JP3614906B2 - 熱湯加湿器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、タオルを熱湯で加湿加温して蒸しタオル状とする熱湯加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
タオルを加湿加温して蒸しタオルとして提供することは、病院や町の理容店、あるいは喫茶店など色々の場所で行なわれている。使用した蒸しタオルは消毒、殺菌して洗濯され、再び加湿加温して繰り返し使用される。特に病院などで使用される蒸しタオルは患者に使用されるものであるから、適度に加湿加温されたものが望ましい。
【0003】
タオルを加湿加温して蒸しタオルとするタオル蒸器として実開昭60−128592号のものが知られている。この公報の第1図及び第2図には一般的なタオル蒸器が従来例として示されており、開閉蓋が上面開閉式又は前面開閉式の蓋を開閉することにより蒸しタオルを取り出すことができる。この一般的なタオル蒸器では、タオル収納容器の下方に水を入れたタンクが設けられ、そこで発生した蒸気で加湿する加熱槽でタオル収容容器を囲み、ヒータで水を加熱して発生する蒸気でタオルを蒸しタオルとする。
【0004】
上記公報の第3図、第4図にはこの公報の考案のタオル蒸器が示されており、開閉蓋を備えたタオル容器を水平軸の周りに支持体で回転自在に支持し、タオル容器に一体的に又は蒸気通路を介して蒸気発生装置を連結したものである。この例でも発生した蒸気をタオル容器底部の多数の小孔から送り込みタオルを蒸気で加湿加温して蒸しタオルとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のタオル蒸器は、いずれのものも湿り蒸気でタオルを加湿加温する方式であり、タオル蒸器に備えられている水タンクの大きさに多少の違いがあるとしても、加湿蒸気を発生させるまでには水全体を沸騰蒸発させなければならず、タオルを加湿加温できるまでには相当時間がかかる。
【0006】
又、水を沸騰蒸発させる方式であるため、持運びに便利なように小型化、コンパクト化を図ろうとすると水タンクの容量が小さくなり、水を頻繁に補給する必要があり、多数の蒸しタオルを連続的に処理することができないという不都合がある。このため、一般には装置全体が大きくなり、小型化、コンパクト化を図ることができない。
【0007】
この発明は、上述した従来のタオル蒸器の種々の問題点に留意して、従来のように加湿に使われる水蒸気を発生するまで水を加熱するのではなくその手前の熱湯状態に加熱しこれを水滴として清拭タオルに滴下散布するようにして短時間に少ない加熱量でタオルの加湿ができ、水の使用量を減少させて全体の小型化、コンパクト化を可能とした熱湯加湿器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決する手段として、開閉自在な蓋板を有する本体ケース内に貯留される水を加熱する手段と、気泡の拡散を防ぐ仕切板で気泡発生手段を囲んで形成した気泡発生部と、下端を気泡発生部に接続して立設した多数の細管と、水面の適宜上方位置にタオルを支持するタオル支持手段とを設け、気泡発生部からの気泡で押し上げられる熱湯液滴を細管の先端からタオルに散布してタオルを熱湯加湿するように構成して成る熱湯加湿器としたのである。
【0009】
上記発明の実施態様としては、前記多数の細管を本体ケース内周壁に沿って立設し、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板とし、蓋板をタオルの上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴板を設け、上記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したものとするのが好ましい。
【0010】
あるいは、前記多数の細管を本体ケース中央付近に設け、上端は中央細管から外向きに開放した開放端とし、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板としたものとしてもよい。
【0011】
あるいは、前記蓋板をタオル上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴を設け、前記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したものとしてもよい。
【0012】
さらに、前記タオル支持手段を多数の細孔を有する水平支持筒とし、この支持筒の少なくとも片側から支持筒内に前記細管の先端を挿通したものとすることもできる。
【0013】
上記いずれの発明においても、前記加熱手段が気泡発生手段と兼用の加熱ヒータであるようにすることができる。
【0014】
あるいは、前記気泡発生手段を圧縮空気で気泡を発生させる気泡ノズルとし、前記加熱手段がペルチェ素子を用いた加熱と冷却の両方に兼用の加熱・冷却手段であるようにしてもよい。
【0015】
【作用】
上記の構成とした第一の発明の熱湯加湿器は、加熱手段で加熱した熱湯の水滴を気泡発生手段で発生する気泡で細管内で押し上げて細管の上端部からタオルに散布して清拭タオルを熱湯加湿する。細管内へは気泡発生部に接続した細管の下端から細管内の表面張力による毛細管現象で熱湯水滴が一滴ずつ取り込まれる。
【0016】
熱湯加湿器の形式は、熱湯加湿しようとする清拭タオルをどのような形態で収納するかによって異なるが、清拭タオルが帯状材に所定間隔でミシン目を入れたものから成り、使用の際にミシン目の位置で1枚ずつ切断して使用する形式のものであれば、一般にはこれをロール状に巻いた形態が好ましい(勿論1枚ずつ形成されたものを所定大きさに折り畳んでこれを複数枚積み重ねるようにしてもよい)。
【0017】
このようなロール状清拭タオルを前提として、第二の発明ではこれをタオル支持板上に置き、本体ケース内周壁に沿って設けられた多数の細管で押し上げた熱湯の水滴を連通路を通過させ水滴板の多数の細孔から散布する。
【0018】
これに対して第三の発明では、細管は本体ケース中央付近に設けられている。この例は、ロール状清拭タオルの中心を細管が挿通する形式に適するものである。従って、清拭タオルはその中心を細管が挿通するようにセットされて使用される。細管の上端は外向きに開口しているから、その解放上端から熱湯の水滴を適宜飛ばしてタオルに散布する。
【0019】
第四の発明は、第三の発明を前提としているが、細管の上端は蓋板と水滴板の間の連通路に接続されている。従って、細管の上端まで押し上げられた熱湯水滴はさらに連通路を通って水滴板の細孔から散布される。
【0020】
