JP3373012B2 - ターボ形流体機械の運転制御装置 - Google Patents

ターボ形流体機械の運転制御装置

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JP3373012B2 JP28577093A JP28577093A JP3373012B2 JP 3373012 B2 JP3373012 B2 JP 3373012B2 JP 28577093 A JP28577093 A JP 28577093A JP 28577093 A JP28577093 A JP 28577093A JP 3373012 B2 JP3373012 B2 JP 3373012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はターボ形流体機械の運転
制御装置に係わり、ポンプ、送風機等の使用目的に応
じ、好適な性能上の特性を発揮せしめる運転制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポンプ、送風機等のターボ機械の出力を
調整するため、その駆動機の回転数を変化させる技術が
広く採用されている。従来の回転数制御によるターボ機
械の出力の調整法では、ターボ機械の発生する揚程・圧
力あるいは吐出量がその需要に適合するようその回転数
を変化させて特性を調整している。すなわち自動制御で
は、需要側の吐出圧力、吐出量等の検出量とそれらに対
応する設定値とを比較して、回転数をフィードバック制
御することが行われている。
【0003】たとえば、内燃機関等により駆動されるタ
ーボ形流体機械の特性を変化させるため、燃料調整を調
速機で行い、回転数を調整する方法が実用されている。
回転数を設定するには、流体機械の所要吐出圧力や吐出
量に応じ調速機に手動あるいは自動の信号を与えて行っ
てる。しかしながら、排水ポンプ等に要求されるよう
に、運転状態に応じ、ポンプ/駆動機の能力を最大に発
揮させる方法は、ポンプに可動羽根を用いた定速軸動力
制御の他には、特に知られていない。尚、可動羽根を用
いる場合には、羽根の角度の調整機構が複雑となり、汎
用性が低い。
【0004】一方、誘導電動機により駆動されるポンプ
では、その揚水特性等を運転状態、負荷状態に応じて変
化させるため、静止型インバーターを用いて電動機電源
の周波数を変化させ、回転数を調整する方法が従来から
実用されている。これに関して電動機の運転効率が最大
となるようインバーターを制御することを目的として、
たとえば、特開昭57−52396号公報あるいは特開
昭59−44997号公報により開示されている。また
特開昭59−25099号公報ではインバーターにより
電動機出力を定格値に維持する調整法が開示されてい
る。特公昭57−113992においてはポンプの速度
制御方法として目標圧力を与える回転速度を演算して与
える方法が開示されている。
【0005】これらの従来の技術においては、ターボ形
流体機械とその駆動機の組合せユニットとして、その能
力を充分に発揮させつつ、流体機械の性能上の特性を使
用上好適なものに積極的に改善するものは見当たらな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】周知のように高比速度
ターボ形流体機械では、定速運転を行うと運転揚程ある
いは圧力の減少、吐出量の増大と共に、その所要動力は
減少し、特に定格吐出量以上において揚程あるいは圧力
の減少と共に所要動力は顕著に減少する。すなわち、こ
の領域では駆動機容量に対し余裕が増大し、駆動機の能
力が十分に発揮されていない。またこれらの流体機械で
は、定格吐出量以下では所要動力が増大するため、この
領域での運転が予想される場合には、駆動機の過負荷を
避けるため、その定格出力に十分な余裕を与える必要が
ある。
【0007】一方、低比速度ターボ形流体機械では、定
速運転を行うと、運転揚程あるいは圧力の増大と共に吐
