JP3554965B2 - 角速度センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば回転体の角速度を検出するのに用いて好適な角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、角速度センサとして、基板と、該基板に第1の支持梁によって支持され、該基板と平行方向に振動可能に設けられた第1の振動体と、該第1の振動体に第2の支持梁によって平行に支持され、該第1の振動体の振動方向に対して直交方向に振動可能に設けられた第2の振動体と、前記第1の振動体を前記基板に対して平行方向に振動させる振動発生手段と、前記第2の振動体の変位量を角速度として検出する角速度検出手段とを備えたものが知られている(例えば、特開平5−312576号公報等)。
【0003】
そして、従来技術による角速度センサは、X軸,Y軸,Z軸の3軸方向において、第1,第2の振動体を基板と平行方向として、例えばX軸方向に対して一定の振動を与えた状態で、外部からZ軸周りの角速度を加えると、コリオリ力によって第2の振動体はX軸に直交したY軸方向に変位する。そして、角速度検出手段は、このコリオリ力による第2の振動体のY軸方向の変位を圧電抵抗、静電容量等の変化として検出することにより、角速度の大きさを検出している。
【0004】
また、他の従来技術による角速度センサとして、基板と、該基板上に支持梁によってX軸,Y軸方向に変位可能に設けられた可動部と、該可動部をX軸方向に振動させる振動発生手段と、可動部をX軸方向に振動させた状態でZ軸周りの角速度が加ったときに、コリオリ力によって可動部に生じるY軸方向への変位を角速度として検出する角速度検出手段と、前記振動発生手段によって可動部がX軸方向に変位したときの変位量を検出する変位検出手段とからなる構成されたものが知られている(例えば、特開平10−300478号公報等)。
【0005】
そして、他の従来技術による角速度センサは、変位検出手段を可動部と基板との間に設けた電極によって構成し、可動部がX軸方向に変位したときの変位量をこれらの電極間の静電容量の変化として検出している。このため、他の従来技術による角速度センサは、角速度検出手段を用いて可動部のY軸方向への変位を検出すると共に、変位検出手段を用いて可動部のX軸方向への振動を検出するから、可動部がX軸方向に振動するときの駆動状態を検出でき、これらが常に一定の振幅となるように振動発生手段を制御することができる。これにより、可動部を共振状態で振動させることができるため、安定した可動部のY軸方向への出力(変位量)を検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平5−312576号公報に示される従来技術による角速度センサでは、第1の振動体がX軸方向に振動するときの周波数が常に共振状態で振幅が一定となっているときに安定したY軸方向への出力を検出することができる。しかし、実際には、経時劣化、製造誤差等の理由から第1の振動体が振動する周波数や振幅が変化してしまい、このような場合には角速度による第2の振動体の出力が不安定となり、角速度の検出感度が著しく低下するという問題がある。
【0007】
一方、特開平10−300478号公報に示される他の従来技術による角速度センサは、変位検出手段を備え、該変位検出手段によって可動部のX軸方向への振幅を検出し、この振幅が一定となるように振動発生手段を制御している。
【0008】
しかし、他の従来技術による角速度センサは、変位検出手段を可動部と基板との間に設けた電極によって構成している。そして、可動部は2軸方向に変位可能であることから、例えば略平行状態で配置した変位検出手段の電極が可動部の変位に伴って傾斜してしまうことがある。このため、可動部と基板との間に設けた電極間の静電容量は、このような電極の傾斜によっても変化するから、可動部のX軸方向への変位を正確に検出できなくなるという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は振動発生手段による振動状態を確実に検出でき、第1の振動体を常に一定の振幅で振動させることができる角速度センサを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、基板と、該基板に第1の支持梁によって支持され、該基板と平行方向に振動可能に設けられた第1の振動体と、該第1の振動体に第2の支持梁によって平行に支持され、該第1の振動体の振動方向に対して直交方向に振動可能に設けられた第2の振動体と、前記第1の振動体を前記基板に対して平行方向に振動させる振動発生手段と、前記第2の振動体の変位量を角速度として検出する角速度検出手段とを備えてなる角速度センサに適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、基板と第1の振動体との間には、第1の振動体の変位量を振動発生手段による振動状態としてモニタする振動状態モニタ手段を設け、前記角速度検出手段は、前記基板に設けられた検出用固定側電極と、前記第2の振動体に設けられ該検出用固定側電極に対向した検出用可動側電極とによって構成し、前記振動状態モニタ手段は、前記基板に設けられたモニタ用固定側電極と、前記第1の振動体に設けられ該モニタ用固定側電極に対向したモニタ用可動側電極とによって構成し、前記振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極は、前記角速度検出手段の検出用固定側電極と一体的に形成したことにある。
