JP3556544B2 - 防音壁の遮音板留め金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防音壁において遮音板を固定するための板バネ式の遮音板留め金具に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車道路の両側等に設けられる防音壁は、例えば実開平4−57513号公報に示されているように、所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えている。そして、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間(溝幅方向の隙間)には板バネ式の遮音板留め金具が装着され、この留め金具の弾性復元力により遮音板が断面コ字状溝の他方の側面に押圧されて固定されるようになっている。
【0003】
上記留め金具は、基本的には、略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、この第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように設けられ、留め金具が上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部とを備えている。上記第1及び第2の縦辺部の下端部同士は、例えば上記公報のように連結辺部を介して接続されるか、又は、例えば実開昭61−50109号公報に示されているように、連結辺部を介さずに直接接続されている。
【0004】
そして、上記第1及び第2の縦辺部の下端部間の水平距離は、上記隙間よりも小さく設定されている一方、上端部間の水平距離は、上記隙間よりも大きく設定されており、留め金具を上記遮音板と断面コ字状溝との隙間に装着するには、先ず、第1及び第2の縦辺部の下端部をその隙間に挿入しておき、この留め金具を上側からハンマー等で叩くことにより第1及び第2の縦辺部の上端部を互いに近付く方向に撓ませて上記隙間に完全に挿入させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の留め金具の装着方法では、留め金具を重いハンマーで叩いて装着しなければならないため、装着作業に時間がかかると共に、力の弱い作業者に装着作業を行わせることはできないという問題がある。また、装着作業時に大きな音が発生すると共に、留め金具が破損する場合がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のような防音壁の遮音板留め金具に対して、その構成を改良することによって、留め金具の遮音板と断面コ字状溝との隙間に対する装着を、重いハンマー等を用いないで簡単な作業でスムーズに行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、第1の縦辺部に、第2の縦辺部の上端部に対して係脱自在な係合部を設け、この係合部と上記第2の縦辺部の上端部とが係合しているときに、第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離が非係合時よりも小さくなるようにした。
【0008】
具体的には、この発明では、所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具を対象とする。
【0009】
そして、略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、下端部が上記第1の縦辺部の下端部に接続され、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、上記第1の縦辺部に設けられ、上記第2の縦辺部の上端部に対して係脱自在な係合部とを備え、上記係合部は、基端部が上記第1の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第1の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に上記第2の縦辺部側に突出するように形成されかつ第2の縦辺部の上端部に対して上側を覆うように係合する突起部とからなり、上記係合部と第2の縦辺部の上端部とが係合しているときに、上記第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離が非係合時よりも小さくなるように構成されているものとする。
【0010】
上記の構成により、係合部と第2の縦辺部の上端部との係合時に、第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離を、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間量と略同じになるようにするか又はその隙間量よりも小さくなるようにすることができる。この結果、作業者は、予め係合部と第2の縦辺部の上端部とを係合した留め金具をその隙間に挿入して上記係合を解除するだけで済み、力の弱い作業者であっても留め金具を簡単な作業で容易にかつスムーズに装着することができると共に、その装着作業時に大きな音が発生したり、留め金具が壊れたりするのを防止することができる。そして、係合部が可撓部と突起部とからなることで、簡単な構成で係合部を形成することができる。また、係合部を第1の縦辺部に一体形成することができ、低コストで係合部を形成することができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、2つの突起部が、第1の縦辺部の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、上記両突起部間における可撓部の先端部に、略上下方向に延びる延設部が形成されているものとする。
【0012】
このことで、延設部をガイドにして該延設部と第2の縦辺部との間にドライバー等の工具を差し込むことができ、該工具を差し込んだ状態で回したりこじたりすることにより、係合部と第2の縦辺部との係合を容易に解除することができる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、可撓部の上下方向中間部に、第1の縦辺部の厚み方向における第2の縦辺部と反対側面に対して第2の縦辺部と反対側に突出した状態で湾曲してなる湾曲部が形成され、係合部と上記第2の縦辺部の上端部とが係合しているときに、該第2の縦辺部の上端部と上記湾曲部との間の水平距離が、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間量よりも大きく設定されているものとする。
【0014】
