JP3530452B2 - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置

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JP3530452B2
JP3530452B2 JP2000043437A JP2000043437A JP3530452B2 JP 3530452 B2 JP3530452 B2 JP 3530452B2 JP 2000043437 A JP2000043437 A JP 2000043437A JP 2000043437 A JP2000043437 A JP 2000043437A JP 3530452 B2 JP3530452 B2 JP 3530452B2
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稔 岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プール、浴場の
浴槽といった大型の水槽から、ビルの屋上等に配置され
る給水槽、一般家庭用の浴槽といった小型の水槽まで、
種々の水槽に貯留された被処理水を滅菌処理することが
できる、新規な水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば屋内外に設置されたプール、あ
るいは旅館の浴場や公衆浴場における浴槽等は、その水
質を維持するために定期的にいわゆるカルキ(さらし
粉、高度さらし粉)や次亜塩素酸ソーダ(NaClO)
の水溶液を投入して滅菌処理をする必要がある。
【0003】しかし従来は、この作業を、プールや浴場
の従業者等が手作業で行っており、しかもカルキや次亜
塩素酸ソーダの水溶液は刺激性を有するため十分に注意
しながら作業を行わなければならないなど、処理をする
のに大変な労力を要するという問題があった。また特に
カルキは固形粉末であるため、投入後、溶解して濃度が
均一になるまでに長時間を要し、その間、プールや浴槽
を使用できないという問題もあった。
【0004】また、ビルの屋上等に配置される給水槽
や、あるいは一般家庭用の浴槽の場合は、滅菌処理を水
道水中に含まれる塩素に頼っているのが現状であり、特
に給水槽の場合には、内部に藻が繁殖するなどして水質
が悪化することがある。また、一般家庭用の浴槽の場合
は通常、ほぼ1〜2日毎に水を入れ換えるため水質の点
では問題はないように思われがちであるが、浴槽に接続
されたボイラー内は頻繁に掃除できないために雑菌やか
び等が繁殖しやすく、やはり水質の悪化が懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願出願人は、
上述のような各水槽に貯留された被処理水を電解槽に導
き、電気化学反応により滅菌処理する水処理装置を発明
した。この発明した水処理装置では、電極を有する電解
槽へ被処理水を供給し、被処理水に対して電気化学反応
(いわゆる電気分解)を施す。施された電気化学反応に
より、次亜塩素酸イオン、塩素ガス、HClO等が発生
し、それらが被処理水に溶けることによって、被処理水
が滅菌されるというものである。
【0006】このように電解槽を用い、電気化学反応に
より滅菌をする水処理装置においては、(1)電解槽に
おける電気化学反応が良好に行われるよう、電極に付着
するスケールの付着具合や、電極寿命を正確に把握する
必要がある、(2)電気化学反応により処理された水の
残留塩素濃度が、所望の濃度になるように制御する必要
がある、(3)電解槽における電気化学反応が安全に行
われるようにしなければならない、等の課題があり、こ
れら課題を解決するような構成の水処理装置にする必要
があった。
【0007】この発明は、上述のような課題を解決し、
安全かつ良好に滅菌処理をすることのできる新規な水処
理装置を提供することを目的とする。より具体的には上
記(1)〜(3)のような課題を解決した、電気化学反
応を利用した新規な水処理装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】 請求
記載の発明は、電極を有し、電極に通電することに
より供給される被処理水を電気化学反応によって滅菌す
る電解槽と、電解槽における電気化学反応時に生じる気
