって係合するように
なっている。
【0035】図10に戻り、シフトスリーブ98は、右
端面に前記のように前進用の係合爪123を一体に備え
る一方、左端面に後進用の係合爪124を一体に備えて
おり、該後進用係合爪124は後進用入力側スプロケッ
トギヤ92に形成された係合爪126と噛み合い自在と
なっている。シフトスリーブ98の軸方向の中間部には
環状溝125が形成され、シフトフォーク127が係合
している。
【0036】シフトフォーク127は、入力用変速軸2
0と平行に配置されたシフトロッド128に固着されて
おり、該シフトロッド128は変速機ケース6の左右側
壁に形成された支持孔130,131に軸方向摺動自在
に嵌合支持されている。
【0037】シフトロッド128と変速機ケース6の間
には、鋼球132、ばね133及びノッチ136-1,2,
3,4等からなる位置決め保持機構が設けられている。ノ
ッチ136-1,2,3,4は、シフトロッド128の左端部分
の外周面に、右から順に後進用用、中立用、ハイ用及び
ロー用となっており、各ノッチ136-1,2,3,4は概ね等
間隔配置となっている。変速機ケース6に形成された孔
137に鋼球132及びばね133が配置され、該ばね
133により鋼球132をシフトロッド128側へと付
勢し、各ノッチ136ー1,2,3,4に選択的に係合して、
その位置でロックするようになっている。
【0038】シフトフォーク127に形成された係合溝
138には、図8に示すようにシフトレバー140の先
端部が係合し、該シフトレバー140は、変速機ケース
6の上壁に設けられレバーホルダー142に回動自在に
支持されたレバー軸141に固着されており、該レバー
軸141を外部のシフト操作機構によって回動操作する
ことにより、シフトアーム127を軸方向に移動操作す
るようになっている。
【0039】次に歯車式減速機内の潤滑系統を説明す
る。図9において、入力用変速軸20には油室144か
ら変速機ケース6内の潤滑油路に連通する潤滑油孔14
3が形成されており、該潤滑油孔143は、ローギヤ9
0のニードル軸受94間並びに後進用スプロケットギヤ
92のニードル軸受96部分にそれぞれ至っている。油
室144には図示しない油通路よりオイルが供給されて
いる。
【0040】
【作用】まず、動力伝達経路全体の作動を簡単に説明す
る。図1において、クランク軸4の回転力は、Vベルト
式自動変速機T内において、駆動軸8、駆動調車10、
Vベルト12及び被駆動調車11に伝達され、該被駆動
調車11からはトーショナルダンパー42を介して従動
軸9に伝達され、該Vベルト式自動変速機内で、回転速
度及び車輪側からの負荷に応じて自動変速されると共
に、トーショナルダンパー42により歯車式変速機のシ
フト時における衝撃音あるいは加減速時の衝撃音の発生
を解消する。
【0041】従動軸9から歯車式変速機Sの入力用変速
軸20に伝達される動力は、シフトフォーク127の操
作により、中立状態から前進ハイ状態、前進ロー状態あ
るいは後進状態へと任意に切り換えられ、中間変速軸2
1から出力軸22及びベベルギヤ85,86を介してプ
ロペラ軸に伝達される。
【0042】Vベルト式自動変速機の作用を説明する。
エンジン停止時あるいはアイドリング時には、駆動調車
10は図2に示す状態、被駆動調車11は図2の従動軸
芯O2より前側の状態となっており、駆動調車10のガ
バナウエイト24が閉じて、可動シーブ15が調圧ばね
25により右側に移動していることにより、駆動調車1
0の両シーブ14,15間が略最大まで開き、実効巻回
径が最小となり且つVベルトがクランプされておらず動
力が遮断されている。一方、被駆動調車11は、調圧ば
ね49の弾性力により可動シーブ34を右側へと移動
し、最大実効巻回径となっている。いわゆるロー状態と
なっている。
【0043】回転速度を一定値まで上昇させると、ガバ
ナウエイト24が遠心力により右方へとピン回りに回動
し、ガバナウエイト24がローラ72を右方へ押す反力
により、可動シーブ15は調圧ばね25に抗して左方へ
と移動する。これにより両シーブ14,15間の間隔を
狭め、実効巻回径を拡大する。
【0044】上記駆動調車10の径変化に伴い被駆動調
車11は,ばね49に抗してVベルト12により可動シ
ーブ33が左方へと移動し、両シーブ33,34間が広
げられ、実効巻回径が縮小する。
【0045】車両が静止しVベルト式自動変速機Tがア
イドル状態で回転中、歯車式変速機Sを図9の中立位置
から前進用ハイ位置にシフトした場合、被駆動調車11
は前述のように中立時の連れ廻りによる空転状態からシ
フトにより急停止される。即ち、ドグクラッチが噛み合
うことにより静止した車輪側に入力用変速軸20及び従
動軸9が同期させられるためトーショナルダンパー42
のサイドプレート60が、フランジ56に対し第1特性
用トーションばね58に抗して回転方向へとねじれ、連