一方、第五の発明では、水平支持筒をタオル支持手段とし、その少なくとも片側から内側に細管の先端が挿通されている。従って両側から細管の先端を挿置する場合も含まれる。いずれの場合もロール状の清拭タオルは水平支持筒で水平に支持され、その内側に挿置された細管の先端から放出される水滴が水平支持筒の細孔を通って清拭タオルの内側から散布され熱湯加湿される。
【0021】
上記第一乃至第五の発明の加熱手段は、気泡発生手段とは別体であるのが原則である。しかし、第六の発明のように、両手段が兼用形の加熱ヒータとしてもよいことは勿論である。両手段が兼用形の方が装置全体をコンパクト化し、小型化が図れるからである。特別な場合として、第七の発明のように、気泡発生手段を気泡ノズルとし、加熱手段が加熱・冷却の両方に兼用形の加熱・冷却手段としてもよい。加熱時には加熱手段により気泡が一部発生するが、気泡ノズルによりさらに多くの気泡を発生させるものとし、反対に冷却時であっても確実に気泡を発生させることができるようにしている。冷却時には冷水をタオルに散布する方式となるから、この場合はこの装置は冷水加湿器となる。
【0022】
【実施例】
以下この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は第一実施例のタオル熱湯加湿器の概略斜視図である。この実施例の熱湯加湿器が、図示のようにロール状に巻かれた清拭タオル又は清拭布Tを熱湯で加湿加温する加湿器であるが、清拭タオル又は清拭布Tは後で説明するように必ずしもロール状のものでなくともよい。
【0023】
タオル熱湯加湿器Aは、小形でコンパクトな外側ケース1内を仕切壁2で仕切られた各スペースに熱湯加湿部10と水を補給するための水補給部30とを備えている。外側ケース1内部の熱湯加湿部10の上方には後で説明する蓋板3が着脱自在に設けられている。
【0024】
蓋板3の中央には小さな開閉キャップ4が設けられ、中央に開設した小孔を取出口5とし、そこから清拭タオルTを引抜くようにしている。蓋板3はこの実施例でははめ込み式であり、通常は図示のようにはめ込まれている。上記以外にもねじによる嵌合式、あるいは片側にヒンジを設け、反対側端に係止部材を設けて開閉する方式としてもよい。
【0025】
熱湯加湿部10は、本体ケース11とその内側に設けた内筒12の間に、図1に示すような波板13を挿通した2重筒を備えており、波板13で仕切られた各スペースが細管部Pを形成している。この細管部Pの下端は、本体ケース11の下底に形成されている気泡発生部14にそれぞれ接続されている。
【0026】
気泡発生部14は、上記内筒12の下方を内側に折り曲げて形成されるスカート部15で本体ケース内側下底部のスペースを囲み、そのスペース内下方寄りに気泡発生手段をして設けたヒータ16により発生する気泡が拡散するのを防止するように設けられている。ヒータ16はニクロム線による抵抗発熱体の外側を水に対してシースにより被覆した形式のものである。又、ヒータ16は円形に略一周分の長さに設けられている。17は気泡発生部14を下底部に貯留される水Wと連通するための小半円孔であり、スカート部15の下端に多数設けられている。
【0027】
上記内筒12の下方寄りの所定高さ位置には、図2に示す肩部材18が設けられ、その上に多数の小孔19を穿設したタオル支持板20が載置されている。タオル支持板20の高さ位置は本体ケース底部に貯留される水Wの最大レベルより若干上となるように設定される。なお、このタオル支持板20は肩部材18上で回転自在に支持するように設けるのが好ましい。
【0028】
清拭タオルTは、前述のようにロール状に巻かれたものであり、内筒12内でタオル支持板20上に置かれる。清拭タオルTの上部は多数の小孔21を有する水滴板22で開閉自在に閉じられる。この水滴板22はその上板として設けられている蓋板3と一体に形成してもよいし、又別体として設けてもよい。この実施例では一体に形成している。又、水滴板22と蓋板3との間には多数の連通路23を形成してある。連通路23は、円形状の水滴板22の半径方向に沿って設けられる溝として形成されている。
【0029】
以上の構成としたこの実施例の熱湯加湿器Aでは次のようにして清拭タオルTを加湿する。
【0030】
図2に示すように、まず本体ケース11の下底部に所定レベルに水Wを注入し、気泡発生部14のヒータ16の電源を投入して水の加熱を開始する。気泡発生部14は、本体ケース11の下底の隅部に設けられているから、小さな体積の水をヒータ16で加熱すると比較的速く水を加熱することができる。
【0031】
但し、水は沸騰する程の高温ではなくそれより少し低い高温に保持する。このような高温にすると、水に含まれている気泡が膨張して目に見える程の気泡として成長し、水底から上昇する。
【0032】
上記熱湯加湿部10に対して付設されている水補給部30は、補給タンク31を備え、給水管32を介して、熱湯加湿部10に水を供給するように配管されている。33は給水管32の途中に設けた電磁弁、31aは補給タンク31への水を注入する穴のキャップである。
【0033】
また、熱湯加湿部10内の水位レベルを検知するため水位管34が接続され、その途中に設けた水位センサ35により水位レベルを検知する。36、37はそれぞれ熱湯加湿部10と補給タンク31用の排水ホースである。
【0034】
気泡が水面上まで速い速度で上昇するようになると、その勢いで小滴状の水滴が水面上に飛び躍ねるようになり、この水滴dはこの気泡発生部に接続されている細管部Pに表面張力により取り込まれる。そしてこの1つの水滴dの後を気泡が押し上げ、さらにその後にもう1つの水滴dが続き、こうして多数の水滴dが細管内を次々と気泡に押されて上昇する。
【0035】
この場合、細管内を上昇する水滴dは気化した水蒸気ではなく、あくまで水滴である。従って、気泡を発生する程の高温に加熱された水滴である。この高温の水滴dが細管の上端に達すると、水滴板22と蓋板3との間の連通路23を介して水滴板22の半径方向中心部へと向う。
【0036】
そして、水滴板22に沿って中心部へ向う途中で水滴板22に設けられた多数の小孔21から水滴dが滴下されるのである。滴下される水滴dは高温状であり、かつ小さな水滴であり、これらが滴下吹き付けされることにより清拭タオルは高温に加湿された状態となる。
【0037】
ロール状の清拭タオルを全体として高温に加湿した状態になると、ロール内側の内端T’を穴5から引き出して、1枚ずつの清拭タオルとしてミシン目で引き裂き分離して使用する。
【0038】
なお、ロール状の清拭タオルを高温に加湿する際に、高温の水滴は清拭タオルに吸収されるが、一部は清拭タオルに吸収されずに下方に落下する。落下した水滴はタオル支持板20に設けられている多数の小孔19からさらに滴下してその下方の水貯留部の水Wへ戻る。
【0039】
