JP3513236B2 - X線マスク構造体、x線マスク構造体の製造方法、該x線マスク構造体を用いたx線露光装置及びx線露光方法、並びに該x線露光方法を用いて製造される半導体装置 - Google Patents

X線マスク構造体、x線マスク構造体の製造方法、該x線マスク構造体を用いたx線露光装置及びx線露光方法、並びに該x線露光方法を用いて製造される半導体装置

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JP3513236B2 JP30168894A JP30168894A JP3513236B2 JP 3513236 B2 JP3513236 B2 JP 3513236B2 JP 30168894 A JP30168894 A JP 30168894A JP 30168894 A JP30168894 A JP 30168894A JP 3513236 B2 JP3513236 B2 JP 3513236B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大規模集積回路(LS
I)や、マイクロオプティックスやマイクロマシン等の
微細パターンをX線露光によりウエハ等に焼き付ける際
に用いられるX線マスク構造体、その製造方法、更に該
X線マスク構造体を用いたX線露光装置及びX線露光方
法、該X線露光方法を用いて製造される半導体装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】DRAMに代表される大規模集積回路
は、今や4M(メガ)DRAMの量産期にあたり、しか
も、16MDRAMから256MDRAMへと急速に技
術的に進歩している。これに伴い、半導体デバイスに要
求される最小線幅も、ハーフミクロンからクォーターミ
クロンへと縮小している。又、これらの半導体デバイス
は、近紫外光から遠紫外光の波長の光を用いて、マスク
から半導体基板へと転写されるが、これらの光の波長で
は、加工することが出来る半導体デバイスの加工線幅も
限界に近付きつつある。又、露光波長の短波長化や投影
光学系の開口数の増加に伴う焦点深度の低下も免れ得な
い。これに対し、X線を利用したリソグラフィー技術
は、上記の問題を同時に解決し得るものとしてその期待
が大きく、露光波長としてX線領域(2〜20Å)の光
を利用したX線露光装置が開発されつつある。
【0003】上記X線露光に使用されるX線マスク構造
体は、一般的に、適当な支持枠上に形成されたX線透過
膜上に、更に、X線吸収体の微細パターンやアライメン
トに使用するアライメントパターンが形成された構造を
有する。かかるX線マスク構造体の製造方法としては、
先ず第1の例に、X線透過膜の平坦化処理工程を含むこ
とを特徴とする方法がある。以下、この第1の例に挙げ
た方法を、図21を用いてに説明する。
【0004】第1の例に挙げた方法では、図21(A)
に示す様に、先ず、Si基板11の上下面に夫々、X線
透過膜12a及び12bを形成する。これらのX線透過
膜としては、例えば、CVD法等により成膜されたSi
C又はSiNが用いられる。これらの膜は結晶性がある
為、微細凹凸を有しており、図に概念的に示した様に、
高性能化が要求される現在においては平滑性に劣ってい
る。次に、図21(B)に示す様に、Si基板11の下
面に位置するX線透過膜12aの中心部をエッチングし
てX線透過膜12aの周辺部分のみを残し、リング状の
膜12cを形成する。次に、このリング状の膜12cを
マスクとしてSi基板11の中心部をエッチングし、図
21(C)に示す様な、Si基板11の周辺部分11a
のみが残った状態にする。
【0005】次いで、図21(D)及び(E)に示す様
に、Si基板11の上面側に位置したX線透過膜12b
の膜表面に平坦化処理を施す。その平坦化処理工程とし
は、先ず、図21(D)に示す様に、X線透過膜12b
の上に平坦化処理膜14を形成する。例えば、SiCか
らなるX線透過膜上にSiOからなる平坦化膜を形成
する。その後、平坦化処理膜14の表面をエッチングす
る。このエッチングは、平坦化処理膜14の表面全域に
渡って均一に行われ、図21(E)に示す様に、X線透
過膜12bの上面上から平坦化処理膜14が全て除去さ
れるまで行う。平坦化処理膜14が全てエッチングによ
って除去されれば、平坦化処理は完了し、平坦化処理さ
れたX線透過膜12dが形成される。次に、図21
(F)に示す様に、平坦化処理されたX線透過膜12d
上に、X線吸収体15を形成し、図21(G)に示す様
に、通常の方法によりX線吸収体15によるパターン1
5aを形成すれば、X線マスク構造体の製造方法におけ
る全工程が終了し、所望のパターンを有するX線マスク
構造体が得られる。
【0006】又、第2及び第3の例は、とりわけX線吸
収体パターン形成方法に関するものであり、第2の例は
吸収体のパターンをめっき法で形成する方法であり、第
3の例は、X線吸収体のパターンをエッチング法で形成
する方法である。先ず、第2の例について説明する。図
22(a)に示す様に、後に支持枠となる両面研磨され
たシリコンウエハ41の表面に化学気相蒸着法(CVD
法)によって窒化シリコン等のX線透過膜42を形成す
る。次に、図22(b)に示す様にパターンを形成する
領域にウエハ41の背面からシリコンウエハのエッチン
グを行い、X線透過膜42の自立膜を形成する。次に、
図22(c)に示す様に、X線透過膜42上にめっきの
電極となるCr43及びAu44を夫々5nm及び50
nmの膜厚となる様に、EB蒸着装置にて連続蒸着す
る。
【0007】更に、図22(d)に示す様に、その上に
レジスト45を塗付し、ステッパー等の光学的露光手段
や電子線描画装置等によってパターンを形成する。次い
で図22(e)に示す様に、このレジストパターンの間
隙にめっき法によってAu層46等の重金属を堆積し、
レジストを剥離する。続いて図22(f)に示す様に、
非パターン部分の露出した電極部分を、Auスパッタと
2 RIEによるクロム酸化、透明化処理を行い、X線
マスク構造体を得る。最後に図22(g)に示す様に、
この基板を、パイレックスガラスや、炭化ケイ素やチタ
ン合金等の補強フレーム47に、エポキシ系等の接着剤
48で接着する。又、X線露光装置で磁性チャックを用
いてX線マスク構造体を保持する場合には、図22
(h)に示す様に、マスクフレーム47に磁性体49を
更に接着する。
【0008】次に、第3の例について図23を用いて説
明する。先ず、図23(a)に示す様に、後に支持枠と
なる両面研磨されたシリコンウエハ51の表面に化学気
相蒸着法(CVD法)によって窒化シリコン52等のX
線透過膜を形成する。次に、図23(b)に示す様に、
後にパターンが形成される領域に、ウエハ背面からシリ
コンウエハのエッチングを行い、X線透過膜52の自立
膜を形成する。次に、図23(c)に示す様に、X線透
過膜上にエッチングストッパー層53、X線吸収体膜5
4を夫々スパッタ法で成膜する。次いでこの上に、電子
線レジストであるPMMAやフォトレジスト等のレジス
ト55を塗布する。
【0009】更に、図23(d)に示す様に、ステッパ
ー等の光学的露光手段や電子線描画装置等によって、レ
ジスト膜55のパターンを形成する。次いで図23
(e)に示す様に、このレジストをマスクにX線吸収体
膜54をドライエッチングし、X線パターンを形成す
る。続いて、図23(f)に示す様に、非パターン部分
の露出したエッチングストッパー層53を除去し、X線
透過膜上に所望のパターンが形成されたX線マスク構造
体を得る。最後に図23(g)に示す様に、この基板を
パイレックスガラスや炭化ケイ素やチタン合金等の補強
フレーム56に、エポキシ系等の接着剤57で接着す
る。又、X線露光装置で磁性チャックを用いてX線マス
クを保持する場合には、図23(h)でマスクフレーム
56に磁性体58を更に接着する。
【0010】上記の様な方法で得られるX線マスク構造
体を用いたX線リソグラフィー技術においては、特に、
X線マスク構造体と被露光基板とを正確に位置合せする
ことが重要である。図24にX線マスク構造体を用いた
X線露光装置の一般的な概略図を示す。図中、60はX
線光源であるシンクロトロン、61はX線を垂直方向に
拡大するためのX線反射ミラー、62はX線マスク構造
体、63は被露光基板であるシリコンウエハである。
又、図25に、X線マスクと被露光基板であるウエハの
位置合せ装置の概略図を示す。図25中、22はX線マ
スク構造体、23は被露光基板であるシリコンウエハ、
25は露光領域、24〜31はX線マスク上のアライメ
ントパターン、16〜20と32〜33は、アライメン
ト光学系である。アライメントの方法は、アライメント
パターンでの光の回折現象を利用した方法等がとられ
る。
【0011】具体的には、露光装置に備えられた特殊な
アライメント用の光学系を用いて、数μmから数十μm
までの距離で近接配置されたX線マスク構造体22とシ
リコンウエハ23に対して、X線マスク構造体22上に
描かれたアライメントパターン24〜31と、予めシリ
コンウエハ23上に形成されているアライメントパター
ン(不図示)とを用いて、X線マスク構造体22とウエ
ハ23との位置のズレ量を読み取り、この計測結果に基
づいて、露光装置のステージを駆動する動作を行うこと
によってX線マスク構造体とウエハとの正確なアライメ
ントが行なわれる。アライメント完了の後、X線露光に
よってX線マスク構造体上のパターンがウエハ上に転写
される。この様にして、複数のX線マスクを用いたパタ
ーン転写と通常の半導体製造プロセス技術を組みあわせ
て行くことによって、半導体デバイス等が製造される。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記した従来の製造方法で作製されるX線マスク構造体に
おいては、以下の様な問題がある。先ず、上記第1の例
のX線マスク構造体の製造工程においては、図21に示
したX線透過膜12bの平坦化処理の際に、処理膜14
とX線透過膜12bのエッチング速度を同一にするエッ
チング条件の設定が必要になるが、この場合に、設定誤
差があると、X線透過膜12bの平坦化が不完全な形で
終了する場合が生じる。特に、X線透過膜12bにSi
Cを用いた場合に、該材料が多結晶質であることに起因
して、その粒界が表面に多く現れる為、上記した平坦化
処理程度では十分なX線透過膜の平坦化を達成すること
が困難であった。
【0013】上記の様な不十分な平坦化処理がなされた
X線透過膜を有するX線マスク構造体を用いてX線リソ