こうすることで、予め係合部と第2の縦辺部の上端部とを係合した留め金具を、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に挿入して装着する途中で、可撓部の湾曲部が遮音板に当接すると共に、第2の縦辺部の上端部が断面コ字状溝の一方の側面に当接する。この当接状態で留め金具を挿入方向にさらに押し込むと、その湾曲部の湾曲度合いが徐々に小さくなり、この結果、可撓部の先端部の突起部が上側でかつ第2の縦辺部と反対側へ徐々に移動して、やがて係合部と第2の縦辺部の上端部との係合が解除される。したがって、留め金具の所定位置へのセット完了と略同時に、上記係合が解除された状態にすることができ、留め金具の装着がより一層容易になる。
【0015】
請求項4の発明では、所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具を対象とする。
【0016】
そして、略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、両端部が上記第1及び第2の縦辺部の下端部にそれぞれ接続され、該両端部間の長さが上記隙間よりも小さく設定された連結辺部と、上記第2の縦辺部の上端部に接続され、該上端部から上記第1の縦辺部側に向かって延び、一部に係合用孔又は係合用切欠きを有する上辺部と、上記上辺部の第1の縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第2の縦辺部側でかつ下側に向かって延びる下辺部と、上記第2の縦辺部に設けられ、上記上辺部の係合用孔又は係合用切欠きに対して係脱自在な係合部とを備え、上記係合部と上辺部の係合用孔又は係合用切欠きとが係合しているときに、該上辺部の第1の縦辺部側端部と第2の縦辺部との間における該第2の縦辺部の厚み方向に沿った距離が非係合時よりも小さくなるように構成されているものとする。
【0017】
この発明により、係合部と上辺部の係合用孔又は係合用切欠きとの係合時に、第1及び第2の縦辺部の上端部を互いに近付くように撓ませて、上辺部の第1の縦辺部側端部を第1の縦辺部に当接させたときに、上記第1及び第2の縦辺部における上端部間の水平距離が遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間量と略同じになるようにするか又はその隙間量よりも小さくなるようにすることができる。このとき、第1及び第2の縦辺部の上端部の弾性復元力は、上辺部の第1の縦辺部側端部が第1の縦辺部に当接するまでは比較的小さくすることができるので、第1及び第2の縦辺部の上端部を小さい力で撓ませながら、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に容易に挿入することができる。この結果、請求項1の発明と同様に、作業者は、予め係合部と上辺部の係合用孔又は係合用切欠きとを係合した留め金具を上記隙間に挿入して上記係合を解除するだけでよい。そして、係合を解除した後に、第1及び第2の縦辺部だけでなく上辺部及び下辺部の弾性復元力も遮音板を断面コ字状溝の側面に押圧するように作用させれば、十分な押圧力が得られる。
【0018】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、係合部は、基端部が第2の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第2の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に第1の縦辺部と反対側に突出するように形成されかつ上辺部の係合用孔又は係合用切欠きの第2の縦辺部側縁部と係合する突起部とからなるものとする。こうすることで、簡単な構成で低コストで係合部を形成することができる。
【0019】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、2つの突起部が、第2の縦辺部の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、上記両突起部間における可撓部の先端部に、略上下方向に延びる延設部が形成されているものとする。このことにより、請求項2の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
請求項7の発明では、請求項4の発明において、係合部は、基端部が第2の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第2の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に第2の縦辺部の幅方向に突出するように形成され、上辺部の係合用孔又は係合用切欠きの該突出方向に対応する側の縁部と係合する突起部とからなるものとする。このことで、簡単な構成で低コストで係合部を形成することができる。
【0021】
請求項8の発明では、所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具を対象とする。
【0022】
そして、略上下方向に延び、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における上記隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、両端部が上記第1及び第2の縦辺部の下端部にそれぞれ接続され、該両端部間の長さが上記隙間よりも小さく設定された連結辺部と、上記第2の縦辺部の上端部に接続され、該上端部から上記第1の縦辺部側に向かって延びる上辺部と、上記上辺部の第1の縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第2の縦辺部側でかつ下側に向かって延びる下辺部と、上記連結辺部に設けられ、上記下辺部の第2の縦辺部側端部に対して係脱自在な係合部とを備え、上記係合部と下辺部の第2の縦辺部側端部とが係合しているときに、上記上辺部の第1の縦辺部側端部と第2の縦辺部との間における該第2の縦辺部の厚み方向に沿った距離が非係合時よりも小さくなるように構成されているものとする。
【0023】
このことにより、請求項4の発明と同様に、第1及び第2の縦辺部の上端部を、その間の水平距離が遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間量と同じレベルか又は少し小さくなるように比較的小さい力で撓ませることができ、留め金具の装着作業が容易となる。
【0024】
請求項9の発明では、所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具を対象とする。
【0025】
