JP3618461B2 - 塗装装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチックス板、建材などの成形品に樹脂を塗布するために用いられる塗装装置であって、特に比較的平坦な成形品の片面に塗装を行うために用いられる毎葉式の塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大量処理が可能で、比較的厚膜の塗装を行うのに適している塗装装置として、カーテンフローコーターが知られている。カーテンフローコーターは、塗料を定量吐出する定量ポンプと、吐出用ヘッドと、外部より侵入した異物を取り除くフィルターと、塗料を受ける樋部(泡の発生を防止する山型の機器を含む。)と、流れ出る塗料を回収する集液タンクと、これらを直列につなぐ配管部と、カーテン状に流れ落ちる塗料に対して直交する方向に塗装対象物を一定速度で搬送するコンベアとからなる構造を有していることが一般的である。従来のカーテンフローコーターは、10〜600cPs程度の低粘度を有する塗料に対応したものであり、塗装幅が1300mmを超えると塗料をカーテン状に安定して流すことが困難であるため、1300mm未満の塗装幅のものが多く、これを超える塗装幅に対応した装置はほとんど実用化されていない。また、塗料を連続的に流して塗料の流れを安定化させるために、塗料の流動性を考慮して吐出用ヘッドの構造に特徴を持たせているもの(フィッシュテール型、コートハンガー型など)、塗料の流れの流量が経時的に変化することを考慮し、板状のスリットの固定用ボルトのセット部を長穴にして出張り量を可変とし、吐出用ヘッドと一体化されたスリットの開口幅が容易に調整できるようになっているもの、塗料を連続的に流して安定化させるために、前後の側盤を弾性のあるシール材で接続し、そのシール材の締め付け量によって運転時に吐出用ヘッドの幅を調整できるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のカーテンフローコーターでは、塗料の循環時に塗料中に気泡を噛み込み易く、一度気泡が噛み込まれるとこれを消すことができず、比較的高粘度である100〜1500cPsを有する塗料を用いて1300mmを超える幅の塗装を安定して行うことは困難であった。また、従来の吐出用ヘッドは鋳物で作製されることが多く内部が見えないために塗装膜厚の制御が困難であり、生産性を低下させることがある。運転時に吐出用ヘッドの幅を調整できる構造を有する装置は再現性が低く、スリットの開口幅の調整が困難である。なお、実際の塗装工程では、連続的に塗装することはまれであり、断続的な処理が多いにもかかわらず、従来の装置では塗料のカーテン状の流れを途中でカットすることができないことも問題であった。
【0004】
本発明は上記の課題を解決し、比較的高粘度の塗料を用いても気泡の噛み込みが少なく、塗装膜厚の制御が容易で、安定的に塗装することが可能な塗装装置を提供することを目的とする。また、本発明は断続的な塗装を行うことが可能な塗装装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗装装置は、塗料を定量吐出する定量ポンプと、異物を取り除くフィルターと、吐出用ヘッドと、塗料を受ける樋部と、樋部から流れ出る塗料を回収する集液タンクと、塗装対象物を搬送するコンベアとからなるカーテンフロー方式による塗装装置において、上記吐出用ヘッドが塗装幅の方向と平行な方向に長く、下側が狭くなったクサビ状の胴部および該胴部内を真空減圧するための排気系を有し、該胴部内に上下2段の液溜まり部が設けられており、上段側の液溜まり部における塗装幅の方向と平行な方向の一つの面からオーバーフローした塗料が胴部内の斜面を伝って下段側の液溜まり部に流れ落ち、下段側の液溜まり部の下部にある開口から塗料が塗装対象物に吐出され、該胴部内の真空減圧により断続的な塗装を行うことが可能である。本発明における吐出用ヘッドは上下2段の液溜まり部を持ち、上段の液溜まり部で塗料をオーバーフローさせることによって塗装幅と平行な方向に均一な流量になるように塗料の量が調整され、胴部の斜面(この面は研磨仕上げされていることが好ましい。)に沿って塗料を流下させることで泡の発生が防がれ、下段の液溜まり部で安定した液深が得られることとなり、高粘度の塗料を用いた場合でも下段側の液溜まり部の下部にある開口から安定したカーテン状の塗料の流れが得られ、膜厚むらの小さい塗装が可能となる。また、本発明における吐出用ヘッドの構成であれば、胴部の長さを大きくした場合にも開口からの塗料の流れは安定したものであり、塗装幅を大きくしたときでも膜厚むらが生じ難い。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装装置の一例の概略構成図を図1に、吐出用ヘッドの部分拡大図を図2に示す。本発明の塗装装置は塗料を定量吐出する定量ポンプ1と、塗装装置の外部より侵入等した異物を取り除くフィルター2と、吐出用ヘッド3と、塗料を受ける樋部4と、樋部から流れ出る塗料を集め、塗料の粘度および温度を調整する集液タンク5と、塗装対象物を搬送するコンベア6とからなる。定量ポンプ1、フィルター2、吐出用ヘッド3、樋部4および集液タンク5は配管7で直列につながれ、塗料はこれらで構成される系内を循環する。そして、上記吐出用ヘッド3は塗装幅Wの方向と平行な方向に長く、下側が狭くなったクサビ状の胴部を有し、該胴部内に上下2段の受け皿が設けられており、胴部の内部壁面に近接するように上段側の受け皿8が配置される(図2)。この受け皿8の一方の辺は塗装幅Wの方向と平行な方向になるようにセットされており、受け皿8の内側には出し入れが可能な円筒状の塗料供給体があり、その供給スリット9から塗料が供給される。塗料供給スリット9は塗装幅Wの方向と平行な方向にほぼ均一な供給量となるように開口の幅を調節することができる。塗料供給スリット9から供給された塗料は受け皿8内に充満して上段側の液溜まり部を構成する。受け皿8の一つの面8aからオーバーフローした塗料が胴部内の平滑な斜面10を伝って流れ落ちる。該一つの面8a以外の辺8bは塗料がオーバーフローしないようにある程度高く張出させてある。流れ落ちた塗料は胴部の下端で下段側の液溜まり部11を構成する。この下段側の液溜まり部11の下部にあるスリット体の開口12から塗料が塗装対象物に対して吐出される。