以上のようにして清拭タオルを高温に加湿すると、水は気泡発生部から水滴として供給されるため気泡発生部の水が減少するが、気泡発生部内の水は水貯留部の水Wと小半円孔17を介して連通しているから水滴の供給に伴なって貯留部の水Wの水位レベルも減少する。
【0040】
この水位レベルは、水位センサ35により監視されており、水位レベルが下方限界まで下がるとその水位低下を水位センサ35が検出し、その検出信号により電磁弁33を作動させて弁を開放し、補給タンク31から水を一定時間補給して水位レベルを元の状態に戻す。こうして、補給タンク31の水がなくなるまで熱湯加湿器Aは熱湯の水滴により清拭タオルTを連続的に加湿できるのである。
【0041】
なお、上記方式による高温加湿方法では、水は完全に気化するほど連続的に高温に加熱するのではなく、その少し手前の温度に加熱する方式であるから、従来のように蒸気によりタオルを加湿する方法に比べて加熱量が小さくて済み、しかも加熱時間が短くなる。即ち、比較的速く加湿できるのである。
【0042】
図3は第二実施例の熱湯加湿器Bの図2に相当する断面図である。但し、水補給部30は、図2の場合と同じであるから、図示省略している。この実施例は、第一実施例とは気泡発生手段と加熱手段が別々の手段により形成されている点が異なっている。その他は原則として第一実施例と同じであり、同一機能部材には同じ符号を付して説明は省略する。
【0043】
気泡発生部14の気泡発生手段16’は気泡ノズルから形成されており、この気泡ノズルへは圧送ファン24からの圧縮空気がダクト25を介して送り込まれる。加熱手段26はペルチェ素子を用いたものを使用している。26aは加熱放熱板、26bは冷却放熱板であり、異種金属で形成されている。加熱放熱板26aで貯留部の水Wを加熱し高温にする。
【0044】
圧送ファン24の空気取入口は冷却放熱板26bの冷却放熱部と兼用して空気を取り入れており、冷却された空気を気泡ノズルへ送ると発生する気泡が冷却されるため、ダクト25内にヒータ27を設けておくとよい。28は外部からの空気取入口である。
【0045】
この実施例では、加熱手段26は加熱放熱板26aにより本体ケース底部の貯留部の水Wを全体的に加熱する。しかし、この実施例でも沸騰温度まで加熱するのではなく、その少し手前の高温に加熱するだけであるから、当然加熱量も少なくて済み、加熱時間も従来の蒸気加湿方式に比べるとはるかに短くて速く加熱できる。
【0046】
熱湯に加熱された水Wは、気泡ノズルによる気泡発生手段16’により強制的に気泡を発生し、その気泡により液滴化した水滴を細管に表面張力の作用により送り込んで細管の上方に押し上げ、その後は第一実施例と同様にして清拭タオルTを加湿する。
【0047】
ところで、この実施例の加熱手段26は冷却手段と兼用形のものである。ペルチェ素子は電源の十と一を逆転させると加熱と冷却が逆転する。従って、貯留部の水Wを夏季に冷却したいときは電源の十と一を反転させて冷却手段として動作させる。
【0048】
気泡は温度と無関係に気泡発生手段で強制的に発生するから、上記冷却手段である程度温度の低い、例えば+5〜10℃程度の冷水としてこれを水滴にした液滴を清拭タオルTに滴下侵透させてタオルを全体的に冷たくする。
【0049】
なお、上記2つの実施例では清拭タオルTは内端T’を内側から穴5を通って引き出すものとしているが、清拭タオルTの端を引出す方法はこれに限らず、例えば図4のように、穴5に代えて引出口5’を外側ケース1の側壁に設けて引き出すようにしてもよい。この場合、内側の本体ケース11にも当然引出口を設ける必要があるが、この引出口の周辺には布製の保護材を設けて水分が外部へ漏れないようにする。
【0050】
さらに、清拭タオルTの引出しについては、必ずしも上述した引出口5又は5’のようなものを設けずに、蓋板3と水滴板22を取り外すようにしてもよいし、あるいは蓋板3と水滴板22を一体に固定して設け、その代わりケース側壁を横方向に開閉自在にしてもよい(図示省略)。その場合、外側ケース1のドアは水平または垂直なヒンジを中心に開閉自在とし、本体ケース11の側壁は垂直なヒンジを中心に横方向に開閉自在とするとよい。
【0051】
又、清拭タオルTの形状も前述のようにロール状のものに限らず、例えば連続状に形成した清拭タオルを各1枚のタオル毎に入れたミシン目の位置で交互に反対方向に折り畳んで重ねておき、上方又は側方に設けた取出口5、5’から取り出すようにしてもよい。従って、この場合は必ずしも本体ケース1は上述実施例のように円筒形でなくてもよく、例えば正方形又は長方形のような直方体形状にしてもよい。
【0052】
図5に第三実施例のタオル熱湯加湿器Bの主要断面図を示す。この実施例は前の2つの実施例とは細管部Pが本体ケース11の中央部に設けられ、ロール状清拭タオルを中央の細管部Pに挿通させてセットするようにしている点が異なっている。以下では主として異なっている点を中心に説明し、同一構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。又、水補給部30は図示省略している。
【0053】
図示のように、この実施例では熱湯加湿部10’の本体ケース11の中央部付近に内筒12が設けられ、これに清拭タオルTが挿通されてセットされている。内筒12内には多数の細管13’が立設されている。なお、細管13’は多数の管材を並列に設けたものとしているが、内筒12内を多数の格子板で断面が四角形などの適宜形状に仕切ることにより多数の細管13’を形成するようにしてもよいことは勿論である。
【0054】
内筒12の下端15’は本体ケースの底まで延びた形状とし、下端には第一実施例と同様に小半円孔17が設けられている。下端15’は、気泡発生部14に対して設けた第一実施例のスカート部15と同様に気泡発生手段としてのヒータ16により発生する気泡の拡散を防止するためのものである。
【0055】
細管13’の上端は、図示のように、水滴板22を過ぎた位置で外向きに折り曲げられ、その先端が細孔21の所へ届くように適宜長さそれぞれ延長されて蓋板3と水滴板22との間のスペース23’内に挿入されている。細管13’をグリッド状の仕切板で形成するときは、スペース23’は第一、第二実施例と同様に連通路23とし、内筒12は水滴板22を貫通させ内筒12の上端側方に設けた開口を各連通路23に接続するような構成とするとよい。
【0056】
基本的な作用は第一、第二実施例と同様であるから説明は省略する。なお、図示省略したが、水滴板23は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。その場合は、細管13’はこの実施例のままでもよいし、あるいはその上端を折り曲げずに上端で切断し、その際切断開口が外向きになるようにするとよい。
【0057】