出量は減少し、その所要動力も減少する。すなわちこの
領域では駆動機容量に対し余裕が増大し、駆動機の能力
が十分に発揮されていない。またこれらの流体機械で
は、定格吐出量以上となると所要動力が増大するため、
駆動機の定格出力に余裕を与える必要がある。さらに揚
程(圧力)−吐出量曲線が平坦な低比速度流体機械で
は、運転揚程あるいは圧力の変化に伴って吐出量の変動
が著るしくなり、下流側の受入装置あるいはプロセス処
理に対し不具合が発生しやすく、吐出弁絞り制御などに
より吐出量を制限する必要がある。
【0008】更に、遠心式送風機等にみられるように、
圧力−吐出量曲線は小吐出量域で最大値を示す山形とな
り、運転可能領域はサージングを避けるため最高圧力値
を示す吐出量より大きい吐出量範囲に限定されている。
【0009】本発明は係る従来技術の問題点に鑑み為さ
れたもので、従来のターボ形流体機械の特性を改善し、
使用上快適な特性とする流体機械の運転制御装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の運転制御装置
は、内燃機関、ガスタービン又は蒸気タービンを含む駆
動機により駆動されるターボ形流体機械と、該流体機械
の運転揚程あるいは運転圧力を検出する手段と、前記運
転揚程あるいは運転圧力を入力して、前記駆動機の定格
軸トルクを保持する回転数を出力する手段と、該出力さ
れた回転数に応答して前記駆動機の回転数を変化させる
手段とを備え、前記流体機械の運転揚程あるいは運転圧
力が変化しても、前記駆動機の回転数が調整され、高比
速度ターボ形流体機械にあっては、運転揚程あるいは運
転圧力が定格値より低い場合は駆動機の余力を利用すべ
く回転数が上昇して吐出量が増大し、運転揚程あるいは
運転圧力が定格値より高い場合は回転数が低下し駆動機
の過負荷を避けることができて、低比速度ターボ形流体
機械にあっては、運転揚程あるいは運転圧力が定格値よ
り高い場合は駆動機の余力を利用すべく回転数が上昇し
て吐出量が増大し、運転揚程あるいは運転圧力が定格値
より低い場合は回転数が低下して駆動機の過負荷を避け
ることができることを特徴とする。
【0011】
【作用】ターボ形流体機械の運転揚程あるいは運転圧力
に応答して、あらかじめ設定された流体機械の性能上の
特性を与える回転数信号を駆動機の調速機あるいは回転
数調整装置に入力して回転数の調整を行うことから、運
転揚程あるいは圧力が変化しても、常に好適な性能上の
特性が保持される。
【0012】あらかじめ設定する性能上の特性として、
運転揚程あるいは圧力が変化しても常に一定軸トルクが
保持されるよう回転数を調整すると、一般に原動機の能
力を最大限に利用しながら、使用に好適な特性とするこ
とができる。すなわち高比速度流体機械にあたっては、
その運転揚程あるいは圧力が定格値以下では回転数が増
大し、吐出量が増大する。一方、運転揚程あるいは圧力
が定格値以上の低吐出量時には回転数が減少し、所要動
力が減少することから駆動機の過負荷を避けることがで
きる。低比速度流体機械にあたっては、定格値より高揚
程あるいは高圧力運転時に回転数が増大し、吐出量の減
少を軽減し、低揚程あるいは低圧力時には回転数が減少
し吐出量の過大な増大を制限し、駆動機の過負荷を避け
ることができる。
【0013】さらに、任意の傾斜を持つ流体機械の揚程
あるいは圧力と吐出量の関係を示す曲線を設定して、運
転揚程あるいは圧力に対応した回転数信号を与えること
により、使用上好適な性能上の特性を実現することがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図1より図8は第1の実施例を示
す。
【0015】図1は、本発明の第1の実施例の運転制御
装置を、ターボ形排水ポンプに適用した場合の基本的構
成を示す説明図である。排水ポンプ1は、比較的大流
量、低揚程に使用される軸流あるいは斜流ポンプのよう
なターボ型の高比速度ポンプである。ポンプ1は、減速
