JP3564111B2 - 誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、渦流量計における誤出力防止装置及び該装置を備えた渦流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、渦流量計は検出センサからのカルマン渦信号をトリガ回路でトリガして流量信号パルスを得ている。しかしながら、圧縮性流体の流量計測機構においては、流量計の下流側又は上流側に設けた締切弁を閉じて流れを停止する場合にも、気体の如き圧縮性流体によって閉じられた管路内で流体が圧縮・膨張して流体に移動が生じてしまい、流量検出部が流体の移動を検知して、その流量検出部に接続した信号発信部が信号を発信し、あたかも流量を計測した状態になるという不都合がある。この流体揺動(脈動)によるノイズ信号以外には、流体の圧縮性に拘らず、流量停止時等において、配管の振動,電気的ノイズ等のノイズ信号が大きく、そのノイズ信号がトリガレベルも越えた場合でも流量信号としてパルス化され、正常な計測が阻害される場合がある。このとき、渦流量計用の警報装置を設置していた場合には、警報が鳴ってしまうこととなる。
【0003】
これらの不都合は、渦流量計の如く流量範囲が広く、流体の流速によって流量を積算検出する流量計に顕著に見受けられる。従来の流量計測装置においては、管路内の流量検出部とパルス信号を発生する信号部(トリガ)との間に(シグナルコンディショナ)S/N比を高めるため、通常フィルタを配設してあるが、フィルタは流量範囲をカバーするように選定されているので上述の不都合は解消されない。このような現象は、締切弁を開いて連続的に圧縮性流体を流し、その流量を計測しているときには問題ないが、実際に、締切弁は一日の大半が閉じられていることが多いので、圧縮性流体が管路内の脈動を流量として計数してしまう。トリガレベルを拡大することにより、これらのノイズのトリガをある程度抑制することは可能であるが、トリガレベルの拡大により計測できる流量範囲も抑制されてしまう弊害がある。
【0004】
本出願人は、脈動による計数の状況を観察した結果、極短時間に計数範囲にはいるような信号を発生し、例えば10秒位の期間を平均するとフィルタの下限周波以下となるという点に着目して、流体の揺動による誤計数を防止する誤計数防止装置を実公昭53−14199号公報にて提案した。この考案に係る流量計における誤計数防止装置は、管路内の流量検出部に接続してパルス信号を発信する信号発信部と該信号を計数して流量を計数する計数機構との間に蓄積カウンタとタイマを配設することにより、タイマの設定時間内に蓄積カウンタが設定値に達しない場合は、上記より明らかな如く揺動によるパルス信号の発生であるためこの誤パルス信号は遮断されて、計数機構へ送られず、流体の揺動によっては計数機構は積算を開始しないようにして誤計測を防止したことを特徴としている。換言すると、同公報には、ノイズ等による誤出力パルスの周期が一般に不規則であることに注目したデジタルフィルタが記載されている。外部出力の前に、パルスをメモリ機能に入力し、ある設定されたパルスをメモリし、その入力されるパルスの周期がある設定された周期以上であればメモリ内のパルスをリセットさせ、ノイズによる不規則なパルスの出力を防止する機能を備える。
【0005】
上述の誤計数防止装置のごとき、渦流量計において使用されているデジタルフィルタ回路は、機械的,電気的外乱によるセンサのミストリガをカットし防止する回路であるが、このデジタルフィルタ回路は、一定の周期以上の流量パルスが、連続して一定の数以上検出されなければ後段の回路にパルスを伝達しないというものである。すなわち、このデジタルフィルタ回路は、一定周期以上で連続して入ってこない信号を、ノイズ信号とみなして出力しないので、外乱の影響を受け易い渦流量計には不可欠なものである。
【0006】
図5は、従来技術による誤出力防止装置及び該装置を用いた渦流量計の構成を示すブロック図である。