【0012】
このように構成したことにより、振動発生手段に外部から駆動信号を入力すると、第1,第2の振動体は基板と平行方向に振動し、この状態で例えば基板と垂直な軸回りに角速度が加わると、第2の振動体はコリオリ力によって基板に平行で振動方向と直交方向に変位する。
【0013】
このとき、角速度検出手段は、第1,第2の振動体を基板と平行方向に振動させた状態で基板に垂直な軸回りの角速度が加ったときに、コリオリ力によって第2の振動体に生じる振動方向と直交方向への変位を角速度として検出する。一方、振動状態モニタ手段は、振動発生手段によって基板と平行方向に振動する第1の振動体の変位を検出する。
【0014】
これにより、角速度検出手段によって第2の振動体の振動を検出でき、また振動状態モニタ手段による第1の振動体の振動を角速度とは別個独立に検出できるため、振動発生手段によって駆動する第1の振動体の振幅を常に一定にすることができる。
【0015】
また、角速度検出手段を、基板に設けられた検出用固定側電極と、第2の振動体に設けられ該検出用固定側電極に対向した検出用可動側電極とによって構成したから、角速度検出手段は第2の振動体の直交方向への変位を検出用固定側電極と検出用可動側電極との間の静電容量として検出することができる。一方、振動状態モニタ手段を、基板に設けられたモニタ用固定側電極と、第1の振動体に設けられ該モニタ用固定側電極に対向したモニタ用可動側電極とによって構成したから、振動状態モニタ手段は、第1の振動体の平行方向への変位をモニタ用固定側電極とモニタ用可動側電極との間の静電容量として検出することができる。
【0016】
また、振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極は、角速度検出手段の検出用固定側電極と一体的に形成したから、角速度検出手段によって検出した検出信号と、振動状態モニタ手段によってモニタしたモニタ信号とを、検出用固定側電極またはモニタ用固定側電極のうちいずれか一方から出力することができる。そして、振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極を検出用固定側電極と一体的に形成したから、別個に形成した場合に比べて角速度センサを小型化することができる。
【0017】
さらに、請求項の発明は、第1の支持梁は、前記基板と第1の振動体との間に位置して前記第1の振動体を一の軸方向(X軸方向)に変位可能に支持して設け、前記第2の支持梁は、前記第1の振動体と第2の振動体との間に位置して第2の振動体を一の軸方向と直交方向(Y軸方向)に変位可能に支持して設ける構成としたことにある。
【0018】
これにより、第1の支持梁は、第1の振動体をX軸方向に変位可能に支持するものの、第1の振動体のY軸方向への変位は規制することができる。一方、第2の支持梁は、第2の振動体を第1の振動体に対してY軸方向に変位可能に支持するから、第2の振動体は、第1の振動体と共にX軸方向に変位すると共に、Y軸方向にも変位することができる。このため、第1,第2の振動体をX軸方向に振動させた状態でX軸,Y軸と直交するZ軸回りの角速度が作用したときには、第2の振動体はコリオリ力によってY軸方向に変位するものの、第1の振動体はY軸方向への変位がほとんど規制される。この結果、第1の振動体と基板との間に設けた振動状態モニタ手段は、第1の振動体のX軸方向への変位のみを検出することができ、角速度等の影響を受けることなく、第1の振動体の振動状態を確実に検出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態による角速度センサを、図1に従って詳細に説明する。
【0020】
まず、図1は本発明の実施の形態を示し、図において、1は角速度センサの本体をなす矩形状な基板で、該基板1は例えば高抵抗なシリコン材料によって形成されている。
【0021】
2,2は基板1上に固定的に設けられた一対の支持部で、該各支持部2は、X軸方向に離間して設けられ後述する第1の振動体4を左,右両側で挟んでいる。
【0022】
3,3,…は支持部2からY軸方向の両側に延びる第1の支持梁で、該第1の支持梁3は、各支持2に2本ずつ合計4本設けられている。
【0023】