そして、略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、下端部が上記第1の縦辺部の下端部に接続され、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、上記第1の縦辺部と第2の縦辺部とを係合する係合手段とを備え、上記係合手段は、上記第1及び第2の縦辺部のいずれか一方に形成された片持ちはり状の可撓部と、他方に形成されかつ該可撓部と係合する係合受部とからなり、上記係合手段により第1及び第2の縦辺部同士が係合されているときに、該第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離が非係合時よりも小さくなるように構成されているものとする。このことで、請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0026】
請求項10の発明では、請求項9の発明において、防音壁の遮音板留め金具は、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間への装着完了と略同時に、係合手段による第1の縦辺部と第2の縦辺部との係合が解除されるように構成されているものとする。このことで、請求項3の発明と略同様の作用効果が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る遮音板留め金具10が設けられた防音壁1を示し、この防音壁1は、自動車道路の両側において該自動車道路に沿った方向(図1の紙面に垂直な方向)に所定間隔をあけて立設された多数の支柱2,2,…を備えている。この各支柱2の上部は、自動車道路側に向けて円弧状に湾曲されている。上記各支柱2は、H形鋼からなっていて、該支柱2の長さ方向に延びる2つの断面コ字状溝3,3を有し、この各断面コ字状溝3の開口が自動車道路に沿った方向(防音壁1の長さ方向)を向くように立設されている。すなわち、各断面コ字状溝3は、相隣接する一対の支柱2,2の対向面に形成されていることになる。
【0028】
上記一対の支柱2,2の対向面における相対向する断面コ字状溝3,3間には、自動車道路に沿った方向に延びる複数の遮音板4,4,…が上下方向に積み重ねられた状態で嵌め込まれている。この各遮音板4は、ポリカーボネート等のプラスチック製や、鉄及びアルミニウムからなるボックスタイプ製であり、その厚みtは上記断面コ字状溝3の溝幅Wよりも小さく設定されている。尚、図1及び図2中、5は、各支柱2の自動車道路と反対側面に貼付固定された金属製の外装板である。
【0029】
上記各遮音板4と各断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間(隙間量S=W−t)には、弾性復元力により該遮音板4を断面コ字状溝3の自動車道路側の側面に押圧しかつばね鋼鋼材等からなる板バネ式の遮音板留め金具10が装着されている。この留め金具10は、上記各遮音板4の長さ方向両端部の上端部に設けられていて、遮音板4の厚み方向における自動車道路と反対側面(上記隙間側面)の上端部を自動車道路側に押圧するように構成されている。尚、上記各遮音板4の上端部における自動車道路側部には、下側に凹む段差部4aが形成され、この段差部4aと断面コ字状溝3の自動車道路側の側面との間には、この遮音板4の直ぐ上側に積み重ねられる遮音板4の下端部に設けた凸部4bが挿入されるようになっており、このことで、遮音板4の下端部の厚み方向への移動が規制されるようになっている。
【0030】
上記留め金具10は、具体的には、図3及び図4に示すように、該留め金具10が上記隙間に装着されたときに、下面が上記遮音板4の上端面に当接しかつ該上端面に突設された断面円形の嵌合部4c(図6参照)と略嵌合する嵌合孔11aを有する取付辺部11を備えている。この取付辺部11の自動車道路と反対側端部には、略上下方向に延びる第1の縦辺部12の上端部が接続されている。この第1の縦辺部12の厚み方向における自動車道路側面は、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、略全体的に上記遮音板4の厚み方向における上記隙間側面に当接するようになっている。上記第1の縦辺部12の下端部には、該第1の縦辺部12と対向しかつ第1の縦辺部12との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延びる第2の縦辺部13の下端部が接続されている。この第2の縦辺部13の厚み方向における上記第1の縦辺部12と反対側面(自動車道路と反対側面)の上端部は、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、上記断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面に当接するようになっている。上記第2の縦辺部13の上端部には、該上端部から上記第1の縦辺部12側でかつ下側に延びる斜辺部14が接続されている。この斜辺部14の第1の縦辺部12側端部は、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、第1の縦辺部12の上下方向略中央部に当接するようになっている。尚、上記斜辺部14の第1の縦辺部12側端部(下端部)は、略直角に曲げられて第2の縦辺部13側に僅かに突出している。
【0031】
上記第1の縦辺部12の幅方向略中央部には、上記斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部(斜辺部14と第2の縦辺部13との接続部)に対して係脱自在な係合部20が設けられている。この係合部20は、基端部が第1の縦辺部12に接続されかつ該基端部から上側(第2の縦辺部13側に僅かに傾斜している)に延びて先端部が第1の縦辺部12の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部21と、該可撓部21の先端部に第2の縦辺部13側に突出するように形成されかつ第2の縦辺部13の上端部に対して上側を覆うように係合する2つの突起部22,22とからなっている(係合状態は、図4の二点鎖線又は図5を参照)。この各突起部22の下面は、上記斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部に沿う円弧状をなしている。したがって、上記斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部は、上記係合部20における可撓部21の各突起部22と係合する係合受部を構成し、この係合受部と係合部20とは、第1の縦辺部12と第2の縦辺部13とを係合する係合手段を構成している。尚、上記係合部20の可撓部21及び各突起部22は、略コ字状のスリットによって一辺部を除いて周囲から切り離すことで第1の縦辺部12と一体形成されている。
【0032】
上記係合部20の両突起部22,22は、上記第1の縦辺部12の幅方向(可撓部21の幅方向)に所定間隔をあけて設けられ、この両突起部22,22間における上記可撓部21の先端部には、略上下方向(可撓部21が延びる方向)に延びかつ上端部が該両突起部22,22よりも僅かに上側に位置する延設部23が形成されている。
【0033】
