JP3554494B2 - 自動車のフロアマット取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のフロアマットを取り付ける構造にかかるもので、特に、フロアマットと座席の静止側スライドレールとの関係部分に関している。
【0002】
【従来の技術】
この種のフロアマット取付構造は、いろいろな形式のものが知られているが、本願発明に最も関係が深いと思われる先行技術としては、特開平7−257259号公報がある。ここに開示されている内容は、図7のとおりである。同図の構造を説明すると、フロアパネル1上に固定ブラケット(図示していない)を用いて、座席の静止側スライドレール2が固定され、フロアマット3を嵩上げ材4とカーペット5で構成し、カーペット5の表面6がスライドレール2の上面7とほぼ同じ高さに設定してある。そして、スライドレール2に固定した係止クリップ8にレールカバー9が結合してある。レールカバー9は、T字型断面の長尺な部材で、カバー部10と差し込み片11から構成され、図示のように差し込み片11が係止クリップ8で挟み付けられて、固定が図られている。こうすることによって、カーペット5の端部とスライドレール2との間にできる隙間がカバー部10で覆われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術であると、カバー部10を脚で踏んだり積荷が当たったりすると、カバー部10の表面に傷が付いたりして、見栄えが悪化する。この問題を避けるために、カバー部10の表面に保護用の樹脂コートを施すことがなされているが、これは原価上昇を招き得策ではない。また、図7のように嵩上げ材4から突き出ているカーペット5上に何らかの荷重が作用すると、この部分が窪んだ状態になり、やはり見栄え悪化を来すことになる。さらには、カバー部10の厚さ分だけ表面6から高くなっていると、ここに靴のつま先などが引っ掛かったりして、不都合である。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1の発明は、フロアパネル上に座席の静止側スライドレールを固定し、フロアマットを嵩上げ材とカーペットで構成して、カーペットの表面がスライドレールの上面とほぼ同じ高さとなるように構成した形式のものにおいて、嵩上げ材から突出させたカーペットの裏面の部分に係止具を取り付けると共にスライドレールに係止クリップを固定し、カーペットを屈曲させた状態で係止具を係止クリップにはめ合わせたことを特徴としている。
したがって、屈曲部とガイドレ−ルの上面との間には隙間ができることがなく、特別なモールやカバー部材を採用する必要がなくなる。カーペットに形成される屈曲部は、係止具の角部によってくっきりと且つ直線的に形成されるので、カーペットがスライドレールの間際まで拡がり、平面性のあるすっきりした仕上げが得られる。さらに、カーペットを屈曲させて係止具を係止クリップにはめ合わせるだけで組付けが完了するので、組立作業が大幅に簡素化される。さらに、係止具は、単純な断面形状の部材であるから、簡単な押し出し成形で安価に製作できる。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1において、係止具はスライドレールとほぼ同じ長さを有する長尺な部材として形成され、この係止具の角部がカーペットの屈曲箇所となるようにしたことを特徴とするもので、係止具の角部が直線的な屈曲部を形成するのに役立っている。
請求項3の発明は、請求項2において、係止具の角部の近傍におけるカーペットの裏面にカーペットの屈曲を節度付けるための凹溝が係止具のほぼ全長にわたって形成されていることを特徴とするもので、カーペットの屈曲部が、凹溝によって軽い屈曲力で確実に形成できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施形態に基づいて、本願発明を詳細に説明する。図6は、座席12が設置されている部分の簡略的な平面図であり、フロアマットを敷きつめていない状態を示している。符号13はシート、14はシートバック、15はフロアパネル、16は自動車のセンターラインである。座席12の前後位置を調節するために、スライド機構が設けられており、その一部である静止側スライドレール17、17が前後方向に平行に設置されている。このスライドレール17、17は、図示していないが、その前後両端部がブラケットを介してフロアパネル15に固定されている。
【0007】