体を水から分離する気体液体分離槽とを有する水処理装
置において、気体液体分離槽に設けられた水素濃度検知
手段と、水素濃度検知手段の信号に基づいて、電極への
通電を制御する通電量制御手段と、を有することを特徴
とする水処理装置。
【0014】請求項記載の発明は、電極を有し、電極
に通電することにより供給される被処理水を電気化学反
応によって滅菌する電解槽と、電解槽における電気化学
反応時に生じる気体を水から分離する気体液体分離槽と
を有する水処理装置において、気体液体分離槽で分離さ
れた気体を強制排気する排気手段と、排気手段の排気状
態を検知する手段と、検知手段の検知信号に基づいて、
電極への通電量を制御する手段と、を有することを特徴
とする水処理装置。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】請求項1よび2の構成では、電解槽に気体
液体分離槽が併設された装置において、気体液体分離槽
で分離される電気化学反応時に生じる気体を安全に処理
できる。
【0023】特に、請求項の構成では、気体液体分離
槽において、分離された気体の中の水素濃度が何らかの
異常で高くなった場合には、電極への通電を抑制するか
停止することによって、水素ガスの発火等のおそれがな
い。また請求項の構成では、気体液体分離槽の強制排
気手段が故障した場合等においては、電極への通電を停
止する。
【0024】なお、請求項1および2における気体液体
分離槽は、電解槽と別の槽として構成されてもよいし、
電解槽の一部に組み込まれていてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の実施形態について具体的に説明をする。図1は、
この発明の一実施形態にかかる水処理装置1を、プール
という大型の水槽2に組み込んだ構造を簡略化して示す
図である。
【0026】水槽2には、その中に貯留された被処理水
Wを循環させるための主循環経路20が備えられてい
る。主循環経路20には、循環ポンプ21、砂濾過のた
めのフィルタ22および被処理水を加熱するための熱交
換器23が配置されている。水槽2の被処理水Wは、1
点鎖線で示すように、主循環経路20を循環される。こ
の実施形態にかかる水処理装置1は、フィルタ22の下
流側の分岐点J1から分岐して水を取り込み、処理した
後の水を熱交換器23の下流側の分岐点J2に合流させ
る水路10を有する。分岐点J1から分岐された水路1
0には、流量調整のための調整弁B1、濾過用のフィル
タ11、イオン交換樹脂12、導電率センサ13、電磁
弁B2、電解槽14、電磁弁B3、流量計15、調整弁
B4、循環ポンプ16、流量計17、逆止弁B5、調整
弁B6,B7が介在されていて、分岐点J2に合流して
いる。
【0027】さらに、調整弁B1とフィルタ11との間
の水路10には分岐点J3が設けられ、分岐点J3から
分水路30が延びている。分水路30には調整弁B8お
よび残留塩素濃度センサ31が介在されている。残留塩
素濃度センサ31を通った水は排水溝へ導かれる。電解
槽14にはプラス側電極組41およびマイナス側電極組
42が備えられている。各電極組41,42には、それ
ぞれ、複数枚の電極板が設けられている。各電極板は、
たとえばチタニウム(Ti)製の基板の表面全面に金
(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−
イリジウム(Pt−Ir)等の貴金属の薄膜を、めっき
法や焼成処理によってコーティングしたものが好まし
い。
【0028】プラス側電極組41は電源電圧43のプラ
ス側電位に接続されており、マイナス側電極組42は電
源電圧43のマイナス側電位に接続されている。電源電
圧43とプラス側電極組41との接続経路には電流計4
4が挿入されている。よって電源電圧43から電極組4
1,42へ流れる電流を、電流計44によって測定する
ことができる。
【0029】電解槽14にはメンテナンス用の薬剤等を
投入するための投入口45と、電解槽14内の溶液を排
出するためのドレン口46とが備えられている。投入口
45には供給路47の一端が接続されており、供給路4
7の他端は酢酸溶液槽48内に浸っている。また、供給
路47には定流量ポンプ49および電磁弁B9が介在さ
れている。一方、ドレン口46には電磁弁B10が備え