そして、上記第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離(対向面とは反対側面間の水平距離)は、上記係合部20の各突起部22と上記斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とが係合していないときには、遮音板4と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sよりも大きいL1に設定されている一方、係合しているときには、非係合時のL1よりも小さくかつ上記隙間量Sよりも小さいL2に設定されている。尚、上記第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離が、係合時に上記隙間量Sと同じか又は少し大きくても、後述の如く遮音板留め金具10を軽い力で所定位置に装着できればそれでもよい。
【0034】
以上のように構成された遮音板留め金具10を遮音板4と断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面との隙間に装着して該遮音板4を固定する方法を説明する。尚、留め金具10を装着する段階では、外装板5は各支柱2に貼付固定されてはいない。
【0035】
先ず、予め留め金具10の第2の縦辺部13を第1の縦辺部12側に撓ませることにより、係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とを係合させておく。この係合は、留め金具10の製造時に製造装置により行ってもよく、装着作業者が工具を用いて行ってもよい。そして、この状態を保持したまま、図6に示すように、留め金具10の第1及び第2の縦辺部12,13を、上記隙間に挿入しながら、取付辺部11の嵌合孔11aを、相対向する断面コ字状溝3,3間に嵌め込んだ遮音板4の上端面の嵌合部4cに嵌合させてセットする。このとき、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離L2が、上記隙間量Sよりも小さいので、第1及び第2の縦辺部12,13の下端部から上端部に至るまでの全体を、上記隙間内に容易に挿入することができる。すなわち、従来のように係合部20がない状態では、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を上記隙間内に挿入するには、上側からハンマー等により叩いて無理矢理挿入する必要があったが、このような作業は全く行わなくてもよい。
【0036】
次いで、図7に示すように、上記係合部20の延設部23と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との間に、先端部が楔状に形成されたドライバー等の工具50を、上側でかつ断面コ字状溝3の開口側から差し込んで回したりこじたりすることにより、係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との係合を解除する。このとき、延設部23がなければ、工具50を各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との間に差し込んで上記係合を解除することになるが、延設部23を設けたことにより、延設部23がない場合よりも工具50が差し込み易くなって係合解除を容易に行うことができる。
【0037】
上述の如く係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との係合を解除すると、第2の縦辺部13における自動車道路と反対側面の上端部が断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面に当接する一方、第1の縦辺部12の自動車道路側面の略全体が遮音板4の自動車道路と反対側面に当接し、このことで、遮音板4が断面コ字状溝3の自動車道路側の側面に押圧されて固定され、留め金具10の装着が完了する(図8参照)。
【0038】
したがって、上記実施形態では、係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とが係合しているときに、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離L2が非係合時のL1よりも小さくかつ遮音板4と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sと同じレベルか又はその隙間量Sよりも小さくなるように構成されているので、予め係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とを係合しておけば、留め金具10をハンマー等を用いて無理矢理挿入することなく容易に上記隙間に挿入することができ、しかも、その挿入後に上記係合の解除も容易に行える。よって、力の弱い作業者であっても留め金具10を簡単な作業で容易に装着することができると共に、その装着作業時に大きな音が発生したり、留め金具10が壊れたりするのを防止することができる。
【0039】
尚、上記実施形態1では、係合部20の可撓部21の先端部に2つの突起部22,22を設け、この両突起部22,22間に延設部23を形成したが、この延設部23は必ずしも必要ではなく、図9に示すように、可撓部21の幅方向全体に亘って1つの突起部22を設けるようにしてもよい。また、図10に示すように、2つの係合部20,20を第1の縦辺部13の幅方向両側部にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0040】
さらに、図11に示すように、係合部20を、略T字状のスリットによって周囲から切り離すことで第1の縦辺部12と一体形成するようにしてもよい。この場合、可撓部21の先端部において第1の縦辺部12の幅方向に突出した部分を略直角に曲げれば、2つの突起部22,22を形成することができると共に、該両突起部22,22間に延設部23を形成することができる。また、この延設部23の上端部位置を、各突起部22よりも高くなるようにすることもできる。
【0041】
さらにまた、図12に示すように、可撓部21の先端部の両側部に切り込みを入れてその上側部分を略直角に曲げることで突起部22,22を形成するようにしてもよい。この図11及び図12のもののように、可撓部21の両側部を内側に略直角に曲げることで突起部22,22を形成した場合には、第2の縦辺部13の上端部との係合を確実に保持することができる。
【0042】
加えて、係合部20の可撓部21は、第2の縦辺部13側に傾ける必要はなく、基端部から略真上に延びるようにしてもよく、係合部20を、第1の縦辺部12とは別部材で構成してもよい。また、係合部20を第1の縦辺部12に設けかつこの係合部20と係合する係合受部を第2の縦辺部13に設ける必要はなく、逆に、係合部20を第2の縦辺部13に設け、係合受部を第1の縦辺部12に設けるようにしてもよい。
