JP3564799B2 - 縦連窓サッシの先付け工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、縦連窓サッシを有する建築物を積層工法によって構築する際に用いて好適な縦連窓サッシの先付け工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、二階層以上にわたる縦連窓サッシが取付けられる建築物を、各階層毎に分割して一階層毎にプレキャスト・コンクリート(以下、PCと略称する。)外壁までを完成する積層工法によって構築する場合には、上記縦連窓サッシを先行取付けしてしまうと、上階の上記縦連窓サッシがPC外壁の取付けの妨げとなってしまう。
このため従来は、例えば三階層にわたる縦連窓サッシが取付けられる建築物を構築する場合には、先ず図6に示すように、数階層の鉄骨1の建て方を先行して行ない、縦連窓サッシが取付けられる位置を開口2aとして残しつつ、順次一階層分のPC外壁3を取付け、次いで図7に示すように、上記PC外壁3を三階層分取付けて縦連窓サッシを取付けるべき開口2が画成された後に、図8に示すように、当該開口2に縦連窓サッシ4を取付けるといった工程を順次上方に向けて繰り返している。
【0003】
このような工法によれば、複数階層のPC外壁3を取付けて開口2が画成された後に、縦連窓サッシ4を取付けているので、縦連窓サッシ4が上階のPC外壁3を取付ける際に、その妨げになることがないという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の工法にあっては、上方の階層に向けてPC外壁3を取付けて行く際に、上記縦連窓サッシ4を取付けるべき箇所が開口2として残っているために、作業の安全上、当該開口2に手摺や仮塞ぎを架設する必要があり、この結果、縦連窓サッシ4を取付けるのに伴う付帯作業が増加するという問題点があった。
加えて、既に上記PC外壁3の取付けが完了した下方の階層において、縦連窓サッシ4を取付けるという後工程が発生するために、作業が上下階にわたって相前後することから能率が大幅に低下するとともに、後工程における上記縦連窓サッシ4の取付け作業のために高所作業が増大するという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の縦連窓サッシを有する建築物の工法における課題を有効に解決すべくなされたもので、PC外壁と同時に各階層毎に当該部分の縦連窓サッシを取付けることができて付帯作業および高所作業の発生を大幅に削減することができ、よって取付け作業の効率化を図ることができる縦連窓サッシの先付け工法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る縦連窓サッシの先付け工法は、複数の階層にわたる縦連窓サッシが取付けられる建築物を、各階層毎に分割して、一階層毎にPC外壁まで完成する積層工法によって構築するに際して、予め上記縦連窓サッシを、各階層におけるPC外壁の横目地位置と同高さに設けられた横框を上枠および下枠に分割して上下に分割することにより、上記縦連窓サッシの分割ユニットを作成し、一の階層における上記PC外壁の取付けと相前後して、上記分割ユニットを揚重してPC外壁間の所定位置に取付け、次いで、上記階層の上方に位置する階層における上記プレキャスト・コンクリート外壁の取付と相前後して、上記分割ユニットを、上記プレキャスト・コンクリート外壁間の所定位置に取付けた後に、上下に隣接する上記分割ユニットの上記上枠および下枠同士をオープンジョイント目地で接続することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記縦連窓サッシの上下横枠および分割された横框によって構成される分割ユニットの上下枠の裏面側に、最終取付状態においてファスナーの取付溝となる溝部を形成し、当該分割ユニットの揚重時に、上記上下枠間に上記溝部を利用して補強材を取付けることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記溝部に分割ユニット固定用のファスナーを取付け、このファスナー間に上記補強材を取付けるとともに、上記分割ユニットを所定位置に位置決めした後に、上記補強材を取外し、当該溝部に取付けたファスナーを介して上記分割ユニットを躯体に仮支持させることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、予め各階層におけるPC外壁の横目地位置と同高さに設けられた横框で上下に分割した縦連窓サッシの分割ユニットを、各階層におけるPC外壁の取付けと相前後して、PC外壁間の所定位置に取付けることにより、各階層毎にPC外壁と当該部分の縦連窓サッシとを取付けることができるため、後工程において取付けが完了した下階層において縦連窓サッシを取付けるといった作業が不要となり、よって高所作業も大幅に削減することが可能となる。加えて、上記PC外壁間に開口を生じることがないために、従来の工法のように上記開口への手摺や仮塞ぎ等の付帯仮設作業が不要となる。この結果、これらPC外壁および縦連窓サッシの取付け作業の効率化が図れる。
【0009】