ここで説明する従来技術による渦流量計は、被測定流体が流通する渦流量計の流管(測定管)11と、流管11内に流れに対向して配設されカルマン渦を発生させる渦発生体12と、渦発生体12で発生したカルマン渦の信号を検出する渦信号検出部と、渦信号検出部で検出した信号を変換してパルスを出力する変換器とを備え、このパルスを計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定するものとする。振動,流体脈動,電気的ノイズ等のノイズ信号による誤出力を防止するために、この変換器内に誤出力防止装置(誤計数防止装置ともいえる)40を備えるようにしている。渦信号検出部には渦信号検出センサ13が、渦発生体12の下流側であって、渦発生体12の側面或いは流管11の内壁に配設されている。渦信号検出センサ13は、渦発生体12により発生したカルマン渦列の渦を検出する。渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号を後段で処理することにより流量又は流速が測定されることとなる。
【0007】
なお、誤出力防止装置40は、その構成として、渦信号検出センサ13として流れによる(勿論ノイズによるものも必然的に含むこととなる)圧力変化を検出素子の応力変化として検出する圧電素子,ストレンゲージ等のセンサを用いるものに対応した装置となっている。その他渦信号検出センサ13としてはシャトルピストンや容量センサ等を検出素子とするものが挙げられるが、いずれの検出素子も圧力変化を検出し、それらの出力(通常、アンプ14等にて増幅)が検出素子の物理的な変化に相当するような構成となっており、したがって測定の休止や流れの停止などの後に測定を行うと休止又は停止時の位置から測定が開始されることとなる。
【0008】
渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号は、変換器へ出力される。変換器は、渦信号検出センサ13によって得られた渦信号を増幅し、整形し、パルス信号に変換し、出力信号として出力する装置である。図5で例示する変換器では、渦信号検出センサ13に接続したブリッジ(図示せず)により、一対の渦の発生毎に1サイクルの交番電圧を発生して増幅器(アンプ)14によって増幅発信させるようにしてある。なお、このブリッジはサーミスタの場合に必要となるが、圧電素子の場合には必要ない。アンプ14で増幅された交番電圧信号をフィルタ回路15にて濾波・整形してS/N比を高め、誤出力防止装置40に入力させる。フィルタ回路15とトリガ回路16と誤出力防止装置40によってシグナルコンディショナを形成しているとも云える。また、後述するように誤出力防止装置40によりパルス信号を発生させ、その出力を得、流量演算回路17により流量(又は流速)が演算されることから、誤出力防止装置40はデジタルフィルタとして機能すると云える。
【0009】
トリガ回路16では、渦信号検出センサ13からの出力レベルが所定のトリガレベルを越えた時にその信号(図示のようにアンプ14,フィルタ回路15を介した信号でもよい)をパルス化し、入力された正弦波を方形波にして出力する。
【0010】
図6は、図5の誤出力防止装置の各段における、Lowレベルからスタートする信号例を示す図で、図6(A)は誤出力防止装置への入力信号bを、図6(B)は論理ICへの入力信号vを、図6(C)は論理ICの出力信号wを、図6(D)は積分回路への入力信号xを、図6(E)は積分回路の出力信号y,カウンタ回路への入力信号zを、それぞれ示す図である。図6に基づき、上述した検出素子においてその位相がLowレベルの状態で測定が開始された場合を説明する。
【0011】
図6(A)の例では、トリガ回路16から出力され誤出力防止装置40へ入力されるパルス信号bは、時間の経過と共に徐々に周波数が高くなっている場合を示しており、このような状態は流量の停止後(Lowの状態で停止)、測定を再開するときの過渡的な現象としてしばしば現れる。なお、この例では誤出力防止装置40の基準電圧を3V、トリガ回路16から出力されたトリガ信号(TRG信号としばしば呼ぶ)bの電圧レベルを0.2(Low)〜2.4(High)V、微分波形のバイアス電圧を1.3Vとし、後述するコンパレータ45でのコンパレート電圧は、コンパレータ45からの出力レベルに依存するようにし、Lowレベルからの測定とHighレベルからの測定に応じて変更されるものとする。このパルス信号bの一部は、微分回路41に入力されてそこで微分され、微分波形をもつ信号vとなる。なお、信号vは実際にはダイオードを用いたりしてバイアス電圧を与え、嵩上げされたものである。