JP3556527B2 - スポーツ用品用のバランシングウエイト - Google Patents

スポーツ用品用のバランシングウエイト Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブのヘッド、テニスラケットやバドミントンラケットのヘッド等に貼り付けられるバランシングウエイトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフクラブのヘッドには、板状のバランシングウエイト(バランスウエイト、バランサー、釣り合い錘等とも称される)が貼り付けられることがある。バランシングウエイトの貼り付けにより、ゴルフクラブの総重量や重量分布が調整される。具体的には、ヘッドのスイートスポットの位置が調整され、また、シャフトを含むゴルフクラブ全体のバランスが調整される。バランシングウエイトは、特にプロゴルファーやトップアマチュア等の、微妙なクラブセッティングを必要とするゴルファーに賞用されている。
【0003】
このバランシングウエイトは、比重の大きなものである必要がある。比重の大きなバランシングウエイトにより重量調整の自由度が向上し、少ない体積(又は面積)のバランシングウエイトによって重量分布の大幅な変更がなされ得る。また、バランシングウエイトはゴルフクラブヘッド等の湾曲面に貼り付けられるものであるので、この湾曲面に沿いやすいように、柔軟で変形容易なものである必要がある。さらに、バランシングウエイトはゴルファーのコンディション等に応じて適時着脱されるものであるので、この着脱が容易なものである必要がある。
【0004】
このような要求を満たすものとして、鉛又は鉛合金からなるバランシングウエイトが用いられている。鉛は比重が11.3と実用金属中では比較的大きく、また、柔軟で変形が容易である。しかも腐食しにくいという長所も備えている。鉛又は鉛合金からなるバランシングウエイトは、通常両面テープでゴルフクラブヘッドに貼り付けられて用いられる。
【0005】
しかし、鉛は有害性を有しており、自然界に放置された場合に環境へ悪影響を与えることがある。例えば、鉛製の魚釣り用錘、散弾銃の弾丸等によって鳥類の体が汚染された例が報告されている。これらの分野では、鉛から代替材料への転換が検討されている。ゴルフクラブのバランシングウエイトも、例えばスイング中の脱落等によって自然界に放置されるおそれがあるので、他の材料への代替、いわゆる鉛フリー化が必要である。
【0006】
特開平2−191476号公報には、高比重金属粉が熱可塑性樹脂に配合された材料により構成された、ゴルフクラブヘッド用の芯体が開示されている。そして、高比重金属粉として、鉛と共に、亜鉛及びタングステンが開示されている。しかしながら、この芯体はゴルフクラブヘッドに埋設されるものであるので、ゴルファーが自らの意志により適時着脱できるものではない。また、仮にこの材料がバランシングウエイトに用いられたとしても、バインダーとなる熱可塑性樹脂がナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ABS樹脂、硬質塩化ビニル等であるので、柔軟性に欠け、湾曲面には沿いにくい。また、無理に湾曲面に貼り付けられた場合、変形に伴う内部応力が残留するので、時間経過とともにバランシングウエイトが部分的に剥がれて浮き上がったり、衝撃を受けた際に脱落したりしてしまうという問題がある。
【0007】
特開昭60−244888号公報には、熱可塑性樹脂に重金属粉末が配合された自動巻腕時計用おもり組成物が開示されている。そして、重金属の例として、タングステンが開示されている。しかしながら、このおもり組成物は熱可塑性樹脂がナイロン等であるので、柔軟性に欠けるものである。従って、仮にこの組成物がゴルフクラブ等のバランシングウエイトに用いられたとしても、ヘッドの湾曲面には沿いにくい。また、無理に湾曲面に貼り付けられた場合、変形に伴う内部応力が残留するので、時間経過とともにバランシングウエイトが部分的に剥がれて浮き上がったり、衝撃を受けた際に脱落したりしてしまうという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、鉛が用いられておらず、高比重で、しかも柔軟性に富むスポーツ用品用バランシングウエイトの提供をその目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためになされた発明は、ハードセグメント及びソフトセグメントからなる熱可塑性エラストマーと、比重が15以上22.6以下の金属材料からなる金属粉末と、前記熱可塑性エラストマーと前記金属粉末以外の第三成分とからなり、この第三成分の配合量は5重量%以下であり、
上記熱可塑性エラストマーの含有量と金属粉末の含有量との重量比が2.5/97.5以上6.5/93.5以下であるスポーツ用品用のバランシングウエイトからなる。
