JP3206904B2 - 燃料電池の電極製造方法 - Google Patents
燃料電池の電極製造方法Info
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Description
ダを用いることなく、理想的な空隙率と空孔径をもった
電極を低コストで製造する燃料電池の電極製造方法に関
する。
含む電解質板をカソード(酸素極)とアノード(燃料
極)で挟持し、カソード側に酸化ガス,アノード側に燃
料ガスを供給してその間に発生する電位差により発電す
るものである。なお、実際の電池では、カソード,電解
質板(タイルと呼ぶ),アノードからなるセルを導電性
のあるセパレータ板を介して積層して積層電池(スタッ
クと呼ぶ)を構成し、所望の高電圧を得るようになって
いる。
0℃)では、カソード,タイル,及びアノード内に毛細
管現象により溶融した炭酸塩が分布し、アノード及びカ
ソードで気体と液体の界面が形成され、以下の電池反応
が生じる。 (アノード反応) H2+CO3 2-→H2 O+CO2 +2
e- (カソード反応) CO2+0.5O2 +2e- →CO3
2-
にアノード/カソードの空孔(ポア)を最適化する必要
がある。そのため、特にアノードでは、空隙率が大きく
平均空孔径が小さいことが要求される。具体的には、例
えば理想的なアグロメレートモデルでは、電解質を大量
に保有して電池寿命を延ばすためにアノードの空隙率は
約50%以上であるのが望ましく、かつ表面張力による
電解質の保持力を高めるために平均空孔径は約3μm以
下であることが望ましい。なお、以下、主として溶融炭
酸塩型燃料電池のアノード電極について説明するが、本
発明はその他の電極にも同様に適用することができる。
料電池のアノード電極は、Ni粉に有機バインダーを混
合してスラリーとし、これをテープ状に成形したグリー
ンテープを電気炉内で加熱してバインダーを加熱除去
後、更に950〜1100℃まで昇温して金属粉同士を
焼結して金属多孔体であるアノード電極を製造してい
る。しかし、この方法で得られるアノード電極は、Ni
粉として平均粒径約2〜4μmのニッケルパウダを用い
た場合、空隙率は約50%以上を達成できるものの、平
均空孔径は約5〜6μmまでにしか小さくできず、上述
した理想的なアグロメレートモデルを実現できなかっ
た。
するために、本発明の発明者等は、平均粒径約2〜4μ
mのニッケルパウダに平均粒径1μm以下の超微粉ニッ
ケルパウダを約20〜30%混入することにより、空隙
率が約50%以上でかつ平均空孔径が約4μmのアノー
ド電極の製造に成功している。しかし、この製法でも約
3μm以下の理想的な平均空孔径は到底達成できず、か
つ超微粉ニッケルパウダ(平均粒径1μm以下)が通常
のニッケルパウダ(平均粒径約2〜4μm)に較べて3
倍以上高価であるため、アノード電極の製造コストが大
幅に上昇する問題点があった。
度は電極の焼成条件(温度と時間)で調整できるが、焼
成温度を上げ或いは焼成時間を長くすると、焼結が進行
して、空隙率と空孔径の両方が小さくなってしまい、逆
に焼成温度を下げ或いは焼成時間を短くすると、焼結が
進すまず、空隙率と空孔径の両方が大きくなる。すなわ
ち、空隙率と空孔径は相反する傾向を示すため、焼成条
件の調整のみでは、理想的な電極を製造することはでき
ない。
に創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、
高価な超微粉パウダを用いることなく、理想的な空隙率
と空孔径をもった電極を低コストで製造することができ
る燃料電池の電極製造方法を提供することにある。
アノード電極として理想的である、空隙率50%以上か
つ平均空孔径3μm以下の電極を製造するために種々の
試験を実施し、本来相反する傾向を有する高い空隙率と
小さい平均空孔径の両立に成功した。
スラリーに発泡剤を添加し、該スラリーをテープ状に成
形して気泡を含むグリーンテープを製造し、該グリーン
テープを圧延処理した後、焼成して空隙率50%以上か
つ平均空孔径3μm以下の電極を製造する、ことを特徴
とする燃料電池の電極製造方法が提供される。