信号vは、NANDの論理IC42へ入力され、基準電圧(3V)との否定論理積がパルス信号wとして求められる。信号wはTRG信号bの立ち上がり部分に対応する部分にて0Vとなり、微分回路41の時定数により決定される一定時間経過後、3Vとなる方形波である。信号wは、積分回路44を容易にするよう幅の細いワンショットマルチとなる。この方形波の信号wを微分回路43にて微分し、微分波形をもつパルス信号xを得る。ここで微分回路43の時定数により微分波形が決まるので信号xにおけるレベル差x1とレベル差x2とは信号xのその付近の周波数で決まり、周波数が低い(周期が長い)方が低レベルまで落ちる時間があるのでx1<x2となる。パルス信号xを積分回路44にて積分し、積分信号yを得て、コンパレータ45に入力し、コンパレート電圧と入力されたパルス信号yのレベルがコンパレータ45にて比較され、積分信号yのうちコンパレート電圧を上回った部分を0Vとし、下回った部分を3Vとした方形波をもつ信号zを得る。コンパレータ45では、結果としてTRG信号bのうち一定周期以上をもつ波形が存在する部分のみでコンパレート電圧を下回り、クリア信号(CLR)を出力することとなる。このCLR信号は、カウンタ回路31に入力され、カウンタ回路31でのカウントをリセットする信号として使用されることとなる。CLR信号以外の信号の場合は、カウンタ回路31はアクティブなままとする。
【0012】
カウンタ回路31では、トリガ回路16から出力されたパルス信号bをクロック入力(CK)にてカウントし、その計数値を蓄積する。この計数値は、コンパレータ45からの出力信号zによりCLRされる値であり一定周期以上のTRG信号bはCLR信号により排除されることとなる。一方、この計数値はトリガ回路16から入力されるパルス信号bが、排除される前に所定値だけ蓄積されるか否かを判断するための値である。カウンタ回路31は、その計数値が所定値になっていない時にはLow値を出力し、計数値が所定値であるときにはHigh値を出力するようになっている。
【0013】
パルス出力手段は、流量演算回路17等の計数機構へのノイズ信号を遮断することを可能とする手段であり、結果として、パルス出力手段で出力されたパルスのみを被測定流体の流量又は流速の演算に用いることで計数機構の誤計数を防止することが可能となる。パルス出力手段としては、計数値がFullの場合にのみ、カウンタ回路31からの出力信号でトリガ回路16からのTRG信号bに対するゲートを開け、TRG信号bを流量演算回路17へ出力する手段が挙げられる。以下に、その一例を図5を引き続き参照して説明する。
【0014】
NANDゲート33は、カウンタ回路31の出力により計数値がFullのときもそうでないときもカウンタ回路31から入力された信号を反転させて出力するよう構成されている。NANDゲート32は、NANDゲート33及びトリガ回路16と結線され、NANDゲート33からの出力により計数値がFullのときに、トリガ回路16からの出力に対するゲートを閉じるよう構成されている。結果として、計数値がfullの場合は、カウンタ回路31のクロック入力(CK)が停止するため、CLR信号が入力されない限り、すなわち、TRG信号bが一定周期以下とならない限りカウンタ回路31は、計数値fullの状態を保持する。NANDゲート34は、カウンタ回路31及びトリガ回路16と結線され、計数値がFullでないときにはトリガ回路16からの出力に対するゲートを閉じ、計数値がFullのときにはトリガ回路16からの出力に対するゲートを開くよう構成されている。以上の構成により、カウンタ回路31における計数値が所定値に満たない場合に、トリガ回路16からの出力パルスを出力しない(遮断する)。この例ではNANDゲート34の出力は計数値がFullでない場合に常にHighとなり、後段の流量演算回路17でのカウントを不能にする。一方、カウンタ回路31における計数値がその所定値になった場合には、トリガ回路16からの出力パルスを(反転させて)出力することが可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとき誤出力防止装置は、微分回路を用い、その出力を論理ICへ入力するという構成上、消費電流が大きく、これに伴いこのような装置を用いた変換器や渦流量計の消費電流は大きくなる。実際、従来の渦流量計における変換器は消費電流が大きく、そのかなりの部分をデジタルフィルタ回路が占めていることがわかった。