【0043】
さらに、取付辺部11及び斜辺部14は必ずしも必要ではない。つまり、遮音板4を押圧するのに十分な弾性復元力が得られれば、斜辺部14はなくてもよく、留め金具10の装着時に、第1の縦辺部12の自動車道路側面を遮音板4の自動車道路と反対側面に貼り付ける等すれば、取付辺部11はなくてもよい。
【0044】
また、上記実施形態1では、係合部20の各突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とが係合しているときに、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離L2を、非係合時のL1よりも小さくかつ遮音板4と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sよりも小さくなるようにすることが望ましいが、上記水平距離L2が上記隙間量S以上であっても、非係合時のL1よりも小さければ、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を上記隙間に挿入する作業は、非係合時よりもかなり容易になる。
【0045】
(実施形態2)
図13及び図14は、本発明の実施形態2を示し(尚、図3及び図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、留め金具10の基本形状を上記実施形態1とは異ならせたものである。
【0046】
すなわち、この実施形態2では、第1及び第2の縦辺部12,13の下端部が、略水平方向に延びる連結辺部16の両端部にそれぞれ接続され、この連結辺部16の両端部間の長さは遮音板4と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sよりも小さく設定されている。また、第2の縦辺部13の上端部には、該上端部から第1の縦辺部12側でかつ下側に向かって延び、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、第1の縦辺部12側端部が第1の縦辺部12に当接する上辺部17が接続されている。この上辺部17の長さ方向及び幅方向の略中央部には、後述の係合部30の各突起部32が通過可能でかつ該係合部30と係合する略矩形状の係合用孔36が形成されている。上記上辺部17の第1の縦辺部12側端部には、該端部から上記第2の縦辺部13側でかつ下側に向かって延び、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、第2の縦辺部13側端部が第2の縦辺部13に当接する下辺部18が接続されている。この下辺部18の第2の縦辺部13側端部(下端部)は、略直角に曲げられて第1の縦辺部12側に僅かに突出している。
【0047】
上記第2の縦辺部13の幅方向中央部には、上記上辺部17の係合用孔36に対して係脱自在な係合部30が設けられている。この係合部30は、基端部が第2の縦辺部13に接続されかつ該基端部から上側(第1の縦辺部12側に傾斜している)に延びて先端部が第2の縦辺部13の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部31と、該可撓部31の先端部に第1の縦辺部13と反対側(第2の縦辺部13側)に突出するように形成されかつ上辺部17の係合用孔36における第2の縦辺部13側縁部と係合する2つの突起部32,32とからなり、この両突起部32,32は、上記実施形態1における係合部20と同様に、第2の縦辺部13の幅方向(可撓部31の幅方向)に所定間隔をあけて設けられ、この両突起部32,32間における上記可撓部31の先端部には、略上下方向(可撓部31が延びる方向)に延びる延設部33が形成されている。
【0048】
尚、上記係合部30の各突起部32と上辺部17の係合用孔36とが係合しているときには、図14に二点鎖線で示すように、上辺部17の第1の縦辺部12側端部は、下側でかつ第2の縦辺部13側に移動し、下辺部18の下端部は第2の縦辺部13と連結辺部16との接続部に略当接しており、係合部30の可撓部31の先端部は、第1の縦辺部12側に撓んでいる。
【0049】
そして、上辺部17の第1の縦辺部12側端部と第2の縦辺部13との間における該第2の縦辺部13の厚み方向に沿った距離は、係合部30と上辺部17の係合用孔36とが係合していないときにはH1に設定されている一方、係合時には、非係合時のH1よりも小さいH2になるように構成されている。そして、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を互いに近付くように撓ませて、上辺部17の第1の縦辺部12側端部を第1の縦辺部12に当接させたときに、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離(対向面とは反対側面間の水平距離)が、係合部30と上辺部17の係合用孔36との非係合時には上記隙間量Sよりも大きい一方、係合時には非係合時よりも小さくかつ上記隙間量Sよりも小さくなるようになっている。尚、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を互いに近付くように撓ませる際、該第1及び第2の縦辺部12,13の弾性復元力は、上辺部17の第1の縦辺部12側端部が第1の縦辺部12に当接するまでは比較的小さい。
【0050】
上記留め金具10を遮音板4と断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面との隙間に装着するには、先ず、予め上辺部17の第1の縦辺部12側端部を下側に撓ませると共に、係合部30の可撓部31の先端部を第1の縦辺部12側に撓ませて、各突起部32を係合用孔36の第2の縦辺部13側縁部に係合させておく。
【0051】
そして、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を互いに近付くように撓ませながら、上記実施形態1と同様に、取付辺部11の嵌合孔11aを遮音板4の上端面の嵌合部4cに嵌合させる。このとき、第1及び第2の縦辺部12,13の弾性復元力はかなり小さいので、ハンマー等を用いて無理矢理挿入しなくても第1及び第2の縦辺部12,13の下端部から上端部に至るまでの全体を、上記隙間内に容易に挿入することができる。
【0052】
次いで、上記実施形態1と同様に、延設部33と係合用孔36の第2の縦辺部13側縁部との間に上記工具50を挿入することで上記係合を解除する。すると、第2の縦辺部13における自動車道路と反対側面の上端部が断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面に当接する一方、第1の縦辺部12の自動車道路側面の略全体が遮音板4の自動車道路と反対側面に当接し、さらに、上辺部17の第1の縦辺部12側端部が第1の縦辺部12に当接しかつ下辺部18の第2の縦辺部13側端部が第2の縦辺部13に当接する(図15参照)ので、遮音板4を断面コ字状溝3の自動車道路側の側面に十分な力で押圧することができる。