グラフィを行った場合、即ち、当該マスク構造体を介し
て任意の基板表面にX線露光を施し、基板表面の加工を
行った場合には、X線マスク構造体に入射されたアライ
メント光やX線等の光が、平坦化が不十分なX線透過膜
の表面等で散乱を生じ、この散乱光がアライメント光学
系の検出器に混入し、結果としてアライメント精度の低
下をもたらし、ひいてはX線リソグラフィにおける加工
精度が損なわれるという問題がある。
【0014】又、上記第2の例に挙げた方法で製造した
X線マスク構造体では、X線マスク構造体の形成部材の
一部であるX線吸収体パターンやアライメントパターン
が、例えば、図22の説明で述べた様に、めっき法でA
u層の結晶成長が行われ、その結晶成長面であるパター
ン46の上面にはAuの結晶の粒界が現れる為、パター
ン46の上面は微細な凹凸を有している。一方、パター
ンの側壁は、めっき時に用いたレジストパターン46の
側壁に忠実に再現されて作製されるが、光露光時の定在
波やEB露光時のビームのふらつき、更には、レジスト
現像時の溶解速度差等によって、レジスト側壁も微細な
凹凸を有する為、パターン46の側壁も微細な凹凸を有
している。更に、X線吸収体パターンの下面は、X線透
過膜等の下地基板の表面の凹凸の影響を受け、やはり微
細な凹凸を有している。
【0015】又、前述した第3の例として挙げたX線吸
収体パターンやアライメントパターンをエッチング法に
よって形成する場合においても、図23に示す様に、先
ず、タンタルやタングステン等のX線吸収体材料をスパ
ッタ法等の方法で成膜するが、この様な方法で成膜され
た吸収体材料膜53の表面もまた微細な凹凸を有してい
る。又、エッチングにより形成されたX線吸収体パター
ン側壁も、レジストプロセス後のパターンエッジラフネ
スやエッチジング条件等によって、やはり微細な凹凸を
有してしまう。又、図22に示しためっき法の場合と同
様に、X線吸収体パターンの下面も、X線透過膜52等
の下地基板の表面の凹凸の影響を受けて微細な凹凸を有
している。
【0016】以上の様な、X線吸収体パターンの表面が
微細な凹凸を有しているX線マスク構造体を用い、X線
露光装置で該X線マスク構造体とウエハを近接配置し
て、X線マスク構造体とウエハとを光学的にアライメン
トしようとする場合には、X線マスク構造体上のX線吸
収体パターンやアライメントパターンの表面で、アライ
メント光が散乱され、この散乱光がアライメント光学系
の検出器に混入し、結果としてアライメント精度の低下
をもたらすという非常に重大な問題を引き起こす。
【0017】上記の問題を図27を用いて更に詳しく説
明する。図中、501、511及び521は、夫々X線
透過膜の支持枠を示す。図27(a)〜(c)は、X線
吸収体パターンやアライメントパターンからのアライメ
ント光の散乱のモードの一例を示す。先ず、図27の
(a)は、入射アライメント光505のパターン503
の下面(即ち、X線透過膜502との界面)で生じる散
乱を示す。この散乱光506は、直接又はX線透過膜5
02中での多重反射の後、アライメント光の検出器に到
達する。図27(b)は入射アライメント光515のパ
ターン513の上面(即ち、被露光基板514側の表
面)で生じる散乱を示す。この散乱光516は、被露光
基板であるウエハ514表面とX線マスク構造体のX線
吸収体513又はX線透過膜512との間での多重反射
の後、アライメント光の検出器に到達する。更に、図2
7(c)は、パターン523の側壁で生じる入射アライ
メント光525の散乱を示す。この散乱光526は、直
接又は被露光基板であるウエハ524の表面と、X線吸
収体又は該X線透過膜との間での多重反射の後、アライ
メント光の検出器に到達する。
【0018】図27中に、506、516及び526で
示した様な上記の散乱光が、図25に示したアライメン
ト光学系に混入すると、33(a)及び33(b)で示
したアライメント信号の受光器上では、図28(a)に
示した様に、必要なアライメント信号に多くのノイズが
混入する。この結果、アライメントの為の波形解析精度
が低下し、ひいてはアライメント精度が低下する。
【0019】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
決し、X線リソグラフィの際に生じるX線透過膜上にお
ける光の散乱が防止された高精細なリソグラフィを実現
し得る、X線マスク構造体、該X線マスク構造体の製造
方法、該X線マスク構造体を用いたX線露光装置及びX
線露光方法、並びに該X線露光方法を用いて製造される
半導体装置を提供することにある。又、本発明の目的
は、X線マスク構造体と被露光基板であるウエハをX線
露光装置のアライメント機構で位置合せしようとする際
に生じる、アライメント光がX線マスク構造体上のパタ
ーンによって散乱され、結果としてアライメント精度が
低下するという問題を解決した優れたX線リソグラフィ
ーを実現し得る、X線マスク構造体、X線マスク構造体
の製造方法、該X線マスク構造体を用いたX線露光装置
及びX線露光方法、並びに該X線露光方法を用いた半導
体装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、所定形状の
パターンと、該パターンを上面に保持するX線透過膜
と、該X線透過膜を支持する支持枠とを具備したX線リ
ソグラフィ用マスク構造体であって、該X線透過膜の上
面及び下面の少なくとも一部に該X線透過膜の屈折率と
実質的に同様の屈折率を有する光散乱防止の為の平滑被
膜が形成されていることを特徴とするX線マスク構造
体、X線マスク構造体の製造方法、該X線マスク構造体
を用いたX線露光装置及びX線露光方法、並びに該X線
露光方法を用いて製造される半導体装置である。
【0021】
【好ましい実施態様】以下、本発明の好ましい実施態様
を挙げて本発明を詳述する。先ず、本発明の第一の態様
について説明する。本発明者らは上記問題点を解決すべ
く、鋭意研究の結果、X線マスク構造体を製造する際、
図1の(a)〜(e)に示す様に、X線透過膜の上面及
び下面の少なくとも1方の面に、光散乱防止膜3及び7
を成膜してX線マスク構造体を構成すれば、X線マスク
構造体を製造する際に行われるX線透過膜表面の平坦化
処理と異なり、エッチング工程を必要とせず、X線透過
膜表面で生じる散乱光の発生を著しく減少させることが
可能となることを知見して本発明に至った。即ち、従来
の平坦化処理されたX線透過膜表面の場合とは異なり、
本発明のX線マスク構造体においては、X線透過膜表面
に積層される光散乱防止膜がX線透過膜表面を被覆して
残存し、X線透過膜表面での照射光、特に、アライメン
ト光の散乱を著しく低減することが出来る。
【0022】本発明のX線マスク構造体は、X線透過膜
と実質的に同様の屈折率を有する光散乱防止膜(第1の
態様ではこれを平滑被膜とも呼ぶ)を、X線透過膜の上
面及び下面の少なくとも一方に設けることが好ましい。
X線透過膜と実質的に同様の屈折率を有する平滑被膜を
形成し得る材料としては、X線透過膜と一体となってX
線透過膜に入射される光のX線透過膜表面での散乱を低
減させるものであればいずれのものも好ましく使用する
ことが出来る。
【0023】この様な材料としては、例えば、SiCで
形成したX線透過膜の屈折率がn=2.62の場合に
は、形成被膜の屈折率がほぼ同様となるが、この様なも
のとしては、屈折率n=2.6のCdSや屈折率n=
2.58のZnSe、その他TiO2等が挙げられる。
これらの材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。又、X線透過膜をSiNで形成す
る場合の平滑被膜を形成し得る材料としては、Nd
23、Sb23、CeO2やTiO2等が挙げられ、X線
透過膜をダイヤモンドで形成する場合には、TiO2
ZnS、ZnSe、CdSやCeO2等を挙げることが
出来る。上記の様な材料で形成される平滑被膜の屈折率
が、X線透過膜の屈折率と実質的に同様とは、各膜の形
成材料にも依存する為、特に限定された指標はないが、
一般的には、平滑被膜の屈折率がX線透過膜の屈折率の
±10%の範囲内にあると好ましい。
【0024】この際の各膜の屈折率の測定条件として
は、アライメント光学系の光源の波長に対する屈折率を
求める条件に準ずる。その他、本発明で、X線透過膜表
面での散乱を低減させる為に設けられる平滑被膜の平滑
度としては、例えば、平滑被膜の断面曲線の最高点と最
低点との間の距離(Rmax.)で規定され、Rmax.が10
nm以下であれば、本発明の所期の目的を達成するに十
分な平滑度を有するといえる。
【0025】又、上記の平滑被膜の膜厚に関しては、特
に限定されないが、X線透過膜の表面の凹凸の最高位置
が、散乱防止膜である平滑被膜によって覆われる様にす
ることが必要である。尚、散乱防止膜は、X線透過膜の
上面及び下面の両方に成膜してもよいし、或いはどちら
か一方の面のみに成膜してもよい。又、本発明において
は、上記した様な平滑被膜の表面に更に該平滑被膜に入
射する光の表面反射光を低減する光反射防止膜を設ける
ことも好ましい態様である。光反射防止膜としては、例
えば、CeF3、Al23、NdF3、SiO2及びMg
O等が挙げられる。尚、本発明のX線マスク構造体にお
けるX線透過膜面上に形成されるパターンとしては、X
線吸収体パターン及びアライメントマーク用パターンの
いずれをも意味するが、本発明においては、特に、X線
マスク構造体とウエハとの位置合わせに使用されるアラ
イメントマーク用パターンにおける光の散乱によるノイ
ズの発生の問題が著しく解決され、X線リソグラフィに
おける加工精度の向上が達成される。
【0026】前述した、X線露光装置においてX線マス
ク構造体とウエハとの相対位置合わせを行う為の位置合
わせ装置における、位置合わせの原理について以下、図
25を参照しながら説明する。半導体レーザー(λ=7
80nm)、He−Neレーザー(λ=632.8n
m)等の光源16からの光束は、コリメータレンズ17
により平行光束となる。平行光束は、投光レンズ18を
通り、ミラー19で偏向され、フィルタ20を透過し、
露光領域21内にあるX線マスク構造体22とウエハ2
3との相対横ずれ検知用の物理光学素子24、25、2
6及び27と、X線マスク構造体22とウエハ23との
相対間隔検知用の物理光学素子28、29、30及び3
1に照射される。
【0027】これらの各物理光学素子からの回折光は、
X線マスク構造体22とウエハ23との相対横ずれ量及
び相対間隔を示す情報を含んでおり、フィルタ20を通
