JP3314652B2 - ワイヤボンディング方法 - Google Patents

ワイヤボンディング方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャピラリツール
を用いてチップと基板をワイヤで接続するワイヤボンデ
ィング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップと、このチップが搭載されたリー
ドフレームやプリント基板などの基板をワイヤで接続す
るワイヤボンディングは、キャピラリツールの下端部か
ら下方へ導出されたワイヤの下端部とトーチとの間で電
気的にスパークを発生させ、ワイヤの下端部にボールを
形成した後、キャピラリツールを下降させてボールを基
板に搭載されたチップの上面にボンディングする。次い
で、キャピラリツールを一旦基板の上方に移動させた後
に、キャピラリツールの下端部を所定の軌跡を描かせな
がら下降させワイヤのループを形成させてワイヤを基板
にボンディングする。この場合の軌跡として、略円弧状
の軌跡が一般的であり、この円弧状の軌跡上でのキャピ
ラリツールの動作制御では、各軸のモータは所定の速度
パターンに従った制御がなされる。
【0003】以下、従来の方法による速度パターンにつ
いて図面を参照して説明する。図7はワイヤボンディン
グ方法のループ形成時の円弧状の軌跡を表す極座標図、
図8は従来のワイヤボンディング方法のループ形成時の
速度パターンを示すグラフである。
【0004】図7において、1はキャピラリツールであ
り、太実線Qはキャピラリツールの下端点Pの軌跡を表
している。A点にボールをボンディングした後、キャピ
ラリツールはB点まで上昇し、その後略円弧状の軌跡を
描いてC点にワイヤをボンディングする。キャピラリツ
ールの下端点Pの動きは、図7の極座標においては原点
Oから半径Lの円弧上で、原点Oと下端点Pとを結ぶ直
線OPがZ軸となす角度θのみの式(数1)で表すこと
ができるが、実際のワイヤボンディング装置を構成する
各軸のモータの動作として表すためには、(数2)〜
(数4)に示すように、XYZ各駆動軸方向の速度成分
Vx、Vy、Vzを求めなければならない。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】
【数3】
【0008】
【数4】
【0009】図8の上段のグラフに示すように、従来は
円弧状軌跡上でのキャピラリツールの下端点Pの角速度
は、等角加速度曲線を描くように制御されていた。した
がって、角速度のグラフは図8の中段に示すように3角
形状のグラフとなり、このときのXYZ各駆動軸方向の
速度成分Vx、Vy、Vzは図8の下段のグラフで表さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8の下段のグラフか
らわかるように、従来の等角加速度制御では水平方向の
速度成分Vx、Vyの立ち上がり時taに急激な加速度
が表れており、また垂直速度成分Vzにおいては着地時
tbに急激な減速(負加速度)が表れている。このよう
な急激な加速度変化は、ワイヤボンディング装置の機構
にとって振動発生源として作用し、特にキャピラリツー
ルは片持ち支持されたホーンに保持されているため振動
を誘起しやすい。このため、キャピラリツールの下端部
が振動することによりワイヤ横振れや、ワイヤ圧着不良
などのボンディング不良が発生するという問題点があっ
た。
【0011】そこで本発明は、ワイヤのループ形成時に
急激な加速度変化が発生せず、機構の振動によるボンデ
ィング不良を防止することができるワイヤボンディング
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のワイヤボンディ
ング方法は、ワイヤを挿通するキャピラリツールと、キ
ャピラリツールを保持するホーンと、ホーンをX、Yお
よびZの3方向に駆動する3軸からなる駆動手段と、駆
動手段を制御する制御部とを備えたワイヤボンディング
装置によるワイヤボンディング方法であって、キャピラ
リツールの下端部から導出するワイヤの下端部に形成さ
れたボールをキャピラリツールにより第1のボンディン
グ点に圧着する工程と、前記駆動手段を駆動してキャピ
ラリツールを所定高さまで上昇させる行程と、前記駆動
手段を駆動してキャピラリツールの下端部を第2のボン
ディング点まで移動させてワイヤのループを形成する工
程と、形成されたループの端部をキャピラリツールによ
り第2のボンディング点に圧着する工程とを含み、かつ
前記ループを形成する工程におけるキャピラリツールの
下端部の軌跡が略円弧状ないしは略楕円状をなしてお
り、前記軌跡上でのキャピラリツールの下端部の移動を
極座標で表したときの角加速度が時間について連続であ
って、この角加速度を時間について積分して得られる速
度パターンを求め、更にこの速度パターンを直交座標系
のXYZ各軸成分に座標変換することにより求められた
速度パターンに基づいて前記駆動手段のXYZ各軸の速
度を制御するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】上記構成の本発明は、ループ形成
時の略円弧状軌跡を描くキャピラリツールの動作を、極
座標でのこの軌跡上の角加速度が時間について連続とな
るようXYZ各軸の速度パターンを制御することにより
行う。このため、XYZ各軸の速度パターンには急激な
加速度変化は表れず、したがってボンディング装置の機
構の振動が防止できるため、ボンディング不良のない安
定したループ形成が行える。