【0016】
また、上述した従来技術の渦流量計において、微分回路41,論理IC42,微分回路43,積分回路44をF/V回路とし、周波数に比例した電圧を出力し、コンパレータ45にてこの出力の電圧値をコンパレート電圧と比較し、カウンタ回路31のカウンタをリセットするようにしてもよいが、上述の渦流量計に比べてさらに消費電流が大きくなってしまう。
【0017】
いずれにせよ、従来のデジタルフィルタ回路は、微分回路とロジックICの組合せ、ワンショットICと積分回路によるV/F回路などの組み合わせで構成されているが、いずれも消費電流が大きいことが欠点であり、特に電池式の変換器を設計する上で大きな障害となっていた。すなわち、電池寿命の仕様を短くせざるを得なかった。
【0018】
本発明は、上述のごとき実状に鑑みてなされたものであり、簡易な部品構成且つ低消費電流で、ノイズによる誤計数(誤出力)を防止することが可能な、渦流量計における誤出力防止装置、及び該装置を備えた渦流量計を提供することをその目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
第1の技術手段は、被測定流体が流通する流管内に流れに対向して設けられた渦発生体で発生する渦を、圧力変化を検出素子の変化として検出する渦信号検出センサで検出し、該渦信号検出センサで検出された信号を計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定する渦流量計における誤出力防止装置であって、前記渦信号検出センサから出力された信号が所定のトリガレベルを越えたときにパルスを出力するトリガ回路と、該トリガ回路から出力されたパルスを積分する積分回路と、該積分回路で積分された信号を入力信号とし、該入力信号の電圧と予め定められた上限及び下限電圧とを比較しパルス化して出力する2つのコンパレータと、前記トリガ回路から出力されたパルスを計数するカウンタ回路と、前記2つのコンパレータからの両出力パルスを入力し論理演算を行い、前記カウンタ回路における計数値のリセットに係わる信号を出力する論理ICと、前記カウンタ回路における計数値が所定の値に満たない場合に、前記トリガ回路からの出力パルスを出力せず、前記カウンタ回路における計数値が前記所定の値になった場合に、前記トリガ回路からの出力パルスを出力するパルス出力手段とを有し、前記渦流量計は前記パルス出力手段で出力されたパルスを用いて被測定流体の流量又は流速の演算を行うことを特徴としたものである。
【0020】
第2の技術手段は、第1の技術手段に記載の誤出力防止装置を備えたことを特徴としたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る誤出力防止装置及び該装置を用いた渦流量計の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る渦流量計は、被測定流体が流通する渦流量計の流管(測定管)11と、流管11内に流れに対向して配設されカルマン渦を発生させる渦発生体12と、渦発生体12で発生したカルマン渦の信号を検出する渦信号検出部と、渦信号検出部で検出した信号を変換してパルスを出力する変換器とを備え、このパルスを計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定するものとする。振動,流体脈動,電気的ノイズ等のノイズ信号による誤出力を防止するために、この変換器内に誤出力防止装置(誤計数防止装置ともいえる)20を備えるようにしている。渦信号検出部には渦信号検出センサ13が、渦発生体12の下流側であって、渦発生体12の側面或いは流管11の内壁に配設されている。渦信号検出センサ13は、渦発生体12により発生したカルマン渦列の渦を検出する。渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号を後段で処理することにより流量又は流速が測定されることとなる。また、渦流量計は、測定流体すべてが流量計の測定管を通過するような流量計としてもよいし、大口径の流管における流量を測定する場合に好適なように流管内に小口径の渦流量計を挿入し、その部分流速から全流量を求める挿入形渦流量計としてもよい。さらに渦発生体の形状も、三角柱状やそうでなくとも渦発生体の両側で流れが剥離しカルマン渦が交番発生するような形状であればよい。