4は第1の支持梁3によって基板1の表面から離間した状態で支持された第1の振動体で、該第1の振動体4は、互いに対向してX軸方向に延びるX軸方向枠部4A,4Aと、互いに対向してY軸方向に延びるY軸方向枠部4B,4Bとによって略長方形の枠形状に形成されている。そして、第1の振動体4の4隅には、Y軸方向枠部4Bに平行に延びる支持梁3の先端が取付けられている。これにより、第1の振動体4は、Y軸方向への変位が規制された状態でX軸方向に変位可能となっている。
【0024】
5,5,…は第1の振動体4の枠内に位置してX軸方向枠部4Aと平行にX軸方向に延びる合計4本の第2の支持梁で、該各支持梁5は、第1の振動体4の4隅近傍から振動体4のX軸方向中央部に向けて延びている。
【0025】
6は第1の振動体4の枠内に位置して第2の支持梁5によって基板1の表面から離間した状態で支持された第2の振動体で、該第2の振動体6は、略長方形の枠形状に形成された枠部6Aと、該枠部6Aの左,右両辺を連結する連結部6Bとによって構成されている。そして、枠部6Aの前,後両辺には、その中央部側に位置して第2の支持梁5がそれぞれ2本ずつ取付けられている。また、連結部6Bは、Y軸方向の中央部に位置して後述の検出用可動側電極13が取付けられている。
【0026】
7,7,…は基板1上の前,後方向(Y軸方向)に離間して合計4個設けられた振動用固定部で、該各振動用固定部7は、第1の振動体4のX軸方向枠部4Aの外側を前,後から挟み、基板1上に固定して設けられている。
【0027】
8,8,…は振動用固定部7から第1の振動体4に向けて突出して形成された固定側振動電極で、該各固定側振動電極8は、振動用固定部7からY軸方向に延びる支柱8Aと、該支柱8Aの左片側に列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板8Bとによって構成されている。
【0028】
9,9,…は第1の振動体4に形成され固定側振動電極8に噛合する合計4個の可動側振動電極で、該各可動側振動電極9は、固定側振動電極8と対向するように第1の振動体4のX軸方向枠部4Aに設けられ、振動用固定部7に向けてY軸方向に延びる支柱9Aと、該支柱9Aの右片側に列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板9Bとによって構成されている。
【0029】
10,10は基板1と第1の振動体4との間に設けられた振動発生部で、該各振動発生部10は固定側振動電極8と可動側振動電極9とによって構成され、固定側振動電極8の各電極板8Bと可動側振動電極9の各電極板9Bとの間にはそれぞれ等しい間隔の隙間が形成されている。そして、振動発生部10は、固定側振動電極8と可動側振動電極9との間に逆位相となる周波数fの駆動信号を発振回路(図示せず)から印加することによって、各電極板8B,9B間には静電引力を交互に発生し、第1の振動体4を矢示a方向(X軸方向)に振動させる。
【0030】
11,11は第2の振動体6の枠6A内に位置して基板1に固定して設けられた検出用固定部で、該各検出用固定部11は、X軸方向の延びた略長方形状に形成されると共に、連結部6Bを挟んでY軸方向に離間した位置に配設されている。
【0031】
12,12,…は各検出用固定部11に設けられた検出用固定側電極で、該各検出用固定側電極12は、Y軸方向に延びる支柱12Aと、該支柱12Aの左,右両側または左片側、右片側にのみ列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板12Bとによって構成されている。そして、検出用固定側電極12は、後述する検出用可動側電極13を取囲んでいる。
【0032】
13,13,…は検出用固定側電極12と噛合する検出用可動側電極で、該各検出用可動側電極13は、検出用固定側電極12と対向するように第2の振動体6の連結部6Bの前,後両側に位置し、所定間隔毎にY軸方向に向けて延びる支柱13Aと、該支柱13Aの左,右両側に列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板13Bとによって構成されている。
【0033】
14,14は基板1と第2の振動体6との間に設けられた角速度検出部で、該各角速度検出部14は、複数個の検出用固定側電極12と複数個の検出用可動側電極13とによって平行平板コンデンサとして構成されている。そして、角速度検出部14は、第1,第2の振動体4,6が矢示a方向に振動している状態でZ軸回りの角速度Ωが作用したときには、第2の振動体6がコリオリ力FによってY軸方向に変位するから、角速度Ωに対応した第2の振動体6のY軸方向への変位量を検出用固定側電極12と検出用可動側電極13との間の静電容量の変化量によって検出し、各電極12,13間の静電容量に応じた検出信号を出力している。
【0034】