【0053】
したがって、上記実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、留め金具10の装着作業を容易に行うことができる。
【0054】
尚、上記実施形態2では、係合部30の可撓部31の先端部に2つの突起部32,32を設け、この両突起部32,32間に延設部33を形成したが、この延設部33は必ずしも必要ではなく、図16に示すように、可撓部21の幅方向全体に亘って1つの突起部32を設けるようにしてもよい。また、図17に示すように、2つの係合部30,30を第2の縦辺部13の幅方向両側部にそれぞれ設けるようにしてもよい。この場合、係合用孔36の代わりに、上辺部17の幅方向両側部に係合用切欠き37を設ければよい。
【0055】
さらに、図18に示すように、係合部30を、略T字状のスリットによって周囲から切り離すことで第2の縦辺部13と一体形成するようにしてもよい。この場合、可撓部31の先端部において第2の縦辺部13の幅方向に突出した部分を略直角に曲げれば、2つの突起部32,32を形成することができると共に、該両突起部32,32間に延設部33を形成することができる。
【0056】
さらにまた、図19に示すように、2つの突起部32,32を可撓部31の先端部に第2の縦辺部13の幅方向両側に突出するように形成してもよい。この場合、上辺部17の係合用孔36における第1の縦辺部12側に、上記係合部30の両突起部32,33を含む先端部が通過可能な通過用孔38を形成し、両突起部32,32をこの通過用孔38の下側から上側に通過させて、係合用孔36における上記各突起部32の突出方向に対応する側の縁部(上辺部17の幅方向両端側縁部)に係合させるようにすればよい。そして、このように突起部32を第2の縦辺部13の幅方向に突出させる場合、2つの係合部30,30を第2の縦辺部13の幅方向両側部にそれぞれ形成したときには、図20に示すように、その突起部32は各係合部30の可撓部31の先端部に互いに対向する方向に突出するように形成すると共に、上辺部17の各係合用切欠き37における第1の縦辺部12側に、各係合部30の突起部32が通過可能な通過用切欠き39を形成すればよい。
【0057】
さらに、上記実施形態2では、係合部30を第2の縦辺部13に設け、この係合部30と上辺部17に形成した係合孔36とを係合させたが、図21に示すように、連結辺部16に、該連結辺部16の長さ方向略中央部から第2の縦辺部13側でかつ上側に延びる片持ちはり状の係合部30を設けて、この係合部30と下辺部18の第2の縦辺部13側端部(下端部)とを係合させるようにしてもよい。この場合も、係合部30と下辺部17の第2の縦辺部13側端部とが係合しているときに、上辺部17の第1の縦辺部12側端部と第2の縦辺部13との間における該第2の縦辺部13の厚み方向に沿った距離が非係合時よりも小さくなるように構成すればよい。
【0058】
加えて、上記実施形態1と同様に、係合部30の可撓部31は、第1の縦辺部12側に傾ける必要はなく、基端部から略真上に延びるようにしてもよく、係合部30を、第2の縦辺部12とは別部材で構成してもよい。また、留め金具10は、取付辺部11がないものであってもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態2では、係合部30と上辺部17の係合用孔36との係合時に、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を互いに近付くように撓ませて、上辺部17の第1の縦辺部12側端部を第1の縦辺部12に当接させたときに、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の水平距離を、非係合時よりも小さくかつ断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sよりも小さくなるようにしたが、上記水平距離が上記隙間量S以上であっても、非係合時よりも小さければ(すなわち、上辺部17の第1の縦辺部12側端部と第2の縦辺部13との間における該第2の縦辺部13の厚み方向に沿った距離が、非係合時よりも小さければ)、第1及び第2の縦辺部12,13の上端部を上記隙間に挿入し易くすることができる。
【0060】
(実施形態3)
図22は本発明の実施形態3を示し、留め金具10の基本形状は上記実施形態1と同様であるが、係合部20の可撓部21の形状を上記実施形態1とは異ならせたものである。
【0061】
すなわち、この実施形態3では、係合部20の可撓部21の先端部には延設部23は設けられておらず、図9のように可撓部21の幅方向全体に亘って1つの突起部22のみが設けられている。この可撓部21の上下方向中間部には、第1の縦辺部12の厚み方向における第2の縦辺部13と反対側面に対して第2の縦辺部13と反対側に突出した状態で略円弧状に湾曲してなる湾曲部24が形成されている。そして、上記突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とが係合しているときに、該第2の縦辺部13の上端部と上記湾曲部24(第2の縦辺部13と反対側に最も突出した部分)との間の水平距離Kが、遮音板4と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間量Sよりも大きく設定されている。尚、上記係合時において第1及び第2の縦辺部12,13の上端部間の距離L2は、上記実施形態1と同様に、非係合時のL1よりも小さくかつ上記隙間量Sよりも小さい値に設定されている(勿論、上記隙間量Sよりも大きくてもよい)。
【0062】
上記留め金具10を遮音板4と断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面との隙間に装着して該遮音板4を固定するには、先ず、予め係合部20の突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部とを係合した留め金具10の第1及び第2の縦辺部12,13を上記隙間に挿入する。すると、図23に示すように、可撓部21の湾曲部24の下部が遮音板4の上端部角部に当接すると共に、第2の縦辺部13における自動車道路と反対側面の上端部が、断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面に当接する。
【0063】