つぎに、図1は図6の(1)−(1)断面であり、他の図面も参照しながら説明すると、鋼板製の静止側スライドレール17は断面が横長の矩形状であり、その上側の中央部に内向きフランジ18、18を備えた開放溝19が形成されている。シート13に固定された進退側レール20は、二枚の鋼板を重ねて溶接したもので、その下部はスライドレール17内で左右に折り曲げられて、平面部分が形成されている。この平面部分に下向きに開放した断面コ字型の支持片22が溶接され、その中に転動ローラ23が軸24で支持されている。
【0008】
フロアマット25は、嵩上げ材26とそれに接着されたカーペット27で構成されており、カーペットの表面28がスライドレールの上面29とほぼ同じ高さとなるように、嵩上げ材26とカーペット27の厚さやスライドレール17の上下高さが選定してある。係止クリップ30は、図6から明らかなように各スライドレール17に3個設置されており、鋼板またはバネ鋼板をハット型に成形して、スライドレール17の下側に符号31のように溶接してある。この溶接に代えて他の固定手段、たとえば接着やリベット止めを採用してもよい。係止クリップ30の左右には上下方向の姿勢を有する側板32、32が形成され、スライドレール17、17の横側面との間に挿入空隙33、33が設けられている。側板32、32の上端には左右に屈曲させられたフランジ34、34が形成され、その高さは後述の係止具の厚さとの関係を考慮して、表面28と上面29とが略同じ高さとなるように設定してある。なお、係止クリップ30はスライドレール17の長さや、後述のはめ合わせの強さとの関係で3個以外の個数を選択することができる。
【0009】
係止具35、35は数字の「7」に似た断面の長尺で真っ直ぐな部材であり、ポリプロピレンのような合成樹脂で押し出し成形で作られている。フロアマット25の端部は、図2に見られるようにカーペット27が嵩上げ材26よりも突出させてあり、このカーペット27の裏面の部分に係止具35、35が取り付けられている。係止具35、35の断面は、長片36、36とそれから直角に折れ曲がった短片37、37と短片からさらにほぼ直角に折れ曲がった屈曲片38、38から構成されており、長片36、36をカーペット27の突出部の裏面に固定してある。この固定方法は、図示のものはステープラー39、39を採用しているが、他に接着剤を用いてもよい。
【0010】
屈曲片38、38の詳細形状を図3で説明すると、ガイド斜面40とクランプ斜面41を有する「く」の字型の断面形状とされている。長片36から短片37に折れ曲がる外側の箇所が角部42とされ、カーペット27の屈曲を行いやすくするために、角部42の近傍に、すなわち図3のように角部の直ぐ近くに凹溝43が形成してある。この凹溝43は係止具35の全長にわたって設置してある。なお、短片37の表面は、後述のように図1の組付けた状態では平たい「受け面」として機能する。
【0011】
フロアマット25の構成材料について説明すると、嵩上げ材26はウレタン製の厚さ20mm位のシート材であり、ここではウレタン・チップをバインダー剤で一体化したリサイクル品を用いている。また、カーペット27は不織布で作られており、その片側にポリウレタン樹脂を層状に含浸させてバッキング層44が形成され、成型時に凹溝43も一時に型成形される。カーペット27の厚さは、約5mmである。そして、カーペット27は、接着剤で嵩上げ材26と一体化してある。
【0012】
つぎに、フロアマット25を敷きつめてから、スライドレール17の部分にカーペット27を接続させる手順を説明する。図2や図3のような状態にあるカーペット27の先端部を下側へ折り曲げると、角部42に沿ってカーペット27が折り曲げられて直線的な屈曲部45が形成される。それから長片36とカーペット27の端部の重合した部分を、挿入空隙33内へ差し込むと、その途中からガイド斜面40がフランジ34の端部に擦り付けられながら屈曲片38を弾性的に押し広げ、さらに挿入間隙33の奥へ押し込むことによって、今度は、フランジ34の端部がクランプ斜面41の方へ差しかかり、図1のようにフランジ34がクランプ斜面41にカチンと嵌まりあって弾性的にフランジ34が挟み付けられた状態で、取付けが完了する。
【0013】
図2、図3において、短片37と嵩上げ材26の端面との間隔は、図1のように折り曲げたときに、短片37と嵩上げ材26との間に隙間がほとんどできないように設定されている。
【0014】