【0010】
このバランシングウエイトは、ハードセグメント及びソフトセグメントからなる熱可塑性エラストマーが用いられているので、柔軟である。従って、特に加熱等行わなくとも、室温で、例えばゴルフクラブヘッドのような湾曲面や凹凸面に容易に貼り付けられる。また、このバランシングウエイトは、貼り付けられた後の時間経過や衝撃によっても、容易には剥がれない。
【0011】
また、このバランシングウエイトでは比重が15以上の金属材料からなる金属粉末が用いられており、しかもこの金属粉末が多量に配合されているので、バランシングウエイト自体の比重が大きい。従って、スポーツ用品の重量調整の自由度が高い。比重が15以上の好適な金属材料としては、タングステン又はタングステンを含む合金が挙げられる。バランシングウエイトの比重としては、8.0以上13.0以下が好ましい。
【0012】
本発明において、金属粉末はカップリング剤で表面処理されるのが好ましい。カップリング剤で表面処理された金属粉末は熱可塑性エラストマーとの接合が堅固である。このため、バランシングウエイトが折り曲げられた場合でも割れが発生しにくく、また、バランシングウエイトの耐擦傷性も向上する。
【0013】
本発明において、熱可塑性エラストマーは、ソフトセグメント主鎖の二重結合に水素原子が付加された水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーであるのが好ましい。水素原子の付加によってソフトセグメント主鎖の二重結合が消滅し、これによって熱可塑性エラストマーの反応性が低下するので、バランシングウエイトの耐候性及び耐熱性が高められる。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量は、13重量%以上30重量%以下が好ましい。これにより、バランシングウエイトの製造容易性が維持されつつ、柔軟性がより向上する。好適な水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体のイソプレン部にブタジエンユニットが含まれるものの水素添加物等が挙げられ、これらが単独で又は2種以上が混合されて用いられる。
【0014】
本発明にかかるバランシングウエイトのJIS−K−7215に規定されるデュロメータータイプDで測定される硬度は、55以下が好ましい。これにより、バランシングウエイトの湾曲面や凹凸面への貼り付けが容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるバランシングウエイト1が示された断面図である。このバランシングウエイト1は、金属粉末2とバインダー3とから構成されている。
【0016】
金属粉末2を構成する金属材料は、金属元素のみからなるものには限られず、金属元素と他の元素との化合物や、金属元素を含むセラミクスも含まれる。金属粉末2の比重は、15以上である。これにより、バランシングウエイト1が高比重となり、スポーツ用品の重量調整の自由度が高められる。比重が15以上の金属としては、タングステン(比重:19.3)、金(比重:19.3)、白金(比重:21.5)、オスミウム(比重:22.6)、イリジウム(比重:22.6)、タンタル(比重:16.7)等が挙げられる。これらの金属の中でも、常温で比較的安定で酸化が起こりにくく、安全で、かつ高融点金属として多量に使用されているので低価格であるタングステンが好ましい。また、タングステンを90重量%以上含有するタングステン合金も、好適に用いられる。タングステン合金の具体例としては、タングステン−鉄−ニッケル合金、タングステン−ニッケル−銅合金等が挙げられる。なお、バランシングウエイト1には、その高比重が維持される範囲で、比重が15以上の金属粉末2に加えて比重が15未満の金属粉末が配合されても良い。
【0017】
金属粉末2の平均粒子直径は、2μm以上100μm以下が好ましく、3μm以上30μm以下が特に好ましい。平均粒子直径が上記範囲未満であると、金属粉末2の表面積が大きくなってしまい、バインダー3が金属粉末2の全表面を覆うためにはバインダー3に対する金属粉末2の配合比が小さく設定される必要が生じ、結果としてバランシングウエイト1の比重が小さくなってしまうことがある。平均粒子直径が上記範囲を超えると、バランシングウエイト1の成形性が低下してしまうことがある。なお、平均粒子直径は、無作為に抽出された100個の金属粉末2の粒子直径の平均が算出されることによって求められる。また、金属粉末2が球形でない場合は、金属粉末2が内接する球の直径が粒子直径とされる。
【0018】
金属粉末2は、平均粒度のことなる複数種類のものが用いられるのが好ましい。これにより、バランシングウエイトを構成する組成物の流動性が良好となり、例えば射出成形等の成形法によってバランシングウエイトが成形される際の成形性が向上する。