り、受光レンズ32によりセンサ33のセンサ受光面に
結像される。センサ33は、2つのラインセンサ33
(a)及び33(b)より構成される。ラインセンサ3
3(a)は、X線マスク構造体22とウエハ23との相
対横ずれ量情報を含む回折光を受光し、ラインセンサ3
3(b)は、X線マスク構造体22とウエハ23との相
対間隔情報を含む回折光を受光している。
【0028】図26にX線マスク構造体22、ウエハ2
3上の物理光学素子の配置と照射光及び回折光の光路と
の関係を示す。図中の24、25、26及び27は、X
線マスク構造体22とウエハ23との相対横ずれ検知用
の物理光学素子であり、28、29、30及び31は、
X線マスク構造体22とウエハ23との相対間隔検知用
の物理光学素子である。光源16から照射された照射光
34は、上記の各物理光学素子に照射され、これらの各
物理光学素子からの回折光である36、37、38及び
39がセンサ33へと向かう。ここで、各物理光学素子
は回折格子やフレネルゾーンプレート等より構成されて
いる。
【0029】図28は、例えば、図26に示すX線マス
ク構造体22とウエハ23との相対横ずれ量の信号を受
光するラインセンサ33(a)の出力状態を示した図で
ある。又、X線マスク構造体とウエハとの相対間隔量
は、図26に示したラインセンサ33(b)により測定
され、2つのピークの各重心位置間隔を正確に求めて行
われる。図28(a)は、X線マスク構造体に散乱防止
膜である平滑被膜がない場合のセンサ33(a)の出力
値を示したものであり、図28(b)は散乱防止膜であ
る平滑被膜3が成膜されている本発明のX線マスク構造
体を用いた場合のセンサ33(a)の出力値を示したも
のである。この結果、図28(a)に比べると図28
(b)では散乱光によるノイズ成分が著しく低減されて
いることが確認され、図28(b)に示した出力値によ
れば、各ピーク位置の重心位置を求める際にも精度よく
行うことが出来る。尚、X線マスク構造体とウエハの相
対横ずれ量、及び相対間隔量を測定する方法としては、
測定用の物理光学素子に直線回折格子、又は市松格子を
用いた光ヘテロダイン干渉法により行ってもよい。
【0030】次に、本発明の第2の態様について説明す
る。本発明者らは、X線マスク構造体が有していたアラ
イメント光がX線マスク構造体上のパターンによって散
乱され、結果としてアライメント精度が低下するという
問題を、パターン表面の少なくとも一部又は全部に、光
散乱防止膜を形成することによって、上記の問題が解決
されることを知見して本発明を完成した。
【0031】本発明の第2の態様のX線マスク構造体に
おける最も特徴的な点は、X線透過膜上に保持されたパ
ターン、例えば、X線吸収体パターンやアライメントパ
ターンの表面の少なくとも一部又は全部に、光散乱防止
膜を設けた点にある。詳しくは、所定のライン及びスペ
ースからなるX線吸収体パターンやアライメントパター
ン、特にアライメント用パターンにおいて、該ライン部
の表面の少なくとも一部又は全部に、X線マスク構造体
に入射する光の散乱を抑制し得る光散乱防止膜を設け
る。かかる光散乱防止膜の形成位置の具体例を図2
(a)〜(h)に示す。
【0032】本発明のX線マスク構造体を構成する光散
乱防止層としては、第1に、アライメント光を吸収する
物質を使用して形成することが挙げられる。一般に、該
アライメントに使用される光の波長は、例えば、He−
Neレーザーの633nm光や、半導体レーザーの78
5nm光や830nm光、それに水銀ランプの特定のエ
ミッション光である、例えば、546nm光等が使用さ
れる。従って、アライメント光の吸収膜として使用され
る物質も、アライメント光の波長に応じて選択する必要
がある。この目的で本発明に使用されるアライメント光
を吸収する物質としては、例えば、カーボン及び有機色
素等が挙げられる。有機色素としては、アライメント光
を吸収する化合物であればいずれのものも使用すること
が出来るが、例えば、下記の化学式(1)に示されるイ
ンジゴ系の色素、下記の化学式(2)に示すアントラキ
ノン系の色素、及び下記の化学式(3)に示すシアニン
系の色素等が挙げられる。又、これらの物質を実際にア
ライメント光の吸収体層として積層して用いる場合に
は、スパッタ法及び蒸着法等の通常の成膜方法を用いる
ことが出来る。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】又、本発明のX線マスク構造体を構成する
光散乱防止層としては、第2に、アライメント光に対す
る光反射防止膜を使用することが挙げられる。アライメ
ント光の散乱を防止する目的で、X線吸収体パターンや
アライメントパターンに反射防止膜を設けることは、未
だ知られていない。即ち、X線マスク構造体において、
アライメント光の透過率を向上させる目的で、X線透過
膜表面にアライメント光に対する光反射防止膜を設ける
ことは考えられ得るが、X線透過膜は、通常アライメン
ト光の様な光に対しても透過性が高く、この様な光透過
性の膜上の反射防止膜と、本発明で述べる様な金属パタ
ーン表面に設ける反射防止膜とは、付設する膜の物質の
屈折率も異なってくる。
【0037】一般に、金属表面の反射防止は容易ではな
いが、X線吸収体パターンやアライメントパターンに屈
折率が1以上の物質を使用した場合に、本発明で用いる
ことの出来る光反射防止膜の材料の屈折率nは、次式
(A)で表すことが出来る。 n=[n0 +{k2 0/(n0 −1)}]1/2 例えば、X線吸収体パターンやアライメントパターンの
形成にタングステンを使用した場合は、n0=3.4
8、k0=2.79であるから、(A)式から、n=
2.57となる。又、本発明で使用するアライメント光
に対する反射防止膜の材料は、(A)式から導かれる屈
折率を有する材料であれば特に制限なく使用することが
出来る。しかし、(A)式から導かれる屈折率よりわず
かに異なった屈折率を有する材料であっても構わない
が、この場合は、(A)式から導かれる屈折率の±10
%の範囲の材料、更に望ましくは±5%の材料であるこ
とが好ましい。
【0038】この様な屈折率を有する、本発明で使用す
ることが可能な材料としては、具体的には、例えば、炭
化珪素、セレン化亜鉛、TiOx 及びTixy で表さ
れる酸化チタン、及び硫化カドミウム等が挙げられる。
又、これらの材料を実際にアライメント光に対する反射
防止膜として使用する場合は、スパッタ法、化学気相蒸
着法、抵抗加熱法及び電子ビーム蒸着法等の通常の成膜
方法で成膜することが出来る。又、成膜時の膜厚dは、
アライメント光の波長をλとすると、以下の式(B)か
ら求められる。 d=λ/4n (B)
【0039】次に、上述した様な各種の光散乱防止膜の
付設位置について述べる。前述した様に、X線マスク構
造体上に形成されたX線吸収体パターンやアライメント
パターンからのアライメント光の散乱の様子は、図27
に示した如くである。従って、本発明の光散乱防止膜
も、図27の散乱パターンに対応して付設しなければな
らない。付設位置について、図2を用いて述べる。図2
中、斜線を施した部分は本発明に従って設けた光散乱防
止膜を表している。先ず、図2(a)は、光散乱防止膜
83を、X線吸収体パターンやアライメントパターン8
5とX線透過膜81との間に付設した例である。(以下
符番同一)図2(b)は、光散乱防止膜83を、X線吸
収体パターンやアライメントパターン85の上面、即
ち、被露光基板であるシリコンウエハ側の面に付設した
例である。図2(c)は、光散乱防止膜83を、X線吸
収体パターンやアライメントパターン85の側壁に付設
した例である。図2(d)は、光散乱防止膜83を、X
線吸収体パターンやアライメントパターン85の上面と
下面に同時に付設した例である。図2(e)は、光該散
乱防止膜83をX線吸収体パターンやアライメントパタ
ーン85の上面と両側面に同時に付設した例である。図
2(f)は、光散乱防止膜83をX線吸収体パターンや
アライメントパターン85の下面と両側壁とに同時に付
設した例である。図2(g)は、光散乱防止膜83を、
X線吸収体パターンやアライメントパターン85の上
面、下面及び側面に同時に付設した例である。最後に示
した図2(h)は、X線透過膜81’自身の膜厚をX吸
収体パターンやアライメントパターン85に対する反射
防止条件を満たす膜厚に制御する方法である。
【0040】又、図2で説明した様なパターン上のいず
れかの位置に設けられた光散乱防止膜は、光反射防止膜
と光吸収膜のいかなる組み合わせであってもよい。更
に、パターン上のいずれかの位置に設けられた該散乱防
止膜は、従来の技術であるX線透過膜への反射防止膜と
併用してもかまわない。
【0041】この他、本発明では、X線源、及び上記X
線マスク構造体を具備し、被露光部材に対し、X線マス
ク構造体を介してX線露光を施し、X線マスク構造体に
形成されたパターンを転写するX線露光装置が提供され
る。又、本発明では、被露光部材に対し、上記X線マス
ク構造体を介してX線露光を施し、X線マスク構造体に
形成されたパターンを転写する工程を有してなるX線露
光方法が提供される。更に、本発明では、上記X線露光
方法により基板上に形成された被露光部材にパターンを
転写し、該基板を加工する工程を有してなるプロセスに
よって製造される半導体装置が提供される。
【0042】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。図1は、本発明の実施例1に係るX線マスク
構造体の製造工程の断面模式図である。図1(a)にお
いて、基板1はX線透過膜を支持する支持枠となる部材
であり、Siウエハがよく用いられる。本実施例におい
ては、先ず、Siウエハからなる基板1上に、化学気相
蒸着法(CVD法)にてSiCを2μmの厚さで成膜
し、これをX線透過膜2とした。ここで、形成されたX
線透過膜2のSiCの屈折率はn=2.62である。更
に、X線透過膜2上面に、スパッタ法にてCdS(n=
2.6)を120nmの厚さで成膜して散乱防止膜であ
る平滑被膜3を形成した。
【0043】次に、平滑被膜3の上にX線吸収体4とし
て、タングステンを750nmの厚さでスパッタ法にて
成膜し(図1(b)図示)、更に、このX線吸収体4の
上にSiO2 を50nmの厚さでスパッタ法にて成膜し
た(不図示)。この後、SiO2 層の上に遠紫外線レジ
ストである化学増幅レジストを0.3μmの厚さに塗布
した。この基板に、予め製作されたレチクルを通して、
開口数0.5のエキシマレーザーステッパーを用いて2
48nm光で露光を行い、レジスト現像した結果、0.