れ廻っている被駆動調車11の慣性エネルギーが緩やか
に吸収される。
【0046】また、いずれかの変速段に入った状態で走
行中でも、加速減速を繰り返すと、歯車式変速機Sの係
合爪同士の噛み合いが図16等のように比較的大きい遊
びNを有していることから、係合爪112,113が遊
びN部分を相対的に往復して係合爪112,113同士
の衝突が繰り返され,大きな衝撃荷重が繰り返しかかる
が、かかる衝撃荷重もトーションナルダンパー42によ
り吸収することができる。特に大きな衝撃荷重に対して
は、図6の第2段特性用のトーションばね59も作用
し、効果的に吸収することができる。
【0047】歯車式変速機S内の変速操作について詳し
く説明する。図9は中立状態を示しており、シフトスリ
ーブ98は、中立用ノッチ136-2に鋼球132が嵌入
することにより中立位置が保持されている。シフトスリ
ーブ98の係合爪123,124はいずれのギヤ90,
91,92の係合爪115,112,126にも係合し
ておらず、従って入力用変速軸20で動力伝達は切断さ
れている。該中立位置からシフトスリーブ98を右方へ
一定ストロークシフトすることにより、前進ハイ状態と
なる。
【0048】図12は前進ハイ状態を示しており、シフ
トスリーブ98の前進用の係合爪123はハイギヤ91
の係合爪112に係合しており、ハイ用ノッチ136-3
に鋼球132が嵌入することにより前進ハイ状態が保持
されている。入力用変速軸20の回転動力は、スリーブ
98、係合爪(ドグクラッチ)123,112、筒形延
長部110、入力側ハイギヤ91、中間ハイギヤ102
及び中間変速軸21を介して出力側ギヤ106に伝達さ
れる。
【0049】該車輛の運転において、通常の発進及び走
行は前進ハイ状態で行っており、該前進ハイ状態を維持
した状態で、前記Vベルト式自動変速機Tによる自動変
速によって適切な車輪回転速度となるように対処し、急
斜面あるいは不整地など特種な路面条件においてロー状
態に切り換えて運転する。したがって、通常は前述のよ
うに図9の中立位置からまず図12のハイ状態に切り換
える。
【0050】なお、シフトスリーブ98を中立位置から
前進ハイ位置にシフトする場合、スリーブ98のの係合
爪123とハイギヤ91の係合爪112間の周方向の位
相がずれていても、図16のように両係合爪123,1
12は周方向の遊びNをもって係合するように構成して
あるので、両係合爪123,112の軸方向端縁同士が
当接した状態をしばらく保った後、両係合爪123,1
12が相対的に少しずつ周方向にずれて位相が一致した
時点で、自動的に両係合爪123,112が噛み合う。
【0051】図12の前進ハイ状態から前進ロー状態の
シフトする場合には、シフトスリーブ98を図12の状
態からさらに右方へと移動し、一旦中間中立位置を経過
して図11に示す前進ロー状態とする。
【0052】前進ロー状態を示す図11において、シフ
トスリーブ98の前進用係合爪123は上記のように一
旦中間中立位置を経過した後、ローギヤ用の係合爪11
5に係合し、ロー用ノッチ136-4に鋼球132が嵌入
することによりロー位置が保持される。入力用変速軸2
0の回転動力はスリーブ98、係合爪(ドグクラッチ)
123,115、延長ボス部109、入力側ローギヤ9
0、中間ローギヤ101及び中間変速軸21を介して出
力側ギヤ106に伝達される。
【0053】図13は後進状態を示しており、シフトス
リーブ98を図9の中立位置から左方へ移動して後進用
スプロケットギヤ92の係合爪126に後進用係合爪1
24が係合している。入力用変速軸20の回転動力はス
リーブ98、係合爪124,126、後進用入力側スプ
ロケットギヤ92、チェーン104、後進用中間スプロ
ケットギヤ103及び中間変速軸21を介して出力側ギ
ヤ106に伝達される。
【0054】
【その他の実施の形態】図2に実施の形態では、Vベル
ト式自動変速機の従動軸と歯車式変速機の入力用変速軸
とが、同一軸芯の一体物となっているが、従動軸と入力
用変速軸が別体であって、互いに平行あるいは直角に配
置され、ギヤにより連結されているものにも適用でき
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、 (1)請求項1記載の発明は、エンジンからVベルト式
自動変速機を介して歯車式変速機に動力を伝達する動力
伝達機構において、Vベルト式自動変速機Tの被駆動調
車11と、歯車式変速機Sの入力用変速軸20の間に、
回転振動を減衰するトーショナルダンパー(ダンパー装
置)42を設けているので、アイドル状態からシフト操
作する場合、たとえば中立状態から前進あるいは後進用
変速段にシフトする場合に、歯車式変速機Sのドグクラ
ッチにおける係合爪同士の噛み合いによる衝撃を、トー
ショナルダンパー42で吸収することができる。すなわ
ち、アイドル状態からのシフト操作時に発生するドグク
ラッチの噛合衝撃音を低減することができる。