機2を介して駆動機3により駆動される。ここで駆動機
3は、内燃機関、ガスタービン、あるいは蒸気タービン
である。駆動機3はその回転数を調整する調速機4を備
えている。ポンプ1の吐出側の外水位12と吸込側の内
水位11との差である実揚程(Ha)は、図示しない水
位計により計測される。関数発生器5は、ポンプの運転
揚程Haに対応する一定軸トルクを与える回転数nを出
力する演算手段である。回転数検出器7は、駆動機3の
回転軸の回転数を検出し、電気的な信号として出力する
検出手段である。比較増巾器6は、回転数検出器7によ
り検出された回転数信号と、関数発生器5から出力され
る運転揚程に対応する回転数信号と比較し、その偏差を
調速機4に出力する。
【0016】次にこの動作について説明する。関数発生
器5には、図示しない水位計からポンプの実揚程Haの
信号が入力され、ポンプの一定軸トルクを与える回転数
nの信号を出力する。比較増巾器6では、実際のポンプ
の回転数に対応した回転数検出器7からの信号が入力さ
れ、関数発生器から出力される回転数nの信号と比較さ
れる。比較された偏差は調速機4に入力され、調速機4
は偏差に応じて燃料供給量を調整し駆動機3の速度を増
減する。
【0017】従って、内水位11が上昇し、実揚程Ha
が減少すると、関数発生器5からの回転数信号nは一定
軸トルクを保持するように対応する実揚程Haに従って
増加し、比較増巾器6ではその偏差が検出され、調速機
4で燃料の供給量を増加し、駆動機3の回転数を所要の
値迄増加する。逆に、内水位11、外水位12の水位差
が増大し、ポンプの実揚程Haが増大すると、関数発生
器5からは一定軸トルクを保持するように、回転数nを
低減する信号が出力される。従って、回転数検出器7か
ら出力された信号と比較され、調速機4は駆動機3の出
力を低減し回転数を所掌の値まで低下させる。
【0018】以下に、駆動機の回転数を変化させ、軸ト
ルクを一定に保つ制御の作用効果を詳細に説明する。
【0019】一般に内燃機関の能力は回転数(N)を変
化させても、実用される範囲で、軸トルク(T)はほぼ
一定となる。軸トルク一定の制御を行えばその出力(L
p)は回転数Nに比例して変化する。すなわちLp=K
TN(ここにKは定数)で表すことができる。従ってポ
ンプの運転揚程あるいは流量にかかわらず、駆動機の軸
トルクを一定に保つようにその回転数を制御することに
より、駆動機の能力を最大限に利用したポンプの運転が
可能となる。すなわちポンプの運転揚程あるいは吐出量
に対応して一定軸トルクを与える回転数信号を調速機に
与えることによりこれを実現することができる。
【0020】ターボ形ポンプの周知の相似則によれば、
同一揚液を取扱った場合、ポンプ吐出量、揚程、軸トル
ク及び軸動力と回転数の間に次の関係がある。
【数1】 ここにQ,Q’はそれぞれ回転数N,N’のときの吐出
量、H,H’はそれぞれN,N’のときの揚程、T,
T’はそれぞれN,N’のときの軸トルク、Lp,L
p’はそれぞれN,N’のときの軸動力である。定速回
転における揚程および軸動力の吐出量に対する既知の関
係曲線を基に、定格前後の回転数につき式(1)によ
り、いくつかの関係曲線を画くことができる。この曲線
群の上に、定格点を満足しつつその前後の吐出量におい
て任意の揚程あるいは軸トルク、軸動力の関係を満足す
る回転数を求めることができる。運転揚程に対応した、
前記特性を与える運転揚程と回転数の関係を関数発生器
に設定することにより、本発明の運転制御装置が具現さ
れる。
【0021】図2及び図3はそれぞれポンプの揚程Hと
吐出量Q及び動力Lpと吐出量Qの関係を示し、点線は
従来の回転数一定運転の場合を示し、実線は駆動機の軸
トルク一定として回転数を変化させた本発明の第1の実
施例を示す。即ち、定格吐出量(100%)以下の軸動
力が増大する小流量領域では回転数を減少せしめ、定格
吐出量以上では軸動力が減少するために回転数を増大さ
せ、全域にわたって軸トルクを定格点の値に保った場合
を示す。
