JP3598552B2 - フッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物及び樹脂用表面改質剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なフッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1分子中に炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル基またはアルケニル基及び炭素原子数4以上のパーフルオロアルキル基含有官能基を有する含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物は 特開昭58−52352号公報、特開昭56−41256号公報、特開平1−282267号公報、特開平4−36388号公報において開示されている。
【0003】
しかし、1分子中に極性原子団を有する2価の連結基を介して炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル基またはアルケニル基及び炭素原子数4以上のパーフルオロアルキル基含有官能基を有する含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物は未だ知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記化合物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、分子中に一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有し、分子量が3,000〜1,000,000であることを特徴とするポリオルガノシロキサン化合物を提供するものである。
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
[式中、R2は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基、Rfは−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0009】
【化8】
【0010】
又は
【0011】
【化9】
【0012】
で表わされるパーフルオロアルキル基(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基)、R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基、Xは極性原子団を有する2価の連結基を表す]
本発明の新規含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物の一般式(II)中のR2は樹脂用表面改質剤して使用する場合、樹脂との相溶性、機能の持続性、耐久性の点から炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基である必要があり、この中、炭素数14〜22の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基が好ましい。具体的にはC14H29−、C15H31−、C17H31−、C17H33、−C17H35−、C18H37−、C21H43−、C22H45−等が例示される。
【0013】
Rfは、−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0014】
【化10】
【0015】
又は
【0016】
【化11】
【0017】
で表わされるパーフルオロアルキル基(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基)]を示すが、このパーフルオロアルキル基は本発明に係るポリオルガノシロキサン化合物を樹脂用表面改質剤として使用する場合に表面配向性と低濃度での性能を発現するために重要である。パーフルオロアルキル基中の炭素原子数nは原料の入手しやすさを考慮すると4〜16が好ましく、特に6〜10がより好ましい。
【0018】
またXは、極性原子団を有する2価の連結基であるが、極性原子団の種類は特に限定するものではなく、例えば−CHCH2O−CHC(OH)CH2O−、−O−CH2CH(OH)CH2O−、−NHCONH−、−NHR3NHCONH−、−NHSO2−、−NHR3NHSO2−及び−COO−(R3は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表す)等が挙げられる。これらの極性原子団を有する2価の連結基も本発明のポリオルガノシロキサン化合物を樹脂用表面改質剤として使用する場合に表面配向性と低濃度での性能を発現するために重要である。
【0019】
また、R3は炭素原子数1〜10の2価アルキレン基であるが、原料入手の都合上1〜4が好ましい。次にp,q,rの関係としてp+q≧r/100であることが望ましく、特にp+q≧r/50が好ましい。p+q≦r/100では、本発明のポリオルガノシロキサン化合物を樹脂用表面改質剤として使用した場合、改質効果が減少する。更にp,q,rの関係として0.1≦p/q≦10であることが望ましく、特に0.1≦p/q≦1が好ましい。0.1≧p/q≧10では樹脂との相溶性、改質機能の持続性、耐久性が減少する。
【0020】
また本発明に係る新規フッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物の分子量は3,000〜1000,000であり、好ましくは5,000〜10,000である。表面改質剤として使用した場合、新規フッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物の分子量が5,000未満の場合は、その効果が減少し、10,000を越える場合には、樹脂との相溶性、改質機能の持続性、耐久性等が減少し、好ましくない。