【0019】
金属粉末2は、カップリング剤による表面処理が施されている。用いられるカップリング剤としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤や、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤のなかでも、バインダー3である熱可塑性エラストマーとの親和性に優れるシラン系カップリング剤が好ましい。
【0020】
バインダー3は、熱可塑性エラストマーから構成されている。熱可塑性エラストマーはハードセグメントを備えているので強度が高く、しかもソフトセグメントを備えているので常温でゴム状となり、柔軟性に優れる。従って、湾曲面や凹凸面に貼り付けられるバランシングウエイト1のバインダー3として好適である。また、熱可塑性エラストマーは高温ではハードセグメントが可塑化するので射出成形等の成形が容易であり、常温では前述の通りゴム状となるので架橋工程が不要である。
【0021】
好適な熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレン末端ブロックとソフトセグメントとしてのエラストマー中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分としているものである。スチレン系熱可塑性エラストマーは常温における物性が架橋ゴムに近く、柔軟である。このため、湾曲面や凹凸面に貼り付けられるバランシングウエイト1のバインダー3として、特に好適である。
【0022】
スチレン系熱可塑性エラストマーのなかでも、中間ブロックであるソフトセグメントの主鎖の二重結合に水素原子が付加した水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが、バインダー3として特に好ましい。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、水素原子の付加によって二重結合が消滅しているので、反応性が抑えられている。このため、耐候性及び耐熱性に優れており、屋外で使用されて直射日光に曝されることの多いスポーツ用品用のバランシングウエイト1に好適である。
【0023】
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量は、13重量%以上30重量%以下が好ましく、13重量%以上20重量%以下が特に好ましい。スチレン含有量が上記範囲未満であると、バランシングウエイト1の熱可塑成形が困難となってしまうことがある。逆に、スチレン含有量が上記範囲を越えると、バランシングウエイト1の柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0024】
好適な水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体のイソプレン部にブタジエンユニットが含まれるものの水素添加物等が挙げられる。これらの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。また、これらの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーと他の熱可塑性エラストマーとが混合されて用いられてもよい。
【0025】
バインダー3である熱可塑性エラストマーの含有量と金属粉末2の含有量との重量比は、2.5/97.5以上6.5/93.5以下である。重量比が上記範囲未満であると、混練や成形が困難となってしまうことがある。逆に、重量比が上記範囲を超えると、バランシングウエイト1の比重が小さくなって、重量調整の自由度が低下してしまうことがある。これらの観点より、重量比は、3.0/97.0以上5.0/95.0以下が好ましく、3.0/97.0以上4.5/95.5以下が特に好ましい。
【0026】
このバランシングウエイト1は、バインダー3としての熱可塑性エラストマーと金属粉末2とから構成されているが、バランシングウエイト1には、これら以外の第三成分が配合されてもよい。例えば、バランシングウエイト1を構成する組成物に成形時の離型性改善を目的としてステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩が配合されても良く、また、着色のための顔料が配合されても良い。但し、柔軟性、高比重、成形性、耐候性等が維持されるには、第三成分の配合量は5重量%以下、特には2重量%以下とされるのが好ましい。
【0027】