21,21は検出用固定部11から第1の振動体4に向けて形成されたモニタ用固定側電極で、該各モニタ用固定側電極21は、検出用固定部11からY軸方向に延びる支柱21Aと、該支柱21Aの左片側に列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板21Bとによって構成されている。
【0035】
22,22は第1の振動体4に形成されモニタ用固定側電極21に噛合する合計2個のモニタ用可動側電極で、該各モニタ用可動側電極22は、第1の振動体4の枠内に位置して、モニタ用固定側電極21と対向するように第1の振動体4のX軸方向枠部4Aに設けられている。そして、モニタ用可動側電極22は、検出用固定部11に向けてY軸方向に延びる支柱22Aと、該支柱22Aの右片側に列設されX軸方向に延びた複数枚の電極板22Bとによって構成されている。
【0036】
23,23は基板1と第1の振動体4との間に設けられた振動状態モニタ部で、該各振動状態モニタ部23はモニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22とによって構成され、モニタ用固定側電極21の各電極板21Bとモニタ用可動側電極22の各電極板22Bとの間にはそれぞれ等しい間隔の隙間が形成されている。
【0037】
そして、振動状態モニタ部23は、モニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22とによって平行平板コンデンサとして構成されている。これにより、振動状態モニタ部23は、第1の振動体4が振動発生部10によってX軸方向に振動するときの振動状態をモニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22との間の静電容量の変化としてモニタし、検出用固定部11を通じて各電極21,22間の静電容量に応じたモニタ信号を出力している。
【0038】
本発明の実施の形態による角速度センサは上述のように構成されるものであって、次にその作動について説明する。
【0039】
まず、各振動発生部10に逆位相となる周波数fの駆動信号を印加すると、各電極板8B,9B間には静電引力が交互に作用し、第1の振動体4は、第2の振動体6と共にX軸方向となる矢示a方向に接近,離間を繰返して振動する。
【0040】
このように、第1,第2の振動体4,6が振動した状態で、角速度センサにZ軸周りの角速度Ωが加わると、Y軸方向にコリオリ力(慣性力)が発生し、第2の振動体6はY軸方向に下記の数1に示すようなコリオリ力Fで変位する。
【0041】
【数1】
Figure 0003554965
【0042】
そして、第2の振動体6は数1のコリオリ力FによってY軸方向に振動し、この振動体6の変位を、各角速度検出部14では検出用固定側電極12と検出用可動側電極13との間の静電容量の変化として検出し、Z軸周りの角速度Ωを検出することができる。
【0043】
また、第1の振動体4と基板1との間には振動状態モニタ部23を設けたから、振動発生部10によって第1,第2の振動体4,6がX軸方向に振動したときには、振動状態モニタ部23のモニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22との間の静電容量が変化する。このため、振動状態モニタ部23は、モニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22との間の静電容量を検出することによって、第1,第2の振動体4,6の振動状態をモニタすることができる。
【0044】
この結果、角速度検出部14によって第2の振動体6が角速度Ω(コリオリ力)によってY軸方向に振動する位相および変位量を検出信号として計測でき、振動状態モニタ部23によって第1,第2の振動体4,6がX軸方向に振動するときの振幅をモニタ信号として角速度Ωに影響されることなく、検出信号とは別個独立に検出できる。
【0045】
かくして、本実施の形態では、基板1と第1の振動体4との間には、第1の振動体4の変位量を振動発生部10による振動状態としてモニタする振動状態モニタ部23を設けたから、角速度検出部14によってコリオリ力FによってY軸方向に振動する第2の振動体6の変位を検出し、振動状態モニタ部23によって振動発生部10によってX軸方向に振動する第1の振動体4の変位を検出することができる。これにより、角速度検出部14によって第2の振動体6の振動を検出信号として検出でき、角速度Ωに影響されることなく検出信号とは別個独立に振動状態モニタ部23によって第1の振動体4の振動をモニタ信号として検出できる。
【0046】
この結果、振動状態モニタ部23によるモニタ信号とを用いて振動発生部10を制御することで、第1の振動体4を常に一定の振幅で振動させることができるから、角速度Ωによる第2の振動体6の変位量を安定させることができる。従って、角速度Ωが作用したときの第2の振動体6の変位量を正確に検出できるため、安定した出力を得ることができる。
