JP3379331B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活物質と格子との
界面の導電性を向上させた鉛蓄電池に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】鉛蓄電池は二次電池として比較的安価で
安定な性能を有しているため、ポータブル機器や電動車
の電源に用いられるサイクル使用の移動用電源、コンピ
ュータなどのバックアップに用いる据え置き用電源とし
て広く汎用化されている。 【0003】近年では、地球環境対策の一環として電気
自動車用電源としても脚光を浴びている。また、ポータ
ブル機器のコードレス化が急速に進む中で、その電源と
して価格の安い鉛蓄電池の高性能化への要望が高まって
きている。この鉛蓄電池の高性能化にはとりわけ高エネ
ルギー密度化、長寿命化が課題になってきている。 【0004】特に長寿命化の課題は活物質と極板の界面
の導電性に寄与するところが大きい。鉛蓄電池は正極に
二酸化鉛(PbO2)、負極に鉛(Pb)、電解液に硫
酸(H2O4)の水溶液を用いておりその電池反応は以下
に示す通りである。 正極:PbO2+2H++H2SO4+2e=PbSO4+2H2O 負極:Pb+SO4 2-=PbSO4+2e 上記反応式から明らかなように、放電反応では正,負極
とも活物質が硫酸鉛(PbSO4)に変化し、逆に充電
反応では正極は硫酸鉛が二酸化鉛に酸化され、負極では
硫酸鉛が鉛に還元されていく。しかし、充放電でのこの
ような活物質の変化だけではなく、極板の集電体である
格子も電解液の浸透により一部酸化還元の影響を受け
る。すなわち本来、金属伝導を保つべき鉛もしくは鉛合
金製の格子表面が活物質との界面での活物質の酸化還元
反応に伴い、酸化状態に置かれて電子伝導性が低下す
る。このように活物質と格子との界面の電子伝導性が低
下すると抵抗分極による容量密度の低下、あるいはサイ
クル特性の劣化などを引きおこし、高性能で長寿命を実
現する電池の供給が困難になる。 【0005】これらの課題を解決するため、従来から種
々の導電材を格子と活物質との界面に形成させることが
検討されている。その中でも近年、硫酸中での化学的安
定性と耐酸化性が良い鉛酸バリウム(BaPbO3)と
いう材料が電子伝導性の良好な導電材として提案されて
いる。この素材を活物質と格子表面の界面に設置し、充
放電反応時に生じる格子表面の部分酸化による電子伝導
性の低下要因を除外しようとするものであった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛酸バ
リウム(BaPbO3)の電気抵抗は1000μΩ・c
m程度であり、金属鉛の20μΩ・cmや酸化鉛の20
0μΩ・cmに比べると格段に電子伝導性が低く、導電
材として用いるためには十分な条件を備えた材料とは言
えず、さらなる電子伝導性が高い材料が望まれていた。 【0007】本発明は上記課題を解決するものであり、
格子と活物質との界面に電子伝導性の高い物質を用い、
容量密度の低下やサイクル特性の劣化のない鉛蓄電池を
提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、負極活物質が鉛で正極活物質が二酸化鉛で
ある鉛蓄電池であって、一般式(M1+M2)1-yM3x
Pb1-xO3-y(M1がK,Rb,Csの群から選ばれた
少なくとも1種以上、M2がCa,Sr,Baの群から
選ばれた少なくとも1種以上、M3がSn,Sb,Bi
の群から選ばれた少なくとも1種以上であって、0<x
≦0.15、0≦y≦0.05、M2の存在比R(M2