この際に、請求項2に記載の発明にあっては、分割ユニットの揚重時に、上記分割ユニットの上下枠の裏面側に形成されて最終取付状態でファスナーの取付溝となる溝部を利用して、上下枠間に補強材を取付けているので、上記揚重時および位置決め時に、各分割ユニットに変形等の歪が生じることを防止することができる。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、予め上記溝部に分割ユニット固定用のファスナーを取付け、このファスナー間に上記補強材を取付けたうえで、位置決め後に補強材を取外して、このファスナーを介して上記分割ユニットを躯体に仮支持しているので、最終的にこれら分割ユニット固定用のファスナーを揚重時の補強材取付けおよび仮支持時の取付け金物として供用することができ、よって各分割ユニットに別途特別な加工を施したり、あるいは仮支持用の金物を別途取付け直しすること無く、当該分割ユニットを所定位置に仮保持することができ、この結果、上下に隣接する上記分割ユニットの横框同士を容易にオープンジョイント目地で接続することが可能となる。
【0011】
【実施例】
図1〜図5は、本発明の縦連窓サッシの先付け工法を、二階層にわたる縦連窓サッシを取付ける建築物の構築に適用した一実施例を示すものである。
図3〜図5に示すように、この例の縦連窓サッシの先付け工法においては、予め二階層にわたる縦連窓サッシ10が、各階層における上記PC外壁11a、11bの横目地位置と同高さに設けられた横框12で上下に分割された分割ユニット10a、10bによって構成されている。そして、上記建築物を2〜3階層の鉄骨13の建て方を先行して行ないつつ、順次一階層毎(これらの図では、そのうちの二階層のみを示す。)のPC外壁11a、11bを完成する積層工法によって構築するに際し、一の階層における上記PC外壁11aの取付けと相前後して、当該階層に位置する分割ユニット10aを取付け、次いで上記階層の上方に位置する階層の上記PC外壁11bの取付けと相前後して、当該階層に位置する分割ユニット10bを取付けることにより、各階層毎に順次PC外壁11a、11bおよび縦連窓サッシ10の分割ユニット10a、10bを同時に取付けることに特徴がある。
【0012】
すなわち、先ず一の階層に位置する分割ユニット10aを、図3に示すように、当該一の階層における上記PC外壁11aの取付けと並行して、順次上記PC外壁11a間の所定位置に取付ける。
次いで、上記階層の上方に位置する分割ユニット10bを、図4および図5に示すように、当該階層上記PC外壁11bの取付けと並行して、順次上記PC外壁11b間の所定位置に取付ける。
ここで、上記分割ユニット10a、10bをクレーン等によって所定位置に揚重する際に、上記縦連窓サッシ10の上下横枠14および分割された上記横框12によって構成される上記分割ユニット10aの上下枠12a、14および分割ユニット10bの上下枠14、12b間を、それぞれ縦補強材16によって補強しておく。
【0013】
図1は、上記縦連窓サッシ10の上側の分割ユニット10bの補強を示すもので、この分割ユニット10bの裏面側には、最終取付状態においてファスナーの取付溝となる溝部17が形成されている。そこで、この溝部17に、当該分割ユニット10b固定用のファスナー18、19をボルト20およびナット21によって取付ける。そして、上記ファスナー18、19間に、ボルト22およびナット23によって上部に吊り金具24が設けられた上記縦補強材16を取付ける。そして、上記吊り金具24によって分割ユニット10bを揚重し、所定の位置に取付ける。なお、揚重時における上記補強は、分割ユニット10aについても同様に行なう。
この際に、各分割ユニット10a、10bのサッシ縦枠と隣接するPC外壁11a、11bとの間には、順次上記建築物の内方から外壁面側に向けて図示されないウインドバリア・シール、ウインドバリア・ガスケットおよびレインバリア・ガスケットを介装する。
【0014】
次いで、上記分割ユニット10a、10bを各階層の所定位置に位置決めした後に、上記縦補強材16を取外す。そして、図2に示すように、溝部17に取付けた上記ファスナー18、19を、近傍の梁25に仮立設した束26に上記ボルト22およびナット23によって固定することにより、上記分割ユニット10a、10bを梁(躯体)25に仮支持させる。
また、これと並行して、上下に隣接する上記分割ユニット10a、10bの分割された横框12a、12b間Sに外壁面側から内方に順次図示されないしぶき返し、ウインドバリア・ガスケットおよびウインドバリア・シールを介装することにより、これら分割ユニット10a、10b同士をオープンジョイント目地で接続する。
そして、以上の工程を順次上方に繰り返すことにより、各階層毎に順次PC外壁および縦連窓サッシ10の分割ユニットを同時に取付けて行く。
【0015】
したがって、このような縦連窓サッシの先付け工法によれば、予め各階層におけるPC外壁11a、11bの横目地位置と同高さに設けられた横框12で上下に分割した縦連窓サッシ10の分割ユニット10a、10bを、各階層におけるPC外壁11a、11bの取付けと相前後して、PC外壁11a、11b間の所定位置に取付けているので、各階層毎にPC外壁11a、11bと当該階層部分に位置する縦連窓サッシ10の分割ユニット10a、10bとを取付けることができるため、従来の工法のように後工程において取付けが完了した下階層において縦連窓サッシを取付けるといった作業が不要となり、よって高所作業も大幅に削減することができる。
加えて、上記PC外壁11a、11bの施工後に、これらPC外壁11a間やPC外壁11b間に開口を生じることがないために、従来の工法のように上記開口への手摺や仮塞ぎ等の付帯仮設作業が不要となり、よってこれらPC外壁11a、11bおよび縦連窓サッシ10の取付け作業の大幅な効率化を図ることができる。
【0016】