したスラリーを用いることでグリーンテープは気泡を内
包する骨格をもち従来のグリーンテープより空隙率が大
きなものになる。また空隙率を大きくしたこのグリーン
テープを圧延処理することにより、骨格部のNi粉同士
の接触点が増え、緻密化が進む。従って、これを焼成す
ることにより、従来と同程度の50%以上の空隙率を有
し、かつ平均空孔径が従来より小さい3μm以下の電極
を製造できることが、試験により確認された。
きな空孔(気泡)を持つグリーンテープを製造すること
ができ、このグリーンテープを圧延処理してから焼成し
ても気泡部分が残存して高い空隙率を維持したまま気泡
以外の部分が焼結して平均空孔径を小さくすることがで
きる。従って、実際の空孔分布は骨格部の小さな空孔と
発泡剤による大きな空孔の混在した電極となり、空孔径
の小さな骨格の部分は炭酸塩を保持する部分として機能
するため、電極全体の炭酸塩の保持力が向上し電池寿命
を向上させることになる。また、高価な超微粉パウダを
多量に使用しなくてすむことからコスト削減にもなる。
更に、グリーンテープの圧延処理によってテープの厚さ
分布も向上する。
発泡剤は、スラリーの表面張力を高める整泡剤であり、
これを添加し攪拌処理してスラリー中に気泡を混入させ
る。この方法により、スラリー中に所望の大きさに気泡
を形成し、焼成後の空隙率をを調整することができる。
塩系の整泡剤である。また、前記発泡剤を、スラリーに
対して3重量%〜7重量%添加する。試験の結果、ステ
アリン酸アンモニウム塩系の整泡剤が最も効果的である
ことがわかった。また、スラリーに対して3重量%〜7
重量%の添加の範囲で、空隙率50%以上かつ平均空孔
径3μm以下の電極を製造できることが確認された。な
お,添加量が少な過ぎる場合には、大きな空孔(気泡)
の占める割合が小さくなり高い空隙率が得られなくな
る。また、添加量が多すぎる場合には、骨格部分の比率
が小さくなりクリープ強度が低下するおそれがある。
以下の圧下率で圧延処理して、焼成後の平均空孔径を3
μm以下に調整する。試験の結果、気泡を含むグリーン
テープでは、圧延処理による空隙率の低下は少ないの
で、グリーンテープを10%以上、60%以下の圧下率
で圧延処理して、焼成後の平均空孔径3μm以下に調整
することができる。なお、圧下率が低すぎる場合には、
平均空孔率を十分小さくできず、圧下率が高すぎる場合
には、圧延処理による変形が大きく生産性が低下する。
を図面を参照して説明する。図1は、本発明の電極製造
方法を示すフロー図である。この図に示すように、本発
明の電極製造方法は、スラリー製造工程1、発泡剤添加
工程2、攪拌処理工程3、テープ成形工程4、圧延行程
5及び焼成工程6からなる。このうち、発泡剤添加工程
2、攪拌処理工程3及び圧延行程5が、本発明で特に追
加された新規な工程であるが、その他の工程でも適用条
件を最適化している。
系のスラリーを製造する。Ni粉には、平均粒径2〜4
μmのカルボニルニッケルパウダを用いる。このカルボ
ニルニッケルパウダとしては、INCO Type255又は2
87として市販されているものを用いることができる。
また、INCO Type210として市販されているフィラメ
ント状超微粉(平均粒径1μm以下)を例えば2〜5%
の微少量だけ添加して焼成時のNi粉の焼結を促進し電
極骨格の強度の向上を図ってもよい。
ることにより、電池内でこれらの元素が酸化されて酸化
物として骨格に分散し、電極のクリープ強度を向上させ
ることができる。含む金属酸化物として、酸化鉄、コバ
ルト酸化物、酸化マグネシウム、又はアルミナを単独又
は組み合わせて添加する。これらの酸化物の添加によ
り、Ni表面に酸化物が固溶し、これらの酸化被膜によ
ってNiOの溶出を抑制することができる。
に、水、結合剤、可塑剤、及び分散剤を添加する。結合
剤として、メチルセルロース、又はポリビニルアルコー
ルを使用することができる。また、可塑剤として、フタ
ル酸を用いる。更に、アンモニウム塩タイプの分散剤
を、添加することにより、Ni粉の分散を促進させるこ
とができる。
消泡剤を混入することが好ましい。攪拌処理前のスラリ
ーに消泡剤を添加することにより、発泡剤の機能を損じ