/(M1+M2))が0.95≦R<1.0)なる導電
性複合酸化物を活物質と格子の界面に形成させることに
したものである。この新規な導電性複合酸化物は硫酸中
での化学的安定性と耐酸化性が良く、しかも、前述のB
aPbO3よりも格段に高い電子伝導性を備えた材料で
あり、これを導電材として用いることにより格子と活物
質との界面抵抗を減少させることができるので、活物質
の利用率が高まり、充放電中にもこの状態を維持するこ
とができるので、電池の大容量化と充放電サイクル特性
の向上が可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】まず、本発明において特徴とする
導電性複合酸化物について、すでに提案されている前述
のBaPbO3と関連づけて説明する。 【0010】BaPbO3は、一般にABO3として表記
されるペロブスカイト型酸化物のAサイトにイオン化ポ
テンシャルの低いアルカリ土類金属元素を収容するた
め、鉛イオンの電子状態はバリウムのs軌道から、形式
価数4価であるべき鉛イオンの6s空軌道に若干の電子
を供与し電子伝導性が付与され易い状態にある。 【0011】しかし、アルカリ金属のようにさらにイオ
ン化ポテンシャルの低い元素によるAサイトの置換が起
これば、鉛イオンの6s軌道にはさらなる電子密度の上
昇が期待でき、電子伝導性の観点で好ましいと考えられ
る。しかしながら、ペロブスカイト型酸化物に特有のサ
イトプレファレンスという性質があり、Aサイトにはア
ルカリ土類金属のような適度のイオン半径を持つものが
優先的に収容され易い傾向があるため、現実にはAサイ
トすべてをアルカリ金属で網羅させることは不可能であ
る。 【0012】そこで、本発明者らはAサイトの主体はア
ルカリ土類金属(M2)で占め、Aサイトの一部をイオ
ン化ポテンシャルの低いアルカリ金属(M1)で置換す
るモデルを考えた。この場合、アルカリ土類金属元素
(M2)の占有率が減少するに伴い、電荷補償のための
酸素欠損が起こるので、これを考慮に入れて新規な材料
の検討を行った。その結果、電気抵抗が150μΩ・c
m程度の複合酸化物が得られた。また、複数の異種アル
カリ金属(M1)あるいは異種アルカリ土類金属(M
2)の元素が混合された複合酸化物系においても同様の
効果が得られた。 【0013】これらの検討結果から、一般式(M1+M
2)1-yPbO3-y(M1がK,Rb,Csのいずれか1
種あるいは2種以上、M2がCa,Sr,Baのいずれ
か1種あるいは2種以上であって、0≦y≦0.05、
M2の存在比R(M2/(M1+M2))が0.95≦
R<1.0)で表される新規な複合酸化物が導電材とし
て使用可能な高い導電性を備えた材料であることを見出
した。さらに上記の材料の電子伝導性の向上を図るた
め、Bサイト置換元素として鉛イオンに対しほぼ同様の
イオン化ポテンシャルを持つが、電子構造的に鉛イオン
より過剰の電子を持ちやすく鉛の6s軌道に電子供与す
る可能性の高いSb,Biを導入すること、あるいは鉛
と同族であるがイオン半径の差異で生じる酸素2p軌道
を介した電子相関効果を狙い、Snの導入により鉛6s
軌道への電子供与を試みた。これらのA、Bサイト異種
元素の一部置換により、電気抵抗が120μΩ・cm程
度にまで低減できた。 【0014】以上の検討結果を総合して、本発明による
導電材用の高導電性複合酸化物を一般式で表すと、(M
1+M2)1-yPbO3-y(M1がK,Rb,Csのいず
れか1種あるいは2種以上、M2がCa,Sr,Baの
いずれか1種あるいは2種以上であって、0≦y≦0.
05、M2の存在比R(M2/(M1+M2))が0.