25μmが解像されたレジストパターンを形成すること
が出来た(不図示)。次に、このレジストパターンをマ
スクにSiO2 層をエッチングし、更に、エッチングさ
れたSiO2 層をマスクにタングステン層をドライエッ
チングして、図1(c)に示した様に、厚さ0.75μ
mのX線吸収体パターン5とアライメント用パターン
(不図示)を形成した。
【0044】次に、図1(d)に示す様に、後にX線透
過領域となる部分に相当するだけ、吸収体パターンが形
成されていない側のX線透過膜2の面だけをドライエッ
チング法にて除去した。この後、水酸化カリウムの30
%水溶液を用いて、100℃にてX線透過膜2が除去さ
れた領域の基板1をエッチングによって除去し、支持枠
6を形成した。最後に、図1(e)に示す様に、X線透
過膜2の下面に、散乱防止膜である平滑被膜3と同じC
dSにより構成された散乱防止膜である平滑被膜7をス
パッタ法にて120nmの厚さで成膜し、X線透過膜2
の上面及び下面に夫々平滑被膜が形成された本実施例の
X線マスク構造体とした。
【0045】尚、本実施例では、X線透過膜2の下面に
形成される平滑被膜7を構成する薄膜物質として、X線
透過膜2の上面に形成された平滑被膜3と同様のCdS
により形成したが、その他X線透過膜2の屈折率と実質
的に同様の、即ち、X線透過膜2の屈折率の約±10%
の増減幅内の値の屈折率を持つ薄膜物質であればいずれ
のものを用いてもよく、勿論、平滑被膜3と異なる薄膜
物質から構成されていてもよい。
【0046】上記膜構成による実施例1のX線マスク構
造体を、図25に示す様な露光装置のマスクとウエハの
相対位置合わせを行う位置合わせ装置に用いたところ、
マスクのX線透過膜表面で生じる散乱光及びマスク入射
面で発生するアライメント光の表面反射光が低減され、
ノイズ成分の少ない測定信号が得られ、高精度の位置合
わせが可能であった。
【0047】実施例2 図3は、本発明の実施例2に係るX線マスク構造体の製
造工程の断面模式図である。図3(a)において、基板
1はX線透過膜の支持枠であり、Siウエハがよく用い
られる。本実施例においては、先ず、Siウエハからな
る基板1上に、化学気相蒸着法(CVD法)にてSiC
を2μmの厚さで成膜し、これをX線透過膜2とした。
ここで、X線透過膜2のSiCの屈折率はn=2.62
である。更に、このX線透過膜2上にスパッタ法にて、
ZnSe(n=2.58)を用い散乱防止膜である平滑
被膜3を120nmの厚さで成膜した。次に、平滑被膜
3の上にCeF3 をスパッタ法にて195nmの厚さで
成膜し、反射防止膜8を形成する(図3(b)図示)。
更に、この上にX線吸収体4として、タングステンを7
50nmのスパッタ法にて成膜し(図3(c)図示)、
この吸収体4の上に更にSiO2 をスパッタ法にて成膜
した(不図示)。この後、遠紫外線レジストである化学
増幅レジストを、0.3μmの厚さに塗布した。
【0048】この基板に、予め製作されたレチクルを通
して、開口数0.5のエキシマレーザーステッパーを用
いて、248nm光で露光を行い、レジスト現像後、
0.25μmが解像されたレジストパターンを形成する
ことが出来た。次に、このレジストパターンをマスクに
SiO2 層をドライエッチングし、更にそのSiO2
をマスクにタングステン層4をドライエッチングし、図
3(d)に示した様に、厚さ0.75μmのX線吸収体
パターン5と、アライメント用パターン(不図示)を形
成する。次に、後にX線透過領域となる部分に相当する
だけ、吸収体パターンが形成されていない側のX線透過
膜2の面だけをドライエッチング法にて除去した。この
後、水酸化カリウムの30%水溶液を用いて、100℃
にてX線透過膜2が除去された領域の基板1をエッチン
グによって除去し、支持枠6を形成した(図3(e)図
示)。
【0049】最後に、図3(f)に示す様に、X線透過
膜2の裏面に散乱防止膜3と同じZnSeにより構成さ
れた散乱防止膜である平滑被膜7をスパッタ法にて12
0nmの厚さで成膜し、更に、CeF3 を反射防止膜9
として上面と同じくスパッタ法にて120nmの厚さで
成膜し、本実施例のX線マスク構造体となる。
【0050】尚、本実施例では、X線透過膜2の下面に
形成される平滑被膜7を構成する薄膜物質として上面に
形成した平滑被膜3と同様のZnSeにより形成した
が、その他X線透過膜2の屈折率と同様の、或はX線透
過膜2の屈折率の約±10%の増減幅内の値の屈折率を
持つ薄膜物質であればいずれのものでもよく、平滑被膜
3と異なる薄膜物質から構成されていてもよい。更に、
散乱防止膜は、本実施例では上下両面に設けたが、X線
透過膜2のどちらか一方の面のみの成膜でもよく、反射
防止膜もX線透過膜2に対して、どちらか一方のサイド
に成膜するだけでもよい。
【0051】上記膜構成による実施例2のX線マスク構
造体を、図25に示す様な露光装置のマスクとウエハの
相対位置合わせを行う位置合わせ装置に用いたところ、
マスクのX線透過膜表面で生じる散乱光及びマスク入射
面で発生するアライメント光の表面反射光が低減され、
ノイズ成分の少ない測定信号が得られ、高精度の位置合
わせが可能であった。
【0052】実施例3 実施例1及び実施例2においては、X線透過膜2の薄膜
形成物質をSiCとしたが、この代わりに、SiNを用
い、散乱防止膜としてNd23を用いた以外は実施例1
と同様にして、本実施例のX線マスク構造体を作成し
た。これを実施例1と同様の位置合わせ装置に用いたと
ころ、実施例1と同様に、マスクのX線透過膜表面で生
じる散乱光及びマスク入射面で発生するアライメント光
の表面反射光が低減され、ノイズ成分の少ない測定信号
が得られ、高精度の位置合わせが可能であった。
【0053】実施例4 実施例1及び実施例2においては、X線透過膜2の薄膜
形成物質をSiCとしたが、この代わりに、ダイアモン
ドを用い、散乱防止膜としてTiO2を用いた以外は実
施例1と同様にして、本実施例のX線マスク構造体を作
成した。これを実施例1と同様の位置合わせ装置に用い
たところ、実施例1と同様に、マスクのX線透過膜表面
で生じる散乱光及びマスク入射面で発生するアライメン
ト光の表面反射光が低減され、ノイズ成分の少ない測定
信号が得られ、高精度の位置合わせが可能であった。
【0054】実施例5 図4は、本発明の実施例5にかかる図であり、上記の実
施例1〜実施例4の本発明のX線マスク構造体を搭載し
た露光装置の概略図である。図4において、139はX
線ビームで、ほぼ平行な光が照射され、一点鎖線で示し
た部分が露光領域となる。135はウエハで、例えば、
X線用のレジストが表面に塗布されている。133はマ
スクフレーム、134はマスクメンブレンで、この上に
X線吸収体がパターニングされている。132はマスク
支持体、136はウエハチャック等のウエハ固定部材、
137はZ軸ステージ(実際はティルト可能なステージ
になっている)、138はX軸ステージ、144はY軸
ステージである。マスク134とウエハ135のアライ
メント検出機能部分は、130a及び130bに納めら
れており、ここからマスク134とウエハ135の相対
間隔と、XY面内方向の相対横ずれ量の情報が得られ
る。図4には、アライメント検出機能部分としては、1
30a及び130bの2つしか図示されていないが、マ
スク134上の四隅のIC回路パターンエリアの各辺に
対応して、更に2か所にアライメント検出機能部分が設
けられている。130a及び130b中には、図25に
示した光学系及び検出系が収められている。
【0055】これらのアライメント検出機能部分により
得られた信号を、信号処理機140で処理し、XY面内
の相対横ずれ量と相対間隔量を求めてこの結果を判断
し、所定の値以内に収まっていないと判断された場合に
は、各軸ステージの駆動系141、142及び143を
動かして所定のマスクとウエハの相対位置関係になる様
に追い込み、然る後に、X線露光ビーム139を照射す
る。ここで、X線露光ビーム139は、マスク134と
ウエハ135の相対位置合わせが完了するまでは不図示
のX線遮断部材で遮断しておく。又、X線源及びX線照
射系も図から省略してある。尚、146a及び146b
は、各アライメント系からのアライメント検出光であ
る。図4は、プロキシミティータイプのX線露光装置の
例について示したが、光ステッパーについても同様に適
用される。即ち、近年多く用いられており、今後も用い
られることが予想されるi線(λ=365nm)、Kr
Fエキシマ光(λ=248nm)及びArFエキシマ光
(λ=193nm)等の照明光を持つ逐次移動型投影露
光装置や、等倍のミラープロジェクションタイプの光露
光装置についても、同様に適用することが出来る。
【0056】実施例6 次に、上記説明した露光方法を利用した半導体装置の製
造方法の実施例を説明する。図5は、半導体デバイス
(ICやLSI等の半導体チップ、或は液晶パネルやC
CD等)の製造フローを示す。ステップ1(回路設計)
では、半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2
(マスク製作)では、設計した回路パタ−ンを形成した
マスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)で
は、シリコーン等の材料を用いてウエハを製造する。ス
テップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用
意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によ
ってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5
(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成さ
れたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、ア
ッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケ
ージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ
6で(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバ
イスの動作確認テスト及び耐久性テスト等の検査を行
う。こうした工程を経て、半導体デバイスが完成し、こ
れが出荷(ステップ7)される。
【0057】図6には、上記ウエハプロセス(ステップ
4)での詳細なフローを示す。ステップ11で(酸化)
では、ウエハ表面を酸化させる。ステップ12(CV
D)では、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ1
3(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着によって形
成する。ステップ14(イオン打込み)では、ウエハに
イオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)で
は、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)
では、上記説明した露光装置によってマスクの回路パタ
ーンをウエハに焼付け露光する。ステップ17(現像)
では、露光したウエハを現像する。ステップ18では
(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を
削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。これら
のステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多
重に回路パターンが形成される。本実施例によれば、本
発明X線マスク構造体の構成に起因して、従来は製造が
難しかった高集積度の半導体デバイスを製造することが
出来る。
【0058】実施例7 図7を用いて、本実施例を説明する。先ず(a)に示す
様に、シリコンウエハ基板81の上に、X線透過膜とし
て窒化シリコン層82を化学気相蒸着法にて、2μmの
厚さに形成する。次いで、ドライエッチング法にて、後
にX線透過領域となる部分に相当するだけ、吸収体パタ
ーンが形成されていない側のX線透過膜82の面をドラ
イエッチング法にて除去する(図7(b)図示)。この
後、水酸化カリウムの30%水溶液を用い、100℃に
て、窒化シリコン層81が除去された領域のシリコンを
エッチングによって除去し、図7(c)に示す様に窒化
シリコンの自立膜を得る。
【0059】次に、図7(d)に示す様に、カーボン層
83を100nm、クロム層84を5nm、金層87を
50nm、電子線蒸着装置を用い夫々連続蒸着し、更に
その上に、遠紫外光用化学増幅型レジスト層86を1.