【0022】
なお、本実施形態に係る誤出力防止装置20は、その構成として、渦信号検出センサ13として流れによる(勿論ノイズによるものも必然的に含むこととなる)の圧力変化を検出素子の応力変化として検出する圧電素子,ストレンゲージ等のセンサを用いるものに対応した装置となっている。圧電素子は渦発生体12に伴う交番差圧を電荷変化として検出するもので、圧電素子を渦発生体12内の片持ち梁状の振動管に内蔵し、センサとして使用する。この場合、渦発生体12の両端にはセンサに交番差圧を導くための導圧孔が設けてある。なお、導圧孔を設けない形態もある。カルマン渦の発生に伴って渦発生体12の圧力が交互に変化し、この交番差圧はセンサに交番揚力を与え、その応力が圧電素子の電荷変化となって検出されるといった仕組みになっている。このセンサは渦発生体12と別体に設けても、圧電素子を一端にのみ支持された渦発生体12に直接内蔵した構造でもよい。ストレンゲージを用いたセンサは、渦発生体12に伴う交番差圧を歪みゲージの抵抗変化として検出するもので、一対のストレンゲージを一端のみを支持された渦発生体12の中に内蔵し、センサとして使用する。カルマン渦の発生に伴う渦発生体12の交番揚力により歪み応力を受けるストレンゲージは、ブリッジの2辺として構成されており、ストレンゲージの抵抗変化を電圧変化として検出することが可能となる。その他渦信号検出センサ13としてはシャトルピストンや容量センサ等を検出素子とするものが挙げられるが、いずれの検出素子も圧力変化を検出し、それらの出力(通常、アンプ14等にて増幅)が検出素子の物理的な変化に相当するような構成となっており、したがって測定の休止や流れの停止などの後に測定を行うと休止又は停止時の変化(High「H」かLow「L」)から測定が開始されることとなる。
【0023】
渦信号検出センサ13からのカルマン渦信号は、変換器へ出力される。変換器は、渦信号検出センサ13によって得られた渦信号を増幅し、整形し、パルス信号に変換し、出力信号として出力する装置である。図1で例示する変換器では、渦信号検出センサ13に接続したブリッジ(図示せず)により、一対の渦の発生毎に1サイクルの交番電圧を発生して増幅器(アンプ)14によって増幅発信させるようにしてある。なお、このブリッジはサーミスタの場合に必要となるが、圧電素子の場合には必要ない。アンプ14で増幅された交番電圧信号をフィルタ回路15にて濾波・整形してS/N比を高め、誤出力防止装置20に入力させる。フィルタ回路15とトリガ回路16と誤出力防止装置20によってシグナルコンディショナを形成しているとも云える。また、後述するように誤出力防止装置20によりパルス信号を発生させ、その出力を得、流量演算回路17により流量(又は流速)が演算されることから、誤出力防止装置20はデジタルフィルタとして機能すると云える。
【0024】
トリガ回路16では、渦信号検出センサ13からの出力レベルが所定のトリガレベルを越えた時にその信号(図示のようにアンプ14,フィルタ回路15を介した信号でもよい)をパルス化し、入力された正弦波を方形波にして出力する。トリガ回路16におけるトリガレベルは、計測する最小流量の時のカルマン渦信号が十分トリガできる大きさに設定しておく必要があり、この設定は固定して変更不可としておいてもよいが、渦流量計の用途に応じてこの大きさを設定可能にしておくことが好ましい。なお、カルマン渦による出力レベルは、カルマン渦の特性と検出センサ13の特性等からある程度予測できる。なお、図1においては、トリガ回路16は従来技術(図5)との対比のため、誤出力防止装置20に含まれないものとして図示しているが、当然本発明に係る誤出力防止装置20或いは該装置20を備えた変換器,渦流量計に含まれるべき構成要素である。
【0025】
