JP3513112B2 - 車高調節装置 - Google Patents

車高調節装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアサスペンショ
ンを備えた車両に利用する。本発明は、エアサスペンシ
ョンにより支持された車高が、エアサスペンションに供
給される空気圧を自動制御することにより一定に維持さ
れる車高調節装置であって、その制御の目標値となる車
高を操作により変更することができる装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大型自動車には、車軸とシャシとの間に
エアスプリングを配置するエアサスペンションが広く普
及した。エアサスペンションを装備した車両の車高調節
装置は、エアサスペンションを配置した車軸とシャシと
の間に車高センサを設け、この車高センサの検出出力を
制御装置に入力信号として取り込み、車高がつねに設定
された目標値に維持されるように、各エアサスペンショ
ンの空気圧を自動調節するように構成されている。
【0003】このような装置を備えた車両では、その積
み荷の重量や搭乗人員が変化しても、つねに一定の車高
を維持して走行することができる。しかし、たとえば荷
役作業を行うときに、車両の荷台の高さを積み卸し基地
のプラットフォームの高さに等しくすることなどが必要
であり、このときには、操作により一時的に車高を変更
することができるように設計された装置が知られてい
る。そのような装置が装備された車両では、たとえば車
両の後部に外から操作できる操作スイッチが設けられて
いて、運転者は車両をプラットフォームの位置に停車さ
せてから、運転席を降り、この操作スイッチを操作し
て、荷台の高さがちょうどプラットフォームの高さにな
るように調節することができる。
【0004】このような装置は、車両の停車中またはエ
ンジンの停止中にも車高調節装置を作動させておき、そ
の車高調節装置の制御目標値を一時的に変更することが
できるようになっている(特開平10 -166830号公報参
照) 。すなわち、その操作スイッチは小さいレバーによ
り「上」または「下」の操作ができるようになってい
て、そのレバーが操作されている間は一時的に自動制御
の動作を停止させて、操作にしたがってエアサスペンシ
ョンの空気圧を増大または減少させる。これに伴いゆっ
くりと荷台の高さが上または下に変化する。操作スイッ
チの操作が終了してレバーが中立(OFF)位置に戻さ
れると、制御装置はその直後の車高値を車高センサの検
出出力から読み取り、この値を新たに制御の目標値とし
て設定して車高調節制御を継続するように構成されてい
る。ここでその直後の車高値というが、現実には車高に
は細かい上下振動があるから、その直後からごく短い時
間t0(例えば1秒間)の車高センサの検出出力の平均
値を演算して、これを目標値として設定するように構成
されている。
【0005】この状態では、車両は停車していてもエン
ジンを停止させていても、エアサスペンションの自動制
御は継続されている。たとえば荷役作業により積み荷の
重量が大きくなるにしたがって、車高が低くなるとエア
サスペンションの空気圧を増大させて、車高を目標値に
維持するように制御される。したがって、荷役作業の期
間にわたり、荷台の高さをプラットフォームの高さに等
しく維持させることができる。荷役作業が終わったとき
には、運転者は運転席の操作により、この車高調節装置
に設定された車高の目標値を解除すると、荷役作業の前
に設定されていた標準値がメモリから読みだされて、こ
れが新たな目標値として自動的に設定され標準的な車高
になるように自動調節が実行される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような装置でつぎ
のような不都合が経験された。すなわち、荷役作業のた
めに、操作により臨時に荷台の高さをプラットフォーム
の高さに調節しようとして、運転者が操作スイッチを操
作し、荷台をゆるやかに上昇(または降下)させる。こ
のとき、荷台の上面がちょうどプラットフォームの高さ
に一致したときに操作スイッチのUP(またはDOW
N)のボタンから手を放すと、その直後の荷台の高さが