続いて、この状態で第1及び第2の縦辺部12,13を上記隙間に押し込んで挿入し続けると、可撓部21全体は第2の縦辺部13側へ撓むことができないので、上記湾曲部24のみが第2の縦辺部13側へ変位し、その湾曲度合いが徐々に小さくなって、可撓部21の先端部の突起部22が上側でかつ第2の縦辺部13と反対側へ徐々に移動していく。つまり、突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との係合を解除しながら第1及び第2の縦辺部12,13を上記隙間に挿入することになる。そして、取付辺部11の嵌合孔11aを遮音板4の上端面の嵌合部4cに嵌合させて留め金具10をセットすると、そのセット完了と略同時に上記係合が完全に解除され、このことで、留め金具10の装着が完了する。
【0064】
したがって、上記実施形態3では、留め金具10のセット完了と略同時に、突起部22と斜辺部14ないし第2の縦辺部13の上端部との係合を解除することができ、係合解除工程を別途に設ける必要がない。一方、湾曲部24が遮音板4の上端部角部に当接した後における留め金具10の押込力は、湾曲部24を変形させるだけの力で済む。よって、留め金具10の装着が、上記実施形態1,2よりも格段に容易になる。
【0065】
尚、可撓部21の先端部に1つの突起部22しか設けていないが、上記実施形態1のように、2つの突起部22,22を設けてもよく、その両突起部22,22間に延設部23があってもよい。さらに、上記実施形態1の種々の変形例と同様の構成にしてもよい。そして、係合部20を第2の縦辺部13に設ける一方、この係合部20と係合する係合受部を第1の縦辺部12に設けてもよく、この場合も、係合部20に可撓部を設けてその可撓部を、遮音板4と断面コ字状溝3の自動車道路と反対側の側面との隙間への挿入時に該側面に当接させる等して、留め金具10の上記隙間への装着完了と略同時に係合部20と係合受部との係合が解除されるように構成しておけばよい。
【0066】
また、図24に示すように、取付辺部11がないものであってもよく、このような取付辺部11がない留め金具10は、図25に示すように、特に最下部に位置する遮音板4の下端部と断面コ字状溝3における自動車道路と反対側の側面との隙間に装着するのがよい。こうすれば、凸部4bを有していない最下部の遮音板4に対して、上端部だけでなく下端部をも自動車道路側に押圧して、最下部の遮音板4の保持を確実に行うようにすることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防音壁の遮音板留め金具によると、力の弱い作業者であっても留め金具を簡単な作業で容易に装着することができ、安全で作業性に優れていると共に、その装着作業時に大きな音が発生したり、留め金具が壊れて散乱したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る遮音板留め金具が設けられた防音壁を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】遮音板留め金具の詳細を示す斜視図である。
【図4】遮音板留め金具の側面図である。
【図5】係合部と第2の縦辺部の上端部とが係合している状態を示す図3相当図である。
【図6】遮音板留め金具の装着初期の状態を示す図1の要部拡大図である。
【図7】遮音板留め金具の装着途中の状態を示す図6相当図である。
【図8】遮音板留め金具の装着完了の状態を示す図6相当図である。
【図9】遮音板留め金具の係合部の変形例を示す図3相当図である。
【図10】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例を示す図3相当図である。
【図11】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例を示す図3相当図である。
【図12】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例を示す図3相当図である。
【図13】実施形態2を示す図3相当図である。
【図14】実施形態2を示す図4相当図である。
【図15】実施形態2を示す図8相当図である。
【図16】遮音板留め金具の係合部の変形例を示す図13相当図である。
【図17】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例と係合用切欠きとを示す図13相当図である。
【図18】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例を示す図13相当図である。
【図19】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例と通過用孔とを示す図13相当図である。
【図20】遮音板留め金具の係合部のさらなる変形例と通過用切欠きとを示す図13相当図である。
【図21】遮音板留め金具の係合部を連結辺部に設けた変形例を示す図14相当図である。
【図22】実施形態3を示す図4相当図である。
【図23】実施形態3に係る遮音板留め金具の装着途中の状態を示す要部拡大断面図である。
【図24】実施形態3の変形例を示す遮音板留め金具の斜視図である。
【図25】図24の遮音板留め金具が、最下部に位置する遮音板の下端部と断面コ字状溝の側面との隙間に装着された状態を示す防音壁の断面図である。
【符号の説明】
1 防音壁
2 支柱
3 断面コ字状部
4 遮音板
10 遮音板留め金具
12 第1の縦辺部
13 第2の縦辺部
16 連結辺部
17 上辺部
18 下辺部
20,30 係合部(係合手段)
21,31 可撓部
22,32 突起部
23,33 延設部
24 湾曲部
36 係合用孔
37 係合用切欠き
Claims (10)
- 所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具であって、
略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、
上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、下端部が上記第1の縦辺部の下端部に接続され、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、
上記第1の縦辺部に設けられ、上記第2の縦辺部の上端部に対して係脱自在な係合部とを備え、
上記係合部は、基端部が上記第1の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第1の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に上記第2の縦辺部側に突出するように形成されかつ第2の縦辺部の上端部に対して上側を覆うように係合する突起部とからなり、
上記係合部と第2の縦辺部の上端部とが係合しているときに、上記第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離が非係合時よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 請求項1記載の防音壁の遮音板留め金具において、
