JP3616955B2 - 初乳を処理する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物活性を有する初乳(bioactive colostrum)の回収のための方法に関する。より正確には本発明は高い活性タンパク質含有量を保持したまま生物負荷量(bioburden)を減少させるために初乳を処理する方法を指向する。本発明はまた前記方法によって処理された初乳およびそれらの用途をも指向する。
【0002】
【従来の技術】
分娩直後に生産された乳は初乳と呼ばれる。この特別な乳はその後に生産された乳よりも約20倍も多くタンパク質を含む。そのため、初乳は、成長因子および特に免疫グロブリンの如き生物学的活性タンパク質のように多くの有益なタンパク質の優れた供給源である。従って、前記初乳は、例えば、食品または臨床用製剤中の前記価値のあるタンパク質の供給源として使用できる。しかし、初乳はしばしば、食品または臨床用製品として適合する製品では許容されない、高い量の細菌および他の細胞性物質で汚染されている。
乳の生物負荷量を減少させるための慣用の方法は低温殺菌ならびに、超加熱処理、即ち、乳を短時間の間熱に曝すことである。しかし、加熱処理は乳中の微生物を破壊するのみでなく、有益な生物学的活性タンパク質をも変性させる。初乳は、その高いタンパク質含有量が高温においてそれを凝集させるので、加熱処理に対してとりわけ不適当である。遠心分離法によって初乳の生物負荷量を減少させる方法は、国際公開公報WO97/16977に記載されている。しかし、細菌を有効に減少させるにはタンパク質に富む溶液に存在する他の粒子と一緒にタンパク質が沈殿するであろう高い重力が必要とされる。
【0003】
乳中の微生物汚染を減少させる他の方法は、ガンマ線放射(米国特許第4,784,850号公報)およびβ−プロピオラクトンによる処理(米国特許第3,911,108号公報)である。これらの方法もまた、かなりの程度のタンパク質を変性させる傾向にある。滅菌ろ過は乳からの微生物を除去するさらに他の方法である(米国特許第5,256,437号公報;米国特許第5,683,733号公報;Pedersen P.J.,(1991) IDF special issue no.9201 Microfiltration for the Reduction of Bacteria in Milk and Brine, In New Applications of Membrane Processes, 33−50; Osterland N., New Developments in Membrane Proceeding, IDF 25th International Dairy Congress 21−24 Sept. 1998 Arhus, Denmark; およびRosenberg M.,(1995), Trends in Food Science & Technology, 6:12−19)。ろ過は乳中の種々の成分例えば、乳中のスキムミルクおよびクリームに富む画分(米国特許第4,140,806号公報)および乳中の可溶性および不溶性成分(米国特許5,028,436号公報)を分離するためにもまた使用されている。
画分は通常実質的にタンパク質に影響を及ぼさないが、フィルタが速やかに汚れる。このことは、カゼインが容易にフィルタを詰まらせるタンパク質に富む初乳に関し特に問題である。
【0004】
詰まったフィルタに関する問題は、初乳からカゼインを部分的にまたは完全に除去することにより、および/またはろ過の前に初乳を稀釈することによりこれまでに解決されている。カゼインは、酸または酵素的沈殿のいずれかおよび遠心分離によって除去できホエーが得られる。(米国特許第4,644,056号公報及び英国特許第1,573,995号公報)。米国特許第5,670,196号公報は、脱脂された初乳を最初に酸性化してカゼインを沈殿させそれを遠心分離によって除去し、次いでホエーを荷電された深層型フィルタ(charged depth filter)を介してろ過して微生物含有量を減少させる、初乳を精密ろ過(microfiltrering)する方法を開示する。米国特許5,707,678号公報はカゼインを除去し、その後酸性化したホエーをまず、限外ろ過し、次いで精密ろ過する、同様の方法を開示する。これらの方法の主な欠点は、大量の有益な抗体および他のタンパク質をカゼインと一緒に沈殿させる傾向があることである。加えてカゼインの除去は骨の折れる、時間を浪費するおよび費用のかかる方法である。