自動的に新しい車高の制御目標値として設定される。そ
して、操作スイッチから手を放したところで、荷台の高
さを変更するためにエアサスペンションに供給(または
排気)されていた空気圧の流れは止まるから、ここで荷
台の上昇(または降下)は止まるはずである。ところ
が、エアサスペンションの空気圧制御系の空気管路には
ある容積があり、その空気管路の中の気圧は最終的な平
衡状態に収束するまでわずかであるが変化する。この変
化に伴い荷台の高さも、あとわずかに上昇(または降
下)する。
【0007】そうすると、制御装置は設定された新しい
目標値にしたがって車高制御を行うから、荷台の高さが
高すぎたり低すぎたりするとこれは自動的に調節され
る。つまり荷台の高さがちょうどプラットフォームの高
さに一致したところを制御の目標値とすると、その一致
したところを通りすぎてからもういちど調節動作が行わ
れることになる。これはオーバーシュートとなる。もし
操作スイッチから手を放した後の荷台の高さの変化が比
較的小さく、これが制御誤差として許容される量である
ときには制御装置は応動しない。しかし、何らかの小さ
いショックが与えられるなどをきっかけとして、とつぜ
んにオーバーシュート分の車高調節が行われるようなこ
とがある。このような場合には、運転者や荷役作業を行
う者に違和感を与えることになる。
【0008】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、車高調節装置の車高を操作により変更すると
きに、オーバーシュートが発生しない車高調節装置を提
供することを目的とする。本発明は、制御弁が最終状態
に変位してから制御系の空気圧管路内の空気圧が平衡状
態になるまでに要する時間に起因して、操作者の予期し
ない調節動作が行われることのない装置を提供すること
を目的とする。
【0009】なお関連技術として、特開平 11-123920号
公報には、車高を下げた状態から元の状態に復帰すると
きに、車高が上がりすぎることを防止する技術が開示さ
れている。これは上記のオーバーシュート軽減を目的と
するものではなく、またその対策の手法も異なる。特開
平 10-278533号公報には、操作により車高調節を行うと
きの車台の傾斜を少なくするための技術が開示されてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、操作スイッチ
を操作して車高調節を行うときに、操作スイッチから手
を放した直後ではなく、ある時間tを経過したときの車
高センサの値を取り込み、これを新たな設定値とするこ
とを特徴とする。
【0011】この時間tは、上記従来例技術の作用とし
て説明した車高センサの検出値を平均化するための短い
時間t0 とは別のものである。上記時間tを経過した後
にこの平均化するための短い時間t0 を設けるように設
計することもできる。
【0012】すなわち本発明は、シャシ(10)を車軸
(11)に支持するエアサスペンション(1)と、この
エアサスペンション(1)に供給する空気圧を調節する
エアバルブ(2)と、前記車軸(11)に対する前記シ
ャシ(10)の距離を車高として検出する車高センサ
(3)と、この車高センサ(3)の検出出力を入力とし
前記車高が目標値に維持されるように前記エアバルブを
自動制御する制御装置(4)と、この制御装置(4)に
接続された車高調節用の操作スイッチ(5)とを備え、
前記制御装置(4)は、この操作スイッチ(5)が操作
されたとき前記自動制御する手段の動作を一時停止させ
るとともにその車高調節スイッチの入力にしたがって前
記空気圧を変更する手段を含む車高調節装置において、
前記操作スイッチ(5)の操作入力にしたがって車高が
変更されたときには、その操作スイッチ(5)の操作入
力がなくなってから所定時間t(ただしt≠0)を経過
した後の前記車高センサの検出出力を新たな目標値とし
て設定する手段を含むことを特徴とする。前記時間tは
3秒ないし7秒とすることがよい。
【0013】上記括弧内の数字は、後から説明する実施
例図面の参照数字である。これは、発明の構成を理解し
やすいように付記するものであって、発明を実施例に限
定して理解するためのものではない。
【0014】この構成により、空気圧制御系の配管など