0μmの厚さに塗付する。このウエハに投影光学系の開
口数が0.5のステッパーを用いて、波長248nmの
エキシマ−レーザー光によって、予めレティクル上に形
成されたパターンを、このX線マスク構造体用基板に転
写する。このレジストを現像して、図7(e)に示す様
に、0.25μmが解像されたレジストパターンを形成
する。次に、このレジストパターンの間に、めっき液と
してニュートロネックス−309(EEJA製)を用い
て、50℃にて下地の金層87を電極として金めっきを
行い、図7(f)に示す様に、厚さ0.7μmのX線吸
収体パターンとアライメント用パターン85を形成す
る。
【0060】更に、O2 RIEによるレジスト剥離、A
rスパッタによる金層87、クロム層84、カーボン層
83のエッチングを連続的に行い、図7(g)に示す様
に、本発明のX線マスク構造体を得る。最後に,露光装
置上で取扱いを容易にする為、図7(h)に示す様に、
パイレックス製のマスクフレーム88にこのX線マスク
構造体をエポキシ系の接着剤で接着する。
【0061】完成したX線マスク構造体をアライメント
光学系を有するX線露光装置に装着し、予めウエハ上に
形成されたアライメントパターンに対して位置合わせを
行ったところ、アライメント検出系におけるアライメン
ト信号の出力波形は、図28(a)に示す比較例に対し
て、(b)に示す様にノイズ成分が十分に小さく、この
為アライメントの為の波形解析精度が向上し、ひいては
アライメント精度の低下を防止することが出来た。
【0062】実施例8 図8を用いて、本実施例を説明する。先ず図8(a)に
示す様に、シリコンウエハ基板91の上に、X線透過膜
として炭化シリコン層92を化学気相蒸着法にて、2μ
mの厚さに形成する。次いで、図8(b)に示す様に、
ドライエッチング法にて、後にX線透過領域となる部分
に相当するだけ、後に吸収体パターンを形成していない
側のX線透過膜92の面をドライエッチング法にて除去
する。この後、水酸化カリウムの30%水溶液を用い
て、100℃にて炭化シリコンが除去された領域のシリ
コンをエッチングによって除去し、図8(c)に示す様
に、炭化シリコン層92の自立膜を得る。
【0063】次に、図8(d)に示す様に、カーボン層
94を100nm、クロム層93を50nm、タンタル
層95を700nm、有機色素層として、ジオキシキノ
ン類色素の5,6−dioxy−1,4−naphth
oquinone層96(ナフタザリン)(吸収極大波
長 625nm)を100nm、及びSiO2 層97を
50nmとなる様に、スパッタ法にて連続成膜した上
に、更に、電子線レジストであるPMMA層98を0.
3μmの厚さに塗付する。この基板に、加速電圧50k
Vで電子線描画を行い、レジスト現像後、図8(e)に
示す様に、0.25μmが解像されたレジストパターン
を形成する。このレジストパターンをマスクにSiO2
層97を、更に、このSiO2 層97をマスクに有機色
素層96、タンタル層95、クロム層93及びカーボン
層94をドライエッチングし(図8(f)図示)、図8
(g)に示す様に、PMMA層98を除去して、厚さ
0.75μmのX線吸収体パターンとアライメント用パ
ターンを形成し、本発明のX線マスク構造体を得る。
【0064】最後に露光装置上で取扱いを容易にする
為、図8(h)に示す様に、炭化珪素製のマスクフレー
ム98に、このX線マスク構造体をエポキシ系の接着剤
で接着する。完成したX線マスク構造体を、He−Ne
レーザー(632.8nm)のアライメント光学系を有
するX線露光装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形
成されたアライメントパターンに対して位置合わせを行
ったところ、アライメント検出系におけるアライメント
信号の出力波形は、図28(a)に示す比較例に対し
て、図28(b)に示す様にノイズ成分が十分に小さ
く、この為アライメントの為の波形解析精度が向上し、
ひいてはアライメント精度の低下を防止することが出来
た。
【0065】実施例9 図9を用いて、本実施例を説明する。先ず図9(a)に
示す様に、シリコンウエハ基板101の上にX線透過膜
として窒化シリコン層102を化学気相蒸着法にて、2
μmの厚さに形成する。次いで、図9(b)に示す様
に、ドライエッチング法にて、後にX線透過領域となる
部分に相当するだけ、後に吸収体パターンを形成してい
ない側のX線透過膜102の面をドライエッチング法に
て除去する。この後、水酸化カリウムの30%水溶液を
用いて、100℃にて窒化シリコンが除去された領域の
シリコンをエッチングによって除去し、図9(c)に示
す様に、窒化シリコン層102のの自立膜を得る。次
に、図9(d)に示す様に、クロム層103を5nm、
タングステン層104を750nm、及びSiO2 層1
05を50nmとなる様に、スパッタ法にて連続成膜し
た上に、更に、電子線レジストであるPMMA層106
を0.3μmの厚さに塗付する。
【0066】この基板に、加速電圧50kVで電子線描
画を行い、レジスト現像後、図9(e)に示す様に、
0.25μmが解像されたレジストパターンを形成す
る。このレジストパターンをマスクにSiO2 層105
を、更に、このSiO2 層105をマスクにタングステ
ン層104をドライエッチングし、次いで、O2 RIE
でクロム膜103の酸化及び透明化処理を行い(10
3’)、図9(f)に示す様に、厚さ0.75μmのX
線吸収体パターンとアライメント用パターンを形成す
る。この後、アルキルチタネートのアルコール溶液をス
ピンナーで塗付し、次いで、300℃で30分間加熱処
理を行い、図9(g)に示す様に、膜厚80nmの酸化
チタン層107を得る。この様にして、本発明のX線マ
スク構造体を得る。最後に露光装置上で取扱いを容易に
する為、図9(h)に示す様に、チタン合金製のマスク
フレーム108にこのX線マスク構造体をエポキシ系の
接着剤で接着する。
【0067】完成したX線マスク構造体をレーザーダイ
オード(785nm)のアライメント光学系を有するX
線露光装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形成され
たアライメントパターンに対して位置合わせを行ったと
ころ、アライメント検出系におけるアライメント信号の
出力波形は、図28(a)に示す比較例に対して、図2
8(b)に示す様にノイズ成分が十分に小さく、この為
アライメントの為の波形解析精度が向上し、ひいてはア
ライメント精度の低下を防止することが出来た。
【0068】実施例10 図10を用いて、本実施例を説明する。先ず、図10
(a)に示す様に、シリコンウエハ基板111の上にX
線透過膜として窒化シリコン層112を、化学気相蒸着
法にて2μmの厚さに形成する。次いで、図10(b)
に示す様に、ドライエッチング法にて、後にX線透過領
域となる部分に相当するだけ、後に吸収体パターンを形
成していない側のX線透過膜112の面だけをドライエ
ッチング法にて除去する。この後、水酸化カリウムの3
0%水溶液を用いて、100℃にて窒化シリコンが除去
された領域のシリコンをエッチングによって除去し、図
10(c)に示す様に、窒化シリコン層112の自立膜
を得る。次に、図10(d)に示す様に、ZnSe層1
13を80nm、タングステン層114を750nm、
ZnSe層115を80nm、及びSiO2 層116を
50nmとなる様に、スパッタ法にて成膜した上に、遠
紫外線レジスト117層を0.3μmの厚さに塗布す
る。
【0069】この基板に、予め製作されたレティクルを
通して投影光学系の開口数が0.5のエキシマレーザー
ステッパーを用いて、248nm光で露光を行い、レジ
スト現像後、図10(e)に示す様に、0.25μmが
解像されたレジストパターンを形成する。このレジスト
パターンをマスクにSiO2 層116を、更に、このS
iO2 層116をマスクにZnSe層115、タングス
テン層114、ZnSe層113を夫々ドライエッチン
グし(図10(f)図示)、図10(g)に示す様にレ
ジスト槽を完全に除去し、厚さ0.75μmのX線吸収
体パターンとアライメント用パターンを形成し、本発明
のX線マスク構造体を得た。最後に露光装置上で取扱い
を容易にする為、図10(h)に示す様に、パイレック
ス製のマスクフレーム118にこのX線マスク構造体を
エポキシ系の接着剤で接着する。
【0070】完成したX線マスク構造体をレーザーダイ
オード(830nm)のアライメント光学系を有するX
線露光装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形成され
たアライメントパターンに対して位置合わせを行ったと
ころ、アライメント検出系におけるアライメント信号の
出力波形は、図28(a)に示す比較例に対して、図2
8(b)に示す様に、ノイズ成分が十分に小さく、この
為、アライメントの為の波形解析精度が向上し、ひいて
はアライメント精度の低下を防止することが出来た。
【0071】実施例11 図11を用いて、本実施例を説明する。先ず、図11
(a)に示す様に、シリコンウエハ基板121の上に、
X線透過膜として窒化シリコン層122を、化学気相蒸
着法にて2μmの厚さに形成する。次いで、図11
(b)に示す様に、ドライエッチング法にて、後にX線
透過領域となる部分に相当するだけ、後に吸収体パター
ンを形成していない側のX線透過膜122の面をドライ
エッチング法にて除去する。この後、水酸化カリウムの
30%水溶液を用いて、100℃にて窒化シリコンが除
去された領域のシリコンをエッチングによって除去し、
図11(c)に示す様に、窒化シリコン層122の自立
膜を得る。次に、図11(d)に示す様に、クロム層1
23を5nm、タングステン層124を750nm、C
dS層125を61nm、及びSiO2 層126を50
nm、スパッタ法にて連続成膜した上に、更に、遠紫外
線レジスト層127を0.3μmの厚さに塗布する。
【0072】この基板に、予め製作されたレティクルを
通して投影光学系の開口数が0.5のエキシマレーザー
ステッパーを用いて、248nm光で露光を行い、レジ
スト現像後、図11(e)に示す様に、0.25μmが
解像されたレジストパターンを形成する。このレジスト
パターンをマスクにSiO2 層126を、更に、このS
iO2 層をマスクにCdS層125、及びタングステン
層124を夫々ドライエッチングし(図11(f)図
示)、次いでレジスト層127を除去し、O2 RIEに
より、クロム膜123の酸化、透明化処理を行い12
3’とし、図11(g)に示す様に、厚さ0.75μm
のX線吸収体パターンとアライメント用パターンを形成
し、本発明のX線マスク構造体を得る。最後に露光装置
上で取扱いを容易にするため、パイレックス製のマスク
フレームにこのX線マスクをエポキシ系の接着剤で接着
する。
【0073】完成したX線マスクをレーザーダイオード
(632.8nm)のアライメント光学系を有するX線
露光装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形成された
アライメントパターンに対して位置合わせを行うと、ア
ライメント検出系におけるアライメント信号の出力波形
は、図28(a)に示す比較例に対して、図28(b)
に示す様にノイズ成分が十分に小さく、この為アライメ
ントの為の波形解析精度が向上し、ひいてはアライメン
ト精度の低下を防止することが出来た。
【0074】実施例12 図12を用いて、本実施例を説明する。図12(a)に
示す様に、シリコンウエハ基板151の上に、光散乱防
止膜を兼ねるX線透過膜として炭化シリコン層152を
化学気相蒸着法にて、アライメント光の反射防止条件を
満たす様に1736nmの厚さに形成する。次いで、ド
ライエッチング法にて、図12(b)に示す様に、後に
X線透過領域となる部分に相当するだけ、後に吸収体パ
ターンを形成していない側のX線透過膜152の面をド
ライエッチング法にて除去する。この後、水酸化カリウ
ムの30%水溶液を用いて、100℃にて炭化シリコン
層152が除去された領域のシリコンをエッチングによ
って除去し、図12(c)に示す様に、炭化シリコン層
152’の自立膜を得る。次に、図12(d)に示す様
に、タングステン層153を750nm、及びSiO2
層154を50nmとなる様に、スパッタ法にて成膜し
た上に、電子線レジストであるPMMA層155を0.