【0014】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施の形態のワイヤボン
ディング装置の全体構造を示す斜視図、図2は同ワイヤ
ボンディング装置の制御系の構成を示すブロック図、図
3及び図4は同ワイヤボンディング工程の説明図、図5
は同ワイヤボンディング方法のループを形成する工程の
モータの速度パターンを示すグラフ、図6は同ワイヤボ
ンディング方法のループを形成する工程のモータ制御の
フローチャートである。
【0015】まず、図1を参照してワイヤボンディング
装置の全体構造を説明する。基台1の上面には、基板2
が載置されている。基板2の中央にはチップ3が搭載さ
れており、チップ3の周辺には、電極4が多数形成され
ている。5は押さえ板であって、シリンダ6のロッド7
に連結されている。ロッド7が引き込むと、基板2は押
さえ板5で押さえつけられて固定される。基台1の側方
には可動テーブル10が設置されている。可動テーブル
10上には、駆動ボックス11が設けられている。駆動
ボックス11からはホーン12が前方へ延出している。
ホーン12の先端部にはキャピラリツール13が保持さ
れている。
【0016】キャピラリツール13には、スプール14
から繰り出されたワイヤ15が挿通されている。16は
キャピラリツール13の上方に配置されたクランパであ
って、開閉動作を行うことによりワイヤ15をクランプ
して固定する。X方向モータ17とY方向モータ18が
駆動して可動テーブル10が作動すると、可動テーブル
10上の駆動ボックス11、ホーン12、キャピラリツ
ール13などはX方向やY方向へ水平移動する。また、
キャピラリツール13は駆動ボックス11内に収納され
図示しないZ方向モータに駆動され上下動を行う。
【0017】次に、図2を参照してワイヤボンディング
装置の制御系の構成を説明する。図2において、20は
制御部であり、速度パターン演算部21に各要素動作の
動作距離を指示し、また各軸のパルス生成部27、2
8、29にパルス出力開始信号を伝達する。ループ形状
データ記憶部22は、所定のループ形状を実現するため
の制御データを記憶する。ボンディング座標記憶部23
は、各種ワークのボンディング位置の座標データを記憶
する。速度パターン演算部21は、制御部20、ループ
形状データ記憶部22及びボンディング座標記億部23
からのデータを受け取り、XYZ各軸の駆動のための速
度パターンを演算する。
【0018】X軸速度パターン記憶部24、Y軸速度パ
ターン記憶部25、Z軸速度パターン記憶部26は、演
算された各軸の速度パターンを記憶する。X軸パルス生
成部27、Y軸パルス生成部28、Z軸パルス生成部2
9はそれぞれの軸の速度パターン記憶部からの速度パタ
ーンデータと制御部20からのパルス出力開始信号を受
けて、モータ制御パルス列を出力する。X軸ドライバ3
0、Y軸ドライバ31、Z軸ドライバ32はそれぞれの
軸のパルス生成部からモータ制御パルス列を受け、それ
ぞれX軸モータ33、Y軸モータ34、Z軸モータ35
の駆動電流を制御する。
【0019】このワイヤボンディング装置は上記の構成
より成り、以下その動作について図3及び図4を参照し
て説明する。なお、図3(a)〜(c)および図4
(a)〜(c)は、一連の動作を動作順に示している。
図3(a)は初期状態であって、この状態でキャピラリ
ツール13の下端部からワイヤ15を下方へ導出し、キ
ャピラリツール13の上方のクランパ16でワイヤ15
をクランプしてワイヤ15を固定している。15’は、
前回のワイヤボンディング動作でチップ3と基板2を接
続したワイヤである。
【0020】次に図3(b)に示すように、ワイヤ15
の下端部に接近したトーチ19に高電圧を印加すること
により、ワイヤ15の下端部とトーチ19の先端部との
間に電気的スパークを発生させ、ワイヤ15の下端部に
ボール20を形成する。なお、図1ではトーチ19は省
略している。
【0021】次に図3(c)で示すように、クランパ1
6を開いてワイヤ15のクランプ状態を解除するととも
に、キャピラリツール13を下降させてボール20をチ
ップ3上面のパッドに押しつけてボンディングする。次
いで、鎖線で示すようにキャピラリツール13を基板2
の電極4の上方に移動させ、キャピラリツール13の下
端部を所定の軌跡を描かせながら下降させワイヤ15の
ループを形成させてワイヤ15を基板2の電極4にボン
ディングする(この場合のキャピラリツール13の下端
部が描く所定の軌跡については図7を参照)。なお、こ
のループを形成する行程でのモータの制御方法について
は後述する。
【0022】次に図4(a)に示すようにキャピラリツ
ール13を上昇させ、かつクランパ16でワイヤ15を
再度クランプしてワイヤ15を引き上げれば、ワイヤ1
5はボンディング点aでカットされる。以上によりワイ
ヤボンディングが終了したならば、基板2は次の工程へ
送り出され、図4(b)に示すようにキャピラリツール
13は次の基板2が送られてくるまで待機する。この待
機状態で、クランパ16はワイヤ15をクランプして、
ワイヤ15が不要に上昇してワイヤ15の下端部がキャ
ピラリツール13の内部に入り込まないようにし、ワイ
ヤ15の下端部が所定長Lだけキャピラリツール13の
下端部から導出した状態を維持している。
【0023】次に、図4(c)に示すように、次の基板
2がキャピラリツール13の下方に搬送されて来たなら
ば、そこでトーチ19とワイヤ15の下端部との間で電
気的スパークを発生させてボール20を形成し、上述し
たワイヤボンディング動作を再開する。