【0021】
本発明に係る新規ポリオルガノシロキサン化合物としては、一般式(IV)
【0022】
【化12】
【0023】
[式中R3はメチル基叉はメトキシ基、R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基、p,q,rは1以上の整数、Yは反応性を有する官能基(例えば−COOH、−NH2、−NHR3NH2、
【0024】
【化13】
【0025】
又は
【0026】
【化14】
【0027】
等があるが、本発明がこれら具体例によって何等限定されないことは勿論である)]で表される反応性基を有するポリオルガノシロキサン化合物とこれらと反応し得る官能基を有するRf[−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0028】
【化15】
【0029】
又は
【0030】
【化16】
【0031】
で表わされるパーフルオロアルキル基(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基)]含有化合物および炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基含有化合物とを触媒存在下または無触媒下で反応せしめることで容易に製造し得る。
【0032】
例えば一般式(V)
【0033】
【化17】
【0034】
(式中R3はメチル基叉はメトキシ基、R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基、p,q,rは1以上の整数)で表される−COOH基を含有するカルボキシル変性ポリオルガノシロキサン化合物と例えばRf−OH[Rf基は−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0035】
【化18】
【0036】
又は
【0037】
【化19】
【0038】
で表わされるパーフルオロアルキル基(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基)である]およびR1−OH(R1基は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル基又はアルケニル基である)などのアルコール類とを、例えばパラトルエンスルホン酸などの酸触媒下でエステル化反応させることにより、極性原子団としてエステル結合を有する一般式(VI)で示されるポリオルガノシロキサン化合物が得られる。
【0039】
【化20】
【0040】
Rf−OHおよびR1−OHの具体例としては、次のような化合物が挙げられる。すなわち
等である。
【0041】
また一般式(IV)で、例えば−NH2叉は−NHR3NH2等の官能基を含有するアミノ変性ポリオルガノシロキサン化合物と、例えばRfSO2F[Rf基は−CnF2n+1(nは4以上の整数)である]等の酸ハロゲン化物およびR2−NCO[R2は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基である]などのイソシアネート化合物とを無触媒下常温で反応させることにより、極性原子団として
−NHCONH−叉は−NHR1NHCONH−叉は−NHSO2−叉は −NHR1NHSO2−(R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基を表す)等を有する一般式(VI)で示されるポリオルガノシロキサン化合物が得られる。 但し、Rf−SO2F等の酸ハロゲン化物は、反応により生成するフッ酸等がシリコーン側鎖のアミノ基と反応してしまうため、この酸と反応する受酸剤を反応系内に添加することが望ましい。受酸剤としては、例えばトリエチルアミン等の3級アミンが用いられる。
【0042】
Rf−SO2F等の酸ハロゲン化物とR1−NCO等のイソシアネート化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また一般式(IV)で−NH2叉は−NHR1NH2(R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基を表す)などの官能基を含有するアミノ変性ポリオルガノシロキサン化合物と反応し得るRf−SO2F等の酸ハロゲン化物の代わりにRf−SO2OCH3叉はRf−COOCH3等のカルボン酸エステル叉はスルホニルエステルを用いてもよい。
【0043】
次に一般式(IV)で、例えばエポキシ基(
【0044】
【化21】
【0045】
又は
【0046】
【化22】
【0047】
)を含有するエポキシ変性ポリオルガノシロキサン化合物とRf−OH[Rf基は−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0048】
【化23】
【0049】
又は
【0050】
【化24】
【0051】
(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す)である]およびR2−OH(R2基は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基である)で表されるアルコール類とを、例えばBF3塩類、トリフェニルフォスフィン、3級アミンなどの触媒下で反応させることにより極性原子団として
−C(OH)HCH2O−叉は−O−CH2C(OH)HCH2O−の結合を有する一般式(VI)で示されるポリオルガノシロキサン化合物が得られる。
【0052】
Rf−OH及びR2−OHの具体例としては、次の化合物が挙げられる。
等が挙げられる。またエポキシ基との反応にRf−OH及びR2−OHの代わりに
Rf−[Rf基は−CnF2n+1叉は−(CH2)mCnF2n+1叉は
