JP3202298B2 - 高炉鋳床における溶銑の連続脱硫方法 - Google Patents

高炉鋳床における溶銑の連続脱硫方法

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徹也 藤井
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉鋳床における溶銑
の連続脱硫方法、特に蛍石を含まないフラックスによる
連続脱硫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高炉から出銑された溶銑は転炉
工場に送られる前に脱燐、脱硫処理を施される。このよ
うな溶銑の脱硫方法に関しては、例えば特開昭63−3
17607号公報に開示されているように、高炉鋳床の
溶銑樋において吹込みランスからキャリガスとともに
石灰石粉、焼石灰粉および蛍石粉の混合物からなる、融
点が1200℃以下のフラックスを溶銑内に吹き込む方
法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような溶融しやす
いフラックスの脱硫能が高いことは公知の事実であり、
一般に、このようなフラックスの融点降下剤としては従
来から蛍石が使用されている。しかし、脱硫処理の結果
として生成する膨大な量(約15kg/t)の脱硫スラ
グに蛍石が混入していると、鉄鉱石の焼結工程での石灰
源としてのリサイクル使用が不可能となり、その大部分
を投棄せざるをえず、コスト上および環境上の大きな問
題点となっていた。本発明は、上記の問題を解決するこ
とのできる高炉鋳床における溶銑の連続脱硫方法を提供
するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者等は、蛍石を含ま
ない石灰石粉および焼石灰粉を主剤とする高融点の混合
フラックスで、蛍石、石灰石粉および焼石灰粉からなる
低融点の混合フラックスと同等の脱硫効率がえられる条
件について種々研究および調査した結果、次の吹込み条
件をみたすことによってこれが達成可能であるとの知見
に達し、この知見にもといて本発明をなすに至った。 1)吹込みランスの溶銑内浸漬深さ(以下ランス浸漬深
さと略す)を700〜1100mmとする。 2) ランス先端ガス速度60m/sec以上とする。本
発明は、高炉鋳床の溶銑樋に脱硫反応槽を設け、吹込み
ランスからフラックスをキャリヤガスによって溶銑中に
吹き込む溶銑脱硫方法において、ランス浸漬深さを70
0〜1100mm、ランス先端ガス速度を60m/se
c以上とし、かつ、フラックスとして蛍石を含まない
石灰粉、または焼石灰粉と石灰石粉との混合物であって
蛍石を含まない混合フラックスを用いることを特徴とす
る高炉鋳床における溶銑の連続脱硫方法である。
【0005】
【作用】以下、本発明の溶銑の連続脱硫方法の吹込み条
件の限定理由を実験結果にもとづいて説明する。ランス
先端ガス速度は60m/sec以上が必要であり、これ
以下では明らかに脱硫効率が低下する(図1参照)。な
お、ランス先端ガス速度Ul は次式で定義する。 Ul =〔298/(273×π×60)〕×(1033
×Vair )/〔(1033+0.7H)×D2 〕 ここで、 Ul : ランス先端ガス速度(m/sec) Vair :キャリヤガス(空気)流量(Nm3 /min) H : ランス浸漬深さ(mm) D : 吹込みランス径(m) ランス浸漬深さが700mm以下では脱硫効率が低く、
700mm以上ではじめて蛍石を含む混合フラックスと
同等の脱硫効率に達することができる(図2参照)。し
かし、ランス浸漬深さが1100mmをこえると脱硫ス
ラグ中に混入する銑鉄粒の量が急激に増大して鉄歩留り
の大幅な低下を招く(図3参照)。したがってランス浸
漬深さは700〜1100mmの範囲に限定する。
【0006】
【実施例】高炉鋳床の溶銑樋の途中に幅1.6m、長さ
3.5m、溶銑浴深さ1300mmまでの範囲で任意に
設定できるスキンマを有する脱硫反応槽を設け、この溶
銑中に空気で搬送したフラックスを耐火物で被覆した1
本のランスを介して溶銑中に吹き込み、フラックスの種
類、ランス浸漬深さおよびランス先端ガス速度の脱硫効
率への影響を調査した。使用したフラックスは、実施例
として焼石灰粉50〜100%−石灰石粉0〜50%の
蛍石を含まない高融点のフラックスを用い、また比較例
として特開昭63−317607号公報に開示された石
灰石粉70%−蛍石粉30%の低融点のフラックスを用