られたドレン管50が連結されている。
【0030】電解槽14には、また、槽の温度を検知す
るための温度検知手段としてのサーミスタ40が備えら
れている。電解槽14の出口側水路10には電解槽14
から流出される水の圧力を測定するための圧力計51が
備えられている。さらに、循環ポンプ16と流量計17
との間の水路10には分岐点J4が備えられていて、分
岐点J4には供給路52がつながれている。供給路52
の先端はNaClO槽53内に連結されていて、NaC
lO槽53内のNaClOは定流量ポンプ54により汲
み出されて、供給路52を通って分岐点J4から水路1
0へ流入し、分岐点J2側へと流れるようになってい
る。
【0031】上記構成の水処理装置1の作用は次のとお
りである。水槽2の水は循環ポンプ21で汲み出され、
フィルタ22で砂濾過により有機物が除去される。そし
て分岐点J1で、熱交換器23を通って水槽2に還流さ
れる水と、水処理装置1に流入される水とに分かれる。
水処理装置1に流入される水は、調整弁B1によってそ
の流量が調整され、フィルタ11で有機物が除去され、
イオン交換樹脂12でカルシウム、マグネシウム等のイ
オンが除去された後、導電率センサ13および電磁弁B
2を通って電解槽14へ与えられる。導電率センサ13
では電解槽14へ与えられる被処理水の電気伝導度であ
る導電率が測定される。
【0032】また、水路10に流れ込む水の一部は、分
岐点J3から分水路30へと流れて、調整弁B8でその
流量が調整されながら残留塩素濃度センサ31へ与えら
れる。残留塩素濃度センサ31では被処理水の残留塩素
濃度が測定される。残留塩素濃度センサ31を通った後
の水は排水溝へと排出される。残留塩素濃度センサ31
の水路をこのように分水路とした理由は、残留塩素濃度
センサ31は許容流量が極めて小さいからである。従っ
て排水溝へ排水される水の量も極めて少ない量である。
【0033】電解槽14内ではプラス側電極組41およ
びマイナス側電極組42間に直流電流が通電されること
により電気分解が行われる。電気分解では、電極間に次
のような電気化学反応が生じ、この反応により発生する
次亜塩素酸イオン(ClO-)、塩素ガス、HClOあ
るいは反応過程でごく短時間発生する活性酸素
(O2 - )等によって被処理水が滅菌処理される。
【0034】(陽極側) 4H2 O−4e- →4H+ +O2 ↑+2H2 O 2Cl- →Cl2 +2e-2 O+Cl2 ⇔HClO+H+ +Cl- (陰極側) 4H2 O+4e- →2H2 ↑+4OH- (陽極側+陰極側) H+ +OH- →H2 O 電解槽14で滅菌処理された水は循環ポンプ16により
汲み出される。すなわち、電解槽14で滅菌処理された
水は、電磁弁B3、流量計15、調整弁B4および循環
ポンプ16を経由して水路10を流れ、さらに、流量計
17、逆止弁B5、調整弁B6,B7を経由して分岐点
J2から主循環経路22へと流れ込んで、水槽2内へ流
入する。これにより、水槽2内の水が滅菌処理される。
【0035】さらにこの実施形態では、電解槽14の電
気分解による滅菌処理では滅菌に時間を要するような場
合には、NaClO槽53のNaClOが定流量ポンプ
54で汲み出されて、水路10内へ流入されるようにな
っている。この実施形態の特徴は、上記構成の水処理装
置1に対して以下に説明するマイクロコンピュータ等で
構成された制御部による制御を施すことによって、良好
な滅菌処理が行えるようにされている点である。
【0036】図2は、図1に示す水処理装置1の電気的
な構成を示すブロック図である。図1では図示を省略し
たが、水処理装置1には、マイクロコンピュータ等で構
成された制御部60が備えられている。制御部60に
は、図1で説明した水処理装置1に備えられた種々のセ
ンサ類からの検知信号が与えられる。すなわち、導電率
センサ13、残留塩素濃度センサ31、サーミスタ4
0、電流計44、流量計15,17、および圧力計51
の検知信号は制御部60へ与えられる。制御部60で
は、これら与えられる検知信号に応じ、予め定める動作
プログラムに従って水処理装置1の動作を制御する。具
体的には、電磁弁B2,B3,B9,B10、定流量ポ
ンプ49,54、循環ポンプ16および電源電圧43の
制御を行う。なおこの実施形態では、水処理装置1に備
えられた電磁弁は4つである例を説明したが、調整弁B