3μmの厚さに塗布する。
【0075】この基板に、加速電圧50kVで電子線描
画を行い、レジスト現像後、図12(e)に示す様に、
0.15μmが解像されたレジストパターンを形成す
る。このレジストパターンをマスクにSiO2 層154
を、更に、このSiO2 層をマスクにタングステン層1
53を夫々ドライエッチングし(図12(f)図示)、
図12(g)に示す様にレジスト層155を除去し、厚
さ0.75μmのX線吸収体とパターンとアライメント
用パターンを形成し、本発明のX線マスク構造体を得
た。最後に、露光装置上で取扱いを容易にする為、図1
2(h)に示す様に、炭化珪素製のマスクフレーム15
6にこのX線マスク構造体をエポキシ系の接着剤で接着
する。
【0076】完成したX線マスク構造体をレーザーダイ
オード(785nm)のアライメント光学系を有するX
線露光装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形成され
たアライメントパターンに対して位置合わせを行ったと
ころ、アライメント検出系におけるアライメント信号の
出力波形は、図28(a)に示す比較例に対して、図2
8(b)に示す様にノイズ成分が十分に小さく、この為
アライメントの為の波形解析精度が向上し、ひいてはア
ライメント精度の低下を防止することが出来た。
【0077】実施例13 図13を用いて、本実施例を説明する。先ず、図13
(a)に示す様に、シリコンウエハ基板161の上に、
X線透過膜として窒化シリコン層162を化学気相蒸着
法にて2μmの厚さに形成する。次いで、図13(b)
に示す様に、ドライエッチング法にて、後にX線透過領
域となる部分に相当するだけ、後に吸収体パターンを形
成していない側の窒化シリコン層162の面をドライエ
ッチング法にて除去する。この後、水酸化カリウムの3
0%水溶液を用いて、100℃にて窒化シリコンが除去
された領域のシリコンをエッチングによって除去し、図
13(c)に示す様に、窒化シリコン層162の自立膜
を得る。次に、図13(d)に示す様に、カーボン層1
63を50nm、クロム層164を5nm、タングステ
ン層165を750nm、ZnSe層166を75n
m、及びSiO2 層167を50nmとなる様に、ス
パッタ法にて成膜した上に、更に、遠紫外線レジスト層
168を0.3μmの厚さに塗布する。
【0078】この基板に、予め製作されたレティクルを
通して投影光学系の開口数が0.5のエキシマレーザー
ステッパーを用いて、248nm光で露光を行い、レジ
スト現像後、図13(e)に示す様に、0.25μmが
解像されたレジストパターンを形成する。このレジスト
パターンをマスクにSiO2 層を、更に、このSiO2
層167をマスクにZnSe層166、タングステン層
165、クロム層164及びカーボン層163を夫々ド
ライエッチングし(図13(f)図示)、図13(g)
に示す様にレジスト層168を除去し、厚さ0.75μ
mのX線吸収体とパターンとアライメント用パターンを
形成し、本発明のX線マスク構造体を得る。最後に露光
装置上で取扱いを容易にする為、図13(h)に示す様
に、パイレックス製のマスクフレーム169にこのX線
マスクをエポキシ系の接着剤で接着する。
【0079】完成したX線マスクをレーザーダイオード
(785nm)のアライメント光学系を有するX線露光
装置に装着し、予めシリコンウエハ上に形成されたアラ
イメントパターンに対して位置合わせを行ったところ、
アライメント検出系におけるアライメント信号の出力波
形は、図28(a)に示す比較例に対して、図28
(b)に示す様にノイズ成分が十分に小さく、この為ア
ライメントの為の波形解析精度が向上し、ひいてはアラ
イメント精度の低下を防止することが出来た。
【0080】比較例1 図22を用いて、本発明の比較例に相当するマスク構造
体を説明する。先ず、図22(a)に示す様に、シリコ
ンウエハ41の上にX線透過膜として窒化シリコン層4
2を化学気相蒸着法にて、2μmの厚さに形成する。次
いで、図22(b)に示す様に、ドライエッチング法に
て、後にX線透過領域に相当する領域の窒化シリコンを
一方の面だけ除去する。この後、水酸化カリウムの30
%水溶液を用いて、100℃にて窒化シリコンが除去さ
れた領域のシリコンをエッチングによって除去し、窒化
シリコンの自立した膜を得る。
【0081】次に図22(c)に示す様に、電極となる
クロム43及び金44を、夫々5nm及び50nmとな
る様に、電子線蒸着装置で連続蒸着した上に、遠紫外光
用レジスト45を1.0μmの厚さに塗付する。このウ
エハに投影光学系の開口数が0.5のステッパーを用い
て、波長248nmのエキシマ−レーザー光によって、
予めレティクル上に形成されたパターンを、このX線マ
スク構造体用基板に転写する。このレジストを現像し
て、図22(d)に示す様に、0.25μmが解像され
たレジストパターンを形成する。次に図22(e)に示
す様に、このレジストパターンの間に、めっき液として
ニュートロネックス−309(EEJA製)を用いて、
50℃にて下地の金層44を電極として金めっき46を
行い、厚さ0.65μmのX線吸収体パターンとアライ
メント用パターンとを形成する。
【0082】更に図22(f)に示す様に、O2 RIE
によるレジスト剥離、Arスパッタによる金層14のエ
ッチング、及びO2 RIEによるクロムの酸化透明化処
理を連続的に行う。最後に図22(g)に示す様に、パ
イレックスガラス製のマスクフレーム17に、このX線
マスク用基板をエポキシ系の接着剤48で接着し、通常
のX線マスクを得る。完成したX線マスクを図25のア
ライメント光学系を有するX線露光装置(図24)に装
着し、予めシリコンウエハ上に形成されたアライメント
パターンに対して位置合わせを行うったところ、アライ
メント検出系におけるアライメント信号の出力波形は、
図28(a)に示す様に、アライメント信号と共に多く
のノイズを含んでいた。この為、アライメントの為の波
形回折精度が低くなり、ひいてはアライメント精度自身
の精度が低下した。
【0083】実施例14 図24及び図25を用いて、本発明のX線マスク構造体
を用いたX線露光装置及び露光方法の実施例を説明す
る。図24で、シンクロトロン光源60から放射された
X線は、X線反射ミラー61で拡大され、X線露光装置
のマスクステージに固定された本発明のX線マスク構造
体62を照射する。X線マスク構造体62上に描かれた
X線吸収体パターンは、X線マスク構造体62と30μ
mの距離に近接して配置されたウエハ63上に転写され
る。該ウエハ63上には、予めアライメントパターンが
描かれており、更に、該アライメントパターン上にはX
線レジストが膜厚1μm程度に塗布されている。本発明
のX線マスク構造体62とウエハ63は、X線マスク構
造体62上のアライメントパターンとウエハ上のアライ
メントパターンを用いて、X線露光装置に搭載されたア
ライメント光学系(図25)で位置ズレ量を読み取り、
この結果を用いてウエハ63が保持されたウエハステー
ジ(不図示)を駆動し、両者の位置合せを行う。
【0084】ここで、X線マスク構造体62とウエハ6
3との位置合わせについて、図25を用いて具体的に説
明する。図25中、半導体レーザー16等から放出され
た光はコリメーターレンズ17により平行光束となる。
平行光束は投影レンズ18を通り、ミラー19で偏向さ
れ、フィルター20を透過し、X線露光領域21内にあ
る、X線マスク構造体22とウエハ23との相対横ずれ
検知用の物理光学素子、24、25、26及び27と、
相対間隔検知用の物理光学素子、28、29、30及び
31に照射される。各物理光学素子からの回折光は、マ
スク22とウエハ23との相対横ずれ量、及び相対間隔
を示す情報を含んでおり、フィルター20を通り、受光
レンズ32によりセンサ33のセンサ受光面に結像され
る。
【0085】センサ33は2つのラインセンサ33
(a)及び33(b)より構成され、ラインセンサ33
(a)は、X線マスク構造体22とウエハ23との相対
横ずれ量測定信号を受光し、ラインセンサ33(b)
は、X線マスク構造体22とウエハ23の相対間隔測定
信号を受光している。本X線露光装置には、本発明のX
線マスク構造体を使用している為、センサ33の出力値
は、図28(a)に示す様なノイズは低減されて図28
(b)の様な、ノイズのない状態の出力が得られる。こ
こで、図28(a)に比べて図28(b)の波形は、散
乱光によるノイズ成分が低減されており、ピーク位置の
重心位置を求める波形解析の際も精度よく行うことが出
来る。
【0086】この様に、本発明のX線マスク構造体を用
いたX線露光装置は、アライメント精度に優れ、この
為、高精度のX線露光による半導体デバイス製造が可能
となる。尚、X線マスク構造体とウエハの相対横ずれ
量、及び相対間隔量を測定する方法は、測定用の物理光
学素子に直線回折格子、又は市松格子を用いた光へテロ
ダイン干渉光により行ってもよい。
【0087】実施例15 図5及び図6を用いて、本発明のX線マスク構造体を用
いた半導体装置の製造例を説明する。図5は半導体デバ
イス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パ
ネルやCCD等)の製造のフローを示す。ステップ1
(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。
ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを
形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ
製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造す
る。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、
上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技
術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステ
ップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によ
って作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程
であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半
導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査
を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0088】図6は上記ウエハプロセス(ステップ4)
の詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエ
ハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウ
エハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形
成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステ
ップ14(イオン打込み)ではウエハ上にイオンを打ち
込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光
剤を塗付する。ステップ16(露光)では上記説明した
露光装置によってX線マスク構造体の回路パターンをウ
エハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光し
たウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では
現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ1
9(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となっ
たレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行
うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成
される。本実施例によれば、従来は製造が難しかった高
集積度の半導体デバイスを製造することが出来る。
【0089】実施例16 図14は、本発明の実施例16に係るX線マスク構造体
の製造工程の断面模式図である。図14(a)におい
て、基板301はX線透過膜を支持する支持枠となる部
材であり、Siウエハがよく用いられる。本実施例にお
いては、先ず、Siウエハからなる基板301上に、化
学気相蒸着法(CVD法)にてSiCを2μmの厚さで
成膜し、これをX線透過膜302とした。ここで、形成
されたX線透過膜302のSiCの屈折率はn=2.6
2である。
【0090】次に、図14(b)に示す様に、後にX線
透過領域となる部分に相当するだけ、SiCドライエッ
チング法にて除去した。この後、水酸化カリウムの30
%水溶液を用いて、100℃にてX線透過膜302が除
去された領域の基板301をエッチングによって除去
し、支持枠を形成した(図14(c)図示)。更に、X
線透過膜302上面に、スパッタ法にてCdS(n=
2.6)を120nmの厚さで成膜して散乱防止膜であ
る平滑被膜303を形成した。次に、平滑被膜303の
上にX線吸収体304として、タングステンを750n
mの厚さでスパッタ法にて成膜し、更に、このX線吸収
体304の上にCdS305を61nm、SiO2 30
6を50nmの厚さでスパッタ法にて成膜した。
【0091】この後、SiO2 層の上に、化学増幅型の
遠紫外線レジスト307を0.3μmの厚さに塗布した
(図14(d)図示)。この基板に、予め製作されたレ
チクルを通して、開口数0.5のエキシマレーザーステ
ッパーを用いて248nm光で露光を行いレジスト現像
した結果、0.25μmが解像されたレジストパターン
を形成することが出来た(図14(e)図示)。次に、
このレジストパターンをマスクにSiO2 層306をエ
ッチングし、更に、エッチングされたSiO2 層をマス
クに、CdS層305とタングステン層304とをドラ
イエッチングして、エッチング終了後このSiO2 層を
フッ酸を用いて除去し、図14(f)に示した様に、厚
さ0.75μmのX線吸収体パターンとアライメント用
パターンを形成した。
【0092】最後に、図14(g)に示す様に、X線透
過膜302の下面に、散乱防止膜である平滑被膜303
と同じCdSにより構成された散乱防止膜である平滑被
膜308をスパッタ法にて120nmの厚さで成膜し、
X線透過膜302の上面及び下面に夫々平滑被膜303
及び308が形成され、且つタングステンパターン上に
反射防止膜としてのCdS層305を有する本実施例の
X線マスク構造体を得た。本実施例のX線マスク構造体
は、図14(h)に図示した様に、マスクフレーム30
9に接着して使用することも出来る。
【0093】上記膜構成による本実施例16のX線マス
ク構造体を、図25に示す様な露光装置のマスクとウエ
ハの相対位置合わせを行う位置合わせ装置に用いたとこ
ろ、マスクのX線透過膜表面で生じる散乱光及びマスク
入射面で発生するアライメント光の表面反射光が低減さ
れ、ノイズ成分の少ない測定信号が得られ、高精度の位
置合わせが可能であった。
【0094】実施例17 図14は、本発明の実施例17に係るX線マスク構造体
の製造工程の断面模式図である。本実施例においては、
先ず、Siウエハからなる基板301上に、化学気相蒸
着法(CVD法)にてSiCを2μmの厚さで成膜し、
これをX線透過膜302とした。ここで、形成されたX
線透過膜302のSiCの屈折率はn=2.62であ
る。
【0095】次に、図14(b)に示す様に、後にX線
透過領域となる部分に相当するだけ、SiCドライエッ
チング法にて除去した。この後、水酸化カリウムの30
%水溶液を用いて、100℃にてX線透過膜302が除
去された領域の基板301をエッチングによって除去
し、支持枠を形成した(図14(c)図示)。この後、
このX線透過膜302の表面と裏面の表面粗さを夫々光
学粗さ測定器で測定した結果、最大高さ(p−v値)が
夫々、18nm及び6nmであった。この結果を基に、
X線透過膜302上面に、スパッタ法にてCdS(n=
2.6)を、表面に30nm、裏面に10nmの厚さで
夫々成膜して、散乱防止膜である平滑被膜303を形成
した。次に、平滑被膜303の上にX線吸収体304と
して、タングステンを750nmの厚さでスパッタ法に
て成膜し、更に、このX線吸収体304の上にCdS3
05を61nm、SiO2 306を50nmの厚さでス
パッタ法にて成膜した。
【0096】この後、SiO2 層の上に、化学増幅型の
遠紫外線レジスト307を0.3μmの厚さに塗布した
(図14(d)図示)。この基板に、予め製作されたレ
チクルを通して、開口数0.5のエキシマレーザーステ
ッパーを用いて248nm光で露光を行いレジスト現像
した結果、0.25μmが解像されたレジストパターン
を形成することが出来た(図14(e)図示)。次に、
このレジストパターンをマスクにSiO2 層306をエ
ッチングし、更に、エッチングされたSiO2 層をマス
クに、CdS層305とタングステン層304とをドラ
イエッチングして、エッチング終了後このSiO2 層を
フッ酸を用いて除去し、図14(f)に示した様に、厚
さ0.75μmのX線吸収体パターンとアライメント用
パターンを形成した。
【0097】最後に、図14(g)に示す様に、X線透
過膜302の下面に、散乱防止膜である平滑被膜303
と同じCdSにより構成された散乱防止膜である平滑被
膜308をスパッタ法にて120nmの厚さで成膜し、
X線透過膜302の上面及び下面に夫々平滑被膜303
及び308が形成され、且つタングステンパターン上に
反射防止膜としてのCdS層305を有する本実施例の
X線マスク構造体を得た。本実施例のX線マスク構造体
は、図14(h)に図示した様に、マスクフレーム30
9に接着して使用することも出来る。
【0098】上記膜構成による本実施例16のX線マス
ク構造体を、図25に示す様な露光装置のマスクとウエ
ハの相対位置合わせを行う位置合わせ装置に用いたとこ
ろ、マスクのX線透過膜表面で生じる散乱光及びマスク
入射面で発生するアライメント光の表面反射光が低減さ
れ、ノイズ成分の少ない測定信号が得られ、高精度の位
置合わせが可能であった。
【0099】実施例18 実施例17で成膜された光散乱防止膜であるCdS膜
を、X線回折装置を用いて、膜の内部構造の分析を行っ
た。この膜から結晶構造の存在を示すX線回折パターン
は検出されず、膜の内部構造は、アモルファス構造であ
ることが確認された。この為、本光散乱防止膜は、結晶
構造を有する薄膜に固有の膜表面の結晶粒塊による光散
乱が小さいものと考えられた。
【0100】実施例19 本実施例では、実施例1〜実施例4で述べたX線マスク
構造体を、図15〜図17に示すマスクとウエハの相対
位置合わせを行う位置合わせ装置に用いる。以下、図1
5〜図17を用いて、本実施例に用いた位置合わせ装置
の原理を説明する。図15において、互いに周波数が僅
かに異なる可干渉光225及び226をマスク72上の
直線回折格子209と、ウエハ73上の直線回折格子2
10に照射する。図16は、図15に示すマスクとウエ
ハを異なる角度から見た場合を図示したものである。図
16において、直線回折格子209からは、照射光22
5に対する回折光228と、照射光226に対する回折
光230とを得る。ここで、回折光228と回折光23
0は同じ光軸上にある。同様にして、直線回折格子21
0からは、照射光225に対する回折光229と、照射
光226に対する回折光231とを得る。ここで、回折
光229と回折光231は同じ光軸上にある。
【0101】これらの回折光228、229、230及
び231は、ミラー244により偏向され、レンズ23
2及び233を通り、偏光板234又は236により各
回折光の偏光面が揃えられる。偏光板234を通過した
回折光229及び231は干渉光235となり、光セン
サー238に入る。同様に、偏光板236を通過した回
折光228及び230は干渉光245となりミラー23
7により偏向され、光センサー239に入る。ここで、
マスク72と光センサー239はレンズ233により供
役関係にあり、ウエハ73と光センサー238はレンズ
232により供役関係にある。
【0102】干渉光235及び245は光センサー23
8及び239により光電変換されて図17に示すビート
信号246及び247となる。ビート信号246及び2
47の位相差を、図16に示した位相差検出器240に
より測定し、この位相差が、マスク72とウエハ73の
相対位置ずれ量となり、この相対位置ずれ量が減少する
様に、位置コントローラー241においてマスク72と
ウエハ73の補正移動量を算出し、アクチュエーター2
42及び243によりマスク72とウエハ73の相対位
置合わせが行える。実施例1〜実施例4で述べたX線マ
スク構造体上に、直線回折格子209及び210を配置
することにより、ビート信号246及び247のS/N
比が向上し、高精度なマスクとウエハの相対位置合わせ
が可能となる。
【0103】ここで、可干渉光225及び226の発振
周波数をf1 及びf2 、直線回折格子209及び210
のピッチをP、直線回折格子209及び210の基準位
置からのずれ量を夫々x1 及びx2 とすると、ビート信
号246及び247は、 L1 =a1+b1・cos{2π(f2−f1)t+4πx1/P} (a) L2 =a2+b2・cos{2π(f2−f1)t+4πx2/P} (b) となる。式(1)及び(2)において、a1 、a2 は直
流成分、b1 、b2 はビート信号の振幅である。位相差
