JP3570174B2 - 動力舵取用作動流体の流量制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絞り通路の通過前後の差圧に応じて流量調整用スプール弁を駆動させてバイパス通路の開度を調整することにより、動力舵取装置に送出する作動流体の流量を制御する動力舵取用作動流体の流量制御装置に係るものである。より詳しくは、本発明は、ポンプ等から供給された作動流体の余剰流をバイパス通路に還流させるようにした流量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、動力舵取装置に使用される流量制御装置は、流量調整用スプール弁を備えている。このようなスプール弁は、自動車エンジンによって回転駆動される油圧ポンプから供給された作動油を絞り通路を介して動力舵取装置に送出させ、その絞り通路の通過前後の差圧に応じた駆動によりバイパス通路の開度を調整する。その結果、舵取動力装置に送出される作動油の流量が所定量に制御される。また、スプール弁は前記絞り通路を通過した後の作動油の圧力に応動するレリーフ弁を備えている。そして、このレリーフ弁によって動力舵取装置の最大負荷圧が規制されるようになっている。
【0003】
ところで、作動油の温度が低い低温始動時においては、作動油の粘性が高いことから、動力舵取装置の作動によって上昇する負荷圧がレリーフ弁に伝達するのに遅れが生じる。また、絞り通路を通過した後の作動油の圧力はダンピングオリフイスを介してレリーフ弁に供給されるため、さらにこの遅れは大きくなる。従って、低温始動時においては動力舵取装置の負荷圧が異常に高圧となる。そして、この高圧がポンプの吐出部に加わると、該ポンプに不具合が生じる。
【0004】
そこで、本出願人は、特開平2−11471号公報において上記の不具合を解消しうる流量制御装置を提案している。同公報における流量制御装置では、絞り通路を通過する前の作動油の圧力に応動する第2のレリーフ弁を流量調整用スプール弁に設けている。従って、その第2のレリーフ弁を介してバイパス通路に作動油が逃がされる構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図3には従来の別のタイプの流量制御装置50が示されている。この流量調整装置50は、流量調整用スプール弁51の一端部に制御ロッド52を設けた構造となっている。前記制御ロッド52は、ユニオン53に形成されたメインオリフィス54の開口面積を変化させる役割を果たす。従って、この流量調整装置50では、ユニオン53の送出口55から動力舵取装置に供給される作動油の流量が自動車の低速走行時には大量になり、高速走行時には小量になるように制御される。そして、これにより高速走行時のハンドル操舵の安定性のさらなる向上が図られている。また、この流量調整用スプール弁51はレリーフ弁57も備えている。このレリーフ弁57は、メインオリフィス54を通過した後の作動油をダンピングオリフィス56を介して導入し、該作動油の圧力に応動して動力舵取装置の最大負荷圧を規制する役割を果たす。
【0006】
しかしながら、前記流量調整用スプール弁51は上記のようなレリーフ弁57を備えてはいるものの、前記第2のレリーフ弁に相当するものの設置を許容する構造にはなっていない。即ち、スプール弁51には前記レリーフ弁57が設けられ、しかもその反対側端部には開口面積を制御する制御ロッド52が突設されているからである。
【0007】
従って、この種の流量制御装置50では、作動油の温度が低い低温始動時において生じることがある動力舵取装置の負荷圧の異常高圧を吸収することができないおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、制御ロッド付流量調整用スプール弁を備えた流量制御装置において、高速走行時には適度の操舵力が得られ、低温始動時には負荷圧を低減することができる動力舵取用作動流体の流量制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ポンプから吐出される作動流体を供給通路より絞り通路を介して動力舵取装置に送出し、前記絞り通路の通過前後の差圧に応じて駆動する流量調整用スプール弁にてバイパス通路の開度を調整し余剰流をポンプの吸入側に還流するとともに、前記流量調整用スプール弁に設けられ前記絞り通路に貫挿された制御ロッドにて前記絞り通路の開口面積を変化させる動力舵取用作動流体の流量制御装置において、前記絞り通路を通過する前の作動流体の圧力に応動する直動弁を前記流量調整用スプール弁に内蔵し、前記ポンプから吐出される作動流体が予め定めた設定圧以上になった時、該直動弁を開口して作動流体をバイパス通路に逃がすとともに、前記制御ロッドの基端部を前記直動弁の弁口に移動可能に貫通し前記直動弁に連結した。