しかも、分割ユニット10a、10bの揚重時に、上記分割ユニット10a、10bの上下枠12c、15および14、12d間の裏面側に形成されて最終取付状態でファスナーの取付溝となる溝部17を利用して、これら上下枠間に補強材16を取付けているので、揚重時および位置決め時に、各分割ユニット10a、10bに変形等の歪が生じることを防止することができる。
【0017】
さらに、予め上記溝部17に分割ユニット10a、10b固定用のファスナー18、19を取付け、このファスナー18、19間に上記補強材16を取付けたうえで、位置決め後に補強材16を取外して、これらファスナー18、19を介して上記分割ユニット10a、10bを梁25に仮支持しているので、最終的にこれら分割ユニット10a、10b固定用のファスナー18、19を揚重時の補強材16の取付けおよび仮支持時の取付け金物として供用することができ、よって各分割ユニット10a、10bに別途特別な加工を施したり、仮支持用の金物を別途取付け直したりすること無く、当該分割ユニット10a、10bを所定位置に仮保持することができる。また併せて、上下に隣接する上記分割ユニット10a、10bの横框12a、12b同士を、容易にオープンジョイント目地で接続することが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、各階層毎にPC外壁と当該部分の縦連窓サッシとを取付けることができるため、後工程において取付けが完了した下階層において縦連窓サッシを取付けるといった作業が不要となり、よって高所作業も大幅に削減することが可能になるとともに、上記PC外壁間に開口を生じることがないために、従来の工法のように上記開口への手摺や仮塞ぎ等の付帯仮設作業が不要となり、よってこれらPC外壁および縦連窓サッシの取付け作業の大幅な効率化を図ることができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明によれば、分割ユニットの揚重時および位置決め時に、各分割ユニットに変形等の歪が生じることを防止することができ、さらに、請求項3に記載の発明によれば、最終的にこれら分割ユニット固定用のファスナーを揚重時の補強材取付けおよび仮支持時の取付け金物として供用することができ、よって各分割ユニットに別途特別な加工を施すこと無く、当該分割ユニットを所定位置に仮保持することができるとともに、上下に隣接する上記分割ユニットの横框同士を容易にオープンジョイント目地で接続することが可能になるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦連窓サッシの先付け工法の一実施例において分割ユニットを補強した状態を示す側面図である。
【図2】図1の分割ユニットを仮支持した状態を示す側面図である。
【図3】上記一実施例の工程において一の階層の完成状態を示す斜視図である。
【図4】図3の上階のPC外壁および分割ユニットの取付け開始時の状態を示す斜視図である。
【図5】図4のPC外壁および分割ユニットの取付けをさらに進めた状態を示す斜視図である。
【図6】従来の縦連窓サッシを有する建築物の構築工法においてPC外壁の先行取付け開始時の状態を示す斜視図である。
【図7】図6のPC外壁を複数階層取付けて縦連窓サッシを取付ける開口が画成された状態を示す斜視図である。
【図8】図7の開口に縦連窓サッシを取付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 縦連窓サッシ
10a、10b 分割ユニット
11a、11b PC外壁
12 横框
12a 上枠
12b 下枠
14 上下横枠
16 補強材
17 溝部
18、19 ファスナー
25 梁(躯体)
26 束

Claims (3)

  1. 複数の階層にわたる縦連窓サッシが取付けられる建築物を、各階層毎に分割して、一階層毎にプレキャスト・コンクリート外壁まで完成する積層工法によって構築するに際して、
    予め上記縦連窓サッシを、各階層における上記プレキャスト・コンクリート外壁の横目地位置と同高さに設けられた横框を上枠および下枠に分割して上下に分割することにより、上記縦連窓サッシの分割ユニットを作成し、一の階層における上記プレキャスト・コンクリート外壁の取付けと相前後して、上記分割ユニットを揚重して上記プレキャスト・コンクリート外壁間の所定位置に取付け、次いで、上記階層の上方に位置する階層における上記プレキャスト・コンクリート外壁の取付と相前後して、上記分割ユニットを、上記プレキャスト・コンクリート外壁間の所定位置に取付けた後に、上下に隣接する上記分割ユニットの上記上枠および下枠同士をオープンジョイント目地で接続することを特徴とする縦連窓サッシの先付け工法。
  2. 上記縦連窓サッシの上下横枠および分割された上記横框によって構成される上記各分割ユニットの上下枠の裏面側に最終取付状態においてファスナーの取付溝となる溝部を形成し、当該分割ユニットの揚重時に、上記上下枠間に上記溝部を利用して補強材を取付けることを特徴とする請求項1に記載の縦連窓サッシの先付け工法。
  3. 上記溝部に上記分割ユニット固定用のファスナーを取付け、このファスナー間に上記補強材を取付けるとともに、上記分割ユニットを上記所定位置に位置決めした後に、上記補強材を取外し、当該溝部に取付けたファスナーを介して上記分割ユニットを躯体に仮支持させることを特徴とする請求項2に記載の縦連窓サッシの先付け工法。
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