JP3295192B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3295192B2 JP27968393A JP27968393A JP3295192B2 JP 3295192 B2 JP3295192 B2 JP 3295192B2 JP 27968393 A JP27968393 A JP 27968393A JP 27968393 A JP27968393 A JP 27968393A JP 3295192 B2 JP3295192 B2 JP 3295192B2
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勝巳 今田
克 武田
修 川▲崎▼
正則 住原
孝弘 西倉
貴志 野島
哲郎 大土
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電体により弾性振動
を発生させ、この弾性振動を駆動力とする超音波モータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、圧電セラミック等の圧電体により
構成した振動体に弾性振動を励振し、これを駆動力とし
て移動体を回転させる超音波モータが注目されている。
【0003】図8は従来の円板形超音波モータの断面図
であり、1はステンレス鋼などで作られた円板形の弾性
体、2は圧電体である円板形の圧電セラミック、3は弾
性体1の円板面の一方に、圧電セラミック2を貼り合せ
て構成されている振動体、4は振動体3を保持する支持
体、5は耐摩耗性材料で作られた摩擦材、6はステンレ
ス鋼などで作られた円板の弾性体を示し、図8にも示
したように、この弾性体6の中心には回転軸が立設して
いる。7は移動体を示し、この移動体7は弾性体6の片
面に摩擦材5を固定することで構成される。8は摩擦材
5を介して移動体7を振動体3に加圧接触させるばね、
9は移動体7に損失なく回転運動を伝えるために振動体
3の中心部に設けられたベアリング、10はばね8を止め
る止め輪を示す。そして、弾性体6の回転軸にベアリン
グ9を取り付け、ばね8を挿入して止め輪10によって固
定する。またばね8は、止め輪10により設定加圧力を得
るように、設定たわみ量を与えた状態で固定されてい
る。
【0004】図9は図8の超音波モータに使用した圧電
セラミック2の電極構造の一例を示す説明図である。図
9において、E,Fは電極群を示し、この電極群E,F
は、それぞれ周方向が4分の1の波長相当の長さを持
ち、それぞれ互いに隣り合う電極の分極方向が厚み方向
に逆である小電極部からなる。そして、電極群E,Fは
周方向に4分の1の波長相当分ずれて配置されている。
このように設計することで、圧電セラミック2により径
方向1次,周方向3次の弾性波が励起されるようにな
る。
【0005】以上のように構成された超音波モータの圧
電体2の電極群EおよびFに、
【0006】
【数1】V1=V0×sin(ωt)
【0007】
【数2】V=V0×cos(ωt) ただし、V0:印加電圧の瞬時値 ω:角周波数 t:時間 で表されるV1およびV2をそれぞれ印加すれば、振動体
3には、
【0008】
【数3】 ξ=ξ0×{cos(ωt)×cos(kx)+sin(ωt)×sin(kx)} =ξ0×cos(ωt−kx) ただし、ξ:曲げ振動の振幅値 ξ0:曲げ振動の瞬時値 k:波数(2π/λ) λ:波長 x:位置 で表される円周方向に進行する曲げ振動の進行波が励起
される。
【0009】図10は振動体3上に励起された進行波によ
り移動体7が摩擦力を介して駆動されて運動する様子を
示す説明図である。曲げ振動の進行波の励起により、振
動体3の任意の表面のA点は、長軸2w,短軸2uの楕
円運動をする。この振動体3の上に加圧して設置された
移動体7が楕円運動の頂点近傍で接触することにより、
移動体7は波の進行方向とは逆の方向にw×uの速度で
運動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】曲げ振動の進行波が理
想的であるときには、振動体3のA点は長軸の大きさが
一定である楕円運動がなされている。しかし曲げ振動の
進行波に定在波成分があるときには、振動体3のA点が
描く楕円軌道の長軸の大きさが変化するため、移動体7
に対し周方向に運動させる力と同時に上方に叩く力も作
用する。
【0011】超音波モータの振動体に励振する弾性進行
波には、少なからず定在波成分を含んでおり、そのた
め、前述したように移動体7を移動させるための本来の