95≦R<1.0)となる。本発明は、このような新規
な高導電性複合酸化物を格子と活物質の界面に形成させ
ることにより、高容量で充放電サイクル特性に優れた電
池の構成を可能にしたものである。 【0015】 【実施例】本実施例での鉛蓄電池の導電材として検討し
た各種の導電性複合酸化物は、その複合酸化物の化学量
論量に相当する量の置換元素と鉛酸化物を混合し、酸化
雰囲気下で600〜750℃の条件で焼成して合成し
た。置換元素を含む化合物として、M1,M2について
は水酸化物、炭酸塩を用い、M3については酸化物、水
酸化物を用いた。また鉛酸化物としては、PbO,Pb
3O4などの酸化物を原料として用いた。このようにして
得た導電性複合酸化物をメチルピロリドン系の揮発性溶
媒に加えて練合し導電材ペーストを作成した。この導電
材ペーストをシール電池用の鉛合金製鋳造格子の上に塗
布し、80℃で1時間乾燥させ、溶媒を揮発させた。こ
うして作成した導電材層で被覆された鋳造格子に活物質
ペーストを充填し、この極板を化成して正極板とした、
なお、活物質ペーストは酸化度70%〜80%の鉛粉6
kgに1.4lの希硫酸(比重:1.20 20℃)を
徐々に加えながら練合して作成した。なお、極板のサイ
ズは縦40mmx横13mm、厚み1.3mmであり、
この極板に充填されたペースト重量は約2.3gであっ
た。充填電気量は各ペーストに含まれる鉛原子のモル数
を計算し、それらが化成によってすべてが二酸化鉛に変
化したとして算出した。 【0016】なお、実施例の電池は正極の充填容量に対
して約2倍の充填容量を持つシール電池用の負極板を用
いて正極容量規制の構成し、正極の特性を評価した。 【0017】この0.2Cの定電流放電によって放電容
量を調べ、正極の充填電気量を基準とし活物質の放電利
用率を算出した。また、サイクル特性は充放電サイクル
試験後の放電容量が初期容量の半分に低下するまでのサ
イクル数により評価した。 【0018】表1〜3に上記の一般式のうち、y=0,
M1:K,M2:Ba,M2/(M1+M2)=0.9
8とし、M3(Bi,Sb,Sn)の置換量を変化させ
た各種の導電性複合酸化物を用いた電池の評価結果を示
す。表1はM3=Biの場合(y=M1:K,M2:B
a M2/(M1+M2)=0.98)、表2はM3=
Sbの場合(y=0;M1:K,M2:Ba M2/
(M1+M2)=0.98、表3はM3=Snの場合
(y=0;M1:K,M2:Ba M2/(M1+M
2)=0.98)をそれぞれ示す。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】 【0021】 【表3】 【0022】表1〜3からわかるように、y=0,M
1:K,M2:Ba,M2/(M1+M2)=0.98
の条件下では、Sn,Sb,Biのいずれも0<x≦
0.15の範囲の導電性複合酸化物を導電材として用い
た場合は何れも利用率,サイクル特性とも、比較例のB
aPbO3を用いた場合よりも改善されている。X=
0.00においては、Bサイトの異種金属による置換効
果がないため、比較例と同様の特性を示した。しかし、
X=0.01では微量異種元素の効果が認められた。一
方、X=0.2以上では単相のペロブスカイト型酸化物
が合成できないことにより、特性が低下したものと考え
られる。 【0023】次に、導電材として用いた導電性複合酸化
物をM3;Bi、X=0.1とし、Aサイトの占有元素
を変化させた場合の電池の特性試験の結果を表4〜12
に示す。表4はM1=K,M2=Ba,M2/(M1+
M2)=0.98の場合(X=0.1 M3:Bi)、
表5はM1=K,M2=Ca,M2/(M1+M2)=
0.98の場合(x=0.1 M3:Bi)、表6はM
1=K,M2=Sr,M2/(M1+M2)=0.98
の場合(x=0.1 M3:Bi)、表7はM1=R
b,M2=Ba M2/(M1+M2)=0.98の場
合(x=0.1M3:Bi)、表8はM1=Rb,M2
=Ca, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x
=0.1 M3:Bi)、表9はM1=Rb,M2=S
r, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1 M3:Bi)、表10はM1=Cs,M2=C
a ,M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1M3:Bi)、表11はM1=Cs,M2=S
r, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1 M3:Bi)、表12はM1=Cs,M2=B
a,M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=0.
1 M3:Bi)をそれぞれ示す。 【0024】 【表4】 【0025】 【表5】 【0026】 【表6】 【0027】 【表7】 【0028】 【表8】【0029】 【表9】 【0030】 【表10】 【0031】 【表11】 【0032】 【表12】 【0033】表4〜12からわかるように、x=0.