の気圧が平衡状態になるまでにある時間がかかり、その
間に車高が小さく変化することがあっても、前記時間t
が経過したときには、制御系の気圧が平衡状態になるま
たはほとんど平衡状態になる。したがって、車高が安定
してから車高センサの検出出力を取り込み、これを新た
な目標値として設定することになる。その後は、制御装
置がこの新たに設定された目標値になるように車高を自
動調節するから、制御は安定した状態から開始されるこ
とになり、上述のようにとつぜんに不自然な制御が行わ
れるようなことがなくなる。
【0015】この装置では、操作により車高調節を行う
際に、車高がちょうど目的とする高さに達したときに操
作スイッチから手を放すのではなく、ややその手前で手
を放すように操作することがよい。たとえば荷台がちょ
うどプラットフォームの高さになった瞬間ではなく、そ
の少し前に、タイミングを見計らって操作スイッチをオ
フにするように操作することがよい。多数の運転者につ
いて試験を行ったところ、このような操作は運転者にと
って自然な操作であり、数回の練習をすることにより慣
れてしまうものでありまったく問題ないことがわかっ
た。
【0016】
【発明の実施の形態】図面を用いて本発明実施例を説明
する。図1は本発明実施例エアサスペンション制御系の
ブロック構成図である。図2は左後輪のエアサスペンシ
ョン構造図である。エアタンク10には図外の空気圧源
からチエックバルブを経由して、エアサスペンション系
に利用する空気圧が供給される。このエアタンク10の
空気圧は、左右のエアバルブ2を介してそれぞれ左右の
エアサスペンション1に供給される。各エアバルブ2は
制御装置4から電気信号により制御される。制御装置4
はプログラム制御回路を含む。
【0017】図2に示すように、一つのエアサスペンシ
ョン1は一対のエアスプリング6により構成される。車
軸12はこのエアサスペンション1を介してシャシ11
を支持する。このエアサスペンション1には、機械的に
並列に車軸12とシャシ11との距離を検出する車高セ
ンサ3が設けられている。車高センサ3は機械電気変換
素子であり、たとえば機械変位を抵抗器の抵抗値の変化
に変換し、この抵抗器を通過する電流値が検出出力とな
る。ショックアブソーバ13は車軸12とシャシ11と
の間の急激な変位を吸収する。
【0018】図1にもどって、車高センサ3の検出出力
はこれは制御装置4に取り込まれ、インターフェース
(図示せず)を介してプログラム制御回路の制御入力情
報となる。制御装置4はトラックのキャブ内に配置さ
れ、その運転席には表示灯7およびメインスイッチ8が
設けられている。そして、キャブ外のトラックの荷物の
積み卸し口の近傍に、操作スイッチ5が設けられてい
る。また制御装置4には車速を検出する回転センサ9の
出力情報が取り込まれる。
【0019】このように構成された装置は、車両が走行
しているときには、運転者はメインスイッチ8をノーマ
ル位置に設定することにより、制御装置は車高センサ3
の検出出力にしたがって、車高が標準的に設定された目
標値になるようにエアバルブ2を制御して、エアサスペ
ンション1の空気圧を調節する。これにより車高は一定
値に制御される。
【0020】いま車両が荷物の積み卸しを行う荷役用プ
ラットフォームの位置に到着し、その荷台の高さをプラ
ットフォームの上面に合わせる操作を行う場合を説明す
る。運転者は車両をプラットフォームに接近させて停車
させ、車高調節装置のメインスイッチ8をマニュアル側
に切り換える。これにより車外で操作する操作スイッチ
5が有効な状態になる。そして運転者はキャブから外に
出て、操作スイッチ5をつかみ、この押しボタン「U
P」または「DOWN」を操作することにより車高を上
下させる。荷台の高さがちょうどプラットフォームの高
さになる少し手前で、この操作スイッチ5の操作をやめ
ると、荷台の高さの変化が緩やかになりちょうどプラッ
トフォームの高さに一致したところで停止する。上述の
ように、操作スイッチ5の操作をどの時点でやめるか
は、数回の訓練により簡単に習得することができる。
【0021】図3は本発明実施例装置の本発明に係る要
部制御フローチャートである。すなわち、運転者が操作
スイッチ5の操作をはじめると、この制御装置は通常の