図6は第四実施例のタオル熱湯加湿器Cの主要断面図である。この実施例は、清拭タオルの支持手段がタオル支持板20に代えて多数の細孔19を有する水平支持筒20’を用いた点が異なっている。この実施例でも主として第一実施例と異なる点を中心に説明し、同一構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。又、水補給部30も図示省略している。
【0058】
熱湯加湿部10”の本体ケース11内には、図示のように、左側方に細管部Pとその下方に気泡発生部14が設けられ、中央付近に水平支持筒20’が支持手段18’で支持されている。細管部Pは垂直な多数の細管13’を直角に折り曲げ、これらを結束管12’で一体に結束したものから成る。細管13’の直角に折り曲げられた先端部は水平支持筒20’内にその片側から挿置されている。
【0059】
水平支持筒20’を支持する支持手段18’は、図示の例では左側が支持板18X、右側が本体ケース11の側壁にそれぞれ半円状の軸受部を形成したものから成る。従って、水平支持筒20’はこの軸受部に嵌め込まれるだけの簡易な支持部材である。清拭タオルTを取り替えの際に容易に取外しできるようにするためである。
【0060】
結束管12’の下方には気泡発生部14が設けられ、径を少し拡大した仕切管15’の中に加熱ヒータ16が設けられている。なお、図示の例では左片側にのみ細管部Pと気泡発生部14を設けているが、右側にも対称に同じ部材をもう1組設けてもよい。その場合は水平支持筒20’の軸受部は左側と同様に支持板18Xで支持する。
【0061】
この実施例の装置は、ロール状の清拭タオルを水平に軸支し、その支持筒の内部を利用して、熱湯液滴を散布する形式であるため、前述の実施例のような水滴板22や連通路23などは設けられていない。清拭タオルの端末はタオル幅に対応する幅の取出口5’から引き出して利用される。取出口5’の内側には水分が外へ洩れないように防水布が取り付けられている。
【0062】
基本的な熱湯加湿作用は、この実施例も第一実施例と同じであり、説明は省略する。清拭タオルTを補充する際には、図7の分解斜視図のように、蓋板3を本体ケース11から取り外し、水平支持筒20’と細管部Pとを一緒に本体ケース11外へ引き抜き、水平支持筒20’に新たなロール状の清拭タオルTを装填し、その後再び支持軸受部に水平支持筒20’を取り付けて、蓋板3の取出口5’から清拭タオルTの端末T’を少し出した状態で蓋板3を閉じて使用可能状態にする。
【0063】
上述した第三、第四実施例及びその一部変形例ではいずれも加熱手段として加熱ヒータ16を例示しているが、第二実施例と同様にこれをペルチェ素子による加熱・冷却手段とし、気泡発生手段16’として気泡ノズルを設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0064】
【効果】
以上詳細に説明したように、第一の発明の熱湯加湿器は、加熱手段で加熱した熱湯の液滴を気泡発生手段による気泡で細管内を押し上げて清拭タオルの全体に散布するようにしたから、この熱湯加湿器では完全な水蒸気となる程の高温に水を加熱するのではなくその少し手前の高温にした熱湯を用いて熱湯加湿するものであり、従って加熱時間が短時間で済み加熱量も少なくてよく、かつ使用する水も循環使用するため補給量も少なくてよいから、加湿器全体を小型化、コンパクト化できる。
【0065】
第二の発明では、細管が本体ケースの内周壁に沿って配置され、従ってその下方に設けられる加熱手段及び気泡発生部も本体ケースの内周壁に沿って設けられることになる。このため、細管本数を多く配置でき、加熱手段及び気泡発生部の容量も大きくできるから、小型、コンパクト化してもその割りには大きい能力の熱湯加湿機能が得られる。
【0066】
第三及び第四の発明の熱湯加湿器は、細管の本数、加熱手段及び気泡発生部の能力は第二の発明程大きくはできないが、全体を小型、コンパクトにできるという利点がある。
【0067】
第五の発明の熱湯加湿器は、清拭タオルを水平支持筒で軸支し、その側方から水平支持筒内部に細管を挿入する形式としているから、清拭タオルが上方に容易に引き出すことができ、小型、コンパクト化も図れるという利点がある。
【0068】
第六の発明の熱湯加湿器は、気泡発生手段兼用の加熱ヒータを加熱手段としているから、さらに小型、コンパクト化を図ることができる。
【0069】
第七の発明の熱湯加湿器は、加熱手段が加熱と冷却の両方に兼用の手段であるから、熱湯加湿以外にも冷却加湿もでき、機能の多様化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の熱湯加湿器の一部破断図を含む外観斜視図
【図2】同上の主要断面図
【図3】第二実施例の図2の主要部に相当する断面図
【図4】取出口の変形例を示す外観斜視図
【図5】第三実施例の熱湯加湿器の主要断面図
【図6】第四実施例の熱湯加湿器の主要断面図
【図7】同上の熱湯加湿器の分解斜視図
【符号の説明】
1 外側ケース
2 仕切板
3 蓋板
4 キャップ
5 取出口
10、10’、10” 熱湯加湿器
11 本体ケース
12 内筒
12’ 結束管
13 波板
13’ 細管
14 気泡発生部
15 スカート部
15’ 下端
16 ヒータ
17 小半円孔
18 肩部材
18’ 支持手段
19 小孔
20 タオル支持板
21 小孔
22 水滴板
23 連通路
23’ スペース
24 圧送ファン
25 ダクト
26 加熱手段
27 ヒータ
28 空気取入口
30 補給部
31 補給タンク
32 給水管
33 電磁弁
34 水位管
35 水位センサ
【産業上の利用分野】
この発明は、タオルを熱湯で加湿加温して蒸しタオル状とする熱湯加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
タオルを加湿加温して蒸しタオルとして提供することは、病院や町の理容店、あるいは喫茶店など色々の場所で行なわれている。使用した蒸しタオルは消毒、殺菌して洗濯され、再び加湿加温して繰り返し使用される。特に病院などで使用される蒸しタオルは患者に使用されるものであるから、適度に加湿加温されたものが望ましい。
【0003】
タオルを加湿加温して蒸しタオルとするタオル蒸器として実開昭60−128592号のものが知られている。この公報の第1図及び第2図には一般的なタオル蒸器が従来例として示されており、開閉蓋が上面開閉式又は前面開閉式の蓋を開閉することにより蒸しタオルを取り出すことができる。この一般的なタオル蒸器では、タオル収納容器の下方に水を入れたタンクが設けられ、そこで発生した蒸気で加湿する加熱槽でタオル収容容器を囲み、ヒータで水を加熱して発生する蒸気でタオルを蒸しタオルとする。
【0004】