バランシングウエイト1の比重は8.0以上が好ましく、9.5以上が特に好ましく、11.0以上がさらに特に好ましい。比重がこの範囲とされることにより、スポーツ用品の重量調整の自由度が高められ、鉛製のバランシングウエイト1との代替が可能となる。重量調整の自由度向上の観点からはバランシングウエイト1の比重は大きいほど好ましいが、通常の可塑性エラストマーと金属粉末2との組み合わせから得られるバランシングウエイト1の比重は、13.0以下程度である。
【0028】
バランシングウエイト1のJIS−K−7215に規定されるデュロメータータイプDで測定される硬度は55以下が好ましく、30以下が特に好ましい。硬度が上記範囲を超えると、バランシングウエイト1の柔軟性が不十分となって、湾曲面や凹凸面への貼り付けが困難となってしまうことがある。柔軟性の観点からは硬度は小さいほど好ましいが、高比重が維持されつつ得られるバランシングウエイト1の硬度は、通常は15以上である。
【0029】
このバランシングウエイト1を作製するには、まず熱可塑性エラストマーと金属粉末2とを押出機で溶融・混練し、ペレットを得る。このペレットを用いて射出成形にてバランシングウエイト1を得る。バランシングウエイト1は通常は板状であり、所定間隔で切り込みが形成されている。プレーヤーは切り込みから必要量のバランシングウエイト1を引きちぎって、両面テープ等でゴルフクラブヘッドに貼り付ける。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0031】
[実施例1]
バインダーとして、比重が0.89であってスチレン含有量が13重量%である、水素添加されたポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体(クラレ社の商品名「セプトン2063」)を用意した。これに、あらかじめγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ ダウコーニング・シリコーン社の商品名「SH6020」)で表面処理した、比重が19.3で平均粒子直径が13μmであるタングステン粉末を、両者の重量比が4.5/95.5となるように配合した。そして、これらを高速攪拌翼付きの混合槽で予備混合し、さらに押出機で溶融・混練して、ペレットを得た。次に、このペレットを加熱・乾燥し、射出温度240℃、金型温度60℃の条件で射出成形を行って、実施例1のバランシングウエイトを得た。このバランシングウエイトの寸法は長さが100mmであり、幅が25mmであり、厚みが2.0mmであった。
【0032】
[実施例2]
バインダーとタングステン粉末との混合比を3.0/97.0とした他は実施例1と同様にして、実施例2のバランシングウエイトを得た。
【0033】
[比較例1]
バインダーとタングステン粉末との混合比を2.0/98.0とした他は実施例1と同様にして押出機で溶融・混練を行ったが、押出機への負荷が過大であったため、ペレット化できなかった。
【0034】
[実施例3]
タングステン粉末に表面処理を行わなかった他は実施例1と同様にして、実施例3のバランシングウエイトを得た。
【0035】
[実施例4]
バインダーとして、比重が0.92であってスチレン含有量が30重量%である、水素添加されたポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体(クラレ社の商品名「セプトン4033」)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例4のバランシングウエイトを得た。なお、このポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体のイソプレン部には、ブタジエンユニットが若干含まれている。
【0036】
[比較例2及び比較例3]
バインダーとして比重が1.13であるポリアミド樹脂(ナイロン6)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2のバランシングウエイトを得た。また、バインダーとして比重が1.13であるポリアミド樹脂(ナイロン6)を用い、バインダーとタングステン粉末との混合比を5.7/94.3とした他は実施例1と同様にして、比較例3のバランシングウエイトを得た。
【0037】
[比重測定]
各実施例及び各比較例のバランシングウエイトの比重を測定した。この結果が、下記の表1に示されている。最終的にバランシングウエイトが得られなかった比較例2を除き、いずれのバランシングウエイトも比重が10.0以上であり、鉛製のバランシングウエイト(比重11.3)に匹敵するものであった。
【0038】
[硬度の測定]
各バランシングウエイトの硬度を測定した。測定は、JIS−K−7215の規定に準拠し、デュロメータータイプDを用いて行った。この結果が、下記の表1に示されている。
【0039】
[貼り付け易さの評価]