1、M3:Biの条件下ではM1がK,Rb,Csであ
ってM2がCa,Sr,Baのいずれの組み合わせであ
っても、M2/(M1+M2)=0.98の条件では0
≦y≦0.05の組成範囲内の導電性複合酸化物を用い
た場合に、比較例よりも優れた利用率とサイクル特性が
得られる。y=0の場合はAサイトの全てが占有されて
おり、しかもサイトの一部がM1で置換されているた
め、Aサイト内の不定比量論性に伴う電子伝導性向上の
効果が得られる。一方y=0.05を越えると特性が低
下する傾向にあるが、これはAサイトの欠損量が多くな
り、ペロブスカイト型構造の維持が本質的に困難にな
り、特性低下を引き起こしたものと考えられる。 【0034】なお、M2/(M1+M2)の比率Rは9
5%以上がM2(アルカリ土類金属)の群でなければ、
サイトプレファレンス効果により単相の結晶構造を持つ
ペロブスカイトが生成されない。また、Aサイトの10
0%がM2(アルカリ土類金属)で占有されると、より
電子供与性の効果が期待できるアルカリ金属の寄与がな
くなり、本発明に基づく高い電子伝導性を備えた複合酸
化物を得るためには、0.95≦R<1.0とするのが
好ましい。 【0035】また、表1〜12ではM1,M2,M3の
単一元素を置換した複合酸化物を用いた場合の結果を示
したが、それぞれのグループ内で前記の一般式に記載し
た複数の元素が混合された状態で導入された複合酸化物
を用いた場合にも同様の効果があることが確認された。 【0036】 【発明の効果】以上のように、本発明は本文に記載の一
般式で表される新規な高導電性複合酸化物を格子と活物
質の界面に導電材として介在させることにより、従来か
ら提案されている鉛酸バリウムを用いた場合よりも、格
段に活物質の利用率を高めることができ、高容量で充放
電サイクル特性に優れた高性能の鉛蓄電池を提供でき
る。
界面の導電性を向上させた鉛蓄電池に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】鉛蓄電池は二次電池として比較的安価で
安定な性能を有しているため、ポータブル機器や電動車
の電源に用いられるサイクル使用の移動用電源、コンピ
ュータなどのバックアップに用いる据え置き用電源とし
て広く汎用化されている。 【0003】近年では、地球環境対策の一環として電気
自動車用電源としても脚光を浴びている。また、ポータ
ブル機器のコードレス化が急速に進む中で、その電源と
して価格の安い鉛蓄電池の高性能化への要望が高まって
きている。この鉛蓄電池の高性能化にはとりわけ高エネ
ルギー密度化、長寿命化が課題になってきている。 【0004】特に長寿命化の課題は活物質と極板の界面
の導電性に寄与するところが大きい。鉛蓄電池は正極に
二酸化鉛(PbO2)、負極に鉛(Pb)、電解液に硫
酸(H2O4)の水溶液を用いておりその電池反応は以下
に示す通りである。 正極:PbO2+2H++H2SO4+2e=PbSO4+2H2O 負極:Pb+SO4 2-=PbSO4+2e 上記反応式から明らかなように、放電反応では正,負極
とも活物質が硫酸鉛(PbSO4)に変化し、逆に充電
反応では正極は硫酸鉛が二酸化鉛に酸化され、負極では
硫酸鉛が鉛に還元されていく。しかし、充放電でのこの
ような活物質の変化だけではなく、極板の集電体である
格子も電解液の浸透により一部酸化還元の影響を受け
る。すなわち本来、金属伝導を保つべき鉛もしくは鉛合
金製の格子表面が活物質との界面での活物質の酸化還元
反応に伴い、酸化状態に置かれて電子伝導性が低下す
る。このように活物質と格子との界面の電子伝導性が低
下すると抵抗分極による容量密度の低下、あるいはサイ
クル特性の劣化などを引きおこし、高性能で長寿命を実
現する電池の供給が困難になる。 【0005】これらの課題を解決するため、従来から種
々の導電材を格子と活物質との界面に形成させることが
検討されている。その中でも近年、硫酸中での化学的安
定性と耐酸化性が良い鉛酸バリウム(BaPbO3)と
いう材料が電子伝導性の良好な導電材として提案されて
いる。この素材を活物質と格子表面の界面に設置し、充
放電反応時に生じる格子表面の部分酸化による電子伝導
性の低下要因を除外しようとするものであった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛酸バ
リウム(BaPbO3)の電気抵抗は1000μΩ・c
m程度であり、金属鉛の20μΩ・cmや酸化鉛の20