米国特許第5,147,548号公報は、カゼインを前もって除去することなしに初乳を滅菌ろ過する方法を開示する。所望により脱脂された初乳は3.5より低いpHに酸性化される。カゼインはpH5ないし4で沈殿するが、それはpHが低下し続けると溶液中に戻る。酸性溶液は当初の初乳から非常に大きく異なることが見出されるので、そのまままたは中和して当初のpHにそれを戻した後に滅菌ろ過され得る。使用するフィルタは深層型フィルタ(depth filter)またはメンブランフィルタ(membrane filter)である。好ましい具体例では酸性化の前に初乳は塩化ナトリウム溶液中に稀釈される。しかし、この方法もまた欠点を有する。免疫グロブリンは低pHで容易に不活性化する。さらに、カゼインの沈殿はタンパク質も損失する結果完全に可逆でなく、そして初乳の稀釈は加工処理時間及び経費を増加させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は初乳の生物負荷量を実質的にそれに含まれるタンパク質に影響を及ぼすことなく減少させる、簡素で、効果的なおよび経済的な方法を提供することである。この方法は高い、かつ用途の広い生物学的活性タンパク質含有量および/または活性の実質的損失を伴わずに微生物による汚染物の除去を提供する。従って、本方法は最大の免疫グロブリン活性、特にIgGを保持しつつ、生物負荷量を効果的に減少させることを可能する。カゼインの予備的沈殿も、いかなる稀釈も、また塩/酸/塩基もしくは他の化学品の添加をも必要とせず、および存在する抗体の温度変性はない。
本発明の他の目的は食品または臨床用品として適合する高衛生基準の初乳調製品を提供することである。この初乳調製品は健康増進のためまたは免疫グロブリンまたは他の初乳タンパク質により治癒され得る疾病を治療または予防するため、飲料または食品の形態で、または乾燥形態で使用できる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
簡素なろ過システムが多段階の前処理やタンパク質活性の損失なしに、初乳の生物負荷量を減少させ得ることが驚いたことに見出された。従って、本発明の目的は初乳を処理するための方法であって、該方法が
(a) 初乳を採集し、
(b) 前記初乳を脱脂し、
(c) オープンチャンネル(open channel)を備えたタンジェンシャルフローフィルタ(tangential flow filter,TFF)デバイス、および0.1−0.5μmの細孔径を有するフィルタを使用して前記脱脂された初乳のクロスフロー精密ろ過(cross flow microfiltration,CFMF)を行い、そして
(d) ろ液を回収することを特徴とする方法によって達成され得る。
本発明による初乳は、本発明の方法によって処理されることを特徴とする。
本発明はさらに、前記加工処理された初乳を含む臨床用栄養製剤(clinical nutritive preparations)、機能性食品(functional foods)、または食品用栄養補助物(food supplements)を製造するために処理された初乳の使用を示すものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の方法によれば、初乳は哺乳類(例えばヤギもしくはヒツジのようないずれかの哺乳類であってよいが、好ましくはそれは雌牛である)、から採集される。好ましくは前記哺乳類は、病原体に対して予め免疫化されまたは超免疫化されており、それゆえ病原体によって引き起こされた病気を治療または予防するのに有益な初乳を得ることができる。初乳はIgG含有量がその時点で最大になる分娩後すぐに、通常分娩後3日以内に、および好ましくは48時間以内に採集される。初乳は通常、しかし必須ではないが、高温を回避するべく、凍結されおよびその後加工処理前に注意深く解凍される。脂肪はいずれかの慣用の方法、通常は遠心分離法によって初乳から分離される。好ましくは得られたスキムミルクは次いでクロスフフロー精密ろ過段階の前に例えば、深層型フィルタまたはメンブランフィルタを介して存在し得る細菌等の凝集塊を除去する、予備ろ過(prefiltration)によって浄化される。適当なフィルタ媒体は、例えば0.1−150μm、通常約0.5−50μmの細孔径を有するポリプロピレン、再生セルロースまたはポリエーテルスルホンである。