【0047】
また、角速度検出部14は、基板1に設けた検出用固定側電極12と、第2の振動体6に設けた検出用可動側電極13とによって構成し、振動状態モニタ部23は、基板1に設けたモニタ用固定側電極21と、第1の振動体4に設けたモニタ用可動側電極22とによって構成したから、角速度検出部14は第2の振動体6のY軸方向への変位を検出用固定側電極12と検出用可動側電極13との間の静電容量として検出し、振動状態モニタ部23は、第1の振動体4のX軸方向への変位をモニタ用固定側電極21とモニタ用可動側電極22との間の静電容量として検出することができる。
【0048】
さらに、第1の支持梁3は、基板1と第1の振動体4との間に位置して第1の振動体4をX軸方向に変位可能に支持して設け、第2の支持梁5は、第1の振動体4と第2の振動体6との間に位置して第2の振動体6をY軸方向に変位可能に支持して設ける構成としたから、第1の支持梁3は、第1の振動体4をX軸方向に変位可能に支持するものの、第1の振動体4のY軸方向への変位は規制することができる。一方、第2の支持梁5は、第2の振動体6を第1の振動体に対してY軸方向に変位可能に支持するから、第2の振動体は、第1の振動体と共にX軸方向に変位すると共に、Y軸方向にも変位することができる。
【0049】
このため、第1,第2の振動体4,6をX軸方向に振動させた状態でZ軸回りの角速度Ωが作用したときには、第2の振動体6はコリオリ力によってY軸方向に変位するものの、第1の振動体4はY軸方向への変位がほとんど規制される。
【0050】
この結果、モニタ用可動側電極22の電極板22Bはモニタ用固定側電極21の電極板21Bに対して傾斜することなく、ほぼ平行な状態を保持しつつX軸方向に変位するから、第1の振動体4と基板1との間に設けた振動状態モニタ部23は、第1の振動体4のX軸方向への変位のみを検出することができ、角速度Ωの影響を受けることなく、第1の振動体4の振動状態を第2の振動体6の振動状態に拘らず別個独立に検出することができる。
【0051】
特に、本実施の形態では、振動状態モニタ部23のモニタ用固定側電極21を角速度検出部14の検出用固定側電極12と一体的に形成したから、角速度検出部14によって検出した検出信号と、振動状態モニタ部23によってモニタしたモニタ信号とを、検出用固定部11を用いて出力することができ、信号を出力するための電極の数を減少させることができる。
【0052】
また、振動状態モニタ部23のモニタ用固定側電極21を検出用固定側電極12とを一体的に形成したから、これらを別個に形成した場合に比べて角速度センサを小型化することができる。
【0053】
なお、検出用固定部11は角速度検出部14による検出信号と振動状態モニタ部23によるモニタ信号とが混在して出力するものの、モニタ信号は角速度Ωの影響を受けず検出信号とは別個独立に検出される。このため、検出信号とモニタ信号とは、例えば特開平10−300478号公報に記載された角速度センサと同様に発振回路、減算回路、加算回路、乗算回路、周波数制御回路等を接続することによって確実に分離できるものである。
【0054】
また、前記実施の形態では、第1の振動体4を基板1と平行なX軸方向に変位可能な状態で基板1に設け、第2の振動体6を基板1と平行でX軸方向に直交するY軸方向に変位可能な状態で第1の振動体4に設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、第1の振動体を基板1と平行なX軸方向に変位可能な状態で基板1に設け、第2の振動体を基板1と垂直なZ軸方向に変位可能な状態で第1の振動体に設ける構成としてもよい。この場合、Y軸回りに作用する角速度を検出することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、基板と第1の振動体との間には、第1の振動体の変位量を振動発生手段による振動状態としてモニタする振動状態モニタ手段を設けたから、角速度検出手段によってコリオリ力によって直交方向に振動する第2の振動体の変位を検出し、振動状態モニタ手段によって振動発生手段によって基板と平行方向に振動する第1の振動体の変位を検出することができる。これにより、角速度検出手段によって第2の振動体の振動を検出信号として検出でき、角速度の影響を受けることなく検出信号とは別個独立に振動状態モニタ手段によって第1の振動体の振動をモニタ信号として検出できる。この結果、角速度による影響に関係なく、常に第1の振動体を一定の振幅で駆動させることが可能であり、角速度が作用したときの第2の振動体の変位量を安定させて、正確な角速度を検出することができる。
【0056】