自動制御を一時的に停止させる。そして操作スイッチ5
の指示にしたがって、エアサスペンション1に空気圧を
供給するまたは空気圧を排気することにより、荷台の高
さを上昇または降下させる。運転者が操作スイッチ5か
ら手を離して操作スイッチがオフ状態になると、制御装
置の内部に設定されたタイマがt秒間(この実施例では
4秒間)作動し、このタイマのタイムアウトの瞬間から
0 秒間(この実施例では1秒間)にわたり車高センサ
3の検出出力を取り込む。そしてこのt 0 秒間の値を平
均化する演算を実行し、これを新たな目標値として制御
装置に設定する。これにより、荷台の高さがプラットフ
ォームの高さに一致した状態で荷役作業が行われる。荷
役作業の期間も原則的にこの制御装置は有効に動作し、
たとえば積み荷の重量が大きくなり、荷台の高さが低く
なると自動的にエアサスペンションに空気圧が供給され
荷台の高さが調節される。
【0022】上記タイマの時間tについては、それぞれ
エアサスペンション制御系の構造により適当な値を設定
することができる。これは設計上の選択の問題である。
時間tを長くとれば車高調節がより安定した状態で制御
の目標値を設定することができる。しかし時間tは、運
転者などがこれから荷物の積み卸し作業にとりかかろう
とするときの時間であり、あまり長すぎると、作業者が
荷台の上に立ち入るなどの別の状況になることが考えら
れるから、むやみに長くすることは適当ではない。また
時間tが短いと本発明による効果が小さくなるが、この
時間tが短くしても相応の効果を期待することができる
から、車高の変化が完全に静まる前に比較的短い時間に
設定することも一つの選択である。さまざまな試験の結
果から、本発明実施例装置では、この時間tは3秒ない
し5秒の間に設定することが適当であった。
【0023】
【発明の効果】このように、本発明の装置では操作スイ
ッチによる車高の調節が行われ、その操作が終了する
と、上記時間tが経過した後に、空気制御系の管路など
の空気圧が安定な状態になってから、車高センサの検出
出力の取り込みが行われるから、オーバーシュートなど
の現象が回避されるとともに、いったん調節制御にはい
ってから予期しない時に急に車高が変化するなどの現象
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施例装置のブロック構成図。
【図2】後軸左側のエアサスペンション構造図。
【図3】本発明実施例装置の要部制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エアサスペンション 2 エアバルブ 3 車高センサ 4 制御装置 5 操作スイッチ 6 エアスプリング 7 表示灯 8 メインスイッチ 9 回転センサ 10 エアタンク 11 シャシ 12 車軸 13 ショックハブソーバ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャシを車軸に支持するエアサスペンショ
    ンと、このエアサスペンションに供給する空気圧を調節
    するエアバルブと、前記車軸に対する前記シャシの距離
    を車高として検出する車高センサと、この車高センサの
    検出出力を入力とし前記車高が目標値に維持されるよう
    に前記エアバルブを自動制御する制御装置と、この制御
    装置に接続された車高調節用の操作スイッチとを備え、 前記制御装置は、この操作スイッチが操作されたとき前
    記自動制御する手段の動作を一時停止させるとともにそ
    の車高調節スイッチの入力にしたがって前記空気圧を変
    更する手段を含む車高調節装置において、 前記制御装置は、前記操作スイッチの操作入力にしたが
    って車高が変更されたときには、その操作スイッチの操
    作入力がなくなってから所定時間tを経過した後の前記
    車高センサの検出出力を新たな目標値として設定する手
    段を含むことを特徴とする車高調節装置。
  2. 【請求項2】前記時間tは3秒ないし7秒である請求項
    1記載の車高調節装置。
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