1,B4,B6,B7,B8を適宜電磁弁と置換しても
よい。また、必要に応じて水路10や供給路52に弁を
挿入してもよい。
【0037】さらに、制御部60には設定部61からの
信号が与えられる。設定部61は、水処理装置1の管理
人等が操作できる操作パネルを有しており、操作パネル
によって所望の動作状態を設定できる。たとえば水槽2
の残留塩素濃度の目標値を設定することができる。ま
た、後述する図6に示すような気体液体分離型の水処理
装置100の場合には、1点鎖線で示すように、制御部
60に対してフロートスイッチ71、水素ガスセンサ7
3および換気扇電流計74aの検知信号が与えられる。
また、制御部60は循環ポンプ76および換気扇74の
動作を制御する。
【0038】図3は、制御部60によって行われる制御
動作のうちの電解槽14のメンテナンス制御を示すフロ
ーチャートである。図3の制御により、電解槽14に備
えられた電極組41,42に対するスケールの付着具合
や電極組41,42の寿命が判定され、付着したスケー
ルが自動的に洗浄される。具体的に図3のフローチャー
トに従って説明する。制御部60にはメモリエリアが備
えられていて、予め3つの比例定数K0 、KxおよびK
を設定できるようになっている。ここにK0 は電極組4
1,42の初期比例定数で、電極組41,42の最大能
力を示す値である。Kxは電極組41,42を酢酸洗浄
するか否かの判断に利用する比例定数である。Kは電極
組41,42に流れている現在の電流値および導電率に
より算出される比例定数である。
【0039】制御動作では、まず、K0 ,KxおよびK
の3つの比例定数がすべて「0」に初期化される(ステ
ップS1)。次いで比例定数Kが演算により算出される
(ステップS2)。電極間に一定直流電圧をかけた場
合、その電極間に流れる電流値は、一般にその間に存在
する溶液の導電率σに比例することが知られている。従
って、導電率σと電極間に流れる電流Iとの間には、I
=Kσが成り立つ。それゆえ制御部60では、電流計4
4から得られる電流値Iおよび導電率センサ13から得
られる導電率σに基づいて、比例定数Kを算出する。
【0040】次いでK0 が「0」か否かの判別がされる
(ステップS3)。制御が開始された直後は、K0 は初
期化されて「0」であるから、処理はステップS4へ進
み、比例定数K0 としてステップS2で算出されたKが
設定される。次いで比例定数Kxが「0」か否かの判別
がされる(ステップS5)。制御開始直後は、Kxは初
期化されて「0」であるから、処理はステップS6へ進
み、Kx=Kに設定される。
【0041】次いでステップS7でKと0.2K0 の大
小が比較される。制御の開始直後は、K0 は、ステップ
S4で設定されたようにK0 =Kであるから、ステップ
S7の判断は否定されてステップS8の処理はスキップ
されて、ステップS9へと進む。ステップS9では、K
と0.8Kxの大小が比較される。制御開始間もなくの
間は、Kxの間は、ステップS6で設定したようにKx
=Kであるから、ステップS9の判断は否定されてステ
ップS10,S11の処理はスキップされて、ステップ
S2からの処理が繰返される。
【0042】電解槽14における電気分解時間が経過す
るに従い、電極に徐々にスケール等が付着する。このた
め、電極組41,42に流れる電流値が次第に変化す
る。この電流値の変化に基づいて、ステップS2では、
現在の比例定数KをI=Kσの関係から演算により算出
する。算出されるKは徐々に低下する。処理開始後は、
ステップS3およびS5の判断はいずれも否定されるか
ら、ステップS4,S6の処理はスキップされてステッ
プS7,S9の判断がされる。比例定数Kは徐々に低下
し、やがてはステップS9におけるK<0.8Kxの判
断が肯定される。すなわち現在の比例定数Kがステップ
S6で設定されたKx=Kの値の80%未満になる。こ
の場合は、電極へのスケールの付着が多くなったと判定
され、ステップS10,S11のスケール洗浄制御に進
む。
【0043】この制御では、まず、洗浄比例定数Kxを
「0」にクリアして(ステップS10)、洗浄後にKx
を更新できるようにする。そして電源電圧43から電極
組41,42への通電を一時停止し、かつ電磁弁B2,
B3を閉じる。そして、電磁弁B10を開いて、電解槽