また、請求項の発明によれば、角速度検出手段を基板に設けた検出用固定側電極と第2の振動体に設けた検出用可動側電極とによって構成し、振動状態モニタ手段を基板に設けたモニタ用固定側電極と第1の振動体に設けたモニタ用可動側電極とによって構成したから、角速度検出手段は、第2の振動体の直交方向への変位を検出用固定側電極と検出用可動側電極との間の静電容量として検出し、振動状態モニタ手段は、第1の振動体の平行方向への変位をモニタ用固定側電極とモニタ用可動側電極との間の静電容量として検出する。これにより、角速度検出手段は検出用固定側電極と検出用可動側電極との間の静電容量に応じた検出信号を出力し、振動状態モニタ手段はモニタ用固定側電極とモニタ用可動側電極との間の静電容量に応じたモニタ信号を角速度の影響を受けることなく検出信号とは別個独立に出力することができるから、これらの検出信号、モニタ信号を用いて振動発生手段を制御することによって、第1,第2の振動体を常に一定の振幅で基板と平行方向に振動させることができる。
【0057】
また、請求項の発明によれば、振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極を角速度検出手段の検出用固定側電極と一体的に形成したから、角速度検出手段によって検出した検出信号と、振動状態モニタ手段によってモニタしたモニタ信号とを、検出用固定側電極またはモニタ用固定側電極いずれか一方から出力することができ、信号を出力するための電極の数を減少させることができる。また、振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極を検出用固定側電極とを一体的に形成したから、別個に形成した場合に比べて角速度センサを小型化することができる。
【0058】
さらに、請求項の発明によれば、第1の支持梁は基板と第1の振動体との間に位置して第1の振動体を一の方向(X軸方向)に変位可能に支持して設け、第2の支持梁は第1の振動体と第2の振動体との間に位置して第2の振動体を一の方向と直交方向(Y軸方向)に変位可能に支持して設ける構成としたから、第1の支持梁は、第1の振動体をX軸方向に変位可能に支持するものの、第1の振動体のY軸方向への変位は規制することができる。一方、第2の支持梁は、第2の振動体を第1の振動体に対してY軸方向に変位可能に支持するから、第2の振動体は、第1の振動体と共にX軸方向に変位すると共に、Y軸方向にも変位することができる。
【0059】
このため、第1,第2の振動体をX軸方向に振動させた状態でZ軸回りの角速度が作用したときには、第2の振動体はコリオリ力によってY軸方向に変位するものの、第1の振動体はY軸方向への変位がほとんど規制される。この結果、第1の振動体と基板との間に設けた振動状態モニタ手段は、第1の振動体のX軸方向への変位のみを検出することができ、角速度の影響を受けることなく、第1の振動体の振動状態を検出信号とは別個独立に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による角速度センサを示す平面図である。
【符号の説明】
1 基板
3 第1の支持梁
4 第1の振動体
5 第2の支持梁
6 第2の振動体
固定側振動電極
可動側振動電極
10 振動発生部(振動発生手段)
12 検出用固定側電極
13 検出用可動側電極
14 角速度検出部(角速度検出手段)
1 モニタ用固定側電極
2 モニタ用可動側電極
3 振動状態モニタ部(振動状態モニタ手段)

Claims (2)

  1. 基板と、該基板に第1の支持梁によって支持され、該基板と平行方向に振動可能に設けられた第1の振動体と、該第1の振動体に第2の支持梁によって平行に支持され、該第1の振動体の振動方向に対して直交方向に振動可能に設けられた第2の振動体と、前記第1の振動体を前記基板に対して平行方向に振動させる振動発生手段と、前記第2の振動体の変位量を角速度として検出する角速度検出手段とを備えてなる角速度センサにおいて、
    前記基板と第1の振動体との間には、前記第1の振動体の変位量を前記振動発生手段による振動状態としてモニタする振動状態モニタ手段を設け
    前記角速度検出手段は、前記基板に設けられた検出用固定側電極と、前記第2の振動体に設けられ該検出用固定側電極に対向した検出用可動側電極とによって構成し、
    前記振動状態モニタ手段は、前記基板に設けられたモニタ用固定側電極と、前記第1の振動体に設けられ該モニタ用固定側電極に対向したモニタ用可動側電極とによって構成し、
    前記振動状態モニタ手段のモニタ用固定側電極は、前記角速度検出手段の検出用固定側電極と一体的に形成したことを特徴とする角速度センサ。
  2. 前記第1の支持梁は、前記基板と第1の振動体との間に位置して前記第1の振動体を一の方向に変位可能に支持して設け、前記第2の支持梁は、前記第1の振動体と第2の振動体との間に位置して第2の振動体を一の方向と直交方向に変位可能に支持して設ける構成としてなる請求項1に記載の角速度センサ。
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