【0008】
精密ろ過(MF)は分離成分の大きさの違いに基づいて溶液または懸濁液中の成分を分離するために与えられた細孔径の膜を使用する加圧−駆動式分離法(pressure−driven separation process)である。より大きい粒子はノン−メンブラン型(non−membrane)フィルタまたは深層型フィルタの使用によって除去できるが、精密に定義された細孔径を有するメンブランフィルタのみが定量的な保持力を保証できる。慣用のMFは、溶液が垂直に膜を通過する、デッドエンドな方法(dead−end process)である。あまりにも大きくて細孔を通過できない粒子が膜表面に留まり、それゆえフィルタは速やかに目詰まりする。MFの発展の結果は膜表面をタンジェンシャルに横切って(tangentially across)循環する、クロスフロー精密ろ過(cross flow microfiltration,CFMF)である。クロスフローは膜を横切って物質が流れる割合(rate)であり、およびそれは膜表面から蓄積した層を除去し、それゆえ膜を清浄に保つのを助けるのに役立つ多くの力を発生させるので重要である。
【0009】
クロスフロー精密ろ過においては透過液(permeate)またはろ液は膜を通過した溶液であり、保留液(retentate)は膜によって保持された溶液または懸濁液であり、そしてフラックス(flux)は膜を通過したろ液の流れである。
【0010】
本発明による脱脂された初乳の精密ろ過はタンジェンシャルフローフィルタデバイスを使用するクロスフロー精密ろ過(CFMF)によって行われる。TFF膜デバイスは物質の流れに対するタンジェンシャルフローチャンネルの設計(tangential flow channel design)に依存して直線流または乱流を促進できる。所謂、オープンチャンネルデバイス(open channel devices)は真っ直ぐな、チャンネル中の層流(laminar flow)を許容するオープンフィードフローチャンネル(open feed flow channels)をもつのに対し、乱流が促される所謂、ティンチャンネルデバイス(thin channel devices)は例えばスクリーンを含むフィードフローチャンネル(feed flow channels)を持つ。オープンチャンネルデバイスが本発明の方法に使用されるものである。TFFオープンチャンネルデバイスは例えばMillipore Corp.,米国,マサチューセッツ、ベッドフォード(bedford)から入手できる(登録商標Prostak)。
【0011】
オープンチャンネルデバイスに使用する膜は細菌及び他の微生物がろ液へ通過するのを防止するが、所望のタンパク質例えばIgGは通すような細孔径を有するフラットなシート状膜である。この目的に適当な細孔径は通常、0.1−0.5μm、および好ましくは0.2−0.45μm、特には約0.2μmである。フィルタは例えばポリスルホン、セルロースまたは特にはフルオロカーボンポリマーを基材とする膜である。初乳のCFMFにはポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜が特に適当であり、最も好ましいものは親水性にされたPVDFである。
【0012】
フィルタ領域を増加させ、そしてろ液フラックスを加速度的に生じさせるために、幾つかのフィルタデバイスモジュールを併合できる。通常100−200リットルの初乳が10−50リットル/m2h、好ましくは20−40リットル/m2hおよび特には約25リットル/m2hの能力で、約0.5−3バール、好ましくは0.8−2バールおよび特には約1バールの圧力にてろ過される。活性タンパク質を含むが実質的にいかなる細菌または他の微生物による汚染物も含まないろ液が回収される。所望によりクロスフロー精密ろ過された初乳は0.2−0.45μmの膜を通すことによる慣用の精密ろ過によって、最終的に滅菌ろ過され、無菌最終製品を確実にする。