駆動力とともに、上方に叩くという不要な力も作用す
る。この上方へ叩く力は、特に移動体7を高速で運動さ
せるときに大きくなり、駆動効率が低下し、移動体7の
運動が不安定化になるという課題を有する。
【0012】本発明は、このような課題を解決して、低
速特性と高速特性とを両立させ、さらに駆動効率および
動作の安定性が高い超音波モータを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、圧電体を交流電圧で駆動して、前記圧電
体と弾性体から構成される振動体に弾性進行波を励振す
ることにより、前記振動体上に加圧機構によって加圧接
触して設置された移動体を回転させる超音波モータであ
って、前記移動体の回転中心に立設した回転軸に、前記
振動体と、前記加圧機構と、前記加圧機構を固定する固
定部材とを設け、前記振動体と前記固定部材との間に、
前記振動体上に発生する定在波によって前記移動体が突
き上げられる振動を吸収する緩衝部を設けたことを特徴
とする。
【0014】また本発明は、前記緩衝部は、フェルト,
ゴム弾性体,繊維入りプラスチック材料の少なくともい
ずれかを含む緩衝材によって構成されたことを特徴とす
る。
【0015】また本発明は、前記緩衝部は、フェルト,
ゴム弾性体,繊維入りプラスチック材料の少なくともい
ずれかを含む緩衝材と、この緩衝材を保持する一対の緩
衝材保持部とにより構成されたことを特徴とする。
【0016】また本発明は、前記緩衝部を前記振動体と
前記加圧機構との間に介在させたことを特徴とする。
【0017】また本発明は、前記緩衝部を前記加圧機構
内に設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明によれば、振動体上に発生する定在波に
よる移動体が突き上げられる振動を吸収し、振動体から
移動体への伝達ロスの削減を行なうことにより、超音波
モータの動作の安定化と効率の向上を実現することがで
きる。
【0019】また本発明によれば、振動体上に発生する
定在波による移動体が突き上げられる振動の持つエネル
ギーを、フェルト,ゴム弾性体,繊維入りプラスチック
材料の少なくともいずれかを含む緩衝材の内部摩擦を利
用して熱エネルギーに変換し、外部に放出することによ
り、より効果的に不要な振動を吸収減衰することができ
る。
【0020】また本発明によれば、緩衝材保持部により
緩衝材を保持することにより、加圧ばねと緩衝材が接触
している部分だけでなく緩衝材全体の効果を常に利用す
ることができ、さらに効率的に不要振動を抑制できる。
【0021】また本発明によれば、振動体の中心部に発
生する僅かな不要振動を抑制して振動体に理想的な振動
を励振する構造を実現し、振動体からの出力取り出し効
率を高めることや、中心部の不要振動に起因する振動体
と軸、ベアリング等との接触による騒音を抑制すること
により、超音波モータの動作の安定化と効率の向上、静
穏化を実現することができる。また本発明によれば、振
動体の中心部に発生する僅かな不要振動を抑制し振動体
に理想的な振動を励振する構造を実現し、振動体からの
出力取り出し効率を高めることや、移動体の上下振動に
起因し加圧ばね部に発生する不要な振動により発生する
ばね部からの騒音を抑制することが可能になり、超音波
モー夕の動作の安定化と効率の向上、静穏化を実現する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0023】なお、以下、図8ないし図10に示した従来
の技術における部材と同一の部材には同一の符号を付し
て、詳細な説明は省略した。
【0024】発明が解決しようとする課題の欄で述べた
ように、図8において、曲げ振動の進行波が理想的であ
るときには、振動体3上の任意の点は長軸の大きさが一
定である楕円運動をしているが、この曲げ振動の進行波
に定在波成分があるときには、振動体3上の点は長軸の
大きさが変化するため、移動体7を運動させる力と同時
に移動体7を上方に叩く力も作用する。この上方へ叩く
力は、特に移動体7を高速で運動させるときに大きくな
り、駆動効率が低下するとともに、移動体7の運動が不
安定化になる。
【0025】そこで、本発明の第1実施例では、ばね定
数が1.5kgf/mm以上の皿ばね8を用いることにより、こ
の上方へ叩く力fの抗力をf′を発生させ、移動体7の
上下振動の振幅値を小さくさせた。実験によると、ばね
定数が1.5kgf/mm以下の皿ばねを用いたときには、移動
体7の上下振動が大きくなり、駆動効率が低下するとと
もに移動体7の運動が不安定化になったが、ばね定数が