【0053】
【化25】
【0054】
又は
【0055】
【化26】
【0056】
(nは4以上の整数、mは1叉は2、Rは水素原子叉は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す)である]およびR2−(R2基は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル叉はアルケニル基である)を有するカルボキシル基叉はアミノ基叉はメルカプト基等の活性水素を含有する反応性モノマーを用いても良い。
【0057】
尚、一般式(IV)示される各種反応性基を有するポリオルガノシロキサン化合物の粘度としては、10000cst/25℃以下であり、好ましくは6000cst/25℃以下が望ましい。粘度が10000cst/25℃を越える場合、本発明に係る含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物と反応に使用する溶剤との相溶性が低下し製造上問題が生じ、樹脂用表面改質剤として使用する場合表面改質効果が低下するためである。
【0058】
こうして得られた本発明に係る新規フッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物は、特に用途は限定されないが、各種素材並びに基材に対し塗布した場合又は各種素材並びに基材に内添した場合(基材と相溶するとき)、耐擦傷性、耐油性、平滑性、減摩性、撥水撥油性、耐水性、防湿性、防錆性、防汚性、剥離性、離型性、低吸水性等に優れた表面を形成することから、各種素材並びに基材に対する保護剤や表面処理剤、内添剤として単独又は構成要素として使用することが可能である。
【0059】
例えば、撥水撥油剤、潤滑剤、潤滑剤用添加剤、防錆剤、防汚剤、耐油剤、耐水化剤、剥離剤、離型剤、防湿剤、塗料用・コ−ティング剤用添加剤、塗料用・コ−ティング剤用レベリング剤、ワックス併用による艶出し剤、界面活性剤、各種繊維、金属、紙、木材、そしてガラス、セラミック、陶器や磁器や鉱石等の無機物等の保護剤、基材上に蒸着された強磁性合金(鉄、コバルト及び/又はニッケルを主成分とし、少量のアルミニウム、シリコン、クロム、マンガン、モリブデン、チタン、各種重金属、希土類金属等を含むもの)または微量酸素存在下で鉄、コバルト、クロム等の磁性材料をポリエステル等のプラスチックフィルムに蒸着した磁気テ−プ又は磁気ディスクの磁性層等の保護皮膜や、減摩性が特に要求される磁気テ−プ、磁気ディスク、光磁気ディスク、フロッピ−ディスク等の磁気記録媒体の表面及び背面処理剤としても好適である。
【0060】
また特に用途を限定するものではないが、本発明に係る新規フッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物を樹脂又はゴム用の表面改質剤として用いる場合には、成形用樹脂に適宜加えられる他の添加剤と同様に添加するか、叉は樹脂成形品表面に塗布するという方法で用いられるが、好ましくは成形用樹脂に添加することが望ましい。
【0061】
成形用樹脂に添加する場合の添加量は、樹脂の種類、改質の目的、樹脂とその添加されるポリオルガノシロキサンとの相溶性にもよるが、一般的には成形用樹脂100重量部に対して0.005〜20重量部であり、好ましくは0.01〜10重量部とされる。0.005重量部より少ないと効果は小さくなり一方20重量部より多くしても、もはやそれ以上の効果は望めないばかりか、場合によってはブルーミング、成形品の強度低下等が生じるようになる。
【0062】
樹脂成形品に添加した場合、成形品表面に非常に優れた表面潤滑性能を付与できるが、特にオレフィン系樹脂等の非極性樹脂に添加する場合には成形用樹脂100重量部に対して0.05〜0.1重量部の非常に少ない添加量で効果が期待できる。
【0063】
本発明に係る新規ポリオルガノシロキサン化合物の成形用樹脂への配合方法としては、新規ポリオルガノシロキサン化合物を溶剤(溶剤は成形用樹脂に悪影響をおよぼさなければ特に限定はない)に分散または溶解してから添加し均一混合後脱溶剤する方法または直接成形用樹脂に添加し混練する方法または予めマスターバッチを作製しておき、次いでマスターバッチを成形用樹脂に添加して均一に混合する方法が挙げられる。
【0064】
一方、樹脂成形品の表面に塗布する場合には、ポリオルガノシロキサンをそのまま塗布してもよいが、通常は塗布操作を容易にするために適当な有機溶剤に予め希釈しておくことがよい。この有機溶剤としては、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール等のグリコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、1、1、1トリフルオロトリクロロエタン等のフッ化炭化水素類等が挙げられる。なおこれらの有機溶剤は1種類に限らず、2種類以上併用してもよい。
【0065】
改質の対象となる樹脂、ゴムは特に限定するものではないが、特に代表的な樹脂、ゴムとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、NBRゴム、天然ゴム、フッ素ゴムクロロプレンゴム、ABS樹脂、AS樹脂、SB樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化オレフィン樹脂、セルロース樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、いずれも効果的な樹脂の改質効果を得ることができる。本発明に係る樹脂用改質剤により特に絶大なる樹脂の改質効果を得るには、特にポリエチレン、エチエレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のオレフィン系樹脂またはゴムが好ましい。
【0066】