問題のタンパク質量を高めるため、および所望により塩を除くため、ろ過された初乳は濃縮することがしばしば望ましい。これは当該タンパク質の性質に依存してそれ自体良く知られている方法,例えば、限外ろ過または逆浸透によって行うことができる。最終的にはろ過された初乳は例えば凍結乾燥により乾燥することができる。そうでなければ、初乳はタンパク質変性を回避するため管理された温度の下で噴霧乾燥させてもよい。乾燥された初乳は例えばそのままカプセル化されそして使用されるか、または使用の前に水溶液に溶解するかのいずれかが可能である。
【0013】
微生物数を低いまま保つために、前記加工処理は低温で行うべきである。脂肪の除去のためには約40℃の温度が都合が良いが、残りの工程はより低い温度(好ましくは15℃を越えない)、そして主には2−10℃で行われる。CFMFの間のポンプ輸送においても、温度は低いままおよび40℃を越えることは決してないように保ち得る。
【0014】
本発明の方法は、意図が有益なタンパク質活性の実質的な損失なく微生物を含まない初乳を得ることである種々の目的のために使用できる。初乳は多くの生物学的活性タンパク質、例えばホルモン、成長因子、ラクトフェリン、殺菌性タンパク質、および特には抗体、即ちIgG,IgAおよびIgMクラスの免疫グロブリンを含む。
本発明による初乳は乾燥形態または飲料または食品の形態で使用できる。前記処理された初乳を含む臨床用栄養製剤、機能性食品および食品用栄養補助物の製造のために特に適当である。臨床用栄養製剤はその中にある活性成分への特別な医療上の要求を有する者に対し適した製品である。機能性食品は健康増進効果を有する食品であり、そして食品用栄養補助物は食品に望ましい特性を与えるために添加される食品添加物である。これらの製品はそれらを必要とする対象者に経口的に都合良く与えることができる。例えば、IgGは病原体がコロニーを作り、そして浸透することに対して粘膜を保護するのに有益であり、特に腸病原性感染を治療し、および予防するのに適当である。本発明のIgGに富む、微生物を含まない初乳は例えば免疫抑制された患者に与えることができる。
【0015】
【実施例】
実施例1
乳牛をクロストリジューム・ディフィシル(Clostridium difficile)細胞のホルマリン不活性化調製物(formaline inactivated preparations)で免疫化した。0.5mlの生理的食塩中の微生物体の懸濁液を5mlの水酸化アルミニウムアジュバントで乳化させた。以下に示すように妊娠の最後の8週中に、得られたワクチンを頚部または肩部の両側に五回筋肉注射により投与した:
最初の注射:ワクチン1ml当たり109個の細菌細胞を含んでいるもの2×4ml;1.および2.ブースター:ワクチン1ml当たり109個の細菌細胞を含んでいるもの2×2ml;および3.ブースター:ワクチン1ml当たり5×108個の細菌細胞を含んでいるもの2×2ml;および4.ブースター:ワクチン1ml当たり2×108個の細菌細胞を含んでいるもの2×2ml;
初乳の牛乳を乳汁分泌の最初の2日間で採集した。初乳の牛乳は採集後直ちに−20℃に冷凍した。
【0016】
実施例2
(a)冷凍された初乳の解凍
65リットルの冷凍保存した、免疫化された雌牛の初乳をブレンダーおよびマントルを備えた解凍用容器に移した。初乳を40℃の分離段階温度まで加熱した。
(b)脂肪の分離
セパレータを用いて段階(a)で得られた初乳から脂肪を除去して、55リットルのスキムミルクを得た。50mlのラクターゼ(BioFincon, GODO YNL)を添加してスキムミルク中に存在するラクトースを加水分解した。ラクターゼ酵素は加工処理中いかなる時点においても除去しなかった。
(c)清浄化
スキムミルクをポリプロピレン媒体(Millipore, Polygard 0.5μm)の深層型フィルタを介する予備ろ過をしてこのスキムミルクから存在し得る大きい粒子を除去した。この段階は実際のCFMFの性能を改善することを期待して行った。予備ろ過されたスキムミルクをブレンダーおよびマントルを備えた解凍用容器に写し、7−9℃のCFMF段階温度まで冷却した。
(d)クロスフロー精密ろ過(CFMF)