図2は、図1の誤出力防止装置の各段における、Lowレベルからスタートする信号例を示す図で、図2(A)は誤出力防止装置への入力信号bを、図2(B)は比較回路への入力信号c及び一方のコンパレータからの出力信号dを、図2(C)はカウンタ回路への入力信号fを、それぞれ示す図である。また、図3は、図1の誤出力防止装置の各段における、Highレベルからスタートする信号例を示す図で、図3(A)は誤出力防止装置への入力信号b′を、図3(B)は比較回路への入力信号c′及び一方のコンパレータからの出力信号d′を、図3(C)はカウンタ回路への入力信号f′を、それぞれ示す図である。図3は、上述した検出素子においてその位相がHighレベルの状態で測定が開始された場合の図であり、入力信号b′の波形は図2の信号bを反転したものになっている例を挙げている。ここでは図2に基づき、上述した検出素子においてその変化がLowレベルの状態で測定が開始された場合を説明するが、Highレベルの場合も考え方は同じである。
【0026】
図2(A)の例では、トリガ回路16から出力され誤出力防止装置20へ入力されるパルス信号bは、時間の経過と共に徐々に周波数が大きくなっている場合を示しており、このような状態は流量の停止後(Lowの状態で停止)、測定を再開するときの過渡的な現象としてしばしば現れる。なお、この例では誤出力防止装置20の基準電圧を3V、トリガ回路16から出力されたトリガ信号(TRG信号としばしば呼ぶ)の電圧レベルを0.2(Low)/2.4(High)Vとし、後述するコンパレータ25でのコンパレート電圧V1,コンパレータ26でのコンパレート電圧V2はそれぞれ2.0V,0.3Vとしている。
【0027】
このパルス信号bの一部は、積分回路21に入力されてそこで積分され、信号cとなる。積分回路21はトリガ回路16から出力されたパルスを積分する回路である。なお、ここでは積分回路21として抵抗値R1の抵抗22、容量C1のコンデンサ23から構成される例を示している。信号cは、コンパレータ25及びコンパレータ26からなる比較回路24に入力されるものとする。この例では、比較回路24への入力は、TRG信号bを積分した信号なので、約1.4Vを中心に発振し、且つ、周波数が高くなるのに従い振幅が小さくなる(1.4Vに近づいていく)。2つのコンパレータ25,26は、積分回路21で積分された信号を入力信号とし、その入力信号の信号レベル(電圧)と予め定められた上限及び下限電圧とを比較しパルス化して出力する回路である。
【0028】
コンパレータ25では信号cが抵抗27で決まるコンパレート電圧(上限電圧)V1と比較され、V1より高い部分が入力信号cと同期したパルス(方形波)として出力される。結果として、コンパレータ25の出力は信号dのようになる。一方、コンパレータ26では信号cが抵抗28で決まるコンパレート電圧(下限電圧)V2と比較され、V2より低い部分以外が入力信号cと同期したパルスとして出力される。なお、図2の例では、V2を下回ることはなく、コンパレータ26の出力信号eは全ての位置で基準電圧(3V)となっている(図示せず)。コンパレータ25及びコンパレータ26からの出力信号d,eを論理IC30に入力することにより、カウンタ回路31への入力信号fが得られる。ロジックIC30からの出力信号fは、結果として、周波数が高くなり入力波形の最小値が+0.3Vを超えるとコンパレータ26の出力は常時「H」となり、さらに周波数が大きくなり入力波形の最大値が+2.0を下回るようになるとコンパレータ25の出力は常時「H」となる。コンパレータ25及びコンパレータ26の出力が共に「H」となった場合にのみ、カウンタ回路31のCLRが解除され、CKパルスを取り込む。また、図2の例ではコンパレータ26の方が先に「H」となるため、カット周波数はコンパレータ25により決定される。CLR信号は、カウンタ回路31に入力され、カウンタ回路31でのカウントをリセットする信号として使用されることとなる。CLR信号が入らない場合は、カウンタ回路31はアクティブなままとする。すなわち、一定の値より大きい周波数ではカウンタ回路31のカウンタが有効になる(CLRがかからない)。尚、TRG信号bの発信が停止している状態は0.2V(Low)、2.4V(High)のいずれかになるが、0.2Vで停止した場合は、コンパレータ26が、2.4Vで停止した場合はコンパレータ25が出力「L」となる。結果的にTRG信号bが停止している状態においては、ロジックIC30の出力信号fは必ずカウンタ回路31にCLR信号を与える。
【0029】