【0007】
本発明の塗装装置において、吐出用ヘッドの上記開口が設けられたスリット体は着脱自在とすることができる。例えば、600〜1000cPsの粘度を有する塗料を用いて幅が1200mmの塗装を行う際のスリット体の開口の大きさは概ね1.6〜1.9mmの範囲である。
【0008】
また、吐出用ヘッドが胴部内を真空減圧するための排気系を有し、これによってカーテン状の塗料の流れを一時的に遮断することで断続的な塗装工程に対応することができる。排気系の構成の一例の概略図を図3に示す。この排気系は真空ポンプ13、補助タンク14および吐出用ヘッド3が配管で接続されており、途中に電磁弁15が設けられ、必要によりバルブ16、17が設けられている。例えば、吐出用ヘッドの内容積をVcm3 とすると、予め10Torr以下に減圧された3〜5Vcm3 の内容積を有する補助タンクを電磁弁を用いて吐出用ヘッドと接続し、0.2〜0.3sec間の解放することにより塗料の流れを一時的に遮断することができる。
【0009】
また、塗装対象物を搬送するコンベアの速度を、例えばプログラム制御して任意に設定することで、所望の塗装膜厚分布を得ることが可能となる。塗装対象物の種類によっては、塗装膜厚が均一ではなく、塗装膜厚をある程度の範囲で任意にコントロールしたいものがあるが、コンベアの速度をプログラム制御によりコントロールすることで、所望の塗装膜厚分布を得ることが可能となる。この時のコンベア速度は、例えば0〜100m/minの範囲である。例えば、600〜1000cPsの粘度を有する塗料を用いて幅が1200mmの塗装を行う際のスリット体の開口の大きさを1.6〜1.9mmの範囲とすると、コンベア速度を60m/min→0m/min→90m/minと変えることによって塗装膜厚を100μm→900μm→80μmと変化させることができる。
【0010】
本発明の塗装装置において、吐出用ヘッドの一部の面(例えば、上記吐出用ヘッドのおける斜面10と対向する面。)をガラスや透明プラスチックなどの透明な材料で構成することによって、液溜まり部での塗料の液深により塗装膜厚の管理することができる。ここで、塗料の種類によっては、外光にさらさないことが好ましいものがあるため、吐出用ヘッドに遮光カバーを付加しても良い。
【0011】
なお、塗装装置における塗料の循環系全体を例えばリボンヒーターで覆い、その上から断熱材でカバーすることによって温度調節できるようにすることで、より安定した塗装を行うことができる。また、600〜1000cPsの粘度を有する塗料を用いるときは、例えば流量8〜15kg/minで塗料を循環させれば良い。
【0012】
本発明の塗装装置において用いられる塗料の粘度の範囲は、例えば100〜1500cPsの範囲である。この粘度は一般に回転式粘度計(例えば、E型粘度計またはB型粘度計)を用いてJISK717に記載の方法により測定されるものである。
【0013】
本発明の塗装装置により紫外線硬化樹脂等を塗装対象物に塗布し、後工程で紫外線硬化樹脂等を硬化させ、また他の素材とラミネートすることによって目的の製品を得ることができる。本発明の塗装装置によりプラスチック板、フィルム、浅絞りのプラスチック成型品のほか、金属、セラミックス、繊維、紙などの平坦な部材の表面に塗料を塗布することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の塗装装置によれば、比較的高粘度の塗料を用いても気泡の噛み込みが少なく、塗装膜厚の制御が容易で、安定的に塗装することが可能である。また、本発明の塗装装置に真空排気系を付加すれば断続的な塗装を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】吐出用ヘッドの部分拡大図である。
【図3】排気系の構成の一例の概略図である。
【符号の説明】
1 定量ポンプ
2 フィルター
3 吐出用ヘッド
4 樋部
5 集液タンク
6 コンベア
8 上段側の液溜まり部
10 斜面
11 下段側の液溜まり部
12 開口

Claims (3)

  1. 塗料を定量吐出する定量ポンプと、異物を取り除くフィルターと、吐出用ヘッドと、塗料を受ける樋部と、樋部から流れ出る塗料を回収する集液タンクと、塗装対象物を搬送するコンベアとからなるカーテンフロー方式の塗装装置において、上記吐出用ヘッドが塗装幅の方向と平行な方向に長く、下側が狭くなったクサビ状の胴部および該胴部内を真空減圧するための排気系を有し、該胴部内に上下2段の液溜まり部が設けられており、上段側の液溜まり部における塗装幅の方向と平行な方向の一つの面からオーバーフローした塗料が胴部内の斜面を伝って下段側の液溜まり部に流れ落ち、下段側の液溜まり部の下部にある開口から塗料が塗装対象物に吐出され、該胴部内の真空減圧により断続的な塗装を行うことが可能である塗装装置。
  2. 塗装対象物を搬送するコンベアの速度が任意に変更できる請求項1に記載の塗装装置。
  3. 吐出用ヘッドの一部の面が透明な材料で構成されている請求項1または2に記載の塗装装置。
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