【0022】軸トルクを一定に保った場合、回転数Nは
軸動力Lpに比例するため、回転数のポンプ揚程H、吐
出量Qとの関係は図4の曲線N−Qに示すものとなる。
即ちポンプの運転揚程が定まれば一義的に一定軸トルク
を与える回転数Nが決定される。
【0023】排水用などのポンプの運転揚程は、内外水
位差、即ち実揚程Haとポンプ前後の配管損失水頭Rと
の和Hとして与えられる。この配管損失Rは、周知のご
とく、吐出量Qの二乗に比例して増減するため、定格吐
出量の値を算定することにより図4の抵抗曲線Rとして
表すことができる。ポンプの揚程曲線Hより各吐出量Q
における配管損失Rを差し引いて、実揚程Haと吐出量
Qの関係は図4の一点鎖線のHa−Q曲線として得るこ
とができる。
【0024】従って、通常、水位計により容易に計測さ
れる実揚程Haより一定軸トルクを与える回転数Nは図
4より得られる図5の曲線として表される。図5に示す
関係を用いて、実測が容易な実揚程より定められる一定
軸トルクを与える回転数を関数発生器5に設定し、これ
と回転数検出器7の検出値を比較増巾器6に入力し、両
者の偏差に対応した増減速信号を調速機4に与えること
により運転揚程が変化しても一定軸トルク運転を行うこ
とができる。実揚程と回転数の関係の関数の設定を変更
することにより、任意の軸トルク値での運転も可能とな
る。
【0025】上記の軸トルク一定制御を行うことにより
高比速度ポンプ1は、定格吐出量以上で回転数Nが上昇
し、吐出量Qが大幅に増大する。一方低流量では回転数
Nが減少し駆動機の過負荷を避けることができる。さら
に吐出弁を全閉して起動・停止することを可能とし、起
動停止時の急激な吐出量の変化を避けることができる。
【0026】高比速度ポンプは、運転揚程の比較的低い
排水ポンプ等に採用されているが、その運転揚程は内外
水位差より大幅に変化する。本発明によればポンプの揚
程(H−Q)曲線の傾斜がなだらかになるため、内水位
の高い低揚程時に吐出量が増大し排水時間を短縮するこ
とができる。図2中の一点鎖線RA は定格揚程時の抵抗
曲線を示し、RB は低揚程時のそれを示す。即ち定速運
転のポンプを用いたときの運転点B点はC点に移行し、
排水量の顕著な増大を実現することができる。
【0027】しかしながら、実揚程Haが小さくなる
と、回転数Nが高くなり過ぎるという問題がある。低揚
程時の過大な吐出量を避けるため、あるいは原動機を最
大定格出力値に対し保護するため、回転数設定値に上限
を設けることにより、運転上の支障を避けることができ
る。このため、回転数上限設定器8をフィードバックル
ープに挿入し、駆動機3及びポンプ1の回転数を所定の
値以下に制限している。
【0028】図6及び図7はそれぞれポンプ効率eP と
吐出量Q及び必要NPSH(有効吸込ヘッド)と吐出量
Qの関係を定格点における値を100%として示してい
る。実線で示す本実施例の場合はポンプ効率曲線の丸み
が、点線で示す定速運転の場合と比較して大きく、とく
に大吐出量時の効率eP の改善が著しい。すなわち省エ
ネルギー運転が実現されている。また高比速度ポンプの
必要NPSHの値は定格吐出量の前後で増大するが、本
実施例の場合はNPSH最小値を与える吐出量Qが回転
数Nと共に移動するため、定格吐出量前後の必要NPS
Hの増大の割合が少なく、ポンプの据付上、あるいは運
転上有利となる。
【0029】ポンプの一定軸トルクを保持しつつ回転数
を変化させる運転装置の他の実施例を図8に示す。本図
の基本的な構成は、図1と同様であり、同一の機能を有
する構成要素は同一の符号を付してその説明を省略す
る。トルク検出器9は、駆動機3の回転軸トルクを検出
し、トルク設定器13に設定された軸トルクと比較増巾
器14で比較する。検出された軸トルクが設定値と異な
る場合は、偏差に応じて調速機4が燃料供給量を増減す
ることにより回転数が変化し設定された一定の軸トルク
値に達するように制御される。本実施例においても、ポ
ンプは一定軸トルクを保持するように回転数が調整され