14内の水をドレン口46から排水する。その後、電磁
弁B10を閉じ、電磁弁B9を開いて、定流量ポンプ4
9を動作させる。これにより酢酸溶液槽48に溜められ
た酢酸が供給路47を通って電解槽14へ供給される。
そして電解槽14内が酢酸で満たされると、定流量ポン
プ49を停止し、電磁弁B9を閉じる。そして約10分
間電解槽14内に酢酸が満たされることによって電極組
41,42に付着したスケールが洗浄される。その後、
電磁弁B10が開かれて洗浄に使用された酢酸が排水さ
れる。そして電磁弁B10が閉じられ、電磁弁B2,B
3が開かれてスケール洗浄制御を終える(ステップS1
1)。そして処理はステップS2に戻る。
【0044】スケール洗浄処理が1回行われると、比例
定数Kxは「0」にクリアされているから、スケール洗
浄後にステップS2で算出された比例定数Kが酢酸洗浄
比例定数として設定し直される(ステップS5,S
6)。すなわち酢酸洗浄が終了する都度、比例定数Kx
が更新設定される。従ってKxが更新設定された直後に
は、ステップS9の判断は否定されるから、ステップS
10,S11はスキップされてステップS2からの処理
が繰返される。電解槽14における電気分解がさらに継
続されると、やがてステップS9の判断が肯定されるこ
とになり、そのときには再び酢酸洗浄が行われる。
【0045】以上のようにして酢酸洗浄が一定の周期毎
に実行されるから、電極組に付着したスケールが自動的
に洗浄され、電解槽14の電気分解が長時間良好に行え
る。やがて、ステップS4で設定された初期比例定数K
0 が現在の比例定数Kの20%以下まで低下することに
なる。この場合は電極の表面触媒が消耗し、電極が腐食
したものと判断して、電極寿命が尽きた旨のランプを点
灯させる(ステップS8)。水処理装置1の管理人は、
このランプが点灯したことに基づき、電解槽14の電極
組41,42を交換することになる。
【0046】図4は水処理装置1の電解槽14における
電気分解制御の一例を示すフローチャートである。図4
のフローチャートでは、被処理水の残留塩素濃度が、設
定部61(図2参照)で設定された濃度になる制御が示
されている。図2および図4を参照して、制御部60で
は、設定部61により設定された残留塩素濃度X0 が読
み込まれる(ステップS21)。また残留塩素濃度セン
サ31により検知される検知信号X、すなわち現在の残
留塩素濃度Xが読み込まれる(ステップS22)。そし
てXとX0 の大小が比較される(ステップS23)。
【0047】検知された現在の残留塩素濃度Xが設定さ
れた残留塩素濃度X0 以下であれば、被処理水の残留塩
素濃度を設定された残留塩素濃度にするために必要な電
解量を計算により求め、その電解量を得るために電極組
41,42に供給すべき仮の電力供給量W0 および電解
槽14へ流入させる水の仮の流量Q0 が設定される(ス
テップS24)。この後、安全サブルーチンステップS
26にて仮の電力供給量W0 および仮の流量Q0 が調整
され、実際に、電極組41,42に供給する電力量と電
解槽14に流入する水の流量が決定されて、出力制御さ
れる(ステップS27)。出力制御とは、電源電圧4
3、電磁バルブB2,B3、循環ポンプ16等の制御と
いうことである。
【0048】ステップS23において、検知された残留
塩素濃度Xが設定された残留塩素濃度X0 よりも高い場
合には、電解槽14における電気分解は不要であるか
ら、電源電圧43から電極組41,42への電源供給量
0 を「0%」とする。また、このときは、残留塩素濃
度センサ31への安定した水圧と流量とを確保するため
に、分岐点J1から水路10への被処理水の取り込み量
を、水処理装置1に流入可能な最大流量の約20%の流
量、この実施例ではたとえば10リットル/分に設定す
る(ステップS25)。
【0049】以上の制御により、水槽2の残留塩素濃度
を設定部61で設定された所望の濃度にできるととも
に、そのために必要な電解槽14での電気分解を安全に
実行することができる。次に、ステップS26における
安全サブルーチンの具体的な内容について説明をする。
【0050】図5は、安全サブルーチンの具体的な内容
を示すフローチャートである。安全サブルーチンでは、
まず、電解槽14に備えられたサーミスタ40で検知さ
れる温度Tが制御部60によって読み込まれる(ステッ