ることなく、焼成Niの骨格部分となるスラリー中の小
さな気泡を少なくすることができる。
表面張力を高めるために整泡剤を少量添加する。発泡剤
としては、ステアリン酸アンモニウム塩系の整泡剤が好
ましい。また、後述する実施例から発泡剤は、スラリー
に対して約3重量%〜7重量%の範囲で添加するのがよ
い。
リーンテープは気泡を内包する骨格をもち従来のグリー
ンテープより空隙率が大きなものになる。発泡剤の比率
を増すほど、電極中の10μm以上の空孔の占める割合
を増やすことができるが、スラリーに対して約3重量%
〜7重量%の添加の範囲で、空隙率約50%以上かつ平
均空孔径約3μm以下の電極を製造できることが確認さ
れた。なお、添加量が少なすぎる場合には、大きな空孔
(気泡)の占める割合が小さくなり高い空隙率が得られ
なくなる。また、添加量が多すぎる場合には、骨格部分
の比率が小さくなりクリープ強度が低下するおそれがあ
る。
理してスラリー中に気泡を混入させる。この工程によ
り、スラリー中に所望の大きさに気泡を形成し、焼成後
の空隙率をを調整することができる。なお、結合剤の量
を調整することによっても気泡径の大きさを制御するこ
とができる。
テープ状に成形してグリーンテープを製造する。このグ
リーンテープを成形後500〜600mmHgに減圧し
た容器内で乾燥させてもよい。
プを約10%以上、約60%以下の圧下率で圧延処理す
る。この圧下率は、焼成後の平均空孔径が約3μm以下
になるように試験により調製する。この圧延処理によ
り、骨格部のNi粉同士の接触点が増え、緻密化が進
む。
て上述した有機バインダーを加熱除去し、その後、更に
950〜1100℃まで昇温して金属粉同士を焼結して
金属多孔体であるアノード電極を製造する。焼成工程6
では、グリーンテープを、例えば5%H2−N2の雰囲気
炉にて950℃以上,1100℃以下の温度で焼成す
る。
Ni粉を含むスラリーに発泡剤を添加し、該スラリーを
テープ状に成形して気泡を含むグリーンテープを製造
し、該グリーンテープを圧延処理した後、焼成する。こ
の条件で行った試作試験により後述するように、空隙率
約50%以上かつ平均空孔径約3μm以下の電極を安定
して製造することができた。
(A) と空隙率(B)の圧下率との関係を示す試験結
果である。すなわち、従来の製造方法で成形したグリー
ンテープを、本発明のように圧延し、これを焼成した場
合を示している。
ほど平均空孔径を小さくできることがわかる。従ってこ
の例では、約40%以上に圧下することにより、平均空
孔径を約3μm以下にすることができる。しかし、一
方、図2(B)に示すように、圧下率を高めるほど空隙
率も小さくなり、約40%以上に圧下した場合には、空
隙率は約45%以下に低下してしまう。従って、図2の
結果から、単にグリーンテープを圧延した後焼成して
も、本来相反する傾向を有する高い空隙率と小さい平均
空孔径の両方を達成できないことがわかる。
下率との関係を示す試験結果であり、図4は、本発明の
方法における平均空孔径と圧下率との関係を示す試験結
果である。図3及び図4で、黒丸は図2に示した従来型
のグリーンテープを圧延後焼成したものであり、白丸
(○)と三角(△)は本発明によるグリーンテープを圧
延後焼成したものである。なお、各グリーンテープの発
泡剤の添加量は表1に示す通りである。
(○、△)の場合でも、従来例と同様に圧下率を高める
ほど平均空孔径を小さくできることがわかる。すなわ
ち、発泡剤の添加量が約3重量%の例では、圧延前の平
均空孔径が約5.5μmと従来より大きいが、これを約
60%以上圧下することにより、平均空孔径を約3μm
以下にすることができることがわかる。また、同様に添
加量が約7重量%の例では、圧延前の平均空孔径が約
5.0μmと従来と同等であり、これを約40%以上圧
下することにより、平均空孔径を約3μm以下にするこ
とができることがわかる。
ープ(○、△)の場合では、従来例と相違し圧下率を高
めても空隙率はあまり低下しないことがわかる。すなわ
ち、発泡剤の添加量が約3重量%の例で、これを約60
%圧下した場合でも空隙率は約50%を維持しており、
同様に添加量が約7重量%の例でも、約40%圧下した