冷却されたスキムミルクをポリスルホンプレート上、デュラポア(Durapore)親水性PVDF膜、膜の細孔径0.22μmおよびチャンネル高さ約0.5mmを有するオープンチャンネルフィルタモジュール(Millipore、登録商標Prostak、GVPP)を介してクロスフロー精密ろ過した。スキムミルクは1バールの圧力でオープンチャンネルモジュールにポンプ輸送した。遠心ポンプのポンプ輸送能力は100リットル/分であった。クロスフロー精密ろ過の間の著しい初期のフラックス損失は見出されなかった。52.5リットルのろ液を回収し、そして最終温度は15℃であった。
比較のため、同じ膜を用いて乱流促進ティンチャンネルフィルタモジュール(turbulence promoting thin channel filter modules) (Millipore、登録商標Pellicon、GVPP)を使用した。
(e)結果
前記加工処理の画分中に含まれる免疫グロブリンG(IgG)を検出するために単純競合性の酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)を使用した。オープンチャンネルCFMFにおけるIgG回収率は95%であるのに対し、ティンチャンネルCFMFにおける回収率は単に30%であった。
加工処理画分における、抗体力価、即ち生物学的活性ワクチン−特異性免疫グロブリンの相対量はELISAの固体相として固定化クロストリジューム・ディフィフィシル(C. difficile)細胞を使用して検定した。前記加工処理中、高い力価(1:432,000)が一定に保持され、それは総IgGの95%回収率と良好に相関する。
総平板菌数(total plate count)はオープンチャンネルCFMF工程の前と後で測定した。総平板菌数は1.2×106cfu/mlから1.0×101cfu/mlより少なく減少し、または5.1 logsまで減少した。
【0017】
実施例3
65リットルの冷凍保存した免疫化されてない雌牛の初乳を脱脂し、そしてオープンチャンネルデバイスにより実施例2に記載した方法により加工処理した(ここでは初乳加工処理とも呼ぶ)。
45リットルのろ液が得られた。IgG含有量は上記と同様に測定した。結果を表1に示す。
69リットルの冷凍保存した免疫化されてない雌牛の初乳をブレンダー及びマントルを備えた解凍用容器に移した。初乳を40℃の分離段階温度まで加熱した。セパレータを用いて初乳から脂肪を除去して、61リットルのスキムミルクを得た。50mlのラクターゼ(BioFincon, GODO YNL)を添加してスキムミルク中に存在するラクトースを加水分解した。ラクターゼ酵素は加工処理中いかなる時点においても除去しなかった。レンネット(Renco Rennet; Biofincon; 1:50000)を32℃で前記スキムミルクに加え、そして30分後チーズを切り出す。得られたチーズホエー(52リットル)を深層型フィルタ(Millipore,Polygard,0.5μm)を介して予備ろ過し、チーズホエーから存在し得る大きい粒子を除去した。
予備ろ過は実際のCFMFの性能を改善することを意味していた。予備ろ過されたホエーをブレンダーおよびマントルを備えた解凍用容器に写し、CFMF段階温度(7−9℃)まで冷却した。冷却されたチーズホエーをオープンチャンネルフィルタモジュール(Millipore、登録商標Prostak、GVPP)を介してクロスフロー精密ろ過した。このホエーは遠心ポンプを用いて1バールの圧力でオープンチャンネルモジュールにポンプ輸送した。ポンプ輸送能力は100リットル/分であった。45リットルのろ液を回収し、そして最終温度は15℃であった。IgG含有量を測定した。結果を表1に示す。
表1. 初乳およびチーズホエー加工処理における結果の比較
【表1】
チーズホエー加工処理において回収された免疫グロブリンGの量は初乳加工処理において回収されたよりも30%少ない。
【0018】
実施例4
比較のため、IgGの回収ならびにCFMF性能を比較するために、初乳,酸性ホエー(acid whey)およびチーズホエーを用いて実験室規模で試験実施させた。1000リットルの初乳を最初に脱脂しそしてより小さい容器中に入れ、−20℃で凍結させる。冷凍保存された脱脂された初乳を10℃で速やかに解凍する。脱脂された初乳にHClを添加することによりpHを4.5に減少させた酸性ホエーを作り、そしての酸性ホエーを遠心分離により取り出す。レンネットを32℃に加熱した脱脂された初乳に加え、その後チーズを切削後、チーズホエーを回収した。