ステンレス鋼(SUS630)からなるアイアンゴルフクラブヘッド裏面の、曲率が約400mmである湾曲面に、両面テープを用いて手作業でバランシングウエイトを貼り付けた。そして、この際の貼り付け易さを評価した。柔軟性があって容易かつ良好に貼り付けることができたものを「◎」とし、多少曲げづらいが貼り付けができたものを「○」とし、貼り付けは容易であったが表面に微小クラックが発生したものを「△」とし、柔軟性がないため貼り付けが困難であったものを「×」とした。この結果が、下記の表1に示されている。
【0040】
【表1】
Figure 0003556527
【0041】
表1において、バインダーとしてナイロン6が用いられた比較例2及び比較例3のバランシングウエイトは、硬すぎて貼り付けが困難であるという評価結果となっている。これに対し、バインダーとして熱可塑性エラストマーが用いられた各実施例のバランシングウエイトは、貼り付けができている。このことより、バランシングウエイトのバインダーとして熱可塑性エラストマーが好ましいことが解る。また、バインダーの配合量が少ない比較例1では、バランシングウエイトが得られていない。このことより、熱可塑性エラストマーの含有量と金属粉末の含有量との重量比が2.5/97.5以上である必要があることが解る。また、実施例1のバランシングウエイトと実施例3のバランシングウエイトとの比較より、金属粉末がカップリング剤で表面処理されるのが好ましいことが解る。以上の評価結果より、本発明の優位性が確認された。
【0042】
以上、ゴルフクラブヘッドに貼り付けられる場合を例として本発明のバランシングウエイトが説明されたが、湾曲面や凹凸面への貼り付けが容易な本発明のバランシングウエイトは、ゴルフクラブヘッド以外にも、例えばゴルフクラブのグリップエンド、テニスラケットやバドミントンラケットのグリップエンド、釣り竿等の、種々のスポーツ用品に用いられ得る。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のバランシングウエイトは高比重で、しかも柔軟性に富むものである。このバランシングウエイトがスポーツ用品に用いられることにより、鉛による環境破壊が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるバランシングウエイトが示された断面図である。
【符号の説明】
1 バランシングウエイト
2 金属粉末
3 バインダー

Claims (8)

  1. ハードセグメント及びソフトセグメントからなる熱可塑性エラストマーと、比重が15以上22.6以下の金属材料からなる金属粉末と、前記熱可塑性エラストマーと前記金属粉末以外の第三成分とからなり、この第三成分の配合量は5重量%以下であり、
    上記熱可塑性エラストマーの含有量と金属粉末の含有量との重量比が2.5/97.5以上6.5/93.5以下であるスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  2. その比重が8.0以上13.0以下である請求項1に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  3. 上記金属粉末がタングステン又はタングステンを含む合金である請求項1又は請求項2に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  4. 上記金属粉末がカップリング剤で表面処理されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  5. 上記熱可塑性エラストマーが、ソフトセグメント主鎖の二重結合に水素原子が付加された水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  6. 上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量が13重量%以上30重量%以下である請求項5に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  7. 上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体のイソプレン部にブタジエンユニットが含まれるものの水素添加物又はこれらの混合物である請求項5又は請求項6に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
  8. JIS−K−7215に規定されるデュロメータータイプDで測定される硬度が21〜55である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のスポーツ用品用のバランシングウエイト。
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