図2及び図3を参照した説明に関し、TRG信号が「H」,「L」のいずれで停止した場合にも停止時にはコンパレータ25又はコンパレータ26のいずれかが必ず「L」になるため、カウンタ回路31には常にCLRがかかることとなる。また、TRG信号が「H」,「L」のいずれで再開した場合にも、一定周期以上の信号であれば、コンパレータ25又はコンパレータ26のいずれかが必ず「L」になるため、カウンタ回路31には常にCLRがかかることとなり、一定周期以上の信号を除外することができる。このように、周波数が遅く、入力波形が0.3V以下,2.0V以上の振幅で発振している場合には、コンパレータ25又はコンパレータ26の出力は、入力に同期したパルス状になり、一定の値より低い周波数ではカウンタ回路31にCLRがかかることとなる。
【0030】
コンパレータ25及びコンパレータ26からの出力は、NANDの論理IC30へ入力され、それぞれの入力間で否定論理積がとられ、パルス信号として出力される。図2の例を参照しても理解できるように、論理IC30は、Lowレベルでの測定開始であれ、Highレベルでの測定開始であれ、トリガ回路16からの信号cが一定周期以上であればCLR信号を出力することとなる。ここでコンパレータ25,26の構成によっては論理IC30はANDゲートとして機能するICでもよい。いずれにせよ、論理IC30は、2つのコンパレータ25,26からの両出力パルスを入力し論理演算を行い、カウンタ回路31における計数値のリセットに係わる信号を出力できればよい。論理IC30からの出力(CLR信号)により、カウンタ回路31がリセットされることとなる。
【0031】
カウンタ回路31では、トリガ回路16から出力されたパルス信号b(又はb′;以下同様)をロジックIC32を介してカウントし、その計数値を蓄積する。この計数値は、論理IC30からの出力信号fによりCLRされる値であり一定周期以上のTRG信号bはCLR信号により排除されることとなる。一方、この計数値はトリガ回路16から入力されるパルス信号bが、排除される前に所定値だけ蓄積されるか否かを判断するための値である。カウンタ回路31は、その計数値が所定値になっていない時にはLow値を出力し、計数値が所定値であるときにはHigh値を出力するようになっている。
【0032】
パルス出力手段は、流量演算回路17等の計数機構へのノイズ信号を遮断することを可能とする手段であり、渦流量計において結果として、パルス出力手段で出力されたパルスのみを被測定流体の流量又は流速の演算に用いることで計数機構の誤計数を防止することが可能となる。パルス出力手段としては、カウンタ回路31における計数値が所定の値(Full値)に満たない場合にトリガ回路16からの出力パルスを出力せず(遮断し)、計数値がFullの場合にのみ、カウンタ回路31からの出力信号でトリガ回路16からのTRG信号bに対するゲートを開け、TRG信号bを流量演算回路17へ出力する手段や、カウンタ回路31で分周を行わないものとするとカウンタ回路31の出力をそのまま流量演算回路17へ出力する手段が挙げられる。以下に、前者の場合の一例を図1を引き続き参照して説明する。
【0033】
NANDゲート33は、カウンタ回路31の出力により計数値がFullのときもそうでないときもカウンタ回路31から入力された信号を反転させて出力するよう構成されている。NANDゲート32は、NANDゲート33及びトリガ回路16と結線され、NANDゲート33からの出力により計数値がFullのときに、トリガ回路16からの出力に対するゲートを閉じるよう構成されている。NANDゲート34は、カウンタ回路31及びトリガ回路16と結線され、計数値がFullでないときにはトリガ回路16からの出力に対するゲートを閉じ、計数値がFullのときにはトリガ回路16からの出力に対するゲートを開くよう構成されている。以上の構成により、カウンタ回路31における計数値が所定値に満たない場合に、トリガ回路16からの出力パルスを出力しない(遮断する)。この例ではNANDゲート34の出力は計数値がFullでない場合に常にHighとなり、後段の流量演算回路17でのカウントを不能にする。一方、カウンタ回路31における計数値がその所定値になった場合には、トリガ回路16からの出力パルスを(反転させて)出力することが可能となる。
【0034】