0μΩ・cmに比べると格段に電子伝導性が低く、導電
材として用いるためには十分な条件を備えた材料とは言
えず、さらなる電子伝導性が高い材料が望まれていた。 【0007】本発明は上記課題を解決するものであり、
格子と活物質との界面に電子伝導性の高い物質を用い、
容量密度の低下やサイクル特性の劣化のない鉛蓄電池を
提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、負極活物質が鉛で正極活物質が二酸化鉛で
ある鉛蓄電池であって、一般式(M1+M2)1-yM3x
Pb1-xO3-y(M1がK,Rb,Csの群から選ばれた
少なくとも1種以上、M2がCa,Sr,Baの群から
選ばれた少なくとも1種以上、M3がSn,Sb,Bi
の群から選ばれた少なくとも1種以上であって、0<x
≦0.15、0≦y≦0.05、M2の存在比R(M2
/(M1+M2))が0.95≦R<1.0)なる導電
性複合酸化物を活物質と格子の界面に形成させることに
したものである。この新規な導電性複合酸化物は硫酸中
での化学的安定性と耐酸化性が良く、しかも、前述のB
aPbO3よりも格段に高い電子伝導性を備えた材料で
あり、これを導電材として用いることにより格子と活物
質との界面抵抗を減少させることができるので、活物質
の利用率が高まり、充放電中にもこの状態を維持するこ
とができるので、電池の大容量化と充放電サイクル特性
の向上が可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】まず、本発明において特徴とする
導電性複合酸化物について、すでに提案されている前述
のBaPbO3と関連づけて説明する。 【0010】BaPbO3は、一般にABO3として表記
されるペロブスカイト型酸化物のAサイトにイオン化ポ
テンシャルの低いアルカリ土類金属元素を収容するた
め、鉛イオンの電子状態はバリウムのs軌道から、形式
価数4価であるべき鉛イオンの6s空軌道に若干の電子
を供与し電子伝導性が付与され易い状態にある。 【0011】しかし、アルカリ金属のようにさらにイオ
ン化ポテンシャルの低い元素によるAサイトの置換が起
これば、鉛イオンの6s軌道にはさらなる電子密度の上
昇が期待でき、電子伝導性の観点で好ましいと考えられ
る。しかしながら、ペロブスカイト型酸化物に特有のサ
イトプレファレンスという性質があり、Aサイトにはア
ルカリ土類金属のような適度のイオン半径を持つものが
優先的に収容され易い傾向があるため、現実にはAサイ
トすべてをアルカリ金属で網羅させることは不可能であ
る。 【0012】そこで、本発明者らはAサイトの主体はア
ルカリ土類金属(M2)で占め、Aサイトの一部をイオ
ン化ポテンシャルの低いアルカリ金属(M1)で置換す
るモデルを考えた。この場合、アルカリ土類金属元素
(M2)の占有率が減少するに伴い、電荷補償のための
酸素欠損が起こるので、これを考慮に入れて新規な材料
の検討を行った。その結果、電気抵抗が150μΩ・c
m程度の複合酸化物が得られた。また、複数の異種アル
カリ金属(M1)あるいは異種アルカリ土類金属(M
2)の元素が混合された複合酸化物系においても同様の
効果が得られた。 【0013】これらの検討結果から、一般式(M1+M
2)1-yPbO3-y(M1がK,Rb,Csのいずれか1
種あるいは2種以上、M2がCa,Sr,Baのいずれ
か1種あるいは2種以上であって、0≦y≦0.05、
M2の存在比R(M2/(M1+M2))が0.95≦
R<1.0)で表される新規な複合酸化物が導電材とし
て使用可能な高い導電性を備えた材料であることを見出
した。さらに上記の材料の電子伝導性の向上を図るた
め、Bサイト置換元素として鉛イオンに対しほぼ同様の
イオン化ポテンシャルを持つが、電子構造的に鉛イオン
より過剰の電子を持ちやすく鉛の6s軌道に電子供与す
る可能性の高いSb,Biを導入すること、あるいは鉛
と同族であるがイオン半径の差異で生じる酸素2p軌道
を介した電子相関効果を狙い、Snの導入により鉛6s
軌道への電子供与を試みた。これらのA、Bサイト異種
元素の一部置換により、電気抵抗が120μΩ・cm程
度にまで低減できた。 【0014】以上の検討結果を総合して、本発明による
導電材用の高導電性複合酸化物を一般式で表すと、(M
1+M2)1-yPbO3-y(M1がK,Rb,Csのいず
れか1種あるいは2種以上、M2がCa,Sr,Baの
いずれか1種あるいは2種以上であって、0≦y≦0.