場合に約50%の空隙率を維持している。
焼成した電極の顕微鏡写真図である。この図において、
(A)は従来型のグリーンテープを圧延後焼成したもの
であり、(B)は本発明によるグリーンテープを圧延後
焼成したものである。図5(A)では、金属粒子(白い
部分)の間の微細な空孔(黒い部分)がほとんどなく、
大きい空孔も(B)に比べると小さくなっている。これ
に対して、図5(B)では、金属粒子間の微細な空孔も
多く、かつ大きい空孔も比較的大きいことがわかる。
泡剤を添加したスラリを用いることでグリーンテープは
気泡を内包する骨格をもち従来のグリーンテープより空
隙率が大きなものになる。また空隙率を大きくしたこの
グリーンテープを圧延処理することにより。骨格部のN
i粉同士の接触点が増え、緻密化が進む。従ってこれを
焼成することにより、従来と同程度の約50%以上の空
隙率を有し、かつ平均空孔径が従来より小さい約3μm
以下の電極を製造することができることが、試験により
確認された。
きな空孔(気泡)を持つグリーンテープを製造すること
ができ、このグリーンテープを圧延処理してから焼成し
ても気泡部分が残存して高い空隙率を維持したまま気泡
以外の部分が焼結して平均空孔径を小さくすることがで
きる。従って、実際の空孔分布は骨格部の小さな空孔と
発泡剤による大きな空孔の混在した電極となり、空孔径
の小さな骨格の部分は炭酸塩を保持する部分として機能
するため、電極全体の炭酸塩の保持力が向上し電池寿命
を向上させることになる。また、高価な超微粉パウダを
多量に使用しなくてすむことからコスト削減にもなる。
更に、グリーンテープの圧延処理によってテープの厚さ
分布も向上する。
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。例えば、上述した説明で
は、溶融炭酸塩型燃料電池のアノード電極製造方法につ
いて主に説明したが、カソード電極に適用することもで
き、更に、溶融炭酸塩型燃料電池以外の電極、二次電池
用基板、金属フィルターの製造にも適用することができ
る。
は、高価な超微粉パウダを用いることなく、理想的な空
隙率と空孔径をもった電極を低コストで製造することが
できる、等の優れた効果を有する。
率との関係を示す試験結果である。
を示す試験結果である。
関係を示す試験結果である。
の顕微鏡写真図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 Ni粉を含むスラリーに発泡剤を添加
し、該スラリーをテープ状に成形して気泡を含むグリー
ンテープを製造し、該グリーンテープを圧延処理した
後、焼成して空隙率50%以上、かつ平均空孔径3μm
以下の電極を製造する、ことを特徴とする燃料電池の電
極製造方法。 - 【請求項2】 前記発泡剤は、スラリーの表面張力を高
める整泡剤であり、これを添加し攪拌処理してスラリー
中に気泡を混入させる、ことを特徴とする請求項1に記
載の燃料電池の電極製造方法。 - 【請求項3】 前記発泡剤は、ステアリン酸アンモニウ
ム塩系の整泡剤である、ことを特徴とする請求項1に記
載の燃料電池の電極製造方法。 - 【請求項4】 前記発泡剤を、スラリーに対して3重量
%〜7重量%添加する、ことを特徴とする請求項1に記
載の燃料電池の電極製造方法。 - 【請求項5】 前記グリーンテープを10%以上、60
%以下の圧下率で圧延処理して、焼成後の平均空孔径を
3μm以下に調整する、ことを特徴とする請求項1に記
載の燃料電池の電極製造方法。
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26919599A JP3206904B2 (ja) | 1999-09-22 | 1999-09-22 | 燃料電池の電極製造方法 |
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-09-22 JP JP26919599A patent/JP3206904B2/ja not_active Expired - Fee Related
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