なお、上述したカウンタ回路31及びパルス出力手段は、一種のメモリとして機能する。換言すると、トリガ回路16によりトリガレベルでトリガされたパルスは、流量又は流速の演算を行う流量演算回路17へ出力する前に、全てメモリに入力される。このメモリは、あるメモリパルス数(上述の所定値)が設定され、設定されたパルス数がメモリされるまでパルスは外部に出力せず、メモリが飽和した段階から外部に出力する。すなわち、メモリが飽和した状態では入力パルスはそのまま通し出力される。
【0035】
図4は、図1及び図2で説明した誤出力防止装置におけるカット周波数を示す図である。
本実施例におけるカット周波数は下式(1)に基づいて計算される。
Vc=V(1−e^(−t/(R1・C1))) …(1)
ここでTRG波形の最小値は0.2Vのため、0.2Vを基準電圧とする。
コンパレータ25入力が、コンパレート電圧(2.0−0.2=1.8V)に達するまでの時間tは、上式(1)において、Vc=1.8、V=2.2として、t=−R1・C1・Loge0.18≒1.71・R1・C1(sec)となる。したがって、カット周波数fcは下式(2)となる。
fc=1/(2t)=1/(3.42・R1・C1) …(2)
図4は、上式(2)をグラフ化した図である。ただし、C1=0.1μF時とする。
【0036】
次に、実際に回路を組んで、図1及び図2で説明した誤出力防止装置における消費電流(電池寿命)を測定した結果、常温測定で、従来のデジタルフィルタに対し、本発明に係るデジタルフィルタでは大幅な低減が確認できた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、消費電力を抑え、電池寿命を大幅に伸ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る誤出力防止装置及び該装置を用いた渦流量計の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の誤出力防止装置の各段における、Lowレベルからスタートする信号例を示す図である。
【図3】図1の誤出力防止装置の各段における、Highレベルからスタートする信号例を示す図である。
【図4】図1及び図2で説明した誤出力防止装置におけるカット周波数を示す図である。
【図5】従来技術による誤出力防止装置及び該装置を用いた渦流量計の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の誤出力防止装置の各段における、Lowレベルからスタートする信号例を示す図である。
【符号の説明】
11…流管、12…渦発生体、13…渦信号検出センサ、14…アンプ、15…フィルタ回路、16…トリガ回路、17…流量演算回路、20…誤出力防止回路、21…積分回路、22,27,28…抵抗、23…コンデンサ、24…比較装置、25,26…コンパレータ、30…論理IC、31…カウンタ回路、32,33,34…NANDゲート。
Claims (2)
- 被測定流体が流通する流管内に流れに対向して設けられた渦発生体で発生する渦を、圧力変化を検出素子の変化として検出する渦信号検出センサで検出し、該渦信号検出センサで検出された信号を計測することにより被測定流体の流量又は流速を測定する渦流量計における誤出力防止装置であって、前記渦信号検出センサから出力された信号が所定のトリガレベルを越えたときにパルスを出力するトリガ回路と、該トリガ回路から出力されたパルスを積分する積分回路と、該積分回路で積分された信号を入力信号とし、該入力信号の電圧と予め定められた上限及び下限電圧とを比較しパルス化して出力する2つのコンパレータと、前記トリガ回路から出力されたパルスを計数するカウンタ回路と、前記2つのコンパレータからの両出力パルスを入力し論理演算を行い、前記カウンタ回路における計数値のリセットに係わる信号を出力する論理ICと、前記カウンタ回路における計数値が所定の値に満たない場合に、前記トリガ回路からの出力パルスを出力せず、前記カウンタ回路における計数値が前記所定の値になった場合に、前記トリガ回路からの出力パルスを出力するパルス出力手段とを有し、前記渦流量計は前記パルス出力手段で出力されたパルスを用いて被測定流体の流量又は流速の演算を行うことを特徴とする渦流量計における誤出力防止装置。
- 請求項1記載の誤出力防止装置を備えたことを特徴とする渦流量計。
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