これらの樹脂、ゴムには、通常用いられている充填剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を配合してもよい。
【0067】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、部および%は特に断わりのない限りはすべて重量基準であるものとする。又、用いた単量体は、上記発明の詳細な説明に示した呼称、記号をそのまま援用した。
【0068】
実施例1
下記式(M−1)
【0069】
【化27】
【0070】
(カルボキシル当量:630、粘度200CST/25℃、式中r/p+qは約8.09)で示されるポリオルガノシロキサン(信越化学工業製)126g(COOH0.20当量)とC8F17CH2CH2OH20g(0.04モル)とC18H37OH42g(0.16モル)と溶媒としてトルエン188gと触媒としてパラトルエンスルホン酸1.9gとを温度計、還流冷却装置、デカンター脱水装置、攪拌装置付きの500ml硝子製反応器中に仕込み、窒素ブロー下リフラックス状態(110〜115℃)で20時間攪拌を行い、本エステル化反応の理論脱水量3.6gを確認した。反応終了後Ca(OH)2にて中和、濾過、脱溶剤することにより、分子量8,200の褐色ワックス状のポリオルガノシロキサン化合物(以下S−1という)180gを得た。(表1)また得られたポリオルガノシロキサン化合物のIRを測定した結果、−COOHのC=Oピーク1716cm−1の消失と−COOC8F17叉は−COOC18H37のC=Oピーク1742cm−1の発現を確認した。
【0071】
次にS−1をEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム:JSR−EP−93、日本合成ゴム社製)、HDPE(高密度ポリエチレン:ハイゼックス2500、三井石油化学社製)、ポリウレタン樹脂(パンデックスT−5205:大日本インキ化学社製)に各々樹脂100部に対して0.05〜5部添加し以下の方法によりテストピースを作製した。更に得られたテストピースの外観、動摩擦係数と耐久性データを表2に示した。(外観、動摩擦係数と耐久性の測定法は以下に示すとおりである。)
[テストピース作製方法]
【0072】
上記配合組成にて配合したワニスを鋼板上(0.8×70×150m/m)にアプリケーター(150μ)を使用して均一に塗布し1時間風乾後、170℃
で10分間加熱硬化した。
上記配合組成にて小型ニーダーにより150℃で30分間混練し、成形機により厚さ5mmの成形板を作製し、5×70×150m/mの形状に切り出した。
上記配合組成にて配合したワニスを鋼板上(0.8×70×150m/m)にアプリケーター(150μ)を使用して均一に塗布し、80℃で30分間加熱した。
【0073】
<外観、動摩擦係数、耐久性測定法>
外観:
テストピースの外観を肉眼で観察し以下の3段階で評価した。
【0074】
A:透明
B:半透明
C:白色不透明
動摩擦係数:
HEIDON−14型(新東科学社製)、圧子(ポリウレタン樹脂系およびEPDM系:平面圧子、接触面積:30×30mm、接触面はナイロンタフター布、HDPE系:ボール圧子、sus製)、荷重100g、摩擦速度:50mm/分
耐久性測定方法:
上記方法により得られたテストピースを混合溶剤(フロン系溶剤 /アセトン=9/1、重量比)に室温×30分間浸漬後、上記混合溶剤で一分間テストピース表面を洗浄し室温で一時間以上乾燥した。なお上記混合溶剤は常温で各樹脂には全く不溶でありかつ添加するポリオルガノシロキサン化合物の溶解度が混合溶剤100部に対して50部以上である特性を有する。フロン系溶剤としてダイフロンソルベントS−3(ダイキン化学社製)を使用した。また浸漬に使用する混合溶剤量はテストピースの単位面積当たり10cc/cm2とした。この様にして得られたテストピースの動摩擦係数を測定し、下式により溶剤処理前の動摩擦係数保持率として耐久性を示した。
【0075】
耐久性(動摩擦係数保持率)=(μb−μA)/(μb−μB)×100 %
μb:改質剤無添加の動摩擦係数(ブランク値)
μA:溶剤処理後の動摩擦係数
μB:溶剤処理前の動摩擦係数
実施例2〜4
実施例1に準じて同様なカルボキシル変性ポリオルガノシロキサンとRf−OH,R1−OHとを反応させ、分子量8,000及び7,200及び8,400の本発明に係るポリオルガノシロキサン化合物(以下S−2、S−3、S−4という)を得た(表1)。またそれぞれ得られたポリオルガノシロキサン化合物のIRを測定した結果、−COOHのC=Oピーク1716cm−1の消失と−COOC8F17叉は−COOC18H37のC=Oピーク1742cm−1の発現を確認した。また実施例1と同じ方法でS−2〜S−4を各樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表2、表3)
実施例5
下記式
【0076】
【化28】
【0077】
(エポキシ当量:730、粘度170CST/25℃、式中r/p+qは
約9.0)で示されるポリオルガノシロキサン(信越化学工業製)126g(エポキシ0.17当量)とC8F17CH2CH2OH16.6g(0.04モル)とC18H37OH36.3g(0.13モル)と触媒としてBF3エーテル錯体0.1gとを温度計、還流冷却装置、攪拌装置付きの500ml硝子製反応器中に仕込み窒素ブロー下60℃で15時間攪拌を行った。エポキシ当量を測定した結果、20万以上であることを確認した。反応終了後、反応混合物をnーヘキサンで洗浄し脱溶剤終了後、分子量9,800の褐色ワックス状のポリオルガノシロキサン化合物(以下S−5という)171gを得た。(表1)またS−5のIRを測定した結果、−CH(OH)CH2OC2H4C8F17叉は−CH(OH)CH2O−C18H37の−OHのピークの発現(3380cm−1)を確認した。
【0078】