【0010】
(作用)
作動流体の粘性が高いことに起因して舵取装置の負荷圧が上昇すると、直動弁が作動して弁口が開く。従って、供給通路から供給される作動流体は弁口を介してバイパス通路に排出される。また、制御ロッドは、直動弁に一体的に設けたことから、流動調整用スプール弁の移動とともに移動することができ、絞り通路の開口面積を可変させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車の動力舵取装置に使用される流量制御装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1は、流量制御装置の断面を示す。流量制御装置1は、エンジンにて駆動される油圧ポンプのポンプハウジング2に設けられている。ポンプハウジング2には、一端が閉塞された弁収納孔3が形成されている。弁収納孔3は、その内部に前記エンジンにて駆動される油圧ポンプの吐出ポートに連通する供給通路4が開口している。また、供給通路4と離間した弁収納孔3の内部には、前記油圧ポンプの吸入ポートに連通するバイパス通路5が開口している。
【0013】
前記弁収納孔3の開口端にはユニオン6が螺着されている。ユニオン6には軸線方向に貫通する貫通孔7が形成され、その貫通孔7には動力舵取装置に接続される送出口8が形成される。
【0014】
また、前記弁収納孔3には、前記供給通路4とバイパス通路5との連通路を閉止しかつ連通路の開度を調整する流量調整用スプール弁9が摺動可能に嵌装されている。 そして、このスプール弁9にて、同スプール弁9と前記ユニオン6との間に第1弁室11が形成されるとともに、弁収納孔3 の閉塞部側に第2弁室12が形成される。前記第2弁室12には、前記第1弁室11に向けてスプール弁9を押圧するバネ13が配設され、このバネ13の弾性力にて通常スプール弁9を前記ユニオン6の一端の衝接位置に保持して、第1弁室11に開口する前記供給通路4とバイパス通路5との連通を遮断している。
【0015】
前記ユニオン6の貫通孔7には絞り通路としてのメータリングオリフィス16が形成され、このメータリングオリフィス16を介して前記第1弁室11と送出口8とが連通される。ユニオン6の前記メータリングオリフィス16と前記送出口8との間には、ダンピングオリフィス17が形成され、このダンピングオリフィス17は前記ポンプハウジング2に形成した連通路18を介して前記第2弁室12に連通されている。従って、メータリングオリフィス16を通過した作動流体としての作動油の一部が第2弁室12に導入されることから、スプール弁9の両側にはメータリングオリフィス16の通過前の圧力と通過後の圧力が作用することになる。その結果、メータリングオリフィス16における圧力降下に応じて流量調整用スプール弁9が軸線方向に移動されて、メータリングオリフィス16における圧力降下を一定に保つべくバイパス通路5の開度が調整される。
【0016】
前記流量調整用スプール弁9には、軸線方向に弁孔20が穿設されている。弁孔20はその第2弁室12側が開口し、その開口部にフィルタ21を取着した弁キャップ22が螺着されている。弁キャップ22には、前記第2弁室12と弁孔20とを連通する第1導入口23が形成されている。一方、弁孔20の閉塞された壁面には、弁口としての第2導入口24が形成され、その第2導入口24にて前記第1弁室11と弁孔20とが連通される。
【0017】
前記弁孔20内には、前記第1導入口23が開口する弁座に当接するボール弁25が軸線方向に移動可能に配設されている。また、弁孔20には、第2導入口24が開口する弁座に当接する直動弁26が軸線方向に移動可能に配設されている。前記ボール弁25と直動弁26の間にはバネ27が配設されている。バネ27は、ボール弁25と直動弁26に対して互いに離間するする方向に弾性力を付与している。そして、通常このバネ27の弾性力により、第1導入口23はボール弁25にて閉止されるとともに、第2導入口24は直動弁26にて閉止されるようになっている。前記ボール弁25と直動弁26の間の流量調整用スプール弁9には、軸線方向に対して直交する方向に逃がし孔28が形成され、常時弁孔20内と前記バイパス通路5とを連通させている。そして、ボール弁25は第2弁室12が予め設定された第1設定圧を超えると、バネ27の弾性力に抗して作動して第1導入口23を開口させるようになっている。また、直動弁26は第1弁室11が前記第1設定圧より高い圧力であって予め設定された第2設定圧を超えると、バネ27の弾性力を抗して作動して第2導入口24を開口させるようになっている。
【0018】
前記直動弁26の先端部には、前記第2導入口24を貫通し前記メータリングオリフィス16に貫挿される制御ロッド30が一体的に連結固定されている。制御ロッド30は、基端部が直動弁26と連結された第1ロッド部31とその第1ロッド部31の先端部に連結された第2ロッド部32とから構成されている。