プP1)。そしてその温度Tが50℃以上か否かの判別
がされる(ステップP2)。電解槽14で電気分解が行
われると、電解槽14内の溶液温度が上昇するが、この
温度が50℃以上に高くなった場合には、温度異常表示
および温度異常報知が行われる(ステップP3)。そし
て図4のステップS24で設定された仮の電源供給量W
0 を0%に設定変更する。また、仮設定されていた電解
槽14への水の流量Q0 を、電解槽14を冷却するため
に、水路10への導入最大流量、たとえばこの実施例で
は50リットル/分に設定する(ステップP3)。
【0051】一方、サーミスタ40による検知温度Tが
40℃<T<50℃の範囲では(ステップP2の判断が
否定され、ステップP4の判断が肯定された場合)、そ
の温度Tに応じて、仮設定された電源供給量を減らし、
かつ、仮設定された流量を増やす。具体的には、電源供
給量W0 を、W0 =10×(50−T)%とし、流量Q
0 をQ0 =50+5(50−T)%とする(ステップP
5)。
【0052】なおこの検知温度Tに応じて電源供給量W
0 および流量Q0 を変更する上記式は一例にすぎず、他
の式に基づいて電源供給量W0 および流量Q0 を調整す
るようにしてもよい。次に電解槽14の流出側水路に連
結された圧力計51(図1参照)により電解槽14内の
水圧が検知される(ステップP6)。その結果、水圧P
がP≧1kgf/cm2 か否かが判別され(ステップ
7)、この判断が肯定されれば水圧異常表示および水圧
異常報知がなされる(ステップ8)。つまり電解槽14
への流入水圧の異常上昇や、水路10の詰まり等の問題
発生と考えられるから、それを水処理装置1の管理人等
に知らせるわけである。また、この場合は、安全のため
に電極組41への電源供給量W0 を0%に設定するとと
もに、電磁弁B2を閉じて電解槽14への水の流入をし
ゃ断する。なお、この場合において、必要があれば、電
磁弁B3を閉じ、循環ポンプ16を停止して、電磁弁B
10を開いて電解槽14の水を排水するようにしてもよ
い(ステップP12)。
【0053】ステップP7の水圧Pの判断が否定されて
水圧Pが正常な範囲の場合には、流量計15によって電
解槽14の流出側流量Qが検知され、その流量Qが予め
定める流量、すなわち5リットル/分未満か否かの判別
がされる(ステップP10)。流出側流量Qが設定され
た流量よりも少ない場合は、電解槽14の出口側が詰ま
る等の異常があると推測できるから、流量異常表示およ
び流量異常報知がされる(ステップP11)。そしてこ
の場合もステップP12に進んで電解槽14における電
気分解が中止されるとともに電磁弁B2が閉じられて電
解槽14への水の流入がしゃ断される。
【0054】以上のような制御により、水処理装置1、
特に電解槽14が外乱や故障等で問題を生じても、安全
に最適な運転ができるようになる。図6は、この発明の
他の実施形態にかかる水処理装置100がプールという
大型の水槽2に組み込まれた構造を簡略化して示す図で
ある。この水処理装置100が図1に示す水処理装置1
と異なる点は、電解槽14に加えて、電解槽14におけ
る電気分解時に生じる気体を水から分離するための気体
液体分離槽としてのガス除去槽70が備えられているこ
とである。電解槽14の流出側は調整弁B10および流
量計15が介在された水路10によってガス除去槽70
につながれている。
【0055】ガス除去槽70はフロートスイッチ71を
備え、一定量の水を溜めながらその水に含まれている気
体を分離する。そして分離された気体は排気管72を経
由して外気へ排出される。排気管72には水素ガスセン
サ73が設けられるとともに、発生する水素ガスおよび
酸素ガス等を排気管72を経由して排気するための換気
扇74が設置されている。
【0056】ガス除去槽70内の水は先端にフィルタ7
5が備えられた水路10によって汲み出される。さらに
この実施形態では、分岐点J3から分岐する分水路30
はガス除去槽70につなげられていて、残留塩素濃度セ
ンサ31を通過した水は排水溝ではなくガス除去槽70
に戻される構成になっている。
【0057】また、電解槽14の流入側水路10には循
環ポンプ76が挿入されている。なお、図示されていな
いが、換気扇74に流れる電流は制御部60によりモニ
タされており、正常状態では換気扇74に流れる電流範
囲は、0.1〜1[A]の範囲内になるようになってい