【0056】(2)走行中における加速減速の繰り返し
により、ドグクラッチの係合爪同士のガタによって発生
する衝撃音も、トーショナルダンパー42によって低減
することができる。
【0057】(3)上記(1)(2)のように係合爪同
士の衝撃を吸収することにより、係合爪の摩耗も軽減す
ることができ、それによるギヤ抜け等も防止できる。
【0058】(4)請求項2記載の発明のように、Vベ
ルト式自動変速機Tの従動軸9を軸受77により片持ち
支持し、その自由端部にトーショナルダンパー42を設
けると、両持ち支持構造に比べて、自由端側からトーシ
ョナルダンパー42を容易に着脱することができる。ま
た従動軸9を変速機ケース6等に軸受77により片持ち
支持することにより、ベルコンカバー等と切り離すこと
がき、ベルコンカバー等にVベルト式自動変速機の振動
が伝わるのを防ぎ、騒音が外部に漏れるのを防ぐことが
できる。
【0059】(5)上記のように従動軸9を片持ち状に
してトーショナルダンパー42の着脱の容易化を図りな
がらも、固定シーブ33を自由端側に、可動シーブ34
を軸受77側に配置しているので、従動軸9のたわみを
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した自動二輪車用エンジンの
動力伝達系をスケルトン様式で示す機構説明図である。
【図2】 図1のVベルト式自動変速機を各軸を通る切
断面で切断した断面図である。
【図3】 図2のVベルト式自動変速機の被駆動調車部
分の拡大図である。
【図4】 図2の被駆動調車の調圧機構の分解斜視図で
ある。
【図5】 図3のV−V断面図である。
【図6】 図2のトーショナルダンパーの右側面図であ
る。
【図7】 図6のトーショナルダンパーのねじり特性線
図である。
【図8】 図1の歯車式変速機の垂直断面部分図であ
る。
【図9】 図8のIX-IX断面図である。
【図10】 図9の入力側変速軸部分の拡大図である。
【図11】 前進ロー状態を示す入力側変速軸部分の断
面図である。
【図12】 前進ハイ状態を示す入力側変速軸部分の断
面図である。
【図13】 後進状態を示す入力側変速軸部分の断面図
である。
【図14】 図10の前進用ギヤ群を矢印XIV方向に見
た側面図である。
【図15】 図10のシフトスリーブを矢印XV方向に見
た側面図である。
【図16】 前進ハイ時の係合爪同士の噛み合い状態を
示す図12のXVI-XVI断面拡大図である。
【図17】 前進ロー時の係合爪同士の噛み合い状態を
示す図11のXVII-XVII断面拡大図である。
【符号の説明】
8 駆動軸 9 従動軸 10 駆動調車 11 被駆動調車 12 Vベルト 14 固定シーブ(駆動調車側) 15 可動シーブ(駆動調車側) 19 駆動調車推力発生機構 20 入力用変速軸 21 中間変速軸 22 出力軸 76、77 軸受 90 前進用入力側ローギヤ 91 前進用入力側ハイギヤ 92 後進用入力側スプロケットギヤ 98 シフトスリーブ 101 前進用中間ローギヤ 102 前進用中間ハイギヤ 103 後進用中間スプロケットギヤ 109 延長ボス部 110 筒形延長部 112,115,126 変速段ギヤの係合爪(ドグ
歯) 123,124 シフトスリーブの係合爪(ドグ歯)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/08 F16H 37/02 F16D 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからVベルト式自動変速機を介
    して歯車式変速機に動力を伝達し、Vベルト式自動変速
    機はアイドリング回転時には動力が略遮断されているが
    車輌が動き出さない範囲でわずかに被駆動調車に連れ回
    りが生じるように構成され、歯車式変速機は歯車切換用
    のドグクラッチを内蔵すると共にシフトレバー操作によ
    り複数段に変速可能となっている動力伝達機構におい
    て、入力用変速軸に設けられた従動軸に、従動Vベルト
    式自動変速機の被駆動調車を嵌合し、該被駆動調車と従
    動軸との間を、回転振動を減衰するダンパー装置を介し
    て連結していることを特徴とする動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 Vベルト式自動変速機の従動軸を軸受に
    より片持ち支持し、該従動軸の自由端部にダンパー装置
    を配置していることを特徴とする請求項1記載の動力伝
    達機構。
  3. 【請求項3】 被駆動調車の固定シーブを従動軸の自由
    端側に配置し、軸方向に移動可能な可動シーブを軸受側
    に配置したことを特徴とする請求項2記載の動力伝達機
    構。
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