るので、その動作及び作用効果は前述の実施例と同様で
ある。
【0030】以上の実施例は、駆動機3として内燃機
関、ガスタービン、蒸気タービンを用いた例についての
ものである。しかしながら、駆動機3として電動機を用
いることももちろん可能である。この場合は、調速機4
の変わりに周波数・電圧変換器(静止形インバーター)
等の回転数調整装置等を用いて誘導電動機を駆動するこ
とによりポンプの回転数を軸トルクを一定に保持するよ
う制御することができる。
【0031】図9より図12は第2の実施例を示す。
【0032】図9は本発明の運転制御装置の第2の実施
例として、ターボ形低比速度ポンプに適用した場合の基
本的構成を示す説明図である。ポンプ11は比較的高揚
程に使用される低比速度遠心ポンプである。ポンプは電
動機あるいは蒸気タービン等の駆動機12により駆動さ
れる。駆動機12はその回転数を調整する回転数調整装
置14を備えている。ポンプの運転揚程はポンプ吐出側
の圧力検出器20と吸込側の圧力検出器21により圧力
差を求める演算器22により検出される。関数発生器1
5はポンプの運転揚程Hに対応する一定軸トルクを与え
る回転数nを出力する演算手段である。回転数検出器1
7は駆動機12の回転数を検出し、電気的信号を出力す
る手段である。駆動機が誘導電動機で回転数調整装置が
静止形インバーターの場合は、回転数検出器に替えて出
力周波数検出器を使用することができる。比較増巾器1
6は、回転数検出器17より出力された回転数信号と、
関数発生器15から出力される運転揚程に対応する回転
数信号とを比較し、その偏差を回転数調整装置14に出
力する。回転数調整装置14は駆動機の回転数をその偏
差に応じ増減し、運転揚程の変化に拘らず一定軸トルク
の運転を行うことができる。
【0033】この場合の軸トルクを一定に保つ運転制御
の作用効果を以下に説明する。駆動機が誘導電動機の場
合、回転数調整装置に周波数と電圧の比が一定な静止形
インバーター等を用いると、周知のごとく、電動機電流
値に対応する発生トルクは一定となる。一般に電動機の
定格値は電流値により惹起される温度上昇値により規制
される。従って駆動ポンプの軸トルクを電動機定格電流
値に対応する値に保持することにより、ポンプの運転揚
程あるいは吐出量の変化に係わらず電動機の能力を最大
限に発揮した運転が可能となる。また、電動機は定格電
流値付近で最高効率を発揮するため常に高効率運転が可
能となる。
【0034】図10はポンプ揚程Hと吐出量Qの関係を
示し、図11は吐出量Qと軸動力Lpの関係を示す。点線
は従来の回転数一定運転の場合を示し、実線Aは駆動機
の軸トルクを一定として回転数を変化させた本発明の第
2の実施例を示す。すなわち定格吐出量(100%)以
下の軸動力が減少する低吐出量領域では回転数を上昇せ
しめ、定格吐出量以上では軸動力が増大するため回転数
を減少させ、全域にわたって軸トルクを定格点の値に保
った場合を示す。軸トルクを一定に保った場合、回転数
Nは軸動力Lpに比例することにより、運転揚程Hと所
要回転数Nの関係は図12の曲線αとして表される。こ
の関係を用いて運転揚程に対応する回転数を関数発生器
15より出力する。
【0035】本発明によれば一定軸トルクを保つことに
より、駆動機の能力を有効に利用しつつ、ポンプのH−
Q曲線のQ軸よりの傾斜が大きくなるため、運転揚程が
定格値より上下に変化しても吐出量の変化を顕著に少な
くし、使用上好適な特性とすることができる。
【0036】運転揚程が高い場合回転数の過度の上昇よ
り、駆動機およびポンプを保護するため、回転数上限設
定器18を回転数調整装置14に設け、回転数を所定の
値以下に制限している。
【0037】同様の手段を用いて、任意の傾斜のH−Q
曲線となるよう、使用ポンプの特性に基づき運転揚程に
対応する回転数を関数発生器に設定することにより、こ
れと回転数検出値とを比較して、回転数調整装置をフィ
ードバック制御することができる。この場合の一例とし