1.5kgf/mm以上の皿ばね8を用いたときには、駆動効率
の高い、しかも動作の安定した超音波モータが実現でき
た。図8では皿ばねを2枚重ねて構成しているが、1枚
または2枚以上の複数枚数の皿ばねを重ねることも可能
である。
【0026】図1は本発明の第1実施例に係る加圧用皿
ばねの特性図である。ばね定数は図1の特性曲線を示し
ている。
【0027】このように構成された第1実施例によれ
ば、モータ特性の安定した低速から高速まで速度範囲の
広い超音波モータを提供できる。なお、ここでは加圧用
のばねに皿ばねを用いたが、コイルばね,板ばねを用い
ても同等の効果が得られる。
【0028】図2は本発明の第2実施例の超音波モータ
の構成を示す断面図である。図2において、11はフェル
ト,ゴム弾性体,繊維入りプラスチック材料等で作られ
た緩衝材を示し、この緩衝材11は支持体4と皿ばね8と
の間に設置される。また、皿ばね8は第1実施例と同様
に1.5kgf/mm以上のばね定数を有するものである。
【0029】この第2実施例においても、第1実施例と
同様に移動体7を上方へ叩く力fが発生し、移動体7を
高速で運動させるとき、駆動効率の低下,移動体7の運
動の不安定化を引き起こす。そこで、ばね定数が1.5kgf
/mm以上の皿ばね8を用いることにより、この上方へ叩
く力fの抗力をf′を発生させ、移動体7の上下振動の
振幅値の低下を実現するとともに、この上下振動を緩衝
材11により緩衝することで、楕円運動の伝達効率の向上
と、移動体7の運動の安定化が図れる。なお、図2に示
す皿ばね8では、加圧力の設定が容易になるように同特
性の皿ばねを2枚重ねて設定たわみ量を大きくしている
が、1枚または2枚以上の複数枚数の皿ばねを重ねるこ
とも可能である。
【0030】このように構成された第2実施例によれ
ば、モータ特性の安定した低速から高速まで速度範囲の
広い超音波モータを提供できる。なお、ここでは加圧用
のばねに皿ばねを用いたが、コイルばね,板ばねを用い
ても同等の効果が得られる。
【0031】図3,図4は第2実施例の変形例を示す断
面図であり、図3に示す変形例は、緩衝材11の位置が2
つの加圧用の皿ばね8の間に変更されたもの、図4に示
す変形例は、緩衝材11の位置を一組の加圧用の皿ばね8
と止め輪10との間に変更されたものである。このように
構成しても第2実施例と同等の効果が得られる。
【0032】図5は本発明の第3実施例の超音波モータ
の断面図である。図5において、12は、緩衝材11の両面
に設置し、かつこの緩衝材11を保持する緩衝材保持部、
13は緩衝材11と緩衝材保持部12で構成された緩衝部を示
す。また、皿ばね8は第1,2実施例と同様に1.5kgf/
mm以上のばね定数を有するものとする。
【0033】この第3実施例は、図2に示す第2実施例
に係る緩衝材11に緩衝材保持部12を追加し、緩衝材11を
1対の緩衝材保持部12の間に設けたものである。この緩
衝材保持部12により、緩衝材11にかかる加圧力は均等に
分散される。この結果、緩衝材11に作用する最大圧力が
低下するとともに、内部減衰率が向上し、振動減衰効果
が向上する。
【0034】このように構成された第3実施例によれ
ば、モータ特性の安定した低速から高速まで速度範囲の
広い超音波モータを提供できる。
【0035】なお、ここでは加圧用のばねに皿ばねを用
いたが、コイルばね,板ばねを用いても同等の効果が得
られる。
【0036】図6,図7は第3実施例の変形例を示す断
面図であり、図6に示す変形例は、緩衝部13の位置が2
つの加圧用の皿ばね8の間に変更されたもの、図7に示
す変形例は、緩衝部13の位置を1組の加圧用の皿ばね8
と止め輪10との間に変更されたものである。このように
構成しても第3実施例と同等の効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通りに構成された本発明に
よれば、次に記載する効果を奏する。
【0038】請求項1記載の構成によれば、緩衝部が振
動体上に発生する定在波によって移動体が突き上げられ
る振動を吸収することにより、振動体から移動体への伝
達ロスが削減され、超音波モータの動作の安定化と効率
の向上を実現することができる。
【0039】請求項2記載の構成によれば、振動体上に
発生する定在波によって移動体が突き上げられる振動の
持つエネルギーを、フェルト,ゴム弾性体,繊維入りプ
ラスチック材料の少なくともいずれかを含む緩衝材の内
部摩擦を利用して熱エネルギーに変換し、外部に放出す
ることにより、より効果的に不要な振動を吸収減衰する