いた。ランス浸漬深さの調整は、吹込みランス先端を脱
硫反応槽の底面から50mmの位置に固定し、溶銑浴深
をスキンマの堰の高さで調整することによって行った。
ランス先端ガス速度UL の調整は、キャリガスである
空気流量(1〜5Nm3 /min)、および吹込みラン
ス径(20A〜40A)の調整で行った。なお、フラッ
クスの性能比較を行うために、吹込みフラックス中のC
aOの溶銑tあたりの原単位が7kg/tとなるよう
に、フラックスの吹込み速度を調整した。また、このと
きの出銑速度は8t/min、溶銑温度は約1500℃
である。
【0007】図1に蛍石を含まない実施例のフラックス
をランス浸漬深さ800mmで吹き込んだときのランス
先端ガス速度による処理後〔S〕の変化を示す。なお、
このときの処理前〔S〕は20〜25×10-3%であ
る。図1から明らかなようにランス先端ガス速度が60
m/sec以上のときに処理後〔S〕は低位に安定する
ことがわかる。図2にランス先端ガス速度を60m/s
ec以上とし、蛍石を含まないフラックスを使用した実
施例の場合(○で示す)と蛍石を含んだフラックスを使
用した比較例の場合(●で示す)について、ランス浸漬
深さと処理後〔S〕の関係を示す。蛍石を含んだフラッ
クスを使用した比較例の場合にはランス浸漬深さが40
0mm以上で充分な脱硫効率がえられる。これに対して
実施例の蛍石を含まない高融点のフラックスの場合は7
00mm以上のランス浸漬深さを確保することによって
低融点のフラックスと同等の脱硫効率がえられることが
わかる。なお、このときの処理前〔S〕は20〜25×
10-3%である。しかし、図3に示すようにランス浸漬
深さを1100mm以上にすると溶銑スプラッシュの飛
散が激しくなり、結果として脱硫スラグ中に逃げる銑鉄
が急増し、鉄歩留りの大幅な低下を招く。以上の実験結
果から、蛍石を含まない高融点のフラックスで蛍石を含
む低融点のフラックスと同等の脱硫効率を鉄歩留りを高
く維持しつつ達成するためには、ランス浸漬深さを70
0mm以上、1100mm以下とし、かつランス先端ガ
ス速度を60m/sec以上とすることが必要なことが
わかる。
【0008】
【発明の効果】本発明にかかる溶銑の連続脱硫方法によ
ると、蛍石を含まないフラックスで蛍石を含むフラック
スと同等の脱硫効率がえられ、脱硫スラグの全量リサイ
クル使用が可能となり、脱硫スラグの投棄を完全になく
することができ、脱硫コストの低減のみならず、環境保
全上も大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるランス先端ガス速度と処理後
〔S〕との関係を示すグラフである。
【図2】実施例および比較例におけるランス浸漬深さと
処理後〔S〕との関係を示すグラフである。
【図3】実施例におけるランス浸漬深さとスラグ中(F
e)との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 徹也 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (72)発明者 中戸 参 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−38507(JP,A) 特開 昭64−73011(JP,A) 特開 昭57−200510(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/02 101 C21B 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉鋳床の溶銑樋に脱硫反応槽を設け、
    吹込みランスからフラックスをキャリヤガスによって溶
    銑中に吹き込む溶銑脱硫方法において、吹込みランスの
    溶銑内浸漬深さを700〜1100mm、ランス先端ガ
    ス速度を60m/sec以上とし、かつ、フラックスと
    して蛍石を含まない焼石灰粉、または焼石灰粉と石灰石
    粉との混合物であって蛍石を含まない混合フラックスを
    用いることを特徴とする高炉鋳床における溶銑の連続脱
    硫方法。
JP2596192A 1992-01-17 1992-01-17 高炉鋳床における溶銑の連続脱硫方法 Expired - Fee Related JP3202298B2 (ja)

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