て図10のBで示すH−Q曲線に対し、運転揚程と回転
数の関数は図12の曲線βで示される。
【0038】さらに運転揚程に対し吐出量を一定とする
制御も可能となる。この場合ポンプのH−Q曲線はQ軸
に対し直角な直線Cとなり、運転揚程と回転数の関係は
図12の曲線γとなる。図10のAで示すH−Q曲線よ
り傾斜の急なH−Q曲線(図10のBあるいはC)を設
定する場合は、最高運転揚程時に必要な軸動力をもとに
駆動機の定格出力を選定しておくことにより、予想され
る運転揚程の変化範囲で設定したH−Q曲線を実現する
運転が可能となる。
【0039】図13より図16は第3の実施例を示す。
【0040】図13は本発明の運転制御装置の第3の実
施例として、ターボ形送風機に適用した場合の基本的構
成を示す説明図である。送風機31は誘導電動機32に
より駆動される、所謂ラジアルベーンを具えたターボ形
送風機あるいはファンである。誘導電動機32はその回
転数が静止形インバーターにより調整される。送風機の
運転圧力は吐出側の圧力検出・変換器40により電気信
号として関数発生器35に入力される。関数発生器35
は送風機の運転圧力に対応する一定軸トルクを与える回
転数nを出力する演算手段である。静止形インバーター
二次側の周波数検出器37は誘導電動機32の回転数信
号として比較増巾器36に入力する。比較増巾器36は
関数発生器35より与えられる回転数nと周波数検出器
37により検出される実回転数との偏差を静止形インバ
ーター34の周波数増減部に入力し、誘導電動機32の
回転数が吐出圧力の変化に拘らず一定軸トルクを与える
よう調整される。
【0041】この場合、電動機側への作用効果は第2の
実施例の場合と同様である。
【0042】図14及び図15は、それぞれ吐出圧力P
と吐出量Qの関係及び軸トルクTと吐出量Qの関係を定
格点を100%として示す。点線は回転数一定運転の場
合を示し、実線は軸トルクを一定として回転数を調整し
た本発明の第3の実施例を示す。図15には合わせて吐
出量Qに対する一定軸トルクを与える回転数Nが示され
ている。これは、軸動力が軸トルクTと回転数Nの積で
表されることより、吐出量Qに対する電動機出力の変化
割合を示している。軸トルク一定の場合、電動機電流は
一定に保たれることより、運転圧力の変動に拘らず電動
機能力を常に最大限に利用することができる。
【0043】ターボ形送風機では吐出圧力Pの吐出量Q
に対する特性曲線が定格吐出量の50%前後で最大値を
示す山形となることが多い。この吐出圧力の最大値を示
す吐出量以下では、所謂サージング現象を発生し、安定
した運転が不可能となる。電動機能力を一杯に利用した
軸トルク一定の運転を行うことにより、図14に示すよ
うに吐出圧力Pの吐出量Qに対する特性曲線は、運転圧
力の変動の広い範囲にわたって安定した右下りとなり、
全吐出量域でサージング限界を排除することができる。
更に運転圧力の変化に伴う吐出量の変動が顕著に抑制さ
れ、使用上好適な特性を実現している。
【0044】図16は、式(1)より得られる軸トルク
と回転数の関係を用いて求められる運転圧力と一定軸ト
ルクを与える回転数の関係を示し、これが関数発生器3
5に設定される。運転圧力の上昇に伴う回転数の過度の
上昇は回転数上限設定器38により回避される。再に、
送風機の特性に基づき、吐出圧力Pと吐出量Qの特性曲
線に任意の傾斜を与えるよう、運転圧力と回転数の関係
を関数発生器に設定することも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、調速機あ
いは回転数調整装置を備えた原動機により駆動されるタ
ーボ形流体機械において、計測容易な運転揚程あるいは
運転圧力のみを検出して、使用上好適な流体機械の特性
を実現することができる。すなわち、運転揚程・圧力の
変動に拘らず、一定軸トルク運転を行うことにより、常
に原動機の効率を最高値付近に維持しつつ、その出力を
最大限に利用した運転が可能となる。さらに流体機械の