る。水処理装置100では、ガス除去槽70の前後の水
路10に流量計15,17が備えられていて、ガス除去
槽70を流れる水の流量が検知できるようになってい
る。また、ガス除去槽70に流れる水の流量制御は循環
ポンプ16および循環ポンプ76により行われる。これ
ら2つの循環ポンプ16,76はインバータ制御により
その送水能力が無段階に調整できることが好ましい。な
お、循環ポンプ76の流量は循環ポンプ16の流量より
も約1[リットル/分]程度多くなるように制御する
が、フロートスイッチ71が働くと循環ポンプ76を停
止するので、ガス除去槽70から水が溢れることはな
い。ガス除去槽70のフロートスイッチ71としては、
たとえばヒステリシスタイプを用いることができる。
【0058】その他の構成は、図1に示す水処理装置1
と全く同じであり、同一または対応部分には同一の参照
番号を付し、それら構成要素の説明については省略をす
る。図6に示す水処理装置100の基本的な動作は図4
に示すフローチャートの制御と同じである。図6の水処
理装置100の特徴となる制御動作は、安全サブルーチ
ンの内容である。次にこの特徴となる安全サブルーチン
の制御内容について、図7を参照して説明をする。
【0059】図7に示す安全サブルーチンでは、図4の
ステップS24で設定された仮の電源供給量W0 および
仮の流量Q0 が、安全性確保のために調整される。すな
わち、サーミスタ40の検知温度が読み込まれて(ステ
ップQ1)、その温度に応じて電源供給量および流量の
仮設定値が調整される。具体的には、サーミスタ40で
検知された電解槽14の温度Tが50℃以上の場合は、
温度異常表示および温度異常報知がされる(ステップQ
3)。そして仮電源供給量W0 を0%にして通電を停止
する一方、電解槽14を冷却するために、電解槽14へ
の流入流量Q0 を、水路10への導入可能な最大流量
(この実施例では50リットル/分)に設定する。この
設定流量の水を流す動作は循環ポンプ16および循環ポ
ンプ76によって実現されるが、流入側である循環ポン
プ76の流量はQ0 +αとし、循環ポンプ16の流量を
0 とすることにより、電解槽14内に水が満たされた
状態で良好に冷却が可能になる。
【0060】また温度Tが40℃<T<50℃の範囲で
は、その温度に応じて仮電源供給量W0 の設定値を減ら
し、それと共に仮流量設定値Q0 を増やす。具体的に
は、W 0 ×(50−T)%、Q0 =50+5(50−
T)%によって、それぞれW0 およびQ0 の値を設定す
る。以上の制御動作は、図5で説明した動作と実質的に
同じである。
【0061】次いで、水素ガスセンサ73によりガス除
去槽70から発生する水素ガス濃度Hが検知される(ス
テップQ6)。そしてその検知された濃度Hが、燃焼限
界下限値である4%を超えた場合は、水素濃度異常表示
および水素濃度異常報知が行われる(ステップQ8)。
そしてこの場合は仮電源供給量W0 を0%に設定する。
【0062】また、検知された水素濃度が2%≦H<4
%の範囲では、その濃度に応じて電源供給量Wxが計算
される(ステップQ10)。この計算は、たとえばWx
=50×(4−H)%によって算出される。そして算出
された電源供給量Wxが仮電源供給量W0 と比較され
(ステップQ11)、Wxが少ない場合にはそれが電源
供給量となる(ステップQ12)。
【0063】次に水素ガスセンサ73と同じ排気経路に
設けた換気扇74に流れる電流量が換気扇電流計74a
でモニタされる(ステップQ13)。その結果、換気扇
電流Iが1A以上または0.1A未満の場合は、換気扇
74のロックや断線等の問題発生と考えられ、換気扇異
常表示および換気扇異常報知がなされる(ステップQ1
5)。そしてその場合は仮電源供給量W0 が0%に設定
される。
【0064】さらに、流出側流量計17によって流量Q
が検知され(ステップQ16)、その流量Qが、5リッ
トル/分未満の場合には、循環ポンプ16のエア噛み
や、循環ポンプ16の故障等が原因として考えられるか
ら、流量異常表示および流量異常報知がされる(ステッ
プQ18)。そして仮電源供給量W0 を0%にし、循環
ポンプ76を停止し、電磁弁B2を閉じることにより、
電解槽14への水の流入がしゃ断される(ステップQ1
9)。
【0065】最後に、フロートスイッチ71がオンする