05、M2の存在比R(M2/(M1+M2))が0.
95≦R<1.0)となる。本発明は、このような新規
な高導電性複合酸化物を格子と活物質の界面に形成させ
ることにより、高容量で充放電サイクル特性に優れた電
池の構成を可能にしたものである。 【0015】 【実施例】本実施例での鉛蓄電池の導電材として検討し
た各種の導電性複合酸化物は、その複合酸化物の化学量
論量に相当する量の置換元素と鉛酸化物を混合し、酸化
雰囲気下で600〜750℃の条件で焼成して合成し
た。置換元素を含む化合物として、M1,M2について
は水酸化物、炭酸塩を用い、M3については酸化物、水
酸化物を用いた。また鉛酸化物としては、PbO,Pb
3O4などの酸化物を原料として用いた。このようにして
得た導電性複合酸化物をメチルピロリドン系の揮発性溶
媒に加えて練合し導電材ペーストを作成した。この導電
材ペーストをシール電池用の鉛合金製鋳造格子の上に塗
布し、80℃で1時間乾燥させ、溶媒を揮発させた。こ
うして作成した導電材層で被覆された鋳造格子に活物質
ペーストを充填し、この極板を化成して正極板とした、
なお、活物質ペーストは酸化度70%〜80%の鉛粉6
kgに1.4lの希硫酸(比重:1.20 20℃)を
徐々に加えながら練合して作成した。なお、極板のサイ
ズは縦40mmx横13mm、厚み1.3mmであり、
この極板に充填されたペースト重量は約2.3gであっ
た。充填電気量は各ペーストに含まれる鉛原子のモル数
を計算し、それらが化成によってすべてが二酸化鉛に変
化したとして算出した。 【0016】なお、実施例の電池は正極の充填容量に対
して約2倍の充填容量を持つシール電池用の負極板を用
いて正極容量規制の構成し、正極の特性を評価した。 【0017】この0.2Cの定電流放電によって放電容
量を調べ、正極の充填電気量を基準とし活物質の放電利
用率を算出した。また、サイクル特性は充放電サイクル
試験後の放電容量が初期容量の半分に低下するまでのサ
イクル数により評価した。 【0018】表1〜3に上記の一般式のうち、y=0,
M1:K,M2:Ba,M2/(M1+M2)=0.9
8とし、M3(Bi,Sb,Sn)の置換量を変化させ
た各種の導電性複合酸化物を用いた電池の評価結果を示
す。表1はM3=Biの場合(y=M1:K,M2:B
a M2/(M1+M2)=0.98)、表2はM3=
Sbの場合(y=0;M1:K,M2:Ba M2/
(M1+M2)=0.98、表3はM3=Snの場合
(y=0;M1:K,M2:Ba M2/(M1+M
2)=0.98)をそれぞれ示す。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】 【0021】 【表3】 【0022】表1〜3からわかるように、y=0,M
1:K,M2:Ba,M2/(M1+M2)=0.98
の条件下では、Sn,Sb,Biのいずれも0<x≦
0.15の範囲の導電性複合酸化物を導電材として用い
た場合は何れも利用率,サイクル特性とも、比較例のB
aPbO3を用いた場合よりも改善されている。X=
0.00においては、Bサイトの異種金属による置換効
果がないため、比較例と同様の特性を示した。しかし、
X=0.01では微量異種元素の効果が認められた。一
方、X=0.2以上では単相のペロブスカイト型酸化物
が合成できないことにより、特性が低下したものと考え
られる。 【0023】次に、導電材として用いた導電性複合酸化
物をM3;Bi、X=0.1とし、Aサイトの占有元素
を変化させた場合の電池の特性試験の結果を表4〜12
に示す。表4はM1=K,M2=Ba,M2/(M1+
M2)=0.98の場合(X=0.1 M3:Bi)、
表5はM1=K,M2=Ca,M2/(M1+M2)=
0.98の場合(x=0.1 M3:Bi)、表6はM
1=K,M2=Sr,M2/(M1+M2)=0.98
の場合(x=0.1 M3:Bi)、表7はM1=R
b,M2=Ba M2/(M1+M2)=0.98の場
合(x=0.1M3:Bi)、表8はM1=Rb,M2
=Ca, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x
=0.1 M3:Bi)、表9はM1=Rb,M2=S
r, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1 M3:Bi)、表10はM1=Cs,M2=C
a ,M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1M3:Bi)、表11はM1=Cs,M2=S
r, M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=
0.1 M3:Bi)、表12はM1=Cs,M2=B
a,M2/(M1+M2)=0.98の場合(x=0.