先の実施形態では、係止具35が「7」字型で、その内部に係止クリップ30が入り込む、いわゆる雌型であるが、図5の実施形態では雄雌が逆になった事例である。すなわち、断面L字型の係止具35をカーペット27の裏面に接着剤46で接着し、挿入空隙33内へ図示のように押し込んだものである。ここにおいて、係止具35の角部やそれによってカーペットに形成された屈曲部45等は、先の実施形態と同じである。なお、ここでは抜け止めのために、係止クリップの側板32と係止具35とには、図示のような凹凸部47を設けている。なお、開放溝19から塵埃などがスライドレール17内に入るのを防止するために、図1に二点鎖線で図示した防塵ゴム48を採用している。この防塵ゴム48は、スライドレールにそって細長く形成されており、スライドレールの上面29に接着するなどの方法で取り付けられる。
【0015】
この発明を特定するために、特許請求の範囲において「はめ合わせ」なる表現を用いているが、これは、図1のように係止具35が雌型の形式の場合と、図5のように係止具35が雄型の形式とされた場合を、総称した意味で使用しているのである。
【0016】
特許請求の範囲には記載していないが、実施形態から特定できる次の構成は、それ自体特有の作用効果を発揮している。
すなわち、係止具35の断面形状が、いわゆる「7」の字型で屈曲片38にはガイド斜面40やクランプ斜面41を備え、このような構成によって、係止クリップ30のフランジ34に係止具35がしっかりと結合されるのである。そして、「7」の字型断面であるから、係止具35の曲げ剛性が高く、したがって、直線的な屈曲部45を形成するのに有利である。
さらに、合成樹脂を含浸させたバッキング層44に、型成形時に凹溝43を形成することによって、凹溝43を簡単に構成することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上述のような構成と作用であるから、つぎのような効果がある。すなわち、係止具によって節度ある屈曲部が形成でき、その屈曲部とガイドレ−ルの上面との間には隙間ができることがなくなり、特別なモールやカバー部材が不要となる。カーペットに形成される屈曲部は、上述のようにしてくっきりと且つ直線的に形成されるので、カーペットがスライドレールの間際まで拡がり、平面性のあるすっきりした仕上げが得られる。また、係止具の一部がいわゆる「受け面」として機能するので、カーペットは嵩上げ材から「受け面」を通じて間断なく下から支えられた状態になり、上述の平面性をより確実に実現することができる。
さらに、カーペットを屈曲させて係止具を係止クリップにはめ合わせるだけで組付けが完了するので、組立作業が大幅に簡素化される。係止具は、単純な断面形状の部材であるから、簡単な押し出し成形で安価に製作できるし、その断面形状を適宜選定することによって、曲げ剛性を高めてカーペットの屈曲部を直線的に形成することができる。
係止具をスライドレールとほぼ同じ長さとすることによって、上述の平面性がスライドレールの全長にわたって確保できる。そして、凹溝を設けることにより、カーペットの折り曲げが簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の縦断正面図である。
【図2】カーペットの折り曲げ前の状態を部分的に示す縦断正面図である。
【図3】図2の要部を拡大した縦断正面図である。
【図4】係止具の立体図である。
【図5】他の実施形態を示す部分的な縦断正面図である。
【図6】座席の設置状態を示す部分的な平面図である。
【図7】従来技術の縦断正面図である。
【符号の説明】
15 フロアパネル
17 静止側スライドレール
25 フロアマット
26 嵩上げ材
27 カーペット
28 表面
29 上面
35 係止具
30 係止クリップ
42 角部
43 凹溝

Claims (3)

  1. フロアパネル上に座席の静止側スライドレールを固定し、フロアマットを嵩上げ材とカーペットで構成して、カーペットの表面がスライドレールの上面とほぼ同じ高さとなるように構成した形式のものにおいて、嵩上げ材から突出させたカーペットの裏面の部分に係止具を取り付けると共にスライドレールに係止クリップを固定し、カーペットを屈曲させた状態で係止具を係止クリップにはめ合わせたことを特徴とする自動車のフロアマット取付構造。
  2. 請求項1において、係止具はスライドレールとほぼ同じ長さを有する長尺な部材として形成され、この係止具の角部がカーペットの屈曲箇所となるようにしたことを特徴とする自動車のフロアマット取付構造。
  3. 請求項2において、係止具の角部の近傍におけるカーペットの裏面にカーペットの屈曲を節度付けるための凹溝が係止具のほぼ全長にわたって形成されていることを特徴とする自動車のフロアマット取付構造。
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