【0019】
第1ロッド部31はその外径が前記第2導入口24の内径より小さい棒体であって、直動弁26と一体成形されている。また、第1ロッド部31の先端部には雄ネジ33が形成されている。前記第2ロッド部32はその基端部に雌ネジが形成され、前記第1ロッド部31の雄ネジ33と螺着する。第2ロッド部32は、大径部35とテーパ部36が形成されている。大径部35は、その外径が前記第2導入口24の内径より大きい円柱形状をなしている。また、テーパ部36は、基端部外径が前記第1ロッド部31の外径と同じで先端部外径が前記大径部35と同じとなるようにその外径が拡開する円錐台形状をなしている。そして、前記流量調整用スプール9に連動する直動弁26の移動とともに制御ロッド30も移動し、第1ロッド部31、第2ロッド部の大径部35及びテーパ部36の各部が前記メータリングオリフィス16に位置するようになる。
【0020】
因みに、第1ロッド部31がメータリングオリフィス16に位置する場合(低速走行状態)には、メータリングオリフィス16の開口面積が開いた一定の状態を保持する。第2ロッド部のテーパ部36がメータリングオリフィス16に位置する場合(中,高速走行状態)には、油圧ポンプの回転が増加するに従って制御ロッド30(流量調整用スプール弁9)が移動し、メータリングオリフィス16の開口面積が閉じるように作用する。さらに、第2ロッド部32の大径部35がメータリングオリフィス16に位置する場合には、メータリングオリフィス16の開口面積が最小の状態となり動力舵取装置に供給される作動油の流量が最小となる。
【0021】
次に、上記のように構成した流量制御装置の作用について説明する。動力舵取装置の作動により、メータリングオリフィス16後の圧力が上昇すると、この圧力はダンピングオリフィス17 、連通路18 を介して第2弁室12に伝達される。
【0022】
この時、動力舵取装置に供給される作動油の圧力が第1設定圧を超えると、流量調整用スプール弁9に設けたボール弁25が作動してその時の負荷圧に相対して第1導入口23が開き、動力舵取装置の負荷圧力を第1設定圧力以下に保持する。
【0023】
また、作動油の温度が低く粘性が高い状態にある低温始動時において動力舵取装置が作動されると、前記と同様に動力舵取装置に供給される作動油の圧力が上昇する。この時、ダンピングオリフィス17を介して第2弁室12に導入される圧力は、該作動油の粘性が高いことから、伝達が遅れ直ちにボール弁25は作動しない。その結果、動力舵取装置の負荷圧力は第1設定圧を超えてさらに高い負荷圧力に上昇する。
【0024】
そして、動力舵取装置の負荷圧力が第1設定圧より高い第2設定圧を超える圧力になると、第1弁室11側に設けた流量調整用スプール弁9の直動弁26がバネ27の弾性力に抗して作動して第2導入口24が開く。この場合、直動弁26は、第1弁室11に導入された作動油の圧力を直接受けるため、第2設定圧力以上になると直ちに第2導入口24を開く。そして、ポンプから供給通路4を介して第1弁室11に導入される作動油は、第2導入口24(第2導入口24と第1ロッド部31とで形成される隙間)、弁孔20、逃がし孔28を介してバイパス通路5に排出されることになる。従って、作動油の粘性が高いことに起因して負荷圧が異常に高くなるのが未然に防止される。
【0025】
作動油の温度が常温となり粘性が低い状態においては、前記第2弁室12に第1設定圧を超える負荷圧力は素早く伝達され、第2弁室12側に設けた流量調整用スプール9のボール弁25は、直ちにバネ27の弾性力に抗して作動して第1導入口23を開く。従って、動力舵取装置の負荷圧力はボール弁25にて第1設定圧力以下に保持される。尚、この状態においては、直動弁26は第1弁室11が第2設定圧を超えないため作動されない。
【0026】
次に、上記のように構成した流量制御装置の特徴を以下に記載する。
(1)本実施形態では、流量調整用スプール弁9に直動弁26を設けるとともに、その直動弁26に一体的に設けた制御ロッド30を第2導入口24を貫通させ、その制御ロッド30の先端部をメータリングオリフィス16に嵌挿させるようにした。そして、作動油の粘性が高いことに起因して舵取装置の負荷圧が第2設定圧を超える時、該直動弁26を作動させて第2導入口24を開き、第1弁室11に導入される作動油を第2導入口24、弁孔20、逃がし孔28を介してバイパス通路5に排出させるようにした。従って、作動油の粘性が高いことに起因して負荷圧が異常に高くなるのを未然に防止し油圧ポンプに不具合を与えることがない。
【0027】