検出器240において得られるビート信号246と24
7の位相差Δφとマスク72とウエハ73の相対ずれ量
の関係は、 x2−x1 =P・Δφ/4π (c) となり、式(c)で計算され、この値が減少する様に、
マスク72とウエハ73はアクチュエーター242及び
243により位置調整をされている。
【0104】実施例20 本実施例は、実施例7〜実施例11で述べたX線マスク
構造体の散乱防止膜の成膜方法を示すものである。以
下、図18〜図20を用いて、散乱防止膜の成膜方法を
説明する。図18はX線マスク構造体の散乱防止膜の製
造装置を示す図である。176はプラズマCVD(化学
気相合成法)用チャンバーであり、178は電極であ
る。成膜するX線マスク構造体用の基板171はサンプ
ルホルダー177に設置されている。プラズマCVD用
チャンバー176には、成膜中の散乱防止膜の成膜状態
モニター機構が付加されている。それはレーザー17
9、偏向用ミラー180、光検出器181及び183か
ら構成されており、ミラー180と光検出器181及び
183は保護部材182で保護されている。レーザー1
79から出射されたレーザー光は、偏向ミラー180に
より進行方向を偏向させられ保護部材182を透過し、
成膜中のX線マスク構造体用の基板171に所定の角度
を持って照射される。
【0105】成膜中のX線マスク構造体用の基板171
からの正反射光は保護部材182を透過し光検出器18
1に入射し、X線マスク構造体用の基板171からの散
乱光は保護部材182を透過し光検出器183に入射す
る。光検出器181及び183より得られる光強度信号
を基に散乱光量が最小となる様な成膜を行う。例えば光
検出器181より得られる光強度分布により反射率がほ
ぼ0になり、且つ散乱光を検出する光検出器183の光
強度が最小になる膜厚で成膜を止めれば、アライメント
時にX線マスク構造体用の基板表面からの散乱光を低減
することが出来る。
【0106】図19は図18に示した、成膜中の散乱防
止膜の成膜状態モニター機構の別の実施態様を示す図で
ある。図18は成膜状態モニター系がプラズマCVD用
チャンバー内に配置されていたが、図19に示す様に成
膜状態モニター系はCVD用チャンバーから独立してい
てもよい。図19において、散乱防止膜を成膜したX線
マスク構造体用の基板に対して、レーザー179を出射
したレーザー光は、偏向ミラー180により進行方向を
偏向させられ、散乱防止膜を成膜したX線マスク構造体
用の基板171に所定の角度をもって照射される。
【0107】成膜中のX線マスク構造体用の基板171
からの正反射光は光検出器181に入射し、X線マスク
構造体用基板171からの散乱光は光検出器183に入
射する。光検出器181及び183より得られる光強度
信号を基に散乱光量が最小になる様な成膜を行う。例え
ば光検出器181より得られる光強度分布により反射率
がほぼ0になり、且つ散乱光を検出する光検出器183
の光強度が最小になる膜厚で成膜を止めれば、アライメ
ント時にX線マスク構造体用の基板表面からの散乱光を
低減することができる。
【0108】図20は、図19に示す成膜状態モニター
系を使用した場合の散乱防止膜の成膜過程の流れ図であ
る。以上に述べた様に、本実施例に述べた方法により散
乱防止膜の成膜を行えば、アライメント時にX線マスク
構造体用の基板表面からの散乱光を低減することがで
き、高精度なアライメントが可能となる。
【0109】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、X
線透過膜表面或いはパターンでの散乱光、特にアライメ
ント光の散乱を低減することが可能となり、マスクとウ
エハの相対位置合わせをする際に用いる測定信号のノイ
ズ成分が減少し、高精度な相対位置合わせを行うことが
出来、高精細のリソグラフィが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すX線マスク構造体の作
製工程を示す模式図である。
【図2】本発明のアライメント光の光散乱防止膜の配置
を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例2を示すX線マスク構造体の作
製工程を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例5を示すX線露光装置概略図で
ある。
【図5】実施例6及び実施例15を説明する半導体デバ
イス製造フローである。
【図6】実施例6及び実施例15を説明するウェハプロ
セスである。
【図7】実施例7のX線マスク構造体の作製工程を示す
模式図である。
【図8】実施例8のX線マスク構造体の作製工程を示す
模式図である。
【図9】実施例9のX線マスク構造体の作製工程を示す
模式図である。
【図10】実施例10のX線マスク構造体の作製工程を
示す模式図である。
【図11】実施例11のX線マスク構造体の作製工程を
示す模式図である。
【図12】実施例12のX線マスク構造体の作製工程を
示す模式図である。
【図13】実施例13のX線マスク構造体の作製工程を
示す模式図である。
【図14】実施例16及び実施例17のX線マスク構造
体の作製工程を示す模式図である。
【図15】位置合わせを説明する為の図である。
【図16】位置合わせを説明する為の図である。
【図17】干渉光が光電変換された場合のビート信号を
示す図である。
【図18】X線マスク構造体の光散乱防止膜の製造装置
を示す図である。
【図19】光散乱防止膜の成膜状態の別のモニター機構
を示す図である。
【図20】図19に示す成膜状態のモニター機構を用い
た場合の光散乱防止膜の成膜過程のフローである。
【図21】従来例のX線マスク構造体の作製工程を示す
模式図である。
【図22】従来のX線マスク製造プロセス例(めっき
法)の模式図である。
【図23】従来のX線マスク製造プロセス例(エッチン
グ法)の模式図である。
【図24】X線露光装置の模式図である。
【図25】X線マスク構造体とウエハの相対位置を検出
する化学系概略図である。
【図26】X線マスク構造体とウエハ上に配置された物
理光学素子の配置と照射光の関係を示す図である。
【図27】アライメント光のマスク上パターンでの散乱
を模式的に示す図である。
【図28】アライメント信号の出力波形及び第8の実施
例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1:基板 2:X線透過膜 3,7:光散乱防止膜 4:X線吸収体 5:X線吸収体パターン 6:支持枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 啓子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−173618(JP,A) 特開 平5−36591(JP,A) 特開 平5−47642(JP,A) 特開 平5−82422(JP,A) 特開 平5−90136(JP,A) 特開 平5−90138(JP,A) 特開 平5−129190(JP,A) 特開 平5−136028(JP,A) 特開 平5−175104(JP,A) 特開 昭63−191105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状のパターンと、該パターンを上
    面に保持するX線透過膜と、該X線透過膜を支持する支
    持枠とを具備したX線リソグラフィ用マスク構造体であ
    って、該X線透過膜の上面及び下面の少なくとも一部に
    該X線透過膜の屈折率と実質的に同様の屈折率を有する
    光散乱防止の為の平滑被膜が形成されていることを特徴
    とするX線マスク構造体。
  2. 【請求項2】 平滑被膜の表面に、該平滑被膜に入射す
    る光の表面反射光を低減させる光反射防止膜が設けられ
    ている請求項に記載のX線マスク構造体。
  3. 【請求項3】 平滑被膜の屈折率がX線透過膜の屈折率
    の±10%の範囲にある請求項に記載のX線マスク構
    造体。
  4. 【請求項4】 少なくともX線透過膜の上面に所定形状
    のパターンを形成する工程と、該X線透過膜の上面及び
    下面の少なくとも一方に、X線透過膜の屈折率と実質的
    に同様の屈折率を有する光散乱防止膜を形成する工程と
    を有することを特徴とするX線マスク構造体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 光散乱防止膜の形成工程に、光散乱防止
    膜の形成面の散乱光をモニターすることによって光散乱
    防止膜の膜厚の制御を行う工程を含む請求項に記載の
    X線マスク構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 平滑被膜が、アモルファス構造を有する
    請求項に記載のX線マスク構造体。
  7. 【請求項7】 平滑被膜の膜厚が、X線透過膜表面が有
    している凹凸の厚みよりも厚い請求項に記載のX線マ
    スク構造体。
  8. 【請求項8】 所定形状のX線吸収体部を有するパター
    ンと、該パターンを上面に保持するX線透過膜と、該X
    線透過膜を支持する支持枠とを具備したX線リソグラフ
    ィ用マスク構造体であって、上記X線吸収体部の少なく
    とも側面部に光吸収層が形成されていることを特徴とす
    るX線マスク構造体。
  9. 【請求項9】 光吸収層が、カーボン膜又は色素化合物
    からなる膜である請求項に記載のX線マスク構造体。
  10. 【請求項10】 X線透過膜上に所定形状のパターンを
    形成する工程と、該パターンの表面の少なくとも側面
    に光散乱防止膜を選択的に設ける工程とを有してなるこ
    とを特徴とするX線マスク構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくともX線源及び請求項1並びに
    請求項のいずれかに記載のX線マスク構造体を具備
    し、且つ、該X線マスク構造体を介してX線源からX線
    露光を施して、X線マスク構造体に形成されているパタ
    ーンを被露光部材に転写することを特徴とするX線露光
    装置。
  12. 【請求項12】 被露光部材に対し、請求項1並びに請
    求項のいずれかに記載のX線マスク構造体を介してX
    線露光を施して、X線マスク構造体に形成されているパ
    ターンを被露光部材に転写する工程を有することを特徴
    とするX線露光方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のX線露光方法によ
    り、基板上に形成された被露光部材にパターンを転写し
    た後、基板を加工する工程を有してなるプロセスによっ
    て製造されることを特徴とする半導体装置。
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