脱脂された初乳、ならびにそこから製造した酸性ホエーおよびチーズホエーを別々に深層型フィルタを介して予備ろ過しそして得られた溶液をそのまま加工処理するか、またはMillipore 登録商標Prostak GVPPフィルタデバイスによるCFMFの前に、イオン化水により1:5に稀釈した。前記ろ過には回転ローブポンプ(Amicon)を使用した。おのおの個々の試験実施における給送容積は10リットルであり、給送側の圧力は0.9バールだった。結果を表2に示す。
表2. 初乳、酸性ホエーおよびチーズホエー加工処理における結果の比較
【表2】
両方のホエー加工処理における実際の透過フラックスは、初乳の加工処理よりも悪く、IgG透過性も同様であった。初乳の稀釈は膜を通るフラックスの透過をファクタ2.5まで改善し、一方IgGは稀釈されてファクタ5まで改善した。稀釈されたIgG画分はその後濃縮が必要となり、それは処理費用、時間、およびさらに後汚染の可能性を増加させる。
【0019】
実施例5
実施例2においてクロスフロー精密ろ過された初乳20リットルを層流キャビネット(laminar flow cabinet)下で0.22μm細孔径の登録商標Durapore PVDF媒体を使用する4”ミリポアオプティキャップフィルタ(4” Millipore Opticap filter)を用いて、デッドエンドなろ過(dead−end filtration)をし、そして500ml瓶に無菌的に瓶詰めした。瓶詰めされた製品は完全に無菌であった。初乳の無菌デッドエンドろ過は同じ細孔径の膜を介してクロスフロー精密ろ過された後のみ可能であった。その代わりとしては、0.22μm細孔径の登録商標Milligard媒体(セルロースの混合エステル)を使用する4”ミリポアオプティキャップフィルタが瓶詰めの前に使用された。
【0020】
実施例6
実施例2においてクロスフロー精密ろ過された初乳をさらなる濃縮を要することなく首尾良く凍結乾燥して初乳粉末を製造した。粉末はその後水またはリン酸により緩衝化された塩水(0.1M,pH7.0)に溶解された。
Claims (12)
- 高活性タンパク質含有量を保持しながら、生物負荷量を減少させるために初乳を処理する方法であって、該方法が
(a) 初乳を採集し、
(b) 前記初乳を脱脂し、
(c) オープンチャンネルを備えたタンジェンシャルフローフィルタ(TFF)デバイス、および0.1−0.5μmの細孔径を有するフィルタを使用して前記脱脂された初乳のクロスフロー精密ろ過(CFMF)を行い、そして
(d) ろ液を回収することからなる方法。 - 前記CFMFを約0.2μmの細孔径を有するフィルタを使用して行う請求項1記載の方法。
- 前記CFMFを親水性にされたポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜のフィルタを使用して行う請求項1または2記載の方法。
- 前記初乳が分娩から48時間以内の雌牛から採集される請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
- 前記CFMFの前に前記初乳を浄化することをさらに含む請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
- 前記CFMFの後に0.2−0.45μmの細孔径を有するフィルタを通過させる滅菌ろ過を行うことをさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項記載の方法。
- 前記回収したろ液を乾燥させることをさらに含む請求項1ないし6のいずれか1項記載の方法。
- 前記初乳が免疫化された哺乳類から採集される請求項1ないし7のいずれか1項記載の方法。
- 前記CFMF段階(c)が40℃を越えない温度で行われる請求項1ないし8のいずれか1項記載の方法。
- 前記CFMF段階(c)が最高15℃の温度で行われる請求項9記載の方法。
- 請求項1ないし10のいずれか1項記載の方法によって処理された初乳。
- 前記初乳を含む臨床用栄養製剤、機能性食品または食品用栄養補助物の製造ための請求項11記載の初乳の使用方法。
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