上記公報の第3図、第4図にはこの公報の考案のタオル蒸器が示されており、開閉蓋を備えたタオル容器を水平軸の周りに支持体で回転自在に支持し、タオル容器に一体的に又は蒸気通路を介して蒸気発生装置を連結したものである。この例でも発生した蒸気をタオル容器底部の多数の小孔から送り込みタオルを蒸気で加湿加温して蒸しタオルとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のタオル蒸器は、いずれのものも湿り蒸気でタオルを加湿加温する方式であり、タオル蒸器に備えられている水タンクの大きさに多少の違いがあるとしても、加湿蒸気を発生させるまでには水全体を沸騰蒸発させなければならず、タオルを加湿加温できるまでには相当時間がかかる。
【0006】
又、水を沸騰蒸発させる方式であるため、持運びに便利なように小型化、コンパクト化を図ろうとすると水タンクの容量が小さくなり、水を頻繁に補給する必要があり、多数の蒸しタオルを連続的に処理することができないという不都合がある。このため、一般には装置全体が大きくなり、小型化、コンパクト化を図ることができない。
【0007】
この発明は、上述した従来のタオル蒸器の種々の問題点に留意して、従来のように加湿に使われる水蒸気を発生するまで水を加熱するのではなくその手前の熱湯状態に加熱しこれを水滴として清拭タオルに滴下散布するようにして短時間に少ない加熱量でタオルの加湿ができ、水の使用量を減少させて全体の小型化、コンパクト化を可能とした熱湯加湿器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決する手段として、開閉自在な蓋板を有する本体ケース内に貯留される水を加熱する手段と、気泡の拡散を防ぐ仕切板で気泡発生手段を囲んで形成した気泡発生部と、下端を気泡発生部に接続して立設した多数の細管と、水面の適宜上方位置にタオルを支持するタオル支持手段とを設け、気泡発生部からの気泡で押し上げられる熱湯液滴を細管の先端からタオルに散布してタオルを熱湯加湿するように構成して成る熱湯加湿器としたのである。
【0009】
上記発明の実施態様としては、前記多数の細管を本体ケース内周壁に沿って立設し、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板とし、蓋板をタオルの上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴板を設け、上記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したものとするのが好ましい。
【0010】
あるいは、前記多数の細管を本体ケース中央付近に設け、上端は中央細管から外向きに開放した開放端とし、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板としたものとしてもよい。
【0011】
あるいは、前記蓋板をタオル上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴を設け、前記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したものとしてもよい。
【0012】
さらに、前記タオル支持手段を多数の細孔を有する水平支持筒とし、この支持筒の少なくとも片側から支持筒内に前記細管の先端を挿通したものとすることもできる。
【0013】
上記いずれの発明においても、前記加熱手段が気泡発生手段と兼用の加熱ヒータであるようにすることができる。
【0014】
あるいは、前記気泡発生手段を圧縮空気で気泡を発生させる気泡ノズルとし、前記加熱手段がペルチェ素子を用いた加熱と冷却の両方に兼用の加熱・冷却手段であるようにしてもよい。
【0015】
【作用】
上記の構成とした第一の発明の熱湯加湿器は、加熱手段で加熱した熱湯の水滴を気泡発生手段で発生する気泡で細管内で押し上げて細管の上端部からタオルに散布して清拭タオルを熱湯加湿する。細管内へは気泡発生部に接続した細管の下端から細管内の表面張力による毛細管現象で熱湯水滴が一滴ずつ取り込まれる。
【0016】
熱湯加湿器の形式は、熱湯加湿しようとする清拭タオルをどのような形態で収納するかによって異なるが、清拭タオルが帯状材に所定間隔でミシン目を入れたものから成り、使用の際にミシン目の位置で1枚ずつ切断して使用する形式のものであれば、一般にはこれをロール状に巻いた形態が好ましい(勿論1枚ずつ形成されたものを所定大きさに折り畳んでこれを複数枚積み重ねるようにしてもよい)。
【0017】
このようなロール状清拭タオルを前提として、第二の発明ではこれをタオル支持板上に置き、本体ケース内周壁に沿って設けられた多数の細管で押し上げた熱湯の水滴を連通路を通過させ水滴板の多数の細孔から散布する。
【0018】
これに対して第三の発明では、細管は本体ケース中央付近に設けられている。この例は、ロール状清拭タオルの中心を細管が挿通する形式に適するものである。従って、清拭タオルはその中心を細管が挿通するようにセットされて使用される。細管の上端は外向きに開口しているから、その解放上端から熱湯の水滴を適宜飛ばしてタオルに散布する。
【0019】
第四の発明は、第三の発明を前提としているが、細管の上端は蓋板と水滴板の間の連通路に接続されている。従って、細管の上端まで押し上げられた熱湯水滴はさらに連通路を通って水滴板の細孔から散布される。
【0020】
一方、第五の発明では、水平支持筒をタオル支持手段とし、その少なくとも片側から内側に細管の先端が挿通されている。従って両側から細管の先端を挿置する場合も含まれる。いずれの場合もロール状の清拭タオルは水平支持筒で水平に支持され、その内側に挿置された細管の先端から放出される水滴が水平支持筒の細孔を通って清拭タオルの内側から散布され熱湯加湿される。
【0021】
上記第一乃至第五の発明の加熱手段は、気泡発生手段とは別体であるのが原則である。しかし、第六の発明のように、両手段が兼用形の加熱ヒータとしてもよいことは勿論である。両手段が兼用形の方が装置全体をコンパクト化し、小型化が図れるからである。特別な場合として、第七の発明のように、気泡発生手段を気泡ノズルとし、加熱手段が加熱・冷却の両方に兼用形の加熱・冷却手段としてもよい。加熱時には加熱手段により気泡が一部発生するが、気泡ノズルによりさらに多くの気泡を発生させるものとし、反対に冷却時であっても確実に気泡を発生させることができるようにしている。冷却時には冷水をタオルに散布する方式となるから、この場合はこの装置は冷水加湿器となる。
【0022】
【実施例】
以下この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は第一実施例のタオル熱湯加湿器の概略斜視図である。この実施例の熱湯加湿器が、図示のようにロール状に巻かれた清拭タオル又は清拭布Tを熱湯で加湿加温する加湿器であるが、清拭タオル又は清拭布Tは後で説明するように必ずしもロール状のものでなくともよい。