ことができる。
【0040】請求項3記載の構成によれば、緩衝材保持
部により緩衝材を保持することにより、加圧ばねと緩衝
材が接触している部分だけでなく緩衝材全体の効果を常
に利用することができ、さらに効率的に不要振動を抑制
できる。
【0041】請求項4,5記載の構成によれば、超音波
モータの動作の安定化と効率の向上、静穏化を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る加圧用皿ばねの特性
図である。
【図2】本発明の第2実施例の超音波モータの構成を示
す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の変形例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例の変形例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の第3実施例の超音波モータの断面図で
ある。
【図6】本発明の第3実施例の変形例を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の第3実施例の変形例を示す断面図であ
る。
【図8】従来の円板形超音波モータの断面図である。
【図9】図8の超音波モータに使用した圧電セラミック
の電極構造の一例を示す説明図である。
【図10】振動体上に励起された進行波により移動体が
摩擦力を介して駆動されて運動する様子を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1…弾性体、 2…圧電セラミック、 3…振動体、
4…支持体、 5…摩擦材、 6…弾性体、 7…移動
体、 8…皿ばね、 9…ベアリング、 10…止め輪、
11…緩衝材、 12…緩衝材保持部、 13…緩衝部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住原 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 西倉 孝弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 野島 貴志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 大土 哲郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−230773(JP,A) 特開 昭63−140674(JP,A) 特開 平3−74183(JP,A) 実開 平2−49390(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体を交流電圧で駆動して、前記圧電
    体と弾性体から構成される振動体に弾性進行波を励振す
    ることにより、前記振動体上に加圧機構によって加圧接
    触して設置された移動体を回転させる超音波モータであ
    って、前記移動体の回転中心に立設した回転軸に、前記振動体
    と、前記加圧機構と、前記加圧機構を固定する固定部材
    とを設け、前記振動体と前記固定部材との間に、前記振
    動体上に発生する定在波によって前記移動体が突き上げ
    られる振動を吸収する緩衝部を設けたこと を特徴とする
    超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記緩衝部は、フェルト,ゴム弾性体,
    繊維入りプラスチック材料の少なくともいずれかを含む
    緩衝材によって構成されたことを特徴とする請求項1記
    載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記緩衝部は、フェルト,ゴム弾性体,
    繊維入りプラスチック材料の少なくともいずれかを含む
    緩衝材と、この緩衝材を保持する一対の緩衝材保持部と
    により構成されたことを特徴とする請求項1記載の超音
    波モータ。
  4. 【請求項4】 前記緩衝部を前記振動体と前記加圧機構
    との間に介在させたことを特徴とする請求項2または
    記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記緩衝部を前記加圧機構内に設けた
    とを特徴とする請求項2または3記載の超音波モータ。
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