1 M3:Bi)をそれぞれ示す。 【0024】 【表4】 【0025】 【表5】 【0026】 【表6】 【0027】 【表7】 【0028】 【表8】【0029】 【表9】 【0030】 【表10】 【0031】 【表11】 【0032】 【表12】 【0033】表4〜12からわかるように、x=0.
1、M3:Biの条件下ではM1がK,Rb,Csであ
ってM2がCa,Sr,Baのいずれの組み合わせであ
っても、M2/(M1+M2)=0.98の条件では0
≦y≦0.05の組成範囲内の導電性複合酸化物を用い
た場合に、比較例よりも優れた利用率とサイクル特性が
得られる。y=0の場合はAサイトの全てが占有されて
おり、しかもサイトの一部がM1で置換されているた
め、Aサイト内の不定比量論性に伴う電子伝導性向上の
効果が得られる。一方y=0.05を越えると特性が低
下する傾向にあるが、これはAサイトの欠損量が多くな
り、ペロブスカイト型構造の維持が本質的に困難にな
り、特性低下を引き起こしたものと考えられる。 【0034】なお、M2/(M1+M2)の比率Rは9
5%以上がM2(アルカリ土類金属)の群でなければ、
サイトプレファレンス効果により単相の結晶構造を持つ
ペロブスカイトが生成されない。また、Aサイトの10
0%がM2(アルカリ土類金属)で占有されると、より
電子供与性の効果が期待できるアルカリ金属の寄与がな
くなり、本発明に基づく高い電子伝導性を備えた複合酸
化物を得るためには、0.95≦R<1.0とするのが
好ましい。 【0035】また、表1〜12ではM1,M2,M3の
単一元素を置換した複合酸化物を用いた場合の結果を示
したが、それぞれのグループ内で前記の一般式に記載し
た複数の元素が混合された状態で導入された複合酸化物
を用いた場合にも同様の効果があることが確認された。 【0036】 【発明の効果】以上のように、本発明は本文に記載の一
般式で表される新規な高導電性複合酸化物を格子と活物
質の界面に導電材として介在させることにより、従来か
ら提案されている鉛酸バリウムを用いた場合よりも、格
段に活物質の利用率を高めることができ、高容量で充放
電サイクル特性に優れた高性能の鉛蓄電池を提供でき
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平8−45511(JP,A)
特開 平2−299154(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 4/62
H01M 4/66 - 4/68
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 負極活物質が鉛、正極活物質が二酸化
鉛であってこれらの活物質が格子上に保持された鉛蓄電
池であって、導電材として一般式(M1+M2)1-yM
3xPb1-xO3-y(M1がK,Rb,Csの群から選ば
れた少なくとも1種以上、M2がCa,Sr,Baの群
から選ばれた少なくとも1種以上、M3がSn,Sb,
Biの群から選ばれた少なくとも1種以上であって、0
<x≦0.15、0≦y≦0.05、M2の存在比R
(M2/(M1+M2))が0.95≦R<1.0)で
表される導電性複合酸化物を前記活物質と前記格子との
界面に存在させたことを特徴とする鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10671196A JP3379331B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10671196A JP3379331B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 鉛蓄電池 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09293514A JPH09293514A (ja) | 1997-11-11 |
| JP3379331B2 true JP3379331B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=14440561
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10671196A Expired - Fee Related JP3379331B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 鉛蓄電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3379331B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6775764B2 (ja) | 2016-09-30 | 2020-10-28 | 株式会社Gsユアサ | 鉛蓄電池 |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP10671196A patent/JP3379331B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09293514A (ja) | 1997-11-11 |
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