(2)しかも、本実施形態では直動弁26に制御ロッド30を一体的に設けたので、制御ロッド30は流動調整用スプール弁9の移動とともに移動することができ、メータリングオリフィス16の開口面積を可変させることができる。従って、送出口8から動力舵取装置に供給する作動油の流量を自動車の低速走行状態のときには大量に、高速走行状態のときには少量にすることができる。その結果、高速走行時のハンドル操舵の安定性を向上させることができる。
【0028】
(3)本実施形態では、制御ロッド30を第1ロッド部31と第2ロッド部32とから構成し、第1ロッド部31は直動弁26と一体成形するとともにその外径が前記第2導入口24の内径より小さくした。そして、第1ロッド部31と第2ロッド部32とを螺着した。従って、部品点数が少なくて済み、部品点数を増加させることなく上記(1)(2)効果を達成することができる。
【0029】
尚、本発明の実施の形態は、実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記実施形態では、制御ロッド30の第1ロッド部31の外径を第2導入口24の内径より小さくし、第1ロッド部31の外周面と第2導入口24の内周面との間に隙間を形成させて作動油を通過させるようにした。これを図2に示すように、第1ロッド部31の外径と第2導入口24の内径を同じにして、第2導入口24に対して第1ロッド部31を摺動可能に支持する。そして、第2導入口24の弁孔20側開口部を拡開した大径部40を形成し、その大径部40の開口縁を直動弁26の弁座とする。一方、第1ロッド部31には、その基端部外周面に溝41を軸線方向に1 つまたは複数個形成する。そして、溝41を介して前記大径部40と第1弁室11を連通させるようにする。従って、この場合にも上記実施形態と同様な作用効果を奏する。尚、第1ロッド部31の外周面に形成した溝41に代えて、第2導入口24の内周面に溝を軸線方向に1または複数個形成して、大径部40と第1弁室11とを連通させて実施してもよい。
【0030】
○上記実施形態では、第1ロッド部31と第2ロッド部32を螺着させたが、これを嵌着させて制御ロッド30を構成してもよい。
○上記実施形態では、直動弁26と一体に成形した第1ロッド部31と、第2ロッド部32を螺着して制御ロッド30を構成したが、第1ロッド部31と第2ロッド部32を一体成形して、第1ロッド部31の基端部と直動弁26の先端部を螺着または嵌着して制御ロッド30を構成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、制御ロッド付流量調整用スプール弁を備えた流量制御装置において、高速走行時は適度の操舵力が得られ、低温始動時には負荷圧を低減することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための動力舵取用作動流体の流量制御装置の断面図。
【図2】本発明の別例を説明するための動力舵取用作動流体の流量制御装置の断面図。
【図3】従来の動力舵取用作動流体の流量制御装置の断面図。
【符号の説明】
1…流量制御装置、2…ポンプハウジング、3…弁収納孔、4…供給通路、5…バイパス通路、6…ユニオン、7…貫通孔、8…送出口、9…流量調整用スプール弁、11…第1弁室、12…第2弁室、13…バネ、16…絞り通路としてのメータリングオリフィス、17…ダンピングオリフィス、18…連通路、20…弁孔、22…弁キャップ、23…第1導入口、24…弁口としての第2導入口、25…ボール弁、26…直動弁、27…バネ、28…逃がし孔、30…制御ロッド、31…第1ロッド部、32…第2ロッド部、33…雄ネジ、35…大径部、36…テーパ部、40…大径部、41…溝。
Claims (1)
- ポンプから吐出される作動流体を供給通路より絞り通路を介して動力舵取装置に送出し、前記絞り通路の通過前後の差圧に応じて駆動する流量調整用スプール弁にてバイパス通路の開度を調整し余剰流をポンプの吸入側に還流するとともに、前記流量調整用スプール弁に設けられ前記絞り通路に貫挿された制御ロッドにて前記絞り通路の開口面積を変化させる動力舵取用作動流体の流量制御装置において、
前記絞り通路を通過する前の作動流体の圧力に応動する直動弁を前記流量調整用スプール弁に内蔵し、前記ポンプから吐出される作動流体が予め定めた設定圧以上になった時、該直動弁を開口して作動流体をバイパス通路に逃がすとともに、前記制御ロッドの基端部を前記直動弁の弁口に移動可能に貫通し前記直動弁に連結したことを特徴とする動力舵取用作動流体の流量制御装置。
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| JP26625197A JP3570174B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 動力舵取用作動流体の流量制御装置 |
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