【0023】
タオル熱湯加湿器Aは、小形でコンパクトな外側ケース1内を仕切壁2で仕切られた各スペースに熱湯加湿部10と水を補給するための水補給部30とを備えている。外側ケース1内部の熱湯加湿部10の上方には後で説明する蓋板3が着脱自在に設けられている。
【0024】
蓋板3の中央には小さな開閉キャップ4が設けられ、中央に開設した小孔を取出口5とし、そこから清拭タオルTを引抜くようにしている。蓋板3はこの実施例でははめ込み式であり、通常は図示のようにはめ込まれている。上記以外にもねじによる嵌合式、あるいは片側にヒンジを設け、反対側端に係止部材を設けて開閉する方式としてもよい。
【0025】
熱湯加湿部10は、本体ケース11とその内側に設けた内筒12の間に、図1に示すような波板13を挿通した2重筒を備えており、波板13で仕切られた各スペースが細管部Pを形成している。この細管部Pの下端は、本体ケース11の下底に形成されている気泡発生部14にそれぞれ接続されている。
【0026】
気泡発生部14は、上記内筒12の下方を内側に折り曲げて形成されるスカート部15で本体ケース内側下底部のスペースを囲み、そのスペース内下方寄りに気泡発生手段をして設けたヒータ16により発生する気泡が拡散するのを防止するように設けられている。ヒータ16はニクロム線による抵抗発熱体の外側を水に対してシースにより被覆した形式のものである。又、ヒータ16は円形に略一周分の長さに設けられている。17は気泡発生部14を下底部に貯留される水Wと連通するための小半円孔であり、スカート部15の下端に多数設けられている。
【0027】
上記内筒12の下方寄りの所定高さ位置には、図2に示す肩部材18が設けられ、その上に多数の小孔19を穿設したタオル支持板20が載置されている。タオル支持板20の高さ位置は本体ケース底部に貯留される水Wの最大レベルより若干上となるように設定される。なお、このタオル支持板20は肩部材18上で回転自在に支持するように設けるのが好ましい。
【0028】
清拭タオルTは、前述のようにロール状に巻かれたものであり、内筒12内でタオル支持板20上に置かれる。清拭タオルTの上部は多数の小孔21を有する水滴板22で開閉自在に閉じられる。この水滴板22はその上板として設けられている蓋板3と一体に形成してもよいし、又別体として設けてもよい。この実施例では一体に形成している。又、水滴板22と蓋板3との間には多数の連通路23を形成してある。連通路23は、円形状の水滴板22の半径方向に沿って設けられる溝として形成されている。
【0029】
以上の構成としたこの実施例の熱湯加湿器Aでは次のようにして清拭タオルTを加湿する。
【0030】
図2に示すように、まず本体ケース11の下底部に所定レベルに水Wを注入し、気泡発生部14のヒータ16の電源を投入して水の加熱を開始する。気泡発生部14は、本体ケース11の下底の隅部に設けられているから、小さな体積の水をヒータ16で加熱すると比較的速く水を加熱することができる。
【0031】
但し、水は沸騰する程の高温ではなくそれより少し低い高温に保持する。このような高温にすると、水に含まれている気泡が膨張して目に見える程の気泡として成長し、水底から上昇する。
【0032】
上記熱湯加湿部10に対して付設されている水補給部30は、補給タンク31を備え、給水管32を介して、熱湯加湿部10に水を供給するように配管されている。33は給水管32の途中に設けた電磁弁、31aは補給タンク31への水を注入する穴のキャップである。
【0033】
また、熱湯加湿部10内の水位レベルを検知するため水位管34が接続され、その途中に設けた水位センサ35により水位レベルを検知する。36、37はそれぞれ熱湯加湿部10と補給タンク31用の排水ホースである。
【0034】
気泡が水面上まで速い速度で上昇するようになると、その勢いで小滴状の水滴が水面上に飛び躍ねるようになり、この水滴dはこの気泡発生部に接続されている細管部Pに表面張力により取り込まれる。そしてこの1つの水滴dの後を気泡が押し上げ、さらにその後にもう1つの水滴dが続き、こうして多数の水滴dが細管内を次々と気泡に押されて上昇する。
【0035】
この場合、細管内を上昇する水滴dは気化した水蒸気ではなく、あくまで水滴である。従って、気泡を発生する程の高温に加熱された水滴である。この高温の水滴dが細管の上端に達すると、水滴板22と蓋板3との間の連通路23を介して水滴板22の半径方向中心部へと向う。
【0036】
そして、水滴板22に沿って中心部へ向う途中で水滴板22に設けられた多数の小孔21から水滴dが滴下されるのである。滴下される水滴dは高温状であり、かつ小さな水滴であり、これらが滴下吹き付けされることにより清拭タオルは高温に加湿された状態となる。
【0037】
ロール状の清拭タオルを全体として高温に加湿した状態になると、ロール内側の内端T’を穴5から引き出して、1枚ずつの清拭タオルとしてミシン目で引き裂き分離して使用する。
【0038】
なお、ロール状の清拭タオルを高温に加湿する際に、高温の水滴は清拭タオルに吸収されるが、一部は清拭タオルに吸収されずに下方に落下する。落下した水滴はタオル支持板20に設けられている多数の小孔19からさらに滴下してその下方の水貯留部の水Wへ戻る。
【0039】
以上のようにして清拭タオルを高温に加湿すると、水は気泡発生部から水滴として供給されるため気泡発生部の水が減少するが、気泡発生部内の水は水貯留部の水Wと小半円孔17を介して連通しているから水滴の供給に伴なって貯留部の水Wの水位レベルも減少する。
【0040】
この水位レベルは、水位センサ35により監視されており、水位レベルが下方限界まで下がるとその水位低下を水位センサ35が検出し、その検出信号により電磁弁33を作動させて弁を開放し、補給タンク31から水を一定時間補給して水位レベルを元の状態に戻す。こうして、補給タンク31の水がなくなるまで熱湯加湿器Aは熱湯の水滴により清拭タオルTを連続的に加湿できるのである。
【0041】
なお、上記方式による高温加湿方法では、水は完全に気化するほど連続的に高温に加熱するのではなく、その少し手前の温度に加熱する方式であるから、従来のように蒸気によりタオルを加湿する方法に比べて加熱量が小さくて済み、しかも加熱時間が短くなる。即ち、比較的速く加湿できるのである。
【0042】
図3は第二実施例の熱湯加湿器Bの図2に相当する断面図である。但し、水補給部30は、図2の場合と同じであるから、図示省略している。この実施例は、第一実施例とは気泡発生手段と加熱手段が別々の手段により形成されている点が異なっている。その他は原則として第一実施例と同じであり、同一機能部材には同じ符号を付して説明は省略する。