発生揚程・圧力と吐出量の関係等、その性能上の特性を
顕著に改善することができ、各種の可変速原動機により
駆動されるターボ形ポンプ、送風機等に広く適用が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の運転制御装置の構成を
示す説明図。
【図2】ポンプの吐出量Qと揚程Hの関係を示すグラ
フ。
【図3】ポンプの吐出量Qと軸動力Lpの関係を示すグ
ラフ。
【図4】ポンプの運転揚程Hと一定軸トルクを与える回
転数Nの関係を示すグラフ。
【図5】実揚程Haと設定回転数Nの関係を示すグラ
フ。
【図6】ポンプの吐出量Qと効率eP の関係を示すグラ
フ。
【図7】ポンプの吐出量Qと必要NPSHの関係を示す
グラフ。
【図8】本発明の他の実施例の運転制御装置の構成を示
す説明図。
【図9】本発明の第2の実施例の運転制御装置の構成を
示す説明図。
【図10】ポンプの吐出量Qと揚程Hの関係を示すグラ
フ。
【図11】ポンプの吐出量Qと軸動力Lpの関係を示す
グラフ。
【図12】ポンプの運転揚程Hとあらかじめ設定された
ポンプ特性を与える回転数Nの関係を示すグラフ。
【図13】本発明の第3の実施例の運転制御装置の構成
を示す説明図。
【図14】送風機の吐出量Qと吐出圧力Pの関係を示す
グラフ。
【図15】送風機の吐出量Qと軸トルクTの関係を示す
グラフ。
【図16】送風機の吐出圧力Pと一定軸トルクを与える
回転数Nの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1,11 ポンプ 2 減速機 3,12 駆動機 4,14 調速機又は回転数調整装置 5,15,35 関数発生器 6,16,36 比較増巾器 7,17 回転数検出器 8,18,38 回転数上限設定器 9 軸トルク検出器 20 吐出圧力検出器 21 吸込圧力検出器 22 差圧演算器 32 誘導電動機 34 静止形インバーター 37 周波数検出器 40 吐出圧力変換器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関、ガスタービン又は蒸気タービ
    ンを含む駆動機により駆動されるターボ形流体機械と、
    該流体機械の運転揚程あるいは運転圧力を検出する手段
    と、前記運転揚程あるいは運転圧力を入力して、前記駆
    動機の定格軸トルクを保持する回転数を出力する手段
    と、該出力された回転数に応答して前記駆動機の回転数
    を変化させる手段とを備え、前記流体機械の運転揚程あ
    るいは運転圧力が変化しても、前記駆動機の回転数が調
    整され、高比速度ターボ形流体機械にあっては、運転揚
    程あるいは運転圧力が定格値より低い場合は駆動機の余
    力を利用すべく回転数が上昇して吐出量が増大し、運転
    揚程あるいは運転圧力が定格値より高い場合は回転数が
    低下し駆動機の過負荷を避けることができて、低比速度
    ターボ形流体機械にあっては、運転揚程あるいは運転圧
    力が定格値より高い場合は駆動機の余力を利用すべく回
    転数が上昇して吐出量が増大し、運転揚程あるいは運転
    圧力が定格値より低い場合は回転数が低下して駆動機の
    過負荷を避けることができることを特徴とするターボ形
    流体機械の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 前記回転数を調整する手段は、運転揚程
    あるいは運転圧力の検出器と、検出された運転揚程ある
    いは運転圧力より定まる前記駆動機の定格軸トルクを与
    える回転数を出力する関数発生器と、流体機械の回転数
    検出器と、比較増巾器及び駆動機の調速機あるいは回転
    数調整装置とで構成されることを特徴とする請求項1に
    記載の流体機械の運転制御装置。
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