ことによりガス除去槽70の満水が検知された場合には
(ステップQ20,Q21)、仮電源供給量W0 を0%
に設定するとともに、循環ポンプ76を停止して、電磁
弁B2を閉じ、電解槽14への水の流入がしゃ断され
る。かかる安全サブルーチンを経由した後、図4に示す
メインルーチンに戻り、調整後の電源供給量W0 および
流量Q0 に合うように制御が行われる。
【0066】なお、上述の実施形態では説明しなかった
が、換気扇74にインバータを設置して、水素ガスセン
サ73で検知される水素ガス濃度に応じて換気扇74の
回転数を制御し、換気量を調整するようにしてもよい。
以上のように安全サブルーチンを含む制御を行うことに
より、水処理装置を安全にかつ適切に制御することが可
能である。
【0067】この発明は以上説明した実施形態に限定さ
れるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の
変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る水処理装置を水槽
に組み込んだ構造を簡略化して示す図である。
【図2】水処理装置の電気的な構成を示すブロック図で
ある。
【図3】電解槽のメンテナンス制御を示すフローチャー
トである。
【図4】水処理装置の電解槽における電気分解制御の一
例を示すフローチャートである。
【図5】密閉型電解槽を用いた安全サブルーチンの具体
的な内容を示すフローチャートである。
【図6】この発明の他の実施形態に係る水処理装置が水
槽に組み込まれた構造を簡略化して示す図である。
【図7】気体液体分離型電解槽を用いた場合の安全サブ
ルーチンの具体的な内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,100 水処理装置 10 水路 13 導電率センサ 14 電解槽 15,17 流量計 16,21,76 循環ポンプ 31 残留塩素濃度センサ 40 サーミスタ 41 プラス側電極組 42 マイナス側電極組 43 電源電圧 44 電流計 48 酢酸溶液槽 51 圧力計 60 制御部 61 設定部 70 ガス除去槽 73 水素ガスセンサ 74 換気扇 B2,B3,B9,B10 電磁弁
フロントページの続き (72)発明者 河村 要藏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 廣田 達哉 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−335681(JP,A) 特開 平8−308909(JP,A) 特開 平8−206659(JP,A) 特開 平6−320162(JP,A) 特開 平9−1145(JP,A) 特開2000−37689(JP,A) 特開 平3−293093(JP,A) 特開 平9−253650(JP,A) 特開 平6−246271(JP,A) 特開 平8−39071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46 C02F 1/76

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を有し、電極に通電することにより供
    給される被処理水を電気化学反応によって滅菌する電解
    槽と、 電解槽における電気化学反応時に生じる気体を水から分
    離する気体液体分離槽とを有する水処理装置において、 気体液体分離槽に設けられた水素濃度検知手段と、 水素濃度検知手段の信号に基づいて、電極への通電を制
    御する通電量制御手段と、 を有することを特徴とする水処理装置。
  2. 【請求項2】電極を有し、電極に通電することにより供
    給される被処理水を電気化学反応によって滅菌する電解
    槽と、 電解槽における電気化学反応時に生じる気体を水から分
    離する気体液体分離槽とを有する水処理装置において、 気体液体分離槽で分離された気体を強制排気する排気手
    段と、 排気手段の排気状態を検知する手段と、 検知手段の検知信号に基づいて、電極への通電量を制御
    する手段と、 を有することを特徴とする水処理装置。
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