【0043】
気泡発生部14の気泡発生手段16’は気泡ノズルから形成されており、この気泡ノズルへは圧送ファン24からの圧縮空気がダクト25を介して送り込まれる。加熱手段26はペルチェ素子を用いたものを使用している。26aは加熱放熱板、26bは冷却放熱板であり、異種金属で形成されている。加熱放熱板26aで貯留部の水Wを加熱し高温にする。
【0044】
圧送ファン24の空気取入口は冷却放熱板26bの冷却放熱部と兼用して空気を取り入れており、冷却された空気を気泡ノズルへ送ると発生する気泡が冷却されるため、ダクト25内にヒータ27を設けておくとよい。28は外部からの空気取入口である。
【0045】
この実施例では、加熱手段26は加熱放熱板26aにより本体ケース底部の貯留部の水Wを全体的に加熱する。しかし、この実施例でも沸騰温度まで加熱するのではなく、その少し手前の高温に加熱するだけであるから、当然加熱量も少なくて済み、加熱時間も従来の蒸気加湿方式に比べるとはるかに短くて速く加熱できる。
【0046】
熱湯に加熱された水Wは、気泡ノズルによる気泡発生手段16’により強制的に気泡を発生し、その気泡により液滴化した水滴を細管に表面張力の作用により送り込んで細管の上方に押し上げ、その後は第一実施例と同様にして清拭タオルTを加湿する。
【0047】
ところで、この実施例の加熱手段26は冷却手段と兼用形のものである。ペルチェ素子は電源の十と一を逆転させると加熱と冷却が逆転する。従って、貯留部の水Wを夏季に冷却したいときは電源の十と一を反転させて冷却手段として動作させる。
【0048】
気泡は温度と無関係に気泡発生手段で強制的に発生するから、上記冷却手段である程度温度の低い、例えば+5〜10℃程度の冷水としてこれを水滴にした液滴を清拭タオルTに滴下侵透させてタオルを全体的に冷たくする。
【0049】
なお、上記2つの実施例では清拭タオルTは内端T’を内側から穴5を通って引き出すものとしているが、清拭タオルTの端を引出す方法はこれに限らず、例えば図4のように、穴5に代えて引出口5’を外側ケース1の側壁に設けて引き出すようにしてもよい。この場合、内側の本体ケース11にも当然引出口を設ける必要があるが、この引出口の周辺には布製の保護材を設けて水分が外部へ漏れないようにする。
【0050】
さらに、清拭タオルTの引出しについては、必ずしも上述した引出口5又は5’のようなものを設けずに、蓋板3と水滴板22を取り外すようにしてもよいし、あるいは蓋板3と水滴板22を一体に固定して設け、その代わりケース側壁を横方向に開閉自在にしてもよい(図示省略)。その場合、外側ケース1のドアは水平または垂直なヒンジを中心に開閉自在とし、本体ケース11の側壁は垂直なヒンジを中心に横方向に開閉自在とするとよい。
【0051】
又、清拭タオルTの形状も前述のようにロール状のものに限らず、例えば連続状に形成した清拭タオルを各1枚のタオル毎に入れたミシン目の位置で交互に反対方向に折り畳んで重ねておき、上方又は側方に設けた取出口5、5’から取り出すようにしてもよい。従って、この場合は必ずしも本体ケース1は上述実施例のように円筒形でなくてもよく、例えば正方形又は長方形のような直方体形状にしてもよい。
【0052】
図5に第三実施例のタオル熱湯加湿器Bの主要断面図を示す。この実施例は前の2つの実施例とは細管部Pが本体ケース11の中央部に設けられ、ロール状清拭タオルを中央の細管部Pに挿通させてセットするようにしている点が異なっている。以下では主として異なっている点を中心に説明し、同一構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。又、水補給部30は図示省略している。
【0053】
図示のように、この実施例では熱湯加湿部10’の本体ケース11の中央部付近に内筒12が設けられ、これに清拭タオルTが挿通されてセットされている。内筒12内には多数の細管13’が立設されている。なお、細管13’は多数の管材を並列に設けたものとしているが、内筒12内を多数の格子板で断面が四角形などの適宜形状に仕切ることにより多数の細管13’を形成するようにしてもよいことは勿論である。
【0054】
内筒12の下端15’は本体ケースの底まで延びた形状とし、下端には第一実施例と同様に小半円孔17が設けられている。下端15’は、気泡発生部14に対して設けた第一実施例のスカート部15と同様に気泡発生手段としてのヒータ16により発生する気泡の拡散を防止するためのものである。
【0055】
細管13’の上端は、図示のように、水滴板22を過ぎた位置で外向きに折り曲げられ、その先端が細孔21の所へ届くように適宜長さそれぞれ延長されて蓋板3と水滴板22との間のスペース23’内に挿入されている。細管13’をグリッド状の仕切板で形成するときは、スペース23’は第一、第二実施例と同様に連通路23とし、内筒12は水滴板22を貫通させ内筒12の上端側方に設けた開口を各連通路23に接続するような構成とするとよい。
【0056】
基本的な作用は第一、第二実施例と同様であるから説明は省略する。なお、図示省略したが、水滴板23は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。その場合は、細管13’はこの実施例のままでもよいし、あるいはその上端を折り曲げずに上端で切断し、その際切断開口が外向きになるようにするとよい。
【0057】
図6は第四実施例のタオル熱湯加湿器Cの主要断面図である。この実施例は、清拭タオルの支持手段がタオル支持板20に代えて多数の細孔19を有する水平支持筒20’を用いた点が異なっている。この実施例でも主として第一実施例と異なる点を中心に説明し、同一構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。又、水補給部30も図示省略している。
【0058】
熱湯加湿部10”の本体ケース11内には、図示のように、左側方に細管部Pとその下方に気泡発生部14が設けられ、中央付近に水平支持筒20’が支持手段18’で支持されている。細管部Pは垂直な多数の細管13’を直角に折り曲げ、これらを結束管12’で一体に結束したものから成る。細管13’の直角に折り曲げられた先端部は水平支持筒20’内にその片側から挿置されている。
【0059】
水平支持筒20’を支持する支持手段18’は、図示の例では左側が支持板18X、右側が本体ケース11の側壁にそれぞれ半円状の軸受部を形成したものから成る。従って、水平支持筒20’はこの軸受部に嵌め込まれるだけの簡易な支持部材である。清拭タオルTを取り替えの際に容易に取外しできるようにするためである。
【0060】