【0024】次に、図5を参照してワイヤボンディング
方法のループを形成する行程のモータの速度パターンに
ついて説明する。本実施の形態では、図5の中段のグラ
フで示すように角速度のパターンとして略サイクロイド
パターンを採用し、角加速度が時間について連続である
速度パターンを実現している(図5の上段のグラフを参
照)。そしてXYZ各駆動軸方向の速度成分Vx、V
y、Vzは図5の下段のグラフで表され、水平方向の速
度成分Vx、Vyのみならず、垂直方向の速度成分Vz
も立ち上がり時ta及び着地時tbの双方とも非常に滑
らかに変化しており、機械的振動の原因となる急激な加
速度変化は表れていない。
【0025】次に、図2及び図6を参照してワイヤボン
ディング方法のループを形成する工程でのモータ制御の
フローについて説明する。まず、図6に示すように、ボ
ンディング座標とループ形状データより円弧の開始点と
終点の位置を算出する(ST1)。次に、図5に示され
る速度パターンに基づき、(数2)〜(数4)に示す座
標変換式を用いてXYZ各軸の速度パターンを作成する
(ST2)。
【0026】次いで、この各軸の速度パターンがそれぞ
れの速度パターン記憶部24、25、26に記憶される
(ST3)。次いで制御部20からのパルス出力信号が
ONであるか否かが判断され(ST4)、ONであれば
ST5にて各軸のパルス生成部27、28、29より各
軸のモータ駆動用のドライバ30、31、32に対して
制御パルス列が出力される。この制御パルスに従って各
軸のモータ33、34、35が駆動することにより、キ
ャピラリツール13は所定の軌跡を描いてワイヤのルー
プを形成する。
【0027】本発明は、上記実施の形態に限定されない
のであって、例えばループを形成する行程での軌跡は上
記実施の形態では略円弧状となっているが、略楕円状で
あってもよく、また角速度のパターンとして略サイクロ
イドパターンを採用しているが、角加速度が時間的に連
続であるものならばこれ以外のパターンであっても良
い。
【0028】
【発明の効果】本発明は、ループ形成時の略円弧状軌跡
を描くキャピラリツールの動作を、極座標でのこの軌跡
上の角加速度が時間について連続となるようXYZ各軸
の速度パターンを制御することにより行うようにしてい
るので、XYZ各軸の速度パターンには急激な加速度変
化は表れず、したがってボンディング装置の機構の振動
が防止できるため、ボンディング不良のない安定したル
ープ形成が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング装
置の全体構造を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング装
置の制御系の構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング工
程の説明図
【図4】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング工
程の説明図
【図5】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング方
法のループを形成する工程のモータの速度パターンを示
すグラフ
【図6】本発明の一実施の形態のワイヤボンディング方
法のループを形成する工程のモータ制御のフローチャー
ト
【図7】ワイヤボンディング方法のループ形成時の円弧
状の軌跡を表す極座標図
【図8】従来のワイヤボンディング方法のループ形成時
の速度パターンを示すグラフ
【符号の説明】
1 基台 2 基板 3 チップ 4 電極 5 基板押さえ 10 可動テーブル 12 ボンディングアーム 13 キャピラリツール 14 スプール 15 ワイヤ 16 クランパ 20 制御部 21 速度パターン演算部 22 ループ形状データ記憶部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤを挿通するキャピラリツールと、キ
    ャピラリツールを保持するホーンと、ホーンをX、Yお
    よびZの3方向に駆動する3軸からなる駆動手段と、駆
    動手段を制御する制御部とを備えたワイヤボンディング
    装置によるワイヤボンディング方法であって、キャピラ
    リツールの下端部から導出するワイヤの下端部に形成さ
    れたボールをキャピラリツールにより第1のボンディン
    グ点に圧着する工程と、前記駆動手段を駆動してキャピ
    ラリツールを所定高さまで上昇させる行程と、前記駆動
    手段を駆動してキャピラリツールの下端部を第2のボン
    ディング点まで移動させてワイヤのループを形成する工
    程と、形成されたループの端部をキャピラリツールによ
    り第2のボンディング点に圧着する工程とを含み、かつ
    前記ループを形成する工程におけるキャピラリツールの
    下端部の軌跡が略円弧状ないしは略楕円状をなしてお
    り、前記軌跡上でのキャピラリツールの下端部の移動を
    極座標で表したときの角加速度が時間について連続であ
    って、この角加速度を時間について積分して得られる速
    度パターンを求め、更にこの速度パターンを直交座標系
    のXYZ各軸成分に座標変換することにより求められた
    速度パターンに基づいて前記駆動手段のXYZ各軸の速
    度を制御することを特徴とするワイヤボンディング方
    法。
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