また実施例1と同じ方法でS−5を樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表4)
実施例6
下記式
【0079】
【化29】
【0080】
(アミン当量:830、粘度:70CST/25℃、式中r/p+qは約10.0)で示されるポリオルガノシロキサン(信越化学工業製)126g(−NH20.15当量)と溶媒としてトルエン160gとを温度計、還流冷却装置、攪拌装置付きの500ml硝子製反応器中に仕込み、室温で攪拌を行しながらC18H35NCO(三菱化成工業製)34.9g(0.12モル)を発熱に注意しながら1時間を要して均一に滴下した。次に反応器中を室温に戻しトリエチルアミン1.5g(0.03モル)添加し、C8F17SO2F14.7g(0.030モル)を反応器内を冷却しながら1時間を要して滴下する。次に50℃で5時間反応後室温に冷却し濾過により中和塩を除去した。更に脱溶剤することにより、分子量9,200の褐色ワックス状のポリオルガノシロキサン化合物(以下S−6という)160gを得た。(表1)またS−6のIRを測定した結果、スルホンアミド(−SO2NH−)の3265cm−1のピークの及び尿素結合(−NHCONH−)のC=Oのピーク1640cm−1のピークの発現を確認した。また実施例1と同じ方法でS−6を樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表4)
比較例1
実施例1と同じ方法で本発明のポリオルガノシロキサン化合物を樹脂に添加しないテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表5)
比較例2
下記式
【0081】
【化30】
【0082】
(式中m,nは1以上の整数、m/n=1/9,粘度:1200cst/25℃)で示されるフッ素変性ポリオルガノシロキサン化合物を実施例1と同じ方法で樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表5)
比較例3
下記式
【0083】
【化31】
【0084】
(式中l,m,nは1以上の整数、l/m/n=5/2/3、固形状:融点38℃)で示されるフッ素変性ポリオルガノシロキサン化合物を実施例1と同じ方法で樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表5)
比較例4
実施例1で合成に使用した原料のカルボキシル変性オルガノポリシロキサン化合物(M−1)を実施例1と同じ方法で樹脂に添加したテストピースを作製し、外観、動摩擦係数、耐久性のデータを測定した。(表6)
また実施例1〜6で得られたS−1〜S−6までのポリオルガノシロキサン化合物は、元素分析、IR、NMR測定データより下記式の構造であると推定される。
【0085】
また実施例1、3で得られたS−1、S−3の元素分析値[表7(S−1の元素分析値地,表8(S−3の元素分析値)]及びIR測定チャートを示す。
【0086】
【化32】
【0087】
【化33】
【0088】
【化34】
【0089】
【化35】
【0090】
【化36】
【0091】
【化37】
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【発明の効果】
こうして得られた本発明に係る新規ポリオルガノシロキサン化合物は、各種素材並びに基材に対し塗布した場合又は各種素材並びに基材に内添した場合、耐擦傷性、耐油性、平滑性、減摩性、撥水撥油性、耐水性、防湿性、防錆性、防汚性、剥離性、離型性、低吸水性等に優れた表面を形成することから、各種素材並びに基材に対する保護剤や表面処理剤などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のS−1の赤外線吸収スペクトル図を表す。
【図2】実施例3のS−3の赤外線吸収スペクトル図を表す。
Claims (7)
- 分子中に一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有し、分子量が3,000〜1,000,000であることを特徴とするフッ素含有ポリオルガノシロキサン化合物。
[式中、R2は炭素原子数3以上の直鎖または分岐状の1価アルキル又はアルケニル基、Rfは−CnF2n +1又は(CH2)mCnF2n+1又は
又は
で表わされるパーフルオロアルキル基(nは4以上の整数、mは1又は2、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基)、R1は炭素原子数1〜10の2価のアルキレン基、Xは−CHC(OH)CH 2 O−、−O−CH 2 CH(OH)CH 2 O−、−NHCONH−、−NHR 3 NHCONH−、−NHSO 2 −、−NHR 3 NHSO 2 −及び−COO−(R 3 は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表す)からなる群から選ばれる2価の連結基を表す。] - 一般式(I)で表される繰り返し単位のモル分率p、一般式(II)で表される繰り返し単位のモル分率q及び一般式(III)で表される繰り返し単位のモル分率rの関係が、p+q≧r/100である請求項1又は2記載の化合物。
- モル分率pとモル分率qの関係が、0.1≦p/q≦10である請求項3記載の化合物。
- 一般式(II)のR2の炭素原子数が14〜22である直鎖または分岐状の1価アルキル基又はアルケニル基である請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
- 一般式(I)のRfが−(CH2)mCnF2n+1(mは1または2、nは4以上の整数)である請求項5記載の化合物。
- 請求項1記載のポリオルガノシロキサン化合物を主成分して含有してなる樹脂用表面改質剤。
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