結束管12’の下方には気泡発生部14が設けられ、径を少し拡大した仕切管15’の中に加熱ヒータ16が設けられている。なお、図示の例では左片側にのみ細管部Pと気泡発生部14を設けているが、右側にも対称に同じ部材をもう1組設けてもよい。その場合は水平支持筒20’の軸受部は左側と同様に支持板18Xで支持する。
【0061】
この実施例の装置は、ロール状の清拭タオルを水平に軸支し、その支持筒の内部を利用して、熱湯液滴を散布する形式であるため、前述の実施例のような水滴板22や連通路23などは設けられていない。清拭タオルの端末はタオル幅に対応する幅の取出口5’から引き出して利用される。取出口5’の内側には水分が外へ洩れないように防水布が取り付けられている。
【0062】
基本的な熱湯加湿作用は、この実施例も第一実施例と同じであり、説明は省略する。清拭タオルTを補充する際には、図7の分解斜視図のように、蓋板3を本体ケース11から取り外し、水平支持筒20’と細管部Pとを一緒に本体ケース11外へ引き抜き、水平支持筒20’に新たなロール状の清拭タオルTを装填し、その後再び支持軸受部に水平支持筒20’を取り付けて、蓋板3の取出口5’から清拭タオルTの端末T’を少し出した状態で蓋板3を閉じて使用可能状態にする。
【0063】
上述した第三、第四実施例及びその一部変形例ではいずれも加熱手段として加熱ヒータ16を例示しているが、第二実施例と同様にこれをペルチェ素子による加熱・冷却手段とし、気泡発生手段16’として気泡ノズルを設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0064】
【効果】
以上詳細に説明したように、第一の発明の熱湯加湿器は、加熱手段で加熱した熱湯の液滴を気泡発生手段による気泡で細管内を押し上げて清拭タオルの全体に散布するようにしたから、この熱湯加湿器では完全な水蒸気となる程の高温に水を加熱するのではなくその少し手前の高温にした熱湯を用いて熱湯加湿するものであり、従って加熱時間が短時間で済み加熱量も少なくてよく、かつ使用する水も循環使用するため補給量も少なくてよいから、加湿器全体を小型化、コンパクト化できる。
【0065】
第二の発明では、細管が本体ケースの内周壁に沿って配置され、従ってその下方に設けられる加熱手段及び気泡発生部も本体ケースの内周壁に沿って設けられることになる。このため、細管本数を多く配置でき、加熱手段及び気泡発生部の容量も大きくできるから、小型、コンパクト化してもその割りには大きい能力の熱湯加湿機能が得られる。
【0066】
第三及び第四の発明の熱湯加湿器は、細管の本数、加熱手段及び気泡発生部の能力は第二の発明程大きくはできないが、全体を小型、コンパクトにできるという利点がある。
【0067】
第五の発明の熱湯加湿器は、清拭タオルを水平支持筒で軸支し、その側方から水平支持筒内部に細管を挿入する形式としているから、清拭タオルが上方に容易に引き出すことができ、小型、コンパクト化も図れるという利点がある。
【0068】
第六の発明の熱湯加湿器は、気泡発生手段兼用の加熱ヒータを加熱手段としているから、さらに小型、コンパクト化を図ることができる。
【0069】
第七の発明の熱湯加湿器は、加熱手段が加熱と冷却の両方に兼用の手段であるから、熱湯加湿以外にも冷却加湿もでき、機能の多様化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の熱湯加湿器の一部破断図を含む外観斜視図
【図2】同上の主要断面図
【図3】第二実施例の図2の主要部に相当する断面図
【図4】取出口の変形例を示す外観斜視図
【図5】第三実施例の熱湯加湿器の主要断面図
【図6】第四実施例の熱湯加湿器の主要断面図
【図7】同上の熱湯加湿器の分解斜視図
【符号の説明】
1 外側ケース
2 仕切板
3 蓋板
4 キャップ
5 取出口
10、10’、10” 熱湯加湿器
11 本体ケース
12 内筒
12’ 結束管
13 波板
13’ 細管
14 気泡発生部
15 スカート部
15’ 下端
16 ヒータ
17 小半円孔
18 肩部材
18’ 支持手段
19 小孔
20 タオル支持板
21 小孔
22 水滴板
23 連通路
23’ スペース
24 圧送ファン
25 ダクト
26 加熱手段
27 ヒータ
28 空気取入口
30 補給部
31 補給タンク
32 給水管
33 電磁弁
34 水位管
35 水位センサ
Claims (7)
- 開閉自在な蓋板を有する本体ケース内に貯留される水を加熱する手段と、気泡の拡散を防ぐ仕切板で気泡発生手段を囲んで形成した気泡発生部と、下端を気泡発生部に接続して立設した多数の細管と、水面の適宜上方位置にタオルを支持するタオル支持手段とを設け、気泡発生部からの気泡で押し上げられる熱湯液滴を細管の先端からタオルに散布してタオルを熱湯加湿するように構成して成る熱湯加湿器。
- 前記多数の細管を本体ケース内周壁に沿って立設し、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板とし、蓋板をタオルの上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴板を設け、上記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したことを特徴とする請求項1に記載の熱湯加湿器。
- 前記多数の細管を本体ケース中央付近に設け、上端は中央細管から外向きに開放した開放端とし、タオル支持手段を多数の細孔を有するタオル支持板としたことを特徴とする請求項1に記載の熱湯加湿器。
- 前記蓋板をタオル上方に設けこの蓋板の内側に多数の細孔を有する水滴板を設け、前記細管の上端は水滴板と蓋板との間に設けられる連通路に接続したことを特徴とする請求項3に記載の熱湯加湿器。
- 前記タオル支持手段を多数の細孔を有する水平支持筒とし、この支持筒の少なくとも片側から支持筒内に前記細管の先端を挿通したことを特徴とする請求項1に記載の熱湯加湿器。
- 前記加熱手段が気泡発生手段と兼用の加熱ヒータであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱湯加湿器。
- 前記気泡発生手段を圧縮空気で気泡を発生させる気泡ノズルとし、前記加熱手段がペルチェ素子を用いた加熱と冷却の両方に兼用の加熱・冷却手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱湯加湿器。
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Families Citing this family (1)
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-
1994
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