2つの突起部が、第1の縦辺部の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、
上記両突起部間における可撓部の先端部に、略上下方向に延びる延設部が形成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 請求項1記載の防音壁の遮音板留め金具において、
可撓部の上下方向中間部に、第1の縦辺部の厚み方向における第2の縦辺部と反対側面に対して第2の縦辺部と反対側に突出した状態で湾曲してなる湾曲部が形成され、
係合部と上記第2の縦辺部の上端部とが係合しているときに、該第2の縦辺部の上端部と上記湾曲部との間の水平距離が、遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間量よりも大きく設定されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具であって、
略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、
上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、
両端部が上記第1及び第2の縦辺部の下端部にそれぞれ接続され、該両端部間の長さが上記隙間よりも小さく設定された連結辺部と、
上記第2の縦辺部の上端部に接続され、該上端部から上記第1の縦辺部側に向かって延び、一部に係合用孔又は係合用切欠きを有する上辺部と、
上記上辺部の第1の縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第2の縦辺部側でかつ下側に向かって延びる下辺部と、
上記第2の縦辺部に設けられ、上記上辺部の係合用孔又は係合用切欠きに対して係脱自在な係合部とを備え、
上記係合部と上辺部の係合用孔又は係合用切欠きとが係合しているときに、該上辺部の第1の縦辺部側端部と第2の縦辺部との間における該第2の縦辺部の厚み方向に沿った距離が非係合時よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 請求項4記載の防音壁の遮音板留め金具において、
係合部は、基端部が第2の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第2の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に第1の縦辺部と反対側に突出するように形成されかつ上辺部の係合用孔又は係合用切欠きの第2の縦辺部側縁部と係合する突起部とからなることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 請求項5記載の防音壁の遮音板留め金具において、
2つの突起部が、第2の縦辺部の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、
上記両突起部間における可撓部の先端部に、略上下方向に延びる延設部が形成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 請求項4記載の防音壁の遮音板留め金具において、
係合部は、基端部が第2の縦辺部に接続されかつ該基端部から上側に延びて先端部が第2の縦辺部の厚み方向に撓むことが可能な片持ちはり状の可撓部と、該可撓部の先端部に第2の縦辺部の幅方向に突出するように形成され、上辺部の係合用孔又は係合用切欠きの該突出方向に対応する側の縁部と係合する突起部とからなることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具であって、
略上下方向に延び、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における上記隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、
上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、
両端部が上記第1及び第2の縦辺部の下端部にそれぞれ接続され、該両端部間の長さが上記隙間よりも小さく設定された連結辺部と、
上記第2の縦辺部の上端部に接続され、該上端部から上記第1の縦辺部側に向かって延びる上辺部と、
上記上辺部の第1の縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第2の縦辺部側でかつ下側に向かって延びる下辺部と、
上記連結辺部に設けられ、上記下辺部の第2の縦辺部側端部に対して係脱自在な係合部とを備え、
上記係合部と下辺部の第2の縦辺部側端部とが係合しているときに、上記上辺部の第1の縦辺部側端部と第2の縦辺部との間における該第2の縦辺部の厚み方向に沿った距離が非係合時よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 所定間隔をあけて立設された複数の支柱と、該相隣接する一対の支柱の対向面に形成され、該支柱の長さ方向に延びる断面コ字状溝と、該相対向する断面コ字状溝間に嵌め込まれ、該断面コ字状溝の溝幅よりも厚みが小さく設定された遮音板とを備えた防音壁において、上記遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を断面コ字状溝の他方の側面に押圧する板バネ式の遮音板留め金具であって、
略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1の縦辺部と、
上記第1の縦辺部と対向しかつ該第1の縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、下端部が上記第1の縦辺部の下端部に接続され、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1の縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2の縦辺部と、
上記第1の縦辺部と第2の縦辺部とを係合する係合手段とを備え、
上記係合手段は、上記第1及び第2の縦辺部のいずれか一方に形成された片持ちはり状の可撓部と、他方に形成されかつ該可撓部と係合する係合受部とからなり、
上記係合手段により第1及び第2の縦辺部同士が係合されているときに、該第1及び第2の縦辺部の上端部間の水平距離が非係合時よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。 - 遮音板と断面コ字状溝における一方の側面との隙間への装着完了と略同時に、係合手段による第1の縦辺部と第2の縦辺部との係合が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項9記載の防音壁の遮音板留め金具。
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